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JP5368777B2 - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

交流電動機の制御装置 Download PDF

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JP5368777B2
JP5368777B2 JP2008293636A JP2008293636A JP5368777B2 JP 5368777 B2 JP5368777 B2 JP 5368777B2 JP 2008293636 A JP2008293636 A JP 2008293636A JP 2008293636 A JP2008293636 A JP 2008293636A JP 5368777 B2 JP5368777 B2 JP 5368777B2
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Description

この発明は、交流電動機の制御装置に関し、より特定的には、矩形波電圧を交流電動機に印加して駆動制御する矩形波電圧制御モードを有する交流電動機の制御装置に関する。
直流電圧をインバータによって交流電圧に変換して交流電動機を駆動制御する構成が一般的に用いられている。このような構成では、モータを高効率に駆動するために、一般的にはベクトル制御に基づくパルス幅変調(PWM)に従ってモータ電流が制御される。
また、モータ出力を向上するために、矩形波電圧を交流電動機に印加して駆動制御する矩形波電圧制御とPWM制御に従ったPWM制御とを切換えて交流電動機を制御する構成が公知である。たとえば、特開2007−159368号公報(特許文献1)による交流電動機の制御では、矩形波電圧制御およびPWM制御の間での制御方式切換時の出力トルクの変動を防止するための技術が記載されている。
特開2007−159368号公報
ここで、特開2007−159368号公報(特許文献1)に開示されたモータ制御方式では、矩形波電圧制御の選択時には、トルク実績値とトルク指令値との偏差に基づく、矩形波電圧パルスの位相制御によってトルクフィードバック制御が実行される。このトルクフィードバック制御では、矩形波電圧制御部を構成する電子制御ユニット(ECU)が、電流センサによって検出されたモータ電流を所定タイミング毎にサンプリングし、そのサンプリングしたモータ電流検出値を用いてトルク実績値を推定する。すなわち、矩形波電圧制御においては、モータ電流のサンプリング精度が、トルク実績値の推定精度に直結している。
ここで、一般的なPWM制御として用いられる正弦波PWM制御では、正弦波状の電圧指令の振幅が搬送波(代表的には三角波)の振幅以下の範囲に制限されるため、交流電動機に印加される線間電圧は正弦波となる。そのため、交流電動機への印加電圧の基本波成分をインバータの直流リンク電圧の約0.61程度までしか高めることができない。
これに対して、矩形波電圧制御では、各相上アーム素子のオン期間に対応するハイレベル期間および下アーム素子のオン期間に対応するローレベル期間の比が1:1の矩形波1パルス分を交流電動機に印加することにより、変調率(インバータの直流リンク電圧に対するモータ印加電圧(線間電圧)の基本波成分(実効値)の比)を0.78まで高めることができる。しかしながら、モータ印加電圧は、高調波成分を含むため、正弦波ではなく歪んだ電圧となる。その結果、交流電動機を流れるモータ電流は、正弦波ではなく歪み成分を含んだものとなる。したがって、トルク実績値の推定精度を確保するためには、サンプリングされたモータ電流から歪み成分を除去するためのフィルタ処理を併せて実行することが必要となる。
しかしながら、このようなフィルタ処理をトルク実績値の推定処理に組み込むことによって、フィルタ時定数に起因した遅れが生じてしまうため、制御応答性が低下する可能性がある。特に、交流電動機の回転数が低いときには、トルクフィードバック制御の制御周期が長くなるため、フィルタ処理による遅れの影響が顕著となる。その一方で、遅れを解消する観点からフィルタの時定数を小さくした場合には、モータ電流に含まれる歪み成分の影響を抑制できなくなるため、トルク実績値の推定精度の低下に起因して交流電動機にトルク変動が発生する可能性がある。
なお、このような不具合を回避するためには、モータ電流のサンプリングとフィルタ処理を並行して実行する制御構成とすることが有効である。しかしながら、このような制御構成はECUの負荷を極度に高めることになり、結果として、装置コストの増大に繋がるおそれがある。
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易な装置構成で、矩形波電圧制御における制御応答性および制御安定性の向上を図ることである。
本発明による交流電動機の制御装置は、インバータによって印加電圧が制御される交流電動機の制御装置であって、インバータおよび交流電動機の間を流れる電流を検出する電流検出器と、交流電動機の回転位置を検出する位置検出器と、交流電動機を動作指令に従って動作させるように位相制御された矩形波電圧が交流電動機に印加されるように、インバータの制御指令を発生する矩形波電圧制御部とを備える。矩形波電圧制御部は、電流検出器および位置検出器の出力に基づいて交流電動機の出力トルクを推定するトルク推定手段と、トルク推定手段による推定トルクとトルク指令値との偏差に応じて、矩形波電圧の位相を決定する電圧位相制御手段と、電圧位相制御手段によって決定された位相に従った矩形波電圧が交流電動機に印加されるように、インバータでの電圧変換を制御する電圧制御手段とを含む。トルク推定手段は、予め設定された所定の第1の電気角毎に、電流検出器の出力に基づいて交流電動機の各相電流をサンプリングしてd軸電流およびq軸電流に変換する角度割込処理を実行する。所定の第1の電気角は、角度割込処理の回数が交流電動機の回転数に応じて可変となるように設定される。
好ましくは、所定の第1の電気角は、交流電動機の回転数が低下するに従って角度割込処理の回数が多くなるように設定される。
好ましくは、トルク推定手段は、交流電動機の回転数と所定の基準回転数との比較結果に基づき、予め設定された第1の角度および第2の角度の間で、所定の第1の電気角を切替える割込角度設定手段を含む。割込角度設定手段は、第1の角度と第2の角度とをヒステリシスを持って切替える。
好ましくは、インバータは、矩形波電圧制御部からの制御指令に従ってオンオフされる電力半導体スイッチング素子を含む。電圧制御手段は、予め設定された所定の第2の電気角毎に、電力半導体スイッチング素子に制御指令を出力するスイッチング割込処理を実行する。トルク推定手段は、角度割込処理の実行タイミングとスイッチング割込処理の実行タイミングとが一致する場合には、交流電動機の回転数に応じて角度割込処理を無効化する。
好ましくは、トルク推定手段は、交流電動機の回転数が所定の基準回転数を下回るときには、角度割込処理を無効化する。
好ましくは、インバータは、矩形波電圧制御部からの制御指令に従ってオンオフされる電力半導体スイッチング素子を含む。電圧制御手段は、予め設定された所定の第2の電気角毎に、電力半導体スイッチング素子に制御指令を出力するスイッチング割込処理を実行する。所定の第1の電気角度は、前回のスイッチング割込処理の実行タイミングと今回のスイッチング割込処理の実行タイミングとの間に、複数回の角度割込処理が実行されるように設定される。トルク推定手段は、複数回の角度割込処理の各々において演算されたd軸電流およびq軸電流の時間軸方向の変化を平滑化させるフィルタ処理手段と、フィルタ処理手段によって平滑化されたd軸電流およびq軸電流に基づいて推定トルクを演算する推定トルク演算手段とを含む。
好ましくは、電圧位相制御手段は、複数回の角度割込処理のうち最後の角度割込処理の実行タイミングにおいて、推定トルク演算手段によって演算された推定トルクとトルク指令値との偏差に応じて、矩形波電圧の位相を調整するためのフィードバック制御演算を実行する。
好ましくは、トルク推定手段は、電流検出器および位置検出器の出力を所定の変換周期でディジタル信号に変換する信号変換手段をさらに含む。所定の第1の電気角度は、角度割込処理の実行周期が、所定の変換周期よりも長くなるように設定される。
本発明によれば、簡易な装置構成で、矩形波電圧制御における制御応答性および制御安定性の向上を図ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
