JP5343746B2 - 継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents
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Description
このように、鋳造ままの素材で製管を行うと疵の発生が懸念される場合には、鋳造した素材を分塊圧延して機械的にポロシティを圧着させ、鋳片にポロシティが存在していてもその影響を製管時に発生させないようにしていた。
例えば、特許文献1には、連続鋳造中の鋳片を、鋳片中心部の固相率fsがO.5〜0.9の位置で、鍛造による総圧下量δが、当該鍛造位置における未凝固厚みdの0.5倍以上、つまり、δ/d≧0.5となるように連続鍛造による大圧下を施しながら鋳造する技術が開示されている。この技術は、連続鋳造時に圧下力を付与しており、圧下のための加熱は必要とせず、しかも、ポロシティの圧下については優れた技術であるが、設備費が高額であるという問題がある。また、一般の炭素鋼などの圧下不要の鋳片に対しても設備費の負担がかかってくるため、現実的でない。
即ち、丸鋳片に対して、板状鋳片を圧下するために用いるような、鋳片の移送方向に対し垂直な断面の断面形状が矩形である平型ロールにより圧下を加えると、ロールに接触した部分は平面化し、他方、ロールに接触していない部分は膨らみ、丸鋳片の断面形状は偏平化し、更には角形に近づく。このような鋳片を穿孔して継目無鋼管とすると、偏肉が発生する場合が多くなる。しかも、このような圧下により、鋳片断面内で圧下方向と直交する方向に引張応力が発生することで、割れが発生しやすくなる。また、ポロシティの圧着効果を高めるために圧下量を大きくすれば、断面形状は更に真円から遠ざかり、その結果、継目無鋼管の偏肉が大きくなって所望の規格を外れる恐れが高くなるとともに、割れの発生率が高くなり、更には、継目無鋼管用素材として使用する際に、丸鋳片を転動して行う搬送ができなくなったり、また穿孔時の噛込み不安定になったりするなどの重大な問題が発生する。
特許文献4に記載された方法は圧下後の鋳片形状の問題を解決しているが、記載される実施例から判断すると、所望する鋳片直径に対し、10%を超える、いわば強圧下を施しても、直径10mm以上のポロシティが残存し、鋳片段階におけるポロシティの低減効果は認められるものの、製管工程での疵抑制効果は疑問であり、その効果は小さいと言わざるを得ない。また、圧下量を大きくするためには、楕円形鋳型の長径と短径との差を大きくする必要があり、その場合には、鋳造時の鋳型内湯流れが真円断面の鋳型(円形鋳型)を用いた場合に比較して不均一になり、それに起因する湯面変動やモールドパウダーの巻き込みが、新たな欠陥の原因になる。また、必要な圧下量に対応して鋳型を数多く準備する必要があること、及び、内部品質に問題の無い鋼種の場合も圧下をかけることになり、コストが上昇することなどの問題もある。
即ち、合金成分を多く含む継目無鋼管用の丸鋳片の製造方法においては、軽圧下を行うことなく内質を改善することはほぼ不可能である一方、軽圧下そのものの実施により真円形状から遠ざかることに起因して生ずる製管工程での損失が大きく、それ故、所望する圧下量での軽圧下を行うことができず、その結果、内質が良く、製管に好適な丸鋳片を得ることは困難であるという問題があった。
(1)円形鋳型による連続鋳造中の丸鋳片に、該丸鋳片の凝固完了前に、一対の圧下ロールにより圧下を加え、次いで、丸鋳片を切断して継目無鋼管用丸鋳片を製造するに当たり、前記一対の圧下ロールとして、カリバー底の開き角度δが75°以上105°以下であり、且つ、前記丸鋳片と対向する部位に、丸鋳片と接触する突起を有する鞍型ロールを使用することを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
(3)(1)において、前記突起が、ロール円周方向に離散的に分布した複数の突起であることを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記突起が、前記鞍型ロールの軸方向断面における断面形状が円弧であり、該円弧の半径Rが、
