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JP5354385B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP5354385B2 JP2010024920A JP2010024920A JP5354385B2 JP 5354385 B2 JP5354385 B2 JP 5354385B2 JP 2010024920 A JP2010024920 A JP 2010024920A JP 2010024920 A JP2010024920 A JP 2010024920A JP 5354385 B2 JP5354385 B2 JP 5354385B2
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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、そこに設置される定着装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、装置を高速化した場合であっても定着不良が生じにくい定着装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
詳しくは、特許文献1、2等の定着装置は、定着部材としての定着ベルト、定着ベルトの内周面の一部又は全部に対向するように固設された略円筒状の加熱部材、加熱部材を加熱するために加熱部材に内設されたヒータ(加熱手段)、定着ベルトを介して固定部材(当接部材)に圧接してニップ部を形成する加圧回転体としての加圧ローラ、等で構成されている。
そして、定着ベルトがヒータによって加熱された加熱部材によって加熱されて、ニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像がニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着されることになる。なお、このような定着装置では、駆動手段によって加圧ローラが回転駆動されることで、ニップ部の位置で加圧ローラに圧接する定着ベルトが摩擦抵抗によって従動回転することになる。
一方、特許文献3等には、固定部材としてのセラミックヒータ(加熱体)が定着ベルト(エンドレスベルト)を介して加圧回転体に圧接してニップ部を形成する定着装置が開示されている。
上述した特許文献1、2等の定着装置は、装置の待機時において、装置の駆動が停止された状態になるために、定着ベルトを加熱したとしても定着ベルトから加圧回転体の周方向全域にわたって充分に熱が伝達されずに、加圧回転体の温度が大きく低下してしまったり温度ムラが生じてしまったりする不具合があった。そして、このような不具合が生じた場合には、待機状態を終えて再び通紙動作(定着工程)をおこなうときに、定着ベルトや加圧回転体を所定温度(良好な定着画像を出力するための制御温度である。)までムラなく加熱するためのウォームアップ時間やファーストプリント時間が長くなってしまうことになる。
このような問題を解決するために、装置の待機時において、装置の駆動を停止させずに、定着ベルトと加圧回転体とを回転駆動しながら、定着ベルトを加熱して定着ベルトから加圧回転体の周方向全域にわたって熱を伝達する方策が考えられる。しかし、その場合、定着ベルトの内周面に摺接する固定部材や、定着ベルトの内周面が早期に磨耗劣化してしまう不具合が生じる可能性が大きい。
また、このような問題は、特許文献3等の定着装置にように、固定部材としてのセラミックヒータが定着ベルトを介して加圧回転体に圧接してニップ部を形成する装置についても、共通するものである。すなわち、装置の待機時において、定着ベルトと加圧回転体とを回転駆動しながら、定着ベルトをセラミックヒータで加熱して加圧回転体を加熱する方策をとっても、定着ベルトの内周面に摺接するセラミックヒータ(固定部材)や、定着ベルトの内周面が早期に磨耗劣化してしまう不具合が生じてしまう。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、定着画像に定着不良が生じることなく、定着ベルトや固定部材の磨耗劣化を早めることなく待機時における加圧回転体の蓄熱が充分におこなわれる、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融するとともに、可撓性を有する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面側に固設された固定部材と、前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、駆動手段によって所定方向に回転駆動される加圧回転体と、前記定着ベルトの内周面に対向するように固設されて前記定着ベルトを加熱するとともに、加熱手段によって加熱される加熱部材と、を備え、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作がおこなわれない待機時において、前記定着ベルトに前記加圧回転体が接触した状態であって前記定着ベルトの走行を停止した状態で、前記駆動手段による前記加圧回転体の回転駆動をおこないながら、前記加熱手段によって前記加熱部材を加熱して前記定着ベルトを介して前記加圧回転体を間接的に加熱するものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記定着ベルトと前記加圧回転体との圧接力を減ずる減圧機構を備え、前記待機時には、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作がおこなわれるときの前記圧接力よりも小さな圧接力となって、前記定着ベルトの静止摩擦トルクに対して前記加圧回転体の摩擦回転トルクが小さくなるように、前記減圧機構が制御されるものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項2に記載の発明において、前記加圧回転体は、幅方向中央部に形成された第1加圧部と、幅方向端部に形成された第2加圧部と、を具備し、前記第1加圧部の外周面の摩擦係数に比べて前記第2加圧部の外周面の摩擦係数が大きくなるように形成されるとともに、前記第1加圧部の外径に比べて前記第2加圧部の外径が小さくなるように形成され、前記減圧機構は、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作がおこなわれるときには前記第1加圧部と前記第2加圧部とが前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接するように前記加圧回転体を移動させて、前記待機時には前記第2加圧部が前記定着ベルトに対して離間するとともに前記第1加圧部のみが前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接するように前記加圧回転体を移動させるものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記定着ベルトの温度を検知する第1温度検知手段と、前記加圧回転体の温度を検知する第2温度検知手段と、を備え、前記待機時において、前記第2温度検知手段によって検知された温度が第1の所定値以下となった場合にはその温度が第2の所定値に達するまで前記駆動手段による前記加圧回転体の回転駆動をおこない、前記第2温度検知手段によって検知された温度が前記第2の所定値以上となった場合には前記駆動手段による前記加圧回転体の回転駆動を停止するものである。