(全体システム構成)
図1は、この発明の実施の形態に従う交流電動機の制御装置が適用されるモータ駆動システムの全体構成図である。
図1を参照して、モータ駆動システム100は、直流電圧発生部10♯と、平滑コンデンサC0と、インバータ14と、交流電動機M1と、制御装置30とを備える。
交流電動機M1は、たとえば、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車や燃料電池車等の電気エネルギによって車両駆動力を発生する自動車をいうものとする)の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動用電動機である。あるいは、この交流電動機M1は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成されてもよく、電動機および発電機の機能を併せ持つように構成されてもよい。さらに、交流電動機M1は、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態において、「交流電動機」は、交流駆動の電動機、発電機および電動発電機(モータジェネレータ)を含むものである。
直流電圧発生部10♯は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1と、昇降圧コンバータ12とを含む。
直流電源Bは、代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の蓄電装置により構成される。直流電源Bが出力する直流電圧Vbおよび入出力される直流電流Ibは、電圧センサ10および電流センサ11によってそれぞれ検知される。
システムリレーSR1は、直流電源Bの正極端子および電力線6の間に接続され、システムリレーSR1は、直流電源Bの負極端子およびアース線5の間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。
昇降圧コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、電力線7およびアース線5の間に直列に接続される。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
この発明の実施の形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、
電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラ
トランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電力線6の間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、電力線7およびアース線5の間に接続される。
インバータ14は、電力線7およびアース線5の間に並列に設けられる、U相上下アーム15と、V相上下アーム16と、W相上下アーム17とから成る。各相上下アームは、電力線7およびアース線5の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相上下アーム15は、スイッチング素子Q3,Q4から成り、V相上下アーム16は、スイッチング素子Q5,Q6から成り、W相上下アーム17は、スイッチング素子Q7,Q8から成る。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q3〜Q8のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8によって制御される。
代表的には、交流電動機M1は、3相の永久磁石型同期電動機であり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成される。さらに、各相コイルの他端は、各相上下アーム15〜17のスイッチング素子の中間点と接続されている。
昇降圧コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bから供給された直流電圧Vbを昇圧した直流電圧VH(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)をインバータ14へ供給する。より具体的には、制御装置30からのスイッチング制御信号S1,S2に応答して、スイッチング素子Q1のオン期間およびスイッチング素子のQ2のオン期間(または、スイッチング素子Q1,Q2の両方がオフする期間)が交互に設けられ、昇圧比は、これらのオン期間の比に応じたものとなる。あるいは、スイッチング素子Q1およびQ2をオンおよびオフにそれぞれ固定すれば、VH=Vb(昇圧比=1.0)とすることもできる。
また、昇降圧コンバータ12は、降圧動作時には、平滑コンデンサC0を介してインバータ14から供給された直流電圧VH(システム電圧)を降圧して直流電源Bを充電する。より具体的には、制御装置30からのスイッチング制御信号S1,S2に応答して、スイッチング素子Q1のみがオンする期間と、スイッチング素子Q1,Q2の両方がオフする期間(または、スイッチング素子のQ2のオン期間)とが交互に設けられ、降圧比は上記オン期間のデューティ比に応じたものとなる。
平滑コンデンサC0は、昇降圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC0の両端の電圧、すなわち、システム電圧VHを検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。
インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が正(Trqcom>0)の場合には、平滑コンデンサC0から直流電圧が供給されると制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8に応答した、スイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するように交流電動機M1を駆動する。また、インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が零の場合(Trqcom=0)には、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるように交流電動機M1を駆動する。これにより、交流電動機M1は、トルク指令値Trqcomによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、モータ駆動システム100が搭載された電動車両の回生制動時には、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomは負に設定される(Trqcom<0)。この場合には、インバータ14は、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、交流電動機M1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC0を介して昇降圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、電動車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴なう制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
電流センサ24は、交流電動機M1に流れるモータ電流を検出し、その検出したモータ電流を制御装置30へ出力する。なお、三相電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ24は2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)25は、交流電動機M1のロータ回転角θを検出し、その検出した回転角θを制御装置30へ送出する。制御装置30では、回転角θに基づき交流電動機M1の回転数(回転速度)および角速度ω(rad/s)を算出できる。なお、回転角センサ25については、回転角θを制御装置30にてモータ電圧や電流から直接演算することによって、配置を省略してもよい。
