本実施形態に係る整水器は、例えば水道水などの原水を浄化して浄水を生成したり、浄水をさらに電解することにより、酸性水やアルカリ性水を生成し、使用者に供給するものである。この酸性水及びアルカリ性水を生成するための電解は、極性の異なる一対の電極が対向配置された電解槽にて浄水を電気分解することにより行っている。
酸性水は、水を電気分解した際に陽電極側にて生成される酸性の水であり、飲用には適さないが、衛生水としての使用に適しているという性質を有するものである。また、アルカリ性水は、水を電気分解した際に陰電極側にて生成されるアルカリ性の水であり、そのアルカリ性の強度に応じて異なる用途に使用されるものである。これらの酸性水及びアルカリ性水の詳細については後に述べる。
また、本実施形態に係る整水器には、この電解槽への水の流入を検出する流入水検出手段と、ゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段と、前記流入水検出手段による検出信号と前記ゼロクロス検出手段によるゼロクロス検出信号とに基づいて前記電解槽への通電を制御する制御手段とを備えている。
ここでゼロクロスとは、交流である商用電源の極性が反転する時に、0V近傍を通過するタイミングである。
そして、本実施形態に係る整水器に特徴的な点として、前記ゼロクロス検出手段は、前記ゼロクロス検出信号を前記制御手段に出力するゼロクロス検出信号出力部と、このゼロクロス検出信号出力部を、前記制御手段からの駆動信号に基づいて駆動させるゼロクロス駆動部と、を備えることとしている。
したがって、例えば電解時のようにゼロクロス検出信号を必要とする場合には、制御手段からゼロクロス駆動部へ駆動信号を送信する一方、待機時などゼロクロス検出信号を必要としない場合には、ゼロクロス駆動部への駆動信号の送信を停止することにより、ゼロクロス検出手段にて消費される電力を可及的低減させることができる。
ここで、前記制御手段は、前記流入水検出手段からの検出信号を受信しているときに前記ゼロクロス駆動部へ前記駆動信号を出力し、前記流入水検出手段からの検出信号を受信していない間であっても、前記電解槽の電極に逆方向の通電を行って電極を洗浄する逆電解処理を実行する場合は、当該逆電解処理の実行に先立って前記ゼロクロス駆動部へ前記駆動信号を出力するのが好ましい。
すなわち、整水器に水が供給されている際には、ゼロクロス駆動部へ前記駆動信号を出力し、ゼロクロス検出信号を発信させることにより、ゼロクロスのタイミングで各種制御を行うことができる。
また、整水器に水が供給されていない時でも、逆電解処理を実行する場合は、当該逆電解処理の実行に先立って前記ゼロクロス駆動部へ前記駆動信号を出力するため、電極への通電に際し、ゼロクロスのタイミングで制御を行うことができる。
さらに、前記電解槽に連通連結した排出流路の中途に設けられ、前記制御装置からの指令に応じて開閉動作する弁装置を備え、前記制御手段は、前記流入水検出手段からの検出信号を受信していない場合、前記弁装置の駆動タイミングに先立って前記ゼロクロス駆動部へ前記駆動信号を出力するのが好ましい。これにより、ゼロクロスのタイミングで弁装置の駆動を行うことができる。
また、取水停止後、再取水するまでに経過した経過時間と取水する水の種類とに応じて、取水開始に伴い、使用者に所定時間捨水させることを促す表示を行う捨水警報表示手段を備え、前記制御手段は、前記捨水警報表示手段に表示信号を出力した後に、前記ゼロクロス駆動部へ前記駆動信号を出力するのが好ましい。これにより、さらにゼロクロス検出手段にて消費される電力を可及的低減させることができる。
以下、本実施形態に係る整水器の構成について、図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本実施形態に係る整水器1の構成を示す模式的説明図、図2は同整水器1の外観を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る整水器1は、ケース本体である箱型のケーシング10中に、原水を浄化するカートリッジタイプとした浄水槽20を具備する浄水部2と、浄水部2を経た水の量を計測する流量センサCと、浄化された水に食塩やカルシウムを添加する添加剤混入部50と、浄化された原水を電気分解する電解部3とを備えており、浄水、酸性水及びアルカリ性水を取水管19bの取水口19cから取出し可能としている。なお、図1中、11aは水道蛇口、11bは水道蛇口11aの下流側に設けた分岐栓であり、この分岐栓11bのレバー11cを操作することにより、原水である水道水を整水器1側に通水するか、あるいは直接取水するかを使用者により選択可能としている。
