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JP5337033B2 - 異種タンパク質の製造方法 - Google Patents

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JP5337033B2 JP2009526472A JP2009526472A JP5337033B2 JP 5337033 B2 JP5337033 B2 JP 5337033B2 JP 2009526472 A JP2009526472 A JP 2009526472A JP 2009526472 A JP2009526472 A JP 2009526472A JP 5337033 B2 JP5337033 B2 JP 5337033B2
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Description

本発明は、異種タンパク質の製造方法に関し、より詳細には、アラニンアミノトランスフェラーゼを強発現する細胞を用いてポリペプチドを製造する方法に関する。
遺伝子組換え技術を用いて、医薬として有用なタンパク質を生産する際に、動物細胞を用いると、原核細胞が行い得ないような複雑な翻訳後修飾やフォールディングが可能となるため、動物細胞は組換えタンパク質生産のための宿主細胞として多用されてきている。
近年、抗体や生理活性タンパク質などの多くのバイオ医薬品が輩出されているが、組換えタンパク質を効率よく動物細胞に生産させる技術は、バイオ医薬品の低コスト化につながり、患者への安定な供給を約束するものである。
従って、より生産効率の高いタンパク質の製造方法が望まれている。
アラニンは、蛋白質構成アミノ酸のひとつで、非必須アミノ酸である。生体内では、ピルビン酸にグルタミン酸のアミノ基が転移することにより生合成される。また、逆反応で分解する。
アラニンの分解酵素としては、アラニンアミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.2.)(非特許文献1)が知られているが、この酵素は、アラニンのアミノ基を2-オキソグルタル酸に転移させ、グルタミン酸を生成させる。アラニンアミノトランスフェラーゼはグルタミン酸-ピルビン酸トランスアミナーゼとも呼ばれ、GPTと略称される(非特許文献2)。GPTはGOT(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)とともに、肝臓の中に含まれる酵素であり、肝臓の細胞が破壊されると血液中に放出されるため、GPTとGOTが異常高値を示す場合は肝臓になんらかの障害があると診断される。
このように、アラニンアミノトランスフェラーゼは肝機能のマーカーとして利用されているが、アラニンアミノトランスフェラーゼを強発現させたCHO細胞などの宿主細胞がどのような挙動を示すのかについては知られていない。
Sanjay B. J., et. al., Hepatology (2004) 39(5), 1297-1302 Melanie M. S., et. al., Genomics (1997) 40, 247-252
本発明は、天然型タンパク質又は組換えタンパク質を高い生産量で製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意努力した結果、アラニンアミノトランスフェラーゼ(以下、「ALT」と記すこともある)を強発現する細胞を用いることによって、所望のポリペプチドの生産量を増加させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。さらに、ALTとタウリントランスポーターを共発現する細胞を用いることによって、所望のポリペプチドの生産量をさらに増加させることができた。細胞培養において、アラニンは経時的に多量に産生されるため、細胞内で蓄積したアラニンは、培地中へ分泌される。ALT強発現により、アラニンからピルビン酸やグルタミン酸を生合成する反応を促進できれば、TCA回路での代謝や、糖新生によるグルコース生成に利用されて、細胞の培養挙動が改善し、所望のポリペプチドの高生産が期待される。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)アラニンアミノトランスフェラーゼを強発現し、且つ所望のポリペプチドをコードするDNAを導入した細胞を培養し、所望のポリペプチドを産生させることを含む、ポリペプチドの製造方法。
(2)アラニンアミノトランスフェラーゼを強発現する細胞が、アラニンアミノトランスフェラーゼをコードするDNAを導入した細胞である(1)記載の製造方法。
(3)アラニンアミノトランスフェラーゼを強発現する細胞がさらにタウリントランスポーターを強発現する(1)又は(2)記載の製造方法。
(4)タウリントランスポーターを強発現する細胞が、タウリントランスポーターをコードするDNAを導入した細胞である(3)記載の製造方法。
(5)細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である(2)又は(4)記載の製造方法。
(6)所望のポリペプチドが抗体である(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)アラニンアミノトランスフェラーゼをコードするDNAが以下の(a)〜(e)のいずれかである(2)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(a) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNA
(b) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加又は/及び挿入されたアミノ酸配列を有し、かつアラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(c) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有し、かつアラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(d) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59の塩基配列を有するDNA
(e) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59の塩基配列を有するDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の方法で製造されたポリペプチドを含有する医薬品を製造する方法。
(9)アラニンアミノトランスフェラーゼをコードするDNAと所望のポリペプチドをコードするDNAが導入されている細胞。
(10)さらにタウリントランスポーターをコードするDNAが導入されている(9)記載の細胞。
(11)アラニンアミノトランスフェラーゼをコードするDNAとタウリントランスポーターをコードするDNAが導入されている細胞。
(12)アラニンアミノトランスフェラーゼを強発現し、且つ所望のポリペプチドをコードするDNAを導入した細胞を、α−ケトグルタル酸を含有する培地で培養し、所望のポリペプチドを産生させることを含む、ポリペプチドの製造方法。
本発明により、所望のポリペプチドの生産量を増加させることができるようになった。
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願、特願2007‐205158の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
図1は、ヒト ALT1(496アミノ酸)を発現させたPuromycin選抜用のプラスミドである。 図2は、ヒト ALT1(496アミノ酸)を発現させたHygromycin選抜用のプラスミドである。 図3は、50mlシェーカーフラスコ流加培養17日目における抗グリピカン-3抗体産生量プロットである。 pPur-ALT1導入細胞(n=4)の抗グリピカン-3抗体産生量は、pPur導入細胞(n=3)に対して優位であった(P<0.01)。 図4は、ALT1発現株であるA72およびコントロール株P41の1L Jar流加培養における抗体産生量を示すグラフである。培養19日目におけるA72の抗グリピカン-3抗体産生量は 2.9g/Lであり、P41よりも高かった。 図5は、ALT1発現株であるA72およびコントロール株P41の生存率を示すグラフである。培養後期におけるA72の生存率はP41よりも高かった。 図6は、50mlシェーカーフラスコ流加培養4日目における抗グリピカン-3抗体産生量プロットである。 pHyg-TauT/pPur-ALT1共導入細胞(n=6)の抗グリピカン-3抗体産生量は、pHyg-TauT/pPur共導入細胞(n=8)に対して優位であった(P<0.01)。 図7は、TauT/ALT1共発現株であるTA41の1L Jar流加培養の抗体産生量を示すグラフである。培養21日目における抗グリピカン-3抗体産生量は 5.3g/Lであった。 図8は、クローニングされたCHO細胞由来ハムスタータウリントランスポーター遺伝子の塩基配列およびアミノ酸配列を示す。 図9は、新規にクローニングしたCHO細胞由来タウリントランスポーター膜トポロジーである。 図10は、Hamster TauT(622アミノ酸)を発現させたプラスミドである。 図11は、50mlシェーカーフラスコバッチ培養7日目における生細胞密度プロットである。pHyg/TauT導入細胞の生細胞密度は、pHyg導入細胞に対して優位であった。 図12は、50mlシェーカーフラスコバッチ培養7日目における乳酸産生量プロットである。pHyg/TauT導入細胞は低乳酸産生であり、pHyg導入細胞に対して優位であった。 図13は、50mlシェーカーフラスコバッチ培養7日目における抗グリピカン-3抗体産生量プロットである。pHyg/TauT導入細胞の7株中4株は、pHyg導入細胞の最高値以上の抗体産生量を有していた。 図14は、50mlシェーカーフラスコ流加培養7日目における抗グリピカン-3抗体産生量プロットである。 pHyg/TauT導入細胞の抗グリピカン-3抗体は、pHyg導入細胞に対して優位であった。 図15は、増殖能の高かったpHyg/TauT導入細胞であるT10の1L ジャーによる流加培養における生存率を示すグラフである。T10の生存率は培養32日目においても80%以上であった。 図16は、静置培養での拡大過程で増殖能の高かったpHyg/TauT導入細胞であるT10の1L ジャーによる流加培養における抗体産生量を示すグラフである。培養35日目における抗グリピカン-3抗体産生量は 2.9g/Lであった。 図17は、TauT導入T10細胞が細胞膜上にTauT分子を発現していることを示すフローサイトメトリー分析の結果である。 図18は、1Lジャー流加培養中の細胞内アンモニア含量(濃度比)を示すグラフである。親株にたいして、pHyg/TauT導入株のアンモニア抑制は顕著であった。 図19は、培地中のタウリン濃度に依存してタウリンが細胞内に取り込まれていることを示すグラフである。タウリンの取り込み量は、pHyg/TauT導入株と親株で差はみられなかった。 図20は、培地中のグルタミン消費を示すグラフである。pHyg/TauT導入株は親株にたいして、培地中のタウリン濃度に依存せずに細胞あたりのグルタミン消費量が顕著に高かった。 図21は、pHyg/TauT導入株の抗グリピカン-3抗体産生量が、培養開始時の培地中のタウリン濃度に依存することなく、同程度であることを示すグラフである。 図22は、TauT/ALT共発現株TA41のシェーカーfed-batch培養14日目の抗グリピカン-3抗体産生量を示す。α-ケトグルタル酸添加により抗体産生量が増加した。
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
本発明は、ALTを強発現し、且つ所望のポリペプチドをコードするDNAを導入した細胞を培養し、所望のポリペプチドを産生させることを含む、ポリペプチドの製造方法を提供する。
本発明の方法において、細胞は、所望のポリペプチドを産生できる天然の細胞であっても、所望のポリペプチドをコードするDNAを導入した形質転換細胞であってもよいが、所望のポリペプチドをコードするDNAを導入した形質転換細胞が好ましい。
本発明の方法において、所望のポリペプチドは特に限定されず、抗体(例えば、抗IL-6レセプター抗体、抗IL-6抗体、抗グリピカン-3抗体、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗GPIIb/IIIa抗体、抗TNF抗体、抗CD25抗体、抗EGFR抗体、抗Her2/neu抗体、抗RSV抗体、抗CD33抗体、抗CD52抗体、抗IgE抗体、抗CD11a抗体、抗VEGF抗体、抗VLA4抗体など)や生理活性タンパク質(顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、エリスロポエチン、インターフェロン、IL-1やIL-6等のインターロイキン、t-PA、ウロキナーゼ、血清アルブミン、血液凝固因子、PTHなど)など如何なるポリペプチドでもよいが、特に抗体が好ましい。抗体は、天然抗体、Fab、scFv、sc(Fv)2などの低分子化抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体などの如何なる抗体であってもよい。
ALTを強発現する細胞を用いることにより、細胞によるポリペプチドの産生量を増加させることができる。
ALTは、本来、アラニンのアミノ基を2-オキソグルタル酸に転移させ、グルタミン酸を生成させる酵素として知られている。本発明者らは、CHO細胞などの宿主細胞内で強発現させることにより、アラニンからピルビン酸やグルタミン酸を生合成する反応を促進できれば、TCA回路での代謝や、糖新生によるグルコース生成に利用されて、細胞の培養挙動が改善し、所望のポリペプチドの高生産が期待されると考えた。
ALTを強発現する細胞は、天然の細胞と比較してALTの発現量が増加している細胞であれば特に限定されない。天然の細胞は特に限定されないが、例えばCHO細胞など組換えタンパク質を製造する際に宿主として用いられている細胞を挙げることができる。
ALTを強発現する細胞としては、例えば、ALT遺伝子が人為的に導入された細胞を挙げることができる。ALT遺伝子が人為的に導入された細胞は当業者に公知の方法により作製することが可能であり、例えば、ALT遺伝子をベクターに組込み、該ベクターを細胞に形質転換することにより作製することが可能である。さらに、本明細書では遺伝子活性化技術(例えば、国際公開第WO94/12650号パンフレット参照)により内因性ALT遺伝子が活性化され、その結果、ALTが強発現した細胞もALT遺伝子が人為的に導入された細胞に包含される。
細胞に強発現させるALT遺伝子としては、如何なる生物由来のALTでもよく特に限定されない。具体的には、ヒト、マウス、ラット、イヌ、アフリカツメガエル、ショウジョウバエ、センチュウ、日本米、原子紅藻、パン酵母、糸状菌Ashbya gossypii、真菌Candida albicans、分裂酵母、真菌Aspergillus nidulans、真菌Aspergillus fumigatus、清酒麹菌Aspergillus oryzae、真菌Cryptococcus neoformans、細胞性粘菌 Dictyostelium discoideum、Trypanosoma brucei、細胞内寄生性原虫Leishmania major、赤痢アメーバEntamoeba histolytica又は細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruziなどのALTが公知であり、これらを利用することができるが、ヒト、げっ歯類或いは宿主細胞と同じ種由来のALTであることが好ましく、例えば、ALTを強発現させる細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)である場合には、ヒト或いはハムスター由来のALTであることが好ましい。ヒト、マウス、酵母などのALTは、Variant(ALT1とALT2)が存在する。ALT2は、ALT1に対してアミノ酸レベルで80%以上の相同性がある。後述の実施例では、ALT1を強制発現させた。
ALT遺伝子としては、以下の(a)〜(e)のいずれかのDNAを挙げることができる。
(a) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNA
(b) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列において、1又は複数(例えば、数個)のアミノ酸が置換、欠失、付加又は/及び挿入されたアミノ酸配列を有し、かつALT活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(c) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有し、かつALT活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(d) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59の塩基配列を有するDNA
(e) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59の塩基配列を有するDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつALT活性を有するポリペプチドをコードするDNA
ALTを強発現する細胞は動物細胞、植物細胞、酵母などの真核細胞;大腸菌、枯草菌などの原核細胞など如何なる細胞でもよく、CHO細胞、COS細胞などの動物細胞が好ましく、特にCHO細胞が好ましい。また、所望のポリペプチドを製造するためには、CHO dhfr−細胞など所望の遺伝子を導入するのに適した細胞であることが好ましい。
ALTを強発現する細胞は、所望のポリペプチドを製造するために、さらにタウリントランスポーターを強発現していることが好ましい。当該細胞に所望のポリペプチドをコードする遺伝子を導入し、該細胞を培地中で培養することにより、より大量に所望のポリペプチドを製造することが可能である。
ALT遺伝子が人為的に導入された細胞を用いて所望のポリペプチドを製造する場合、ALT遺伝子と所望のポリペプチドをコードする遺伝子の導入の順序は特に制限されず、ALT遺伝子を導入した後に所望のポリペプチドをコードする遺伝子を導入してもよいし、所望のポリペプチドをコードする遺伝子を導入した後にALT遺伝子を導入してもよい。又、ALT遺伝子と所望のポリペプチドをコードする遺伝子を同時に導入してもよい。
ALT遺伝子及び所望のポリペプチドをコードする遺伝子の導入は単一のベクターにより同時に導入してもよいし、複数のベクターを用いて別々に導入してもよい。
ALTの他にタウリントランスポーターを強発現する細胞を用いることにより、細胞内アンモニア濃度を抑制することができる。
タウリントランスポーターは、タウリン、β-アラニンや各種アミノ酸を細胞内に取り込むことができる、浸透圧調節機能をもつ膜タンパク質である。
タウリントランスポーターを強発現する細胞は、天然の細胞と比較してタウリントランスポーターの発現量が増加している細胞であれば特に限定されない。天然の細胞は特に限定されないが、例えばCHO細胞など組換えタンパク質を製造する際に宿主として用いられている細胞を挙げることができる。
タウリントランスポーターを強発現する細胞としては、例えば、タウリントランスポーター遺伝子が人為的に導入された細胞を挙げることができる。タウリントランスポーター遺伝子が人為的に導入された細胞は当業者に公知の方法により作製することが可能であり、例えば、タウリントランスポーター遺伝子をベクターに組込み、該ベクターを細胞に形質転換することにより作製することが可能である。
細胞に強発現させるタウリントランスポーター遺伝子としては、如何なる生物由来のタウリントランスポーターでもよく特に限定されない。具体的には、ヒト、マウス、ラット、ハムスターなどのげっ歯類などの生物由来のタウリントランスポーターが挙げられ、ヒト、げっ歯類或いは宿主細胞と同じ種由来のタウリントランスポーターであることが好ましく、例えば、タウリントランスポーターを強発現させる細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)である場合には、ヒト或いはハムスター由来のタウリントランスポーターであることが好ましい。
タウリントランスポーター遺伝子としては、タウリントランスポーターをコードする以下の(a1)〜(e1)のいずれかのDNAを挙げることもできる。
(a1) 配列番号62、64、66または68のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNA
(b1) 配列番号62、64、66または68のアミノ酸配列において、1又は複数(例えば、数個)のアミノ酸が置換、欠失、付加又は/及び挿入されたアミノ酸配列を有し、かつタウリントランスポーター活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(c1) 配列番号62、64、66または68のアミノ酸配列と70%以上の同一性を有し、かつタウリントランスポーター活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(d1) 配列番号61、63、65または67の塩基配列を有するDNA
(e1) 配列番号61、63、65または67の塩基配列を有するDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつタウリントランスポーター活性を有するポリペプチドをコードするDNA
所望のポリペプチドを製造するには、タウリントランスポーターとALT遺伝子を強発現する細胞に所望のポリペプチドをコードする遺伝子を導入し、該細胞を培地中で培養することにより製造することが可能である。さらに、本明細書では遺伝子活性化技術(例えば、国際公開第WO94/12650号パンフレット参照)により、該細胞の内因性の所望のポリペプチドをコードする遺伝子が活性化されることにより、所望のポリペプチドを産生する細胞を用いて、所望のポリペプチドを製造することも可能である。
タウリントランスポーター遺伝子とALT遺伝子が人為的に導入された細胞を用いて所望のポリペプチドを製造する場合、タウリントランスポーター遺伝子とALT遺伝子と所望のポリペプチドをコードする遺伝子の導入の順序は特に制限されず、タウリントランスポーター遺伝子とALT遺伝子を導入した後に所望のポリペプチドをコードする遺伝子を導入してもよいし、所望のポリペプチドをコードする遺伝子を導入した後にタウリントランスポーター遺伝子とALT遺伝子を導入してもよい。又、タウリントランスポーター遺伝子とALT遺伝子と所望のポリペプチドをコードする遺伝子を同時に導入してもよい。
タウリントランスポーター遺伝子、ALT遺伝子及び所望のポリペプチドをコードする遺伝子の導入は単一のベクターにより同時に導入してもよいし、複数のベクターを用いて別々に導入してもよい。
ALTを強発現する細胞(タウリントランスポーターを強発現してもよい)の培養には、通常の細胞(好ましくは、動物細胞)培養で使用されている培地を用いることができる。これらには通常、アミノ酸、ビタミン類、脂質因子、エネルギー源、浸透圧調節剤、鉄源、pH緩衝剤を含む。これらの成分の含量は、通常、アミノ酸は0.05−1500mg/L、ビタミン類は0.001−10mg/L、脂質因子は0−200mg/L、エネルギー源は1−20g/L、浸透圧調節剤は0.1−10000mg/L、鉄源は0.1−500mg/L、pH緩衝剤は1−10000mg/L、微量金属元素は0.00001−200mg/L、界面活性剤は0−5000mg/L、増殖補助因子は0.05−10000μg/Lおよびヌクレオシドは0.001−50mg/Lの範囲が適当であるが、これらに限定されず、培養する細胞の種類、所望のポリペプチドの種類などにより適宜決定できる。
上記成分のほか、例えば、微量金属元素、界面活性剤、増殖補助因子、ヌクレオシドなどを添加しても良い。
具体的には、例えば、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-システイン、L-シスチン、L-グルタミン、L-グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-オルニチン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン等、好ましくはL-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-グルタミン、L-グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン等のアミノ酸類;i−イノシトール、ビオチン、葉酸、リポ酸、ニコチンアミド、ニコチン酸、p-アミノ安息香酸、パントテン酸カルシウム、塩酸ピリドキサール、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、塩酸チアミン、ビタミンB12、アスコルビン酸等、好ましくはビオチン、葉酸、リポ酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、塩酸ピリドキサール、リボフラビン、塩酸チアミン、ビタミンB12、アスコルビン酸等のビタミン類;塩化コリン、酒石酸コリン、リノール酸、オレイン酸、コレステロール等、好ましくは塩化コリン等の脂質因子;グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース等、好ましくはグルコース等のエネルギー源;塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム等、好ましくは塩化ナトリウム等の浸透圧調節剤;EDTA鉄、クエン酸鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄等、好ましくは塩化第二鉄、EDTA鉄、クエン酸鉄等の鉄源類;炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、HEPES、MOPS等、好ましくは炭酸水素ナトリウム等のpH緩衝剤を含む培地を例示できる。
上記成分のほか、例えば、硫酸銅、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、塩化ニッケル、塩化スズ、塩化マグネシウム、亜ケイ酸ナトリウム等、好ましくは硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム等の微量金属元素;Tween80、プルロニックF68等の界面活性剤;および組換え型インスリン、組換え型IGF-1、組換え型EGF、組換え型FGF、組換え型PDGF、組換え型TGF-α、塩酸エタノールアミン、亜セレン酸ナトリウム、レチノイン酸、塩酸プトレッシン等、好ましくは亜セレン酸ナトリウム、塩酸エタノールアミン、組換え型IGF-1、塩酸プトレッシン等の増殖補助因子;デオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシン、アデノシン、シチジン、グアノシン、ウリジン等のヌクレオシドなどを添加してもよい。なお上記培地の好適例においては、ストレプトマイシン、ペニシリンGカリウム及びゲンタマイシン等の抗生物質や、フェノールレッド等のpH指示薬を含んでいても良い。
また、培地には、ALTの基質となるα-ケトグルタル酸を添加してもよい。α-ケトグルタル酸の添加により、所望のポリペプチド(例えば、抗体)の産生量が増加しうる。この際のα-ケトグルタル酸の添加量は、通常0.01〜1000mMの範囲であればよく、0.1〜100mが好ましく、さらに1〜10mMが好ましい。
培地のpHは培養する細胞により異なるが、一般的にはpH6.8〜7.6、多くの場合pH7.0〜7.4が適当である。
培地は、市販の動物細胞培養用培地、例えば、D-MEM (Dulbecco's Modified Eagle Medium)、 D-MEM/F-12 1:1 Mixture (Dulbecco's Modified Eagle Medium : Nutrient Mixture F-12)、 RPMI1640、CHO-S-SFM II(Invitrogen社)、 CHO-SF (Sigma-Aldrich社)、 EX-CELL 301 (JRH biosciences社)、IS CHO-V (Irvine Scientific社)、 PF-ACF-CHO (Sigma-Aldrich社)などの培地を用いることも可能である。
又、培地は、無血清培地、例えば、CD-CHO (Invitrogen社)であってもよい。
ALTを強発現する細胞(タウリントランスポーターを強発現してもよい)がCHO細胞である場合、CHO細胞の培養は当業者に公知の方法を用いて行うことができる。例えば、通常、気相のCO2濃度が0−40%、好ましくは、2−10%の雰囲気下、30−39℃、好ましくは37℃程度で、培養することが可能である。
さらには培養細胞で抗体などの所望のポリペプチドを産生する場合、培養後期においては細胞がかなり高密度の状態(およそ1 x 10cells/ml)となり、乳酸などの老廃物の影響が極めて高くなる。ALTを強発現する細胞により所望のポリペプチドを製造すれば、培養後期においても高い生存率を維持し、所望のポリペプチドの産生量の向上についても期待できる。
ALTを強発現する細胞を用いて所望のポリペプチドを産生するために適当な培養期間は、通常1日〜3ヶ月であり、好ましくは1日〜2ヶ月、さらに好ましくは1日〜1ヶ月である。
また、動物細胞培養用の各種の培養装置としては、例えば発酵槽型タンク培養装置、エアーリフト型培養装置、カルチャーフラスコ型培養装置、スピンナーフラスコ型培養装置、マイクロキャリアー型培養装置、流動層型培養装置、ホロファイバー型培養装置、ローラーボトル型培養装置、充填槽型培養装置等を用いて培養することができる。
培養は、バッチ培養(batch culture)、流加培養(fed-batch culture)、連続培養(continuous culture)などのいずれの方法を用いてもよいが、流加培養又は連続培養が好ましく、流加培養がより好ましい。
さらに、ALTを強発現する細胞(タウリントランスポーターを強発現してもよい)を強発現する細胞を培養する際に、細胞へのタウリンの取り込みを促進するために培地中にタウリンを添加してもよい。培地に添加するタウリンの濃度は特に限定されないが、通常0g/L〜100g/L、好ましくは0g/L〜20g/L、さらに好ましくは0g/L〜10g/Lである。
本発明の方法により製造されたポリペプチドが医薬として利用可能な生物学的活性を有する場合には、このポリペプチドを医薬的に許容される担体又は添加剤と混合して製剤化することにより、医薬品を製造することができる。
医薬的に許容される担体及び添加剤の例として、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、寒天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許容される界面活性剤等が挙げられる。
実際の添加物は、本発明治療剤の剤型に応じて上記の中から単独で又は適宜組み合わせて選ばれるが、もちろんこれらに限定するものではない。例えば、注射用製剤として使用する場合、精製されたポリペプチドを溶剤、例えば生理食塩水、緩衝液、ブドウ糖溶液等に溶解し、これに吸着防止剤、例えばTween80、Tween20、ゼラチン、ヒト血清アルブミン等を加えたものを使用することができる。あるいは、使用前に溶解再構成する剤形とするために凍結乾燥したものであってもよく、凍結乾燥のための賦形剤としては、例えば、マンニトール、ブドウ糖等の糖アルコールや糖類を使用することができる。
ポリペプチドの有効投与量は、ポリペプチドの種類、治療や予防の対象とする疾患の種類、患者の年齢、疾患の重篤度などにより適宜選択される。例えば、ポリペプチドが抗グリピカン抗体である場合、抗グリピカン抗体の有効投与量は、一回につき体重1kgあたり0.001mgから1000mgの範囲で選ばれる。あるいは、患者あたり0.01〜100000mg/bodyの投与量を選ぶことができる。しかしながら、これらの投与量に制限されるものではない。
ポリペプチドの投与方法は、経口、非経口投与のいずれでも可能であるが、好ましくは非経口投与であり、具体的には、注射(例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などによる全身又は局所投与)、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられる。
本発明において、ALTをコードする遺伝子として、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAを用いるとよい。その他にも、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加又は/及び挿入されたアミノ酸配列を有し、かつALT活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用いてもよい。
配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加又は/及び挿入されたアミノ酸配列を有し、かつALT活性を有するポリペプチドは、ヒト、マウス、ラット、イヌ、アフリカツメガエル、ショウジョウバエ、センチュウ、日本米、原子紅藻、パン酵母、糸状菌Ashbya gossypii、真菌Candida albicans、分裂酵母、真菌Aspergillus nidulans、真菌Aspergillus fumigatus、清酒麹菌Aspergillus oryzae、真菌Cryptococcus neoformans、細胞性粘菌 Dictyostelium discoideum、Trypanosoma brucei、細胞内寄生性原虫Leishmania major、赤痢アメーバEntamoeba histolytica又は細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruzi ALT(以下、「ヒト等のALT」と記すこともある)と機能的に同等なポリペプチドである。このようなポリペプチドには、例えば、ヒト等のALTの変異体などが含まれる。後述の実施例では、公開されているヒトALT1遺伝子がコードしているアミノ酸496個中、4アミノ酸(R53S、Q72R、F286S、M332K)が置換されている変異体が用いられた。
あるポリペプチドと機能的に同等なポリペプチドを調製するための、当業者によく知られた方法としては、ポリペプチドに変異を導入する方法が知られている。例えば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Hashimoto-Gotoh, T. et al. (1995) Gene 152, 271-275、Zoller, MJ, and Smith, M.(1983) Methods Enzymol. 100, 468-500、Kramer, W. et al. (1984) Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456、Kramer W, and Fritz HJ(1987) Methods. Enzymol. 154, 350-367、Kunkel,TA(1985) Proc Natl Acad Sci U S A. 82, 488-492、Kunkel (1988) Methods Enzymol. 85, 2763-2766)などを用いて、ヒト等のALTのアミノ酸に適宜変異を導入することにより、ヒト等のALTと機能的に同等なポリペプチドを調製することができる。また、アミノ酸の変異は自然界においても生じうる。
ヒト等のALTと機能的に同等なポリペプチドとしては、具体的には、ヒト等のALTのアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60)中の1又は2個以上、好ましくは、1個以上30個以下、より好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が欠失したもの、ヒト等のALTのアミノ酸配列に1又は2個以上、好ましくは、1個以上30個以下、より好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が付加したもの、ヒト等のALTのアミノ酸配列中の1又は2個以上、好ましくは、1個以上30個以下、より好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたもの等が挙げられる。
変異するアミノ酸残基は、特に限定されないが、アミノ酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に変異されることが望ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質としては、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ離(R、K、H)、芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)を挙げることができる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標記を表す)。
なお、あるアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の欠失、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチドがその生物学的活性を維持することはすでに知られている(Mark, D. F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1984) 81, 5662-5666 、Zoller, M. J. & Smith, M. Nucleic Acids Research (1982) 10, 6487-6500 、Wang, A. et al., Science 224, 1431-1433 、 Dalbadie-McFarland, G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1982) 79, 6409-6413 )。
ヒト等のALTに1又は複数個のアミノ酸残基が付加されたポリペプチドとしては、例えば、ヒト等のALTを含む融合ポリペプチドが挙げられる。融合ポリペプチドは、ヒト等のALTと他のポリペプチドとが融合したものである。融合ポリペプチドを作製する方法は、ヒト等のALTをコードする遺伝子と他のポリペプチドをコードする遺伝子をフレームが一致するように連結してこれを発現ベクターに導入し、宿主で発現させればよく、当業者に公知の手法を用いることができる。ヒト等のALTとの融合に付される他のポリペプチドとしては、特に限定されない。
ヒト等のALTとの融合に付される他のペプチドとしては、例えば、FLAG(Hopp, T. P. et al., BioTechnology (1988) 6, 1204-1210 )、6 個のHis (ヒスチジン)残基からなる6×His、10×His、インフルエンザ凝集素(HA)、ヒトc-myc の断片、VSV-GPの断片、p18HIVの断片、T7-tag、HSV-tag 、E-tag 、SV40T 抗原の断片、lck tag 、α-tubulinの断片、B-tag 、Protein C の断片、GST (グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)、HA(インフルエンザ凝集素)、イムノグロブリン定常領域、β−ガラクトシダーゼ、MBP (マルトース結合ポリペプチド)等が挙げられる。
市販されているこれらのポリペプチドをコードする遺伝子をヒト等のALTをコードする遺伝子と融合させ、これにより調製された融合遺伝子を発現させることにより、融合ポリペプチドを調製することができる。
また、あるポリペプチドと機能的に同等なポリペプチドを調製する当業者によく知られた他の方法としては、ハイブリダイゼーション技術(Sambrook,J et al., Molecular Cloning 2nd ed., 9.47-9.58, Cold Spring Harbor Lab. press, 1989)を利用する方法が挙げられる。即ち、当業者であれば、ヒト等のALTをコードするDNA配列(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59のDNA配列)もしくはその一部を基に、これと相同性の高いDNAを単離して、該DNAからヒト等のALTと機能的に同等なポリペプチドを単離することも通常行いうることである。
ヒト等のALTと機能的に同等なポリペプチドをコードするDNAを単離するためのハイブリダイゼーションの条件としては、当業者であれば適宜選択することができる。ハイブリダイゼーションの条件は、例えば、低ストリンジェントな条件が挙げられる。低ストリンジェントな条件とは、例えば42℃、2×SSC、0.1%SDSが挙げられ、好ましくは50℃、2×SSC 、0.1%SDSである。またより好ましくは、高ストリンジェントな条件が挙げられる。高ストリンジェントな条件とは、例えば65℃、2×SSC及び0.1%SDSが挙げられる。これらの条件において、温度を下げる程に高い相同性を有するDNAのみならず、低い相同性しか有していないDNAまでも包括的に得ることができる。逆に、温度を上げる程、高い相同性を有するDNAのみを得られることが期待できる。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度以外にも塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
これらハイブリダイゼーション技術により単離されるDNAがコードするポリペプチドは、ヒト等のALTとアミノ酸配列において70%以上の同一性を有するものであればよいが、通常、ヒト等のALTとアミノ酸配列において高い相同性を有する。高い相同性とは、通常、97%以上の同一性、好ましくは98%以上の同一性、さらに好ましくは99%以上の同一性を指す。ポリペプチドの同一性を決定するには、文献(Wilbur, W. J. and Lipman, D. J. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1983) 80, 726-730)に記載のアルゴリズムにしたがえばよい。
ポリペプチドは、後述するそれを産生する細胞や宿主あるいは精製方法により、アミノ酸配列、分子量、等電点又は糖鎖の有無や形態などが異なり得る。しかしながら、得られたポリペプチドが、ヒト等のALTと同等の機能を有している限り、それをコードするDNAを本発明で利用することができる。例えば、ポリペプチドを原核細胞、例えば大腸菌で発現させた場合、本来のポリペプチドのアミノ酸配列のN末端にメチオニン残基が付加される。また、真核細胞、例えば哺乳動物細胞で発現させた場合、N末端のシグナル配列は除去される。このようなポリペプチドをコードするDNAも本発明で利用することができる。
ポリペプチドは、当業者に公知の方法により、組み換えポリペプチドとして、また天然のポリペプチドとして調製することが可能である。組み換えポリペプチドであれば、ポリペプチドをコードするDNAを、適当な発現ベクターに組み込み、これを適当な宿主細胞に導入して得た形質転換体を回収し、抽出物を得た後、イオン交換、逆相、ゲル濾過などのクロマトグラフィー、あるいは本発明のポリペプチドに対する抗体をカラムに固定したアフィニティークロマトグラフィーにかけることにより、または、さらにこれらのカラムを複数組み合わせることにより精製し、調製することが可能である。
また、ポリペプチドをグルタチオンSトランスフェラーゼポリペプチドとの融合ポリペプチドとして、あるいはヒスチジンを複数付加させた組み換えポリペプチドとして宿主細胞(例えば、動物細胞や大腸菌など)内で発現させた場合には、発現させた組み換えポリペプチドはグルタチオンカラムあるいはニッケルカラムを用いて精製することができる。
融合ポリペプチドの精製後、必要に応じて融合ポリペプチドのうち目的のポリペプチド以外の領域を、トロンビンまたはファクターXaなどにより切断し、除去することも可能である。
天然のポリペプチドであれば、当業者に周知の方法、例えば、ヒトALTと同等の機能を有しているポリペプチドを発現している組織や細胞の抽出物に対し、ヒトALTに結合する抗体が結合したアフィニティーカラムを作用させて精製することにより単離することができる。抗体はポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。
本発明において、ALTをコードするDNAとして、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59の塩基配列を有するDNAを用いてもよい。その他にも、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59の塩基配列を有するDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつALT活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用いてもよい。
ALTをコードするDNAは、上述したような所望のポリペプチドの in vivo や in vitroにおける生産に利用される他、ALTを強発現する細胞の作製に用いることができる。ALTをコードするDNAは、ALTをコードしうるものであれば、いかなる形態でもよい。即ち、mRNAから合成されたcDNAであるか、ゲノムDNAであるか、化学合成DNAであるかなどを問わない。また、ALTをコードするDNAをコードしうる限り、遺伝暗号の縮重に基づく任意の塩基配列を有するDNAが含まれる。
ALTをコードするDNAは、当業者に公知の方法により調製することができる。例えば、ALTを発現している細胞よりcDNAライブラリーを作製し、ALTのDNAの配列(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59)の一部をプローブにしてハイブリダイゼーションを行うことにより調製できる。cDNAライブラリーは、例えばSambrook, J. et al., Molecular Cloning、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に記載の方法により調製してもよいし、市販の 遺伝子ライブラリーを用いてもよい。また、ALTを発現している細胞よりRNAを調製し、ALTのDNAの配列(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59)に基づいてオリゴDNAを合成し、これをプライマーとして用いてPCR反応を行い、ALTをコードするcDNAを増幅させることにより調製することも可能である。
また、得られたcDNAの塩基配列を決定することにより、それがコードする翻訳領域を決定でき、ALTのアミノ酸配列を得ることができる。また、得られたcDNAをプローブとしてゲノムDNA ライブラリーをスクリーニングすることにより、ゲノムDNAを単離することができる。
具体的には、次のようにすればよい。まず、ALTを発現する細胞、組織などから、mRNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin, J. M. et al., Biochemistry (1979) 18, 5294-5299) 、AGPC法 (Chomczynski, P. and Sacchi, N., Anal. Biochem. (1987) 162, 156-159) 等により全RNAを調製し、mRNA Purification Kit (Pharmacia) 等を使用して全RNAからmRNAを精製する。また、QuickPrep mRNA Purification Kit (Pharmacia) を用いることによりmRNAを直接調製することもできる。
得られたmRNAから逆転写酵素を用いてcDNAを合成する。cDNAの合成は、 AMV Reverse Transcriptase First-strand cDNA Synthesis Kit (生化学工業)等を用いて行うこともできる。また、プライマー等を用いて、5'-Ampli FINDER RACE Kit (Clontech製)およびポリメラーゼ連鎖反応 (polymerase chain reaction ; PCR)を用いた5'-RACE法(Frohman, M. A. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1988) 85, 8998-9002 ; Belyavsky, A. et al., Nucleic Acids Res. (1989) 17, 2919-2932) にしたがい、cDNAの合成および増幅を行うことができる。
得られたPCR産物から目的とするDNA断片を調製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。目的とするDNAの塩基配列は、公知の方法、例えば、ジデオキシヌクレオチドチェインターミネーション法により確認することができる。
また、ALTをコードするDNAにおいては、発現に使用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発現効率の高い塩基配列を設計することができる(Grantham, R. et al., Nucelic Acids Research (1981) 9, r43-74 )。また、ALTをコードするDNAは、市販のキットや公知の方法によって改変することができる。改変としては、例えば、制限酵素による消化、合成オリゴヌクレオチドや適当なDNAフラグメントの挿入、リンカーの付加、開始コドン(ATG)及び/又は終止コドン(TAA、TGA、又はTAG)の挿入等が挙げられる。
ALTをコードするDNAはまた、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59の塩基配列を有するDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであり、かつALTと機能的に同等なポリペプチドをコードするDNAを含む。
ストリンジェントな条件としては、当業者であれば適宜選択することができるが、例えば低ストリンジェントな条件が挙げられる。低ストリンジェントな条件とは、例えば42℃、2×SSC、0.1%SDSが挙げられ、好ましくは50℃、2×SSC 、0.1%SDSである。またより好ましくは、高ストリンジェントな条件が挙げられる。高ストリンジェントな条件とは、例えば65℃、2×SSC及び0.1%SDSが挙げられる。これらの条件において、温度を上げる程に高い相同性を有するDNAを得ることができる。上記のハイブリダイズするDNAは好ましくは天然由来のDNA、例えばcDNA又は染色体DNAであってよい。
これらハイブリダイゼーション技術により単離されるDNAは、通常、ヒト等のALTをコードするDNAと塩基配列において高い同一性を有する。ALTをコードするDNAには、ヒト等のALTと機能的に同等なポリペプチドをコードし、ヒト等のALTをコードするDNAと高い同一性を有するDNAも含まれる。高い同一性とは、通常、96%以上の同一性、好ましくは98%以上の同一性、さらに好ましくは99%以上の同一性を指す。塩基配列の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877, 1993)によって決定することができる。このアルゴリズムに基づいて、BLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul et al. J. Mol. Biol.215:403-410, 1990)。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは、例えば、score = 100、wordlength = 12とする。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
ALTをコードするDNAはベクターに挿入されるとよい。
ベクターとしては、例えば、大腸菌を宿主とする場合には、ベクターを大腸菌(例えば、JM109、DH5α、HB101、XL1Blue)などで大量に増幅させ大量調製するために、大腸菌で増幅されるための「ori」をもち、さらに形質転換された大腸菌の選抜遺伝子(例えば、なんらかの薬剤(アンピシリンやテトラサイクリン、カナマイシン、クロラムフェニコール)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有することが好ましい。ベクターの例としては、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Scriptなどが挙げられる。また、cDNAのサブクローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクターの他に、例えば、pGEM-T、pDIRECT、pT7などが挙げられる。所望のポリペプチドを生産する目的においてベクターを使用する場合には、特に、発現ベクターが有用である。発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を目的とした場合は、ベクターが大腸菌で増幅されるような上記特徴を持つほかに、宿主をJM109、DH5α、HB101、XL1-Blueなどの大腸菌とした場合においては、大腸菌で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Wardら, Nature (1989) 341, 544-546;FASEB J. (1992) 6, 2422-2427)、araBプロモーター(Betterら, Science (1988) 240, 1041-1043 )、またはT7プロモーターなどを持っていることが好ましい。このようなベクターとしては、上記ベクターの他にpGEX-5X-1(Pharmacia社製)、「QIAexpress system」(Qiagen社製)、pEGFP、またはpET(この場合、宿主はT7 RNAポリメラーゼを発現しているBL21が好ましい)などが挙げられる。
また、ベクターには、ポリペプチド分泌のためのシグナル配列が含まれていてもよい。ポリペプチド分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379 )を使用すればよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法を用いて行うことができる。
大腸菌を宿主とする場合以外にも、例えば、所望のポリペプチドを製造するために用いられるベクターとしては、哺乳動物由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3 (Invitrogen社製)や、pEGF-BOS (Nucleic Acids. Res.1990, 18(17),p5322)、pEF 、pCDM8 )、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば「Bac-to-BAC baculovairus expression system」(GIBCO BRL社製)、pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHSV、pMV、pAdexLcw )、レトロウィルス由来の発現ベクター(例えば、pZIpneo)、酵母由来の発現ベクター(例えば、「Pichia Expression Kit」( Invitrogen社製)、pNV11 、SP-Q01)、枯草菌由来の発現ベクター(例えば、pPL608、pKTH50)などが挙げられる。
CHO細胞、COS細胞、NIH3T3細胞等の動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモーター(Mulliganら, Nature (1979) 277, 108)、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushimaら, Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322)、CMVプロモーターなどを持っていることが好ましく、細胞への形質転換を選抜するための遺伝子(例えば、薬剤(ネオマイシン、G418など)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好ましい。このような特性を有するベクターとしては、例えば、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、pOP13などが挙げられる。
さらに、遺伝子を安定的に発現させ、かつ、細胞内での遺伝子のコピー数の増幅を目的とする場合には、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pCHOIなど)を導入し、メトトレキセート(MTX)により増幅させる方法が挙げられ、また、遺伝子の一過性の発現を目的とする場合には、SV40 T抗原を発現する遺伝子を染色体上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクター(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製開始点としては、また、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV )等の由来のものを用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH )遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
ALTをコードするDNA(ベクターに組み込まれていてもよい)が導入される宿主細胞としては特に制限はなく、例えば、大腸菌や種々の動物細胞などを用いることが可能である。ALTをコードするDNAが導入された宿主細胞に所望のポリペプチドをコードするDNAを導入すれば、この宿主細胞は、ALTを強発現することができ、所望のポリペプチドの生産を増加させることができる。ALTをコードするDNAが導入された宿主細胞には、タウリントランスポーターをコードするDNA(ベクターに組み込まれていてもよい)がさらに導入されてもよい。ALTをコードするDNAが導入された宿主細胞に所望のポリペプチドをコードするDNAとタウリントランスポーターをコードするDNAを導入することにより、所望のポリペプチドの産生量を向上させることができる。ポリペプチド製造のための産生系は、in vitroおよびin vivo の産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。
本発明において、タウリントランスポーターをコードするDNAとして、配列番号62、64、66または68のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAを用いるとよい。その他にも、配列番号62、64、66または68のアミノ酸配列において、1又は複数(例えば、数個)のアミノ酸が置換、欠失、付加又は/及び挿入されたアミノ酸配列を有し、かつタウリントランスポーター活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用いてもよい。
配列番号62、64、66または68のアミノ酸配列において、1又は複数(例えば、数個)のアミノ酸が置換、欠失、付加又は/及び挿入されたアミノ酸配列を有し、かつタウリントランスポーター活性を有するポリペプチドは、ハムスター、ラット、マウス及びヒトタウリントランスポーター(以下、「ハムスター等のタウリントランスポーター」と記すこともある)と機能的に同等なポリペプチドである。このようなポリペプチドには、例えば、ハムスター等のタウリントランスポーターの変異体などが含まれる。
あるポリペプチドと機能的に同等なポリペプチドを調製するための、当業者によく知られた方法としては、ポリペプチドに変異を導入する方法が知られている。例えば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Hashimoto-Gotoh, T. et al. (1995) Gene 152, 271-275、Zoller, MJ, and Smith, M.(1983) Methods Enzymol. 100, 468-500、Kramer, W. et al. (1984) Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456、Kramer W, and Fritz HJ(1987) Methods. Enzymol. 154, 350-367、Kunkel,TA(1985) Proc Natl Acad Sci U S A. 82, 488-492、Kunkel (1988) Methods Enzymol. 85, 2763-2766)などを用いて、ハムスター等のタウリントランスポーターのアミノ酸に適宜変異を導入することによりハムスター等のタウリントランスポーターと機能的に同等なポリペプチドを調製することができる。また、アミノ酸の変異は自然界においても生じうる。
ハムスター等のタウリントランスポーターと機能的に同等なポリペプチドとしては、具体的には、ハムスター等のタウリントランスポーターのアミノ酸配列中の1又は2個以上、好ましくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上10個以下のアミノ酸が欠失したもの、ハムスター等のタウリントランスポーターアミノ酸配列に1又は2個以上、好ましくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上10個以下のアミノ酸が付加したもの、ハムスター等のタウリントランスポーターアミノ酸配列中の1又は2個以上、好ましくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上10個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたもの等が挙げられる。
変異するアミノ酸残基は、特に限定されないが、アミノ酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に変異されることが望ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質としては、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ離(R、K、H)、芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)を挙げることができる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標記を表す)。
ハムスター等のタウリントランスポーターに1又は複数個のアミノ酸残基が付加されたポリペプチドとしては、例えば、ハムスター等のタウリントランスポーターを含む融合ポリペプチドが挙げられる。融合ポリペプチドは、ハムスター等のタウリントランスポーターと他のポリペプチドとが融合したものであり、本発明に含まれる。融合ポリペプチドを作製する方法は、ハムスター等のタウリントランスポーターをコードする遺伝子と他のポリペプチドをコードする遺伝子をフレームが一致するように連結してこれを発現ベクターに導入し、宿主で発現させればよく、当業者に公知の手法を用いることができる。ハムスター等のタウリントランスポーターとの融合に付される他のポリペプチドとしては、特に限定されない。
ハムスター等のタウリントランスポーターとの融合に付される他のペプチドとしては、例えば、FLAG(Hopp, T. P. et al., BioTechnology (1988) 6, 1204-1210 )、6 個のHis (ヒスチジン)残基からなる6×His、10×His、インフルエンザ凝集素(HA)、ヒトc-myc の断片、VSV-GPの断片、p18HIVの断片、T7-tag、HSV-tag 、E-tag 、SV40T 抗原の断片、lck tag 、α-tubulinの断片、B-tag 、Protein C の断片、GST (グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)、HA(インフルエンザ凝集素)、イムノグロブリン定常領域、β−ガラクトシダーゼ、MBP (マルトース結合ポリペプチド)等が挙げられる。
市販されているこれらのポリペプチドをコードする遺伝子をハムスター等のタウリントランスポーターをコードする遺伝子と融合させ、これにより調製された融合遺伝子を発現させることにより、融合ポリペプチドを調製することができる。
また、あるポリペプチドと機能的に同等なポリペプチドを調製する当業者によく知られた他の方法としては、ハイブリダイゼーション技術(Sambrook,J et al., Molecular Cloning 2nd ed., 9.47-9.58, Cold Spring Harbor Lab. press, 1989)を利用する方法が挙げられる。即ち、当業者であれば、ハムスター等のタウリントランスポーターをコードするDNA配列もしくはその一部を基に、これと相同性の高いDNAを単離して、該DNAからハムスター等のタウリントランスポーターと機能的に同等なポリペプチドを単離することも通常行いうることである。
ハムスター等のタウリントランスポーターと機能的に同等なポリペプチドをコードするDNAを単離するためのハイブリダイゼーションの条件としては、当業者であれば適宜選択することができる。ハイブリダイゼーションの条件は、例えば、低ストリンジェントな条件が挙げられる。低ストリンジェントな条件とは、例えば42℃、2×SSC、0.1%SDSが挙げられ、好ましくは50℃、2×SSC 、0.1%SDSである。またより好ましくは、高ストリンジェントな条件が挙げられる。高ストリンジェントな条件とは、例えば65℃、2×SSC及び0.1%SDSが挙げられる。これらの条件において、温度を下げる程に高い相同性を有するDNAのみならず、低い相同性しか有していないDNAまでも包括的に得ることができる。逆に、温度を上げる程、高い相同性を有するDNAのみを得られることが期待できる。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度以外にも塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
これらハイブリダイゼーション技術により単離されるDNAがコードするポリペプチドは、ハムスター等のタウリントランスポーターとアミノ酸配列において70%以上の同一性を有するものであるとよく、通常、ハムスター等のタウリントランスポーターとアミノ酸配列において高い相同性を有する。前記ポリペプチドには、本発明のハムスタータウリントランスポーターと機能的に同等であり、ハムスター等のタウリントランスポーターアミノ酸配列と高い相同性を有するポリペプチドも含まれる。高い相同性とは、通常、97%以上の同一性、好ましくは98%以上の同一性、さらに好ましくは99%以上の同一性を指す。ポリペプチドの同一性を決定するには、文献(Wilbur, W. J. and Lipman, D. J. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1983) 80, 726-730)に記載のアルゴリズムにしたがえばよい。
ポリペプチドは、後述するそれを産生する細胞や宿主あるいは精製方法により、アミノ酸配列、分子量、等電点又は糖鎖の有無や形態などが異なり得る。しかしながら、得られたポリペプチドが、ハムスター等のタウリントランスポーターと同等の機能を有している限り、それをコードするDNAを本発明で利用することができる。例えば、ポリペプチドを原核細胞、例えば大腸菌で発現させた場合、本来のポリペプチドのアミノ酸配列のN末端にメチオニン残基が付加される。また、真核細胞、例えば哺乳動物細胞で発現させた場合、N末端のシグナル配列は除去される。このようなポリペプチドをコードするDNAも本発明で利用することができる。
ポリペプチドは、当業者に公知の方法により、組み換えポリペプチドとして、また天然のポリペプチドとして調製することが可能である。組み換えポリペプチドであれば、ポリペプチドをコードするDNAを、適当な発現ベクターに組み込み、これを適当な宿主細胞に導入して得た形質転換体を回収し、抽出物を得た後、イオン交換、逆相、ゲル濾過などのクロマトグラフィー、あるいは前記ポリペプチドに対する抗体をカラムに固定したアフィニティークロマトグラフィーにかけることにより、または、さらにこれらのカラムを複数組み合わせることにより精製し、調製することが可能である。
また、ポリペプチドをグルタチオンSトランスフェラーゼポリペプチドとの融合ポリペプチドとして、あるいはヒスチジンを複数付加させた組み換えポリペプチドとして宿主細胞(例えば、動物細胞や大腸菌など)内で発現させた場合には、発現させた組み換えポリペプチドはグルタチオンカラムあるいはニッケルカラムを用いて精製することができる。
融合ポリペプチドの精製後、必要に応じて融合ポリペプチドのうち目的のポリペプチド以外の領域を、トロンビンまたはファクターXaなどにより切断し、除去することも可能である。
天然のポリペプチドであれば、当業者に周知の方法、例えば、ポリペプチドを発現している組織や細胞の抽出物に対し、ハムスター等のタウリントランスポーターに結合する抗体が結合したアフィニティーカラムを作用させて精製することにより単離することができる。抗体はポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。
本発明において、タウリントランスポーターをコードするDNAとして、配列番号61、63、65または67の塩基配列を有するDNAを用いてもよい。その他にも、配列番号61、63、65または67の塩基配列を有するDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつタウリントランスポーター活性を有するポリペプチドをコードするDNAを用いてもよい。
タウリントランスポーターをコードするDNAは、上述したような所望のポリペプチドの in vivo や in vitroにおける生産に利用される他、タウリントランスポーターを強発現する細胞の作製に用いることができる。タウリントランスポーターをコードするDNAは、タウリントランスポーターをコードしうるものであれば、いかなる形態でもよい。即ち、mRNAから合成されたcDNAであるか、ゲノムDNAであるか、化学合成DNAであるかなどを問わない。また、タウリントランスポーターをコードしうる限り、遺伝暗号の縮重に基づく任意の塩基配列を有するDNAが含まれる。
タウリントランスポーターをコードするDNAは、当業者に公知の方法により調製することができる。例えば、タウリントランスポーターを発現している細胞よりcDNAライブラリーを作製し、タウリントランスポーターをコードするDNAの配列(例えば、配列番号61、63、65または67)の一部をプローブにしてハイブリダイゼーションを行うことにより調製できる。cDNAライブラリーは、例えばSambrook, J. et al., Molecular Cloning、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に記載の方法により調製してもよいし、市販の 遺伝子ライブラリーを用いてもよい。また、タウリントランスポーターを発現している細胞よりRNAを調製し、タウリントランスポーターのDNAの配列(例えば、配列番号61、63、65または67)に基づいてオリゴDNAを合成し、これをプライマーとして用いてPCR反応を行い、タウリントランスポーターをコードするcDNAを増幅させることにより調製することも可能である。
また、得られたcDNAの塩基配列を決定することにより、それがコードする翻訳領域を決定でき、タウリントランスポーターのアミノ酸配列を得ることができる。また、得られたcDNAをプローブとしてゲノムDNA ライブラリーをスクリーニングすることにより、ゲノムDNAを単離することができる。
具体的には、次のようにすればよい。まず、タウリントランスポーターを発現する細胞、組織などから、mRNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin, J. M. et al., Biochemistry (1979) 18, 5294-5299) 、AGPC法 (Chomczynski, P. and Sacchi, N., Anal. Biochem. (1987) 162, 156-159) 等により全RNAを調製し、mRNA Purification Kit (Pharmacia) 等を使用して全RNAからmRNAを精製する。また、QuickPrep mRNA Purification Kit (Pharmacia) を用いることによりmRNAを直接調製することもできる。
得られたmRNAから逆転写酵素を用いてcDNAを合成する。cDNAの合成は、 AMV Reverse Transcriptase First-strand cDNA Synthesis Kit (生化学工業)等を用いて行うこともできる。また、プライマー等を用いて、5'-Ampli FINDER RACE Kit (Clontech製)およびポリメラーゼ連鎖反応 (polymerase chain reaction ; PCR)を用いた5'-RACE法(Frohman, M. A. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1988) 85, 8998-9002 ; Belyavsky, A. et al., Nucleic Acids Res. (1989) 17, 2919-2932) にしたがい、cDNAの合成および増幅を行うことができる。
得られたPCR産物から目的とするDNA断片を調製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。目的とするDNAの塩基配列は、公知の方法、例えば、ジデオキシヌクレオチドチェインターミネーション法により確認することができる。
また、タウリントランスポーターをコードするDNAにおいては、発現に使用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発現効率の高い塩基配列を設計することができる(Grantham, R. et al., Nucelic Acids Research (1981) 9, r43-74 )。また、タウリントランスポーターをコードするDNAは、市販のキットや公知の方法によって改変することができる。改変としては、例えば、制限酵素による消化、合成オリゴヌクレオチドや適当なDNAフラグメントの挿入、リンカーの付加、開始コドン(ATG)及び/又は終止コドン(TAA、TGA、又はTAG)の挿入等が挙げられる。
タウリントランスポーターをコードするDNAはまた、配列番号61、63、65または67の塩基配列を有するDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであり、かつタウリントランスポーターと機能的に同等なポリペプチドをコードするDNAを含む。
ストリンジェントな条件としては、当業者であれば適宜選択することができるが、例えば低ストリンジェントな条件が挙げられる。低ストリンジェントな条件とは、例えば42℃、2×SSC、0.1%SDSが挙げられ、好ましくは50℃、2×SSC 、0.1%SDSである。またより好ましくは、高ストリンジェントな条件が挙げられる。高ストリンジェントな条件とは、例えば65℃、2×SSC及び0.1%SDSが挙げられる。これらの条件において、温度を上げる程に高い相同性を有するDNAを得ることができる。上記のハイブリダイズするDNAは好ましくは天然由来のDNA、例えばcDNA又は染色体DNAであってよい。
これらハイブリダイゼーション技術により単離されるDNAは、通常、ハムスター等のタウリントランスポーターをコードするDNAと塩基配列において高い同一性を有する。これらのDNAには、ハムスター等のタウリントランスポーターと機能的に同等なポリペプチドをコードし、ハムスター等のタウリントランスポーターをコードするDNAと高い同一性を有するDNAも含まれる。高い同一性とは、通常、96%以上の同一性、好ましくは98%以上の同一性、さらに好ましくは99%以上の同一性を指す。塩基配列の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877, 1993)によって決定することができる。このアルゴリズムに基づいて、BLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul et al. J. Mol. Biol.215:403-410, 1990)。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは、例えば、score = 100、wordlength = 12とする。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
タウリントランスポーターをコードするDNAはベクターに挿入されるとよい。
ベクターとしては、例えば、大腸菌を宿主とする場合には、ベクターを大腸菌(例えば、JM109、DH5α、HB101、XL1Blue)などで大量に増幅させ大量調製するために、大腸菌で増幅されるための「ori」をもち、さらに形質転換された大腸菌の選抜遺伝子(例えば、なんらかの薬剤(アンピシリンやテトラサイクリン、カナマイシン、クロラムフェニコール)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有することが好ましい。ベクターの例としては、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Scriptなどが挙げられる。また、cDNAのサブクローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクターの他に、例えば、pGEM-T、pDIRECT、pT7などが挙げられる。所望のポリペプチドを生産する目的においてベクターを使用する場合には、特に、発現ベクターが有用である。発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を目的とした場合は、ベクターが大腸菌で増幅されるような上記特徴を持つほかに、宿主をJM109、DH5α、HB101、XL1-Blueなどの大腸菌とした場合においては、大腸菌で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Wardら, Nature (1989) 341, 544-546;FASEB J. (1992) 6, 2422-2427)、araBプロモーター(Betterら, Science (1988) 240, 1041-1043 )、またはT7プロモーターなどを持っていることが好ましい。このようなベクターとしては、上記ベクターの他にpGEX-5X-1(Pharmacia社製)、「QIAexpress system」(Qiagen社製)、pEGFP、またはpET(この場合、宿主はT7 RNAポリメラーゼを発現しているBL21が好ましい)などが挙げられる。
また、ベクターには、ポリペプチド分泌のためのシグナル配列が含まれていてもよい。ポリペプチド分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379 )を使用すればよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法を用いて行うことができる。
大腸菌を宿主とする場合以外にも、例えば、所望のポリペプチドを製造するために用いられるベクターとしては、哺乳動物由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3 (Invitrogen社製)や、pEGF-BOS (Nucleic Acids. Res.1990, 18(17),p5322)、pEF 、pCDM8 )、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば「Bac-to-BAC baculovairus expression system」(GIBCO BRL社製)、pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHSV、pMV、pAdexLcw )、レトロウィルス由来の発現ベクター(例えば、pZIpneo)、酵母由来の発現ベクター(例えば、「Pichia Expression Kit」( Invitrogen社製)、pNV11 、SP-Q01)、枯草菌由来の発現ベクター(例えば、pPL608、pKTH50)などが挙げられる。
CHO細胞、COS細胞、NIH3T3細胞等の動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモーター(Mulliganら, Nature (1979) 277, 108)、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushimaら, Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322)、CMVプロモーターなどを持っていることが好ましく、細胞への形質転換を選抜するための遺伝子(例えば、薬剤(ネオマイシン、G418など)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好ましい。このような特性を有するベクターとしては、例えば、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、pOP13などが挙げられる。
さらに、遺伝子を安定的に発現させ、かつ、細胞内での遺伝子のコピー数の増幅を目的とする場合には、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pCHOIなど)を導入し、メトトレキセート(MTX)により増幅させる方法が挙げられ、また、遺伝子の一過性の発現を目的とする場合には、SV40 T抗原を発現する遺伝子を染色体上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクター(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製開始点としては、また、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV )等の由来のものを用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH )遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
本発明は、ALTをコードするDNAとタウリントランスポーターをコードするDNAが導入されている細胞(どちらのDNAもベクターに組み込まれていてもよい)も提供する。
真核細胞を使用する場合、例えば、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を宿主に用いることができる。動物細胞としては、哺乳類細胞、例えば、CHO(J. Exp. Med. (1995) 108, 945)、COS 、3T3、ミエローマ、BHK (baby hamster kidney )、HeLa、Vero、両生類細胞、例えばアフリカツメガエル卵母細胞(Valle, et al., Nature (1981) 291, 358-340 )、あるいは昆虫細胞、例えば、Sf9 、Sf21、Tn5が知られている。CHO 細胞としては、特に、DHFR遺伝子を欠損したCHO 細胞であるdhfr-CHO(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1980) 77, 4216-4220 )やCHO K-1 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1968) 60, 1275)を好適に使用することができる。動物細胞において、大量発現を目的とする場合には特にCHO細胞が好ましい。宿主細胞へのDNA(ベクターに組み込まれていてもよい)の導入は、例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、カチオニックリボソームDOTAP(ベーリンガーマンハイム社製)を用いた方法、エレクトロポレーション法、リポフェクションなどの方法で行うことが可能である。
植物細胞としては、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum )由来の細胞がポリペプチド生産系として知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces )属、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae )、糸状菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus )属、例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger )が知られている。
原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E. coli )、例えば、JM109、DH5α、HB101 等が挙げられ、その他、枯草菌が知られている。
これらの細胞を目的とする遺伝子により形質転換し、形質転換された細胞をin vitroで培養することにより、目的とする遺伝子がコードするポリペプチドが得られる。培養は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、動物細胞の培養液として、例えば、DMEM、MEM 、RPMI1640、IMDMを使用することができる。その際、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできるし、無血清培養してもよい。培養時のpHは、約6〜8であるのが好ましい。培養は、通常、約30〜40℃で約15〜200時間行い、必要に応じて培地の交換、通気、攪拌を加える。
一方、in vivo でポリペプチドを産生させる系としては、例えば、動物を使用する産生系や植物を使用する産生系が挙げられる。これらの動物又は植物に目的とする遺伝子を導入し、動物又は植物の体内でポリペプチドを産生させ、回収する。本発明における「宿主」とは、これらの動物、植物を包含する。
動物を使用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系がある。哺乳類動物としては、ヤギ、ブタ、ヒツジ、マウス、ウシを用いることができる(Vicki Glaser, SPECTRUM Biotechnology Applications, 1993 )。また、哺乳類動物を用いる場合、トランスジェニック動物を用いることができる。
例えば、目的とする遺伝子を、ヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生されるポリペプチドをコードする遺伝子との融合遺伝子として調製する。次いで、この融合遺伝子を含む遺伝子断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ移植する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギ又はその子孫が産生する乳汁から、目的のポリペプチドを得ることができる。トランスジェニックヤギから産生されるポリペプチドを含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert, K.M. et al., Bio/Technology (1994) 12, 699-702 )。
また、昆虫としては、例えばカイコを用いることができる。カイコを用いる場合、目的のポリペプチドをコードする遺伝子を挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させることにより、このカイコの体液から目的のポリペプチドを得ることができる(Susumu, M. et al., Nature (1985) 315, 592-594 )。
さらに、植物を使用する場合、例えばタバコを用いることができる。タバコを用いる場合、目的とするポリペプチドをコードする遺伝子を植物発現用ベクター、例えばpMON 530に挿入し、このベクターをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens )のようなバクテリアに導入する。このバクテリアをタバコ、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum )に感染させ、本タバコの葉より所望のポリペプチドを得ることができる(Julian K.-C. Ma et. al., Eur. J. Immunol. (1994) 24, 131-138)。
これにより得られたポリペプチドは、宿主細胞内または細胞外(培地など)から単離し、実質的に純粋で均一なポリペプチドとして精製することができる。ポリペプチドの分離、精製は、通常のポリペプチドの精製で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。例えば、クロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動法、透析、再結晶等を適宜選択、組み合わせればポリペプチドを分離、精製することができる。
クロマトグラフィーとしては、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等が挙げられる(Strategies for Protein Purification and Characterization: A Laboratory Course Manual. Ed Daniel R. Marshak et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1996)。これらのクロマトグラフィーは、液相クロマトグラフィー、例えばHPLC、FPLC等の液相クロマトグラフィーを用いて行うことができる。本発明は、これらの精製方法を用い、高度に精製されたポリペプチドも包含する。
なお、ポリペプチドを精製前又は精製後に適当なポリペプチド修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えて部分的にペプチドを除去することもできる。ポリペプチド修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グルコシダーゼなどが用いられる。
なお、本発明において、「DNAを導入した細胞」とは、遺伝子組み換え技術により外来性DNAが組み込まれた細胞の他、遺伝子活性化技術(例えば、国際公開第WO94/12650号パンフレット参照)により内因性DNAが活性化され、その結果、当該DNAに対応する蛋白質の発現もしくは当該DNAの転写が開始或いは増加した細胞も包含する概念である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
〔実施例1〕ヒト肝細胞アラニンアミノトランスフェラーゼ(Alanine aminotransferase)遺伝子クローニング
市販のHuman Liver QUICK-Clone cDNA(Clontech社)を鋳型にして、ヒト肝由来Alanine aminotransferase(ALT1)遺伝子をPCR法によって得た。クローニングされた遺伝子は塩基配列を決定し、公開されているヒトALT1との相同性からALT1をコードしていることを確認した。得られたALT1遺伝子は、1488塩基中、5箇所(c157a,a215g,c765t,t857c,t995a)に変異がみられ、コードするアミノ酸は、496個中、4アミノ酸(R53S、Q72R, F286S, M332K)が異なっていたが、ヒト肝由来ALT1 PCRクローンとして細胞改変に用いた。
〔実施例2〕ヒトアラニンアミノトランスフェラーゼ導入による抗体産生量増加
実施例1のクローニングにより取得したヒトALT1(以下ALT1)遺伝子にKozak配列を加え、CMVプロモーター発現プラスミドpPur-ALT1(図1)、pHyg-ALT1(図2)を構築した。pPur-ALT1あるいはALT1遺伝子を含まないpPur発現プラスミドを、親株である抗グリピカン-3抗体産生CHO細胞(国際公開第WO 2006/006693号パンフレットを参照)にエレクトロポレーション法で導入し、Puromycin(6μg/ml)存在下、静置培養で高増殖であった細胞株(pPur-ALT1:7株, pPur:3株)を選抜した。拡大後、pPur-ALT1細胞株からTotal RNAを調製し、TaqMan法によってヒトALT1を高発現していた6株を選抜し、さらに、振とう培養下で、コントロールであるpPur導入細胞(3株)と同程度に増殖する4株をヒトALT1導入細胞とし、抗体産生量比較をおこなった。初発密度2x10cells/mLの50mlシェーカーフラスコによる流加培養において、シェーカー培養後期17日目のpPur-ALT1導入細胞(4株)の抗グリピカン-3抗体産生量は、pPur導入細胞(3株)に対して優位であった(t検定 P<0.01, 図3)。シェーカー流加培養検討において、それぞれ最も抗体高産生であったpPur-ALT1発現株A72およびPur発現株P41を初発10x10cells/mLで1Lジャー流加培養をおこなうと、A72の抗体産生量は、培養19日目で2.9g/Lであり、P41の抗体産生量(2.2g/L)以上に高産生であった(図4)。培養14日目以降にP41の産生量増加がみられないことから、A72の抗体高産生は生存率維持効果によるものと考えられた(図5)。また、Hygromycin(200μg/ml)存在下で上記と同様の手法で薬剤選抜されたpHyg/ALT導入細胞(3株)を親株とともに、初発密度1x10cells/mLで15mlチューブによる流加培養をおこなうと、チューブ培養後期10日目におけるpHyg-ALT導入細胞の抗グリピカン-3抗体産生量は、471mg/L、544mg/L、588mg/Lと、いずれも親株(400mg/L)以上であった(data not shown)。
次に、pHyg-TauT導入細胞T10(後述の参考例2を参照)を親株にして、pPur-ALT1あるいはpPurを共導入し、高増殖で且つヒトALT1を高発現していたTauT/ALT1共発現細胞(6株)、および高増殖なTauT/pPur共発現細胞(8株)を選抜し、初発密度10x10cells/mLで50mlシェーカーフラスコによる流加培養をおこなった。ALT発現細胞であるTauT/ALT1共発現株のシェーカー培養4日目の抗グリピカン-3抗体産生量は、TauT/pPur細胞に対して優位であった(t検定 P<0.01, 図6)。
シェーカー流加培養検討において最も抗体高産生であり、且つ、ALT1 mRNAを最も発現していたTauT/ALT1共発現株TA41 (881mg/L/4days)を初発10x10cells/mLで1Lジャー流加培養をおこなうと、その抗体産生量は、培養7日目で1.3g/L、培養10日目で3.0g/L、培養12日目で3.5g/L、培養17日目で4.6g/L、培養21日目で5.3g/Lと高く(図7)、TauT/pPur共発現株中で最も産生量が高かったコントロール株TP08 (656mg/L/4days)に対しても明らかに高かった(培養10日目で2.4g/L)。
TauT/ALT1共発現株であるTA41の 50ml シェーカーフラスコ流加培養14日目における抗グリピカン-3 抗体産生量は、アラニンと共にALTの基質となるα-ケトグルタル酸を添加すると増加した(図22)。培養14日目の抗グリピカン-3 抗体産生量は、2.5 mM α-ケトグルタル酸存在下で1452 mg/L、α-ケトグルタル酸非存在下で1239 mg/Lであった。
以上の結果は、ALT1を人為的に発現させることによって、培養後期に抗体を高産生する細胞が得られることを示唆している。
本発明は、あらゆる抗体産生細胞へ応用可能である。
〔参考例1〕CHO細胞由来ハムスタータウリントランスポーター遺伝子クローニング
CHO DXB11細胞に抗IL-6レセプター抗体遺伝子を導入した抗IL-6レセプター抗体産生細胞(特開平8-99902号公報)からtotal RNA抽出をおこなったのち、ポリAに依存するcDNAを合成した。SalI、XhoI、EcoRIの三種類の制限酵素で断片化したcDNAを鋳型することで、Hamsterタウリントランスポーター(TauT)遺伝子をPCRにより得た。PCRプライマーは 既知であるRat/Mouse TauT間で遺伝子配列が保存されている5’,3’を含むものを設計して用いた。クローニングされた遺伝子は塩基配列を決定し、既知の生物種のTauT との相同性から Hamster TauTをコードしていることを確認した(図8)。Hamster TauTアミノ酸配列はMouse(96% Identity)、Rat(96% Identity)、Human(93% Identity) TauTに対して高い相同性を有しており、12の膜貫通領域をもつトランスポーターであることが予想された(図9)。
〔参考例2〕ハムスタータウリントランスポーター導入による生細胞密度増加、乳酸産生量抑制、および抗体産生量増加
参考例1のクローニングにより取得したHamster TauT(以下TauT)遺伝子にKozak配列を加え、CMVプロモーター発現プラスミドpHyg/TauT(図10)を構築した。pHyg/TauTあるいはTauT遺伝子を除いたコントロールプラスミドpHygを、親株である抗グリピカン-3抗体産生CHO細胞(国際公開第WO 2006/006693号パンフレットを参照)にエレクトロポレーション法で導入した。発現プラスミド導入細胞をHygromycin(400μg/ml)存在下で選抜したのち、安定して増殖する細胞株すべてを拡大した(pHyg/TauT:8株, pHyg:7株)。TauT mRNAを調製ののちTaqMan法により、親株に対して優位な発現を確認できる7株をpHyg/TauT導入細胞とした。導入細胞(7株)のmRNA平均発現量はコントロール(7株)の約40倍であった。計14株の細胞は2x10cells/mLの初発密度で50mlシェーカーフラスコによるバッチ(batch)培養および流加(fed-batch)培養をおこない、培養後期7日目における生細胞密度、乳酸産生量、抗グリピカン-3抗体産生量を比較した。バッチ培養においては細胞増殖にともない培養液中に乳酸などの生育阻害物質が蓄積し、増殖が抑制されるが、pHyg/TauT導入細胞の生細胞密度(図11)および乳酸産生量(図12)はpHyg導入細胞に対して優位であった(t検定 P<0.05)。抗グリピカン-3抗体産生量に関しては、pHyg/TauT導入細胞の7株中4株がpHyg導入細胞の最高値以上であった(図13)。さらにpHyg/TauT導入細胞の抗グリピカン-3抗体産生量の優位性(t検定 P<0.01, 図14)が流加培養により明らかになったため、上記4株中で最も増殖能が高かったpHyg/TauT導入細胞(T10)と親株の1L ジャーによる流加培養をおこなったところ、T10は培養32日目においても生存率が80%以上に維持されており(図15)、乳酸産生が抑制されていた。その結果、抗グリピカン-3抗体産生量は、培養35日目において2.9g/L(図16)を達成した。TauT導入T10細胞が細胞膜上にTauT分子を発現していることはフローサイトメトリー分析(図17)で確認した。以上の結果は、Hamster TauTを人為的に発現させることによって抗体産生細胞のポテンシャルが上がり、抗体高産生株が得られることを示唆している。
〔参考例3〕ハムスタータウリントランスポーター導入株のアンモニア産生量抑制、タウリンの取り込み、グルタミン消費量増加、およびタウリン否依存的な抗体産生量
親株及びpHyg/TauT導入株を、初発2x10cells/mLで1Lジャー流加培養し、適時、培養槽から450x10 細胞を含む培養液を採取した。遠心により、培養上清を分取したのち、細胞ペレットにプロテアーゼ阻害剤(Complete Mini、 Roche Diagnostics社、Protease inhibitor cocktail tablets)を含む1mLの冷却滅菌水を加え、氷上にて、超音波細胞破砕機(MISONIX ASTRASON MODEL XL2020を用いて5秒パルス操作後、5秒休止を1セットとし、計12セット、処理を繰り返し、細胞を完全に破砕した。処理後の溶液は全量を遠心式ろ過ユニットにアプライすることで、分子量5000以下のろ液を調製して、細胞内アミノ酸測定用の試料とした。各試料は、さらに、ニンヒドリン試液-L8500セット(和光純薬工業)および、日立製全自動アミノ酸分析装置(L-8500)の改良型を用いて、570nmの吸光度を検出、比較し、試料中の各種アミノ酸濃度を求めた。培養液中の各種アミノ酸およびアンモニア等の濃度は直接測定した値であるので、μMオーダーの濃度比較をおこない、一方、細胞内濃度は、細胞ペレットに冷却滅菌水1mLを加えたのち、超音波細胞破砕をおこなっていることから、各種アミノ酸およびアンモニア等の測定値を細胞あたりの値に換算し、その換算値の比較をおこなった。 図18のアンモニア濃度比は、1Lジャー流加培養開始時の450x105個当たりの親株のアンモニア検出値を1と規定し、培養開始時、6日目、12日目、18日目の検出値と比較し、比を求めた。また、図19、図20のタウリンとグルタミン酸も、上記アミノ酸分析により測定した。
その結果、pHyg/TauT導入株は、培養後期において、細胞内アンモニアが低濃度に維持されており、抗体高産生に寄与していると考えられた(図18)。
細胞内のタウリン濃度比は、上記、アンモニアとほぼ同様の方法で求めた(図19)。相違点は、50mLシェーカーバッチ培養4日目の200x105個当たりの親株のアンモニア検出値を1と規定していることである。
その結果、pHyg/TauT導入株は、タウリン添加量に依存してタウリンを取り込んでおり、その取り込み量は親株と同等であった。しかし、図20に示すように、pHyg/TauT導入株のグルタミン消費量は、親株にたいして顕著であり、初発タウリン濃度に依存しなかった。グルタミンがハイブリドーマの細胞増殖や生存率、および抗体産生能を改善し、抗体産生量を上げる働きをすることは報告されている(Enzyme and Microbial Technology 17:47-55, 1995)。よって、pHyg/TauT導入株の抗体産生増強効果は、タウリントランスポーターを介した、タウリン以外の他のアミノ酸(グルタミンなど)の取り込みによる可能性も考えられる。なお、グルタミン濃度は、図19における培養4日目の培養液をアミノ酸分析した測定値を、1x105細胞あたりに換算した値である。
実際、抗グリピカン-3抗体産生量は、50mLシェーカー流加培養開始時の初発タウリン濃度(0〜500mM(62.575g/L))に依存しなかった(図21)。また、親株についても初発タウリン濃度による抗体産生量の影響に優位な差は認められなかった。
以上の結果は、培養開始時の培地中にタウリンを含んでいなくともTauT強発現株が高い抗体産生能を有することを示唆しており、タウリン以外のアミノ酸等の取り込みについても促進している可能性も考えられる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
本発明は、ポリペプチドの生産に利用することができる。
<配列番号1>
配列番号1は、ヒトアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT1)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Homo sapiens (human): 2875)を示す。
<配列番号2>
配列番号2は、ヒトアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT1)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Homo sapiens (human): 2875)を示す。
<配列番号3>
配列番号3は、ヒトアラニンアミノトランスフェラーゼ変異体(ALT2) をコードする遺伝子(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Homo sapiens (human): 84706)の塩基配列を示す。
<配列番号4>
配列番号4は、ヒトアラニンアミノトランスフェラーゼ変異体(ALT2)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Homo sapiens (human): 84706)を示す。
<配列番号5>
配列番号5は、マウスアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)をコードする遺伝子(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Mus musculus (mouse): 76282)の塩基配列を示す。
<配列番号6>
配列番号6は、マウスアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Mus musculus (mouse): 76282)を示す。
<配列番号7>
配列番号7は、マウスアラニンアミノトランスフェラーゼ変異体(ALT2)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Mus musculus (mouse): 108682)を示す。
<配列番号8>
配列番号8は、マウスアラニンアミノトランスフェラーゼ変異体(ALT2)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Mus musculus (mouse): 108682)を示す。
<配列番号9>
配列番号9は、ラットアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1) をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Rattus norvegicus (rat): 81670)を示す。
<配列番号10>
配列番号10は、ラットアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Rattus norvegicus (rat): 81670)を示す。
<配列番号11>
配列番号11は、イヌアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Canis familiaris (dog): 609510)を示す。
<配列番号12>
配列番号12は、イヌアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Canis familiaris (dog): 609510)を示す。
<配列番号13>
配列番号13は、アフリカツメガエルアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)をコードする遺伝子の塩基配列 (KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Xenopus laevis (African clawed frog): 444533)を示す。
<配列番号14>
配列番号14は、アフリカツメガエルアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)のアミノ酸配列 (KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Xenopus laevis (African clawed frog): 444533)を示す。
<配列番号15>
配列番号15は、ショウジョウバエアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Drosophila melanogaster (fruit fly): Dmel_CG1640)を示す。
<配列番号16>
配列番号16は、ショウジョウバエアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Drosophila melanogaster (fruit fly): Dmel_CG1640)を示す。
<配列番号17>
配列番号17は、センチュウアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Caenorhabditis elegans (nematode): C32F10.8)を示す。
<配列番号18>
配列番号18は、センチュウアラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT1)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Caenorhabditis elegans (nematode): C32F10.8)を示す。
<配列番号19>
配列番号19は、日本米アラニンアミノトランスフェラーゼ (2種のうちの1つ)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Oryza sativa japonica (Japanese rice): 4342210)を示す。
<配列番号20>
配列番号20は、日本米アラニンアミノトランスフェラーゼ (2種のうちの1つ)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Oryza sativa japonica (Japanese rice): 4342210)を示す。
<配列番号21>
配列番号21は、日本米アラニンアミノトランスフェラーゼ (2種のうちの1つ)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Oryza sativa japonica (Japanese rice): 4348524)を示す。
<配列番号22>
配列番号22は、日本米アラニンアミノトランスフェラーゼ (2種のうちの1つ)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Oryza sativa japonica (Japanese rice): 4348524)を示す。
<配列番号23>
配列番号23は、原始紅藻シアニディオシゾン アラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Cyanidioschyzon merolae: CMM066C)を示す。
<配列番号24>
配列番号24は、原始紅藻シアニディオシゾン アラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Cyanidioschyzon merolae: CMM066C)を示す。
<配列番号25>
配列番号25は、パン酵母アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT1)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Saccharomyces cerevisiae: YLR089C)を示す。
<配列番号26>
配列番号26は、パン酵母アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT1)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Saccharomyces cerevisiae: YLR089C)を示す。
<配列番号27>
配列番号27は、パン酵母アラニンアミノトランスフェラーゼ変異体(ALT2)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Saccharomyces cerevisiae: YDR111C)を示す。
<配列番号28>
配列番号28は、パン酵母アラニンアミノトランスフェラーゼ変異体(ALT2)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Saccharomyces cerevisiae: YDR111C)を示す。
<配列番号29>
配列番号29は、糸状菌Ashbya gossypiiアラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Ashbya gossypii (Eremothecium gossypii): AGOS_AGR085W)を示す。
<配列番号30>
配列番号30は、糸状菌Ashbya gossypiiアラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Ashbya gossypii (Eremothecium gossypii): AGOS_AGR085W)を示す。
<配列番号31>
配列番号31は、真菌Candida albicansアラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Candida albicans: CaO19_346)を示す。
<配列番号32>
配列番号32は、真菌Candida albicansアラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Candida albicans: CaO19_346)を示す。
<配列番号33>
配列番号33は、分裂酵母アラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Schizosaccharomyces pombe: SPBC582.08)を示す。
<配列番号34>
配列番号34は、分裂酵母アラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Schizosaccharomyces pombe: SPBC582.08)を示す。
<配列番号35>
配列番号35は、真菌Aspergillus nidulansアラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Aspergillus nidulans: AN1923.2)を示す。
<配列番号36>
配列番号36は、真菌Aspergillus nidulansアラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Aspergillus nidulans: AN1923.2)を示す。
<配列番号37>
配列番号37は、真菌Aspergillus fumigatusアラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Aspergillus fumigatus: AFUA_6G07770)を示す。
<配列番号38>
配列番号38は、真菌Aspergillus fumigatusアラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Aspergillus fumigatus: AFUA_6G07770)を示す。
<配列番号39>
配列番号39は、清酒麹菌Aspergillus oryzae アラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Aspergillus oryzae: AO090003000164)を示す。
<配列番号40>
配列番号40は、清酒麹菌Aspergillus oryzae アラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Aspergillus oryzae: AO090003000164)を示す。
<配列番号41>
配列番号41は、真菌Cryptococcus neoformansアラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Cryptococcus neoformans JEC21: CNG01490)を示す。
<配列番号42>
配列番号42は、真菌Cryptococcus neoformansアラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Cryptococcus neoformans JEC21: CNG01490)を示す。
<配列番号43>
配列番号43は、細胞性粘菌 Dictyostelium discoideumアラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Dictyostelium discoideum: DDB_0232139)を示す。
<配列番号44>
配列番号44は、細胞性粘菌 Dictyostelium discoideumアラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Dictyostelium discoideum: DDB_0232139)を示す。
<配列番号45>
配列番号45は、Trypanosoma bruceiアラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma brucei: Tb927.1.3950)を示す。
<配列番号46>
配列番号46は、Trypanosoma bruceiアラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma brucei: Tb927.1.3950)を示す。
<配列番号47>
配列番号47は、細胞内寄生性原虫Leishmania majorアラニンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Leishmania major: LmjF12.0630)を示す。
<配列番号48>
配列番号48は、細胞内寄生性原虫Leishmania majorアラニンアミノトランスフェラーゼのアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Leishmania major: LmjF12.0630)を示す。
<配列番号49>
配列番号49は、赤痢アメーバEntamoeba histolyticaアラニンアミノトランスフェラーゼ(2種のうちの一つ)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 /Entamoeba histolytica: 233.t00009)を示す。
<配列番号50>
配列番号50は、赤痢アメーバEntamoeba histolyticaアラニンアミノトランスフェラーゼ(2種のうちの一つ)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 /Entamoeba histolytica: 233.t00009)を示す。
<配列番号51>
配列番号51は、赤痢アメーバEntamoeba histolyticaアラニンアミノトランスフェラーゼ(2種のうちの一つ)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 /Entamoeba histolytica: 24.t00016)を示す。
<配列番号52>
配列番号52は、赤痢アメーバEntamoeba histolyticaアラニンアミノトランスフェラーゼ(2種のうちの一つ)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 /Entamoeba histolytica: 24.t00016)を示す。
<配列番号53>
配列番号53は、細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruziアラニンアミノトランスフェラーゼ(4種のうちの一つ)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma cruzi: 506529.420)を示す。
<配列番号54>
配列番号54は、細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruziアラニンアミノトランスフェラーゼ(4種のうちの一つ)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma cruzi: 506529.420)を示す。
<配列番号55>
配列番号55は、細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruziアラニンアミノトランスフェラーゼ(4種のうちの一つ)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma cruzi: 506529.430)を示す。
<配列番号56>
配列番号56は、細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruziアラニンアミノトランスフェラーゼ(4種のうちの一つ)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma cruzi: 506529.430)を示す。
<配列番号57>
配列番号57は、細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruziアラニンアミノトランスフェラーゼ(4種のうちの一つ)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma cruzi: 510889.120)を示す。
<配列番号58>
配列番号58は、細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruziアラニンアミノトランスフェラーゼ(4種のうちの一つ)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma cruzi: 510889.120)を示す。
<配列番号59>
配列番号59は、細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruziアラニンアミノトランスフェラーゼ(4種のうちの一つ)をコードする遺伝子の塩基配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma cruzi: 510889.140)を示す。
<配列番号60>
配列番号60は、細胞内寄生性原虫Trypanosoma cruziアラニンアミノトランスフェラーゼ(4種のうちの一つ)のアミノ酸配列(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma cruzi: 510889.140)(KEGG / ENZYME: 2.6.1.2 / Trypanosoma cruzi: 510889.140)を示す。
<配列番号61>
配列番号61は、ハムスタータウリントランスポーターをコードする遺伝子の塩基配列を示す。
<配列番号62>
配列番号62は、ハムスタータウリントランスポーターのアミノ酸配列を示す。
<配列番号63>
配列番号63は、ラットタウリントランスポーターをコードする遺伝子の塩基配列(GenBank NM_017206)を示す。
<配列番号64>
配列番号64は、ラットタウリントランスポーターのアミノ酸配列(GenBank NM_017206)を示す。
<配列番号65>
配列番号65は、マウスタウリントランスポーターをコードする遺伝子の塩基配列(GenBank NM_009320)を示す。
<配列番号66>
配列番号66は、マウスタウリントランスポーターのアミノ酸配列(GenBank NM_009320)を示す。
<配列番号67>
配列番号67は、ヒトタウリントランスポーターをコードする遺伝子の塩基配列(GenBank NM_003043)を示す。
<配列番号68>
配列番号68は、ヒトタウリントランスポーターのアミノ酸配列(GenBank NM_003043)を示す。

Claims (10)

  1. アラニンアミノトランスフェラーゼをコードするDNA及び所望のポリペプチドをコードするDNAが導入され、且つ当該アラニンアミノトランスフェラーゼを発現する細胞を培養し、所望のポリペプチドを産生させることを含む、ポリペプチドの製造方法。
  2. アラニンアミノトランスフェラーゼをコードするDNA及び所望のポリペプチドをコードするDNAが導入され、且つ当該アラニンアミノトランスフェラーゼを発現する細胞が、更にタウリントランスポーターをコードするDNAが導入され、且つ当該タウリントランスポーターを発現する細胞である請求項1記載の製造方法。
  3. 細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である請求項1又は記載の製造方法。
  4. 所望のポリペプチドが抗体である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  5. アラニンアミノトランスフェラーゼをコードするDNAが以下の(a)〜(d)のいずれかである請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
    (a) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNA
    (b) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列において、1個以上10個以下のアミノ酸が置換、欠失又は/及び付加されたアミノ酸配列を有し、かつアラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
    (c) 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58又は60のアミノ酸配列と97%以上の同一性を有し、かつアラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
    (d) 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57又は59の塩基配列を有するDNA
  6. 以下の工程を含む、所望のポリペプチドを含有する医薬品を製造する方法;
    (i)請求項1〜5のいずれかに記載の方法で所望のポリペプチドを製造する工程、
    (ii)当該ポリペプチドを医薬的に許容される担体又は添加剤と混合する工程。
  7. アラニンアミノトランスフェラーゼをコードするDNAと所望のポリペプチドをコードするDNAが導入されている培養細胞。
  8. さらにタウリントランスポーターをコードするDNAが導入されている請求項記載の培養細胞。
  9. アラニンアミノトランスフェラーゼをコードするDNAとタウリントランスポーターをコードするDNAが導入されている培養細胞。
  10. α−ケトグルタル酸を含有する培地で培養することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。
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