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JP5336326B2 - コンデンサマイクロホンユニットおよびコンデンサマイクロホン - Google Patents

コンデンサマイクロホンユニットおよびコンデンサマイクロホン Download PDF

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Description

本発明は、高域まで優れた指向周波数応答特性を保ったまま、感度を高めることができるコンデンサマイクロホンユニットおよびこのマイクロホンユニットを用いたコンデンサマイクロホンに関するものである。
コンデンサマイクロホンユニットは、振動板とこの振動板に所定の間隙をおいて対向する固定電極を備え、振動板が音波を受けて振動すると振動板と固定電極とで構成されているコンデンサの容量が変化することを利用した電気音響変換ユニットである。図10、図11に従来のコンデンサマイクロホンユニットの例を示す。
図10、図11において、筒型のケース101には、振動板リング102、振動板103、スペーサ104、固定電極105、音響抵抗材106、端子107、絶縁基台108、リングねじ109がこの順に内蔵されている。振動板103は表面に金属を蒸着させた薄い樹脂製の膜からなり、周縁部が振動板リング102に固着されている。ケース101は一端(前端:図11において左端)に内向きの鍔を有し、この鍔の内方の面に振動板リング102が当接している。振動板103と固定電極105の間にはリング状の薄板からなるスペーサ104が介在し、振動板103と固定電極105の間にスペーサ104の厚さ分の間隙が形成されている。振動板103と固定電極105の対向面の片方にエレクトレット層を形成すれば、エレクトレットコンデンサマイクロホンユニットが構成される。
端子107は絶縁基台108の中心孔を貫通して後端部がマイクロホンユニットの後ろ側に突出するとともに、前端の頭部は固定電極105に当接している。音響抵抗材106は絶縁基台108に保持され、絶縁基台108に形成されている孔からなる音響端子から固定電極105の孔を通じて振動板103の背面に至る空間の音響抵抗を設定している。リングねじ109はケース101の後端部内周にねじ込まれ、絶縁基台108をケース101の前側に向かって押圧している。この押圧力で上記各内蔵部品が押され、上記のようにケース101の内向きの鍔に振動板リング102が当接することにより、各内蔵部品が相互に押圧された状態でケース101内に保持されている。
振動板103と電気的に通じている振動板リング102がケース101に電気的に通じることにより、固定電極105と電気的に通じている端子107とケース101から、電気音響変換された音声信号を出力することができる。この音声信号は微弱でインピーダンスが高いため、通常はFETなどからなるインピーダンス変換器が内蔵され、インピーダンスを低くして出力される。図12は、上に述べたようなコンデンサマイクロホンユニットを用いたコンデンサマイクロホンの出力回路の例を示している。この出力回路は、上記固定電極をインピーダンス変換器110の入力端子に接続し、振動板103を接地側に接続し、インピーダンス変換器110の出力端子と接地との間にトランス111の一次コイルを接続している。トランス111の二次コイルの一端側をバランス出力のホット側、上記二次コイルの他端側をバランス出力のコールド側としてコネクタを介してマイクロホンケーブルに接続し、接地側をマイクロホンケーブルのシールド線に接続して音声信号をバランス出力するようになっている。
上記のように構成された従来のコンデンサマイクロホンユニットの指向周波数応答特性を図13に示す。太線で示す特性線はマイクロホンユニットの正面すなわち中心軸線に対し傾きのない0度の位置で測定したもの、中間の太さの線で示す特性線はマイクロホンユニットの横すなわち中心軸線に対し90度の位置で測定したもの、細線で示す特性線はマイクロホンユニットの真後ろすなわち中心軸線に対し180度の位置で測定したものである。いずれもEIAJの規格に従って測定した。図13からわかるように、特に高域における指向周波数応答特性を劣化させることなく、感度を改善することが望まれる。
マイクロホンは感度が高いことが望ましい。コンデンサマイクロホンの感度を向上させるためには、
1.駆動力を増加させる
2.マイクロホンユニットのインピーダンスを低くする
3.マイクロホンユニットの振動板の面積を大きくする
などの方法が考えられる。
