JP5328336B2 - インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5328336B2 JP5328336B2 JP2008330703A JP2008330703A JP5328336B2 JP 5328336 B2 JP5328336 B2 JP 5328336B2 JP 2008330703 A JP2008330703 A JP 2008330703A JP 2008330703 A JP2008330703 A JP 2008330703A JP 5328336 B2 JP5328336 B2 JP 5328336B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink composition
- ink
- chr
- integer
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
このような光重合硬化型のインク組成物に用いられる光重合開始剤としては例えば、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ミヒラーケトン、アントラキノン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン等が一般的に用いられてきた(例えば、非特許文献1、特許文献1および特許文献2参照)。
ブルース M.モンロー(Bruce M. Monroe)ら著,ケミカル レビュー(Chemical Reviews),第93巻,(1993年),p.435−448. Trends in Photochemistry&Photobiology, Vol.5,7−16(1999)
更に本発明の目的は、該インク組成物を用いることで、画像表面のべとつきが抑制され、耐ブロッキング性に優れた画像を形成しうるインクジェット記録方法を提供することにある。
即ち、前記目的を達成するための具体的手段は以下の通りである。
Aは−[O(CHR5CHR6)a]y−、−[O(CH2)bCO]y−、または−[O(CHR5)bCO](y−1)−[O(CHR5CHR6)a]−を表す。(R5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはエチル基を表し、少なくとも一方は、水素原子を表す。aは1〜2の整数であり、bは4〜5の整数であり、yは1〜10の整数である。)
xは2〜6の整数を表す。
Qはヒドロキシ基をx個有するポリヒドロキシ化合物の残基である。
nは0〜3の整数であり、mは0〜1の整数である。
<3>一般式(I)におけるnが0である前記<1>または<2>に記載のインク組成物。
<4>α−アミノケトン類及びアシルフォスフィンオキシド類からなる群より選択される少なくとも一つの重合開始剤を含有する前記<1>〜<3>のいずれかに記載のインク組成物。
<6>(a)被記録媒体上に前記<5>に記載のインク組成物を吐出する工程、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
<7>前記活性放射線が、発光ピーク波長が340nm以上400nm以下の範囲の紫外線である前記<6>に記載のインクジェット記録方法。
更によれば、該インク組成物を用いることで、画像表面のべとつきが抑制され、耐ブロッキング性に優れた画像を形成しうるインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明に用いられる一般式(I)で示される増感色素(以下適宜、特定増感色素と称する。)は、チオクロマノン骨格を二つ以上有しており、分子量が大きいことから、増感色素が接触している他の化合物に増感色素の成分が移動する、或いは、増感色素が硬化膜表面に配向してべとつきを引き起こすといった事態を抑制することがでるものと考えられる。また本発明で用いる特定増感色素は、1分子あたりチオクロマノン骨格を複数有するため、チオクロマノン化合物本来が有する増感能を、等量で同等以上有しているものと考えられる。
このため、このような一般式(I)で示される特定増感色素を含む本発明のインク組成物は、低出力の放射線の照射に対しても高感度で硬化する。さらに該インク組成物で形成された画像は、表面のべとつきが抑制され、耐ブロッキング性に優れるものと考えられる。
本発明のインク組成物は、(i)下記一般式(I)で示される増感色素(特定増感色素)、(ii)重合開始剤、及び(iii)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、を含有することを特徴とする。
Aは−[O(CHR5CHR6)a]y−、−[O(CH2)bCO]y−、または−[O(CHR5)bCO](y−1)−[O(CHR5CHR6)a]−を表す。(R5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはエチル基を表し、少なくとも一方は、水素原子を表す。aは1〜2の整数であり、bは4〜5の整数であり、yは1〜10の整数である。)
xは2〜6の整数を表す。
Qはヒドロキシ基をx個有するポリヒドロキシ化合物の残基である。
nは0〜3の整数であり、mは0〜1の整数である。
<(i)特定増感色素>
本発明のインク組成物は、重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために、下記一般式(I)で示される特定増感色素を含有する。
一般に、増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基等の活性種の生成を促進させ、ここで発生した活性種が後述する重合性化合物の重合、硬化反応を生起、促進させるものである。
Aは−[O(CHR5CHR6)a]y−、−[O(CH2)bCO]y−、または−[O(CHR5)bCO](y−1)−[O(CHR5CHR6)a]−を表す。(R5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはエチル基を表し、少なくとも一方は、水素原子を表す。aは1〜2の整数であり、bは4〜5の整数であり、yは1〜10の整数である。)