R=0.20D〜0.50D
(ここで、R:突条断面の円弧半径(mm)、D:丸鋳片直径(mm))
を満足することを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
(6)(5)において、前記複数の突起を、該複数の突起のうち隣り合う突起同士の端部間の間隔が、前記鞍型ロールの円周方向の投影長さで、零を含み、前記鞍型ロールと前記丸鋳片との接触長さ未満となるように、設けることを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
(8)(1)ないし(7)のいずれかにおいて、前記圧下を、前記丸鋳片の軸芯部での固相率fsが0.3〜0.85である時期に、次式
面積減少率(%)={1−(圧下後の丸鋳片の断面積)/(圧下前の丸鋳片の断面積)}×100
で定義される面積減少率が1〜5%の範囲となる圧下とすることを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
タンディッシュ2から、浸漬ノズル3を介して円形鋳型4に注入された溶鋼8は、円形鋳型4の内壁に接触して冷却され、円形鋳型4との接触部に円形の凝固シェル10を形成する。そして、この凝固シェル10を外殻とし、内部に未凝固層11を有する丸鋳片9は、鋳片支持ロ一ル5のうちのピンチロールによって円形鋳型4から引き抜かれ、鋳片支持ロール5で支持されながら二次冷却帯で冷却される。二次冷却帯での冷却により、凝固シェル10の厚みが増大し、やがて軸芯部までの凝固を完了する。軸芯部までの凝固を完了した丸鋳片9は、鋳片切断機(図示せず)によって所定の長さに切断され、継目無鋼管用丸鋳片とされる。なお、図1には示されていないが、丸鋳片9の軸芯部の品質を向上させるために、円形鋳型4或いは円形鋳型直下の二次冷却帯に電磁撹拌装置を配置してもよい。この電磁撹拌装置により、未凝固層11が強制的に撹拌され、等軸晶を形成して、軸芯部のポロシティ及び偏析が改善される。
本発明では、使用する一対の圧下ロール6,6を、カリバー底の開き角度δが75°以上105°以下であり、且つ、丸鋳片と対向する部位に、丸鋳片と接触する突起13を有する一対の鞍型ロール6a,6aとする。
R=0.20D〜0.50D
(ここで、R:突条断面の円弧半径(mm)、D:丸鋳片直径(mm))
を満足する範囲とすることが好ましい。円弧の半径Rが、丸鋳片直径Dの0.20未満では、突起が鋭利な断面形状を呈し、突起による丸鋳片のへこみが製管後の疵となる恐れがある。一方、円弧の半径Rが、丸鋳片直径Dの0.50を超えて大きくなると、鞍型ロール6aの限られた領域に設置することが難しくなるとともに、突起を設置する効果が小さくなりすぎ、実質的に突起を設置する意味がなくなる。このようなことから、突起13のロール軸方向断面の断面形状を円弧状とした場合の、円弧の半径Rは、丸鋳片の直径Dとの関係で、0.20D以上0.50D以下の範囲に限定することが好ましい。なお、円弧の中心点はロール表面上としてもロール表面より下の領域としてもよい。
A/Bが0.2未満では、丸鋳片の範囲が狭く、鞍型ロールの圧下力を効果的に丸鋳片の軸芯部に伝達することが難しくなる。また、突起により鋳片表面に凹みが発生しやすくなる。また、A/Bが1を超えて大きくなると、突起の幅が大きくなりすぎて、鞍型ロールの圧下力を効果的に丸鋳片の軸芯部に伝達しにくくなる。このため、ロール円周方向に離散的に分布した複数の突起13bにおける突起の底面の、ロール円周方向長さBと、ロール軸方向長さAとの比、A/Bを0.2以上1以下とすることが好ましい。
完全凝固状態がfs:1.0であり、未凝固状態がfs:0である。
