以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて、光源の光出力を制御する制御装置を一体的に備える照明装置を例に詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明装置100の模式的外観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る照明装置100の模式的分解斜視図である。
図中1は、金属製のフレームである。フレーム1は、図2に示すように、細長い矩形板部11と、該矩形板部11の周縁に長手方向に沿って立設された側壁12,12とを備えている。フレーム1は、例えばアルミニウム等の金属製である。
フレーム1の矩形板部11の長手方向の両端部には、矩形穴11a,11aが設けてある。また、フレーム1の矩形板部11の長手方向の両端部には、両端の開口部を覆う遮光板13,13が取付けてある。遮光板13は白色の反射性の高い金属からなり、フレーム1の両端の開口部から光が漏れることを防止する。また、矩形板部11には、複数のネジ穴11b,11b…が設けてある。
フレーム1の矩形板部11の一面(側壁12,12が立設された側)には、図に示すように、光源である複数(図において4つ)のLEDモジュール2,2…が、矩形板部11の長手方向に沿って取付けてある。LEDモジュール2は、矩形板状をなすLED基板21と、該LED基板21に等間隔にマトリクス状に設けられた複数のLED22,22…とを備えてなる。LED基板21はプリント配線基板であり、LED基板21には、4隅及び中央部に円形穴が形成してある。またLED基板21には、複数のLED22,22…間を通電する配線パターン(図示せず)、LED22,22…に一定の電流を流すための制限抵抗(図示せず)、複数のLED基板21,21…間を接続するためのLED基板コネクタ23,23が設けてある。LED22,22…は、LED素子と、該LED素子を封止し、蛍光体が分散された封止樹脂と、入力端子及び出力端子とを備えてなる表面実装型LEDである。
LED基板21の一面(LED22,22…が実装された側)には、LED基板21と略同一寸法の矩形シート状を有する反射シート3が設けてある。反射シート3として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが用いられる。反射シート3には、LED21,21…より若干大きい矩形穴3a,3a…がLED2,2…と同数形成してある。さらに反射シート3には、4隅及び中央部に円形穴3b,3b…が形成してある。
LEDモジュール2,2…は、LED基板21,21…に設けられた円形穴、反射シート3に設けられた円形穴3b,3b…にネジ25,25…を挿通させ、フレーム1の矩形板部11に設けられたネジ穴11b,11b…にネジ25,25…を螺合させることにより、フレーム1に取付けてある。
フレーム1の側壁12,12の端部には、LEDモジュール2,2…を覆うように矩形板状をなすカバー4が設けてある。カバー4として、例えば、ポリカーボネート樹脂製の乳白色の拡散板、アクリル樹脂の透光板等が用いられる。
フレーム1の長手方向の両端部には、略直角をなす2平面を有するサイドカバー5,5が前記両端部の開口部を覆うように設けてある。サイドカバー5,5の内面には、フレーム1の矩形板部11にサイドカバー5,5を取り付けるための爪部51,51と、後述するストッパーが回動しないように固定する固定部(図示せず)とが設けてある。
フレーム1の矩形板部11の他面(LEDモジュール2,2…が設けられた側とは逆側の面)には、該矩形板部11の長手方向に直交する面における断面形状がL字状を有する係止部14,14が長手方向の略全長に亘って設けてある。該係止部14,14により一面開口の筐体状をなす電源ケース6が係止してある。
電源ケース6は、一面開口の筐体であり、鉄等の金属製である。電源ケース6の開口部側には、電源ケース6の側壁に直交する方向に突出する突起部61,61が長手方向の略全長に亘って設けてある。該突起部61,61が掛止部14,14に係合することにより、電源ケース6とフレーム1とが一体化されることになる。
電源ケース6の両端には、板状を有するストッパー62,62が設けてある。ストッパー62は、該ストッパー62の略中央を通り、ストッパー62と平行をなす軸周りに回動可能に構成してある。これにより、ストッパー62,62をフレーム1に設けられた矩形穴11a,11aに挿入し、フレーム1と電源ケース6とを突起部61,61と掛止部14,14とからなる係止構造により係止した後に、ストッパー62,62を略90度回動させることにより、フレーム1を電源ケース6に係止状態にて保持される。
この電源ケース6の内部には、外部電源から電力線が接続するための接続端子63と、金属製の電源回路ボックス64とが設けてある。電源回路ボックス64には、コンデンサ、トランス等の電子部品(図示せず)を電源回路基板65に実装してなる電源回路部が絶縁シート66を介して取付けてある。電源回路部は、配線67,67及びコネクタ68,68によりLEDモジュール2,2…に接続してある。
また、照明装置100の長手方向の一側には、照明装置100の周囲の照度を測定すべく、照度センサ7が取付けてある。なお、照度センサ7は、LEDモジュール2,2…から出射した光が照明装置100の内部において反射して、照度センサ7に入射しないように、フレーム1の矩形板部11に直角をなして設けられた筒体の内部に配してある。照度センサ7は、例えば、フォトトランジスタ、フォトダイオード等の受光部を備えるそれ自体公知の照度センサであり、詳細な説明は省略する。
以上のように構成された照明装置100は、電源ケース6を天井にボルト等で取り付け、フレーム1を電源ケース6に係止して一体化することにより、室内の窓側の天井に取付けてある。そして、電源ケース6の内部の電源回路部を天井裏に配設されている外部電源の電力線に接続し、フレーム1の内部のLEDモジュール2,2…を配線67,67及びコネクタ68,68により電源回路部に接続してあるから、外部電源から供給される交流電圧が、前記電源回路部により直流電圧に変換及び整流されてLEDモジュール2,2…に供給されることになる。この結果、照明装置100は、照度センサ7の検出結果に応じて、LEDモジュール2,2…の光出力を制御することにより所定の明るさにて照明することが可能となる。