xは2〜6の整数を表す。
Qはヒドロキシ基をx個有するポリヒドロキシ化合物の残基である。
nは0〜3の整数であり、mは0〜1の整数である。
より好ましくは、炭素数1〜3個のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられる。
より好ましくは、炭素数1〜3個のアアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、プロポキシ基が挙げられる。
この場合より好ましくは、aが1であり、R5およびR6が水素原子である−[O(CH2CH2)]y−;aが1であり、R5が水素原子であり、R6がエチル基である−[OCH2CH2CH2CH2]y−;、またはaが1であり、R5がメチル基であり、R6が水素原子である−[OCH(CH3)CH2]y−である。この場合もyは1〜5の整数が好ましい。
一般式(I)で示される化合物は、更に好ましくは、R1、R3及びR4が水素原子であり、R2が塩素原子であり、nが0であり、mが0であり、xが2であり、Qがヒドロキシ基を2個有するポリヒドロキシ化合物の残基である化合物である。
例えば、上記一般式(I)で示される化合物は、下記式(II)で表される化合物を、下記式(III)で表される化合物と反応させることにより製造することができる。なお下記式(II)で表される化合物は、特開平2−255677号公報記載の方法で合成することができる。
媒の存在下に反応を行うことが望ましい。適当な溶媒としてはベンゼン、トルエンまたは
キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
大幅に変化するが、反応が完了するためには、反応の間に生成された水が取り除かれるに
足る高さの温度であればよい。したがって、一般的に、反応混合物の還流温度で反応を行
えばよいことがわかる。また、主に反応温度により、反応に必要な時間が大幅に変化することも考えられる。上記の望ましい条件であれば、通常、1〜20時間で充分である。
3.82g(0.01575モル)のカルボン酸(II−1)と、1.875gのポリテトラヒドロフラン(分子量250)を0.3gのpートルエンスルホン酸1水塩触媒と共に100mlのトルエンで共沸蒸留した。6.5時間後、冷却した溶液をろ過し、0.25Mの水酸化ナトリウム100mlで二度洗浄し、脱イオン水100mlで二度洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、すべての溶剤をロータリーエバポレーターで除去したところ黄色のオイル(I−1)を得た。生成物の収率は10.5 g(96%)であった。
16.5g(0.07モル)のカルボン酸(II−2)と、9.59gのエトキシ化ペンタエリスリット(Seppic製SimusolPTPE)を0.6gのpートルエンスルホン酸1水塩触媒と共に300mlのトルエンで共沸蒸留した。8.5時間後に、溶液を90℃でろ過し、75℃で0.1Mの水酸化ナトリウム200mlで二度洗浄し、脱イオン水200mlで二度洗浄した。有機相を共沸乾燥し、すべての溶剤をロータリーエバポレーターで除去したところ黄色のオイル(I−2)を得た。
16.49g(0.0792モル)のカルボン酸(II−3)と、10.0g(0.0226モル)のエトキシ化トリメチロールプロパン(Perstorp製TP70L)は窒素パージを行いながら0.15gのpートルエンスルホン酸1水塩触媒と0.05gのBHT安定剤と共にトルエン150mlで8時間共沸還流した。反応物はトルエン溶液に溶解しなかったので、すべての溶媒をデカンターに移し、反応物をジクロロメタン200mlに溶解した後、溶液をろ過し、10%炭酸カリウム水溶液100mlと脱イオン水150mlで洗浄した。溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過し、すべての溶媒をロータリーエバポレーターで除去したところ、淡黄色のオイル(I−3)を得た。生成物の収率は8.0g(35.0%)であった。
6.07g(0.025モル)のカルボン酸(II−1)と、1.15gのヘキサンジオール(0.01モル)を0.3gのpートルエンスルホン酸1水塩触媒と共に150mlのトルエンで共沸蒸留した。6時間後に、溶液を冷却したところ溶液から固体が沈殿した。それをろ過し、0.25M水酸化ナトリウムと脱イオン水で洗浄した後、真空オーブンで乾燥することによって淡黄色の粉末(I−4)を得た。生成物の収率は4.63g(82%)であった。
8.98g(0.035モル)のカルボン酸(II−4)と、8.46g(0.012モル)のプロポキシ化グリセリン(分子量275)を0.3gのpートルエンスルホン酸1水塩触媒と共に75mlのトルエンで15時間共沸還流した。溶液を冷却してろ過した後、0.25Mの炭酸ナトリウム水溶液100mlで二度洗浄し、脱イオン水100mlで一度洗浄した。溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、すべての溶剤をロータリーエバポレーターで除去したところ、黄色のオイル(I−5)を得た。生成物の収率は10.0g(84%)であった。
8.49g(0.035モル)のカルボン酸(II−1)と7.77g(0.008モル)のカプロラクトンポリオール(Solvay製CAPA4101)を0.3gのpートルエンスルホン酸1水塩触媒と共に75mlのトルエンで15時間共沸還流した。溶液を90℃まで冷却してろ過した後、0.5Mの炭酸ナトリウム水溶液100mlで二度洗浄し、脱イオン水100mlで二度洗浄した。溶液を共沸蒸留により乾燥した後、ロータリーエバポレーターですべての溶媒を除去したところ、黄色のオイル(I−6)を得た。
9.37g(0.045モル)のカルボン酸(II−3)と、1.39gのジトリメチロー
