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JP5346823B2 - ポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法、ポリプロピレン系改質樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法、ポリプロピレン系改質樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂をアクリル系モノマーなどと反応させてポリプロピレン系改質樹脂組成物を製造するポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法、及び、ポリプロピレン系改質樹脂組成物に関する。
従来、ポリプロピレン系樹脂は、機械的性質や耐薬品性などに優れることから種々の成形品の原材料として利用されている。
このような成形品を作製する場合には、一般的には押出し成形、ブロー成形、発泡成形などが行われているが、一般的にポリプロピレン系樹脂は、結晶性を有することから溶融時の粘度や溶融張力が低く、上記のような成形を行う際に高精度の条件設定を行っても所望の性状の成形品を得ることができない場合がある。
例えば、発泡成形品を作製すべく押出し発泡をさせた際には、気泡膜の張力不足による破泡が押出し発泡時に生じてしまう結果、緻密な発泡状態を有する発泡成形品を得ることが困難になったりしている。
このような問題の解決を図るべくポリプロピレン系樹脂を改質して溶融特性を調整する試みがなされており、種々のポリプロピレン系改質樹脂組成物に関する検討が行われている。
例えば、下記特許文献1においては、特定の酸素濃度に調節したガス雰囲気下にてポリプロピレン系樹脂に放射線を照射することによって、ポリプロピレン系樹脂の溶融時の粘度および張力を高める方法が記載されている。
この特許文献に記載の発明では、放射線を利用するために設備が大掛かりとなって、ポリプロピレン系改質樹脂組成物を簡便に得ることが難しいという問題を有する。
また、下記特許文献2においては、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系モノマー、硫黄含有化合物、及びフリーラジカル生成可能な化合物を溶融混練させることによって、得られるポリプロピレン系改質樹脂組成物の流れ特性を調整することが記載されている。
この特許文献に記載の発明では、ポリプロピレン系改質樹脂組成物が溶融混練によって作製されるため、放射線を利用する方法に比べて簡便な製造方法であるといえる。
しかし、この特許文献2記載の発明は、ポリプロピレン系改質樹脂組成物の溶融張力についての検討が十分にされたものとはいえないものである。
そのため、従来、簡便な方法で高い溶融張力を有するポリプロピレン系改質樹脂組成物を得ることが困難となっている。
また、そのことから、高い溶融張力を有しながらも簡便に製造することが可能なポリプロピレン系改質樹脂組成物を得ることが困難であるという問題を有している。
特開昭62−121704号公報 特開平9−31298号公報
上記のような問題点に鑑み、本発明は、簡便な方法で高い溶融張力を有するポリプロピレン系改質樹脂組成物を得る方法を提供し、ひいては、高い溶融張力を有しながらも簡便に製造することが可能なポリプロピレン系改質樹脂組成物の提供を図ることを課題としている。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、ポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法に係る本発明は、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系多官能モノマー、有機過酸化物、及び、下記式(1)で表されるチウラムスルフィド系化合物を含む混和物を溶融混練してポリプロピレン系改質樹脂組成物を製造するポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法であって、前記ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して前記アクリル系多官能モノマーが0.5質量部以上10質量部以下の割合で含有され、前記チウラムスルフィド系化合物が0.02質量部以上1.0質量部以下の割合で含有されており、前記有機過酸化物がパーオキシエステル系有機過酸化物であり、該パーオキシエステル系有機過酸化物が0.03質量部以上1.0質量部以下の割合で含有されている前記混和物を用いて230℃における溶融張力が2cN以上のポリプロピレン系改質樹脂組成物を製造することを特徴としている。
Figure 0005346823
(なお、式中のR1〜R4は、互いに同じか又は異なっていても良い1価の有機基、又は水素原子を表しており、R1とR2、R3とR4のいずれか一組又は両方が、ヘテロ原子を介して又は介さずに、互いに結合して環を形成させていてもよい。また、式中のxは2〜6の整数を表している。)