制御装置30は、電子制御ユニット(ECU)により構成され、予め記憶されたプログラムを図示しないCPUで実行することによるソフトウェア処理および/または専用の電子回路によるハードウェア処理により、モータ駆動システム100の動作を制御する。
代表的な機能として、制御装置30は、入力されたトルク指令値Trqcom、電圧センサ10によって検出された直流電圧Vb、電流センサ11によって検出された直流電流Ib、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VHおよび電流センサ24からのモータ電流iv,iw、回転角センサ25からの回転角θ等に基づいて、後述する制御方式により交流電動機M1がトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するように、昇降圧コンバータ12およびインバータ14の動作を制御する。すなわち、昇降圧コンバータ12およびインバータ14を上記のように制御するためのスイッチング制御信号S1〜S8を生成して、昇降圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
昇降圧コンバータ12の昇圧動作時には、制御装置30は、システム電圧VHをフィードバック制御し、システム電圧VHが電圧指令値に一致するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成する。
また、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するようにスイッチング制御信号S3〜S8を生成してインバータ14へ出力する。これにより、インバータ14は、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇降圧コンバータ12へ供給する。
さらに、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成し、昇降圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流電動機M1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
(制御モードの説明)
制御装置30による交流電動機M1の制御についてさらに詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態によるモータ駆動システムにおける交流電動機M1の制御モードを概略的に説明する図である。
図2に示すように、本発明の実施の形態によるモータ駆動システム100では、交流電動機M1の制御、すなわち、インバータ14における電力変換について、3つの制御モードを切替えて使用する。
正弦波PWM制御は、一般的なPWM制御として用いられるものであり、各相上下アーム素子のオン・オフを、正弦波状の電圧指令と搬送波(代表的には三角波)との電圧比較に従って制御する。この結果、上アーム素子のオン期間に対応するハイレベル期間と、下アーム素子のオン期間に対応するローレベル期間との集合について、一定期間内でその基本波成分が正弦波となるようにデューティが制御される。周知のように、正弦波状の電圧指令の振幅が搬送波振幅以下の範囲に制限される正弦波PWM制御では、交流電動機M1への印加電圧(以下、単に「モータ印加電圧」とも称する)の基本波成分をインバータの直流リンク電圧の約0.61倍程度までしか高めることができない。以下、本明細書では、インバータ14の直流リンク電圧(すなわち、システム電圧VH)に対するモータ印加電圧(線間電圧)の基本波成分(実効値)の比を「変調率」と称することとする。
正弦波PWM制御では、正弦波の電圧指令の振幅が搬送波振幅以下の範囲であるため、交流電動機M1に印加される線間電圧が正弦波となる。また、搬送波振幅以下の範囲の正弦波成分に3n次高調波成分(n:自然数、代表的には、n=1の3次高調波)を重畳させて電圧指令を生成する制御方式も提案されている。この制御方式では、高調波分によって電圧指令が搬送波振幅よりも高くなる期間が生じるが、各相に重畳された3n次高調波成分は線間では打ち消されるので、線間電圧は、正弦波を維持したものとなる。本実施の形態では、この制御方式も正弦波PWM制御に含めるものとする。
一方、矩形波電圧制御では、上記一定期間内で、ハイレベル期間およびローレベル期間の比が1:1の矩形波1パルス分を交流電動機M1に印加する。これにより、変調率は0.78まで高められる。
過変調PWM制御は、電圧指令(正弦波成分)の振幅が搬送波振幅より大きい範囲で上記正弦波PWM制御と同様のPWM制御を行なうものである。特に、電圧指令を本来の正弦波波形から歪ませること(振幅補正)によって基本波成分を高めることができ、変調率を正弦波PWM制御モードでの最高変調率から0.78の範囲まで高めることができる。過変調PWM制御では、電圧指令(正弦波成分)の振幅が搬送波振幅より大きいため、交流電動機M1に印加される線間電圧は、正弦波ではなく歪んだ電圧となる。
交流電動機M1では、回転数や出力トルクが増加すると誘起電圧が高くなるため、必要となる駆動電圧(モータ必要電圧)が高くなる。昇降圧コンバータ12による昇圧電圧すなわち、システム電圧VHはこのモータ必要電圧よりも高く設定する必要がある。その一方で、昇降圧コンバータ12による昇圧電圧すなわち、システム電圧VHには限界値(VH最大電圧)が存在する。
したがって、交流電動機M1の動作状態に応じて、モータ電流のフィードバックによってモータ印加電圧(交流)の振幅および位相を制御する、正弦波PWM制御または過変調PWM制御によるPWM制御モード、および、矩形波電圧制御モードのいずれかが選択的に適用される。なお、矩形波電圧制御では、モータ印加電圧の振幅が固定されるため、トルク実績値とトルク指令値との偏差に基づく、矩形波電圧パルスの位相制御によってトルク制御が実行される。
図3には、交流電動機M1の動作状態と上述の制御モードとの対応関係が示される。
図3を参照して、概略的には、低回転数域A1ではトルク変動を小さくするために正弦波PWM制御が用いられ、中回転数域A2では過変調PWM制御、高回転数域A3では、矩形波電圧制御が適用される。特に、過変調PWM制御および矩形波電圧制御の適用により、交流電動機M1の出力向上が実現される。このように、図2に示した制御モードのいずれを用いるかについては、基本的には、実現可能な変調率の範囲内で決定される。
以下では、図2に示した3つの制御モードのうち、矩形波電圧制御を適用したときのモータ制御構成および該制御構成における問題点について説明する。
(矩形波電圧制御モードの制御構成の説明)
図4は、本発明の実施の形態による交流電動機の制御装置による、矩形波電圧制御によるモータ制御構成を説明するブロック図である。図4で説明されるブロック図に記載されたモータ制御のための各機能ブロックは、制御装置30による、ハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
図4を参照して、矩形波電圧制御部400は、矩形波電圧制御モードの選択時に、交流電動機M1がトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するように、インバータ14のスイッチング制御信号S3〜S8を生成する。
矩形波電圧制御部400は、座標変換部410と、トルク推定部420と、PI演算部430と、矩形波発生器440と、信号発生部450とを含む。
座標変換部410は、回転角センサ25によって検出される交流電動機M1の回転角θを用いた座標変換(3相→2相)により、電流センサ24によって検出されたV相電流ivおよびW相電流iwを基に、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
トルク推定部420は、座標変換部410によって求められたd軸電流Idおよびq軸電流Iqを用いて、交流電動機M1の出力トルクを推定する。
具体的には、トルク推定部420は、d軸電流Idおよびq軸電流Iqと、d軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqとにより、下記(1)式に従ってモータへの供給電力(モータ電力)を算出する。
Pmt=Id・Vd+Iq・Vq ・・・(1)