ルプロパン(0.01モル)を0.3gのpートルエンスルホン酸1水塩触媒と共に150mlのトルエンで共沸蒸留した。4.75時間後、溶液が冷却したところ、溶液から固体が沈殿した。すべての溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、固体反応物をジクロロメタンに再溶解した後、0.25M水酸化ナトリウム100mlで二度洗浄し、脱イオン水100mlで二度洗浄した。すべての溶媒をロータリーエバポレーターで除去した後、真空オーブンで一晩乾燥させ、淡黄色の粉末(I−7)を得た。生成物の収率は7.2g(81%)であった。
6.07g(0.025モル)のカルボン酸(II−1)と、0.62gのエチレングリコール(0.01モル)を0.3gのpートルエンスルホン酸1水塩触媒と共に150mlのトルエンで共沸蒸留した。6時間後に、溶液を冷却したところ溶液から固体が沈殿した。それをろ過し、0.25M水酸化ナトリウムと脱イオン水で洗浄した後、真空オーブンで乾燥することによって淡黄色の粉末(I−8)を得た。生成物の収率は4.19g(82%)であった。
なお上記例示化合物の中で、より好ましい化合物は(I−1)、(I−3)、(I−4)、(I−5)、(I−7)、(I−8)であり、更に好ましい化合物は(I−1)、(I−4)、(I−8)である。
特定増感色素の含有量について、後述する(ii)重合開始剤との関連において述べれば、(ii)重合開始剤:(i)特定増感色素の質量比で200:1〜1:200が好ましく、より好ましくは、50:1〜1:50、更に好ましくは、5:1〜1:5である。
本発明においては、前記した特定増感色素に加え、公知の、重合性基を有しない増感色素を本発明の効果を損なわない限りにおいて併用することができる。その他の増感色素は、特定増感色素に対して、特定増感色素:他の増感色素の質量比で1:5〜100:1が好ましく、より好ましくは1:1〜100:1、更に好ましくは2:1〜100:1である。
併用しうる公知の増感色素の例としては、ベンゾフェノン、チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、チオクロマノン、ジベンゾチエピノン、アントラキノン及び3−アシルクマリン誘導体、ターフェニル、スチリルケトン及び3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ショウノウキノン、エオシン、ローダミン及びエリスロシンなどが挙げられる。
(1)チオキサントン
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジ−エチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル〕チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチルチオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、n−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、n−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド;
本発明者らが先に提案した特願2007−006019明細書に記載の化合物
(3)ベンゾフェノン
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−(4−メチルチオフェニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾアート、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)ベンゾフェノン、4−(4−トリルチオ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド一水和物、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−〔2−(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ〕エチルベンゼンメタンアミニウムクロリド;
3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(プロポキシ)クマリン、3−ベンゾイル−6,8−ジクロロクマリン、3−ベンゾイル−6−クロロクマリン、3,3’−カルボニルビス〔5,7−ジ(プロポキシ)クマリン〕、3,3’−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−イソブチロイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジエトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジブトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(メトキシエトキシ)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(アリルオキシ)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−イソブチロイル−7−ジメチルアミノクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、3−ベンゾイルベンゾ〔f〕クマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリン;
3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−β−ナフトチアゾリン、3−メチル−2−ベンゾイルメチレンベンゾチアゾリン、3−エチル−2−プロピオニルメチレン−β−ナフトチアゾリン;
9,10−ジメトキシ−アントラセン、9,10−ジエトキシ−アントラセン、9,10−ジメトキシ−2−エチル−アントラセン;
アセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−フェニルアセトフェノン、ベンジル、2−アセチルナフタレン、2−ナフトアルデヒド、9,10−ナフトラキノン、9−フルオレノン、ジベンゾスベロン、キサントン、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、α−(パラ−ジメチルアミノベンジリデン)ケトン、例えば、2−(4−ジメチルアミノベンジリデン)インダン−1−オン又は3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−インダン−5−イルプロペノン、3−フェニルチオフタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド。
本発明のインク組成物は、重合開始剤を含有する。
本発明においては、公知の重合開始剤を使用することができる。本発明における重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
本発明で使用され得る好ましいラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルフォスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
上述したラジカル重合開始剤の例としては、例えば、特開2006−085049号公報の明細書の段落番号[0135]〜[0208]に記載されたラジカル重合開始剤を挙げることができる。
また、第3級アミン化合物も特定増感色素と組み合わせることで、水素引き抜き反応を起こし、開始剤として機能できる。組み合わせて使用できる第3級アミン化合物の例としてはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アルキルアミン化合物、N , N − ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N , N − ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等の安息香酸誘導体等が上げられる。
上記のごとき、ラジカル重合開始剤は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本明細書では、α−アミノケトン類、又はアシルフォスフィンオキシド類に包含される重合開始剤を「特定重合開始剤」とも称する。
本発明のインク組成物にはエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物を含有する。本発明に好適に使用しうる重合性化合物とは、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。
ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
さらに、単官能、二官能、三官能以上の多官能モノマーの少なくとも3種の重合性化合物を併用する態様が、安全性を維持しつつ、更に、感度、滲み、被記録媒体との密着性をより改善することができるという観点から好ましい。
モノアクリレートと併用しうるオリゴマーとしては、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーが特に好ましい。
なお、メタクリレートは、皮膚低刺激性がアクリレートより良好である。
上記化合物の中でもアルコキシアクリレートを70質量%未満の量で使用し、残部をアクリレートとする場合、良好な感度、滲み特性、臭気特性を有するため好ましい。
本発明のインク組成物を、平版印刷版の画像部形成などの用途に適用する場合には、特に着色画像を形成することは必須ではなく、インク組成物としての用途においては、特に着色剤は必要ないが、インク組成物により形成された画像部の視認性を向上するため、或いは、インク組成物を用いて着色画像を形成しようとするときは、(iv)着色剤を含有することができる。
なお本発明のインク組成物又はインクジェット記録用インク組成物に好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤あるいはマゼンタ顔料としては、例えば、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257;Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88;Pigment Orange 13、16、20、36、等が挙げられる。
緑顔料としては、例えば、Pigment Green 7、26、36、50、等が挙げられる。
黄顔料としては、例えば、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、等が挙げられる。
黒顔料としては、例えば、Pigment Black 7、28、26、等が挙げられる。
白色顔料としては、例えば、PigmentWhite 6、18、21、等が挙げられる。
これらの顔料は、目的に応じて適宜選択して使用できる。
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
また、着色剤として油溶性染料を使用する場合には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料等の着色剤を併用することもできる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99、100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224,237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119,163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356,362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365,368;C.I.ディスパーズグリーン 6:1,9;等が挙げられる。