また、ポリプロピレン系改質樹脂組成物に係る本発明は、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系多官能モノマー、有機過酸化物、及び、下記式(1)で表されるチウラムスルフィド系化合物を含む混和物が溶融混練されてなるポリプロピレン系改質樹脂組成物であって、前記ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して前記アクリル系多官能モノマーが0.5質量部以上10質量部以下の割合で含有され、前記チウラムスルフィド系化合物が0.02質量部以上1.0質量部以下の割合で含有されており、前記有機過酸化物がパーオキシエステル系有機過酸化物であり、該パーオキシエステル系有機過酸化物が0.03質量部以上1.0質量部以下の割合で含有されている前記混和物によって作製され、230℃における溶融張力が2cN以上であることを特徴としている。
Figure 0005346823
(なお、式中のR1〜R4は、互いに同じか又は異なっていても良い1価の有機基、又は水素原子を表しており、R1とR2、R3とR4のいずれか一組又は両方が、ヘテロ原子を介して又は介さずに、互いに結合して環を形成させていてもよい。また、式中のxは2〜6の整数を表している。)
本発明においては、特定の有機過酸化物とチウラムスルフィド系化合物とアクリル系多モノマーをポリプロピレン系樹脂と反応させるため、高い溶融張力のポリプロピレン系改質樹脂組成物を得ることができる。
しかも、上記のような成分を溶融混練するという簡便な手段で反応させることができるため高い溶融張力のポリプロピレン系改質樹脂組成物を簡便に得ることができる。
本発明の実施の形態について説明する。
本発明のポリプロピレン系改質樹脂組成物を製造するのにあたっては、その出発物質として、a)ポリプロピレン系樹脂、b)アクリル系多官能モノマー、c)有機過酸化物、及び、d)チウラムスルフィド系化合物を用いる。
また、本発明のポリプロピレン系改質樹脂組成物には、上記の成分以外の各種のe)添加剤を適宜含有させることができる。
また、本発明のポリプロピレン系改質樹脂組成物は、その製造にあたっては、上記のような物質を含む混和物を溶融混練する方法が採用され、例えば、押出し機などで溶融混練されて2cN以上の溶融張力を有する状態となって作製され得る。
まず、本発明のポリプロピレン系改質樹脂組成物を構成するための出発物質について説明する。
a)ポリプロピレン系樹脂
前記ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されることなく、ホモポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられ、本実施形態のポリプロピレン系改質樹脂組成物を構成するための成分としては、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体が好ましい。
このプロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体又はブロック共重合体の何れであってもよいが、耐熱性に優れていることから、ブロック共重合体が好ましい。
なお、プロピレンとともに共重合体を構成する他のオレフィンとしては、例えば、エチレンの他に、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数が4〜10のα−オレフィンが挙げられる。
また、このポリプロピレン系樹脂としては、JIS K7210:1999のB法に準拠して試験温度230℃、荷重21.18Nで試験した際のメルトマスフローレイト(MFR)が0.2g/10分以上、15g/10分以下のものが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂のMFRがこのような範囲内であることが好ましいのは、MFRが上記下限値よりも低いと、押出し機などの溶融混練に利用する機器に過大な負荷が生じるおそれを有するためであり、一方でMFRが高い場合は、通常、溶融張力が低いため上記上限値を超えるMFRを有するポリプロピレン系樹脂を使用すると目的とする溶融張力をポリプロピレン系改質樹脂組成物に付与することが難しくなるためである。
このような観点から、ポリプロピレン系樹脂のMFRは、0.3g/10分以上、10g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上、5g/10分以下であることが特に好ましい。
なお、このようなポリプロピレン系樹脂は、単独、又は複数種類を混合して前記混和物に含有させることができる。
この内、2種以上のポリプロピレン系樹脂を用いる場合には、全体を含有量の割合(質量分率)によって算出した値を前記MFRとすることができる。