なお、(1)式において、d軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqは、矩形波発生器440から発生する各相(U相、V相、W相)電圧Vu,Vv,Vwの交流電動機M1の回転角θを用いた座標変換により算出される。
そして、トルク推定部420は、求められたモータ電力Pmtおよび回転角センサ25によって検出される交流電動機M1の回転角θから算出される回転数Nmを用いて、下記(2)式に従ってトルク推定値Tqを算出する。
Tq=Pmt/Nm ・・・(2)
あるいは、トルク推定部420は、図示は省略するが、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを引数としてトルク推定値Tqを出力するトルク算出マップにより構成することも可能である。
さらには、これらの構成に代えて、交流電動機M1の特性式である下記(3)式に従ってトルク推定値Tqを演算する構成とすることも可能である。
Tq=Kt・Iq+p・(Ld−Lq)・Id・Iq ・・・(3)
(3)式において、Ktはトルク定数[N・m/A]であり、pは極対数であり、Ldはd軸インダクタンス[H]であり、Lqはq軸インダクタンス[H]である。Kt,Ld,Lqはモータの回路定数(モータ定数)として交流電動機M1の構成に従って一意に決定される。
PI演算部430へは、トルク指令値Trqcomに対するトルク偏差ΔTq(ΔTq=Trqcom−Tq)が入力される。PI演算部430は、トルク偏差ΔTqについて所定ゲインによるPI演算を行なって制御偏差を求め、求められた制御偏差に応じて矩形波電圧の位相φvを設定する。具体的には、正トルク発生(Trqcom>0)時には、トルク不足時には電圧位相を進める一方で、トルク過剰時には電圧位相を遅らせるとともに、負トルク発生(Trqcom<0)時には、トルク不足時には電圧位相を遅らせる一方で、トルク過剰時には電圧位相を進める。
矩形波発生器440は、PI演算部430によって設定された電圧位相φvに従って、各相電圧指令値(矩形波パルス)Vu,Vv,Vwを発生する。信号発生部450は、各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに従ってスイッチング制御信号S3〜S8を発生する。インバータ14がスイッチング制御信号S3〜S8に従ったスイッチング動作を行なうことにより、電圧位相φvに従った矩形波パルスが、モータの各相電圧として印加される。
このように、矩形波電圧制御モードの適用時には、トルク(電力)のフィードバック制御により、モータトルク制御を行なうことができる。
ただし、矩形波電圧制御モードではモータ印加電圧の操作量が位相のみとなるので、モータ印加電圧の振幅および位相を操作量とできるPWM制御と比較して、その制御応答性は低下する。また、座標変換部410における座標変換の際には、検出されたモータ電流iv,iwから歪み成分を除去するためのフィルタ処理が併せて実行される。
(矩形波電圧制御における問題点)
次に、図4に示した一般的な矩形波電圧制御によるモータ制御構成の問題点について、図5および6を用いて説明する。特に、座標変換部410におけるモータ電流iv,iwのサンプリングタイミングが交流電動機M1の出力トルクの推定精度に及ぼす問題点について説明する。
図5には、矩形波電圧制御モードにおける、電気角1周期(=360deg)分の各相電圧波形が示される。各相(U相、V相、W相)電圧Vu,Vv,Vwは、1パルス分のハイレベル期間およびローレベル期間の比が1:1の矩形波パルスであり、相互に電気角60degの位相差を有している。そのため、交流電動機M1に印加される線間電圧は、システム電圧VHを振幅として、正弦波ではなく歪んだ電圧となる。これにより、モータ電流は、正弦波ではなく歪み成分を含んだものとなっている。
矩形波電圧制御モードにおいて、矩形波電圧位相の制御は、交流電動機制御全体を統括するメインループに対する割込処理として、電気角の1周期を細分化して実行される。なお、図3で説明したように、矩形波電圧制御は高回転数領域で実行されるため、矩形波電圧位相の制御周期は、メインループの制御周期よりも短くなる。
具体的には、図5を参照して、インバータ14のスイッチング素子をオン・オフする割込処理は、電気角60deg毎に発生する割込に応じて実行される。以下では、インバータ14のスイッチング素子のオン・オフを制御する割込処理を「スイッチング割込処理」とも称し、該スイッチング割込処理を実行させるための割込を「スイッチング割込(SW割込)」とも称する。
このスイッチング割込が発生すると、矩形波電圧制御部400は、以下に述べるスイッチング割込処理を行なうことにより、トルク実績値とトルク指令値との偏差に応じて、矩形波電圧の位相を調整するフィードバック制御を実行する。
具体的には、まず、座標変換部410(図4)が現在のスイッチング割込における電流センサ24(図1)の出力をサンプリングする。そして、座標変換部410は、周知の3相→2相変換式に従って、サンプリングしたモータ電流検出値iv,iwを基にd軸電流Idおよびq軸電流Iqを演算する。
次に、トルク推定部420(図4)は、演算されたd軸電流Idおよびq軸電流を用いて、上述した方法によって交流電動機M1の出力トルクTqを推定する。そして、PI演算部430(図4)がトルク指令値Trqcomに対するトルク推定値Tqの偏差ΔTrqに応じて電圧位相φvを生成すると、矩形波発生器440(図4)は、電圧位相φvに従って矩形波電圧を発生するように、インバータ14のスイッチング制御信号S3〜S8を生成する。
しかしながら、このようにスイッチング割込における電流センサ24の出力をサンプリングする構成とした場合には、図6に示すように、モータ電流に含まれる歪み成分に起因して、交流電動機M1の出力トルクの推定精度が低下するという問題が生じてしまう。
図6(a)には、矩形波電圧制御モードにおける、モータ電流(V相電流ivおよびW相電流iw)の波形が示される。モータ電流は、正弦波ではなく歪み成分を含んでいる。この歪み成分は、インバータ14のスイッチング素子のオン・オフ時に顕著に現れる。そのため、スイッチング割込毎にモータ電流をサンプリングする構成では、図6(a)の波形上に付された○印のポイントがサンプリングされることにより、サンプリングされたモータ電流検出値iv,iwは歪み成分を反映したものとなる。したがって、このモータ電流検出値iv,iwを3相−2相変換したd軸電流Idおよびq軸電流Iqには、図8に示されるような大きな変動が発生する。
また、図6(b)には、スイッチング割込毎にサンプリングされたモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流Idおよびq軸電流Iqを用いて推定されたトルクTqが示される。トルク推定値Tqには、d軸電流Idおよびq軸電流Iqの変動の影響を受けて、周期的な変動が生じている。このトルク推定値Tqとトルク推定値Tqcomとの偏差ΔTqに応じてトルクのフィードバック制御が行なわれると、交流電動機M1にはトルク変動が発生するおそれがある。
このようなトルク推定値Tqの変動を抑えるためには、スイッチング割込毎にサンプリングされたモータ電流検出値iv,iwを、時間軸方向に平滑化するフィルタ処理を実行することによって、モータ電流検出値iv,iwから歪み成分を除去することが有効である。図6(b)では、モータ電流検出値iv,iw(実電流)を用いて推定されたトルクTqに併せて、フィルタ処理が施されたモータ電流検出値iv,iwを用いて推定されたトルクTqが示される。これら2つのトルク推定値Tqを比較すると、モータ電流検出値にフィルタ処理がなされたトルク推定値Tqではトルク変動が抑えられており、その結果、トルク指令値Tqcomに対するトルク偏差ΔTqが安定していることが分かる。これにより、トルク偏差ΔTqに応じたトルクのフィードバック制御の安定性を高めることができる。
しかしながら、その一方で、このようにモータ電流の歪み成分を除去するためのフィルタ処理をスイッチング割込処理に組み込むことによって、フィルタ時定数に起因した遅れが生じることから、制御応答性が低下する可能性がある。特に、低回転数域では、スイッチング割込処理の制御周期(電気角60deg分に相当)が長くなるため、フィルタ処理による遅れの影響がより顕著となる。
すなわち、フィルタ処理においては、下記(4)式に従って、サンプリングされたモータ電流検出値iv,iwを時間的に平滑化した、フィルタモータ電流検出値ivf,iwfが算出される。
ivf={ivf−ivf(0)}・Ts/τ+ivf ・・・(4)
