JP5410270B2 - 光学ガラス、プレス成形用プリフォーム、光学素子およびそれらの製造方法 - Google Patents
光学ガラス、プレス成形用プリフォーム、光学素子およびそれらの製造方法 Download PDFInfo
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、フツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスを作製したり、得られたガラスを熔融状態でパイプから流出してガラス成形体に成形する場合に、ガラス成分の揮発を抑制し、ガラス組成の変動に伴う品質のばらつきを抑制し得る低分散の光学ガラスとその製造方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記光学ガラスからなるプレス成形用プリフォームとその製造方法を提供すること、および上記ガラスからなる光学素子ブランクとその製造方法、光学素子とその製造方法を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
本発明者が鋭意検討したところ、P5+含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるフツリン酸塩ガラスからなり、アッベ数(νd)が70を超える光学ガラス、
P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるフツリン酸塩ガラスからなり、アッベ数(νd)が78を超える光学ガラス、
P5+含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上、希土類元素の合計含有量が5カチオン%未満であり、F−とO2−の合計含有量に対するF−の含有量のモル比F−/(F−+O2−)が0.2を超えるフツリン酸塩ガラスからなり、屈折率(Nd)が1.53を超え、アッベ数(νd)が70を超える光学ガラス、および、
カチオン成分としてP5+、アニオン成分としてF−およびO2−を含むフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスにおいて、F−の含有量が65アニオン%以上、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であることを特徴とする光学ガラス、
により上記目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) アッベ数(νd)が70を超え、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラス(以下、本発明の光学ガラスIという)、
(2) アッベ数(νd)が78を超えることを特徴とする上記(1)項に記載の光学ガラス(以下、本発明の光学ガラスIIという)、
(3) 屈折率(Nd)が1.53を超え、希土類元素の合計含有量が5カチオン%未満であり、F−とO2−の合計含有量に対するF−の含有量のモル比F−/(F−+O2−)が0.2を超えるフツリン酸塩ガラスからなることを特徴とする上記(1)項に記載の光学ガラス(以下、本発明の光学ガラスIIIという)、
(4) 前記フツリン酸塩ガラスが、カチオン%表示にて、
P5+ 3〜50%、
Al3+ 5〜40%、
Mg2+ 0〜10%、
Ca2+ 0〜30%、
Sr2+ 0〜30%、
Ba2+ 0〜40%、
(ただし、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の合計含有量が10%以上)
Li+ 0〜30%、
Na+ 0〜20%、
K+ 0〜20%、
Y3+ 0〜10%、
La3+ 0〜10%、
Gd3+ 0〜10%、
Yb3+ 0〜10%、
B3+ 0〜10%、
Zn2+ 0〜20%、
In3+ 0〜20%
を含有し、アニオン%表示にて、
F− 20〜95%、
O2− 5〜80%
を含有する上記(1)項に記載の光学ガラス、
(5) 前記フツリン酸塩ガラスが、カチオン%表示にて、
P5+ 3〜30%、
Al3+ 10〜40%、
Mg2+ 0〜10%、
Ca2+ 0〜30%、
Sr2+ 0〜30%、
Ba2+ 0〜30%、
(ただし、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量が10%以上)
Li+ 0〜30%、
Na+ 0〜20%、
K+ 0〜20%、
Y3+ 0〜10%、
La3+ 0〜10%、
Gd3+ 0〜10%、
Yb3+ 0〜10%、
B3+ 0〜10%、
Zn2+ 0〜20%、
In3+ 0〜20%
を含有し、アニオン%表示にて、
F− 40〜95%、
O2− 5〜60%
を含有する上記(2)項に記載の光学ガラス、
(6) 前記フツリン酸塩ガラスが、カチオン%表示にて、
P5+ 20〜50%、
Al3+ 5〜40%、
Mg2+ 0〜10%、
Ca2+ 0〜20%、
Sr2+ 0〜20%、
Ba2+ 0〜40%、
(ただし、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量が10%以上)
Li+ 0〜30%、
Na+ 0〜20%、
K+ 0〜20%、
Y3+ 0〜5%(ただし、5%を除く)、
La3+ 0〜5%(ただし、5%を除く)、
Gd3+ 0〜5%(ただし、5%を除く)、
Yb3+ 0〜5%(ただし、5%を除く)、
(ただし、Y3+、La3+、Gd3+およびYb3+の合計含有量が5%未満)
B3+ 0〜10%、
Zn2+ 0〜20%、
In3+ 0〜20%
を含有する上記(3)項に記載の光学ガラス、
(7) F−の含有量が65アニオン%以上であることを特徴とする上記(1)項または(2)項に記載の光学ガラス。
(8) カチオン成分としてP5+、アニオン成分としてF−およびO2−を含むフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスにおいて、
F−の含有量が65アニオン%以上、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であることを特徴とする光学ガラス(以下、本発明の光学ガラスIVという)、
(9) カチオン%表示にて、
P5+ 3〜15%、
Al3+ 25〜40%、
Ca2+ 5〜35%、
Sr2+ 5〜25%
含む上記(8)項に記載の光学ガラス、
(10) カチオン%表示にて、
Mg2+ 0〜10%、
Ba2+ 0〜20%、
Li+ 0〜20%、
Na+ 0〜10%、
K+ 0〜10%、
Y3+ 0〜5%
含む上記(9)項に記載の光学ガラス、
(11) フツリン酸ガラスからなる光学ガラスの製造方法において、
原料またはカレットを熔解した後、清澄、均質化して光学ガラスを得るにあたり、原料またはカレットとして、P5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるものを用い、上記(1)項〜(10)項のいずれかに記載の光学ガラスを製造することを特徴とする光学ガラスの製造方法、
(12) 原料またはカレットを用いて調合原料を作り、前記調合原料を熔解した後、清澄、均質化してフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスを製造する方法であって、
前記調合原料中のP5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上になるように調合原料を作り、熔解、清澄、均質化を行いアッベ数(νd)が70を超えるフツリン酸塩ガラスを作製することを特徴とする光学ガラスの製造方法、
(13) 原料またはカレットを用いて調合原料を作り、前記調合原料を熔解した後、清澄、均質化して熔融ガラスを作製し、前記熔融ガラスを成形してフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスを製造する方法において、
前記熔融ガラスの揮発性が低減するように、前記調合原料中のP5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+を制御することを特徴とする光学ガラスの製造方法、
(14) アッベ数(νd)が70を超えるフツリン酸ガラスを作製することを特徴とする上記(13)項に記載の光学ガラスの製造方法、
(15) アッベ数(νd)が78を超えるフツリン酸塩ガラスを作製することを特徴とする上記(12)項または(14)項に記載の光学ガラスの製造方法、
(16) 希土類元素の合計含有量が5カチオン%未満であり、F−とO2−の合計含有量に対するF−の含有量のモル比F−/(F−+O2−)が0.2を超え、屈折率(Nd)が1.53を超えるフツリン酸塩ガラスを作製することを特徴とする上記(12)項〜(14)項のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法、
(17) F−の含有量が65アニオン%以上のフツリン酸ガラスを作製することを特徴とする上記(12)項〜(15)項のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法、
(18) 上記(1)項〜(10)項のいずれかに記載の光学ガラスまたは上記(11)項〜(17)項のいずれかに記載の方法により得られた光学ガラスからなることを特徴とするプレス成形用プリフォーム、
(19) 熔融ガラスをパイプから流出させて、所望重量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊をガラスが冷却する過程でプリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
上記(18)項に記載のプレス成形用プリフォームを成形することを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法、
(20) 熔融ガラスを鋳型に鋳込んでガラス成形体を作製し、該ガラス成形体を加工してプレス成形用プリフォームを作製するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