例えば、ポリプロピレン系樹脂がn種類のポリプロピレン系樹脂の混合物であるとした場合、それぞれポリプロピレン系樹脂のMFRを上記測定方法で測定し、得られたそれぞれのMFRの値を、第一のポリプロピレン系樹脂のMFRを“MFR1”、第二のポリプロピレン系樹脂のMFRを“MFR2”、・・・第nのポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトを“MFRn”とすると、全体を1としたときの第一のポリプロピレン系樹脂の質量分率を“C1”、第二のポリプロピレン系樹脂の質量分率を“C2”・・・第nのポリプロピレン系樹脂の質量分率を“Cn”として、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、次式のような相乗平均をすることによって算出される。

ポリプロピレン系樹脂のMFR(g/10分)
=(MFR1)C1×(MFR2)C2×・・・×(MFRn)Cn
(ただし、C1+C2+・・・Cn=1)
b)アクリル系多官能モノマー
前記アクリル系多官能モノマーは、架橋剤として作用するものであり、2官能以上のものであれば特に限定されずに本実施形態のポリプロピレン系改質樹脂組成物の出発物質として採用することができる。
特には3官能のものが好ましく、3官能のアクリル系モノマーとしては、具体的には、トリメチロールエタン・トリメタクリレート、トリメチロールエタン・トリアクリレート、トリメチロールプロパン・トリメタクリレート、トリメチロールプロパン・トリアクリレート、トリメチロールブタン・トリメタクリレート、トリメチロールブタン・トリアクリレート、トリメチロールエタノールトリメチロールブタン・トリメタクリレート、トリメチロールエタノールトリメチロールブタン・トリアクリレートなどが挙げられる。
中でもトリメチロールプロパントリメタクリレート、又は、トリメチロールプロパントリアクリレートが最も好ましい。
なお、このアクリル系多官能モノマーの前記混和物における配合量は、前記ポリプロピレン系樹脂(複数種の場合はその合計量)100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合とされる。
アクリル系多官能モノマーの配合量が上記のような範囲とされるのは、上記下限値未満では、ポリプロピレン系改質樹脂組成物に十分な溶融張力を付与することが難しくなるためであり、上記の上限値を超えて配合しても配合量に見合う溶融張力向上の効果が得られないばかりでなく未反応のアクリル系多官能モノマーによって臭気や発煙の問題が生じるおそれを有するためである。
したがって、臭気等の問題が発生することを抑制しつつ、より確実に優れた溶融張力をポリプロピレン系改質樹脂組成物に付与させ得る点において前記アクリル系多官能モノマーの配合量は、前記ポリプロピレン系樹脂(複数種の場合はその合計量)100質量部に対して1.0質量部以上5.0質量部以下の割合とされることが好ましい。
c)有機過酸化物
本実施形態においては、有機過酸化物としてパーオキシエステル系有機過酸化物を用いることが高い溶融張力を有するポリプロピレン系改質樹脂組成物を簡便に製造する上で重要である。
パーオキシエステル系有機化酸化物としては、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどが挙げられ、中でも一分間半減期温度が比較的高い2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンやt−ブチルパーオキシベンゾエートが好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせても良い。
前記混和物におけるこのパーオキシエステル系有機化酸化物の配合量は、通常、ポリプロピレン系樹脂100質量に対して0.03質量部以上、1.0質量部以下とされ、0.05質量部以上、0.5質量部以下とされることが好ましい。
なお、パーオキシエステル系のもの以外の有機過酸化物を用いた場合、溶融混練時におけるポリプロピレン系樹脂の分解が過度に生じ、溶融張力の向上に有効となる架橋構造を形成させることが困難となるおそれを有する。
有機過酸化物による架橋は、当該有機過酸化物が熱分解して生成したラジカルがポリマーからプロトンを引き抜く反応を起こすので、有機過酸化物による生成ラジカルが再結合してラジカルが消失したり、生成ラジカルがポリプロピレン系樹脂の分子鎖を切断し分子量低下を引き起こしたりする。
また、意図していない他の物質と反応すれば、架橋効率が極度に低下し、良好な架橋構造をポリプロピレン系改質樹脂組成物に付与することができなくなるおそれを有する。
したがって、生成ラジカルが再結合反応等を起こすよりも速く架橋剤などと反応し生成ラジカルを安定化させ架橋効率を高めることが重要である。
d)チウラムスルフィド系化合物
本実施形態において用いられるチウラムスルフィド系化合物は、下記式(1)のような構造を有するものである。
Figure 0005346823
(なお、式中のR1〜R4は、互いに同じか又は異なっていても良い1価の有機基、又は水素原子を表しており、R1とR2、R3とR4のいずれか一組又は両方が、ヘテロ原子を介して又は介さずに、互いに結合して環を形成させていてもよい。また、式中のxは2〜6の整数を表している。)
より具体的には、R1〜R4の具体例としては、炭素数が9個以下のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基が挙げられる。