(4)式において、ivf(0)はフィルタモータ電流検出値ivfの前回値を示し、Tsはモータ電流のサンプリング周期を示し、τはフィルタの時定数を示す。このうち、モータ電流のサンプリング周期Tsは、スイッチング割込処理の制御周期に値する。
ここで、低回転数域では、高回転数域と比較してスイッチング割込処理の制御周期が長くなるため、フィルタ処理による遅れが増長される。その一方で、フィルタの時定数τを小さくした場合には、モータ電流に含まれる歪み成分の影響を抑制できなくなるため、交流電動機M1にトルク変動が発生する可能性がある。
これには、モータ電流のサンプリングとフィルタ処理を並行して実行する制御構成とすることでフィルタ処理による遅れの影響を軽減することができるものの、その一方で、制御装置30を構成するECUの負荷を極度に高めることになる。なお、ECUを複雑化することでこのような並行処理を実行することが可能となるが、装置コストの増大を招くおそれがある。
そこで、本実施の形態に従う矩形波電圧制御においては、フィルタ処理を用いることなくモータ電流から歪み成分を効果的に除去するために、スイッチング割込間に新たな角度割込を発生させ、モータ電流をサンプリングするための割込処理を行なう構成とする。たとえば図5には、SW割込間の中間に角度割込を発生させた例が示されている。
図7(a)には、図5に示す角度割込毎にサンプリングされたモータ電流検出値を基に算出された等価モータ電流(V相電流ivおよびW相電流iw)の波形が示される。等価モータ電流は、図6(a)に示すモータ電流(実電流)と比較して、正弦波により近づいていることが分かる。また、この等価モータ電流を基に算出されたd軸電流Idおよびq軸電流Iqは、図8に示されるように、変動が低減されたものとなっている。
図7(b)には、角度割込毎にサンプリングされたモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流Idおよびq軸電流Iqを用いて推定されたトルクTqが示される。トルク推定値Tqには、d軸電流Idおよびq軸電流Iqの変動が低減されたことを受けて、変動が抑えられている。したがって、このトルク推定値Tqとトルク推定値Tqcomとの偏差ΔTqが安定していることから、トルク偏差ΔTqに応じたトルクのフィードバック制御の安定性を高めることが可能となる。
ここで、本構成において、上述したフィルタ処理を行なった場合と同程度以上の歪み除去効果を得るためには、スイッチング割込間に設ける角度割込の回数を増やすことによって、モータ電流のサンプリング回数を増やすことが有効である。
なお、スイッチング割込処理および角度割込処理の処理時間は、モータ回転数によらず一定であるのに対して、電気角1周期分に相当する時間は、モータ回転数が低くなるほど長くなる。したがって、交流電動機M1の回転数が低ければ、角度割込の回数を増やすことによってもECUの負荷が増大することがない。
そこで、本実施の形態においては、スイッチング割込間における角度割込の回数を交流電動機M1の回転数に応じて可変となるように設定する構成とする。これにより、ECUの負荷を増大させることなく、モータ電流から歪み成分を効果的に除去することができる。そのため、交流電動機M1の出力トルクの推定精度を確保するためのECUの複雑化が不要となる。この結果、簡易な装置構成で、矩形波電圧制御の制御安定性ならびに制御応答性を高めることが可能となる。
(本実施の形態による矩形波電圧制御)
図9は、本実施の形態に従う矩形波電圧制御におけるスイッチング割込処理および角度割込処理を説明する図である。
図9を参照して、スイッチング割込は、電気角60deg毎に設定されている。これに対して、スイッチング割込間に設けられる角度割込は、交流電動機M1の回転数に応じてその回数が可変となるように設定される。図9では、その一例として、角度割込の回数は、交流電動機M1の3つの回転数域(高回転数域、中回転数域および低回転数域)で互いに異なる値に設定されている。
具体的には、高回転数域では、スイッチング割込間の中間に1回の角度割込が設定されているのに対し、中回転数域ではスイッチング割込間に2回の角度割込が設定され、低回転数域ではスイッチング割込間に3回の角度割込が設定されている。すなわち、交流電動機M1の回転数が低くなるに従って角度割込の回数が増加するように設定されている。
なお、このような構成としたことにより、高回転数域では、電気角30deg毎にスイッチング割込処理および角度割込処理のいずれかが実行されることとなる。また、中回転数域では、電気角20deg毎にスイッチング割込処理および角度割込処理のいずれかが実行されることとなる。さらに、低回転数域では、電気角15deg毎にスイッチング割込処理および角度割込処理のいずれかが実行されることとなる。
さらに、本実施の形態では、上記の構成において、中回転数域および低回転数域では、スイッチング割込におけるモータ電流のサンプリングを禁止するものとする。すなわち、中回転数域および低回転数域においては、スイッチング割込間に設けられた複数の角度割込においてのみ、モータ電流のサンプリングが行なわれる。
このように中回転数域および低回転数域においてスイッチング割込におけるモータ電流のサンプリングを禁止したのは、交流電動機M1の回転数が低くなるほど、インバータ14のスイッチング素子のオン・オフ時に発生する歪み成分が大きくなることに起因している。すなわち、中回転数域および低回転数域では、高回転数域と比較して相対的に出力トルクが大きい。そのため、より大きなモータ電流が交流電動機M1を通過する。このとき、モータ電流が大きくなるに従って交流電動機M1のインダクタンスが低下するため、回転数の低下に伴ないスイッチング素子のオン・オフ時に生じる歪み成分が増大する。したがって、スイッチング割込におけるモータ電流のサンプリングを禁止することにより、モータ電流に含まれる歪み成分を効率的に除去することができる。この結果、交流電動機M1の出力トルクの推定精度を向上することができる。
なお、本実施の形態では、スイッチング割込におけるモータ電流のサンプリングを禁止する構成としたが、スイッチング割込においてサンプリングされたモータ電流検出値を無効化するものであれば、当該構成に代えて、スイッチング割込においてサンプリングされたモータ電流検出値を、後述するモータ電流検出値の平均化処理に使用しない構成としてもよい。
また、本実施の形態においては、上記の構成において、トルク偏差ΔTqに応じた矩形波電圧の位相φvのフィードバック制御演算を、スイッチング割込間に設けられた少なくとも1回の角度割込のうち、最終回の角度割込において実行するものとする。
すなわち、図9を参照して、高回転数域においては、1回の角度割込においてフィードバック制御演算が実行され、中回転数域においては、2回の角度割込のうちの最終回の角度割込においてフィードバック制御演算が実行され、低回転数域においては、3回の角度割込のうちの最終回の角度割込においてフィードバック制御が実行される。
なお、以下では、簡単のため、スイッチング割込間に設けられた少なくとも1回の角度割込のうち、最終回の角度割込を、モータ電流のサンプリングおよびフィードバック制御演算のための角度割込としての「フィードバック角度割込(FB角度割込)」と称するのに対し、最終回を除いた残りの角度割込を、モータ電流のサンプリングのための角度割込としての「中間角度割込」と称するものとする。
フィードバック角度割込においては、トルク推定値Tqを算出するにあたって、角度割込毎にサンプリングされたモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流idおよびq軸電流iqの平均化処理が行なわれる。これにより、上述した従来のフィルタ処理と比較して、ECUの負荷を増大させることなく、モータ電流の歪み成分を除去することができる。
具体的には、高回転数域では、スイッチング割込間の角度割込が1回のみであるため、下記(5),(6)式に従って、前回のスイッチング割込におけるモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流id_swおよびq軸電流iq_swと、今回のフィードバック角度割込におけるモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流id_fbおよびq軸電流iq_fbとの平均化処理が行なわれる。
Id=(id_sw+id_fb)/2 ・・・(5)
Iq=(iq_sw+iq_fb)/2 ・・・(6)