圧下位置における鋳片の固相率fsが0.3未満では、凝固があまり進行しておらず、その後の凝固過程でさらにポロシティが発生するため、軸芯部への圧下効果が不十分となる。一方、固相率fsが0.85を超えると、未凝固層として残留する溶湯の流動性が低下するうえ、鋳片の温度も低下し、丸鋳片の軸芯部への圧下効果が低下する。このようなことから、圧下ロールによる圧下は、fsが0.3〜0.85である時期に行うことが好ましい。なお、完了凝固後に丸鋳片に圧下を加えても、わずかではあるが軸芯部への圧下効果はあるが、鋳片の軸芯部に割れを生じる恐れがある。
面積減少率(%)={1−(圧下後の丸鋳片の断面積)/(圧下前の丸鋳片の断面積)}×100
で定義される値を使用するものとする。
以上のように、本発明によれば、従来は困難であった、Cr含有鋼などの難加工性鋼種の連続鋳造による継目無鋼管用丸鋳片の製造が、連続鋳造設備に大きな変更を加えることなく実現される。そして、丸鋳片9の断面形状を損ねることなく、内部品質の大幅に改善された丸鋳片が製造可能になることにより、Cr含有鋼などの継目無鋼管の製造コストが低減可能となる。
(実施例1)
[試験鋳造1]
図1に示すビレット連続鋳造機を利用し、圧下ロール6,6として、表1に示すカリバー底の角度δを変更した各種形状の一対の鞍型ロール6a,6aを使用し、表1に示す固相率(0.4〜0.6)の位置で、丸鋳片9に、面積減少率で2%の圧下を施し、丸鋳片を製造した。圧下位置での固相率は、凝固・伝熱計算により算出された鋳片温度を用いて算出した値を使用した。
得られた丸鋳片について、ポロシティの面積、軸芯割れを測定し、軸芯部の性状を評価した。評価方法は次のとおりとした。
ポロシティ面積率(%)=(ポロシティの面積)/(丸鋳片断面積)×100
得られたポロシティ面積率(%)を指標にし、評点1〜5の5段階で評価した。ポロシティ面積率が0.3%超えは評点1、ポロシティ面積率が0.3%以下0.15%超えは評点2、ポロシティ面積率が0.15%以下0.1%超えは評点3、ポロシティ面積率が0.1%以下0.025%超えは評点4、ポロシティ面積率が0.025%以下は評点5、とした。評点が高いほどポロシティの残存程度が低いことになる。
得られた軸芯割れの長さ合計を指標として、5段階で評価した。割れ長さ合計が50mm超えの場合を評点1、50mm以下15mm超えの場合を評点2、15mm以下5mm超えの場合を評点3、5mm以下1mm超えの場合を評点4、1mm以下の場合を評点5、とした。評点が高いほど軸芯割れの程度が低いことになる。
またさらに、上記したような軸芯部内部性状を有する、丸鋳片(外径:210mmφ)を素材(継目無鋼管素材)とし、通常のマンネスマン穿孔方式の製管法により、継目無鋼管(外径177.8mmφ×肉厚12mm)を得た。得られた各鋼管について全長に亘り、内面を目視および超音波探傷法で検査し、内面疵の発生の有無を調査した。そして、内面疵の発生した鋼管の全数に対する割合を、内面疵発生率(%)と定義し、算出した。
[試験鋳造2]
試験鋳造1と同様に、図1に示すビレット連続鋳造機を利用し、圧下ロール6,6として、カリバー底の角度δが90°で、ロール円周方向に連続する突条13aを1条、設置した、一対の鞍型ロール6a,6aを使用し、表2に示すように、固相率fsが0.2〜1.0の範囲内の各位置で、丸鋳片9に、面積減少率で3%の圧下を施し、丸鋳片を製造した。なお、対象とした丸鋳片は、試験鋳造1と同様に、Crを13質量%含有するCr含有鋼製であり、圧下前の直径Dは210mmであった。また、突条(突起)の設置位置は、図3に示すような位置とし、試験鋳造1と同様とした。なお、設置した突条は、ロール軸方向断面の断面形状が円弧状(半径R:70mm)の突条(R/D:0.33)とした。
またさらに、試験鋳造1と同様に、得られた丸鋳片を用いて製管し、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を製造した。得られた各鋼管について内面を検査し、試験鋳造1と同様に、内面疵発生率(%)を算出し、製管評点を求めた。なお、製管後の外面についても、目視で観察し、外面疵の有無を調査した。
[試験鋳造3]