上記(18)項に記載のプレス成形用プリフォームを成形することを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法、
(21) 研削、研磨により光学素子に仕上げられる光学素子ブランクにおいて、
上記(1)項〜(10)項のいずれかに記載の光学ガラスまたは上記(11)項〜(17)項のいずれかに記載の方法により得られた光学ガラスからなることを特徴とする光学素子ブランク、
(22) 上記(1)項〜(10)項のいずれかに記載の光学ガラスまたは上記(11)項〜(17)項のいずれかに記載の方法により得られた光学ガラスからなることを特徴とする光学素子、
(23) 研削、研磨により光学素子に仕上げられる光学素子ブランクの製造方法において、
上記(18)項に記載のプリフォームまたは上記(19)項または(20)項に記載の方法により得られたプリフォームを加熱し、プレス成形することを特徴とする光学素子ブランクの製造方法、
(24) ガラス原料を熔融し、得られた熔融ガラスを流出し、熔融ガラス流から熔融ガラス塊を分離して、該熔融ガラス塊をプレス成形する光学素子ブランクの製造方法において、
上記(1)項〜(10)項のいずれかに記載の光学ガラスまたは上記(11)項〜(17)項のいずれかに記載の方法により得られた光学ガラスを熔融、成形することを特徴とする光学素子ブランクの製造方法、
(25) 上記(21)項に記載の光学素子ブランク、もしくは上記(23)項または(24)項に記載の方法で作製した光学素子ブランクを研削、研磨する光学素子の製造方法、
(26) 上記(18)項に記載のプリフォームまたは上記(19)項または(20)項に記載の方法により得られたプリフォームを加熱し、精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法
を提供するものである。
発明の効果
本発明によれば、フツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスを作製したり、得られたガラスを熔融状態でパイプから流出してガラス成形体に成形する場合に、ガラス成分の揮発を抑制し、ガラス組成の変動に伴う品質のばらつきを抑制し得る低分散の光学ガラスとその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記光学ガラスからなるプレス成形用プリフォームとその製造方法、上記ガラスからなる光学素子ブランクとその製造方法ならびに光学素子とその製造方法を提供することができる。
[光学ガラス]
以下、本発明の光学ガラスについて説明するが、各ガラスのカチオン成分量やカチオン成分の合計量は特記しない限りカチオン%にて表示し、各ガラスのアニオン成分量やアニオン成分の合計量は特記しない限りアニオン%にて表示するものとする。
(光学ガラスI)
先ず、本発明の光学ガラスIについて説明する。
本発明の光学ガラスIは、アッベ数(νd)が70を超え、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスである。
P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるフツリン酸塩ガラスからなり、アッベ数(νd)が70を超える光学ガラスIを構成するフツリン酸塩ガラスにおいて、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+は3.53以上であることが好ましく、3.55以上であることがより好ましい。
また、本発明の光学ガラスIは、アッベ数(νd)が75を超えるものが好適であり、78を超えるものがより好適であり、80以上であるものがさらに好適である。
上述したように、アッベ数(νd)が70を超えるような低分散性を有するフツリン酸塩ガラスを作製する場合、ガラスの作製時や熔融ガラスの流出時にガラス成分が揮発するが、本発明者が検討したところ、驚くべきことに、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるフツリン酸塩ガラスにより、上記揮発を抑制し得ることを見出した。
すなわち、上記フツリン酸塩ガラスの原料としては、一般にリン酸塩が用いられているが、アニオン成分としてフッ素(F−)の導入量をなるべく多くするために、リン酸塩としては、リン(P5+)1原子に対する酸素(O2−)原子数の比(酸素原子/リン原子)が小さい、メタリン酸塩(酸素原子/リン原子=3)が用いられている。
しかし、本発明者が検討したところ、上記メタリン酸塩を用いてガラスを作製した場合、熔融ガラス中において、原料に由来するメタリン酸とフッ素が反応することにより、揮発成分としてフッ化ホスホリル(POF3)が発生してしまうのに対して、熔融ガラス中のリン1原子当たりの酸素原子の原子比を3.5以上(酸素原子/リン原子≧3.5)に調整すると、揮発成分の発生量が大幅に低減することが判明した。これは、熔融ガラス中に存在するリン酸として、リン(P5+)1原子に対する酸素(O2−)原子数の比(酸素原子/リン原子)が3であるメタリン酸よりも、リン(P5+)1原子に対する酸素(O2−)原子数の比(酸素原子/リン原子)が3.5である2リン酸の方が安定であるためと考えられる。
そこで、本発明の光学ガラスは、フツリン酸塩ガラス中のP5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+を3.5以上とすることによって、メタリン酸を含まないガラスとし、揮発成分であるフッ化ホスホリルの発生を抑制して、ガラス組成の変動に伴う品質のばらつきを低減したものである。
光学ガラスIとして好適なものとしては、以下に示す光学ガラスI−aを挙げることができる。
光学ガラスI−aは、フツリン酸塩ガラスが、カチオン成分として、
P5+ 3〜50%、
Al3+ 5〜40%、
Mg2+ 0〜10%、
Ca2+ 0〜30%、
Sr2+ 0〜30%、
Ba2+ 0〜40%、
(ただし、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の合計含有量が10%以上)
Li+ 0〜30%、
Na+ 0〜20%、
K+ 0〜20%、
Y3+ 0〜10%、
La3+ 0〜10%、
Gd3+ 0〜10%、
Yb3+ 0〜10%、
B3+ 0〜10%、
Zn2+ 0〜20%、
In3+ 0〜20%
を含有し、アニオン成分として、
F− 20〜95%、
O2− 5〜80%
を含有するものである。
P5+はガラス中でネットワークフォーマーとして働く重要な成分であり3%未満ではガラスが極端に不安定になる。また、50%を超えるとモル比O2−/P5+が3.5以上するために、フッ素の導入量を抑制する必要が生じ、必要な低分散性が得られなくなる。したがって、P5+の含有量は3〜50%の範囲にすることが好ましい。
Al3+はフツリン酸ガラスにおいて安定性を高めるための重要成分であり、5%未満ではガラスが不安定になる。一方、40%を超えると他成分の合計量が少なくなりすぎるために逆に不安定になる。したがって、Al3+の含有量は5〜40%の範囲にすることが好ましい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+のようなアルカリ土類金属はガラスの安定性を高め、屈折率を上昇させる成分であり、その合計量を10%以上にすることで安定性に対する効果が高くなる。しかし、特定のアルカリ土類金属成分があまりに多くなると他の成分とのバランスが崩れるため、満遍なく導入することが好ましく、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の少なくとも2種以上を導入することが好ましい。具体的にはMg2+は0〜10%、Ca2+は0〜30%、Sr2+は0〜30%、Ba2+は0〜40%とすることが好ましい。
Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属はガラスの粘性、ガラス転移温度を低下させ、ガラスの製造を容易にすることができる成分であるが、過剰の導入は安定性を低下させる。そこでLi+の量を0〜30%、Na+の量を0〜20%、K+の量を0〜20%とすることが好ましい。アルカリ金属の中でもLi+は安定性を高める効果も大きいため、Li+を0.5%以上導入することがより好ましく、1%以上導入することがさらに好ましく、2%以上導入することが特に好ましい。
Y3+、La3+、Gd3+、Yb3+などの希土類元素はガラスの低分散性を保ちつつ屈折率を高める成分であるが、過剰な導入は熔解温度を上昇させガラスの安定性も低下させてしまう。そのため、上記各成分の量をそれぞれ0〜10%とすることが好ましい。
B3+はガラスの耐久性を向上させる成分であるが、熔解中にフッ化物として揮発する傾向があるため、生産性を低下させる成分でもある。そのため導入量は0〜10%にすることが好ましく、0〜5%にすることがより好ましく、導入しないことがさらに好ましい。
Zn2+、In3+はアルカリ土類金属と同様に容易にガラス中に導入できる特性を持ち、Zn2+やIn3+を導入して多成分にすることによる安定性の向上効果が期待できるが、過剰の導入は好ましくない。このため、Zn2+およびIn3+の導入量は、それぞれ0〜20%とすることが好ましく、それぞれ0〜10%とすることがより好ましく、0〜5%とすることがさらに好ましく、導入しないことが特に好ましい。
なお、光学ガラスIは、低分散性、異常部分分散性などに加え、可視域において短波長から長波長にかけての広い範囲で光線透過率が高いという性質を有している。このような性質を利用してレンズ、プリズムなどの各種光学素子を得るための材料として適しているが、このような用途においては可視域に吸収を有するイオン、例えば、Fe、Cu、Ni、Co、Cr、Mn、V、Nd、Ho、Erといった金属元素のイオンを添加しないことが望ましい。