図3は、本実施の形態に係る照明装置100の制御系の構成を示すブロック図である。電源ケース6の内部には、LEDモジュール2,2…の光出力を制御する制御装置8が設けてある。制御装置8は、図3に示すように、A/D変換部81と、出力判定部82と、タイマ83と、記憶部84と、出力制御部85とを備えている。出力判定部82には、A/D変換部81、タイマ83、記憶部84及び出力制御部85が夫々接続してある。
A/D変換部81には、照度センサ7により所定のサンプリング周期にて検出された検出値が与えられる。A/D変換部81は、与えられた検出値をA/D変換して、変換されたデジタル信号を出力判定部82に与える。
出力判定部82は、記憶部84に記憶されている制御プログラムを読込み、読込まれた制御プログラムに従って、A/D変換部81を介して与えられた照度センサ7の検出値を用いて、時間幅が長い第1時間の第1代表照度及び時間幅が短い第2時間の第2代表照度を逐次算出する。第1時間及び第2時間は、タイマ83により計時される。そして、出力判定部82は、逐次算定された第1代表照度及び第2代表照度の変化に基づいて照明装置100の周囲の明るさの変化を判定して、判定された明るさの変化に基づいてLEDモジュール2,2…の光出力の目標値を決定し、決定された光出力の目標値を出力制御部85に与える。
出力制御部85は、与えられた目標値に応じて調光信号を生成し、生成された調光信号に応じてLEDモジュール2,2…の駆動を制御するように構成してある。LEDモジュール2,2…のLED22,22…は、調光信号に応じた光出力にて夫々発光する。調光信号は、LED22,22…の電流−輝度特性に従った電流信号であり、例えば、アナログ電流信号、パルス幅変調信号等の信号である。
図4は、本実施の形態に係る照明装置100の調光制御の処理手順を示すフローチャートである。制御装置8は、照明装置100の電源投入後、LEDモジュール2,2…を上限出力にて点灯する(ステップS1)と共に、タイマ83をスタートする(ステップS2)。
図5は、照明装置100の点灯及び調光の制御過程を示すタイミングチャートの一例である。制御装置8は、図5に示すように、電源投入後、所定時間T1経過するまでは上限出力にてLEDモジュール2,2…を点灯し、所定時間T1経過した後は、電源が遮断されるまで、判定された周囲の明るさの変化に基づいて、上限出力〜下限出力の出力範囲(図中に斜線にてハッチングした範囲)にてLEDモジュール2,2…を調光するように構成してある。上限出力の初期値として100%出力が、下限出力の初期値として5%出力が夫々設定してある。なお、この上限出力及び下限出力は、リモートコントローラ等を用いて設定することにより変更可能なように構成してある。
制御装置8は、タイマ83により計時した時間が所定時間T1経過した後、時間幅が短い第2時間(例えば、2秒)が経過する毎に、照度センサ7の検出値を処理するセンサ入力処理動作を行う(ステップS3)。
図6は、センサ入力処理動作の手順を示すフローチャートである。制御装置8の出力判定部82は、照度センサ7の検出値の取込み回数iをカウントするカウンタを初期化(i←0)する(ステップS11)。次に、A/D変換部81によりデジタル信号に変換された後の照度センサ7の検出値を一定時間(例えば100ms)毎に取込むと共に(ステップS12)、カウンタに1を加算(i←i+1)する(ステップS13)。次に、取込まれた照度センサ7の検出値を積算すると共に(ステップS14)、検出値の最大値及び最小値を記憶部84に格納する(ステップS15)。なお、ステップS15において、記憶部84に格納された検出値の最大値及び最小値は、検出値が新たに取込まれる毎に比較され、更新される。
次に、照度センサ7の検出値の取込み回数iが規定回数N1に達しているか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16において、検出値の取込み回数iが規定回数N1に達している場合(ステップS16:YES)、ステップS17に進む。一方、ステップS16において、検出値の取込み回数iが規定回数N1に達していない場合(ステップS16:NO)、ステップS12に戻って一連の動作を繰り返す。
ステップS17において、ステップS14において積算された積算値からステップS15において格納された最大値及び最小値を減算した後、残りを検出値の個数(規定回数N1から2を減算した数)により除算することにより平均値を求め、求められた平均値を第2時間の第2代表照度である代表値Aとして記憶部84に格納した後、センサ入力処理動作を終了する。
次に、ステップS3のセンサ入力処理において求められた代表値Aを用いて、LEDモジュール2,2…の光出力の目標値を決定するLED出力処理動作を行う(ステップS4)。
図7は、LED出力処理動作の手順を示すフローチャートである。制御装置8の出力判定部82は、所定時間t1が経過したか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21において、所定時間t1が経過した場合(ステップS21:YES)、代表値Aを積算すると共に(ステップS22)、代表値Aの最大値及び最小値を記憶部84に格納して(ステップS23)、ステップS24に進む。ステップS21の所定時間t1は、時間幅が長い第1時間の第1代表照度である代表値Bを求める際に用いる代表値Aのサンプリング周期であり、出力判定部82は、所定時間t1が経過する毎に、ステップS22以降の一連の動作を行う。なお、ステップS23において、記憶部84に格納された代表値Aの最大値及び最小値は、代表値Aが新たに読込まれる毎に比較され、更新される。
一方、ステップS21において、所定時間t1が経過していない場合(ステップS21:NO)、ステップS27に進み、周囲の急激な明るさの変化を判定する照度センサ判定2処理動作を行う。照度センサ判定2処理動作の詳細については後述する。
ステップS24において、時間幅が長い第1時間である所定時間t2(例えば、1分)が経過したか否かを判定する。ステップS24において、所定時間t2が経過した場合(ステップS24:YES)、時間幅が長い第1時間の第1代表照度である代表値Bを算出する(ステップS25)。代表値Bは、ステップS22において積算された積算値からステップS23において格納された最大値及び最小値を減算した後、残りを平均することにより求められる。一方、ステップS24において、所定時間t2経過していない場合(ステップS24:NO)、ステップS27に進み、照度センサ判定2処理動作を行う。
