JP5350516B2 - 磁性粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の磁性粒子(E)は、非磁性金属酸化物(D)マトリックス中に平均粒子径が1〜15nmで超常磁性を有する超常磁性金属酸化物粒子(C)を含有してなり、好ましくは(D)を(C)中に分散させてなる粒子である。
(C)の平均粒子径は、後述の(C)作製時の金属イオン濃度を調節することにより制御することができる。また、通常の分級等の方法によっても超常磁性金属酸化物の平均粒子径を制御することができる。
(C)の平均粒子径が1nm未満の場合は合成が困難であり、平均粒子径が15nmを超える場合は得られた磁性粒子(E)の磁気特性が強磁性となり、実際の用途面において磁場を取り除いても磁性体自身が一時的な磁場を示し粒子同士が自己会合し、洗浄性が悪い及び/又は免疫反応等に悪影響を及ぼすという問題がある。
(E)の平均粒子径は、後述の水中油型エマルションを作製する際の混合条件(せん断力等)を調節して水中油型エマルションの粒子径を調整することにより制御することができる。また、(E)製造時の水洗工程の条件変更や通常の分級等の方法によっても平均粒子径を所望の値とすることができる。
本発明の磁性粒子(E)の製造方法は、平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物粒子(C)、(C)の重量に基づいて30〜500重量%の金属アルコキシド(N)及び分散剤(K)を含有する分散液(A)と、水、水溶性有機溶媒(L)、非イオン性界面活性剤(P)及び金属アルコキシドの加水分解用触媒(Q)を含有する溶液(B)とを混合して水中油型エマルションを形成する工程を含むことを特徴とする。
得られた磁性粒子(E)の水性分散体を遠心分離及び/又は集磁により固液分離し、水又はメタノール等で洗浄して乾燥することにより磁性粒子(E)が得られる。
(A)は、超常磁性金属酸化物粒子(C)を分散剤(K)を用いて、金属アルコキシド(N)中に分散させた分散液(A)である。上記分散剤(K)としては、分子内に1個以上のカルボキシル基を有する有機化合物、1個以上のスルホ基を有する有機化合物及び1個以上のカルボキシル基と1個以上のスルホ基を有する有機化合物等が挙げられる。具体的には、以下に例示する(K−1)〜(K−5)の有機化合物等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素数1〜30の脂肪族飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸等)、炭素数3〜30の脂肪族不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸等)、炭素数3〜30のヒドロキシ脂肪族モノカルボン酸(グリコール酸、乳酸及び酒石酸等)、炭素数4〜30の脂環式モノカルボン酸(シクロプロパンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸及びシクロヘキサンカルボン酸等)、炭素数7〜30の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ケイ皮酸及びナフトエ酸等)、炭素数7〜20のヒドロキシ芳香族モノカルボン酸(サリチル酸及びマンデル酸等)及び炭素数2〜20のパーフルオロカルボン酸(トリフルオロ酢酸、ウンデカフルオロヘキサン酸、トリデカフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペプタデカフルオロノナン酸及びノナデカフルオロデカン酸等)等。
炭素数1〜30脂肪族モノスルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ウンデカンスルホン酸及びドデカンスルホン酸等)、炭素数6〜30芳香族モノスルホン酸(ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、4−ドデシルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)及び炭素数1〜20のパーフルオロアルカンスルホン酸(トリフルオロメタンスルホン酸等)等。
炭素数2〜30のスルホカルボン酸(スルホ酢酸及びスルホコハク酸等)及び炭素数7〜30のスルホ芳香族モノ又はポリカルボン酸(o−、m−又はp−スルホ安息香酸、2,4−ジスルホ安息香酸、3−スルホフタル酸、3,5−ジスルホフタル酸、4−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸、2−メチル−4−スルホ安息香酸、2−メチル−3,5−ジスルホ安息香酸、4−プロピル−3−スルホ安息香酸、4−イソプロピル−3−スルホ安息香酸、2,4,6−トリメチル−3−スルホ安息香酸、2−メチル−5−スルホテレフタル酸、5−メチル−4−スルホイソフタル酸、5−スルホサリチル酸及び3−オキシ−4−スルホ安息香酸等)等。