これに対して、低回転数域では、下記(7),(8)式に従って、前々回の中間角度割込におけるモータ電流検出値を基に算出されたd軸電流id_cent1およびq軸電流iq_cent1、前回の中間角度割込におけるモータ電流検出値を基に算出されたd軸電流id_cent2およびq軸電流iq_cent2、および今回のフィードバック角度割込におけるモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流id_fbおよびq軸電流iq_fbとの平均化処理が行なわれる。
Id=(id_cent1+id_cent2+id_fb)/3 ・・・(7)
Iq=(iq_cent1+iq_cent2+iq_fb)/3 ・・・(8)
また、中回転数域においても、低回転数域の場合と同様の方法に従って、前回の中間角度割込におけるモータ電流検出値を基に算出されたd軸電流id_cent1およびq軸電流iq_cent1と、今回のフィードバック角度割込におけるモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流id_fbおよびq軸電流iq_fbとの平均化処理が行なわれる。
以上に述べた平均化処理によってd軸電流Idおよびq軸電流Iqが算出されると、このd軸電流Idおよびq軸電流Iqを用いてトルク推定値Tqが算出される。そして、トルク推定値Tqとトルク推定値Tqcomとの偏差ΔTqに応じて、矩形波電圧の位相φvのフィードバック制御演算が実行される。
なお、本実施の形態では、角度割込毎のモータ電流検出値iv,iwに基づくd軸電流idおよびq軸電流iqの平均化処理によってd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する構成としたが、これに代えて、d軸電流idおよびq軸電流iqを、時間軸方向に平滑化するフィルタ処理によってd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する構成としてもよい。
図1および図4に示すこの発明の実施の形態と本願発明との対応関係については、電流センサ24が「電流検出器」に相当し、回転角センサ25が「位置検出器」に相当し、制御装置30ならびに矩形波電圧制御部400が「矩形波電圧制御部」に相当する。
以上の処理は、図10〜図14に示すような処理フローにまとめることができる。
(処理フロー)
図10は、交流電動機制御全体を統括するメインループの処理手順を示すフローチャートである。なお、図10に示すフローチャートの各ステップについては、制御装置30に予め格納されたメインループプログラムを所定の制御周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図10を参照して、制御装置30は、まず、モータ駆動システム100(図1)を搭載した電動車両全体を統括する上位ECUからのトルク指令値Tqcomを入力する処理を実行する(ステップS01)。なお、トルク指令値Tqcomは、アクセルペダルの踏込量、ブレーキペダルの踏込量、シフトレバーのポジションを含む運転者要求および走行状況(加速中または減速中など)を基に算出された電動車両の走行に必要な総合出力に応じて算出されたものである。
次に、制御装置30は、入力されたトルク指令値Tqcomに応じて、電動車両内における電力需給に応じた制御指令を生成し、その制御指令に応じて、直流電圧発生部10♯から交流電動機M1へ所定の放電電力を供給する処理を実行する(ステップS02)。
最後に、制御装置30は、回転角センサ25からの回転角θに基づき交流電動機M1の回転数(回転速度)および角速度を演算する処理を実行する(ステップS03)。
図11は、図10に示したメインループに対する割込処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図11に示すフローチャートの各ステップについては、矩形波電圧制御モードの選択時において、制御装置30に予め格納された割込処理プログラムを電気角の1周期を細分化した所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図11を参照して、矩形波電圧制御部400は、現在がスイッチング割込および角度割込のいずれであるかを判定する(ステップS021)。そして、スイッチング割込である場合には、矩形波電圧制御部400は、交流電動機M1がトルク指令値Tqcomに従ったトルクを出力するような電圧位相φvの矩形波電圧が発生されるように、インバータ14のスイッチング制御信号S3〜S8を出力する(ステップS022)。さらに、矩形波電圧制御部400は、電流センサ24(図1)の出力をサンプリングし、周知の3相→2相変換式に従って、サンプリングしたモータ電流検出値iv,iwを基にd軸電流id_swおよびq軸電流iq_swを演算する(ステップS023)。なお、ステップS023については、演算したd軸電流id_swおよびq軸電流iq_swを、交流電動機M1の回転数に応じて無効化することが可能である。
これに対して、矩形波電圧制御部400は、現在が角度割込である場合には、さらに、中間角度割込およびフィードバック角度割込のいずれであるかを判定する(ステップS024)。そして、中間角度割込である場合には、矩形波電圧制御部400は、電流センサ24(図1)の出力をサンプリングし、周知の3相→2相変換式に従って、サンプリングしたモータ電流検出値iv,iwに基づき、d軸電流id_centおよびq軸電流iq_centを演算する(ステップS025)。
一方、フィードバック角度割込である場合には、矩形波電圧制御部400は、電流センサ24(図1)の出力をサンプリングし、周知の3相→2相変換式に従って、サンプリングしたモータ電流検出値iv,iwを基にd軸電流id_fbおよびq軸電流iq_fbを演算する(ステップS026)。そして、矩形波電圧制御部400は、角度割込毎に算出されたd軸電流idおよびq軸電流iqの平均化処理によってd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出すると、このd軸電流Idおよびq軸電流Iqを用いて交流電動機M1の出力トルクTqを推定する。そして、トルク推定値Tqとトルク推定値Tqcomとの偏差ΔTqに応じて、矩形波電圧の位相φvのフィードバック制御演算を実行する(ステップS027)。
以下に、図11に示すスイッチング割込、中間角度およびフィードバック角度割込の各々についての詳細な処理手順を説明する。
図12は、スイッチング割込処理の処理手順を示すフローチャートである。
図12を参照して、矩形波電圧制御部400は、交流電動機M1がトルク指令値Tqcomに従ったトルクを出力するような電圧位相φvの矩形波電圧が発生されるように、インバータ14のスイッチング制御信号S3〜S8を出力する(ステップS11)。
次に、矩形波電圧制御部400は、回転角センサ25により検出された交流電動機M1の回転角θをサンプリングする。そして、サンプリングした回転角θおよび極対数pを積算することにより、交流電動機M1の電気角検出値φを取得する(ステップS12)。
また、矩形波電圧制御部400は、電流センサ24により検出されたモータ電流iv,iwをサンプリングしてモータ電流検出値iv,iwを取得する(ステップS13)。そして、矩形波電圧制御部400は、サンプリングしたモータ電流検出値iv,iwを基に、周知の3相→2相変換式に従ってd軸電流id_swおよびq軸電流iq_swを演算する(ステップS14)。
最後に、矩形波電圧制御部400は、次回の角度割込を指定するための電気角である割込角度を設定する(ステップS15)。この次回割込角度は、後述する処理手順に従って交流電動機M1の回転数に応じて可変に設定される。
図13は、中間角度割込処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13を参照して、矩形波電圧制御部400は、回転角センサ25により検出された交流電動機M1の回転角θをサンプリングし、そのサンプリングした回転角θおよび交流電動機M1の極対数pを積算することによって交流電動機M1の電気角検出値φを取得する(ステップS21)。
次に、矩形波電圧制御部400は、電流センサ24により検出されたモータ電流iv,iwをサンプリングしてモータ電流検出値iv,iwを取得すると(ステップS22)、モータ電流検出値iv,iwを基に、周知の3相→2相変換式に従ってd軸電流id_swおよびq軸電流iq_swを演算する(ステップS23)。