また、請求項5記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項4に記載の発明において、前記待機時において、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作が終了してから所定時間が経過するまでは、前記第2温度検知手段によって検知される温度の値に関わらず前記駆動手段による前記加圧回転体の回転駆動をおこなうものである。
また、請求項6記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材は、前記ニップ部を除く位置で前記定着ベルトの内周面に対向するように固設されたパイプ状の金属部材であって、前記加熱部材の内周面側に固設されて前記固定部材に当接して当該固定部材を補強する補強部材をさらに備えたものである。
また、この発明の請求項7記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
なお、本願において、「待機時」とは、ニップ部における記録媒体の通紙動作(定着工程)がおこなわれずに、定着装置が次におこなわれる通紙動作(定着工程)に備えて待機している状態のときであるものと定義する。したがって、通紙動作(定着工程)が終了した後に次におこなわれる通紙動作(定着工程)に備えて待機しているときの他に、画像形成装置本体の電源がオンされた後におこなわれるウォーミングアップ時も「待機時」に含まれることとする。
また、本願において、固定部材や加熱部材や補強部材が「固設」された状態とは、固定部材や加熱部材や補強部材が回転駆動されることなく非回転で保持されている状態であるものと定義する。したがって、例えば、固定部材がスプリング等の付勢部材によってニップ部に向けて付勢されている場合であっても固定部材が非回転で保持されていれば、固定部材が「固設」された状態となる。
本発明は、待機時において、定着ベルトに加圧回転体が接触した状態であって定着ベルトの走行を停止した状態で、加圧回転体の回転駆動をおこないながら、加熱部材を加熱して定着ベルトを介して加圧回転体を間接的に加熱している。これにより、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、定着画像に定着不良が生じることなく、定着ベルトや固定部材の磨耗劣化を早めることなく待機時における加圧回転体の蓄熱が充分におこなわれる、定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置された定着装置を示す構成図である。 図2の定着装置を幅方向にみた図である。 ニップ部の近傍を示す拡大断面図である。 待機時における定着装置を示す図である。 図5の定着装置を幅方向にみた図である。 ニップ部における喰込み量と、加圧ローラの摩擦回転トルクと、の関係を示すグラフである。 待機時の制御を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2における定着装置を示す構成図である。 別の形態の定着装置を示す構成図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図8にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(不図示である。)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、不図示の駆動モータによって図1中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2〜図8にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2〜図4に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21(ベルト部材)、固定部材26、加熱部材22(金属部材)、補強部材23、加熱手段としてのヒータ25(熱源)、加圧回転体としての加圧ローラ31、第1温度検知手段としての第1温度センサ40、第2温度検知手段としての第2温度センサ55、減圧機構51〜53(移動機構)、断熱部材27、ステー部材28、等で構成される。
ここで、定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転(走行)する。定着ベルト21は、内周面21a(固定部材26との摺接面である。)側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
また、定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定されている。なお、本実施の形態1では、定着ベルト21の内径が30mmに設定されている。
定着ベルト21の内部(内周面側)には、固定部材26、ヒータ(加熱手段)、加熱部材22(金属部材)、補強部材23、断熱部材27、ステー部材28、等が固設されている。また、図示は省略するが、定着ベルト21と加熱部材22との間には、潤滑剤が塗布されている。
ここで、固定部材26は、定着ベルト21の内周面21aに摺接するように固定されている。そして、固定部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、記録媒体Pが搬送されるニップ部が形成される。図3を参照して、固定部材26は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。なお、固定部材26の構成については、後でさらに詳しく説明する。
図2を参照して、加熱部材22は、ニップ部を除く位置で定着ベルト21の内周面に対向するように形成され、ニップ部の位置では断熱部材27を介して固定部材26を保持するように形成された略円筒体の金属部材である。図3を参照して、加熱部材22は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。また、加熱部材22の両端には、定着ベルト21の寄り(幅方向の移動である。)を制限するための寄止めフランジ29が挿設されている。