一方、Cu2+を添加することにより近赤外線吸収特性を付与することができるため、外割り添加でCu2+を0.5〜13%添加することが望ましい。Cu2+含有ガラスはCCDやCMOSなどの半導体撮像素子の色補正フィルタ材料として好適である。Cu2+の添加量は、前記フィルタの厚さを考慮し、前記範囲内で適宜定めればよい。Cu2+含有ガラスの場合も、吸収特性を調整する場合を除き、Cu2+以外の可視域に吸収を有するイオンを添加しないことが望ましい。
次にアニオン成分、アニオン添加物について説明する。光学ガラスIはフツリン酸ガラスであり、F−とO2−が主要アニオン成分である。所要の光学特性と優れたガラス安定性を実現する上から、F−を20〜95%、O2−を5〜80%導入することが好ましい。
また、Cl−、Br−、I−は、少量導入することで、ガラスの製造時または流出時に使用する白金容器や白金製ノズル等の白金製品に、フツリン酸ガラスが濡れにくくなるために、ガラスの製造を容易に行うことが可能になる。Cl−、Br−、I−の過剰の導入は、成分揮発による屈折率変動と白金異物の発生を招くため、導入量は合計で0〜3%とすることが好ましく、0.1〜3%とすることがより好ましい。
なお、発明の目的を達成する上から、F−、O2−、Cl−、Br−およびI−の合計量を98アニオン%以上とすることが望ましく、99アニオン%以上とすることがより望ましく、100アニオン%とすることがさらに望ましい。
(光学ガラスII)
次に、本発明の光学ガラスIIについて説明する。
本発明の光学ガラスIIは、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるフツリン酸塩ガラスからなり、アッベ数(νd)が78を超えることを特徴とする光学ガラスIである。
光学ガラスIIにおいて、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.55以上であることが好ましく、3.6以上であることがより好ましい。
本発明の光学ガラスIIは、上記本発明の光学ガラスIの一態様と言えるものであり、上記本発明の光学ガラスIを得るに当たり、さらに本発明者が検討したところ、特にアッベ数(νd)が78を超えるフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスにおいては、ガラス中へのフッ素(F−)の導入量を多くするため、原料として多量のメタリン酸塩が用いられ、上記フッ化ホスホリルの揮発を助長していることを見出し、本知見に基づいて完成させたものである。
光学ガラスIIとして好適なものとしては、以下に示す光学ガラスII−aを挙げることができる。
光学ガラスII−aは、フツリン酸塩ガラスが、カチオン%表示にて、
前記フツリン酸塩ガラスが、カチオン成分として、
P5+ 3〜30%、
Al3+ 10〜40%、
Mg2+ 0〜10%、
Ca2+ 0〜30%、
Sr2+ 0〜30%、
Ba2+ 0〜30%、
(ただし、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量が10%以上)
Li+ 0〜30%、
Na+ 0〜20%、
K+ 0〜20%、
Y3+ 0〜10%、
La3+ 0〜10%、
Gd3+ 0〜10%、
Yb3+ 0〜10%、
B3+ 0〜10%、
Zn2+ 0〜20%、
In3+ 0〜20%
を含有し、アニオン%成分として、
F− 40〜95%、
O2− 5〜60%
を含有するものである。
P5+はガラス中でネットワークフォーマーとして働く重要な成分であり3%未満ではガラスが極端に不安定になる。また、30%を超えるとモル比O2−/P5+を3.5以上にするために、フッ素の導入量を抑制する必要が生じ、必要な低分散性が得られなくなる。したがって、P5+の含有量は3〜30%の範囲にすることが好ましい。
Al3+はフツリン酸ガラスにおいて安定性を高めるための重要成分であり、10%未満ではガラスが不安定になる。一方、40%を超えると他成分の合計量が少なくなりすぎるために逆に不安定になる。したがって、Al3+の含有量は10〜40%の範囲にすることが好ましい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+のようなアルカリ土類金属はガラスの安定性を高め、屈折率を上昇させる成分であり、その合計量を10%以上にすることで安定性に対する効果が高くなる。しかし、特定のアルカリ土類金属成分があまりに多くなると他の成分とのバランスが崩れるため、満遍なく導入することが好ましく、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の少なくとも2種以上を導入することが好ましい。具体的にはMg2+は0〜10%、Ca2+は0〜30%、Sr2+は0〜30%、Ba2+は0〜30%とすることが好ましい。
Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属はガラスの粘性、ガラス転移温度を低下させ、ガラスの製造を容易にすることができる成分であるが、過剰の導入は安定性を低下させる。そこでLi+の量を0〜30%、Na+の量を0〜20%、K+の量を0〜20%とすることが好ましい。アルカリの中でもLi+は安定性を高める効果も大きいため、Li+を0.5%以上導入することがより好ましく、1%以上導入することがさらに好ましく、2%以上導入することが特に好ましい。
Y3+、La3+、Gd3+、Yb3+などの希土類元素はガラスの低分散性を保ちつつ屈折率を高める成分であるが、過剰な導入は熔解温度を上昇させガラスの安定性も低下させてしまう。そのため、上記各成分の量をそれぞれ0〜10%とすることが好ましい。
B3+はガラスの耐久性を向上させる成分であるが、熔解中にフッ化物として揮発する傾向があるため、生産性を低下させる成分でもある。そのため導入量は0〜10%とすることが好ましく、0〜5%にすることがより好ましく、0〜1%にすることがさらに好ましく、導入しないことが特に好ましい。
Zn2+、In3+はアルカリ土類金属と同様に容易にガラス中に導入できる特性を持ち、Zn2+やIn3+を導入して多成分にすることによる安定性の向上効果が期待できるが、過剰の導入は好ましくない。このため、Zn2+およびIn3+の導入量は、それぞれ0〜20%とすることが好ましく、それぞれ0〜10%とすることがより好ましく、0〜5%とすることがさらに好ましく、導入しないことが特に好ましい。
なお、光学ガラスIIは、低分散性、異常部分分散性などに加え、可視域において短波長から長波長にかけての広い範囲で光線透過率が高いという性質を有している。このような性質を利用してレンズ、プリズムなどの各種光学素子を得るための材料として適しているが、このような用途においては可視域に吸収を有するイオン、例えば、Fe、Cu、Ni、Co、Cr、Mn、V、Nd、Ho、Erといった金属元素のイオンを添加しないことが望ましい。
一方、Cu2+を添加することにより近赤外線吸収特性を付与することができるため、外割り添加でCu2+を0.5〜13%添加することが望ましい。Cu2+含有ガラスはCCDやCMOSなどの半導体撮像素子の色補正フィルタ材料として好適である。Cu2+の添加量は、前記フィルタの厚さを考慮し、前記範囲内で適宜定めればよい。Cu2+含有ガラスの場合も、吸収特性を調整する場合を除き、Cu2+以外の可視域に吸収を有するイオンを添加しないことが望ましい。
次にアニオン成分、アニオン添加物について説明する。光学ガラスIIはフツリン酸ガラスであり、F−とO2−が主要アニオン成分である。所要の光学特性と優れたガラス安定性を実現する上から、F−を40〜95%、O2−を5〜60%導入することが好ましい。
また、Cl−、Br−、I−は、少量導入することで、ガラスの製造時または流出時に使用する白金容器や白金製ノズル等の白金製品に、フツリン酸ガラスが濡れにくくなるために、ガラスの製造を容易に行うことが可能になる。Cl−、Br−、I−の過剰の導入は、成分揮発による屈折率変動と白金異物の発生を招くため、導入量は合計で0〜3%とすることが好ましく、0.1〜3%とすることがより好ましい。
なお、発明の目的を達成する上から、F−、O2−、Cl−、Br−およびI−の合計量を98アニオン%以上とすることが望ましく、99アニオン%以上とすることがより望ましく、100アニオン%とすることがさらに望ましい。
なお、光学ガラスI、光学ガラスIIともより分散の低いガラスを得る場合、F−の含有量を65アニオン%以上とするが、F−の含有量がこのように多いガラスは、ガラス融液状態における粘性が非常に小さく、従来、揮発により脈理の発生や屈折率変動が特に著しいという問題があった。F−の含有量が65アニオン%以上の光学ガラスIおよび光学ガラスIIによれば、揮発性が大幅に抑制されているので、上記問題を解決することができる。さらに、超低分散性に加え、異常分散性を高めることもできる。
(光学ガラスIII)
光学ガラスIIIは上記本発明の光学ガラスIの一態様と言えるものであり、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上、希土類元素の合計含有量が5カチオン%未満であり、F−とO2−の合計含有量に対するF−の含有量のモル比F−/(F−+O2−)が0.2を超えるフツリン酸塩ガラスからなり、
屈折率(Nd)が1.53を超え、アッベ数(νd)が70を超えるものである。
すなわち、光学ガラスIIIは屈折率(Nd)が1.53を超え、希土類元素の合計含有量が5カチオン%未満であり、F−とO2−の合計含有量に対するF−の含有量のモル比F−/(F−+O2−)が0.2を超えるフツリン酸塩ガラスからなることを特徴とする光学ガラスIである。
光学ガラスIIIにおいて、希土類元素(希土類元素のカチオン成分)の合計含有量は、4%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。希土類元素の合計含有量が5カチオン%以上であると、ガラスの熔解温度および液相温度(成形温度)が高くなってしまい、後述するように、ガラスの分離、成形が困難になってしまう。