試験鋳造1と同様に、図1に示すビレット連続鋳造機を利用し、圧下ロール6,6として、カリバー底の角度δが90°で、ロール円周方向に連続する突条13aを1条、設置した、一対の鞍型ロール6a,6aを使用し、表3に示すように、固相率fsが0.4〜0.6の位置で、丸鋳片9に、面積減少率で2%の圧下を施し、丸鋳片を製造した。なお、対象とした丸鋳片は、試験鋳造1と同様に、Crを13質量%含有するCr含有鋼製であり、圧下前の直径Dは210mmであった。また、突条(突起)の設置位置は、図3に示すような位置とし、試験鋳造1と同様とした。なお、設置した突条は、ロール軸方向断面の断面形状が円弧状とし、円弧の半径Rを種々変化させ、表3に示すように、R/Dが0.10〜0.65の範囲に変化させた突条とした。
またさらに、試験鋳造1と同様に、得られた丸鋳片を用いて製管し、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を製造した。得られた各鋼管について内面を検査し、試験鋳造1と同様に、内面疵発生率(%)を算出し、製管評点を求めた。なお、製管後の管外面についても、目視で観察し、外面疵の有無を調査した。
なお、R/Dが0.10となる、突起の断面形状が本発明の好適範囲を低く外れる試験No.22(本発明例)では、ポロシティ評点が3、軸芯割れ評点が3で内部品質が若干低下し、製管評点が3となっており、突起による鋳片凹みに起因する、管の外面疵の発生が認められた。また、R/Dが0.65となり、突起の断面形状が本発明の好適範囲を高く外れる試験No.26(本発明例)では、圧下効果が若干不足し、ポロシティ評点が3、軸芯割れ評点が3で内部品質が若干低下し、製管評点が3となっているが、管の外面疵の発生は認められなかった。
[試験鋳造4]
試験鋳造1と同様に、図1に示すビレット連続鋳造機を利用し、圧下ロール6,6として、カリバー底の角度δが90°で、ロール円周方向に連続する突条13aを1条、設置した、一対の鞍型ロール6a,6aを使用し、表4に示すように、固相率fsが0.4〜0.6の位置で、丸鋳片9に、面積減少率で2%の圧下を施し、丸鋳片を製造した。なお、突条(突起)の設置位置は、試験鋳造1と同様に、図3に示す位置とした。なお、設置した突条は、ロール軸方向断面の断面形状が円弧状とし、円弧の半径Rを50mmとした(R/D:0.24)。なお、比較例として、圧下なしの場合も行った。
得られた丸鋳片について、試験鋳造1と同様に、ポロシティ面積率、軸芯割れ長さを測定し、ポロシティ評点、軸芯割れ評点を求めた。
またさらに、試験鋳造1と同様に、得られた丸鋳片を用いて製管し、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を製造した。得られた各鋼管について内面を検査し、試験鋳造1と同様に、内面疵発生率(%)を算出し、製管評点を求めた。
(実施例2)
実施例1に加えてさらに、丸鋳片の内部性状に及ぼす突起形状の影響を、ロール円周方向に離散的に分布した複数の突起を設置した鞍型ロールを用いて行った。
[試験鋳造2−1]
(実施例1)の[試験鋳造−1]と同様に、図1に示すビレット連続鋳造機を利用し、圧下ロール6,6として、表5に示すカリバー底の角度δ、突起形状を有する一対の鞍型ロール6a,6aを使用し、表5に示す固相率fsの位置で、丸鋳片9に、表5に示す面積減少率で圧下を施し、丸鋳片(圧下前の直径D:210mmφ)を製造した。なお、圧下位置での固相率は、凝固・伝熱計算により算出された鋳片温度を用いて算出した値を使用した。また、使用した鞍型ロール6aは、図3に示すような位置に、図6(c)示すようなロール円周方向に離散的に分布した複数の突起13bを、隣り合う列間で千鳥状となるように2列設置したロールとした。突起の形状は、図6(b)に示すように、ロール軸方向断面で円弧状(半径R)を呈し、ロール円周方向でロール表面に沿った長さBとロール表面に沿った長さAとの比、A/Bが0.50となる形状を有し、隣り合う突起の端部間の間隔Lがロール円周方向断面への投影面で隣り合う列間では零となるようにした。