また、これらのR1とR2、R3とR4のいずれか一組又は両方が、ヘテロ原子を介して、又は介さずに、環を形成していてもよい。
具体的な物質名を挙げると、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド等が挙げられる。
中でもテトラエチルチウラムジスルフィド、又は、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドがポリプロピレン系改質樹脂組成物の溶融張力を向上させる点において優れている。
このチウラムスルフィド系化合物の配合量は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.02質量部以上1.0質量部以下、好ましくは0.05〜0.5質量部とされる。
チウラムスルフィド系化合物の配合量に対してこのような範囲が設定されているのは、配合量が0.02質量部未満の場合には、得られるポリプロピレン系改質樹脂組成物の溶融張力が求める値とならないおそれを有し、一方で、1.0質量部を超える配合量とするとポリプロピレン系改質樹脂組成物に着色が見られたり、強い臭気を発生させたりするおそれを有するためである。
e)添加剤
本実施形態に係るポリプロピレン系改質樹脂組成物には、a)〜d)の成分以外に、各種添加剤を含有させることができる。
なお、この添加剤は、a)〜d)の成分を溶融混練する際に加えても良く、a)〜d)の成分を一旦溶融混練した後に改めて混合するようにしてもよい。
この添加剤の限定されない具体例としては、耐候性安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、顔料、染料、滑剤、すべり性付与及びアンチブロッキング性の付与を目的とした界面活性剤、無機充填材やその分散性の向上を目的とした高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル又は高級脂肪酸アミドなどが挙げられる。
次いで、これらの成分を用いてポリプロピレン系改質樹脂組成物を製造するポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法について説明する。
本実施形態に係るポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法においては、上記成分を押出し機を利用して溶融混練する方法が挙げられ、該押出し機に前記成分を連続的に供給して押出し機内で架橋反応をさせてポリプロピレン系改質樹脂組成物を形成させつつ、該押出し機から形成された前記ポリプロピレン系改質樹脂組成物を連続的に排出させる方法を採用することができる。
前記押出し機としては、単軸押出し機、二軸押出し機などを挙げることができ、これらは、単独、又は複数連結したタンデム型のものとしてポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造に利用することができる。
特に、ベース樹脂であるポリプロピレン系樹脂に対するその他の配合剤の分散性や反応性の観点から、二軸押出し機が好適である。
なお、ここでは詳述しないが、押出し機の温度設定や、押出し機内における平均滞留時間は、用いるスクリューのタイプや回転速度といった押出し条件は、適宜調整が可能であり、これらの条件を調整することによって得られるポリプロピレン系改質樹脂組成物の溶融張力を2cN以上(於230℃)となるように調整すればよい。
このポリプロピレン系改質樹脂組成物を、発泡成形品の原材料などに用いる際には、前記溶融張力は2〜20cNとすることが好ましく3〜15cNとすることが特に好ましい。
このように本発明によれば、押出し機などによる溶融混練という簡便な手段によって、発泡成形品の形成に適した高溶融張力のポリプロピレン系改質樹脂組成物を得ることができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、ホモポリプロピレン樹脂、商品名「PL500A」、MFR=3.3g/10分)100質量部に対して、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.15質量部、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド0.1質量部をリボンブレンダーにて攪拌混合したものを口径が30mmの二軸押出機(L/D=47)に供給し、液体注入ポンプを用いて二軸押出機の途中からトリメチロールプロパントリアクリレート3質量部を供給し、樹脂温度200℃、回転数120rpmにて二軸押出機中で溶融混練させ、第二押出機の先端に取り付けた口径4mm、ランド5mm、孔数2個のダイスから5kg/hの吐出量でストランド状に押出した。
次いで、30℃の水を収容した長さ2mの冷却水槽中を通過させて冷却したストランドをペレタイザーでカットしてポリプロピレン系改質樹脂組成物からなるペレットを得た。
このペレットを用いて、溶融張力を測定した結果を、表1に示す。
なお、溶融張力の測定は、下記のようにして実施した。
(溶融張力の測定)