光学ガラスIIIにおいて、F−とO2−の合計含有量に対するF−の含有量のモル比F−/(F−+O2−)は、0.3以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。F−とO2−の合計含有量に対するF−の含有量のモル比F−/(F−+O2−)が0.2以下では、所望の異常分散性を得ることができなくなってしまう。
また、光学ガラスIIIにおいて、屈折率(Nd)は1.54以上であることが好適であり、1.55以上であることがより好適である。
本発明の光学ガラスIIIも、上記本発明の光学ガラスIの一態様と言えるものであり、上記本発明の光学ガラスIを得るに当たり、さらに本発明者が検討したところ、以下の事項を見出し、本知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、屈折率(Nd)が1.53を超え、アッベ数(νd)が70を超える高屈折率低分散フツリン酸塩ガラスとして、希土類元素を5カチオン%以上含有するものが知られているが、このガラスは、希土類元素を多量に含有するために、熔解温度および液相温度(成形温度)が共に高くなってしまう。上記ガラス成分の揮発量は、熔融ガラスの流出温度や成形温度が高いほど多くなることから、熔融ガラスの流出温度や成形温度は可能な限り低下させることが好ましいが、上記希土類元素を多量に含有するガラスは、熔解温度および液相温度(成形温度)が共に高いため、熔融ガラスの流出温度や成形温度を低下させようとすると、流出時および成形時におけるガラスの粘性が高くなって、良好な分離、成形を行うことが困難になってしまう。このため、光学ガラスIIIにおいては、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+を3.5以上にするとともに、希土類元素の合計含有量を5カチオン%未満に制限して、ガラス成分の揮発を抑制している。
光学ガラスIIIとして好適なものとしては、以下に示す光学ガラスIII−aを挙げることができる。
光学ガラスIII−aは、フツリン酸塩ガラスが、カチオン%成分として、
P5+ 20〜50%、
Al3+ 5〜40%、
Mg2+ 0〜10%、
Ca2+ 0〜20%、
Sr2+ 0〜20%、
Ba2+ 0〜40%、
(ただし、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量が10%以上)
Li+ 0〜30%、
Na+ 0〜20%、
K+ 0〜20%、
Y3+ 0〜5%(ただし、5%を除く)、
La3+ 0〜5%(ただし、5%を除く)、
Gd3+ 0〜5%(ただし、5%を除く)、
Yb3+ 0〜5%(ただし、5%を除く)、
(ただし、Y3+、La3+、Gd3+およびYb3+の合計含有量が5%未満)
B3+ 0〜10%、
Zn2+ 0〜20%、
In3+ 0〜20%
を含有するものである。
P5+はガラス中でネットワークフォーマーとして働く重要な成分であり、フッ素の比較的少ないガラスでは特に重要になる。P5+の含有量が20%未満ではガラスが極端に不安定になり、また、50%を超えるとモル比O2−/P5+を3.5以上にするために、フッ素の導入量を抑制する必要が生じ、必要な低分散性が得られなくなる。したがって、P5+の含有量は20〜50%の範囲にすることが好ましい。
Al3+はフツリン酸ガラスにおいて安定性を高めるための重要成分であり、フッ素の少ないガラスでは耐久性を高める効果も大きい。Al3+の含有量が5%未満ではガラスが不安定になり耐久性も著しく低下し、一方、40%を超えると他成分の合計量が少なくなりすぎるために逆に不安定になる。したがって、Al3+の含有量は5〜40%の範囲にすることが好ましい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+のようなアルカリ土類金属はガラスの安定性を高め、屈折率を上昇させる成分であり、その合計量を10%以上にすることで安定性に対する効果が高くなる。しかし、特定のアルカリ土類金属成分があまりに多くなると他の成分とのバランスが崩れるため、満遍なく導入することが好ましく、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の少なくとも2種以上を導入することが好ましい。また、屈折率を高めるためにBa2+を多く導入すると、フッ素の少ないガラスでは安定が向上する。具体的にはMg2+は0〜10%、Ca2+は0〜20%、Sr2+は0〜20%、Ba2+は0〜40%とすることが好ましい。
Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属はガラスの粘性、ガラス転移温度を低下させ、ガラスの製造を容易にすることができる成分であるが、過剰の導入は安定性を低下させる。そこでLi+の量を0〜30%、Na+の量を0〜20%、K+の量を0〜20%とすることが好ましい。アルカリの中でもLi+は安定性を高める効果も大きいため、Li+を0.5%以上導入することがより好ましく、1%以上導入することがさらに好ましく、2%以上導入することが特に好ましい。
Y3+、La3+、Gd3+、Yb3+などの希土類元素はガラスの低分散性を保ちつつ屈折率を高める成分であるが、フッ素の少ないガラスでは著しく熔解温度、液相温度を上昇させる成分でもある。そのため、上記各成分の量をそれぞれ0〜5%(ただし、5%を除く)にすることが好ましい。また、上記希土類元素の合計含有量を5%未満にすることが好ましく、4%以下にすることがより好ましく、3%以下にすることがさらに好ましい。
B3+はガラスの耐久性を向上させる成分であるが、熔解中にフッ化物として揮発する傾向があるため、生産性を低下させる成分でもある。そのため導入量は0〜10%にすることが好ましく、0〜5%にすることがより好ましく、導入しないことがさらに好ましい。
Zn2+、In3+はアルカリ土類金属と同様に容易にガラス中に導入できる特性を持ち、Zn2+やIn3+を導入して多成分にすることによる安定性の向上効果が期待できるが、過剰の導入は好ましくない。このため、Zn2+およびIn3+の導入量は、それぞれ0〜20%とすることが好ましく、それぞれ0〜10%とすることがより好ましく、0〜5%とすることがさらに好ましく、導入しないことが特に好ましい。
なお、光学ガラスIIIは、低分散性、異常部分分散性などに加え、可視域において短波長から長波長にかけての広い範囲で光線透過率が高いという性質を有している。このような性質を利用してレンズ、プリズムなどの各種光学素子を得るための材料として適しているが、このような用途においては可視域に吸収を有するイオン、例えば、Fe、Cu、Ni、Co、Cr、Mn、V、Nd、Ho、Erといった金属元素のイオンを添加しないことが望ましい。
一方、Cu2+を添加することにより近赤外線吸収特性を付与することができるため、外割り添加でCu2+を0.5〜13%添加することが望ましい。Cu2+含有ガラスはCCDやCMOSなどの半導体撮像素子の色補正フィルタ材料として好適である。Cu2+の添加量は、前記フィルタの厚さを考慮し、前記範囲内で適宜定めればよい。Cu2+含有ガラスの場合も、吸収特性を調整する場合を除き、Cu2+以外の可視域に吸収を有するイオンを添加しないことが望ましい。
次にアニオン成分、アニオン添加物について説明する。光学ガラスIIIはフツリン酸ガラスであり、F−とO2−が主要アニオン成分である。F−とO2−の配分(F−/F−+O2−)は、上述したように0.2超であることが好ましい。
また、Cl−、Br−、I−は、少量導入することで、ガラスの製造時または流出時に使用する白金容器や白金製ノズル等の白金製品に、フツリン酸ガラスが濡れにくくなるために、ガラスの製造を容易に行うことが可能になる。過剰の導入は成分揮発による屈折率変動と白金異物の発生を招くため、導入量は合計で0〜3%とすることが好ましく、0.1〜3%とすることがより好ましい。
なお、発明の目的を達成する上から、F−、O2−、Cl−、Br−およびI−の合計量を98アニオン%以上とすることが望ましく、99アニオン%以上とすることがより望ましく、100アニオン%とすることがさらに望ましい。
(光学ガラスIV)
次に、本発明の光学ガラスIVについて説明する。
本発明の光学ガラスIVは、カチオン成分としてP5+、アニオン成分としてF−およびO2−を含むフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスにおいて、F−の含有量が65アニオン%以上、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であることを特徴とするものである。
光学ガラスIVにおいて、超低分散性を実現するため、F−の含有量を65アニオン%以上とする。F−の含有量が65アニオン%未満だと所望の低分散性、異常分散性を得ることが困難となる。F−の含有量を65アニオン%以上とすることにより、十分な異常分散性も付与することができる。F−の含有量の好ましい範囲は65〜95アニオン%、より好ましい範囲は80〜95アニオン%である。
フツリン酸ガラスの中でも光学ガラスIVのようにF−の含有量が多いガラスは、ガラス融液状態における粘性が非常に小さく、揮発による脈理の発生、屈折率変動が特に著しい。光学ガラスIVによれば、モル比O2−/P5+を3.5以上に制御することで揮発性物質の生成そのものを抑制し、揮発性を著しく低下させるとともに、ガラスの反応性、侵蝕性も抑制するので、高品質の光学ガラスを安定して生産することができる。
次に光学ガラスIVの好ましい組成範囲について説明する。光学ガラスIVの中で好ましいガラスは、カチオン%表示にて、
P5+ 3〜15%、
Al3+ 25〜40%、
Ca2+ 5〜35%、
Sr2+ 5〜25%
含むフツリン酸ガラスである。
上記ガラスは、さらにカチオン%表示にて、
Mg2+ 0〜10%、
Ba2+ 0〜20%、
Li+ 0〜20%、
Na+ 0〜10%、
K+ 0〜10%、
Y3+ 0〜5%
含むことができる。
以下、特記しない限り、カチオン成分の含有量、合計含有量はカチオン%表示とし、アニオン成分の含有量、合計含有量はアニオン%表示とする。
