つぎに、この発明の構成例(実施例1ないし3)を図面を参照して説明する。この発明の電動機の冷却構造は、ハイブリッド車両や電気自動車の動力源として用いられ、車両の走行のために連続運転するような電動機などに採用することができる。また、このような車両を対象とした他にも連続運転することによる発熱を冷媒によって冷却するような電動機にも採用できる。また、この発明の電動機の冷却構造を適用する電動機は、固定子(ステータ)が回転子(ロータ)の外周側に筒状に設けられて、固定子には固定子巻き線が設けられており、その固定子巻き線の軸線方向の両端部(コイルエンド)が、回転子の軸線方向の両端部より突き出てもしくは張り出しているような構成のものに適用できる。その代表的な例をモータの種類に応じて挙げれば、三相かご形誘導モータ、三相巻線形誘導モータ、単相誘導モータ、同期モータ、ブラシレス同期モータ、リラクタンスモータ、永久磁石形同期モータ(PMモータ)、ヒステリシスモータおよびシリースモータ(単相直巻整流子モータ)などがある。なお、この発明で対象とすることのできる電動機は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。以下、この発明の電動機の冷却構造を対象とすることのできる電動機(モータ)の構成の一例について説明する。また、この発明の対象となるモータは、一例として交流電流を供給することによって回転するモータとして説明する。
図4には、このモータの内部構成要素であり、主要な構成要素である固定子(ステータ)1と回転子(ロータ)2とがモータの内部に配置される状態と同様の位置関係で示されている。固定子1は、筒状の形状をしており、その内周面が、円筒状の回転子2の外周面と対向して配置されて、回転子2を内部に筒状に囲んで収容している。この固定子1の内周面と回転子2の外周面との隙間が、エアギャップ3となっている。なお、このエアギャップ3により固定子1と回転子2との相互に働く磁気吸引力が決定され、その寸法は、モータの大きさなどによって設定される。また、固定子1の外周側にはケーシング(筐体)4が備えられて、この固定子1がケーシング4に収容されている。この固定子1は、複数枚の電磁鋼板5を配列して積層させた固定子鉄芯6とともに鉛線などの導線が巻かれたコイル7を有する電磁石として構成される。固定子鉄芯(固定子コア)6に巻かれたコイル7は、その両端部で固定子鉄芯6の軸線A1方向の長さより延長された位置で折り返されており、この折り返した部位がコイル7のコイルエンド7aとなる。また、コイルエンド7aには、絶縁被膜7bが設けられている。そして、この固定子1がケーシング4内の数箇所に周状に配置されている。なお、例えばこのモータが、三相交流モータである場合などには、ケーシング4内に周状の等間隔に三箇所に設けられる構成となる。
また、コイル7に繋がれて結線された図示しない導線が、インバーター(図示せず)に電気的に接続されて、このインバーターからバッテリー(図示せず)に図示しない別の導線によって電気的に接続されている。なお、例えばこのモータが三相交流モータである場合には、U端子、V端子およびW端子を有する端子ボックス(図示せず)などがケーシング4に設けられて、それぞれにインバーターからの導線が結線される構成となる。また、インバーターには、運転者のアクセルペダルおよびブレーキペダル(共に図示せず)の操作が、センサ(図示せず)により検知されて、図示しない電子制御装置を介してインバーターにその操作状況を表す情報が電気信号として通信される構成となっている。インバーターが、この電気信号を受け取るとバッテリーに電力量を指示して、バッテリーからの直流電流を交流電流に変換してモータに電力を供給する構成となっている。
一方、回転子2は、その半径方向の中心部に設けられた孔2aに回転軸8が挿入された構成となっている。回転軸8は軸線A1を軸芯に回転して、軸線A1方向に所定の長さを有して、図示しない動力伝達要素などに動力が伝達可能となっている。また、回転軸8の一方側(図4のx軸正方向)に回転子2の一方の端面が当接する位置決めリブ9が設けられている。さらに、回転軸8の他方側(図4のx軸負方向)に回転子2の他方の端面が当接する回転子取付具10が冠着されている。この位置決めリブ9と回転子取付具10とに回転子2の両端面が当接して挟まれて回転子2の軸線A1方向の位置が規定されている。
この回転軸8は、その両端部で、ボールベアリングや軸受けメタルなどの軸受け部材(図示せず)により支持されている。また、この回転軸8には、中空状にシャフト流路11が形成されている。さらに、後述するエンドプレート12の供給孔16に冷媒(以下、一例としてオイルとする)を供給するための孔11aが、シャフト流路11の内周面から回転軸8の外周面へと連通されている。このシャフト流路11に供給されるオイルは、図示しないオイルパンなどの冷媒溜め部に収容されたオイルが、図示しないポンプや回転子2の遠心力に起因する油圧力によって流通する構成となっている。
このような回転軸8に組み付けられた回転子2は、位置決めリブ9と回転子取付具10とに当接する回転子2の端部であるエンドプレート(端板)12を両端部に有している。また、回転子2には、このエンドプレート12に軸方向で挟まれて、回転軸8の外周面に当接して配置される、複数枚の電磁鋼板13を配列して積層させた回転子鉄芯(回転子コア)14が設けられている。エンドプレート12は、この回転子鉄芯14の積層構造となっている複数枚の電磁鋼板13を挟持して分散するのを防止する構造となっており、また、回転軸8には、ネジ止め、かしめ、圧入などの方法によって固定されて、その回転軸8と一体的に回転する構成となっている。このように、エンドプレート12が締結されることから、このエンドプレート12と一体的に回転子鉄芯14も回転するように構成されている。なお、エンドプレート12と複数枚の電磁鋼板13とは、ネジやボルトなどの締結部材がこの両部材12,13に挿通されて締結され、一体的に回転するような構成であってもよい。
また、図5に示すように、この回転子鉄芯14の外周側付近には、周状に複数の永久磁石群15が設けられている。言い換えると、複数の永久磁石群15は、周状に回転子鉄芯14に埋め込まれて構成されている。このように構成される永久磁石群15による磁極は、対となる永久磁石15同士で作られる磁極が、周方向に隣り合う磁極とは交互に異なるように複数の永久磁石群15が周状に並べられている。
ここで、回転子2の両端部に備えられ、永久磁石群15が埋め込まれた回転子鉄芯14を挟持するエンドプレート(端板)12について説明する。また、このエンドプレート12は、回転子2の両端部に設けられており、その2つのエンドプレート12は、鏡面対象に形成されているため、いずれか一方について説明する。そのため、いずれか他方のエンドプレート12は、以下に説明する一方のエンドプレート12と鏡面対象の構造となる。このエンドプレート12には後述する溝12aが形成されて、オイルを流通させるための流路(冷媒通路12b)を構成し、その流通されたオイルが後述する排出孔21より排出され、コイルエンド7aに吹き付けられて、そのコイルエンド7aが冷却される構成となっている。そのため、エンドプレート12とコイルエンド7aとの位置関係は、軸線A1方向で後述するエンドプレート12の排出孔21の位置とコイルエンド7aの位置とが重なる構成となっている。
前述のとおり、このエンドプレート12は、例えばプレス成形されることにより、連通された溝12aが一方面に形成されて、この溝12aが流路となって冷媒通路12bを形成している。言い換えると、溝12aが設けられることから、エンドプレート12の内部の空間に隔壁18,19,20が形成されてオイルが通過する流路が形成される。このように形成される冷媒通路12bには、回転軸8に設けられた孔11aが連通される供給孔16が設けられている。この供給孔16から第1流路R1が、半径方向の外周側に向かって設けられている。第1流路R1は、最外周面17に到達して周方向に沿って屈曲(もしくは曲折)するまでの流路である。言い換えると、前述のとおり溝12aが形成されたことからエンドプレート12の内部の空間を形成する壁面12cと隔壁18の隔壁面18aとにより第1流路R1が形成される。なお、このように第1流路R1が形成されるので、その断面は矩形となるが、溝12aが例えばプレス成形などによって形成できればよく、断面が半円形や半楕円形もしくは三角形などの種々の形状の流路であってもよく、エンドプレート12に形成される以下に示す流路についても同様に、断面が半円形や半楕円形もしくは三角形などの種々の形状の流路であってもよい。
この第1流路R1が、周方向に屈曲した部分から第2流路R2が設けられて、第2流路R2は、周方向に沿って一定の長さに延長されている。第2流路R2は、一定の長さに延長されて半径方向の内周側に屈曲するまでの流路である。言い換えると、エンドプレート12の内部の空間を形成する壁面(最外周面)17と隔壁19の隔壁面19aとにより第2流路R2が形成される。また、第2流路R2が、半径方向の内周側に屈曲した部分から第3流路R3が設けられて、第3流路R3は、半径方向の内周側に向かって一定の長さに延長されている。第3流路R3は、一定の長さに延長されて半径方向の内周側に向かって一定の長さに延長されて屈曲するまでの流路である。言い換えると、エンドプレート12の内部の空間を形成する壁面12dと隔壁19の側壁面19bとにより第3流路R3が形成される。
さらに、第3流路R3が、周方向に屈曲した部分から第4流路R4が設けられて、第4流路R4は、周方向に沿って第2流路R2を折り返すように一定の長さに延長されている。第4流路R4は、第3流路R3がある位置とは反対側の周方向に一定の長さに延長されて、半径方向の内周側に屈曲するまでの流路である。言い換えると、隔壁19の隔壁面19cと隔壁20の隔壁面20aとにより第4流路R4が形成される。またさらに、第4流路R4が、半径方向の内周側に屈曲した部分から第5流路R5が設けられて、第5流路R5は、半径方向の内周側に向かって一定の長さに延長されている。第5流路R5は、一定の長さに延長されて周方向に屈曲するまでの流路である。言い換えると、隔壁18の隔壁面18bと隔壁20の側壁面20bとにより第5流路R5が形成される。
そして、第5流路R5が、周方向に屈曲した部分から第6流路R6が設けられて、第6流路R6は、周方向に沿って第4流路R4を折り返すように一定の長さに延長されている。第6流路R6は、第5流路R5がある位置とは反対側の周方向に一定の長さに延長された流路である。言い換えると、エンドプレート12の内部の空間を形成する壁面12eと隔壁20の隔壁面20cとにより第6流路R6が形成される。この第6流路R6の第5流路R5がある位置とは反対側の末端部付近には、オイルを吐出するための排出孔21が設けられている。排出孔21は、このように冷媒通路12bにおける供給孔16の位置を一方の端部とすると冷媒通路12bにおける他方の端部に位置して設けられている。この排出孔21から吐出されたオイルは、コイルエンド7aに吹き付けられて図示しないオイルパンなどの冷媒溜め部に戻されてる構成となっている。なお、このようにエンドプレート12に形成された第1流路R1ないし第6流路R6には、その溝12aが形成されている側の面に当接する薄板状もしくはシート状のシール部材(図示せず)が取り付けられて、回転子2に圧着されて流路が液密な状態に保持される構成であってもよい。また、オイルは、冷媒溜め部から供給孔16の間もしくは排出孔21から冷媒溜め部の間で、フィンやファンなどが設けられて冷却される構成であってもよい。
上記のように構成されたこの発明の構成例(実施例1)における電動機(モータ)およびこの発明の電動機の冷却構造の動作、作用および効果について、以下に説明する。運転者による図示しないアクセルペダルなどの操作により、図示しないインバーターによりバッテリから電力がモータ(図示せず)に供給される。モータに供給された電力による電流が固定子1のコイル7に供給される。固定子1のコイル7に電流が流されることから、コイル7と複数枚の電磁鋼板5とから固定子1に磁界を発生させる。固定子1は、ケーシング4内に数箇所に備え付けられており、この複数の固定子1に発生する磁界は、回転子2の回転状態と同期して切り替えられて変化する。この同期切り替えによる磁界の変化は、回転子2が回転するように行われる。このように、電流がコイル7に流れてモータの回転軸8が回転する。
モータは、コイル7に電流が流されて、回転軸8が回転して、その回転軸8の動力が種々の動力伝達要素から車輪に伝達されて車両を駆動させる。このように車両を駆動させる場合には、連続的に回転軸8が回転して連続運転される。モータが連続運転される場合、上述のとおり、このモータの熱定格以上の熱が発生しないように発熱部位を冷却する必要がある。この発明においては、エンドプレート12内に設けられた冷媒通路12bによって回転子を冷却し、またコイルエンド7aにオイルを吹き付けて冷却する。以下のその動作について述べる。
前述のようにモータが連続運転されていることから、回転軸8も連続して回転している。回転軸8とともに回転子鉄芯14が回転することから、エンドプレート12も一体で回転する。このように、エンドプレート12が回転することから、エンドプレート12の内部のオイルに遠心力が作用している。このエンドプレート12の内部のオイルに遠心力が作用していることから、回転軸8のシャフト流路11の内部に供給されているオイルが、回転軸8の孔11aから吐出する。回転軸8の孔11aから吐出したオイルは、エンドプレート12の供給孔16から冷媒通路12bに供給される。冷媒通路12bに供給されたオイルは、第1流路R1内で、半径方向の内周側から外周側へと流通する。オイルは、第1流路R1が周方向に屈曲して第2流路R2と連通されていることから、流れの向きを変えて、第2流路R2内を周方向に沿って流通する。
第2流路R2を流通したオイルは、半径方向内側に第2流路R2から屈曲している第3流路R3に流通する。オイルは、第3流路R3を流れて、半径方向の内側に移動して、周方向で第3流路R3と連通されている位置とは反対側に屈曲している第4流路R4に流通する。オイルは、第4流路R4を流れて、第3流路R3と連通されている位置とは反対側の周方向に流れる。第4流路R4を流通したオイルは、第5流路R5に流れ込み、半径方向の内周側に移動する。第5流路R5を流れたオイルは、周方向で第5流路R5とは反対側に屈曲している第6流路R6を流通する。このように第1流路R1から第6流路R6までオイルが流通される際、回転子2で発生した熱をこのオイルが吸収する。そして、第6流路R6を流通したオイルは、第6流路R6の末端部付近に設けられている排出孔21から吐出される。排出孔21から吐出されたオイルは、コイルエンド7aに吹き付けられて、このコイルエンド7aの冷却を行い、図示しないオイルパンなどの冷媒溜め部に回収される。
上記のように第1流路R1から第6流路R6へとオイルが流通することで、回転子2が冷却される。この際、第1流路R1から流れ込んだオイルが第2流路R2を通り、第3流路R3に流れ込む過程で、第3流路R3が半径方向の外周側から内周側へとオイルを流通させる構造となっていることから、第2流路R2を流れるオイルが最外周面17付近でその流速が大きくなる。第2流路R2を流れるオイルが最外周面17付近でその流速が大きくなることから、冷却の必要な最外周面17付近でのオイルの流れがスムースとなって、冷却効果が向上される。言い換えると、第3流路R3が半径方向の外周側から内周側へとオイルを流通させる構造となっていることから、エンドプレート12の最外周面17付近のオイルの流れが滞留することがないため、冷媒通路12b内を通してオイルの流れがスムースとなって回転子2の冷却効果が向上される。また、そのため、図5に示す、回転子2の回転子鉄芯14の外周側に周状に埋め込まれた永久磁石群15を効率よく冷却できる。
また、排出孔21が第6流路R6の末端部付近に設けられ、その配置はエンドプレート12の内周側となることから、オイルの排出速度を低減してオイルによる加速損失を低減もしくは抑制できる。また、排出孔21が第6流路R6の末端部付近に設けられ、その配置はエンドプレート12の内周側となることから、コイルエンド7aに吹き付けられるオイルの勢いが弱められることから、コイルエンド7aの絶縁被膜7bの損傷を低減できる。さらにエンドプレート12に設けられた第1流路R1ないし第6流路R6は、エンドプレート12の一方面にプレス成形されて連通した溝12aが形成され、隔壁18,19,20とエンドプレート12の壁面と回転子鉄芯14の端面とによって構成される。このようにエンドプレート12に曲折した溝12aが形成されて、エンドプレート12の壁面と回転子鉄芯14の端面との軸線A1方向での間に冷媒通路12bが設けられる構造となっていることから、エンドプレート12の剛性が増し、エンドプレート12と回転子2との間からオイルが漏れて、固定子1と回転子2との間のエアギャップ3に侵入することによるトルク損失を抑制できる。またさらに、このように第1流路R1ないし第6流路R6を構成することのできるエンドプレート12が、製造容易な形状であり、プレス成形により製造できるため、工作性がよいことから、製造コストの低減および製造工程の簡略化することができ、生産性が向上する。
ここで、上記に示した構成例のエンドプレート12の他の構成例(実施例2)について説明する。図2には、上記に示した構成例のエンドプレート12の他の構成例であるエンドプレート22が示されている。この実施例2の構成は、エンドプレート22の構成を除けば、上記に示したエンドプレート12を有する構成例と同様である。そのため、エンドプレート22以外の構成についての説明は省略する。このエンドプレート22は、エンドプレート12と同様に溝22aが形成されてオイルを流通させるための流路(冷媒通路22b)を構成し、その流通されたオイルが後述する排出孔27より排出され、コイルエンド7aに吹き付けられて、そのコイルエンド7aが冷却される構成となっている。そのため、エンドプレート22とコイルエンド7aとの位置関係は、軸線A1方向で後述するエンドプレート22の排出孔27の位置とコイルエンド7aの位置とが重なる構成となっている。
前述のとおり、このエンドプレート22は、例えばプレス成形されることにより、連通された溝22aが一方面に形成されて、この溝22aが流路となって冷媒通路22bを形成している。言い換えると、溝22aが設けられることから、エンドプレート22の内部の空間に隔壁25,26が形成されてオイルが通過する流路が形成される。このように形成される冷媒通路22bには、回転軸8に設けられた孔11aが連通される供給孔23が設けられている。この供給孔23から第1流路L1が、半径方向の外周側に向かって設けられている。第1流路L1は、最外周面24に到達して周方向に沿って屈曲するまでの流路である。言い換えると、前述のとおり溝22aが形成されたことからエンドプレート22の内部の空間を形成する壁面22cと隔壁25の隔壁面25aとにより第1流路L1が形成される。なお、このように第1流路L1が形成されるので、その断面は矩形となるが、溝22aが例えばプレス成形などによって形成できればよく、断面が半円形や半楕円形もしくは三角形などの種々の形状の流路であってもよく、エンドプレート22に形成される以下に示す流路についても同様に、断面が半円形や半楕円形もしくは三角形などの種々の形状の流路であってもよい。
この第1流路L1が、周方向に屈曲した部分から第2流路L2が設けられて、第2流路L2は、周方向に沿って一定の長さに延長されている。第2流路L2は、一定の長さに延長されて半径方向の内周側に屈曲するまでの流路である。言い換えると、エンドプレート22の内部の空間を形成する壁面(最外周面)24と隔壁26の隔壁面26aとにより第2流路L2が形成される。また、第2流路L2が、半径方向の内周側に屈曲した部分から第3流路L3が設けられて、第3流路L3は、半径方向の内周側に向かって一定の長さに延長されている。第3流路L3は、一定の長さに延長されて半径方向の内周側に向かって一定の長さに延長されて屈曲するまでの流路である。言い換えると、エンドプレート22の内部の空間を形成する壁面22dと隔壁26の側壁面26bとにより第3流路L3が形成される。
さらに、第3流路L3が、周方向に屈曲した部分から第4流路L4が設けられて、第4流路L4は、周方向に沿って第2流路L2を折り返すように一定の長さに延長されている。第4流路L4は、第3流路L3がある位置とは反対側の周方向に一定の長さに延長されて、半径方向の内周側に屈曲するまでの流路である。言い換えると、エンドプレート22の内部の空間を形成する壁面22eと隔壁26の隔壁面26cとにより第4流路L4が形成される。この第4流路L4の第3流路L3がある位置とは反対側の末端部付近にオイルを吐出するための排出孔27が設けられている。排出孔27は、このように冷媒通路22bにおける供給孔23の位置を一方の端部とすると冷媒通路22bにおける他方の端部に位置して設けられている。この排出孔27から吐出されたオイルは、コイルエンド7aに吹き付けられて図示しないオイルパンなどの冷媒溜め部に戻されてる構成となっている。なお、このようにエンドプレート22に形成された第1流路L1ないし第4流路L4には、その溝22aが形成されている側の面に当接する薄板状もしくはシート状のシール部材(図示せず)が取り付けられて、回転子2に圧着されて流路が液密な状態に保持される構成であってもよい。また、オイルは、冷媒溜め部から供給孔23の間もしくは排出孔27から冷媒溜め部の間で、フィンやファンなどが設けられて冷却される構成であってもよい。
上記のように構成されたこの発明の他の構成例(実施例2)における電動機(モータ)およびこの発明の電動機の冷却構造の動作、作用および効果について、以下に説明する。なお、モータの回転軸8が回転して連続運転されて、回転軸8の孔11aからエンドプレート22の冷媒通路22bで供給孔23からオイルが供給されるまでのモータおよびオイルの動作は前述の構成例(実施例1)と同様であるため、説明を省略する。冷媒通路22bに供給されたオイルは、第1流路L1内で、半径方向の内周側から外周側へと流通する。オイルは、第1流路L1が周方向に屈曲して第2流路L2と連通されていることから、流れの向きを変えて、第2流路L2内を周方向に沿って流通する。
第2流路L2を流通したオイルは、半径方向内側に第2流路L2から屈曲している第3流路L3に流通する。オイルは、第3流路L3を流れて、半径方向の内側に移動して、周方向で第3流路L3と連通されている位置とは反対側に屈曲している第4流路L4に流通する。オイルは、第4流路L4を流れて、第3流路L3と連通されている位置とは反対側の周方向に流れる。このように第1流路L1から第4流路L4までオイルが流通される際、回転子2で発生した熱をこのオイルが吸収する。そして、第4流路L4を流通したオイルは、第4流路L4の末端部付近に設けられている排出孔27からオイルが吐出される。排出孔27から吐出されたオイルは、コイルエンド7aに吹き付けられて、このコイルエンド7aの冷却を行い、図示しないオイルパンなどの冷媒溜め部に回収される。
上記のように第1流路L1から第4流路L4へとオイルが流通することで、回転子2が冷却される。この際、第1流路L1から流れ込んだオイルが第2流路L2を通り、第3流路L3に流れ込む過程で、第3流路L3が半径方向の外周側から内周側へとオイルを流通させる構造となっていることから、第2流路L2を流れるオイルが最外周面24付近でその流速が大きくなる。第2流路L2を流れるオイルが最外周面24付近でその流速が大きくなることから、冷却の必要な最外周面24付近でのオイルの流れがスムースとなって、冷却効果が向上される。言い換えると、第3流路L3が半径方向の外周側から内周側へとオイルを流通させる構造となっていることから、エンドプレート22の最外周面24付近のオイルの流れが滞留することがないため、冷媒通路22b内を通してオイルの流れがスムースとなって回転子2の冷却効果が向上される。また、そのため、図5に示す、回転子2の回転子鉄芯14の外周側に周状に埋め込まれた永久磁石群15を効率よく冷却できる。
また、排出孔27が第4流路L4の末端部付近に設けられ、その配置はエンドプレート22の内周側となることから、オイルの排出速度を低減してオイルによる加速損失を低減もしくは抑制できる。また、排出孔27が第4流路L4の末端部付近に設けられ、その配置はエンドプレート22の内周側となることから、コイルエンド7aに吹き付けられるオイルの勢いが弱められることから、コイルエンド7aの絶縁被膜7bの損傷を低減できる。さらにエンドプレート22に設けられた第1流路L1ないし第4流路L4は、エンドプレート22の一方面にプレス成形されて連通した溝22aが形成され、隔壁25,26とエンドプレート22の壁面と回転子鉄芯14の端面とによって構成される。このようにエンドプレート22に曲折した溝22aが形成されて、エンドプレート22の壁面と回転子鉄芯14の端面との軸線A1方向での間に冷媒通路22bが設けられる構造となっていることから、エンドプレート22の剛性が増し、エンドプレート22と回転子2との間からオイルが漏れて、固定子1と回転子2との間のエアギャップ3に侵入することによるトルク損失を抑制できる。またさらに、このように第1流路L1ないし第4流路L4を構成することのできるエンドプレート22が、製造容易な形状であり、プレス成形により製造できるため、工作性がよいことから、製造コストの低減および製造工程の簡略化することができ、生産性が向上する。
ここで、上記に示した構成例のエンドプレート12の他の構成例(実施例3)について説明する。図3には、上記に示した構成例のエンドプレート12の他の構成例であるエンドプレート28が示されている。この実施例3の構成は、エンドプレート28の構成を除けば、上記に示したエンドプレート12を有する構成例と同様である。そのため、エンドプレート28以外の構成については同じ符号を付しての説明は省略する。また、このエンドプレート28は、エンドプレート12を隔壁19,20について改変したものであるため、その隔壁19,20の構成について説明する。
このエンドプレート28の隔壁19,20の形状は、その開放端側である先端部分29,30が屈曲して形成されている。隔壁19の先端部分29は、半径方向の内周側の方向にエンドプレート28の内部の空間を形成する壁面12dに沿って屈曲している。言い換えると、隔壁19の先端部分29の隔壁面29aが、エンドプレート28の内部の空間を形成する壁面12dに対向し、隔壁面29bが、隔壁20の隔壁面20aに対向し、そして、隔壁面29cが、隔壁20の先端部分30の隔壁面30aに対向して形成されている。また、隔壁20の先端部分30は、半径方向の外周側の方向に隔壁18の隔壁面18bに沿って屈曲している。言い換えると、隔壁20の先端部分30の隔壁面30aが、前述のとおり隔壁19の先端部分29の隔壁面29c対向し、隔壁面30bが、隔壁19の隔壁面19cに対向し、そして、隔壁面30cが、隔壁18の隔壁面18bに対向し形成されている。なお、このエンドプレート28の隔壁19,20の屈曲された先端部分29,30の寸法すなわち隔壁19,20のどの部分で屈曲させるかは、第2流路R2の最外周面17付近の流速が適切で、排出孔21から排出されるオイルの排出速度を適切に低減するように設定されている。
このように隔壁19,20の開放端側である先端部分29,30が屈曲していることから、第3流路R3は、隔壁19の先端部分29の隔壁面29aが、エンドプレート28の内部の空間を形成する壁面12dに対向して構成される。第4流路R4は、隔壁面29bが隔壁20の隔壁面20aに対向した部分と、隔壁面29cが隔壁20の先端部分30の隔壁面30aに対向した部分と、隔壁面30bが、隔壁19の隔壁面19cに対向した部分とにより構成されて、やや蛇行した流路となっている。第5流路R5は、隔壁面30cが、隔壁18の隔壁面18bに対向して構成される。これ以外の第1流路R1、第2流路R2および第6流路R6については、前述の構成例(実施例1)と同様である。また、上記の構成以外については、前述の構成例(実施例1)と同様である。
上記のように構成されたこの発明の他の構成例(実施例3)における電動機(モータ)およびこの発明の電動機の冷却構造の動作、作用および効果について、以下に説明する。なお、モータの回転軸8が回転して連続運転されて、回転軸8の孔11aからエンドプレート28の冷媒通路28bで供給孔16からオイルが供給されるまでのモータおよびオイルの動作は前述の構成例(実施例1)と同様であるため、省略する。冷媒通路28bに供給されたオイルは、第1流路R1内で、半径方向の内周側から外周側へと流通する。オイルは、第1流路R1が周方向に屈曲して第2流路R2と連通されていることから、流れの向きを変えて、第2流路R2内を周方向に沿って流通する。
第2流路R2を流通したオイルは、半径方向内側に第2流路R2から屈曲している第3流路R3に流通する。オイルは、第3流路R3を流れて、半径方向の内側に移動して、周方向で第3流路R3と連通されている位置とは反対側に屈曲している第4流路R4に流通する。オイルは、第4流路R4を流れて、第3流路R3と連通されている位置とは反対側の周方向に流れる。第4流路R4を流通したオイルは、第5流路R5に流れ込み、半径方向の内周側に移動する。第5流路R5を流れたオイルは、周方向で第5流路R5とは反対側に屈曲している第6流路R6を流通する。このように第1流路R1から第6流路R6までオイルが流通される際、回転子2で発生した熱をこのオイルが吸収する。そして、第6流路R6を流通したオイルは、第6流路R6の末端部付近に設けられている排出孔21から吐出される。排出孔21から吐出されたオイルは、コイルエンド7aに吹き付けられて、このコイルエンド7aの冷却を行い、図示しないオイルパンなどの冷媒溜め部に回収される。
上記のように第1流路R1から第6流路R6へとオイルが流通することで、回転子2が
冷却される。この際、第1流路R1から流れ込んだオイルが第2流路R2を通り、第3流
路R3に流れ込む過程で、第3流路R3が半径方向の外周側から内周側へとオイルを流通
させる構造となっていることから、第2流路R2を流れるオイルが最外周面17付近でそ
の流速が大きくなる。第2流路R2を流れるオイルが最外周面17付近でその流速が大き
くなることから、冷却の必要な最外周面17付近でのオイルの流れがスムースとなって、
冷却効果が向上される。言い換えると、第3流路R3が半径方向の外周側から内周側へと
オイルを流通させる構造となっていることから、エンドプレート28の最外周面17付近
のオイルの流れが滞留することがないため、冷媒通路28b内を通してオイルの流れがス
ムースとなって回転子2の冷却効果が向上される。また、そのため、図5に示す、回転子
2の回転子鉄芯14の外周側に周状に埋め込まれた永久磁石群15を効率よく冷却できる
。
この他の構成(実施例3)のエンドプレート28は、隔壁19,20の形状は、その開放端側である先端部分29,30が屈曲して形成されている。そして、このエンドプレート28の隔壁19,20の屈曲された先端部分29,30の寸法は、第2流路R2の最外周面17付近の流速が適切で、排出孔21から排出されるオイルの排出速度を適切に低減するように設定されていることから、前述の最外周面17付近でのオイルの流れをさらに調整することができる。
また、排出孔21が第6流路R6の末端部付近に設けられ、その配置はエンドプレート28の内周側となることから、オイルの排出速度を低減してオイルによる加速損失を低減もしくは抑制できる。また、排出孔21が第6流路R6の末端部付近に設けられ、その配置はエンドプレート28の内周側となることから、コイルエンド7aに吹き付けられるオイルの勢いが弱められることから、コイルエンド7aの絶縁被膜7bの損傷を低減できる。さらにエンドプレート28に設けられた第1流路R1ないし第6流路R6は、エンドプレート28の一方面にプレス成形されて連通した溝28aが形成され、隔壁18,19,20および先端部分29,30とエンドプレート28の壁面と回転子鉄芯14の端面とによって構成される。このようにエンドプレート28に曲折した溝28aが形成されて、エンドプレート28の壁面と回転子鉄芯14の端面との軸線A1方向での間に冷媒通路28bが設けられる構造となっていることから、エンドプレート28の剛性が増し、エンドプレート28と回転子2との間からオイルが漏れて、固定子1と回転子2との間のエアギャップ3に侵入することによるトルク損失を抑制できる。またさらに、このように第1流路R1ないし第6流路R6を構成することのできるエンドプレート28が、製造容易な形状であり、プレス成形により製造できるため、工作性がよいことから、製造コストの低減および製造工程の簡略化することができ、生産性が向上する。
なお、以上に示した構成例(実施例1ないし3)では、回転子2に永久磁石を採用したものを記載したが、回転子2が電磁石によって構成されるものであってよい。また、前述のとおり、固定子1が回転子2の外周側に筒状に設けられて、固定子1にはコイル(固定子巻き線)7が設けられており、そのコイル(固定子巻き線)7の軸線A1方向の両端部(コイルエンド7a)が、回転子の軸線A1方向の両端部より突き出て(張り出して)いるような構成の電動機に適用できる。