なお、本発明のインク組成物中において、固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、さらに好ましくは、0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
本発明のインク組成物には、必要に応じて、他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、溶剤、等が挙げられる。
重合禁止剤は、保存性を高める観点から添加され得る。また、本発明のインク組成物をインクジェト記録用インク組成物として使用する場合には、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して吐出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20,000ppm添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
有機溶剤の量は、本発明のインク組成物全体の質量に対し、例えば、0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
本発明のインク組成物は、上述のように、(i)特定増感色素、(ii)重合開始剤、及び(iii)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、を含有することを要し、更に任意成分として、他の増感色素、着色剤等を含有するものである。
これらの成分は、インクジェット用インク組成物全体の質量に対して、着色剤が好ましくは1〜10質量%、より好ましくは、2〜8質量%、全重合性化合物が好ましくは5〜97質量%、より好ましくは30〜95質量%である。光重合開始剤が、全重合性化合物に対して、好ましくは0.01〜35質量%、より好ましくは、0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.5〜15質量%、全増感色素(特定増感色素+他の併用しうる増感色素)が好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%となるように含有することが適当である。
本発明のインクジェット用インク組成物は、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。インクジェット記録用インクとしての使用態様における好ましい物性について説明する。
本発明のインクジェット用インク組成物は、25℃での粘度が、5mPa・s〜100mPa・sの範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。この範囲において、本発明における特定増感色素と重合開始剤の組み合わせが特に有効に機能する。即ち、インクジェット用インク組成物の粘度が、5mPa・s〜100mPa・sの範囲であることで、インク組成物の硬化性、硬化膜の膜物性、及びインクの吐出性のいずれもがより向上したものとなる。吐出性を考慮すれば、吐出時の温度(例えば、40〜80℃、好ましくは25〜50℃)において、インクジェット用インク組成物の粘度は、好ましくは5〜30mPa・sであり、より好ましくは5〜20mPa・sである。
本発明のインクジェット用インク組成物の25℃での粘度は、好ましくは5mPa・s〜50mPa・sの範囲であり、より好ましくは5mPa・s〜30mPa・sの範囲であり、更に好ましくは10mPa・s〜25mPa・sの範囲である。
次に、本発明のインクジェット記録方法、及び当該方法に適用しうるインクジェット記録装置について説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記インク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、被記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する方法である。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a)及び(b)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインクジェット用インク組成物により画像が形成される。
本発明の記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインクジェット用インク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜1600×1600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
被記録媒体上に吐出されたインクジェット用インク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインクジェット用インク組成物に含まれる(ii)重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種の機能により、(iii)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の重合反応が、生起、促進されてインクジェット用インク組成物が硬化するためである。このとき、インクジェット用インク組成物において重合開始剤とともに(i)特定増感色素が存在することにより、系中の増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させる。
また、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
また、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、特に好ましくは50〜800mW/cm2である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。
このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明の記録方法に適用することができる。