上記ガラスにおいて、P5+はネットワークフォーマーとして働く。P5+の含有量が3%未満だと安定性が低下し、15%を超えるとモル比O2−/P5+を3.5以上に保つためにO2−の含有量を増加させなくてはならず、その結果、F−の含有量が低下し、十分な低分散性、異常分散性を得ることが困難になる。したがって、P5+の含有量を3〜15%とすることが好ましい。P5+の含有量のより好ましい範囲は3.5〜13%、さらに好ましい範囲は4〜11%である。
Al3+はガラスの安定性を高める働きをする成分である。Al3+の含有量が25%未満だと安定性が低下し、40%を超えても安定性が低下するため、Al3+の含有量を25〜40%とすることが好ましい。Al3+の含有量のより好ましい範囲は28〜33%、さらに好ましい範囲は30〜36%である。
Ca2+はガラスの安定性を高める効果があり、F−含有量が多くなるほど増量することが望まれる成分である。Ca2+の含有量が5%未満だと上記効果を十分得にくく、35%を超えるとと安定性が低下するため、Ca2+の含有量を5〜35%とすることが好ましい。Ca2+の含有量のより好ましい範囲は10〜35%、さらに好ましい範囲は20〜30%である。
Sr2+はガラスの安定性を高める効果があり、その含有量が5%未満だと前記効果が十分でなく、25%を超えると安定性が低下する。したがって、Sr2+の含有量を5〜25%とすることが好ましい。Sr2+の含有量のより好ましい範囲は10〜25%、さらに好ましい範囲は15〜20%である。
このように、Ca2+とSr2+を共存させることにより、ガラスの安定性をより向上させることができる。
Mg2+は10%までの導入により、ガラスの安定性を向上させる働きをする。したがって、Mg2+の含有量を0〜10%とすることが好ましく、1〜10%とすることがより好ましく、3〜8%とすることがさらに好ましい。
Ba2+は、20%までの導入により、ガラスの安定性を向上させる働きをする。したがって、Ba2+の含有量を0〜20%とすることが好ましい。Ba2+はF−の含有量が少ないガラスでは、安定性を向上させる働きが強いが、F−の量が多いガラスでは必須成分ではない。Ba2+の含有量のより好ましい範囲は1〜15%、さらに好ましい範囲は2〜10%である。
ガラスの安定性を一層向上させる上から、Ca2+、Sr2+およびMg2+を共存させること、Ca2+、Sr2+およびBa2+を共存させること、Ca2+、Sr2+、Mg2+およびBa2+を共存させることが好ましい。
Li+は、ガラス融液の粘性を低下させるが、液相温度を低下させる働きが非常に強く、総合的には熔融ガラスを流出、成形する際の脈理を防止する効果がある成分である。こうした効果は、モル比O2−/P5+を所要範囲にすることにより得られる揮発成分発生の抑制効果との相乗効果によりフツリン酸ガラスの品質を高めるのに大きく寄与する。しかし、Li+を20%を超えて導入すると、ガラス融液の粘性の過剰な低下を起こし、結晶化の促進によるガラスの失透、脈理の発生といった問題を引き起こす。したがって、Li+の含有量は0〜20%とすることが好ましい。Li+の含有量のより好ましい範囲は0〜15%、さらに好ましい範囲は1〜10%、一層好ましい範囲は1〜7%である。
Na+は、ガラス転移温度を低下させる働きをするが、過剰に導入するとガラスの安定性が低下する。また、耐水性も低下する。したがって、Na+の含有量を0〜10%とすることが好ましい。Na+の含有量のより好ましい範囲は0〜7%、さらに好ましい範囲は1〜5%である。
K+も、ガラス転移温度を低下させる働きをするが、過剰に導入するとガラスの安定性が低下する。また、耐水性も低下する。したがって、K+の含有量を0〜10%とすることが好ましい。K+の含有量のより好ましい範囲は0〜5%、さらに好ましい範囲は0〜3%である。
アルカリ金属成分Li+、Na+、K+うち、複数種を共存させることにより、ガラスの安定性を向上させることができる。
Y3+は、少量の導入によりガラスの安定性向上が期待されるが、その含有量が5%を超えるとガラスの熔融温度が上昇し、熔融ガラスからの揮発が助長されるとともに、ガラスの安定性も低下する。したがって、Y3+の含有量を0〜5%とすることが好ましい。Y3+の含有量のより好ましい範囲は1〜5%、さらに好ましい範囲は1〜3%である。
この他、屈折率の調整などを目的として少量のLa3+、Gd3+、Zr4+、Zn2+を導入することができる。
なお、熔融ガラスの成形性に優れ、品質の高いフツリン酸ガラスを得る上から、P5+、Al3+、Li+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Na+、K+およびY+の合計含有量を95%以上にすることが好ましく、97%以上にすることがより好ましく、98%以上にすることがさらに好ましく、99%以上にすることが一層好ましい。
光学ガラスIVのガラス転移温度は、好ましくは500℃未満、より好ましくは480℃以下、さらに好ましくは460℃以下、一層好ましくは440℃以下である。このようにガラス転移温度が低いので、精密プレス成形に好適であるほか、ガラスの再加熱、軟化して成形する際の成形性にも優れている。ガラス転移温度が上記のように低いので成形時の加熱温度も比較的低く抑えることができる。そのため、ガラスとプレス成形型などの成形型との化学反応も起こりにくいため、清浄かつ平滑な表面を有するガラス成形体を成形することができる。また、成形型の劣化も抑制することができる。
光学ガラスIVにおいて、アッベ数(νd)の好ましい範囲は85以上、より好ましい範囲は88〜100、さらに好ましい範囲は90〜97である。
屈折率(Nd)の好ましい範囲は1.428〜1.5、より好ましい範囲は1.43〜1.48である。
光学ガラスIVは、超低分散性を有しつつ、液相温度が700℃以下と優れたガラス安定性も備えているので、色収差補正に好適な光学素子材料として高品質のフツリン酸ガラスを提供することができる。
なお、光学ガラスI〜IVは、いずれも、環境への負荷を軽減する上から、Pb、As、Cd、Thなどを導入しないものであることが望ましい。同様に環境への負荷を軽減する上からTl、Te、Cr、Se、Uをも導入しないものであることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、Lu、Sc、Hf、Geといった成分を必要としない。Lu、Sc、Hf、Geは高価な成分なので、これらを導入しないことが好ましい。
本発明の光学ガラスは可視域の広い波長域にわたり、優れた光線透過性を示す。こうした性質を活かし、特定波長域に吸収を持たせない場合は、Cu、Cr、V、Fe、Ni、Co、Ndなどの着色の要因となる物質を導入しないことが好ましい。
〔光学ガラスの製造方法〕
次に、本発明の光学ガラスの製造方法について、説明する。
本発明の光学ガラスの製造方法は、ガラス製法I〜IIIの3つの態様からなる。
本発明の光学ガラスの製造方法の第1の態様(ガラス製法Iという)は、フツリン酸ガラスからなる光学ガラスの製造方法において、
原料またはカレットを熔解した後、清澄、均質化して光学ガラスを得るにあたり、原料またはカレットとして、P5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるものを用い、本発明の光学ガラスを製造することを特徴とするものである。
すなわち、ガラス製法Iは、本発明の光学ガラスを製造する方法であって、原料またはカレットを熔解した後、清澄、均質化して光学ガラスを得るにあたり、原料またはカレットとして、P5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるものを用いる方法である。
本発明の光学ガラスの製造方法の第2の態様(ガラス製法IIという)は、原料またはカレットを用いて調合原料を作り、前記調合原料を熔解した後、清澄、均質化してフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスを製造する方法であって、
前記調合原料中のP5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上になるように調合原料を作り、熔解、清澄、均質化を行いアッベ数(νd)が70を超えるフツリン酸塩ガラスを作製することを特徴とするものである。
上述したように、P5+の含有量に対するO2−の含有量のモル比O2−/P5+が3.5未満であるガラスは、ガラス熔融時に揮発性物質が生成し、ガラス製造時においてガラス成分が揮発してしまうことから、ガラス製法Iにおいては、ガラス原料またはカレットとして、P5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であるものを用いることにより、ガラス製法IIにおいては、調合原料中のP5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上になるように調合原料を作ることにより、ガラス熔融時に揮発性物質の生成そのものを抑制し、ガラス製造時における成分の揮発を抑制している。
原料またはカレット中のP5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+を3.5以上にするためには、ガラス原料として、リン(P5+)1原子に対する酸素(O2−)原子数の比(酸素原子/リン原子)が3.5である2リン酸塩を用いたり、該ガラス原料から作製したカレットを用いることが好ましい。
ガラス製法I、IIにおいては、例えば、P5+合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+が3.5以上であり、所望組成を有するように適宜秤量、調合した、リン酸塩、フッ化物などのガラス原料を、白金合金製の熔融容器に供給し、加熱、熔融し、清澄、均質化した後、パイプから流出、成形することにより所望特性を有する光学ガラスを得ることができる。
本発明の光学ガラスの第3の態様(ガラス製法IIIという)は、原料またはカレットを用いて調合原料を作り、前記調合原料を熔解した後、清澄、均質化して熔融ガラスを作製し、前記熔融ガラスを成形してフツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスを製造する方法において、