最後に、矩形波電圧制御部400は、次回の角度割込を指定するための電気角である割込角度を設定する(ステップS24)。この次回割込角度は、交流電動機M1の回転数に応じて可変に設定される。
図14には、交流電動機M1の回転数と次回割込角度との関係が示される。図14を参照して、次回割込角度は、交流電動機M1の回転数が低下するに従って小さくなるように設定される。これにより、図9で示したように、角度割込の回数を交流電動機M1の回転数に応じて可変とすることができる。
なお、矩形波電圧制御部400は、図14に示す関係を、次回割込角度を設定するためのマップとして図示しないROM(Read Only Memory)に予め保持しておき、スイッチング割込または中間角度割込において、ROMから読出したマップを用いて、交流電動機M1の回転数に基づいて次回割込角度を設定する。
図15は、図12および図13における次回割込角度設定処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図15では、一例として、交流電動機M1の回転数に応じて、次回割込角度を電気角30degおよび電気角15degの間で切替える場合の処理手順について説明する。
図15を参照して、矩形波電圧制御部400は、回転角センサ25からの回転角θに基づき現在の交流電動機M1の回転数を演算すると、回転数が予め設定された所定の基準回転数Naを超えるか否かを判定する(ステップS100)。回転数が基準回転数Naを超えている場合(ステップS100においてYESの場合)には、矩形波電圧制御部400は、回転数が基準回転数Naを上回る状態が所定時間Taを超えて継続しているか否かを判定する(ステップS101)。
具体的には、矩形波電圧制御部400は、内部にカウンタ回路を有しており、交流電動機M1の回転数が基準回転数Naを超えたと判定されると、カウンタ値をインクリメントする。一方、回転数が基準回転数Na以下と判定されると、カウンタ値をリセットする。このようにして矩形波電圧制御部400は、割込毎に交流電動機M1の回転数と基準回転数Naとの比較結果に応じて、カウンタ値をインクリメントまたはリセットする。そして、カウンタ値が予め設定された基準値を超えた場合に、回転数が基準回転数Naを上回る状態が所定時間Taを超えて継続していると判定する。
そして、回転数が基準回転数Naを上回る状態が所定時間Taを超えて継続している場合(ステップS101においてYESの場合)には、矩形波電圧制御部400は、次回割込角度を、現在の電気角から電気角30deg後となるように設定する(ステップS102)。
一方、回転数が基準回転数Naを上回る状態が所定時間Taを超えて継続していない場合(ステップS101においてNOの場合)には、矩形波電圧制御部400は、カウンタ値をインクリメントするとともに(ステップS103)、前回の割込角度を保持する(ステップS104)。
これに対して、回転数が基準回転数Na以下となる場合(ステップS100においてNOの場合)には、矩形波電圧制御部400は、回転数が基準回転数Na以下となる状態が所定時間Tbを超えて継続しているか否かを判定する(ステップS105)。
具体的には、矩形波電圧制御部400が、交流電動機M1の回転数が基準回転数Na以下と判定されると、カウンタ回路のカウンタ値をインクリメントする。一方、回転数が基準回転数Naを上回ると判定されると、カウンタ値をリセットする。このようにして矩形波電圧制御部400は、割込毎に交流電動機M1の回転数と基準回転数Naとの比較結果に応じて、カウンタ値をインクリメントまたはリセットする。そして、カウンタ値が予め設定された基準値を超えた場合に、回転数が基準回転数Na以下となる状態が所定時間Tbを超えて継続していると判定する。
そして、回転数が基準回転数Na以下となる状態が所定時間Tbを超えて継続している場合(ステップS105においてYESの場合)には、矩形波電圧制御部400は、次回割込角度を、現在の電気角から電気角15deg後となるように設定する(ステップS106)。
一方、回転数が基準回転数Na以下となる状態が所定時間Taを超えて継続していない場合(ステップS105においてNOの場合)には、矩形波電圧制御部400は、カウンタ値をインクリメントするとともに(ステップS107)、前回の割込角度を保持する(ステップS108)。
なお、図15のステップS101における所定時間Taおよびステップ105における所定時間Tbは、所定時間Taよりも所定時間Tbが短くなるように設定される。これは、低回転数域では、高回転数域と比較して交流電動機M1の出力トルクが大きくなるため、回転数の変化速度が相対的に高いことによる。
以上に述べたように、次回割込角度の切替は、交流電動機M1の回転数および基準回転数Naの比較結果が継続する時間にヒステリシスを持たせることによって、運転者の急加速要求や急減速要求などに応じて交流電動機M1の回転数が急変した場合に、SW割込間で割込角度の切替が繰り返されるチャタリングが発生するのを防止することができる。
なお、継続時間にヒステリシスを持たせる構成に代えて、基準回転数Naにヒステリシスを持たせる構成とすることによっても、割込角度のチャタリングを防止することができることは明らかである。
図16は、フィードバック角度割込処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16を参照して、矩形波電圧制御部400は、回転角センサ25により検出された交流電動機M1の回転角θをサンプリングし、そのサンプリングした回転角θおよび極対数pを積算することによって交流電動機M1の電気角検出値φを取得する(ステップS31)。
また、矩形波電圧制御部400は、電流センサ24により検出されたモータ電流iv,iwをサンプリングしてモータ電流検出値iv,iwを取得すると(ステップS32)、モータ電流検出値iv,iwを基に、周知の3相→2相変換式に従ってd軸電流id_swおよびq軸電流iq_swを演算する(ステップS33)。
次に、矩形波電圧制御部400は、角度割込毎に算出されたd軸電流idおよびq軸電流iqの平均化処理によってd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出すると、このd軸電流Idおよびq軸電流Iqを用いて交流電動機M1の推定トルク値Tqを演算する(ステップS34)。
図17は、図16におけるトルク推定値演算処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図17では、一例として、交流電動機M1の回転数に応じて、次回割込角度を電気角30degおよび電気角15degの間で切替える場合の処理手順について説明する。
図17を参照して、矩形波電圧制御部400は、現在の割込角度が電気角30degであるか否かを判定する(ステップS200)。現在の割込角度が電気角30degであれば(ステップS200においてYESの場合)、矩形波電圧制御部400は、上記(5),(6)式に従って、前回のスイッチング割込におけるモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流id_swおよびq軸電流iq_swと、今回のフィードバック角度割込におけるモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流id_fbおよびq軸電流iq_fbとの平均化処理を実行する(ステップS201)。
一方、現在の割込角度が電気角30degでない場合(ステップS200においてNOの場合)、すなわち、電気角15degである場合には、矩形波電圧制御部400は、上記(7),(8)式に従って、前々回の中間角度割込におけるモータ電流検出値を基に算出されたd軸電流id_cent1およびq軸電流iq_cent1、前回の中間角度割込におけるモータ電流検出値を基に算出されたd軸電流id_cent2およびq軸電流iq_cent2、および今回のフィードバック角度割込におけるモータ電流検出値iv,iwを基に算出されたd軸電流id_fbおよびq軸電流iq_fbとの平均化処理を実行する(ステップS202)。
そして、ステップS201またはS202の平均化処理によってd軸電流Idおよびq軸電流Iqが算出されると、矩形波電圧制御部400は、このd軸電流Idおよびq軸電流Iqを用いて、上記(1),(2)式に従って、トルク推定値Tqを算出する(ステップS203)。