そして、略パイプ状に形成された加熱部材22は、ヒータ25の輻射熱により加熱されて定着ベルト21を加熱する(熱を伝える。)。すなわち、加熱部材22がヒータ25によって直接的に加熱されて、加熱部材22を介して定着ベルト21がヒータ25によって間接的に加熱されることになる。定着ベルト21の加熱効率を良好に維持するためには、加熱部材22の厚さを0.1mm以下に設定することが好ましい。
加熱部材22の材料としては、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、鉄、等の金属熱伝導体(熱伝導性を有する金属である。)を用いることができるが、その中でも単位体積の熱容量比(密度×比熱である。)が比較的小さいフェライト系ステンレス鋼が好適である。本実施の形態1では、加熱部材22の材料として、フェライト系ステンレス鋼であるSUS430を用いている。また、加熱部材22の厚さを0.1mmに設定している。
加熱手段としてのヒータ25は、ハロゲンヒータ(又はカーボンヒータ)であって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている(図3を参照できる。)。そして、装置本体1の電源部により出力制御されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱によって、加熱部材22が加熱される。さらに、加熱部材22によって定着ベルト21がニップ部を除く位置で全体的に加熱されて、加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーミスタ等の第1温度センサ40(第1温度検知手段)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
このように、本実施の形態1における定着装置20は、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されるのではなく、加熱部材22によって定着ベルト21が周方向にわたってほぼ全体的に加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。すなわち、比較的簡易な構成で効率よく定着ベルト21を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。
ここで、略パイプ状の加熱部材22は、定着ベルト21の内周面(ニップ部を除く位置である。)にクリアランスをあけて対向するように固設されている。定着ベルト21と加熱部材22とのクリアランス量δ(ニップ部を除く位置のギャップである。)は、0mmより大きく1mm以下に設定されている(0mm<δ≦1mmである。)。これにより、加熱部材22と定着ベルト21とが摺接する面積が大きくなって定着ベルト21の磨耗が加速する不具合を抑止するとともに、加熱部材22と定着ベルト21とが離れ過ぎて定着ベルト21の加熱効率が低下する不具合を抑止することができる。さらに、加熱部材22が定着ベルト21に近設されることで、可撓性を有する定着ベルト21の円形姿勢がある程度維持されるため、定着ベルト21の変形による劣化・破損を軽減することができる。
また、加熱部材22と定着ベルト21とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、定着ベルト21の内周面には、双方の部材21、22の間にはフッ素グリスやシリコーンオイル等の潤滑剤が塗布されている。
なお、本実施の形態1では、加熱部材22の断面形状が略円形になるように形成したが、加熱部材22の断面形状が多角形になるように形成することもできる。
ここで、本実施の形態1では、ニップ部を形成する固定部材26の強度を補強する補強部材23が、定着ベルト21の内周面側に固設されている。図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さが固定部材26と同等になるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。そして、補強部材23が固定部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部において固定部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。なお、本実施の形態1において、補強部材23は、加熱部材22の内部を概ね2つの空間に分けるように配設された板状部材である。
この補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
また、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、断熱部材を設けたり、鏡面処理を施したりすることもできる。これにより、ヒータ25から補強部材23に向かう熱(補強部材23を加熱する熱)が加熱部材22の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21(加熱部材22)の加熱効率がさらに向上することになる。
なお、本実施の形態1では、補強部材23を平板状に形成したが、補強部材23の形状はこれに限定されることなく、例えば、T字状にする等、種々の形態のものを用いることができる。
図2及び図3を参照して、ニップ部の位置で定着ベルト21の外周面に当接する加圧回転体としての加圧ローラ31は、中空構造の芯金34上に、第1加圧部32と第2加圧部33とがそれぞれ形成されたものである。加圧ローラ31において、第1加圧部32は幅方向中央部の通紙領域に形成され、第2加圧部33は幅方向両端部の非通紙領域にそれぞれ形成されている。
なお、本願において、「通紙領域」とは、画像形成装置にて通紙される最大サイズの記録媒体の幅方向(通紙方向に直交する方向である。)の範囲であるものと定義し、「非通紙領域」とは「通紙領域」の範囲外の領域であるものと定義する。
加圧ローラ31(加圧回転体)の第1加圧部32は、記録媒体Pが搬送されるニップ部を形成する主部であって、直径が30mmの弾性材料で形成されている(芯金34上に形成された弾性層である。)。加圧ローラ31の第1加圧部32(弾性層)は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、第1加圧部32(弾性層)上に、表層としてPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31(第1加圧部32)は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。