前記熔融ガラスの揮発性が低減するように、前記調合原料中のP5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+を制御することを特徴とするものである。
ガラス製法IIIは、モル比O2−/P5+が熔融ガラスの揮発性に大きく影響するとの新規な知見に基づき、調合原料中のP5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量のモル比O2−/P5+熔融ガラスの揮発性が低減するように制御して光学ガラスを製造する。
すなわち、屈折率(Nd)、アッベ数(νd)が所望の値になるように、熔融ガラスの揮発性が低減するように上記モル比を制御する。上記モル比の調整範囲は3.5以上とする。上記モル比の好ましい範囲は上記のとおりである。
ガラス製法I〜IIIにおいて、ガラス原料またはカレットの加熱、熔融処理は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。ガラスの熔融装置としては、公知のフツリン酸ガラスの熔融装置を使用すればよい。
また、ガラス製法II、IIIもガラス製法Iと同様、アッベ数(νd)が70を超えるフツリン酸ガラスの製造、アッベ数(νd)が78を超えるフツリン酸塩ガラスの製造、希土類元素の合計含有量が5カチオン%未満であり、F−とO2−の合計含有量に対するF−の含有量のモル比F−/(F−+O2−)が0.2を超え、屈折率(Nd)が1.53を超えるフツリン酸塩ガラスの製造、F−の含有量が65アニオン%以上のフツリン酸ガラスの製造に好適である。
[プレス成形用プリフォームとその製造方法]
次に、本発明のプレス成形用プリフォームについて説明する。
本発明のプレス成形用プリフォームは、本発明の光学ガラスまたは本発明の方法により得られた光学ガラスからなることを特徴とするものである。
ここでプレス成形用プリフォームとは、プレス成形品の重量と等しい重量のガラスを、プレス成形に適した形状に予め成形したものを意味する。
本発明のプレス成形用プリフォームは、精密プレス成形用として特に好適であり、精密プレス成形用プリフォームとして使用する際は、炭素膜などの離型膜をプリフォーム全表面に形成することが好ましい。
次に、本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法について説明する。
本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法は2つの態様からなる。
本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法の第1の態様(プリフォーム製法Iという)は、熔融ガラスをパイプから流出させて、所望重量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊をガラスが冷却する過程でプリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法において、本発明のプレス成形用プリフォームを成形することを特徴とするものである。
すなわち、プリフォーム製法Iは、本発明のプレス成形用プリフォームを製造する方法であって、熔融ガラスをパイプから流出させて、所望重量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊をガラスが冷却する過程でプリフォームに成形する方法である。
プリフォーム製法Iにおいては、先ず、熔融ガラスをパイプから流出させる。例えば、通電加熱方式あるいは高周波誘導加熱方式、またはこれら2つの加熱方式を組合わせた加熱法により、所定温度に加熱した白金合金製あるいは白金製のパイプから、一定流量で連続して熔融ガラスを流出させる。
次いで、流出した熔融ガラスからプリフォーム1個分の重量、あるいはプリフォーム1個分の重量に後述する除去分の重量を加えた重量の熔融ガラス塊を分離する。熔融ガラス塊の分離にあたっては、切断痕が残らないように、切断刃の使用を避けることが望ましく、例えば、パイプの流出口から熔融ガラスを滴下させたり、流出する熔融ガラス流先端を支持体により支持し、目的重量の熔融ガラス塊が分離できるタイミングで支持体を急降下して熔融ガラスの表面張力を利用して熔融ガラス流先端から熔融ガラス塊を分離する方法を用いることが好ましい。
分離した熔融ガラス塊は、プリフォーム成形型の凹部上において、ガラスが冷却する過程で所望形状を有するプリフォームに成形する。その際、プリフォーム表面にシワができたり、カン割れと呼ばれるガラスの冷却過程における破損を防止するため、凹部上でガラス塊に上向きの風圧を加え浮上させた状態で成形することが好ましい。
プリフォームに外力を加えても変形しない温度域にまでガラスの温度が低下してから、プリフォームを成形型から取り出して、徐冷する。
得られたプリフォームは、上述したように、脈理を生じにくい光学ガラスからなるものであるが、プリフォーム表面にわずかに脈理が生じる場合、脈理はプリフォーム表面層に局在しているので、エッチングや研磨加工により上記表面層を除去し、脈理のない光学的に高度に均質なプリフォームに仕上げることもできる。
エッチング、研磨加工いずれの場合も、予め目的とするプリフォーム重量に除去するガラス重量を加えた重量の熔融ガラス塊を分離し、表面層の除去後に目的重量になるように処理することが望ましい。
プリフォーム製法Iは、特に精密プレス成形用のプリフォームを製造する方法として好適である。
本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法の第2の態様(プリフォーム製法IIという)は、熔融ガラスを鋳型に鋳込んでガラス成形体を作製し、該ガラス成形体を加工してプレス成形用プリフォームを作製するプレス成形用プリフォームの製造方法において、本発明のプレス成形用プリフォームを成形することを特徴とするものである。
上記鋳型は成形形状に応じて適宜、公知のものを適用すればよい。例えば、平坦な底面とこの底面を3方向から囲む3つの側壁を備え、1つの側方が開口した鋳型を熔融ガラスを流出するパイプの下方に底面が水平になるように配置する。そして、鋳型の底面上にパイプから連続して流出する熔融ガラスを流し込み、側壁で囲まれた部分にガラスを満たしつつ、板状に成形する。成形したガラスを上記開口部より水平方向に一定スピードで引き出し、一定の幅と一定の厚みを有するガラス板を得る。引き出されたガラス板はそのままアニール炉内をゆっくりとしたスピードで通過することでアニールされる。アニールしたガラス板は引き出し方向に対して垂直に切断し、所望長さのガラス板となる。
上記鋳型の代わりに、貫通孔を有する鋳型を貫通孔が鉛直方向を向くように流出パイプの下方に配置し、貫通孔に熔融ガラスを連続的に流し込んでもよい。流し込まれたガラスは急冷されて棒状に成形され、貫通孔の下端開口部より一定スピードで下方に引き出される。鋳型から引き出されたガラス棒はガラスの転移温度近傍に加熱された雰囲気中を通過し、ガラス棒の表面と内部の温度を近づける操作をした後、水平方向に切断して所望長さのガラス棒となる。
このようにして得られた板状あるいは棒状のガラス成形体を切断または割断によりガラス片に分割し、これらガラス片をバレル研磨して目的の光学素子ブランク1個分の質量になるように質量調整を行いプレス成形用プリフォームを得る。バレル研磨によって、ガラス片のエッジを丸め、破損原因やプレス成形時の折れ込み原因になるエッジを除去することができる。また、プリフォーム表面を粗面化してプレス成形時に表面に塗布する粉末状離型剤を均一に付着させやすくする。こうして得られたプリフォームは、精密プレス成形品とは異なり、プレス成形品の表面を研削、研磨して光学機能面に仕上げる光学素子ブランクをプレス成形するためのガラス素材である。
別の例は、上記ガラス片を研削、研磨してガラス表面を平滑化して精密プレス成形用プリフォームにする方法であり、さらに別の方法は上記バレル研磨品の表面を研磨して平滑化して精密プレス成形用プリフォームにする方法である。
[光学素子ブランクとその製造方法]
次に本発明の光学素子ブランクについて説明する。
本発明の光学素子ブランクは、本発明の光学ガラスまたは本発明の方法により得られた光学ガラスからなることを特徴とするものである。
光学素子ブランクは、前述のように研削、研磨によって光学素子に仕上げられるガラス成形品であって、目的とする光学素子の形状に研削、研磨により除去する加工しろを加えた形状、すなわち、光学素子形状に近似した形状を有する。
次に本発明の光学素子ブランクの製造方法について説明する。
本発明の光学素子ブランクは2つの態様からなる。
本発明の光学素子ブランクの製造方法の第1の態様(光学素子ブランク製法Iという)は、研削、研磨により光学素子に仕上げられる光学素子ブランクの製造方法において、本発明のプリフォームまたは本発明の方法により得られたプリフォームを加熱し、プレス成形することを特徴とするものである。
この方法では、加熱に先立ちプリフォームの表面に窒化ホウ素などの粉末状離型剤を均一に塗布し、耐熱性皿に載せて加熱軟化炉内に入れ、ガラスが軟化するまで加熱した後、プレス成形型に導入してプレス成形する。次にプレス成形品を型から取り出し、アニールして歪を除くとともに屈折率などの光学特性が所望の値になるように光学特性の調整を行う。このようにして光学素子ブランクを作製することができる。
本発明の光学素子ブランクの製造方法(光学素子ブランク製法IIという)は、ガラス原料を熔融し、得られた熔融ガラスを流出し、熔融ガラス流から熔融ガラス塊を分離して、該熔融ガラス塊をプレス成形する光学素子ブランクの製造方法において、本発明の光学ガラスまたは本発明の方法により得られた光学ガラスを熔融、成形することを特徴とするものである。
この方法では、均質化した熔融ガラスを窒化ホウ素などの粉末状離型剤を均一に塗布した下型成形面上に流出し、下端部が下型に支持された熔融ガラス流を途中でシアと呼ばれる切断刃を用いて切断する。こうして、所望質量の熔融ガラス塊を下型成形面上に得る。次に、熔融ガラス塊を載せた下型を別の位置に待機する上型の真下に移送し、上型および下型で熔融ガラス塊をプレスして光学素子ブランク形状に成形する。次にプレス成形品を型から取り出し、アニールして歪を除くとともに屈折率などの光学特性が所望の値になるように光学特性の調整を行う。このようにして光学素子ブランクを作製することができる。