再び図16を参照して、矩形波電圧制御部400は、ステップS35により、トルク推定値Tqcomに対するトルク推定値Tqについて所定ゲインによるPI演算を行なって制御偏差を求め(ステップS35)、求められた制御偏差に応じて、矩形波電圧の電圧位相指令φvを設定する(ステップS36)。
最後に、矩形波電圧制御部400は、次回のスイッチング割込を指定するための電気角であるスイッチング割込角度を設定する(ステップS37)。
以上のように、本実施の形態によれば、角度割込処理における割込角度を、交流電動機M1の回転数に応じて、スイッチング割込間における角度割込の回数が可変となるように設定する構成とすることにより、フィルタ処理を用いることなく交流電動機M1を流れるモータ電流のサンプリング精度を確保することができる。この結果、簡易な装置構成で、矩形波電圧制御の制御安定性ならびに制御応答性を高めることが可能となる。
なお、本実施の形態では、好ましい構成例として、インバータ14への入力電圧(システム電圧VH)を可変制御可能なように、モータ駆動システムの直流電圧発生部10♯が昇降圧コンバータ12を含む構成を示したが、インバータ14への入力電圧を可変制御可能であれば、直流電圧発生部10♯は本実施の形態に例示した構成には限定されない。また、インバータ入力電圧が可変であることは必須ではなく、直流電源Bの出力電圧がそのままインバータ14へ入力される構成(たとえば、昇降圧コンバータ12の配置を省略した構成)に対しても本発明を適用可能である。
さらに、モータ駆動システムの負荷となる交流電動機についても、本実施の形態では、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車等)に車両駆動用として搭載された永久磁石モータを想定したが、それ以外の機器に用いられる任意の交流電動機を負荷とする構成についても、本願発明を適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態に従う交流電動機の制御装置が適用されるモータ駆動システムの全体構成図である。 この発明の実施の形態によるモータ駆動システムにおける交流電動機の制御モードを概略的に説明する図である。 交流電動機の動作状態と図2に示した制御モードとの対応関係を示す図である。 この発明の実施の形態による交流電動機の制御装置による、矩形波電圧制御によるモータ制御構成を説明するブロック図である。 矩形波電圧制御モードにおける、電気角1周期分の各相電圧波形を示す図である。 一般的な矩形波電圧制御モードの選択時における、モータ電流およびトルク推定値の波形を示す図である。 この発明の実施の形態による矩形波電圧制御モードの選択時における、モータ電流およびトルク推定値の波形を示す図である。 図6および図7に示したモータ電流を基に算出されたd軸電流およびq軸電流を示す図である。 この発明の実施の形態に従う矩形波電圧制御におけるスイッチング割込処理および角度割込処理を説明する図である。 交流電動機制御全体を統括するメインループの処理手順を示すフローチャートである。 図10に示したメインループに対する割込処理の処理手順を示すフローチャートである。 スイッチング割込処理の処理手順を示すフローチャートである。 中間角度割込処理の処理手順を示すフローチャートである。 交流電動機M1の回転数と次回割込角度との関係を示す図である。 図12および図13における次回割込角度設定処理の詳細を示すフローチャートである。 フィードバック角度割込処理の処理手順を示すフローチャートである。 図16におけるトルク推定値演算処理の詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
5 アース線、6,7 電力線、10♯ 直流電圧発生部、10,13 電圧センサ、11,24 電流センサ、12 昇降圧コンバータ、14 インバータ、15 U相上下アーム、16 V相上下アーム、17 W相上下アーム、25 回転角センサ、30 制御装置、100 モータ駆動システム、400 矩形波電圧制御部、410 座標変換部、420 トルク推定部、430 PI演算部、440 矩形波発生器、450 信号発生部、C0,C1 平滑コンデンサ、D1〜D8 逆並列ダイオード、L1 リアクトル、M1 交流電動機、Q1〜Q8 電力用半導体スイッチング素子、SR1,SR2 システムリレー。

Claims (6)

  1. インバータによって印加電圧が制御される交流電動機の制御装置であって、
    前記インバータおよび前記交流電動機の間を流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記交流電動機の回転位置を検出する位置検出器と、
    前記交流電動機を動作指令に従って動作させるように位相制御された矩形波電圧が前記交流電動機に印加されるように、前記インバータの制御指令を発生する矩形波電圧制御部とを備え、
    前記矩形波電圧制御部は、
    前記電流検出器および前記位置検出器の出力に基づいて前記交流電動機の出力トルクを推定するトルク推定手段と、
    前記トルク推定手段による推定トルクとトルク指令値との偏差に応じて、前記矩形波電圧の位相を決定する電圧位相制御手段と、
    前記電圧位相制御手段によって決定された位相に従った矩形波電圧が前記交流電動機に印加されるように、前記インバータでの電圧変換を制御する電圧制御手段とを含み、
    前記トルク推定手段は、予め設定された所定の第1の電気角毎に、前記電流検出器の出力に基づいて前記交流電動機の各相電流をサンプリングしてd軸電流およびq軸電流に変換する角度割込処理を実行し、
    前記所定の第1の電気角は、前記交流電動機の回転数が低下するに従って前記角度割込処理の回数が多くなるように設定される、交流電動機の制御装置。
  2. 前記トルク推定手段は、前記交流電動機の回転数と所定の基準回転数との比較結果に基づき、予め設定された第1の角度および第2の角度の間で、前記所定の第1の電気角を切替える割込角度設定手段を含み、
    前記割込角度設定手段は、前記第1の角度と前記第2の角度とをヒステリシスを持って切替える、請求項に記載の交流電動機の制御装置。
  3. 前記インバータは、前記矩形波電圧制御部からの前記制御指令に従ってオンオフされる電力半導体スイッチング素子を含み、
    前記電圧制御手段は、予め設定された所定の第2の電気角毎に、前記電力半導体スイッチング素子に前記制御指令を出力するスイッチング割込処理を実行し、
    前記トルク推定手段は、前記角度割込処理の実行タイミングと前記スイッチング割込処理の実行タイミングとが一致する場合には、前記交流電動機の回転数に応じて前記角度割込処理を無効化する、請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
  4. 前記トルク推定手段は、前記交流電動機の回転数が所定の基準回転数を下回るときには、前記角度割込処理を無効化する、請求項に記載の交流電動機の制御装置。
  5. 前記インバータは、前記矩形波電圧制御部からの前記制御指令に従ってオンオフされる電力半導体スイッチング素子を含み、
    前記電圧制御手段は、予め設定された所定の第2の電気角毎に、前記電力半導体スイッチング素子に前記制御指令を出力するスイッチング割込処理を実行し、
    前記所定の第1の電気角は、前回の前記スイッチング割込処理の実行タイミングと今回の前記スイッチング割込処理の実行タイミングとの間に、複数回の前記角度割込処理が実行されるように設定され、
    前記トルク推定手段は、
    前記複数回の前記角度割込処理の各々において演算された前記d軸電流および前記q軸電流の時間軸方向の変化を平滑化させるフィルタ処理手段と、
    前記フィルタ処理手段によって平滑化された前記d軸電流および前記q軸電流に基づいて前記推定トルクを演算する推定トルク演算手段とを含む、請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
  6. 前記電圧位相制御手段は、前記複数回の前記角度割込処理のうち最後の前記角度割込処理の実行タイミングにおいて、前記推定トルク演算手段によって演算された前記推定トルクと前記トルク指令値との偏差に応じて、前記矩形波電圧の位相を調整するためのフィードバック制御演算を実行する、請求項に記載の交流電動機の制御装置。
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