次に、ステップS25において求められた代表値Bを用いて、周囲の緩やかな明るさの変化を判定する照度センサ判定1処理を行う(ステップS26)。
図8は、照度センサ判定1処理動作の手順を示すフローチャートである。制御装置8の出力判定部82は、ステップS25において求められた代表値Bを用いて、現在の周囲の照度レベルの判定を行う(ステップS31)。
図9は、照度レベル判定動作の手順を示すフローチャートである。出力判定部82は、jに照度レベルを判定する閾値Thjの個数N2を代入する(j←N2)(ステップS41)。本実施の形態においては、表1に示すテーブルを用いて、現在の周囲の照度レベルの判定を行う。照度レベルは、表1に示すように、6つの閾値Thj(j=1,2,…6)により7段階の照度レベル(レベル0〜6)に判定され、分類される。
なお、表1に示す6つの閾値Thj(j=1,2,…6)は、例えば、照度センサ7により与えられた電圧値であり、閾値Th6>Th5>Th4>Th3>Th2>Th1となっており、電圧値が大きいほど照度は高くなる。従って、判定された照度レベルは、レベルの数字が大きい方が照度は高くなる。なお、表中に記載の上限レベル及び下限レベルは、LEDモジュール2,2…の光出力のレベルである出力レベルに対応したレベル0及びレベル6の言い換えである。即ち、上限レベルは、LEDモジュール2,2…の光出力を上限出力にすることが適切な非常に暗い照度レベル(レベル0)であることを意味し、下限レベルは、LEDモジュール2,2…の出力レベルを下限出力にすることが適切な非常に明るい照度レベル(レベル6)であることを意味する。
照明装置100のLEDモジュール2,2…の出力レベルは、表2に示すように、7段階の目標照度レベル(レベル0〜6)に応じて7段階の出力レベル(5%,30%,40%,50%,60%,70%,100%)に設定してある。
表1に示すテーブルは、照明装置100のLEDモジュール2,2…の出力レベルの数(本実施の形態においては7つ)と同数用意してある。これは、照明装置100のLEDモジュール2,2…自身が発する光の照度センサ7への影響を除去するためである。即ち、照明装置100の直下の照度は、照明装置100のLEDモジュール2,2…が発する光、窓から入射する太陽光又は他の照明装置の光源が発する光等により定まるから、周囲の照度をより正確に求めるためには、この照明装置100自身の光出力分を補正する必要がある。そこで、照明装置100の出力レベル毎に判定条件の閾値Thjを適切に変更している。表3は、出力レベル100%のときの参照テーブルであり、表4は、出力レベル40%のときの参照テーブルである。
出力レベルの高い方が、照明装置100自身が発する光出力も大となるから、表3及び表4に示すように、表3の判定条件の閾値の方が表4の判定条件の閾値よりも概ね大きな値となっている。このように照明装置100の出力レベル毎にテーブルを用意することにより、現在の照明装置100の出力レベルに応じて適切に補正を行うことができ、より正確に照射面の照度を求めることができる。
次に、出力判定部82は、代表値Bが閾値Thj以上であるか否かを判定する(ステップS42)。ステップS42において、代表値Bが閾値Thj以上である場合(ステップS42:YES)、周囲の照度レベルはレベルjであると判定して(ステップS43)、照度レベル判定動作を終了する。
一方、ステップS42において、代表値Bが閾値Thj未満である場合(ステップS42:NO)、jが1であるか否かを判定する(ステップS44)。ステップS44において、jが1である場合(ステップS44:YES)、周囲の照度レベルはレベル0であると判定して(ステップS45)、照度レベル判定動作を終了する。一方、ステップS44において、jが1でない場合(ステップS44:NO)、jから1を減算して(ステップS46)、ステップS42に戻って一連の動作を繰り返す。
以上の照度レベル判定動作により、例えば、代表値Bが閾値Th6以上であれば、判定照度レベルはレベル6(下限レベル)となる。代表値Bが閾値Th6未満であれば、次の閾値Th5に対する判定を行い、以下繰り返す。代表値Bが閾値Th1未満であれば、判定照度レベルはレベル0(上限レベル)となる。
制御装置8の出力判定部82は、ステップS31の照度レベル判定動作の終了後、照明装置100のLEDモジュール2,2…が上限出力にて点灯しているか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32において、上限出力点灯である場合(ステップS32:YES)、上限出力点灯時における周囲の明るさの変化を判定する上限出力点灯時判定処理動作を行う(ステップS33)。
図10は、上限出力点灯時判定処理動作の手順を示すフローチャートである。出力判定部82は、ステップS31において判定された照度レベルが上限レベル(レベル0)であるか否かを判定する(ステップS50)。ステップS50において、判定照度レベルが上限レベルである場合(ステップS50:YES)、即ち、現在のLEDモジュール2,2…の出力レベルに対応する照度レベルと、判定された現在の周囲の照度レベルとが同一である場合、出力レベルを変更する必要がないので、2回目フラグをクリアして(ステップS51)、上限出力点灯時判定処理動作を終了する。
一方、ステップS50において、判定照度レベルが上限レベルでない場合(ステップS50:NO)、照度レベルの判定が1回目であるか否かを判定する(ステップS52)。なお、照度レベルの判定が1回目であるか否かの判定は、2回目フラグがセットしてあるか否かにより判断する。
ステップS52において、照度レベルの判定が1回目である場合(ステップS52:YES)、1回目の判定結果を格納して、2回目フラグをセットして(ステップS53)、上限出力点灯時判定処理動作を終了する。一方、ステップS52において、照度レベルの判定が1回目でない場合(ステップS52:NO)、1回目の判定照度レベルが下限レベル(レベル6)でなく、かつ2回目の判定照度レベルが下限レベルであるという条件を満足しているか否かを判定する(ステップS54)。