光学素子ブランク製法I、IIは、ともに大気中で行うことができる。成形条件、プレス成形型の材質、加熱軟化炉および加熱、軟化する際にプリフォームを載せる皿などについては公知の条件やものを使用することができる。
本発明によれば、脈理などの欠陥のない光学素子を作製できる光学素子ブランクとその製造方法を提供することができる。
[光学素子とその製造方法]
次に、本発明の光学素子について説明する。
本発明の光学素子は、本発明の光学ガラスまたは本発明の方法により得られた光学ガラスからなることを特徴とするものである。
本発明の光学素子は、上記の本発明の光学ガラスまたは本発明の方法により得られた光学ガラスからなるので、低分散特性を活かした光学素子を提供することができる。
光学素子の種類、形状などについては特に限定はないが、例えば、非球面レンズ、球面レンズ、マイクロレンズ、レンズアレイ、プリズム、回折格子、レンズ付きプリズム、回折格子付きレンズなどを挙げることができる。非球面レンズ、球面レンズの具体例としては、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどを挙げることができる。
用途の面からは、撮像系を構成する光学素子、例えば、デジタルカメラのレンズやカメラ付き携帯電話のカメラ用レンズ、あるいは光ピックアップレンズ、コリメータレンズ、光通信用レンズなどを挙げることができる。
光学素子の表面には、必要に応じて反射防止膜などの光学薄膜を形成してもよい。
次に、本発明の光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法は、2つの態様からなる。
本発明の光学素子の製造方法の第1の態様(光学素子製法Iという)は、本発明の光学素子ブランク、もしくは本発明の方法で作製した光学素子ブランクを研削、研磨する光学素子の製造方法である。
上記研削、研磨は公知の方法を適用すればよい。光学素子製法Iは球面レンズやプリズムなどの研削、研磨によって加工しやすい光学素子や望遠レンズの前玉レンズのように大口径レンズの製造に好適である。
本発明の光学素子の製造方法の第2の態様(光学素子製法IIという)は、本発明のプリフォームまたは本発明の方法により得られたプリフォームを加熱し、精密プレス成形することを特徴とするものである。すなわち、光学素子製法Iは、本発明の光学素子を製造する方法であって、本発明のプリフォームまたは本発明の方法により得られたプリフォームを加熱し、精密プレス成形するものである。
上記精密プレス成形はモールドオプティクス成形とも呼ばれ、当該技術分野において周知の方法である。光学素子において、光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面(レンズを例にとると非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する)というが、精密プレス成形によればプレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形によって光学機能面を形成することができ、光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。
したがって、本発明の光学素子の製造方法は、レンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学素子の製造に好適であり、特に非球面レンズを高い生産性のもとに製造する方法として適している。
精密プレス成形に使用するプレス成形型としては公知のもの、例えば炭化珪素、ジルコニア、アルミナなどの耐熱性セラミックスの型材の成形面に離型膜を設けたものを使用することができるが、中でも炭化珪素製のプレス成形型が好ましく、離型膜としては炭素含有膜などを使用することができる。耐久性、コストの面から炭素含有膜としては特にカーボン膜が好ましい。
精密プレス成形では、プレス成形型の成形面を良好な状態に保つため成形時の雰囲気を非酸化性ガスにすることが望ましい。非酸化性ガスとしては窒素、窒素と水素の混合ガスなどが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法で用いられる精密プレス成形の態様として、以下、精密プレス成形IとIIの2つの態様を示す。
(精密プレス成形I)
精密プレス成形Iは、プレス成形型にプリフォームを導入し、プレス成形型とプリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形するものである。
この精密プレス成形Iにおいて、プレス成形型と前記プリフォームの温度をともに、プリフォームを構成するガラスが106〜1012dPa・sの粘度を示す温度に加熱して精密プレス成形を行うことが好ましい。
また上記ガラスが、好ましくは1012dPa・s以上、より好ましくは1014dPa・s以上、さらに好ましくは1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してから精密プレス成形品をプレス成形型から取り出すことが望ましい。
上記の条件により、プレス成形型成形面の形状をガラスにより精密に転写することができるとともに、精密プレス成形品を変形することなく取り出すこともできる。
(精密プレス成形II)
精密プレス成形IIは、予熱したプレス成形型に、加熱したプリフォームを導入して精密プレス成形するものである。
この精密プレス成形IIによれば、プリフォームをプレス成形型に導入する前に予め加熱するので、光学素子を製造するサイクルタイムを短縮化しつつ、表面欠陥のない良好な面精度を有する光学素子を製造することができる。
なおプレス成形型の予熱温度は、プリフォームの予熱温度よりも低く設定することが好ましい。このようにプレス成形型の予熱温度を低くすることにより、プレス成形型の消耗を低減することができる。
精密プレス成形IIにおいて、前記プリフォームを構成するガラスが109dPa・s以下、より好ましくは109dPa・sの粘度を示す温度に予熱することが好ましい。
また、上記プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、さらに前記プリフォームを構成するガラスが105.5〜109dPa・sの粘度を示す温度に予熱することがより好ましく、105.5dPa・s以上109dPa・s未満の粘度を示す温度に予熱することがさらに好ましい。
またプレス開始と同時又はプレスの途中からガラスの冷却を開始することが好ましい。
なお、プレス成形型の温度は、前記プリフォームの予熱温度よりも低い温度に調温するが、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度を目安にすればよい。
この方法において、プレス成形後、前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上にまで冷却してから離型することが好ましい。
精密プレス成形された光学素子はプレス成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。成形品がレンズなどの光学素子の場合には、必要に応じて表面に光学薄膜をコートしてもよい。
実施例1および比較例1(光学ガラスの製造例)
表1−1〜表1−8に示す組成を有する光学ガラスNo.1〜38および表1−2に示す組成を有する光学ガラスNo.1〜2を作製するために、各ガラス成分に対応する、2リン酸塩などのリン酸塩や、フッ化物といった原料を秤量し、十分に混合した。各混合原料中の、P5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量の比(O2−/P5+)、希土類元素の含有割合(カチオン%)、F−とO2−の合計含有量に対するF−の含有量の比(F−/(F−+O2−))を表1−1〜表1−8に併記する。上記混合原料を白金坩堝に投入して、900℃の電気炉内で、攪拌しながら1〜3時間かけて原料を加熱熔解し、清澄、均質化することにより、光学ガラスNo.1〜38および比較光学ガラスNo.1〜2を得た。表1−1〜表1−8において、光学ガラスNo.1〜4が本発明の光学ガラスI、IIに相当し、光学ガラスNo.5〜9が本発明の光学ガラスI、IIIに相当し、光学ガラスNo.10〜38が光学ガラスIVに相当する。
光学ガラスNo.1〜38の各光学ガラスの作製では、揮発性が抑制されるよう、表1−1〜表1−8に示すようにP5+の合計含有量に対するO2−の合計含有量の比(O2−/P5+)を3.5以上に制御し、その他成分の含有量をバランスさせて揮発性が大幅に低減された所望特性を有する光学ガラスを得ている。また、上記製造例では、2リン酸塩などのリン酸塩や、フッ化物といった未ガラス化原料を使用したが、カレットを用いてもよいし、未ガラス化原料とカレットを併用してもよい。
各光学ガラス、比較光学ガラスについて、原料を1時間熔解して得られた200gのサンプルの屈折率Nd(1h)およびアッベ数νd(1h)と、原料を3時間熔解して得られた200gのサンプルの屈折率Nd(3h)およびアッベ数νd(3h)を測定するとともに、ガラス転移温度を測定した。結果を表1−1〜表1−8に示す。
なお、各光学ガラスの屈折率(Nd)、アッベ数(νd)およびガラス転移温度(Tg)は、以下の手法によりそれぞれ測定したものである。
(1)屈折率(Nd)及びアッベ数(νd)
徐冷降温速度を−30℃/時にして得られた光学ガラスについて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
理学電機株式会社の熱機械分析装置(サーモ プラス TMA 8310)により昇温速度を4℃/分にして測定した。
なお、上記各光学ガラスNo.1〜38に外割りで0.5〜13カチオン%のCu2+を添加し、近赤外線吸収ガラスとしてもよい。