炭素数2〜30の脂肪族ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、クエン酸及びドデカン二酸等の飽和ポリカルボン酸並びにマレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸等)、炭素数8〜30の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等)及び炭素数5〜30の脂環式ポリカルボン酸(シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、フラン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エン−2,3−ジカルボン酸及びビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン−2,3−ジカルボン酸等)等。
炭素数1〜30の脂肪族ポリスルホン酸(メチオン酸、1,1−エタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,1−プロパンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸及びポリビニルスルホン酸等)、炭素数6〜30の芳香族ポリスルホン酸(m−ベンゼンジスルホン酸、1,4−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸及びスルホン化ポリスチレン等)、ビス(フルオロスルホニル)イミド及び炭素数2〜10のビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド[ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、ペンタフルオロエタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド、トリフルオロメタンスルホニルヘプタフルオロプロパンスルホニルイミド、ノナフルオロブタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド等]等。
R1 mM(OR2)n (1)
一般式(1)中、R1及びR2は、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。
価数が4の場合、mは0〜3の整数であり、nは1〜4の整数である。価数が3の場合、mは0〜2の整数であり、nは1〜3の整数である。
MがSiの場合の金属アルコキシドの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン及びテトラブトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;7−カルボキシ−ヘプチルトリエトキシシラン及び5−カルボキシ−ペンチルトリエトキシシラン等のカルボキシル基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン及び3−ヒドロキシプロピルエトキシシラン等の水酸基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン等が挙げられる。
金属MがAl、Zr、Ca、Y及びTaの場合、金属アルコキシドとしては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム及びトリ−tert−ブトキシアルミニウム等のアルミニウムアルコキシド;ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド及びジルコニウムテトラブトキシド等のジルコニウムアルコキシド;カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、カルシウムプロポキシド及びカルシウム イソプロポキシド等のカルシウムアルコキシド、イットリウムトリエトキシド、イットリウムトリイソプロポキシドシド及びイットリウムトリメトキシエトキシドシド等のイットリウムアルコキシド;タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタイソプロポキシド及びタンタルペンタブトキシド等のタンタルアルコキシドが挙げられる。
金属アルコキシド(N)は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
溶液(B)は、非イオン性界面活性剤(P)及び金属アルコキシドの加水分解用触媒(Q)を水と水溶性有機溶媒(L)の混合液に溶解させたものである。
水溶性有機溶媒(L)としては、25℃における水への溶解度が100g/水100g以上である、炭素数1〜3のアルコール(メタノール、エタノール、n−又はiso−プロパノール等)、炭素数2〜9のグリコール(エチレングリコール及びジエチレングリコール等)、アミド(N−メチルピロリドン等)、ケトン(アセトン等)、環状エーテル(テトラヒドロフラン等)、ラクトン(γ−ブチロラクトン等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド等)及びニトリル(アセトニトリル等)等が挙げられる。
これらの内、磁性粒子(E)の粒子径の均一性の観点から、炭素数1〜3のアルコールが好ましい。水溶性有機溶媒は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
水溶性有機溶媒(L)の使用量は、水に対して、100〜500重量%であることが好ましい。