ステップS54において、判定条件を満足する場合(ステップS54:YES)、1回目の判定結果を2回目の判定結果で更新して、上限出力点灯時判定処理動作を終了する。このような処理は、以下の理由により行っている。判定された照度レベルが1回目と2回目とで異なる場合、後述するように変化の少ない方のレベルになるように光出力を変更する。ところが、現在の周囲の照度レベルは、前述したように代表値Bを用いて判定しており、代表値Bは、所定時間t2(1分)の平均照度であるから、例えば、1回目の所定時間t2の間にかなり明るくなった場合、平均値は明るくなる前と後で相殺され、中間の値が算出される虞がある。この場合、実際は明るいのに、一度途中のレベルに変化させてしまうと、その後は後述するように1レベルずつの移行となるため、本来必要なレベルまでの到達時間が長くなる。そこで、2回目に判定された照度レベルが下限レベルである場合は、すぐに出力レベルを変更せず、さらに所定時間t2(1分)様子を見るように構成することにより、周囲の明るさの変化に応じて本来必要なレベルへ、より早く変化させることができる。
一方、ステップS54において、判定条件を満足しない場合(ステップS54:NO)、2回目の判定照度レベルの方が上限レベルに近いか否かを判定する(ステップS56)。ステップS56において、2回目の判定照度レベルの方が上限レベルに近い場合(ステップS56:YES)、2回目の判定結果を採用し(ステップS57)、2回目フラグをクリアして(ステップS59)、上限出力点灯時判定処理動作を終了する。一方、ステップS56において、1回目の判定結果の方が上限レベルに近い場合(ステップS56:NO)、1回目の判定結果を採用し(ステップS58)、2回目フラグをクリアして(ステップS59)、上限出力点灯時判定処理動作を終了する。
ステップS56乃至S58の処理により、判定された照度レベルが1回目と2回目とで異なる場合、変化の少ない方(暗い判定結果の方)のレベルになるように光出力を変更することになる。例えば、1回目の判定照度レベルがレベル2で、2回目の判定照度レベルがレベル3という結果がでた場合は、現在のLEDモジュール2,2…の出力レベル(100%出力)に対応する照度レベルがレベル0の上限レベルであるから、変化の少ない上限レベルに近い方のレベル2(対応する出力レベル:60%出力)を目標とする照度レベルとして採用する。
一方、ステップS32において、上限出力点灯でない場合(ステップS32:NO)、照明装置100のLEDモジュール2,2…が下限出力にて点灯しているか否かを判定する(ステップS34)。ステップS34において、下限出力点灯である場合(ステップS34:YES)、下限出力点灯時における周囲の明るさの変化を判定する下限出力点灯時判定処理動作を行う(ステップS35)。
図11は、下限出力点灯時判定処理動作の手順を示すフローチャートである。出力判定部82は、ステップS31において判定された照度レベルが下限レベル(レベル6)であるか否かを判定する(ステップS60)。ステップS60において、判定照度レベルが下限レベルである場合(ステップS60:YES)、即ち、現在のLEDモジュール2,2…の出力レベルに対応する照度レベルと、判定された現在の周囲の照度レベルとが同一である場合、出力レベルを変更する必要がないので、2回目フラグをクリアして(ステップS61)、下限出力点灯時判定処理動作を終了する。
一方、ステップS60において、判定照度レベルが下限レベルでない場合(ステップS60:NO)、照度レベルの判定が1回目であるか否かを判定する(ステップS62)。なお、照度レベルの判定が1回目であるか否かの判定は、2回目フラグがセットしてあるか否かにより判断する。
ステップS62において、照度レベルの判定が1回目である場合(ステップS62:YES)、1回目の判定結果を格納して、2回目フラグをセットして(ステップS63)、下限出力点灯時判定処理動作を終了する。一方、ステップS62において、照度レベルの判定が1回目でない場合(ステップS62:NO)、1回目の判定照度レベルが上限レベル(レベル0)でなく、かつ2回目の判定照度レベルが上限レベルであるという条件を満足しているか否かを判定する(ステップS64)。
ステップS64において、判定条件を満足する場合(ステップS64:YES)、1回目の判定結果を2回目の判定結果で更新して(ステップS65)、下限出力点灯時判定処理動作を終了する。このような処理は、以下の理由により行っている。判定された照度レベルが1回目と2回目とで異なる場合、後述するように変化の少ない方のレベルになるように光出力を変更する。ところが、現在の周囲の照度レベルは、前述したように代表値Bを用いて判定しており、代表値Bは、所定時間t2(1分)の平均照度であるから、例えば、1回目の所定時間t2の間にかなり暗くなった場合、平均値は暗くなる前と後で相殺され、中間の値が算出される虞がある。この場合、実際は暗いのに、一度途中のレベルに変化させてしまうと、その後は後述するように1レベルずつの移行となるため、本来必要なレベルまでの到達時間が長くなる。そこで、2回目に判定された照度レベルが上限レベルである場合は、すぐに出力レベルを変更せず、さらに所定時間t2(1分)様子を見るように構成することにより、周囲の明るさの変化に応じて本来必要なレベルへ、より早く変化させることができる。
一方、ステップS64において、判定条件を満足しない場合(ステップS64:NO)、2回目の判定照度レベルの方が下限レベルに近いか否かを判定する(ステップS66)。ステップS66において、2回目の判定照度レベルの方が下限レベルに近い場合(ステップS66:YES)、2回目の判定結果を採用し(ステップS67)、2回目フラグをクリアして(ステップS69)、下限出力点灯時判定処理動作を終了する。一方、ステップS66において、1回目の判定結果の方が下限レベルに近い場合(ステップS66:NO)、1回目の判定結果を採用し(ステップS68)、2回目フラグをクリアして(ステップS69)、下限出力点灯時判定処理動作を終了する。
ステップS66乃至S68の処理により、判定された照度レベルが1回目と2回目とで異なる場合、変化の少ない方(明るい判定結果の方)のレベルになるように光出力を変更することになる。例えば、1回目の判定照度レベルがレベル2で、2回目の判定照度レベルがレベル3という結果がでた場合は、現在のLEDモジュール2,2…の出力レベル(5%出力)に対応する照度レベルがレベル6の下限レベルであるから、変化の少ない下限レベルに近い方のレベル3(対応する出力レベル:50%出力)を目標とする照度レベルとして採用する。
一方、ステップS34において、下限出力点灯でない場合(ステップS34:NO)、中間出力点灯時における周囲の明るさの変化を判定する中間出力点灯時判定処理動作を行う(ステップS36)。
図12は、中間出力点灯時判定処理動作の手順を示すフローチャートである。出力判定部82は、照度レベルの判定が1回目であるか否かを判定する(ステップS71)。なお、照度レベルの判定が1回目であるか否かの判定は、2回目フラグがセットしてあるか否かにより判断する。