光学ガラスNo.1〜38とこれら光学ガラスに外割りで0.5〜13カチオン%のCu2+を添加した近赤外線吸収ガラスのいずれにも脈理は認められず、光学的に極めて均質であった。
実施例2(プレス成形用プリフォームの製造例)
表1−1〜表1−8に示した光学ガラスNo.1〜38のそれぞれからなる熔融ガラスを、ガラスが失透することなく、安定した流出が可能な温度域に温度調整された白金合金製のパイプから一定の流量で流出させ、ガラス塊を滴下する方法か、又は支持体を用いて熔融ガラス流先端を支持した後、支持体を急降下してガラス塊を分離する方法にて熔融ガラス塊を分離した。得られた各熔融ガラス塊は、目的とするプリフォーム1個分の重量に後述する除去分の重量を加えた重量を有するものである。
次いで、得られた各熔融ガラス塊をガス噴出口を底部に有する受け型に受け、ガス噴出口からガスを噴出してガラス塊を浮上しながら成形し、プレス成形用プリフォームを作製した。プリフォームの形状は、熔融ガラスの分離間隔を調整、設定することにより、球状や扁平球状とした。得られた各プリフォームの重量は設定値に精密に一致しており、いずれも表面が滑らかなものであった。
また別の方法として、成形した球状のプリフォームの全表面を公知の方法で研磨加工し、全表面層を除去して光学的に均質なプリフォームを得た。
表1−1〜表1−8に示される光学ガラスNo.1〜38のそれぞれからなる熔融ガラスを、ガラスが失透することなく、安定した流出が可能な温度域に温度調整された白金合金製のパイプから一定の流量で流出させ、鋳型に連続して流し込みつつ、鋳型側面の開口部から成形したガラス板を水平方向に一定スピードで引き出し、アニール炉の中を通過させてアニールし歪を除去した後、所望の長さに切断し、次々とガラス板を得た。
次にガラス板を賽の目状に切断して複数個のガラス片を作製し、これらガラス片を研削、研磨して表面が滑らかで光学的に均質なプリフォームを得た。
実施例3(光学素子の製造例)
上記のようにして得た各プリフォームを、図1に示すプレス装置を用いて精密プレス成形して非球面レンズを得た。
すなわち、プリフォーム4を、上型1、下型2および胴型3からなるプレス成形型の下型2と上型1の間に設置した後、石英管11内を窒素雰囲気としてヒーター12に通電して石英管11内を加熱した。プレス成形型内部の温度を、成形されるガラスが108〜1010dPa・sの粘度を示す温度に設定し、同温度を維持しつつ、押し棒13を降下させて上型1を押して成形型内にセットされたプリフォームをプレスした。プレスの圧力は8MPa、プレス時間は30秒とした。プレスの後、プレスの圧力を解除し、プレス成形されたガラス成形品を下型2及び上型1と接触させたままの状態で前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上になる温度まで徐冷し、次いで室温まで急冷してガラス成形品を成形型から取り出し非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、極めて高い面精度を有するものであった。
なお、図1において、参照数字9は支持棒、参照数字10は下型・胴型ホルダー、参照数字14は熱電対である。
精密プレス成形により得られた非球面レンズには、必要に応じて反射防止膜を設けた。
次に上記各プリフォームと同じプリフォームを上記の方法とは別の方法で精密プレス成形した。この方法では、先ず、プリフォームを浮上しながら、プリフォームを構成するガラスの粘度が108dPa・sになる温度にプリフォームを予熱した。一方で上型、下型、胴型を備えるプレス成形型を加熱して、前記プリフォームを構成するガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度にし、上記予熱したプリフォームをプレス成形型のキャビティ内に導入して、10MPaで精密プレス成形した。プレス開始とともにガラスとプレス成形型の冷却を開始し、成形されたガラスの粘度が1012dPa・s以上となるまで冷却した後、成形品を離型して非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、極めて高い面精度を有するものであった。
精密プレス成形により得られた非球面レンズには必要に応じて反射防止膜を設けた。
このようにして、内部品質の高いガラス製光学素子を生産性よく、しかも高精度に得ることができた。
実施例4(光学素子ブランクの製造例)
表1−1〜表1−8に示される光学ガラスNo.1〜38のそれぞれからなる熔融ガラスを、ガラスが失透することなく、安定した流出が可能な温度域に温度調整された白金合金製のパイプから一定の流量で流出させ、熔融ガラスをプレス成形型を構成する下型の成形面上に供給した。なお、下型成形面上には熔融ガラスを供給する前に窒化ホウ素粉末などの粉末状離型剤を均一に塗布しておく。
次いで流出する熔融ガラスをシアと呼ばれる切断刃を用いて切断し、下型成形面上に所望量の熔融ガラス塊を得る。
次いでプレス成形型を構成する上型が上方で待機する位置に熔融ガラス塊を載せた下型をして上下型を用いてガラス塊が軟化状態にあるうちにプレス成形する。こうして得たプレス成形品を離型してプレス成形型から取り出して光学素子ブランクを得た。次いで得られたブランクをアニールして歪を除去するとともに、屈折率などの光学特性が所望値に精密に等しくなるように調整を行い、所望形状の光学素子ブランクを得た。このようにして凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズなどの各種球面レンズの形状に近似するレンズブランクを作製した。
次に、表1−1〜表1−8に示される光学ガラスNo.1〜38のそれぞれからなる熔融ガラスを、ガラスが失透することなく、安定した流出が可能な温度域に温度調整された白金合金製のパイプから一定の流量で流出させ、鋳型に連続して流し込みつつ、鋳型側面の開口部から成形したガラス板を水平方向に一定スピードで引き出し、アニール炉の中を通過させてアニールし歪を除去した後、所望の長さに切断し、次々とガラス板を得た。
次にガラス板を賽の目状に切断して複数個のガラス片を作製し、これらガラス片をバレル研磨してガラス片のエッジを除去するとともに、所望の重量になるよう重量調整を行って表面が粗面化されたプリフォームを得た。
そして、プリフォーム全表面に粉末状の窒化ホウ素を均一に塗布し、耐熱性の皿に載せて加熱炉内に入れ、加熱、軟化させた。軟化したプリフォームをプレス成形型内に導入し、プレス成形して光学素子ブランクを得た。
こうして得た光学素子ブランクをアニールして歪を除去するとともに、屈折率などの光学特性が所望の値に精密に等しくなるように光学特性の調整を行った。このようにして凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズなどの各種球面レンズの形状に近似するレンズブランクを作製した。
実施例5(光学素子の製造例)
実施例4で得た光学素子ブランクを研削、研磨して凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズなどの各種球面レンズを作製した。
また、実施例4で作製したアニール済みガラス板を切断、研削、研磨して、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズなどの各種球面レンズ、プリズムを作製した。
このようにして、内部品質の高いガラス製光学素子を生産性よく、しかも高精度に得ることができた。
実施例6(光学素子の製造例)
実施例1で得た光学ガラスNo.1〜38に外割りで0.5〜13カチオン%のCu2+を添加した近赤外線吸収ガラスをスライスして平板上とし、平板の主表面を光学研磨して近赤外線吸収フィルターを作製した。
Claims (5)
- アッベ数(ν d )が78を超え、P 5+ の含有量に対するO 2− の含有量のモル比O 2− /P 5+ が3.5以上であるフツリン酸塩ガラスからなり、
前記フツリン酸塩ガラスが、カチオン%表示にて、
P 5+ 3〜30%、
Al 3+ 10〜40%、
Mg 2+ 0〜10%、
Ca 2+ 0〜30%、
Sr 2+ 0〜30%、
Ba 2+ 0〜30%、
(ただし、Mg 2+ 、Ca 2+ 、Sr 2+ およびBa 2+ の合計含有量が10%以上)
Li + 0〜30%、
Na + 0〜20%、
K + 0〜20%、
Y 3+ 0〜3.68%、
La 3+ 0〜10%、
Gd 3+ 0〜3%、
Yb 3+ 0〜10%、
B 3+ 0〜10%、
Zn 2+ 0〜20%、
In 3+ 0〜20%
を含有し、アニオン%表示にて、
F − 40〜95%、
O 2− 5〜60%
を含有し、
可視域に吸収を有するイオンを添加しない光学ガラスからなることを特徴とするプレス成形用プリフォーム。
- 熔融ガラスをパイプから流出させて、所望重量の熔融ガラス塊を分離し、該ガラス塊をガラスが冷却する過程でプリフォームに成形するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
請求項1に記載のプレス成形用プリフォームを成形することを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法。
- 熔融ガラスを鋳型に鋳込んでガラス成形体を作製し、該ガラス成形体を加工してプレス成形用プリフォームを作製するプレス成形用プリフォームの製造方法において、
請求項1に記載のプレス成形用プリフォームを成形することを特徴とするプレス成形用プリフォームの製造方法。
- 研削、研磨により光学素子に仕上げられる光学素子ブランクの製造方法において、
請求項1に記載のプリフォームまたは請求項2または3に記載の方法により得られたプリフォームを加熱し、プレス成形することを特徴とする光学素子ブランクの製造方法。
- 請求項1に記載のプリフォームまたは請求項2または3に記載の方法により得られたプリフォームを加熱し、精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
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