またさらに、得られた丸鋳片(外径:210mmφ)を素材(継目無鋼管素材)とし、通常のマンネスマン穿孔方式の製管法により、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を得た。実施例1と同様に、得られた各鋼管の全長に亘り検査し、内面疵の発生の有無および内面疵発生率を求めた。得られた内面疵発生率に基づき、実施例1と同様に、5段階で評価し、製管結果とした。
得られた結果を表5に示す。
[試験鋳造2−2]
[試験鋳造2−1]と同様に、図1に示すビレット連続鋳造機を利用し、圧下ロール6,6として、表6に示すカリバー底の角度δ、突起形状を有する一対の鞍型ロール6a,6aを使用し、表6に示す固相率fsの位置で、丸鋳片9に、表6に示す面積減少率で圧下を施し、丸鋳片(圧下前の直径D:210mmφ)を製造した。なお、対象とした丸鋳片は、Crを13質量%含有するCr含有鋼製である。圧下位置での固相率は、凝固・伝熱計算により算出された鋳片温度を用いて算出した値を使用した。
またさらに、[試験鋳造2−1]と同様に、得られた丸鋳片(外径:210mmφ)を素材(継目無鋼管素材)として製管し、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を得た。実施例1と同様に、得られた各鋼管の全長に亘り検査し、内面疵の発生の有無および内面疵発生率を求めた。得られた内面疵発生率に基づき、実施例1と同様に、5段階で評価し、製管結果とした。また、製管後の外面についても、目視で観察し、外面疵の有無を調査した。
[試験鋳造2−3]
[試験鋳造2−1]と同様に、図1に示すビレット連続鋳造機を利用し、圧下ロール6,6として、カリバー底の角度δが90°で、表7に示すカリバー底の角度δ、突起形状を有する一対の鞍型ロール6a,6aを使用し、表7に示す固相率fsの位置で、丸鋳片9に、表7に示す面積減少率で圧下を施し、丸鋳片(圧下前の直径D:210mmφ)を製造した。なお、圧下位置での固相率は、凝固・伝熱計算により算出された鋳片温度を用いて算出した値を使用した。また、使用した鞍型ロール6aは、図3に示すような位置に、図6(c)示すようなロール円周方向に離散的に分布した複数の突起13bを、隣り合う列間で千鳥状となるように2列、設置したロールとした。突起の形状は、図6(b)に示すように、ロール軸方向断面で円弧状(半径R)を呈し、ロール円周方向でロール表面に沿った長さBとロール表面に沿った長さAとの比、A/Bを0.10〜1.50に変化した形状とした。なお、Bは接触弧長の最大値とした。また、隣り合う突起の端部間の間隔Lはロール円周方向断面への投影面で隣り合う列間で零となるようにした。
またさらに、得られた丸鋳片(外径:210mmφ)を素材(継目無鋼管素材)とし、[試験鋳造2−1]と同様に製管し、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を得た。実施例1と同様に、得られた各鋼管の全長に亘り検査し、内面疵の発生の有無および内面疵発生率を求めた。得られた内面疵発生率に基づき、[試験鋳造2−1]と同様に、5段階で評価し、製管結果とした。また、製管後の外面についても、目視で観察し、外面疵の有無を調査した。
得られた結果を表7に示す。
[試験鋳造2−4]
[試験鋳造2−1]と同様に、図1に示すビレット連続鋳造機を利用し、圧下ロール6,6として、表8に示すカリバー底の角度δ、突起形状を有する一対の鞍型ロール6a,6aを使用し、表8に示す固相率fsの位置で、丸鋳片9に、表8に示す面積減少率で圧下を施し、丸鋳片(圧下前の直径D:210mmφ)を製造した。なお、圧下位置での固相率は、凝固・伝熱計算により算出された鋳片温度を用いて算出した値を使用した。
またさらに、得られた丸鋳片(外径:210mmφ)を素材(継目無鋼管素材)として製管し、継目無鋼管(大きさ:外径177.8mmφ×肉厚12mm)を得た。[試験鋳造2−1]と同様に、得られた各鋼管の全長に亘り検査し、内面疵の発生の有無および内面疵発生率を求めた。得られた内面疵発生率に基づき、[試験鋳造2−1]と同様に、5段階で評価し、製管結果とした。
得られた結果を表8に示す。
一般の炭素鋼の場合には、圧下なしでもポロシティ面積が0〜数mm2と小さく、本発明を適用した場合はもちろん、本発明を適用することなく、製管評点は3以上であり、製管成績は良好である。一方、1%Cr鋼では、圧下なしではポロシティ面積が数十〜100 mm2程度と、切断位置でばらつくが、本発明を適用することにより、炭素鋼並みの数mm2程度までポロシティ面積を低減することができ、製管評点も4と、向上している。さらに、13%Cr鋼では、圧下なしでは100 mm2程度以上のポロシティが切断位置に係らず観察されるが、本発明を適用することにより、大幅にポロシティ面積を低減することができ、製管評点も3と向上し、製管成績は良好である。
2 タンディッシュ
3 浸漬ノズル
4 円形鋳型
5 鋳片支持ロール
6、 圧下ロール
6a、6b 圧下ロール(鞍型ロール)
6c 圧下ロール(平型ロール)
7 油圧シリンダー
8 溶鋼
9 丸鋳片
10 凝固シェル
11 未凝固層
12 鞍型ロール
13、13a、13b 突起
Claims (9)
- 円形鋳型による連続鋳造中の丸鋳片に、該丸鋳片の凝固完了前に、一対の圧下ロールにより圧下を加え、次いで、丸鋳片を切断して継目無鋼管用丸鋳片を製造するに当たり、前記一対の圧下ロールとして、カリバー底の開き角度δが75°以上105°以下であり、且つ、前記丸鋳片と対向する部位に、丸鋳片と接触する突起を有する鞍型ロールを使用することを特徴とする継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
- 前記突起が、少なくとも1条のロール円周方向に連続する突条であることを特徴とする請求項1に記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
- 前記突起が、ロール円周方向に離散的に分布した複数の突起であることを特徴とする請求項1に記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
- 前記突起が、前記鞍型ロールの軸方向断面における断面形状が円弧であり、該円弧の半径Rが、
R=0.20D〜0.50D
(ここで、R:突起断面の円弧半径(mm)、D:丸鋳片直径(mm))
を満足することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。 - 前記複数の突起が、該突起の、ロール円周方向の底面長さBとロール軸方向の底面長さAとの比、A/Bが0.2〜1であることを特徴とする請求項3に記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
- 前記複数の突起を、該複数の突起のうち隣り合う突起同士の端部間の間隔が、前記鞍型ロールの円周方向への投影長さで、零を含み、前記鞍型ロールと前記丸鋳片との接触長さ未満となるように、設けることを特徴とする請求項5に記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
- 前記複数の突起を、該複数の突起の前記鞍型ロールの円周方向における底面長さBが、前記鞍型ロールと前記丸鋳片との接触長さの1/2以上である突起とすることを特徴とする請求項5または6に記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
- 前記圧下を、前記丸鋳片の軸芯部での固相率fsが0.3〜0.85である時期に、次式
面積減少率(%)={1−(圧下後の丸鋳片の断面積)/(圧下前の丸鋳片の断面積)}×100
で定義される面積減少率が1〜5%の範囲となる圧下とすることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。 - 前記丸鋳片が、0.5質量%以上のCrを含有するCr含有鋼製であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の継目無鋼管用丸鋳片の連続鋳造方法。
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