なお、加圧ローラ31の幅方向両端部(非通紙領域)に設けられた第2加圧部33は、第1加圧部32と同様に、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性材料で形成されている。そして、第2加圧部33は、その外周面の摩擦抵抗が第1加圧部32の外周面の摩擦抵抗に比べて大きくなるように形成されるとともに、その外径(28mmである。)が第1加圧部32の外径(30mmである。)に比べて小さくなるように形成されている。この加圧ローラ31の第2加圧部33については、さらに後で詳しく説明する。
なお、加圧ローラ31の弾性層を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、固定部材26に生じる撓みをさらに軽減することができる。さらに、加圧ローラ31の断熱性が高められて、定着ベルト21の熱が加圧ローラ31側に移動しにくくなるために、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
また、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径とほぼ同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
また、図3を参照して、加圧ローラ31には不図示の駆動手段(駆動機構)の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は駆動手段によって図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。
また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が、定着装置20の側板43に回動自在に支持された加圧レバー51に対して軸受42を介して回転自在に支持されている。そして、この加圧レバー51を含む減圧機構51〜53(接離機構)によって、所定のタイミングで加圧ローラ31が図2の左右方向に移動されることになる(図2、図3の位置と、図5、図6の位置と、の間の移動である。)。
なお、減圧機構51〜53(接離機構)の構成・動作については、後で詳しく説明する。
また、本実施の形態1では、加圧ローラ31(第1加圧部32)の表面温度を検知するための第2温度検知手段として、サーミスタ等の第2温度センサ55が設置されている。そして、第2温度検知センサ55の検知結果に基いて、待機時の制御がおこなわれることになるが、これについても後で詳しく説明する。
図4を参照して、定着ベルト21の内周面21aに摺接する固定部材26は、ベース層26b上に表面層26aが形成されたものである。固定部材26は、加圧ローラ31との対向面(摺接面)が、加圧ローラ31の曲率にならうように凹状に形成されている。これにより、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。
なお、本実施の形態1では、ニップ部を形成する固定部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成する固定部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、固定部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
また、固定部材26のベース層26bを形成する材料としては、加圧ローラ31による加圧力を受けても大きく撓むことがないように、ある程度剛性のある材料(例えば、高剛性の金属やセラミック等である。)で形成されている。
金属板を曲げ加工することにより形成する略パイプ状の加熱部材22は、その肉厚を薄くすることができるために、ウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、加熱部材22自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ31の加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形することがある。パイプ状の加熱部材22が変形してしまうと所望のニップ幅が得られずに、定着性が低下するという問題が生じる。これに対して、本実施の形態1では、薄肉の加熱部材22とは別に高剛性の固定部材26を設置してニップ部を形成しているために、そのような問題が生じるのを未然に防止することができる。
また、固定部材26の表面層26aは、目の粗いシート状の低摩擦材料で形成されている。そして、この表面層26aには、予め潤滑剤が含浸されている。これにより、固定部材26は、定着ベルト21に当接する面に潤滑剤が保持された状態になる。したがって、固定部材26と定着ベルト21との摺接によって双方の部材21、26が磨耗する不具合が軽減される。
また、本実施の形態1では、固定部材26とヒータ25(加熱手段)との間に断熱部材27を設置している。詳しくは、固定部材26と加熱部材22との間であって、固定部材26の摺接面を除く面を覆うように断熱部材27が設置されている。断熱部材27の材料としては、断熱性に優れたスポンジゴムや、空包を有するセラミック、等を用いることができる。
本実施の形態1では、定着ベルト21と加熱部材22とがほぼ全周にわたって近接しているため、加熱待機時(プリント動作待機時)においても定着ベルト21を周方向に温度ムラなく加熱できる。したがって、プリント要求を受けた後、速やかにプリント動作をおこなうことができる。このとき、従来のオンデマンド方式の定着装置(例えば、特許第2884714号公報参照。)では、ニップ部で加熱待機時に加圧ローラを変形させたまま熱を与えてしまうと、加圧ローラのゴムの材質によっては、熱劣化を起こして加圧ローラの寿命が短くなってしまったり、加圧ローラに圧縮永久ひずみが発生してしまったりする(ゴムの圧縮永久ひずみは、ゴムの変形に加熱が加わることにより増大する。)。そして、加圧ローラに圧縮永久ひずみが発生すると、加圧ローラの一部が凹んだ状態になり、所望のニップ幅が得られないため、定着不良が発生したり、回転時に異音が生じたりする。
これに対して、本実施の形態1では、固定部材26と加熱部材22との間に断熱部材27が設置されているために、加熱待機時に加熱部材22の熱が固定部材26に達しにくくなる。したがって、加熱待機時に加圧ローラ31が変形した状態で高温加熱される不具合が軽減されて、上述の問題が生じるのを抑止することができる。
さらに、固定部材26と定着ベルト21との摩擦抵抗を低減するために双方の部材間に塗布された潤滑剤は、ニップ部における高圧条件に加えて高温条件による使用によって劣化して、定着ベルト21のスリップ等の不具合が生じてしまう可能性がある。
これに対して、本実施の形態1では、固定部材26と加熱部材22との間に断熱部材27が設置されているために、加熱部材22の熱がニップ部の潤滑剤に達しにくくなる。したがって、潤滑剤の高温による劣化が軽減されて、上述の問題が生じるのを抑止することができる。