チアスト社製ツインボアキャピラリーレオメーター(Rheologic5000T)の垂直方向に配された内径15mmのシリンダー内に試料となるポリプロピレン系改質樹脂組成物を収容させて、230℃の温度で5分間加熱して溶融させた後に、シリンダーの上部からピストンを挿入して、該ピストンで押出速度が0.0773/sの一定速度となるようにしてシリンダーの下端に設けたキャピラリー(ダイ径:2.095mm、ダイ長さ:8mm、流入角度:90度(コニカル))から溶融樹脂を紐状に押し出させた後、巻き取りロールを用いて巻き取らせた。
このときの巻き取り始めの初速を4mm/sとし、その後の加速を12mm/s2として徐々に巻き取り速度を速め、張力検出プーリーによって観察される張力が急激に低下した時の巻き取り速度を破断点速度とし、この破断点速度が観察されるまでの最大張力を溶融張力として測定した。
(実施例2〜7、比較例1〜7)
配合内容を表1に示す内容に変更した以外は実施例1と同様にポリプロピレン系改質樹脂組成物を製造し、実施例1と同様に溶融張力の測定を実施した。
結果を、表1に併せて示す。
Figure 0005346823
この表からも、パーオキシエステル系有機過酸化物であるt−ブチルパーオキシベンゾエート及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンを使用し、しかも、各成分を所定の割合で含有させることで2cNを超える高い溶融張力を有するポリプロピレン系改質樹脂組成物が溶融混練という簡便な手段で得られることがわかる。

Claims (5)

  1. ポリプロピレン系樹脂、アクリル系多官能モノマー、有機過酸化物、及び、下記式(1)で表されるチウラムスルフィド系化合物を含む混和物を溶融混練してポリプロピレン系改質樹脂組成物を製造するポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法であって、
    前記ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して前記アクリル系多官能モノマーが0.5質量部以上10質量部以下の割合で含有され、前記チウラムスルフィド系化合物が0.02質量部以上1.0質量部以下の割合で含有されており、前記有機過酸化物がパーオキシエステル系有機過酸化物であり、該パーオキシエステル系有機過酸化物が0.03質量部以上1.0質量部以下の割合で含有されている前記混和物を用いて230℃における溶融張力が2cN以上のポリプロピレン系改質樹脂組成物を製造することを特徴とするポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法。
    Figure 0005346823
    (なお、式中のR1〜R4は、互いに同じか又は異なっていても良い1価の有機基、又は水素原子を表しており、R1とR2、R3とR4のいずれか一組又は両方が、ヘテロ原子を介して又は介さずに、互いに結合して環を形成させていてもよい。また、式中のxは2〜6の整数を表している。)
  2. 前記アクリル系多官能モノマーが、トリメチロールプロパントリアクリレートである請求項1記載のポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記チウラムスルフィド系化合物が、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドである請求項1又は2記載のポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記パーオキシエステル系有機過酸化物が、t−ブチルパーオキシベンゾエートである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系改質樹脂組成物の製造方法。
  5. ポリプロピレン系樹脂、アクリル系多官能モノマー、有機過酸化物、及び、下記式(1)で表されるチウラムスルフィド系化合物を含む混和物が溶融混練されてなるポリプロピレン系改質樹脂組成物であって、
    前記ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して前記アクリル系多官能モノマーが0.5質量部以上10質量部以下の割合で含有され、前記チウラムスルフィド系化合物が0.02質量部以上1.0質量部以下の割合で含有されており、前記有機過酸化物がパーオキシエステル系有機過酸化物であり、該パーオキシエステル系有機過酸化物が0.03質量部以上1.0質量部以下の割合で含有されている前記混和物によって作製され、230℃における溶融張力が2cN以上であることを特徴とするポリプロピレン系改質樹脂組成物
    Figure 0005346823
    (なお、式中のR1〜R4は、互いに同じか又は異なっていても良い1価の有機基、又は水素原子を表しており、R1とR2、R3とR4のいずれか一組又は両方が、ヘテロ原子を介して又は介さずに、互いに結合して環を形成させていてもよい。また、式中のxは2〜6の整数を表している。)
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