ステップS71において、照度レベルの判定が1回目である場合(ステップS71:YES)、現在の出力レベルより周囲が明るいか否かを判定する(ステップS72)。なお、現在の出力レベルより周囲が明るいか否かは、現在の出力レベルに対応する照度レベルと判定照度レベルとを比較することにより判定される。例えば、現在の出力レベルが50%出力(対応する照度レベルはレベル3)であり、判定照度レベルがレベル4であるとき、周囲が明るいという判定となる。
ステップS72において、現在の出力レベルより周囲が明るい場合(ステップS72:YES)、明るいフラグをセットし、2回目フラグをセットして(ステップS73)、中間出力点灯時判定処理動作を終了する。一方、ステップS72において、現在の出力レベルより周囲が明るくない場合(ステップS72:NO)、現在の出力レベルより周囲が暗いか否かを判定する(ステップS74)。ステップS74において、現在の出力レベルより周囲が暗い場合(ステップS74:YES)、暗いフラグをセットし、2回目フラグをセットして(ステップS75)、中間出力点灯時判定処理動作を終了する。一方、ステップS74において、現在の出力レベルより周囲が暗くない場合(ステップS74:NO)、即ち、現在の出力レベルに対応する照度レベルと判定照度レベルとが同一である場合、フラグをセットせずに、中間出力点灯時判定処理動作を終了する。
一方、ステップS71において、照度レベルの判定が1回目ではない場合(ステップS71:NO)、現在の出力レベルより周囲が明るいか否かを判定する(ステップS76)。ステップS76において、現在の出力レベルより周囲が明るい場合(ステップS76:YES)、明るいフラグがセット中か否かを判定する(ステップS77)。
ステップS77において、明るいフラグがセット中である場合(ステップS77:YES)、即ち、2回連続周囲が明るいと判定された場合、目標とする照度レベルを現在の照度レベルから1レベル下げて(ステップS78)、2回目フラグをクリアして(ステップS79)、中間出力点灯時判定処理動作を終了する。なお、照度レベルを下げるとは、下限レベルに近い方に目標とする照度レベルを変更すること(出力レベルを下げること)であり、現在の照度レベルがレベル2であれば、目標とする照度レベルはレベル3となる。
一方、ステップS77において、明るいフラグがセット中でない場合(ステップS77:NO)、即ち、前回と判定結果が異なる場合、明るいフラグをセットし、暗いフラグをクリアして(ステップS80)、フラグをセットし直した後、中間出力点灯時判定処理動作を終了する。
一方、ステップS76において、現在の出力レベルより周囲が明るくない場合(ステップS76:NO)、現在の出力レベルより周囲が暗いか否かを判定する(ステップS81)。ステップS81において、現在の出力レベルより周囲が暗い場合(ステップS81:YES)、暗いフラグがセット中か否かを判定する(ステップS82)。
ステップS82において、暗いフラグがセット中である場合(ステップS82:YES)、即ち、2回連続周囲が暗いと判定された場合、目標とする照度レベルを現在の照度レベルから1レベル上げて(ステップS83)、2回目フラグをクリアして(ステップS84)、中間出力点灯時判定処理動作を終了する。なお、照度レベルを上げるとは、上限レベルに近い方に目標とする照度レベルを変更すること(出力レベルを上げること)であり、現在の照度レベルがレベル4であれば、目標とする照度レベルはレベル3となる。
一方、ステップS82において、暗いフラグがセット中でない場合(ステップS82:NO)、即ち、前回と判定結果が異なる場合、明るいフラグをクリアし、暗いフラグをセットして(ステップS85)、フラグをセットし直した後、中間出力点灯時判定処理動作を終了する。
ステップS81において、現在の出力レベルより周囲が暗くない場合(ステップS81:NO)、即ち、現在の出力レベルに対応する照度レベルと判定照度レベルとが同一である場合、明るいフラグ及び暗いフラグをクリアし(ステップS86)、2回目フラグをクリアして(ステップS87)、中間出力点灯時判定処理動作を終了する。
次に、ステップS33、ステップS35又はステップS36において求めた判定結果により出力レベルの変更があるか否かを判定する(ステップS37)。ステップS37において、出力レベルの変更がある場合(ステップS37:YES)、LEDモジュール2,2…の出力レベル変更有のフラグをセットして(ステップS38)、照度センサ判定1処理動作を終了する。一方、ステップS37において、出力レベルの変更がない場合(ステップS37:NO)、出力レベル変更有のフラグをセットせずに、そのまま照度センサ判定1処理動作を終了する。
出力判定部82は、ステップS26の照度センサ判定1処理動作の終了後、ステップS27に進む。ステップS27において、ステップS3において求めた時間幅が短い第2時間の第2代表照度である代表値Aを用いて周囲の急激な明るさの変化を判定する照度センサ判定2処理動作を行う。
図13及び図14は、照度センサ判定2処理動作の手順を示すフローチャートである。制御装置8の出力判定部82は、ステップS3のセンサ入力処理により求めた代表値Aが、基準値Amin以下であるか否かを判定する(ステップS91)。ステップS91において、代表値Aが基準値Amin以下である場合(ステップS91:YES)、判定が2回目であり、かつ1回目の判定により目標とする照度レベルが上限レベルであるという条件を満足しているか否かを判定する(ステップS92)。なお、Aminは、前述した閾値Th1よりも小さい値であり、周囲がかなり暗いと判定される値に設定してある。この判定条件を満足するときは、周囲が非常に暗いときであるから、照度レベルが上限レベルとなる上限出力の出力レベルでの点灯が必要となる。Aminとして、代表値AがAmin以下であるとき、例えば、周囲の明るさが略200ルクス以下になる値が選定される。なお、本実施の形態においては、周囲がかなり暗いと判定される条件として、代表値Aが基準値Amin以下であるとしているが、代表値Aが基準値Amin未満であるとしてもよい。
ステップS92において、判定条件を満足する場合(ステップS92:YES)、即ち2回連続非常に暗いと判定された場合、目標照度レベルを上限レベルとして(ステップS93)、2回目フラグをクリアして(ステップS94)、ステップS97に進む。
一方、ステップS92において、判定条件を満足しない場合(ステップS92:NO)、即ち、1回目の判定である場合又は1回目の判定結果が上限レベルでなかった場合、1回目の判定照度レベルを上限レベルとして(ステップS95)、2回目フラグをセットして(ステップS96)、ステップS97に進む。
一方、ステップS91において、代表値Aが基準値Aminよりも大である場合(ステップS91:NO)、代表値Aが代表値Bより小さいか否かを判定する(ステップS99)。ステップS99において、代表値Aが代表値Bより小さい場合(ステップS99:YES)、代表値Bから代表値Aを減算して差分Dを求め(ステップS100)、候補レベルを上限レベルとして(ステップS101)、ステップS104に進む。なお、比較に用いる代表値Bは直近の第1時間である所定時間t2(1分)の平均照度であり、代表値Aの方が小さいということは、前より暗くなったことを表す。従って、目標とする照度レベルの候補レベルとして上限レベルを格納する。
一方、ステップS99において、代表値Aが代表値Bより小さくない場合(ステップS99:NO)、代表値Aから代表値Bを減算して差分Dを求め(ステップS102)、候補レベルを下限レベルとして(ステップS103)、ステップS104に進む。なお、代表値Aの方が大きいということは、前より明るくなったことを表す。従って、目標とする照度レベルの候補レベルとして下限レベルを格納する。
以上に述べたステップ91及びステップ99の判定条件を、表5に示す。
次に、ステップS104において、差分Dが所定値Ds以上であるか否かを判定する。ステップS104において、差分Dが所定値Ds以上である場合(ステップS104:YES)、判定が2回目であり、かつ1回目の判定により目標とする照度レベルが候補レベルであるという条件を満足しているか否かを判定する(ステップS105)。なお、Dsは、前述した閾値Th6からTh1を減算した値と同程度の値であり、例えば、ブラインド、カーテン等の開/閉に応じて窓から入射する太陽光の量の急激な変化に伴って明るさ急激に変化した場合のような急激な照度変化に対応する値に設定してある。Dsとして、DがDs以上であるとき、例えば、周囲の明るさの変化が略1000ルクス以上になる値が選定される。
一方、ステップS104において、差分Dが所定値Ds未満である場合(ステップS104:NO)、即ち急激な照度変化がない場合、2回目フラグをクリアして(ステップS106)、ステップS97に進む。
ステップS105において、判定条件を満足する場合(ステップS105:YES)、即ち2回連続して候補レベルが同一である場合、目標照度レベルを候補レベルとして(ステップS107)、2回目フラグをクリアして(ステップS108)、ステップS97に進む。
一方、ステップS105において、判定条件を満足しない場合(ステップS105:NO)、1回目の判定照度レベルを候補レベルとして(ステップS109)、2回目フラグをセットして(ステップS110)、ステップS97に進む。
ステップS97において、出力レベルの変更があるか否かを判定する。ステップS97において、出力レベルの変更がある場合(ステップS97:YES)、LEDモジュール2,2…の出力レベル変更有のフラグをセットして(ステップS98)、照度センサ判定2処理動作を終了する。一方、ステップS97において、出力レベルの変更がない場合(ステップS97:NO)、出力レベル変更有のフラグをセットせずに、そのまま照度センサ判定2処理動作を終了する。
ステップS27の照度センサ判定2処理動作の終了後、LEDモジュール2,2…の出力レベルの変更が有るか否かを判定する(ステップS28)。ステップS28において、LEDモジュール2,2…の出力レベルの変更が有りの場合(ステップS28:YES)、LEDモジュール2,2…の出力レベルの変更の処理を行って(ステップS29)、LED出力処理動作を終了する。一方、ステップS28において、LEDモジュール2,2…の出力レベルの変更がない場合(ステップS28:NO)、出力レベルの変更処理を行うことなく、LED出力処理動作を終了する。なお、ステップS28におけるLEDモジュール2,2…の出力レベルの変更が有るか否かの判断は、出力レベル変更有のフラグの有無によりなされる。
ステップS4のLED出力処理動作の終了後、変更された出力レベルに応じて、LEDモジュール2,2…を調光点灯させる(ステップS5)。
なお、調光を行う際は、LEDモジュール2,2…の光出力をリニアに変更するように、例えば、1%の光出力の変化に200ms〜1s程度の時間をかけて光出力を変更するようにしてある。そして、調光を行っている間は、前述したセンサ入力処理及びLED出力処理を停止している。これは、照明装置100自身の発光量が変化しているため、正確な照度の算出ができないためである。
次に、タイマをリセットして(ステップS6)、ステップS2に戻って、電源が遮断されるまで一連の動作を繰り返す。
図15乃至18は、照度センサの判定動作の概要を示す図である。図15は、照明装置100のLEDモジュール2,2…を100%出力(上限出力)にて点灯している場合に、周囲が緩やかに明るくなった場合の照明センサの判定動作の概要を示す図である。100%出力点灯時において、代表値Bが、2回連続して閾値Th4を超えたとき(判定照度レベルが2回連続してレベル4であるとき)、目標照度レベルをレベル4、換言すると出力レベルを40%出力に変更する。40%出力点灯時において、代表値Bが、2回連続して閾値Th5を超えたとき(判定照度レベルが2回連続してレベル5以上であるとき)、目標照度レベルをレベル5、換言すると出力レベルを30%出力に変更する。
図16は、照明装置100のLEDモジュール2,2…を5%出力(下限出力)にて点灯している場合に、周囲が緩やかに暗くなった場合の照明センサの判定動作の概要を示す図である。5%出力点灯時において、代表値Bが、2回連続して閾値Th6を下回ったとき(判定照度レベルが2回連続してレベル5であるとき)、目標照度レベルをレベル5、換言すると出力レベルを30%出力に変更する。30%出力点灯時において、代表値Bが、2回連続して閾値Th4を下回ったとき(判定照度レベルが2回連続してレベル3以下であるとき)、図12に示すフローチャートにて説明したように、照度レベルは1レベルずつの変更に制限してあるから、目標照度レベルをレベル4、換言すると出力レベルを40%出力に変更する。これは、照明装置100自身の発光量の変化により、頻繁に光出力の変更をしないようにするためであり、この結果、使用者に不快感を与えずに済む。
図17は、照明装置100のLEDモジュール2,2…を100%出力(上限出力)にて点灯している場合に、周囲が急激に明るくなった場合の照明センサの判定動作の概要を示す図である。100%出力点灯時において、代表値Aと直近の代表値Bとの差分が2回連続して所定値Ds以上であるとき、目標照度レベルを下限レベル、換言すると出力レベルを5%出力(下限出力)に変更する。
図18は、照明装置100のLEDモジュール2,2…を5%出力(下限出力)にて点灯している場合に、周囲が急激に暗くなった場合の照明センサの判定動作の概要を示す図である。5%出力点灯時において、代表値Aと直近の代表値Bとの差分が2回連続して所定値Ds以上であるとき、目標照度レベルを上限レベル、換言すると出力レベルを100%出力(上限出力)に変更する。
以上のように構成された照明装置100の照度センサ7は、照明装置100が設置される場所の環境、具体的には設置されている室内の壁、床等の反射率の影響を受けるため、設置環境により照度センサ7が検出する値と周囲の照度との関係が異なる場合がある。このため、照明装置100を設置した後に、判定に用いる閾値Thiを変更することが可能な変更手段を備えていることが望ましい。この変更手段の一例としてのリモートコントローラの模式的外観図を図19に示す。
リモートコントローラ9は、図19に示すように、扁平な略直方体状をなす筐体を有しており、筐体の一面には、使用者が操作するための複数のキーが設けてあり、筐体の一端には、キーの操作に応じた信号の送信を行う送信部(図示せず)が設けてある。複数のキーは、全灯キー、省エネ1(70%出力)キー、省エネ2(30%出力)キー、微灯(5%出力)キー、消灯キー、自動キー、+、−及びRの感度調整用キーにより構成される。
閾値Thiの変更は、リモートコントローラ9の+キー又は−キーを押すことにより行われる。5%〜100%出力の7段階の出力レベルに対応する照度レベルを判定する6つの閾値Thiの値を変更することができるようにしてある。閾値Thiの値は、前述したように、電圧値であり、例えば、+キー又は−キーを押すことにより0.1V刻みで変更される。なお、Rキーは、出荷状態に閾値Thiの値を戻すリセットキーである。
このように、照明装置100の設置環境に適合するように閾値Thiを変更することにより、照明装置100が設置される環境に関わらず、一定の調光制御を行うことができる。また、照度センサ7若しくはLEDモジュール2,2…の初期ばらつき、又はこれらの経年劣化によるばらつきがある場合に、閾値Thiを変更することにより、複数の照明装置間で一定の調光制御を行うことができると共に、長期間に亘って一定の調光制御を行うことができる。
また、照明装置100の出力レベルの上限出力の初期値として100%出力が、下限出力の初期値として5%出力が夫々設定してあるが、リモートコントローラ9により、これら上限出力及び下限出力の設定を変更することができるようにしてある。例えば、自動キーと全灯キーを2重押しすることにより、上限出力の設定モードに入り、+キー又は−キーを押すことにより、上限出力の設定変更を行うことができる。なお、リモートコントローラ9により設定された設定内容は、照明装置100の記憶部84に記憶される。
また、リモートコントローラ9の全灯キー、省エネ1キー、省エネ2キー、微灯キー又は消灯キーを押すことにより、照度センサ7を用いた自動調光モードに代えて、選択されたキーに応じた光出力にて点灯することが可能なようにしてある。
以上のように構成された本発明に係る照明装置100においては、照度センサ7により所定のサンプリング周期にて検出された検出値を用いて、第1時間(例えば1分)内での第1代表照度(代表値B)と、第1時間より短い第2時間(例えば2秒)内での第2代表照度(代表値A)とを逐次算出し、前述したように、逐次算出された第1代表照度及び第2代表照度の変化に基づいて周囲の明るさの変化を判定しているから、周囲の緩やかな明るさの変化と急激な明るさの変化との両方に応じて、調光制御の遅れ及び調光制御による明るさの頻繁な変動を抑制しつつ、調光を行うことが可能となり、使用者に不快感を与えずに済む。
また、本発明に係る照明装置100においては、時間幅が短い第2時間(2秒)内での第2代表照度(代表値A)が前述した判定条件を満足するとき、第2代表照度に基づいてLEDモジュール2,2…の光出力を優先して制御するように構成しているから、ブラインド、カーテン等の開/閉等により明るさが短時間に急激に変化したとき、又は短時間に非常に暗くなったときに、調光制御の遅れを生じることなく、調光を行うことが可能となり、使用者に不快感を与えずに済む。晴天時における雲の動きにより窓から入射する太陽光の量が一時的に変化する場合においては、前記判定条件を満足しないから、第1代表照度(代表値B)に基づいて調光制御がなされることになるが、第1時間の時間幅は長いから第1代表照度(代表値B)の値に殆ど影響を与えない。この結果、調光が頻繁に行われないので、使用者に不快感を与えずに済む。
また、第2代表照度の変化量を、算出された第2代表照度と直近の第1代表照度との差分としており、第1代表照度は、晴天時における雲の動き等による一時的な明るさの変化の影響を殆ど受けないから、短時間における明るさの急激な変化をより正確に把握することができ、調光制御による明るさの頻繁な変動を抑制することができ、使用者に不快感を与えずに済む。
また、前述したように、第1代表照度(代表値B)に基づいて判定された周囲の明るさの変化の方向が2回連続して同一であるとき、第2代表照度(代表値A)に基づいて判定された周囲の明るさの変化の方向が2回連続して同一であるときに、LEDモジュール2,2…の光出力を変更するように構成してあるから、調光制御による明るさの頻繁な変動を抑制することができ、使用者に不快感を与えずに済む。なお、周囲の明るさの変化の方向は、第1代表照度及び第2代表照度のうち一方のみに基づいて判定するように構成してもよいし、両方を用いて判定するように構成してもよい。
また、調光を行っている間は、前述したセンサ入力処理及びLED出力処理を停止しているから、照明装置100自身の発光量の変化の影響を受けて調光制御が不安定になることを抑制することができる。
そして、前述の如く、照明装置100の設置後に判定に用いる閾値Thiを変更することが可能な変更手段としてリモートコントローラ9を備えているから、補正を行うことにより、照明装置100が設置される環境に関わらず、一定の調光制御を行うことができる。また、照度センサ7若しくはLEDモジュール2,2…の初期ばらつき、又はこれらの経年劣化によるばらつきをリモートコントローラ9により補正することができるから、複数の照明装置間で一定の調光制御を行うことができると共に、長期間に亘って一定の調光制御を行うことができる。
(実施の形態2)
図20は、本発明の実施の形態2に係る照明装置200の制御系の構成を示すブロック図である。本実施の形態においては、照度センサ7は、照明装置200と分離して、リモートコントローラ300に設けてある。
照明装置200は、リモートコントローラ300が送信した信号を受信する受信部87と、制御装置8aと、光源であるLEDモジュール2,2…とを備えている。制御装置8aは、図20に示すように、出力判定部82と、タイマ83と、記憶部84と、出力制御部85とを備えている。出力判定部82には、受信部87、タイマ83、記憶部84及び出力制御部85が夫々接続してある。
リモートコントローラ300は、周囲の照度を検出する照度センサ7と、A/D変換部81を有する制御部8bと、照度センサ7により検出された検出値に応じた信号の送信を行う送信部86が設けてある。
照明装置200の受信部87は、リモートコントローラ300の送信部86が送信した信号を受信し、制御装置8aの出力判定部82に与える。なお、送信部86及び受信部87間の伝送媒体は、電波、赤外線、電力線搬送などが好ましい。その他の構成は、図3に示す実施の形態1と同様であるため、対応する構成に図1と同一の参照符号を付して、その構成及び機能の詳細な説明を省略する。
以上のように構成された実施の形態2に係る照明装置200は、前述した効果に加えて、使用者の好みに応じて周囲の照度を検出する場所を変更することができ、より使用者の利便に資する。
なお、以上の実施の形態においては、第1時間を1分に、第2時間を2秒に夫々設定しているが、これに限定されない。第1時間は、例えば、晴天時における雲の動きにより窓から入射する太陽光の量が一時的に変化する場合に、LEDモジュール2,2…の光出力の変更がなされない程度の時間幅であり、かつ調光制御に遅れがあまり生じない程度の時間幅になるように設定してあればよい。第1時間は、例えば、調光制御をするか否かの判定時間が1分〜5分の範囲内になるように設定されることが望ましい。なお、本発明においては、2回連続して条件を満足した場合に調光を行うようにしてあるから、判定時間は第1時間の2倍の時間、即ち2分である。
第2時間は、例えば、ブラインド、カーテン等の開/閉に応じた明るさの急激な変化に追随することができる時間幅であり、かつ人の動きによる影響を受けない程度の時間幅になるように設定してあればよい。第2時間は、例えば、判定時間が2秒〜6秒の範囲内になるように設定されることが望ましい。なお、本発明においては、2回連続して条件を満足した場合に調光を行うようにしてあるから、判定時間は第2時間の2倍の時間、即ち4秒である。
また、以上の実施の形態においては、2回連続して条件を満足した場合に調光を行うようにしてあるが、これに限定されず、1回又は3回以上の判定結果を用いて、調光を行うか否かを判定するように構成することも可能である。
また、第2時間(2秒)の第2代表照度(代表値A)の判定に用いるAmin、Dsは、実施の形態の条件に限定されず、ブラインド、カーテン等の開/閉に応じた明るさの急激な変化を判定することができるように、かつ天気の変化、他の照明装置の点灯/消灯の影響を受けないように設定してあればよい。
また、以上の実施の形態においては、周囲の急激な明るさの変化を判定する際に、第1代表照度(代表値B)と第2代表照度(代表値A)との差分を用いているが、これに限定されない。算出された第2代表照度(代表値A)と、直前の第2代表照度(代表値A)との差分を用いてもよいし、算出された第2代表照度(代表値A)と、複数の第2代表照度(代表値A)の平均値との差分を用いても、周囲の急激な明るさの変化を判定することは可能である。
また、以上の実施の形態においては、第1代表照度及び第2代表照度は、それぞれ、第1時間及び第2時間の期間内に所定のサンプリング周期にて検出された検出値の積算値から、その期間内の最小値及び最大値を減算して、検出値の個数(サンプリング数から2を減算あいた数)にて除算した値を用いているが、これに限定されない。
つまり、第1時間及び第2時間の照度の代表値としては、それぞれ所定のサンプリング周期にて検出された検出値の積算値から最大値及び最小値を減算しないで算出した平均値でもよいし、その期間内の中央値でもよい。代表値としてこれらの値を用いても、晴天時における雲の動きにより窓から入射する太陽光の量が一時的に変化すること等によって頻繁に調光が変化することを防ぐことができる。
また、特に第2時間の第2代表照度については、上記実施の形態のように所定の式に従って算出せずに、随時照度センサで検出された検出値を更新して用いてもよい。第2時間においては、所定の条件を満たすような急激な照度の変化に瞬時に対応できるようにすることが目的であるからである。よって、第2代表照度の算出には、照度センサにて検出した検出値をそのまま更新して用いることも含まれる。
上述したように、以上の実施の形態の制御装置は、照度の一時的な微小な変化によって頻繁に調光されることを防ぐための比較的長い判定期間と、急激な照度を変化に対応するための該判定時間より短い判定期間との長短の異なる2種類の判定期間を組み合わせて制御する制御方法を実施している。また、判定時間の長短から離れた視点に立てば、照度センサの入力値の推移を平均値等の代表値である絶対値を用いて判定して制御する方法と、照度センサの入力値の変化を所定の条件を満たす変化量又は変化率を用いて判定して制御する方法とを組み合わせて制御する制御方法を実施しているということもできる。
また、以上の実施の形態においては、照度センサ7と、制御装置8とを別体に構成してあるが、これに限定されず、照度センサ及び制御装置を一体的に構成してもよい。
また、以上の実施の形態においては、光源として複数のLED素子が実装されてなるLEDモジュール2,2…を用いているが、これに限定されず、他のタイプのLED、EL(Electro Luminescence)、蛍光灯、電球等を用いてもよい。
また、以上の実施の形態においては、LEDモジュール2,2…の光出力を制御する制御装置を一体的に備え、天井に埋込まれて設置される照明装置を例に説明したが、これに限定されず、他のタイプの照明装置にも適用可能である。更に、本発明は、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。