このようにして、本発明のインクジェット用インク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化し、疎水性画像を被記録媒体表面上に形成する。
ここでインクの硬化に用いられる活性放射線源或いはその好ましい照射条件もまた、インクジェット記録方法において述べたのと同様である。
下記表1に示す各成分(単位は質量部)を混合し、1時間スターラーで撹拌した。撹拌後の混合物をビーズミル分散にて分散し、各色の顔料分散物を得た。分散条件は直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間は、マゼンタ顔料Aは4時間、それ以外は2時間で行った。
・シアン顔料A:PB15:3(IRGALITE BLUE GLO;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・マゼンタ顔料A:PV19(CINQUASIA MAGENTA RT−355D;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・イエロー顔料A:PY155(NOVOPERM YELLOW 4G−01;クラリアント社製)
・カーボンブラック:SPECIAL BLACK 250(デグサ社製)
・二酸化チタン:CR60−2(石原産業(株)製)
・分散剤A:BYK−168(ビックケミー社製)
・分散剤B:ソルスパース36000(ノベオン社製)
・重合性化合物A:PEA(フェノキシエチルアクリレート;第一工業製薬(株)製)
下記表2〜表4に示す各成分(単位は質量部)を撹拌混合溶解し、インクジェット用インク組成物(実施例1〜12および比較例1〜4)を得た。
また、別途、実施例1の組成から顔料だけを除いたインク組成物(実施例13)、実施例6における増感色素(I−1)を(I−4)に変更したインク組成物(実施例14)、実施例6における増感色素(I−1)を(I−5)に変更したインク組成物(実施例15)を調製した。
また、各インクジェット用インク組成物の25℃における粘度をE型粘度計(東機産業(株)製)を用いて測定したところ、いずれのインクジェット用インクの粘度も、10mPa・s〜25mPa・sの範囲内であった。
・重合性化合物B:DPGDA(ジプロピレングリコールジアクリレート;ダイセル・サイテック(株)製)
・重合性化合物C:A−TMPT(トリメチロールプロパントリアクリレート;新中村化学工業(株)製)
・重合性化合物D:FA−512A(ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト;新中村化学工業(株)製)
・界面活性剤A:BYK―307(ビックケミー社製、界面活性剤)
・禁止剤A:FIRSTCURE ST−1(Albemarle社製)
・開始剤A:Darocur TPO(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
・開始剤B:Irgacure 907(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
・開始剤C:Irgacure 369(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
・開始剤D:Irgacure 819(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
・開始剤E:Darocure EDB(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
・開始剤F:Irgacure OXE01(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
・開始剤G:Darocure 184(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
本実施例では、インク組成物の吐出は、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置により行い、硬化のための発光ダイオード(UV−LED)は、日亜化学製NCCU033を用いた。前記LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、被記録媒体(以下、メディアとも言う。)表面で0.3W/cm2のパワーが得られる。打滴後露光されるまでの時間、及び露光時間はメディアの搬送速度及びヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。本実施例では着弾後、約0.5秒後に露光される。
メディアとの距離及び搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01〜15J/cm2の間で調整することができる。
印刷後の表面のベトツキが無くなる露光エネルギーによって硬化感度を定義した。
印刷後の表面のベトツキの有無は、印刷直後に普通紙(富士ゼロックス社製コピー用紙C2)を押し付け、色移りが起きる場合は「ベトツキ有り」、色移りが起きない場合は「ベトツキ無し」と判断した。値が小さいほど感度が高いと評価し、以下の基準で評価した。○が実用上問題のないレベルである。
−評価基準−
○:露光エネルギー1000mJ/cm2以下で表面のベトツキがなくなった。
△:露光エネルギー1000mJ/cm2を超え、2000mJ/cm2以下で表面のベトツキがなくなった。
×:表面のベトツキがなくなるのに2000mJ/cm2を超える露光エネルギーが必要であった。
印刷後の印刷物における印刷面と基材面(裏面)を重ね合わせ、一定時間後に剥ぎ取った時に、印刷面の膜の破れや基材面への転写の有無を評価した。
なお、ブロッキング試験に用いた印刷物は、いずれも硬化感度(タックフリー感度)評価において、2,000mJ/cm2の露光エネルギーで露光したものを用いた。
また、印刷物の保管は、印刷面と基材面を重ね合わせた上に、重りによって均一な加重(1kg/cm2)を印刷物全体にかけた状態を24時間(45℃恒温槽保管)で行った。24時間後、印刷面と基材面を剥ぎ取り、目視によって下記基準に従い評価した。○が実用上問題のないレベルである。