加水分解用触媒の使用量は、金属アルコキシド(N)の重量に対して、0.01〜100重量%、特に0.2〜50重量%が好ましい。
(B)の使用量は、(A)に対して、2〜350重量%が好ましい。この範囲であると、エマルションが安定し、生成する粒子の粒度分布が狭くなり好ましい。
アルデヒド基を有するグルタルアルデヒド及びカルボキシル基を有するビオチンは、アミノ基を有する金属アルコキシドが表面に結合した(E)と反応させることで、(E)の表面に結合させることができる。また、アミノ基を有するアルブミン及びストレプトアビジン並びにカルボジイミド基を有するカルボジイミドは、カルボキシル基を有する金属アルコキシドが表面に結合した(E)と反応させることで、(E)の表面に結合させることができる。
反応容器に塩化鉄(III)6水和物2.7部、塩化鉄(II)4水和物1.0部及び水375部を仕込んで溶解させて50℃に昇温し、撹拌下温度を50〜55℃の保持しながら、25%アンモニア水3.8部と水100部を混合した溶液を1時間かけて滴下し、滴下後1時間撹拌し、水中にマグネタイト粒子(C−1)を得た。得られたマグネタイト粒子(C−1)に分散剤(K−1)であるオレイン酸10.5部加え、2時間撹拌を継続した。室温に冷却後、デカンテーションにより固液分離して得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を水50部で洗浄する操作を3回行った。得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を容器に仕込み、デカン(M−1)5.7部及びテトラエトキシシラン(N−1)2.2部を加えて混合し、分散液(A−1)を調製した。
乳化の際のクリアミックスの回転数を6,000rpmから7,500rpmに代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−2)を得た。
テトラエトキシシランの仕込量を2.2部から0.5部に代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−3)を得た。
乳化の際のクリアミックスの回転数を6,000rpmから7,500rpmに代えた以外は、実施例3と同様にして磁性粒子(E−4)を得た。
マグネタイト粒子作製時における25%アンモニア水3.8部と混合する水の量を100部から33.8部に代えた以外は、実施例1同様にして磁性粒子(E−5)を得た。
乳化の際のクリアミックスの回転数を6,000rpmから7,500rpmに代えた以外は、実施例5と同様にして磁性粒子(E−6)を得た。
テトラエトキシシランの仕込量を2.2部から0.5部に代えた以外は、実施例5と同様にして磁性粒子(E−7)を得た。
乳化の際のクリアミックスの回転数を6,000rpmから7,500rpmに代えた以外は、実施例7と同様にして磁性粒子(E−8)を得た。
マグネタイト粒子作製時における25%アンモニア水3.8部と混合する水の量を100部から55部に代え、テトラエトキシシランの仕込量を2.2部から1.2部に代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−9)を得た。
テトラエトキシシランの仕込量を2.2部からテトラエトキシチタン[和光純薬工業(株)製]2.2部に代える以外は、実施例2と同様にして磁性粒子(E−10)を得た。
テトラエトキシシランの仕込量を2.2部からテトラエトキシシラン1.8部及びテトラエトキシチタン0.4部に代える以外は、実施例2と同様にして磁性粒子(E−11)を得た。
平均粒径15nmのγ−ヘマタイト粒子[シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製]2.2部をデカン5.7部及びテトラエトキシシラン2.2部と混合して分散液(A−2)を得た。分散液(A−1)を分散液(A−2)に代える以外は、製造例1と同様にして磁性粒子(E−12)を得た。
テトラエトキシシランの仕込量を2.2部からトリエトキシアルミニウム[和光純薬工業(株)製]2.2部に代える以外は、実施例6と同様にして磁性粒子(E−13)を得た。
γ−ヘマタイト粒子0.8部をデカン5.7部及びテトラエトキシシラン3.5部と混合して分散液(A−3)を得た。分散液(A−2)を分散液(A−3)に代える以外は、実施例12と同様にして磁性粒子(E−14)を得た。
テトラエテキシシランの仕込量を0.5部から8.0部に代えた以外は、実施例4と同様にして比較磁性粒子(E−1’)を得た。
テトラエトキシシランの仕込量を1.2部から12.5部に代えた以外は、実施例9と同様にして比較磁性粒子(E−2’)を得た。
100部の硫酸第一鉄を1,000部の水に溶解し、撹拌下、水500部に水酸化ナトリウム28.8部を溶解した水溶液を1時間かけて滴下後、撹拌しながら、85℃まで昇温して空気を懸濁液に吹き込み8時間酸化し、遠心分離することにより得られたマグネタイト粒子2.2部をデカン5.7部及びテトラエトキシシラン2.2部と混合して分散液(R−1)を得た。分散液(A−1)を分散液(R−1)に代える以外は、実施例2と同様にして比較磁性粒子(E−3’)を得た。
テトラエトキシシランの仕込量を2.2部から12.5部に代えた以外は、比較例34と同様にして比較磁性粒子(E−4’)を得た。