マイクロホンユニットの振動板の面積を大きくして感度を高くする方法が最も現実的であるが、この方法によれば、高い周波数領域において指向周波数応答特性が劣化する、すなわち高い周波数領域において感度が劣化する難点がある。そこで、本出願人は、高い周波数領域まで指向周波数応答特性が劣化することなく固有雑音を低下させることができるコンデンサマイクロホンを提案した。特許文献1に記載されているコンデンサマイクロホンがそれで、小口径の単一指向性コンデンサマイクロホンカプセル(マイクロホンユニット)を複数個並置し、各マイクロホンカプセルを並列に接続して一つのインピーダンス変換器に接続してなるものである。
特開2006−5710号公報
特許文献1記載のコンデンサマイクロホンによれば、目論見通りの効果をある程度までは達成することができるが、複数のマイクロホンカプセルを並列に接続するものであることから、感度を高めることは困難であった。
そこで本出願人は、複数のマイクロホンユニットをそれらの振動板が同一平面に位置するように配置し、一つのユニットに接続されるインピーダンス変換器の出力が別のユニットの接地側を駆動するように、各ユニットが直列に接続されてなるコンデンサマイクロホンについて先に特許出願した。特願2009−151768に係る発明(以下、この発明を「先願発明」という)がそれであるが、本件の出願時点では未公開である。
先願発明に係るコンデンサマイクロホンによれば、指向周波数応答特性を高域まで優れたものとし、かつ、感度を高めることができる。
しかし、先願発明に係るコンデンサマイクロホンは、複数のマイクロホンユニットを物理的に並列的に配置するため、マイクロホンが大型化するという新たな解決すべき技術課題がある。
本発明は、上記新たな技術的課題を解消すること、すなわち、大型化することなく、高域まですぐれた指向周波数応答特性を得ることができ、かつ、指向周波数応答特性を劣化させることなく感度を高めることができるコンデンサマイクロホンユニットおよびコンデンサマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットは、振動板とこの振動板に所定の間隙をおいて対向する固定電極を有してなる電気音響変換ユニットが複数個一つのケース内に同一軸上に前後に配置され、各電気音響変換ユニットはスペーサで区分され、各電気音響変換ユニットの振動板と固定電極はケースから電気的に絶縁されていて個々の振動板と固定電極に通じる端子が個別に設けられ、各電気音響変換ユニットはインピーダンス変換器を有していて一つの電気音響変換ユニットに接続されたインピーダンス変換器の出力が他の電気音響変換ユニットを駆動するように接続されていることを最も主要な特徴とする。
本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットの他の態様は、各電気音響変換ユニットが、エレクトレットコンデンサマイクロホンユニットであることを特徴とする。
本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットのさらに他の態様は、複数個の電気音響変換ユニットのうち前から2つ目以降の電気音響変換ユニットの振動板が固着されている振動板リングは前から1つ目の電気音響変換ユニットの振動板リングよりも薄いことを特徴とする。
本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットのさらに他の態様は、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンデンサマイクロホンユニットを2組用い、各組のコンデンサマイクロホンユニットにおける複数の電気音響変換ユニットは電気的に互いに逆向きに直列接続されていて、上記2組のコンデンサマイクロホンユニットの一方がホット、他方がコールドでバランス出力されることを特徴とする。
本発明に係るコンデンサマイクロホンは、コンデンサマイクロホンユニットがマイクロホンケースに組み込まれてなるコンデンサマイクロホンであって、上記コンデンサマイクロホンユニットは、上記のように構成された本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットであることを特徴とする。
振動板とこの振動板に所定の間隙をおいて対向する固定電極を有してなるコンデンサ型電気音響変換ユニットが複数個一つのケース内に同一軸上に前後に配置されているため、マイクロホンユニットは軸方向の寸法が僅かに大きくなる程度で、直径は従来一般のコンデンサマイクロホンユニットの直径と変わりがなく、ユニット全体の小型化を図ることができる。
また、電気的には、各電気音響変換ユニットはスペーサで区分され、各電気音響変換ユニットの振動板と固定電極はケースから電気的に絶縁されていて個々の振動板と固定電極に通じる端子が個別に設けられ、各電気音響変換ユニットはインピーダンス変換器を有していて一つの電気音響変換ユニットに接続されたインピーダンス変換器の出力が他の電気音響変換ユニットを駆動するように接続されているため、高域まですぐれた指向周波数応答特性を得ることができ、かつ、指向周波数応答特性を劣化させることなく感度を高めることができる。
本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットの実施例を示す、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。 上記実施例を分解して示す側面断面図である。 上記実施例に係るコンデンサマイクロホンユニットの音響等価回路図である。 本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットの電気的接続例を示す回路図である。 上記実施例に係るコンデンサマイクロホンユニットの前側ユニットの指向特性線図である。 上記前側ユニットの周波数応答を示す特性線図である。 上記実施例に係るコンデンサマイクロホンユニットの後側ユニットの指向特性線図である。 上記後側ユニットの周波数応答を示す特性線図である。 上記前側ユニットと後側ユニットを合わせた上記実施例に係るコンデンサマイクロホンユニットの周波数応答を示す特性線図である。 従来のコンデンサマイクロホンユニットの例を示す、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。 上記従来例を分解して示す側面断面図である。 上記従来例の電気的接続例を示す回路図である。 上記従来のコンデンサマイクロホンユニットの周波数応答を示す特性線図である。
以下、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットおよびコンデンサマイクロホンの実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1、図2において、絶縁性の材質からなる筒型のケース1には、端子板2、端子3、振動板リング4、振動板5、スペーサ6、固定電極7、端子板8、スペーサ9、振動板リング10、振動板11、スペーサ12、固定電極13、音響抵抗材14、端子15、絶縁基台16、リングねじ17がこの順に内蔵されている。振動板5,11はそれぞれ薄い樹脂製の膜からなり、それぞれの周縁部が振動板リング4,10に固着されている。ケース1は一端(前端:図2において左端)に内向きの鍔を有し、この鍔の内方の面に端子板2の周縁部が当接している。振動板5と固定電極7の間にはリング状の薄板からなるスペーサ6が介在し、振動板5と固定電極7の間にスペーサ6の厚さ分の間隙が形成されている。同様に、振動板11と固定電極13の間にはリング状の薄板からなるスペーサ12が介在し、振動板11と固定電極13の間にスペーサ12の厚さ分の間隙が形成されている。振動板5と固定電極7の対向面の少なくとも片方、および振動板11と固定電極13の対向面の少なくとも片方にエレクトレット層を形成することにより、エレクトレットコンデンサマイクロホンユニットが構成されている。
端子板2の中心孔を丸い棒形の端子3が端子板2の背面側から前面側に向かって貫通し、端子3の前端部がケース1の前端から前方に突出すると共に、端子3の後端部の大径部が端子板2に当接している。端子板2は振動板リング4を介して振動板5と電気的に通じていて、結果的には、振動板5は端子3と電気的に通じている。固定電極7の背面側にはリング状の端子板8が接していて、固定電極7と端子板8は電気的に通じている。端子板8の外周の一部は、ケース1の切り欠きから半径方向外側に向かい突出していて、この突出部は固定電極7に通じる出力端子となっている。上記端子板2、端子3、振動板リング4、振動板5、スペーサ6、固定電極7、端子板8で一つのコンデンサ型電気音響変換ユニット18を構成している。以下、この電気音響変換ユニットを前側ユニット18という場合もある。
図2において右側に位置する前記絶縁基台16の中心孔を丸い棒形の端子15が絶縁基台16の前面側から背面側に向かって貫通し、端子15の先端部が絶縁基台16の背面側に突出すると共に、端子15の大径部が固定電極13に圧接している。したがって、固定電極13と端子15が電気的に通じている。振動板リング10の外周の一部は、ケース1の切り欠きから半径方向外側に向かい突出していて、この突出部は振動板11に通じる出力端子となっている。固定電極13と絶縁基台16の間には音響抵抗材14が介在し、音響抵抗材14は、音響端子を構成する絶縁基台16の孔からなる音響端子の音響抵抗を構成している。
上記振動板リング10、振動板11、スペーサ12、固定電極13、音響抵抗材14、端子15で一つのコンデンサ型電気音響変換ユニット19を構成している。以下、この電気音響変換ユニットを後側ユニット19という場合もある。
上記前側ユニット18と後側ユニット19の間にはこれらのユニットを前後に区分するスペーサ9が介在している。ケース1の後端部(図2において右端部)内周にはリングねじ17がねじ込まれ、リングねじ17は絶縁基台16を前方に向かって押圧している。この押圧力でケース1の上記各内蔵部品が前方に向かって押圧され、端子板2がケース1の内向きの鍔に当接し、上記各内蔵部品が相互に当接した状態でケース1内に位置決めされて保持されている。このようにして、前後の電気音響変換ユニット18,19は、一つのケース1内に同一軸上に、かつ、前後に直列的に配置されている。前側ユニット18の出力信号は端子3と端子板8から取り出される。後側ユニット19の出力信号は端子15と振動板リング10から取り出される。したがって、各電気音響変換ユニット18,19の振動板5,11と固定電極7,13はケース1から電気的に絶縁されていて、個々の振動板5,11と固定電極7,13に通じる端子が個別に設けられている構成になっている。
図3は、上記実施例に係るマイクロホンユニットの音響等価回路で、Sは、前側振動板5と固定電極7との間の空隙と、固定極7の孔と、この固定極7と後側の振動板11との間の空隙を合わせた空間のスティフネスを示している。このスティフネスSを境にして前側ユニット18と後側ユニット19が結合された形になっている。Pは前側ユニット18の音圧、m0A,S0A,r0Aはそれぞれ前側ユニット18の空気室の質量、スティフネス、音響抵抗を示している。Pは後側ユニット19の音圧、m0B,S0B,r0Bはそれぞれ後側ユニット19の空気室の質量、スティフネス、音響抵抗を示している。Sは固定電極13の孔およびこれに連通する後部空気室のスティフネスをそれぞれ示している。rは音響抵抗材14の音響抵抗値を示している。
次に、上記実施例の電気的な接続例について図4を参照しながら説明する。図4に示す例は、これまで説明してきたコンデンサマイクロホンユニットを2組用いてバランス出力する構成になっているが、ここではまず、図4の上半部に示す1組のマイクロホンユニットの出力回路例について説明する。図4において、振動板5と固定電極7は前述のように前側ユニット18の主要部をなし、振動板11と固定電極13は後側ユニット19の主要部をなしている。前側ユニット18の振動板5は、前述のように振動板電極4、端子板2、端子3を介してユニットの外に引き出され、図4に示すように接地されている。固定電極7は端子板8からユニットの外に引き出され、インピーダンス変換器21の入力端子に接続されている。インピーダンス変換器21の出力端子は、後側ユニット19の振動板リング10を経て振動板11に接続され、後側ユニット19の固定電極13は端子15を経てユニット外に引き出され、インピーダンス変換器22の入力端子に接続されている。インピーダンス変換器22の出力端子が前側ユニット18の信号出力端子となっている。
このように、二つの電気音響変換ユニット18,19が一つのケース内に収納されて物理的に同一軸上に配置され、電気的には前後の電気音響変換ユニット18,19がそれぞれインピーダンス変換器21,22を有していて、それぞれのインピーダンス変換器21,22を含めて直列に接続されている。換言すれば、一つのケース内に互いに絶縁された複数の振動板およびこれらの振動板と対をなす固定電極が同軸上に前後に配置され、各電気音響変換ユニットはスペーサで区分され、各電気音響変換ユニットの振動板と固定電極はケースから電気的に絶縁されていて個々の振動板と固定電極に通じる端子が個別に設けられ、各電気音響変換ユニットはインピーダンス変換器を有していて一つの電気音響変換ユニットに接続されたインピーダンス変換器の出力が他の電気音響変換ユニットを駆動するように接続されている。このようにして、複数の電気音響変換ユニットが電気的に直列に接続されることにより、直列接続した段数をNとすると、N倍の出力電圧、すなわち20logN(N=2,3,・・・)が得られる。固有雑音は無相関であるから、10logNの増加になり、信号対雑音比(S/N)が改善される。
前後のユニット18,19の固定電極7,13には複数の孔が設けられていて、これらの孔により前後のユニット18,19が音響的に直列接続されている。そして、後側ユニット19の振動板リング10は前側ユニット18の振動板リング4よりも厚さの薄いものを用いており、もって、前側の固定電極7と後側の振動板11との間の空隙を小さくしてそのスティフネス(図3に示すS)を大きくしている。図示の実施例のような前後2つのユニットを有してなる構成に限らず、電気音響変換ユニットが前後に複数配置されている一般的な構成を想定しながら言い換えると、複数個の電気音響変換ユニットのうち前から2つ目以降の電気音響変換ユニットの振動板が固着されている振動板リングの厚さは、前から1つ目の電気音響変換ユニットの振動板リングよりも薄くなっているということができる。
上記2つ目以降の電気音響変換ユニットにおける振動板リングの厚さは、所定の強度を保つことができれば、高域周波数特性の劣化を防ぐために、可能な限り薄くするのが望ましい。従来、振動板リングは切削によって製作していたが、所定の強度を保つためには厚さをあまり薄くすることはできなかった。上記2つ目以降の電気音響変換ユニットにおける振動板リングのように、なるべく薄く、かつ、所定の強度を保つことができる振動板リングを得るためには、金属板をエッチング加工することによって製作するとよい。このようにして、後側ユニット19の振動板リング10を可能な限り薄くすることにより、後側ユニット19の高域周波数特性の劣化を防いでいる。振動板リングの厚さは通常800μm程度であるが、後側ユニット19の振動板リング10の厚さは200μm程度が好ましい。実施例では、後側ユニット19の振動板リング10として、真ちゅう板をエッチング加工した後金メッキを施した厚さ200μmの振動板リングを用いた。
後側ユニット19の振動板11にとっては、前側ユニット18の振動板5と固定電極7との間の空隙および上記固定電極7と後側ユニット19の振動板11との間の空隙が前部音響抵抗として作用するため、後側ユニット19の指向性は、前側ユニット18の指向性と比較すると双指向性寄りになる。図5は上記実施例における前側ユニット18の指向性を、図7は上記実施例における後側ユニット19の指向性を示す。上記のように、図7に示す後側ユニット19の指向性は、図5に示す前側ユニット18の指向性と比較すると双指向性寄りになっている。前側ユニット18と後側ユニット19は直列接続されて合成されるため、合成した出力が狙った指向性になるように、例えばカージオイドになるように、背面側に配置している音響抵抗材14の抵抗値を適切に調整する。
また、各ユニット18,19から出力を独立して取り出すことができるため、ユニット18,19の出力の一方を選択し、あるいは双方を混合して出力することにより、ワイドカージオイドあるいはカージオイドなどの指向特性を得ることができる。これに加えて音響抵抗材14の抵抗値を調節することにより、カージオイドあるいはスーパーカージオイドなどの指向性を得ることができる。
図6は前側ユニット18の周波数応答を、図7は後側ユニット19の周波数応答を示す。図9は、図4の上側に示すように、前側ユニット18と後側ユニット19の出力を直列接続することにより合成した出力の周波数応答を示す。太線で示す特性線はマイクロホンユニットの正面すなわち中心軸線に対し傾きのない0度の位置で測定したもの、中間の太さの線で示す特性線はマイクロホンユニットの横すなわち中心軸線に対し90度をなす位置で測定したもの、細線で示す特性線はマイクロホンユニットの真後ろすなわち中心軸線に対し180度の位置で測定したものである。図13に示す従来例の周波数応答と同様にEIAJの規格に則って測定した。図9と図13とを比較すると、本発明の実施例によれば感度が向上していることが分かる。
図4に戻って、図4の上半部は既に述べた通り、前後のユニット18,19を一つのケース1に組み込んだ一つのコンデンサマイクロホンユニットを示している。図4に示す例ではその下半部に示すもう一つのコンデンサマイクロホンユニットを備えていて、ペアをなすコンデンサマイクロホンユニットによってバランス出力するように構成されている。図4の下半部のコンデンサマイクロホンユニットも、物理的な構成は上半部のコンデンサマイクロホンユニットと同じであるから、下半部のコンデンサマイクロホンユニットの各構成部材には上半部のコンデンサマイクロホンユニットの各構成部材に付した数字を付するとともに、この数字の後ろに「A」を付した。
上半部のコンデンサマイクロホンユニットの前後のユニット18,19は前述のとおりインピーダンス変換器とともに電気的に直列に接続されている。下半部のコンデンサマイクロホンユニットの前後のユニットもインピーダンス変換器とともに直列に接続されているが、直列接続の向きが上半部のコンデンサマイクロホンユニットは逆になっている。すなわち、前側ユニットの固定電極7Aが接地され、前側ユニットの振動板5Aが前側ユニットのインピーダンス変換器21Aの入力端子に接続されている。インピーダンス変換器21Aの出力端子は後側ユニットの固定電極13Aに接続され、後側ユニットの振動板11Aが後側ユニットのインピーダンス変換器22Aの入力端子に接続されている。
図4において上半部のコンデンサマイクロホンユニットのインピーダンス変換器22の出力端子は、バランス出力のホット側出力端子となっており、下半部のコンデンサマイクロホンユニットのインピーダンス変換器22Aの出力端子は、バランス出力のコールド側出力端子となっている。上記ホット側出力端子とコールド側出力端子はそれぞれコネクタを介してマイクロホンケーブルに接続され、接地側をマイクロホンケーブルのシールド線に接続されて音声信号をバランス出力するようになっている。このように、図4に示す例は、前述のように構成されたコンデンサマイクロホンユニットが2組あり、各組のコンデンサマイクロホンユニットにおける複数の電気音響変換ユニットは電気的に互いに逆向きに直列接続されて、上記2組のコンデンサマイクロホンユニットからバランス出力するように構成されている。
なお、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットを用いてバランス出力するには、必ずしも、図4に示す例のように2組のコンデンサマイクロホンユニットを用いる必要はなく、図12に示す例のように、出力回路にトランスを接続することによりバランス出力させてもよい。
また、図示の実施例では、同一軸上に前後二つの電気音響変換ユニットを配置した構成になっていたが、電気音響変換ユニットは複数あることが条件であり、3個、あるいはそれ以上あってもよい。もっとも、電気音響変換ユニットは2個でも、十分な効果を得ることができ、小型化できる点でも有利である。
以上説明したような本発明に係るコンデンサマイクロホンユニットは、これをマイクロホンケースに組み込むことによって新規なコンデンサマイクロホンを得ることができる。
本発明によれば前述の効果を得ることができるため、使い勝手のよいコンデンサマイクロホンを提供することができ、コンデンサマイクロホンの用途を拡大することができる。
1 ケース
2 端子板
3 端子
4 振動板リング
5 振動板
6 スペーサ
7 固定電極
8 端子板
9 スペーサ
10 振動板リング
11 振動板
12 スペーサ
13 固定電極
14 音響抵抗材
15 端子
16 絶縁基台
17 リングねじ
18 前側ユニット
19 後側ユニット

Claims (5)

  1. 振動板とこの振動板に所定の間隙をおいて対向する固定電極を有してなる電気音響変換ユニットが複数個一つのケース内に同一軸上に前後に配置され、
    各電気音響変換ユニットはスペーサで区分され、
    各電気音響変換ユニットの振動板と固定電極はケースから電気的に絶縁されていて個々の振動板と固定電極に通じる端子が個別に設けられ、
    各電気音響変換ユニットはインピーダンス変換器を有していて一つの電気音響変換ユニットに接続されたインピーダンス変換器の出力が他の電気音響変換ユニットを駆動するように接続されているコンデンサマイクロホンユニット。
  2. 各電気音響変換ユニットは、エレクトレットコンデンサマイクロホンユニットである請求項1記載のコンデンサマイクロホンユニット。
  3. 複数個の電気音響変換ユニットのうち前から2つ目以降の電気音響変換ユニットの振動板が固着されている振動板リングは前から1つ目の電気音響変換ユニットの振動板リングよりも薄い請求項1または2記載のコンデンサマイクロホンユニット。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のコンデンサマイクロホンユニットを2組用い、
    各組のコンデンサマイクロホンユニットにおける複数の電気音響変換ユニットは電気的に互いに逆向きに直列接続されていて、
    上記2組のコンデンサマイクロホンユニットの一方がホット、他方がコールドでバランス出力されるコンデンサマイクロホンユニット。
  5. コンデンサマイクロホンユニットがマイクロホンケースに組み込まれてなるコンデンサマイクロホンであって、上記コンデンサマイクロホンユニットは請求項1ないし4のいずれかに記載のコンデンサマイクロホンユニットであるコンデンサマイクロホン。
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