−評価基準−
評価は、以下の3段階で行った。
○:印刷面には膜の破れ等がなく、かつ、基材面にはインクの転写が無い
△:印刷面には膜の破れや膜の内部破壊が一部に見られるか、又は、基材面にインクの転写が一部に見られる(ここで一部とは全面積の50%未満をいう。)
×:印刷面には膜の破れや膜の内部破壊が全面に見られるか、又は、基材面にインクの転写が全面に見られる(ここで全面とは全面積の50%以上をいう。)
得られたインクジェット用インク組成物を室温で4週間保存後、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、前記硬化感度の評価と同様にして、被記録媒体への記録を行い、常温で48時間連続印字したときの、ドット抜けおよびインクの飛び散りの有無を目視にて観察し、下記基準により評価した。○が実用上問題のないレベルである。
−評価基準−
○:ドット抜けまたはインクの飛び散りが発生しないか、発生が3回以下。
△:ドット抜けまたはインクの飛び散りが4〜10回発生。
×:ドット抜けまたはインクの飛び散りが11回以上発生。
実施例1〜15及び比較例1〜4の組成から顔料だけを除いたインク組成物を別途調製した。60℃で4週間インク組成物を保存し、以下の基準にて保存安定性を評価した。○が実用上問題のないレベルである。
−評価基準−
○:変化なし。
△:粘度上昇がみられた。
×:ゲル化がみられた。
一方、特定構造を有さず、単官能性である比較増感剤Aおよび比較増感剤Bを用いた比較例1〜2は、増感剤の成分が硬化膜から接触物へ移動する傾向が強く、耐ブロッキング性が良好でなかった。また、チオキサントン多官能性である比較増感剤Cを用いた比較例3は、耐ブロッキング性は向上したが、溶解性が悪いため吐出安定性が悪化し、増感剤の効果を発揮する十分な量を添加することができなかったため、硬化感度が悪化した。
また特定構造を有さず単官能性である比較増感剤Aを用いた比較例1、および、本発明の特定増感色素と連結位置が異なる構造の比較増感剤Dを用いた比較例4は、いずれも保存安定性が劣っていた。
また、実施例1、および実施例6〜11においては、印刷物に形成された画像は良好な白色を呈していた。このことより、実施例1、および実施例6〜11のインクジェット用インク組成物は、硬化感度、耐ブロッキング性、吐出安定性、保存安定性に優れ、さらに色再現性にも優れた白色インク組成物であることがわかる。
一方、比較例2〜4の白インク組成物は、比較増感剤B、比較増感剤C、比較増感剤Dに起因すると推定される黄着色があり、白色画像の色再現性が良好でなかった。
Claims (7)
- (i)下記一般式(I)で示される増感色素、(ii)重合開始剤、及び(iii)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、を含有するインク組成物。
一般式(I)中、R1、R2、R3、及び、R4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアルコキシ基を表す。
Aは−[O(CHR5CHR6)a]y−、−[O(CH2)bCO]y−、または−[O(CHR5)bCO](y−1)−[O(CHR5CHR6)a]−を表す。(R5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはエチル基を表し、少なくとも一方は、水素原子を表す。aは1〜2の整数であり、bは4〜5の整数であり、yは1〜10の整数である。)
xは2〜6の整数を表す。
Qはヒドロキシ基をx個有するポリヒドロキシ化合物の残基である。
nは0〜3の整数であり、mは0〜1の整数である。 - さらに(iv)着色剤を含有する請求項1に記載のインク組成物。
- 一般式(I)におけるnが0である請求項1または請求項2に記載のインク組成物。
- α−アミノケトン類及びアシルフォスフィンオキシド類からなる群より選択される少なくとも一つの重合開始剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録用である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
- (a)被記録媒体上に請求項5に記載のインク組成物を吐出する工程、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
- 前記活性放射線が、発光ピーク波長が340nm以上400nm以下の範囲の紫外線である請求項6に記載のインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008330703A JP5328336B2 (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008330703A JP5328336B2 (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010150409A JP2010150409A (ja) | 2010-07-08 |
JP5328336B2 true JP5328336B2 (ja) | 2013-10-30 |
Family
ID=42569844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008330703A Expired - Fee Related JP5328336B2 (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5328336B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5425241B2 (ja) * | 2011-09-09 | 2014-02-26 | 富士フイルム株式会社 | 複層形成用インクセット、インクジェット記録方法、及び、印刷物 |