平均粒径22nmのマグネタイト粒子(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製)2.2部をデカン5.7部及びテトラエトキシシラン2.2部と混合して分散液(R−2)を得た。分散液(A−1)を分散液(R−2)に代える以外は、製造例1と同様にして比較磁性粒子(E−5’)を得た。
磁性粒子(E)5.0mgを0.1M塩酸水溶液5mLに分散させ、転倒混和により室温で一時間混合した後、サリチル酸10mgを加えて溶液中の鉄(III)イオンの有無をサリチル酸−鉄(III)の呈色試験で確認した。いずれの磁性粒子(E)においても呈色を示さなかったことから、各磁性粒子(E)におけるマグネタイト粒子はシリカ等に包含され、磁性粒子(E)の表面に露出していないことが分かった。
任意の200個の超常磁性金属酸化物[実施例において、水中のマグネタイト粒子(C)をデカンテーションにより固液分離し、水で洗浄後、乾燥して得られたもの。]について、走査型電子顕微鏡(型番JSM−7000F、メーカー名日本電子株式会社)で観察して粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
任意の200個の磁性粒子(E)について、上記走査型電子顕微鏡で観察して粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
任意の20個の磁性粒子(E)について、上記走査型電子顕微鏡で観察し、エネルギー分散型X線分光装置(型番INCA Wave/Energy、メーカー名オックスフォード社)により超常磁性金属酸化物の含有量を測定してその平均値を含有量Xとした。また、同測定にてケイ素の含有量を測定しその平均値を含有量Yとした。以下の計算式にて、超常磁性金属酸化物粒子の含有率を求めた。
超常磁性金属酸化物粒子の含有率(%)=100×(X)/(X+Y)
1.0mgの磁性粒子(E)を2mLのイオン交換水に分散させ、口内径×胴径×全高=φ10.3mm×φ12.0mm×35mmのガラス容器に入れ、1cm×1cm×1cmのネオジウム磁石を側面につけ、紫外可視分光光度計(装置型番UV−1800、メーカー名株式会社島津製作所)を使用して、吸光度600nmを測定し、初期吸光度が20%となるまでの時間を測定した。この時間が短いほど集磁性が良好である。
1.0mgの磁性粒子(E)を2mLのイオン交換水に分散させ、口内径×胴径×全高=φ10.3mm×φ12.0mm×35mmのガラス容器に入れ、1cm×1cm×1cmのネオジウム磁石を側面につけて、磁性粒子(E)を完全に集磁し、上清を除去し、ネオジウム磁石を側面から十分に離し、2mLのイオン交換水を粒子に噴きつけながら加え、3回のピペッティングにより混合した後、10秒以内に顕微鏡で観察し、視野内の全粒子数に対する凝集した粒子数の割合を算出した。この割合が小さいほど再分散性が良好である。
3回のピペッティングによる混合後、顕微鏡で観察するまでの時間を10秒以内から5分に代える以外は上記再分散性の評価方法と同様にして、視野内の全粒子数に対する凝集した粒子数の割合を算出した。この割合が小さいほど再凝集性が良好である。
磁性粒子(E)表面にα−フェトプロテイン(以下、AFPと略記)抗体を固定化させ、以下に示す免疫測定を行い、洗浄性及び感度について以下の基準で判定した。
洗浄性については、AFP濃度が0ng/mLの標準溶液を用いて免疫測定を行った場合の平均発光量を測定した。発光量が小さいほど洗浄性が良好である。
感度については、AFP濃度が0ng/mLと2ng/mLの標準溶液を用いた免疫測定を行った場合の発光量の差を求めた。発光量の差が大きいほど感度が高い。
1重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン含有アセトン溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に磁性粒子(E)40mgを加え、25℃で1時間反応させ、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去した。次いで脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置撹拌した後、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性粒子(E)を洗浄した。この洗浄操作を3回行った。次いで、この洗浄後の磁性粒子(E)を2重量%グルタルアルデヒド含有水溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。そして、脱イオン水40mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置撹拌したのち、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性粒子(E)を洗浄した。この洗浄操作を3回行った。更にこの洗浄後の磁性粒子(E)を抗AFPモノクローナル抗体(ダコジャパン社より購入)を20μg/mLの濃度で含む0.02Mリン酸緩衝液(pH8.7)40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。反応後、抗AFP抗体含有リン酸緩衝液を除去し、抗AFP抗体結合磁性粒子(E)を作製した。これを0.1%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)40mLに浸漬し5℃で保存した。
抗AFPポリクローナル抗体(ダコジャパン社より購入)、西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ(東洋紡製、以下PODと略記する)を用い、文献(エス・ヨシタケ、エム・イマガワ、イー・イシカワ、エトール;ジェイ.バイオケム,Vol.92,1982,1413−1424)に記載の方法でPOD標識抗AFP抗体を調製し、−30℃で冷凍保存した。
抗AFP抗体結合磁性粒子(E)を25μg含有する上記牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液中の粒子を磁石で集磁後、液をアスピレーターで除去し、生理食塩水0.5mLを加えて粒子を集磁後液を液をアスピレーターで除去する洗浄操作を3回行った後、該磁性粒子(E)と、1重量%の牛血清アルブミンを含有したリン酸緩衝液で調製したAFP濃度が2ng/mLの標準AFP液0.025mLと免疫反応用緩衝液[0.1%の牛血清アルブミン、0.85%の塩化ナトリウム及び0.5%のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(界面活性剤)を含有する0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)]0.025mLとを試験管に入れ、試験管中で37℃で3分間反応させ、粒子/AFP複合体を形成させた。反応後、試験管の外側から磁石で粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、生理食塩水0.5mLを加えて粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。
最後に、発光試薬A[0.18g/Lのルミノールと0.1g/Lの4−(シアノメチルチオ)フェノールとを含有する0.1Mトリス/塩酸緩衝液(pH9.0)]0.07mLと0.01%過酸化水素水0.07mLとを同時に加え、37℃で43秒間発光反応させ、発光試薬を添加後43〜45秒の平均発光量を発光検出器[BLR−201(アロカ社製):光電子倍増管を使用]で測定した。尚、AFP濃度が2ng/mLの標準AFP液の代わりにAFP濃度が0ng/mLの標準AFP液を使用して上記と同様の操作を行いバックグラウンドとして用いた。
Claims (11)
- 平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物粒子(C)を非磁性金属酸化物(D)中に含有してなり、(C)と(D)の合計重量に対して(C)を60〜95重量%含有してなる磁性粒子(E)。
- 前記非磁性金属酸化物(D)が、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化イットリウム及び酸化タンタルからなる群から選ばれる少なくとも1種の非磁性金属酸化物である請求項1に記載の磁性粒子(E)。
- 前記非磁性金属酸化物(D)が、酸化ケイ素である請求項1又は2に記載の磁性粒子(E)。
- 平均粒子径が1〜5μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性粒子(E)。
- 前記超常磁性金属酸化物粒子(C)が酸化鉄(F)からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性粒子(E)。
- 前記酸化鉄(F)が、マグネタイト、γ−ヘマタイト、マグネタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄及びγ−ヘマタイト−α−ヘマタイト中間酸化鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化鉄である請求項5に記載の磁性粒子(E)。
- 表面にグルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチン及び官能基を有する金属アルコキシド(G)からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を結合させてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁性粒子(E)。
- 前記官能基を有する金属アルコキシド(G)が有する官能基が、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基及びグリシジルオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基である請求項7に記載の磁性粒子(E)。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁性粒子(E)からなる生体物質結合用磁性担体(H)。
- 生体物質(J)が固定化されてなる請求項9に記載の磁性担体(H)。
- 前記生体物質(J)が、相互に特異的結合を有する抗体若しくは抗原のいずれか一方、又は生体レセプター若しくはリガンドのいずれか一方である請求項10に記載の磁性担体(H)。
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