また、本実施の形態1では、固定部材26と加熱部材22との間に断熱部材27が設置されているために、固定部材26が断熱されて、ニップ部では積極的に定着ベルト21は加熱されないことになる。そのため、ニップ部に送入された記録媒体Pの温度がニップ部から送出されるときには低くなる。すなわち、ニップ部出口では、記録媒体P上に定着されたトナー像の温度が低くなって、トナーの粘性が低下して、定着ベルト21に対するトナー接着力が小さくなった状態で、記録媒体Pは定着ベルト21から分離される。したがって、定着工程直後の記録媒体Pが定着ベルト21に巻き付いてジャムになる不具合が防止されるとともに、定着ベルト21に対するトナー固着も抑制される。
また、本実施の形態1では、図4を参照して、固定部材26が挿設された加熱部材22の凹部を内周面側から保持するステー部材28が設置されている。
略パイプ状の加熱部材22は、0.1mm厚のステンレス板に曲げ加工を施して形成したものである。したがって、ステンレス板を曲げ加工によって所望のパイプ形状に加工しようとしても、そのままでは、スプリングバックによって径が大きくなる方向に開いてしまい所望のパイプ形状を形成することができない。そして、加熱部材22がスプリングバックによって開いてしまうと、定着ベルト21の内周面に接触してしまい定着ベルト21を傷つけたり、定着ベルト21との接触ムラによる定着ベルト21の加熱ムラが生じたりしてしまう。本実施の形態1では、このような不具合が生じるのを抑止するために、加熱部材22の開口部が形成された凹部(曲げ部)をステー部材28で固定することによって、加熱部材22のスプリングバックによる変形を抑止している。具体的には、スプリングバック力に抗するように曲げ加工が施された加熱部材22の形状を保持しながら、加熱部材22の内周面側からステー部材28を凹部に圧入する。
ここで、加熱部材22の加熱効率を高くするためには、加熱部材22の肉厚は0.2mm以下に設定することが好ましい。
上述したように、金属板を曲げ加工することにより形成する略パイプ状の加熱部材22は、その肉厚を薄くすることができるために、ウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、加熱部材22自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ31の加圧力が加熱部材22に作用すると、その加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形してしまう。そして、パイプ状の加熱部材22が変形してしまうと所望のニップ幅が得られずに、定着性が低下するという問題が生じてしまう。これに対して、本実施の形態1では、薄肉の加熱部材22に凹部(固定部材26が挿設されている部分である。)をニップ部から離れるように設けて、加圧ローラ31の加圧力が加熱部材22に直接的に作用しないように構成しているために、そのような問題が生じるのを未然に防止することができる。
以下、上述のように構成された定着装置20の通常時の動作について簡単に説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、不図示の駆動手段によって加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、加熱部材22(ヒータ25)によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強された固定部材26と加圧ローラ31(第1加圧部32)との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、本実施の形態1における定着装置20において特徴的な構成・動作について、詳しく説明する。
本実施の形態1における定着装置20は、待機時において、定着ベルト21に加圧ローラ31が接触した状態であって定着ベルト21の走行を停止した状態で、駆動手段(駆動機構)による加圧ローラ31の回転駆動をおこないながら、ヒータ25によって加熱部材22を加熱して定着ベルト21を介して加圧ローラ31を間接的に加熱している。
詳しくは、本実施の形態1における定着装置20には、図2及び図5を参照して、定着ベルト21と加圧ローラ31との圧接力(ニップ部における圧接力である。)を減ずる減圧機構51〜53が設けられている。この減圧機構51〜53(接離機構)は、待機時に、ニップ部における圧接力が通紙時(定着工程時)のものよりも小さな圧接力となって、定着ベルト21の静止摩擦トルクに対して加圧ローラ31の摩擦回転トルクが小さくなるように、制御される。
さらに詳しくは、減圧機構(接離機構)は、加圧レバー51、カム52、引張スプリング53等で構成されている(幅方向両端にそれぞれ設置されている。)。加圧レバー51は、支軸51aを中心に回動可能に側板43に設置されている。加圧レバー51の一端側には軸受42を介して加圧ローラ31の芯金34の軸部が回転可能に保持され、他端側には引張スプリング53の一端が接続されている。また、図示は省略するが、引張スプリング53の他端側は側板43に接続されている。また、定着装置20の側板43には、不図示の駆動モータに接続されたカム52が回動可能に設置されている。そして、このカム52が回動制御されて加圧レバー51に対して接離することで、通紙時の状態(図2、図3の状態である。)と、待機時の状態(図5、図6の状態である。)と、が切り替えられることになる。
具体的に、カム52が加圧レバー51に当接しないように、その回動方向の姿勢が制御されているときには、引張スプリング53のスプリング力によって、加圧レバー51が加圧ローラ31を定着ベルト21に近づける方向に付勢する。これにより、図2及び図3に示すように、加圧ローラ31の第1加圧部32と第2加圧部33とは、それぞれ、定着ベルト21に圧接してニップ部を形成することになる。そして、この状態で不図示の駆動手段が稼動すると、駆動手段からギア45への駆動力の伝達によって加圧ローラ31が回転駆動されて、第1加圧部32及び第2加圧部33との摩擦抵抗によって定着ベルト21も図2の反時計方向に従動回転することになる。そして、このような状態で、先に説明した定着工程(記録媒体Pの通紙動作)がおこなわれる。
これに対して、カム52が加圧レバー51に当接するように、その回動方向の姿勢が制御されているときには、引張スプリング53のスプリング力に抗するように、加圧レバー51が加圧ローラ31を定着ベルト21から遠ざける方向に回動する。これにより、図5及び図6に示すように、第2加圧部33(その外径が第1加圧部32の外径よりも小さく形成されている。)は定着ベルト21から離間して、第1加圧部32のみが定着ベルト21に圧接してニップ部(図2、図3の状態よりも圧接力は小さい。)を形成することになる。この状態のとき、定着ベルト21の静止摩擦トルクに対して加圧ローラ31の摩擦回転トルクが小さくなっている。そのため、この状態で、不図示の駆動手段が稼動すると、駆動手段からギア45への駆動力の伝達によって加圧ローラ31が回転駆動されるものの、第1加圧部32との摩擦抵抗が小さいために定着ベルト21は従動回転せずに停止した状態になる。そして、このような状態で、ヒータ25(加熱手段)に電力が供給される。これにより、加熱部材22が加熱されて、加熱部材22によって加熱された定着ベルト21から、図5の矢印方向に回転する加圧ローラ31に熱が効率的に伝達されることになる。このような動作は、装置の待機時の動作(次の定着工程に備えた動作である。)としておこなわれることになる。