EP3000602B1 (en) * | 2014-09-26 | 2020-07-22 | Agfa Nv | High viscosity jetting method |
JP6390769B2 (ja) * | 2017-09-01 | 2018-09-19 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット記録方法、インクジェット記録装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0125098D0 (en) * | 2001-10-18 | 2001-12-12 | Coates Brothers Plc | Multi-functional thioxanthone photoinitiators |
JP5224824B2 (ja) * | 2007-01-15 | 2013-07-03 | 富士フイルム株式会社 | インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 |
-
2008
- 2008-12-25 JP JP2008330703A patent/JP5328336B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010150409A (ja) | 2010-07-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2053095B2 (en) | Ink composition and inkjet recording method using the same | |
EP1944173B1 (en) | Ink composition and inkjet recording method using the same | |
JP5258428B2 (ja) | 水性インク組成物、インクジェット記録用水性インク組成物およびインクジェット記録方法 | |
EP2145932B1 (en) | Aqueous ink composition, aqueous ink composition for inkjet recording, and inkjet recording method | |
JP5224824B2 (ja) | インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP5159232B2 (ja) | インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP5632670B2 (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP5441369B2 (ja) | 光硬化性組成物、インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP2010024277A (ja) | インクジェット用インク組成物、及び、インクジェット記録方法 | |
JP2010012629A (ja) | インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び印刷物 | |
JP2008189887A (ja) | インクジェット記録用インク組成物、及び、インクジェット記録方法 | |
JP2010013574A (ja) | インク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物 | |
JP5334477B2 (ja) | 光硬化性組成物、インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP5328336B2 (ja) | インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP5474882B2 (ja) | インクジェットインク組成物、及び、インクジェット記録方法 | |
JP2010017899A (ja) | インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び印刷物 | |
JP2010006977A (ja) | 光硬化性組成物、インク組成物、及び該インク組成物を用いたインクジェット記録方法 | |
JP5159118B2 (ja) | インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP2010006860A (ja) | インク組成物、及びインクジェット記録方法 | |
JP5591611B2 (ja) | 活性エネルギー線硬化型インク組成物、及びインクジェット記録方法 | |
JP5224698B2 (ja) | インクジェット記録用インク組成物、及び、インクジェット記録方法 | |
JP5348955B2 (ja) | インク組成物、インクセット、インクジェット記録方法、及び、印刷物 | |
JP2009235342A (ja) | 光硬化組成物、インク組成物、及び、インクジェット記録方法 | |
JP5258429B2 (ja) | インク組成物、及び、それを用いたインクジェット記録方法 | |
JP2010018728A (ja) | インク組成物、インクジェット記録方法、及び印刷物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110805 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130510 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130702 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130723 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5328336 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |