JP5293382B2 - 固体酸化物形燃料電池用燃料極およびその製造方法 - Google Patents
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Description
一般に、固体酸化物形燃料電池は、空気極、固体電解質および燃料極が順次積層された構造を有している。通常、燃料極としては、例えばニッケルまたは酸化ニッケルと、安定化ジルコニア(YSZ)からなる固体電解質とが用いられる。また、空気極としては、SrなどがドープされたLaMnO3やLaCoO3などが、固体電解質としては、安定化ジルコニア(YSZ)などが用いられている。なお、このような固体酸化物形燃料電池では、空気極側から取り込まれた酸素と燃料極側の水素や炭化水素とが、固体電解質を介して電気化学的に反応することにより起電力を生じるものである。
また、適度の空隙を燃料極に導入しえていなければ、燃料供給異常などにより燃料極側への酸素混入等で燃料極が酸化雰囲気に曝されたり、あるいは高電流密度下とされニッケル等金属材の酸化が起こったりした場合、その際の体積膨張で電極の剥離や割れ、あるいはセルの破壊が起こり、電極の体積抵抗率が増大し、最悪の場合、燃料ガスがリークし、もはや発電不能となる。
また、低結晶性酸化ニッケルを焼結前に導入することで相対密度を調整する方法も報告されているが(例えば、特許文献2参照)、焼結体全体としての相対密度の調整は可能なものの、これらの反応性の高さから焼成時に焼結が進み、酸化ニッケル、電解質、空隙の微細で良好な三相界面が形成できず、発電効率を落とす結果となる。
以上のような状況から、固体酸化物形燃料電池用の燃料極においては、燃料供給異常などにより燃料極側への酸素混入等で燃料極が酸化雰囲気に曝されたり、あるいは高電流密度下とされニッケル等金属材の酸化が起こったりした場合でも、体積膨張による電極の剥離や割れ、あるいはセルの破壊、体積抵抗率の低下を抑制しうることが求められている。
(1)相対密度が70〜90%である
(2)燃料極中に存在する最大径1μm以下の空隙は、全空隙数の90%以上である
(3)燃料極中に存在する欠陥は、最大長さ50μm以下である
(4)被覆層(b)中のジルコニウム含有量は、芯粒子(a)の表面積あたり、0.004〜0.02g/m2である
また、本発明の燃料極の製造方法によれば、燃料極を効率的に製造することができる。
1.固体酸化物形燃料電池用燃料極
本発明の固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下、本発明の燃料極ともいう。)は、酸化ニッケル微粒子からなる芯粒子(a)と、芯粒子(a)の表面上に形成されたジルコニウム化合物を主成分として含む被覆層(b)とから構成される複合型酸化ニッケル粉末と固体電解質から製造され、初期の燃料極が以下の要件を満たすことを特徴とするものである。
(1)相対密度が70〜90%である
(2)燃料極中に存在する最大径1μm以下の空隙は、全空隙数の90%以上である
(3)燃料極中に存在する欠陥は、最大長さ50μm以下である
(4)被覆層(b)中のジルコニウム含有量は、芯粒子(a)の表面積あたり、0.004〜0.02g/m2である
また、前記被覆層(b)から得られる酸化物層が焼結を抑制するという機能を持つことから、長期耐久性の向上も可能である。さらに、本発明の燃焼極を用いた固体酸化物形燃料電池においては、電極の微細構造を良好に維持することができ、電極反応抵抗の低減が可能でありセル出力が向上し、発電性能に優れた固体酸化物形燃料電池とすることができる。以下に、本発明の燃料極が満足すべき要件(1)〜(4)について説明する。
相対密度は、燃料極の電極抵抗および強度に影響を及ぼすものである。相対密度が70%未満では、電極抵抗が増加してセル出力が低下するとともに、燃料極の強度も不足して、電極の割れやセルの破壊が生じるし、また、相対密度が90%を超えると、微細な空隙の占める割合が十分には確保されず、前述した膨張について、これを吸収しきれなくなる。相対密度を70〜90%とすることで、十分な強度を持った状態で燃料極の電極抵抗を低減するとともに、微細な空隙の占める割合が十分確保され、膨張を吸収して、電極の剥離や割れ、セルの破壊を抑制することができる。
燃料極中に存在する最大径1μm以下の空隙は、全空隙数の90%以上に調整される。すなわち、最大径が1μmを超える空隙の個数は、燃料極中に存在する全空隙数の10%未満である。ここで、前記最大径は、燃料極の断面観察において確認される空隙界面上の任意の2点間の最大距離を意味するものである。微細な空隙が多数存在することで、上記膨張の吸収効果が得られ、電極の剥離や割れ、セルの破壊が抑制される。微細な空隙は、前記膨張を効率よく吸収できるように、燃料極中に均一に分散していることが好ましい。最大径が1μm以下の空隙の個数が、全空隙数の90%未満になると、粗大な空隙が多く存在するようになり、空隙が存在しない部分が生じる。このような空隙が存在しない部分では、電極の割れが発生する。また、膨張の吸収が不均一となるため、電極の歪が発生して電極の剥離やセルの破壊が起こる。
燃料極中に存在する欠陥の最大長さは、50μm以下である。最大長さが50μmを超える欠陥が燃料極中に存在すると、割れの起点となり、前記膨張時の歪により、電極の剥離やセルの破壊が発生するし、また、電極の機械的強度も低下する。前記欠陥の最大長さは、燃料極の断面観察において確認される連続した欠陥の界面全長の1/2を意味するものであり、前記(2)空隙の項におけると同様に燃料極の断面を走査型電子顕微鏡等で観察することにより、容易に確認できる。
前記被覆層に含有されるジルコニウム量、すなわちジルコニウム含有量は、芯粒子(a)の表面積あたり、0.004〜0.02g/m2、好ましくは0.005〜0.01g/m2となるように調整される。このように、ジルコニウム含有量は、芯粒子(a)として用いられる酸化ニッケル微粒子の単位表面積(単位:m2)あたりの重量(単位:g)として規定される。すなわち、ジルコニウム含有量が0.004g/m2未満では、被覆量が少なく、十分に芯粒子(a)を被覆することができず、燃料極に用いられた際に酸化雰囲気に曝された場合の酸化膨張の抑制効果が得られにくいし、一方、ジルコニウム含有量が0.02g/m2を超えると、被覆量が過大となり、燃料極に用いられた際に燃料極の電気抵抗値が増大し発電効率が低下する傾向がみられる。
前記被覆層(b)は、酸化膨張の抑制や高温で酸化雰囲気に曝された場合の酸化抑制のためには芯粒子(a)を連続して均一な厚みで被覆することが好ましい。しかしながら、部分的に被覆層が存在する形態でも、焼結抑制効果が得られ、ポアの消滅が抑制されて電極の剥離や割れ、セルの破壊の抑制効果が得られる。
なお、酸化ニッケル微粒子の表面積は、BET法で行った比表面積の測定により求められる。
上記芯粒子(a)として用いられる酸化ニッケル微粒子の粒径としては、特に限定されるものではないが、通常、メディアン径D50が0.1〜5μmであるのが好ましい。すなわち、粒径が5μmを超えると、発電時に、電極中の反応界面が少なくなり、発電特性に影響を及ぼす恐れがあるし、一方、粒径が0.1μm未満では、電極中の電気抵抗が大きくなり、また、燃料ガスや発電により生じた水蒸気の拡散の妨げとなり、発電特性に影響を及ぼす恐れがあり、また、上記酸化ニッケル粉末の製造上の制約もある。
本発明の燃料極の原料として用いられる複合型酸化ニッケル粉末において、被覆層(b)としては、ジルコニウム化合物を主成分として含有するものであれば、特に限定されるものではなく、焼成後に、ジルコニア単独層を形成するものや、イットリア、セリア、スカンジアなどで安定化されたジルコニアからなる層を形成するものなどが用いられる。これにより、燃料電極に用いた際に電極の剥離や割れ、セルの破壊が抑制されるとともに酸素イオン導電性と長期耐久性が向上する。
上記ジルコニウム化合物としては、水酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムおよびリン酸ジルコニウムから選択される1種以上であるのが好ましい。特に、酸化ジルコニウムおよび焼成によって酸化ジルコニウムとなる水酸化ジルコニウムは、ジルコニアもしくは安定化ジルコニア層を形成するために好ましい。ところで、前記被覆層に、水酸化ジルコニウムが含まれる場合には、電極を形成するための複合型酸化ニッケル粉末の焼成に際して、水酸化ジルコニウムは酸化ジルコニウムに変換される。したがって、一旦焼成された後には、ジルコニウムを主成分として含む酸化物層により被覆された酸化ニッケル微粒子の焼成物が得られる。したがって、本発明の複合型酸化ニッケル粉末をあらかじめ加熱して、前記被覆層中の水酸化物を酸化物に変換したものを、電極材料として焼成に用いることができる。ただ、水酸化物が酸化物に転換されるときに水蒸気が放出されるため焼成中の水蒸気による割れなどの影響が懸念される場合がある。このような事態に対処するには、あらかじめ加熱して前記被覆層中の水酸化物を酸化物としておくのが有利である。
本発明の燃料極は、原料として用いられる複合型酸化ニッケル粉末においてその表面に形成された被覆層(b)により焼結が抑制されるとともに、前記微細な空隙による酸化膨張の抑制により電極の剥離や割れ、セルの破壊が抑制される。前記酸化膨張率が、4%を超えると、燃料供給異常時などに電極の割れや固体電解質からの剥離が発生する場合があり好ましくない。
本発明の燃料極の製造方法(以下、本発明方法ともいう。)は、酸化ニッケル微粒子を含む水性懸濁液に、ジルコニウム塩と尿素を含む水溶液を供給して、ジルコニウム水酸化物を主成分として含む被覆層を有する酸化ニッケル微粒子を形成させる工程(A)、工程(A)で形成された酸化ニッケル微粒子を固液分離して、乾燥処理に付して複合型酸化ニッケル粉末を得る工程(B)、工程(B)で得られた複合型酸化ニッケル粉末と固体電解質粉末を混練して燃料極材料を得る工程(D)、および燃料極材料を焼結させて燃料極を得る工程(E)を含むことを特徴とするものである。
以下、各工程を詳細に説明する。
工程(A)においては、酸化ニッケル微粒子を含む水性懸濁液中に、ジルコニウム塩と尿素を含む水溶液(以下、コート液ともいう。)を供給して、ジルコニウム水酸化物を主成分として含む被覆層を有する酸化ニッケル微粒子を形成させる。
ここで、ジルコニウム塩は、水酸化物となり被覆剤として用いられ、また、尿素は、塩基として作用するか、若しくは分散剤由来のナトリウムの被覆層への巻き込み防止の効果がある。コート液としては、得られる複合型酸化ニッケル粉末材料の被覆層(b)に含有されるジルコニウム量が、芯粒子(a)である酸化ニッケル微粒子の表面積あたり0.004〜0.02g/m2であることを満足するに十分な量のジルコニウム塩が供給されるものを用いることが必要である。
コート液で用いられるジルコニウム塩としては、特に限定されるものではないが、安価で入手が容易な硫酸ジルコニウムまたは硝酸ジルコニルが好ましく、硫酸ジルコニウムがより好ましい。
また、イットリア、セリア、スカンジアなどで安定化されたジルコニアからなる被覆層を形成する際には、ジルコニウム塩を含むコート液中にイットリウム、セリウム、スカンジウムなどの塩を共存させる。これにより、焼成後の酸化物層をイットリア、セリア、スカンジアなどで安定化されたジルコニウム酸化物層とすることができる。
化学反応式(1):Zr(SO4)2+4H2O=Zr(OH)4+2H2SO4
化学反応式(2):NiO+H2SO4→NiSO4+H2O
また、化学反応式(1)に示すように、ジルコニウム水酸化物を形成するための水酸基は水から供給される。この際、酸化ニッケル微粒子と水の重量比としては、特に限定されるものではないが、水酸基を供給するのに十分な水が必要である。
上記反応において、コート液の供給速度を低めることにより、自発的核発生を抑制し、芯粒子上に効率良く被覆層を生成させることが可能となる。したがって、コート液の供給速度を調整して、被覆の速度を制御して緩やかにした場合、芯粒子同士の接触部の被覆層による連結も緩やかに進む。このとき、芯粒子の分散を十分に行い、かつ液の攪拌を十分に行うことにより、連結が破壊され、芯粒子と同程度の粒度分布を有する被覆粒子を得ることができる。
コート液の供給速度は、ジルコニウム分で芯粒子の表面積当たり、好ましくは1〜20μmol/(m2・分)、より好ましくは、1〜6μmol/(m2・分)の範囲で選ばれる。この供給速度が1μmol/(m2・分)未満では、生産性が悪くなるし、一方、供給速度が20μmol/(m2・分)を超えると、芯粒子同士の連結が強固になり、芯粒子が凝集することがある。
酸化ニッケル微粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、燃料極材料として機能する必要があることから、レーザー光回折散乱式粒度分析計(Microtrac 9320−X100、Microtrac Inc製)を用いて測定されたメディアン径D50として、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは、0.3〜1μmとするのがよい。この粒径が0.1μm未満では、被覆層(b)を形成するための被覆時の濾過性やハンドリング性が悪くなったり、撹拌による慣性力が小さいために連結が顕著になる恐れがあるし、一方、粒径が5μmを超えると、被覆時に沈降し、均一な被覆が困難になる恐れがある。
工程(A)において、酸化ニッケル微粒子を含む水性懸濁液中の粒子の分散性を向上させるために、ヘキサメタリン酸ナトリウムを添加することが好ましい。これは、ビーカー等の反応容器内壁へのジルコニウム水酸化物の付着も減少するので操作上も好ましい。ここで、ヘキサメタリン酸ナトリウムの添加量は、水に対し、好ましくは0.001〜0.2質量%、より好ましくは0.005〜0.05質量%の範囲とするのがよい。この添加量が、0.001質量%未満では粒子の分散性の向上効果が不十分であるし、一方、0.2質量%を超えるとそれ以上の効果の向上がみられず、リンの吸着により多くの異相が生成する恐れがある。
工程(B)においては、工程(A)で形成された酸化ニッケル微粒子を固液分離した後、乾燥処理に付すことにより複合型酸化ニッケル粉末が得られる。ここで、固液分離の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、通常のろ過方法が用いられ、また、乾燥処理の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、空気などの酸化雰囲気下に、50〜200℃、好ましくは100〜150℃の温度で水分を除去する方法が用いられる。
工程(C)においては、工程(B)で得られた乾燥処理後の酸化ニッケル微粒子を加熱処理に付すことによりジルコニウム水酸化物が熱分解される。これにより、ジルコニウム酸化物を主成分として含む複合型酸化ニッケル粉末が得られる。なお、特に、水酸化物が酸化物に転換されて放出される水蒸気による焼成中の割れなどが懸念される場合には、工程(C)により、焼成に先立って事前に加熱処理することが望ましい。これにより、被覆層の付着が強固となり、燃料極製造工程での被覆層の剥離を防止する効果がある。
工程(C)における加熱処理条件としては、特に限定されるものではなく、空気などの酸化雰囲気下に、1000℃以下、特に700〜1000℃の温度で焼成することが好ましい。すなわち、NiO、あるいはジルコニウムの過度の焼結を抑えるため、1000℃以下であることが好ましい。
工程(D)においては、工程(B)もしくは(C)で得られた複合型酸化ニッケル粉末と固体電解質粉末を混練することにより燃料極材料が得られる。前記燃料極材料には、必要に応じて他の構成成分を添加することができる。ここで、混練方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ボールミルなどのように構成成分が均一に混合できるような方法であればよい。
さらに、複合型酸化ニッケル粉末としては、工程(A)〜(C)により得られたものを用いることが好ましいが、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン製)などの装置を用いた乾式方法により、酸化ニッケル微粒子に前記被覆層(b)を直接形成した酸化ニッケル粉末を用いることもできる。
工程(E)においては、工程(C)で得られた前記燃料極材料を焼結させることにより燃料極が得られる。具体的な燃料極の製造方法の例を挙げると以下のとおりである。まず、前記燃料極材料をペースト化もしくはスラリー化した後、例えば、平板タイプの場合には、まず、セルを支持する部分、一般的には電解質もしくは燃料極を、テープ成形または押し出し成形により作製する。次いで、その上に他の構成部材のテープ成形物を積層するか、もしくはスラリーを塗布して接着させ、その後酸化性雰囲気下1200〜1500℃の条件で焼成し、燃料極材料を焼結する方法が行われる。ここで、焼結させることで固体酸化物形燃料電池用として好適な燃料極が得られる。
このようにして、燃料供給異常などで燃料極側に酸素が混入された場合や、高電流密度下とされニッケル等の金属材の酸化が起こった場合でも、体積膨張による電極の剥離や割れ、あるいはセルの破壊、体積抵抗率の増加を抑制することが可能な固体酸化物形燃料電池用燃料極が得られる。
ここで、体積抵抗率の測定は、得られた測定用試料に4本の導線を取り付け、室温下大気雰囲気中で、ポテンショ・ガルバノスタット(ソーラトロン社製、型式SI−1287)を用いて直流四端子法にて行った。
ビーカーを用いて、水1L中に、メディアン径D50が0.3μmで、比表面積が4.4m2/gの酸化ニッケル(NiO)微粒子5gと、分散剤としてのヘキサメタリン酸ナトリウム0.2gとを投入し、十分に分散するように強攪拌して水性懸濁液を得た。この水性懸濁液中に、硫酸ジルコニウムを0.14mol/Lおよび尿素を18g/Lの濃度で含有する水溶液からなるコート液10mLを添加し、1時間以上保持させ、0.1μmのセルロースメンブランフィルターを用いて濾過回収し、大気乾燥機により100℃で乾燥した後、乳鉢で弱解砕してジルコニウム水酸化物で被覆された複合型酸化ニッケル粉末を得た。なお、添加されたコート液量は、均一に被覆層(b)が形成されたものとして層厚2nmの仕込み量に相応する。
その後、得られた複合型酸化ニッケル粉末を用いて、上記測定、評価方法に記載の作製方法に従って、酸化膨張率および体積抵抗率測定用の燃料極を作製した。表1に作製時のバインダー量とプレス圧力を示す。得られた燃料極のジルコニウム量、相対密度、50μm以上の欠陥の有無、体積抵抗率および酸化膨張率を上記方法で測定、評価した結果を表1に合わせて示す。なお、得られた燃料極を3000倍のSEM観察した結果、最大径1μm以下の空隙が全空隙数の90%以上であり、断面全体に分布していることが確認された。
コート液の添加量を15mLとしたこと以外は実施例1と同様にして燃料極を作製するとともに測定、評価した。なお、添加されたコート液量は、均一に被覆層(b)が形成されたものとして層厚3nmの仕込み量に相応する。
燃料極作製時のバインダー量とプレス圧力、および得られた燃料極の測定、評価結果を表1に合わせて示す。また、実施例2で得られた燃料極のSEM観察像(倍率250倍)を図2に示す。なお、得られた燃料極を倍率3000倍でSEM観察した結果、最大径1μm以下の空隙が全空隙数の90%以上であり、断面全体に分布していることが確認された。
コート液の添加量を25mLとしたこと以外は実施例1と同様にして燃料極を作製するとともに測定、評価した。なお、添加されたコート液量は、均一に被覆層(b)が形成されたものとして層厚5nmの仕込み量に相応する。
燃料極作製時のバインダー量とプレス圧力、および得られた燃料極の測定、評価結果を表1に合わせて示す。なお、得られた燃料極を倍率3000倍でSEM観察した結果、最大径1μm以下の空隙が全空隙数の90%以上であり、断面全体に分布していることが確認された。
コート液を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして燃料極を作製するとともに測定、評価した。燃料極作製時のバインダー量とプレス圧力、および得られた燃料極の測定、評価結果を表1に合わせて示す。
コート液を添加しなかったこと、燃料極材料作製時にグラファイト粉(ライオン製、ケッチェンブラック)を燃料極材料に対して1質量%となるように混合したこと、プレス圧力を147Mpaとしたこと以外は実施例1と同様にして燃料極を作製するとともに測定、評価した。燃料極作製時のバインダー量とプレス圧力、および得られた燃料極の測定、評価結果を表1に合わせて示す。また、得られた燃料極のSEM観察像(倍率250倍)を図2に示す。
コート液の添加量を5mLとしたこと以外は実施例1と同様にして燃料極を作製するとともに測定、評価した。なお、添加されたコート液量は、均一に被覆層(b)が形成されたものとして層厚1nmの仕込み量に相応する。燃料極作製時のバインダー量とプレス圧力、および得られた燃料極の測定、評価結果を表1に合わせて示す。
コート液の添加量を50mLとしたこと以外は実施例1と同様にして燃料極を作製するとともに測定、評価した。なお、添加されたコート液量は、均一に被覆層(b)が形成されたものとして層厚10nmの仕込み量に相応する。燃料極作製時のバインダー量とプレス圧力、および得られた燃料極の測定、評価結果を表1に合わせて示す。
Claims (8)
- 酸化ニッケル微粒子からなる芯粒子(a)の表面上にジルコニウム化合物を主成分として含む被覆層(b)を有する複合型酸化ニッケル粉末と固体電解質とから製造され、かつ、初期の燃料極が下記(1)〜(4)の要件を満たすことを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料極。
(1)相対密度が70〜90%である
(2)燃料極中に存在する最大径1μm以下の空隙は、全空隙数の90%以上である
(3)燃料極中に存在する欠陥は、最大長さ50μm以下である
(4)被覆層(b)中のジルコニウム含有量は、芯粒子(a)の表面積あたり、0.004〜0.02g/m2である - 前記ジルコニウム化合物は、水酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムまたはリン酸ジルコニウムから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- 前記固体電解質の配合割合は、複合型酸化ニッケル粉末と固体電解質の合計量に対して30〜50質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- 前記固体電解質は、イットリア安定化ジルコニアまたはスカンジア安定化ジルコニアであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- TMA測定したとき、900℃の温度下、還元雰囲気で保持した後、空気を吹き込んで再酸化する条件で得られた酸化膨張率が4%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- 酸化ニッケル微粒子を含む水性懸濁液に、ジルコニウム塩と尿素を含む水溶液を供給して、ジルコニウム水酸化物を主成分として含む被覆層を有する酸化ニッケル微粒子を形成させる工程(A)、工程(A)で形成された酸化ニッケル微粒子を固液分離して、乾燥処理に付して複合型酸化ニッケル粉末を得る工程(B)、工程(B)で得られた複合型酸化ニッケル粉末と固体電解質粉末を混練して燃料極材料を得る工程(D)、および燃料極材料を焼結させて燃料極を得る工程(E)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極の製造方法。
- 前記工程(B)と工程(D)との間に、さらに工程(B)で得られた複合型酸化ニッケル微粒子を加熱処理に付し、被覆層中のジルコニウム水酸化物を熱分解させて酸化ジルコニウムに変える工程(C)を行なうことを特徴とする請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極の製造方法。
- 前記ジルコニウム塩は、硫酸ジルコニウムまたは硝酸ジルコニルであることを特徴とする請求項6または7に記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極の製造方法。
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