なお、上述したように、本実施の形態1における加圧ローラ31は、第1加圧部32の外径(無負荷状態の外径である。)が30mmに設定され、第2加圧部33の外径(無負荷状態の外径である。)が28mmに設定されている。さらに、定着ベルト21の外径が30mmに設定されている。
そして、通紙時の状態(図2、図3の状態である。)では、定着ベルト21の回転中心と加圧ローラ31の回転中心との距離(以後、「軸間距離」と呼ぶ。)が28mmになるように減圧機構51〜53(接離機構)によって双方の部材21、31が圧接される。したがって、通紙時の状態では、定着ベルト21に対する第1加圧部32の喰込み量が2mm(ニップ幅6〜7mmに相当する。)になり、定着ベルト21に対する第2加圧部33の喰込み量が1mmになる。
これに対して、待機時の状態(図5、図6の状態である。)では、定着ベルト21と加圧ローラ31との軸間距離が29.5mmになるように減圧機構51〜53(接離機構)によって双方の部材21、31が圧接される。したがって、待機時の状態では、定着ベルト21に対する第1加圧部32の喰込み量が0.5mm(ニップ幅1〜2mmに相当する。)になり、定着ベルト21に対して第2加圧部33が離間した状態(双方の部材21、33のギャップBは0.875mm程度である。)になる。
図7は、本実施の形態1の定着装置20における、ニップ部における喰込み量(横軸)と、加圧ローラ31の摩擦回転トルク(縦軸)と、の関係を示すグラフである。
図7に示すように、ニップ部における定着ベルト21に対する加圧ローラ31(第1加圧部32)の喰込み量が2.0mmのとき、加圧ローラ31の摩擦回転トルクは0.6N・mになる。そして、喰込み量が1.0mmまで低下すると、定着ベルト21に対して第2加圧部33が離間して、加圧ローラ31の摩擦回転トルクは0.4N・mから0.3N・mにまで低下する。ここで、本実施の形態1における定着ベルト21の静止摩擦トルクは0.2N・mであるため、喰込み量が0.75mm以下となるときに定着ベルト21の走行が停止することになる。本実施の形態1では、上述したように、待機時において定着ベルト21に対する第1加圧部32の喰込み量を0.5mmに設定しているため、加圧ローラ31を回転駆動しても定着ベルト21は走行しないことになる。
このように構成された定着装置20において、減圧機構51〜53は、通紙時(定着工程時)に図2及び図3の状態になるように制御され、待機時に図5及び図6の状態になるように制御される。さらに、待機時にも、通紙時と同様に、駆動手段は加圧ローラ31を回転駆動するように制御されるとともに、ヒータ25(加熱手段)は加熱部材22を加熱するように制御される(ヒータ25への電力供給がおこなわれる)。ただし、待機時には、上述したように、減圧機構51〜53による減圧動作によってニップ部における圧接力が減圧されているために、定着ベルト21に対して加圧ローラ31が接触しているものの、定着ベルト21の走行はおこなわれないことになる。
これにより、定着ベルト21や固定部材26の磨耗劣化を早めることなく待機時における加圧ローラ31の蓄熱を充分におこなうことができる。すなわち、待機時において加圧ローラ31を回転駆動しながら、定着ベルト21に接触させた状態で加圧ローラ31を加熱しているため、加圧ローラ31が周方向全域にわたって効率的に加熱される。そして、このとき、定着ベルト21の走行が停止されていて、定着ベルト21と固定部材26との摺動が生じないため、待機時に加圧ローラ31の回転駆動をおこなっても、定着ベルト21と固定部材26との磨耗劣化を早めることはない。
なお、本実施の形態1では、待機時において、加圧ローラ31と定着ベルト21とが摺擦することになるが、第2加圧部33を設けることで待機時における第1加圧部32と定着ベルト21との圧接力を極めて小さく設定できるために、待機時の制御をおこなっても双方の部材21、31の磨耗劣化に大きく影響することはない。
また、上述した待機時における加圧ローラ31と定着ベルト21との摺擦の影響を低減するために、待機時における加圧ローラ31の回転数を通紙時のものに対して低下させることもできる。具体的に、待機時における加圧ローラ31の線速(ニップ部における線速である。)を減速して40〜60mm/秒程度に設定することが好ましい。
また、本実施の形態1では、待機時において、さらに以下の制御をおこなっている。
待機時において、第2温度センサ55(第2温度検知手段)によって検知された温度が第1の所定値(本実施の形態1では、80℃に設定されている。)以下となった場合に、その温度が第2の所定値(本実施の形態1では、100℃に設定されている。)に達するまで駆動手段による加圧ローラ31の回転駆動をおこなう。そして、第2温度センサ55によって検知された温度が第2の所定値(本実施の形態1では、100℃に設定されている。)以上となった場合に、駆動手段による加圧ローラ31の回転駆動を停止する。
さらに、このような制御をおこなうにあたり、待機時において、ニップ部における記録媒体Pの通紙動作が終了してから所定時間(本実施の形態1では、60秒に設定している。)が経過するまでは、第2温度センサ55によって検知される温度の値に関わらず駆動手段による加圧ローラ31の回転駆動を強制的におこなう。
具体的に、図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、通紙動作(プリント動作)が終了して装置が待機状態になると(ステップS1、S2)、第1温度センサ40(第1温度検知手段)で検知される温度(定着ベルト21の表面温度である。)が150℃に維持されるように、ヒータ25の出力制御がおこなわれる(ステップS3)。さらに、減圧機構51〜53が制御されて、定着ベルト21に対する加圧ローラ31の圧接力が図5及び図6の状態に減圧される(ステップS4)。そして、その直後に、駆動手段によって加圧ローラ31が所定の回転数(ニップ部における線速度が40〜60mm/秒である。)で回転駆動される(ステップS5)。そして、減圧状態での加圧ローラ31の回転駆動が60秒間おこなわれたかが判別される(ステップS6)。
その結果、減圧状態での加圧ローラ31の回転駆動が60秒間おこなわれたものと判別された場合には、プリント要求の頻度が低いものとして、加圧ローラ31の回転駆動を一旦停止する(ステップS7)。そして、第2温度センサ55で検知される加圧ローラ31の温度が80℃以下であるかが判別される(ステップS8)。
その結果、加圧ローラ31の温度が80℃以上であるものと判別された場合には加圧ローラ31の駆動停止を継続して、加圧ローラ31の温度が80℃以下であるものと判別された場合には加圧ローラ31の駆動を再開する(ステップS9)。そして、第2温度センサ55で検知される加圧ローラ31の温度が100℃以上であるかが判別される(ステップS10)。
その結果、加圧ローラ31の温度が100℃以下であるものと判別された場合には加圧ローラ31の駆動を継続して、加圧ローラ31の温度が100℃以上であるものと判別された場合には加圧ローラ31の駆動を再び停止する。
なお、このような制御は、プリント要求信号を受信するまでおこなわれる。
このような制御をおこなうことにより、加圧ローラ31の蓄熱状態が充分な場合には、加圧ローラ31の回転駆動をおこなわないことになり、加圧ローラ31の回転駆動が間欠的におこなわれるため、待機時において加圧ローラ31と定着ベルト21との不要な摺接を軽減することができる。
また、プリント動作(通紙動作)が終了した直後は、上述した加圧ローラ31の間欠的な回転駆動を即座に実施することなく、所定時間(本実施の形態1では、60秒間である。)だけ加圧ローラ31の温度に関わらず加圧ローラ31の回転駆動を強制的におこなっている。そのため、ユーザーによる次のプリント作業が即座におこなわれる場合の、装置の立ち上げをより短縮化することができる。
以上説明したように、本実施の形態1においては、待機時において、定着ベルト21に加圧ローラ31(加圧回転体)が接触した状態であって定着ベルト21の走行を停止した状態で、加圧ローラ31の回転駆動をおこないながら、加熱部材22を加熱して定着ベルト21を介して加圧ローラ31を間接的に加熱している。これにより、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、定着画像に定着不良が生じることなく、定着ベルト21や固定部材26の磨耗劣化を早めることなく待機時における加圧ローラ31の蓄熱を充分におこなうことができる。
なお、本実施の形態1では、加圧ローラ31に第2加圧部33を設けて、減圧機構51〜53によって通紙時の状態と待機時の状態とを切り替えられるように構成している。すなわち、駆動手段が稼動した場合(加圧ローラ31が回転した場合)に、通紙時の状態(図2及び図3の状態)のときには定着ベルト21が所定方向に走行して、待機時の状態(図5及び図6の状態)のときには定着ベルト21が走行停止するように構成されている。
これに対して、加圧ローラ31に第2加圧部33を設けることなく、加圧ローラ31(第1加圧部32)の外径や材料、減圧機構51〜53の移動範囲等を最適化することだけでも、上述した通紙時の状態と待機時の状態とを切り替えることができる。そして、そのような場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図9は、実施の形態2における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態2における定着装置は、加熱部材22が電磁誘導によって加熱される点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図9に示すように、本実施の形態2における定着装置20も、前記実施の形態1のものと同様に、定着ベルト21、固定部材26、略パイプ状の加熱部材22、補強部材23、断熱部材27、加圧ローラ31(加熱回転体)、第1温度センサ40、第2温度センサ55、減圧機構51〜53、等で構成される。また、本実施の形態2における加圧ローラ31も、前記実施の形態1のものと同様に、幅方向中央部に第1加圧部32が形成され、幅方向両端部に第2加圧部33が形成されている。また、減圧機構51〜53によって、通紙時の状態(図9の状態)と、待機時の状態(定着ベルト21に対して第2加圧部33が離間して、第1加圧部32のみが圧接している状態である。)と、が切り替えられるように構成されている。そして、待機時において、定着ベルト21に加圧ローラ31(第1加圧部32)が接触した状態であって定着ベルト21の走行を停止した状態で、加圧ローラ31の回転駆動をおこないながら、加熱部材22を加熱して定着ベルト21を介して加圧ローラ31を間接的に加熱している。
ここで、本実施の形態2における定着装置20は、加熱手段として、ヒータ25の代わりに、誘導加熱部50が設置されている。そして、本実施の形態2における加熱部材22は、ヒータ25の輻射熱によって加熱される前記実施の形態1のものとは異なり、誘導加熱部50による電磁誘導によって加熱される。
誘導加熱部50は、励磁コイル、コア、コイルガイド、等で構成される。励磁コイルは、定着ベルト21の一部を覆うように、細線を束ねたリッツ線を幅方向(図9の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイドは、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、励磁コイルやコアを保持する。コアは、フェライト等の強磁性体(比透磁率が1000〜3000程度である。)からなる半円筒状部材であって、加熱部材22に向けて効率のよい磁束を形成するためにセンターコアやサイドコアが設けられている。コアは、幅方向に延設された励磁コイルに対向するように設置されている。
このように構成された定着装置20は、次のように動作する。
加圧ローラ31が図9中の矢印方向に回転駆動されると、定着ベルト21も矢印方向に従動回転する。そして、定着ベルト21は誘導加熱部50との対向位置で加熱される。詳しくは、励磁コイルに高周波の交番電流を流すことで、加熱部材22の周囲に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、加熱部材22表面に渦電流が生じて、加熱部材22自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、加熱部材22が電磁誘導加熱されて、さらに加熱された加熱部材22によって定着ベルト21が加熱される。
なお、加熱部材22を効率的に電磁誘導加熱するためには、誘導加熱部50を加熱部材22の周方向全域に対向するように構成することが好ましい。また、加熱部材22の材料としては、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、コバルト、クロム、アルミニウム、金、白金、銀、スズ、パラジウム、これらのうち複数の金属からなる合金、等を用いることができる。
以上説明したように、本実施の形態2においても、前記各実施の形態と同様に、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、定着画像に定着不良が生じることなく、定着ベルト21や固定部材26の磨耗劣化を早めることなく待機時における加圧ローラ31の蓄熱を充分におこなうことができる。
なお、本実施の形態2では、加熱部材22を電磁誘導加熱により加熱したが、図10に示すように、加熱部材62を抵抗発熱体(セラミックヒータ等の面状発熱体である。)として、加熱部材62自体の熱によって定着ベルト21を加熱することもできる。具体的に、抵抗発熱体としての加熱部材62は、その幅方向両端部が不図示の電極を介して電源部61に接続されている。そして、電源部61から加熱部材62への給電がおこなわれて、加熱部材62に電流が流れると、加熱部材62自身の電気抵抗によって加熱部材62が昇温する。さらに、加熱部材62の輻射熱によって定着ベルト21が加熱されることになる。
さらに、特許文献3等のように、固定部材としてのセラミックヒータが定着ベルトを介して加圧回転体に圧接してニップ部を形成する定着装置に対しても、本発明を適用することができる。この場合のセラミックヒータは、加熱手段としての機能と、加熱部材としての機能と、固定部材としての機能と、をそれぞれ有することになる。
これらの場合にも、加圧ローラ31や減圧機構51〜53を本実施の形態2と同様に構成して待機時の制御を同様におこなうことで、本実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
なお、前記各実施の形態では、定着ベルトとして複層構造の定着ベルト21を用いたが、定着ベルトとしてポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、金属等からなる無端状の定着フィルムを用いることもできる。そして、その場合にも、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 加熱部材(金属部材)、
23 補強部材、
25 ヒータ(加熱手段)、
26 固定部材、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
32 第1加圧部、
33 第2加圧部、
40 第1温度センサ(第1温度検知手段)、
51 加圧レバー(減圧機構)、
52 カム(減圧機構)、
53 引張スプリング(減圧機構)、
55 第2温度センサ(第2温度検知手段)、 P 記録媒体。
特許2009−3410号公報 特許2008−158482号公報 特許2002−6656号公報

Claims (7)

  1. 所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融するとともに、可撓性を有する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周面側に固設された固定部材と、
    前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、駆動手段によって所定方向に回転駆動される加圧回転体と、
    前記定着ベルトの内周面に対向するように固設されて前記定着ベルトを加熱するとともに、加熱手段によって加熱される加熱部材と、
    を備え、
    前記ニップ部における記録媒体の通紙動作がおこなわれない待機時において、前記定着ベルトに前記加圧回転体が接触した状態であって前記定着ベルトの走行を停止した状態で、前記駆動手段による前記加圧回転体の回転駆動をおこないながら、前記加熱手段によって前記加熱部材を加熱して前記定着ベルトを介して前記加圧回転体を間接的に加熱することを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ベルトと前記加圧回転体との圧接力を減ずる減圧機構を備え、
    前記待機時には、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作がおこなわれるときの前記圧接力よりも小さな圧接力となって、前記定着ベルトの静止摩擦トルクに対して前記加圧回転体の摩擦回転トルクが小さくなるように、前記減圧機構が制御されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加圧回転体は、
    幅方向中央部に形成された第1加圧部と、幅方向端部に形成された第2加圧部と、を具備し、
    前記第1加圧部の外周面の摩擦係数に比べて前記第2加圧部の外周面の摩擦係数が大きくなるように形成されるとともに、前記第1加圧部の外径に比べて前記第2加圧部の外径が小さくなるように形成され、
    前記減圧機構は、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作がおこなわれるときには前記第1加圧部と前記第2加圧部とが前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接するように前記加圧回転体を移動させて、前記待機時には前記第2加圧部が前記定着ベルトに対して離間するとともに前記第1加圧部のみが前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接するように前記加圧回転体を移動させることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ベルトの温度を検知する第1温度検知手段と、
    前記加圧回転体の温度を検知する第2温度検知手段と、
    を備え、
    前記待機時において、前記第2温度検知手段によって検知された温度が第1の所定値以下となった場合にはその温度が第2の所定値に達するまで前記駆動手段による前記加圧回転体の回転駆動をおこない、前記第2温度検知手段によって検知された温度が前記第2の所定値以上となった場合には前記駆動手段による前記加圧回転体の回転駆動を停止することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記待機時において、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作が終了してから所定時間が経過するまでは、前記第2温度検知手段によって検知される温度の値に関わらず前記駆動手段による前記加圧回転体の回転駆動をおこなうことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記加熱部材は、前記ニップ部を除く位置で前記定着ベルトの内周面に対向するように固設されたパイプ状の金属部材であって、
    前記加熱部材の内周面側に固設されて前記固定部材に当接して当該固定部材を補強する補強部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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