まず、本実施形態に係る整水器1の具体的な構成について、水の流れに沿って説明する。
レバー11cが整水器1側に切り替えられている状態において、使用者が水道蛇口11aを操作して整水器1側へ供給された原水は、まず、導水管11及び導水口19aを経て浄水部2に至る。
浄水部2は、原水中に含まれる微細な不純物等を除去することにより浄水を生成する役割を果たすものであり、上側カートリッジ20aと下側カートリッジ20bとからなる浄水槽20にて構成されている。なお、上側カートリッジ20aや下側カートリッジ20b内には中空糸膜や活性炭などが収納されており、劣化の度合い等に応じてそれぞれ個別に取替え可能としている。
浄水部2に供給された原水は、浄水となって流量センサCに至る。
流量センサCは制御部7に電気的に接続されており、浄水部2にて浄化された浄水の流量を計測して制御部7にその情報を送信する役割を果たす。この流量センサCは、後述する電解部3の電解槽への水の流入を検出する流入水検出手段として機能するものである。
流量センサCを通過した浄水は、同浄水中にカルシウム分や塩分を添加する添加剤混入部50に至る。
添加剤混入部50は、添加剤混入部50に流入する浄水の流路を2方向へ選択的に切り替える流路切換弁80と、同流路切換弁80より延出する一方の分岐配管に接続したカルシウム添加部8と、前記流路切換弁80より延出する他方の分岐配管に接続した食塩添加部9と、食塩添加部9から延出させた出口配管とカルシウム添加部8から延出させた出口配管とが合流する合流配管部60と、食塩添加部9と合流配管部60との間の出口配管の中途部に介設された逆止弁70とで構成している。
流路切換弁80は、流量センサCを通過してきた水の流路を、カルシウム添加部8側か、又は食塩添加部9側に切り替える役割を果たす。具体的には、使用者が流路切換弁80の上部に備えられた二方向切換スイッチ81を操作することにより、流路をいずれかの方向へ切り替えることができる。
また、この流路切換弁80は制御部7に電気的に接続されており、使用者が二方向切換スイッチ81を操作して選択した流路を、制御部7において検知可能としている。
カルシウム添加部8は、後述する主電解槽30に供給する原水中にカルシウムを供給可能とするものであり、内部にカルシウム溶出用の製剤(例えば、貝殻焼成カルシウム製剤や、珊瑚由来のカルシウム製剤)が収容されている。
食塩添加部9は、主電解槽30に供給する原水中に食塩を供給可能とするものであり、食塩添加部9内に食塩を収容しておくことにより、食塩添加部9を通過する水中に食塩を所定量ずつ溶解できるよう構成している。
逆止弁70は、使用者が流路切換弁80を操作して、添加剤混入部50内の流路をカルシウム添加部8に選択した際に、カルシウム添加部8を通過した水が、食塩添加部9側へ逆流するのを防止するための弁である。すなわち、食塩は電解部3での電解を促進するために添加されるものであるが、使用者が電解を要しない水(浄水)を所望する際に、逆流が生じて浄水中に食塩が混入されてしまうのを防止する役割を果たす。
添加剤混入部50を通過した浄水は、電解部3へ流入する。電解部3は、浄水を電気分解する第1の電解部である主電解槽30と、この主電解槽30の陰極室34で生成したアルカリ性水の溶存水素濃度を高める第2の電解部である副電解槽40とで構成している。この主電解槽30と、副電解槽40とは、極性の異なる一対の電極が対向配置され、水を電気分解してアルカリ性水及び酸性水を生成する電解槽として機能するものである。
主電解槽30は、図1に示すように、本実施形態において陽極側となる陽電極31を配設した陽極室32と、陰極側となる陰電極33を配設した陰極室34とに隔膜35を介して区画形成している。なお、本実施形態では、主電解槽30の内部に、陰極室34と陽極室32とをそれぞれ2つずつ設けているが、特にこれに限定されるものではない。
また、陽極室32の下流側端部には、第1取水口39aが形成されており、副電解槽40へ送水するための配管を接続している。同様に、陰極室34の下流側端部にも、第2取水口39bが形成されており、副電解槽40へ送水するための配管を接続している。
副電解槽40は、生成するアルカリ性水中の溶存水素濃度を高める役割を担うものであり、内部には電気化学セル43を介して、互いに扁平な空間である陽極室44と陰極室45とが区画形成されている。
陽極室44の上流側端部には、第1入水口41aが形成されており、主電解槽30の第1取水口39aより延出する配管を接続して、陽極室32を経た水を陽極室44へ流入できるようにしている。
同様に、陰極室45の上流側端部にも、第2入水口41bが形成されており、主電解槽30の第2取水口39bより延出する配管を接続して、陰極室34を経た水を陰極室45へ流入できるようにしている。
また、陽極室44の下流側端部には、第1出水口42aが形成されており、同第1出水口42aには、ケーシング10の下方へ伸延させた排水管12bを延設している。
この排水管12bには、陽極室32及び陰極室34の上流側端部より延出した水抜管12aが連結されており、原水の供給が停止した際には、電解部3内に滞留する水を排出口51より排出できるようにしている。なお符号72は、同水抜管12aの中途部に設けられ、排水管12bから水抜管12aの方向への水の流入を防止する逆止弁である。
また、排水管12bの排出口51近傍には、制御部7と電気的に接続した電磁バルブ71を配設しており、水の排出を制御可能としている。この電磁バルブ71は、電解槽30,40に連通連結した排出流路の中途に設けられ、後述の制御部7からの指令に応じて開閉動作する弁装置として機能する。
一方、陰極室45の下流側端部には、第2出水口42bが形成されており、同第2出水口42bには取水管19bを延出し、その先端部の取水口19cより浄水や酸性水、アルカリ性水を取水できるようにしている。なお、図2に一点鎖線で示すように取水管19bの先端に延長ホース19dを適宜連結することもでき、その場合はこの延長ホース19dの先端が取水口19cとなる。
したがって、添加剤混入部50から主電解槽30に送られた浄水は電気分解されて酸性水とアルカリ性水とが生成されるが、主電解槽30の陽極室32で生成された酸性水は、第1取水口39a→第1入水口41a→陽極室44→第1出水口42a→排水管12b→排出口51と流れ、一方、主電解槽30の陰極室34で生成されたアルカリ性水は第2取水口39b→第2入水口41b→陰極室45→第2出水口42b→取水管19b→取水口19cと流れて流出する。
このとき、副電解槽40の電気化学セル43に通電することにより、副電解槽40の陽極室44内では酸性水が電気分解され、反応式(1)で示すように、酸素と水素が発生し、イオン交換膜43aを介して水素イオンが陰極室45へと通過して、連続的に生成されるアルカリ性水中の溶存水素濃度を高めることができる。なお、この副電解槽40での電気分解では、主電解槽30での電気分解の電流値が4Aであったのに対し、0.5A程度でよい。
反応式(1)・・・2H2O→4H++4e-+O2
また、本実施形態に係る整水器1では、主電解槽30と副電解槽40とを制御部7を介してそれぞれ個別に制御可能としている。具体的には、主電解槽30に配設した陽電極31及び陰電極33、副電解槽40に配設した後述する電気化学セル43への通電を制御するようにしており、例えば、(1)主電解槽30及び副電解槽40への通電が両方ともON、(2)両方ともOFF、(3)主電解槽30がON、副電解槽40がOFF、(4)主電解槽30がOFF、副電解槽40がON、などの制御も自由に行え、所望する性状の水を得ることが可能となっている。また、電流値についても個別に制御可能とし、アルカリ性水のpHを例えば8〜10の範囲で変更したり、溶存水素濃度の値を変更したりすることもできる。
上記の構成により、アルカリ性水と酸性水、さらに主電解槽30への通電を止めることで中性水、すなわち浄水についてもそれぞれ浄化した状態で共通の主取水口19cから取水することができる。ところで、酸性水を前記主取水口19cから取水するときは、主電解槽30の両電極31,33の極性を反転させている。このように、必要な性状の水を共通の主取水口19cから選択的に取り出せるので使い勝手がよい。
この整水器1で各種性状の水を取水するための操作及び各種設定は、図2に示すように、ケーシング10の側面に設けた操作パネルPの各操作ボタンB1〜B10により制御部7を介して実行できる。
図示するように、操作パネルP上には、その上部中央に液晶表示装置からなる表示部Dを設け、その右上に電源ボタンB1を配設するとともに、前記表示部Dの下方位置にはORP表示ボタンB2と通水量表示ボタンB3とを横並びに配設している。
ここでORPとは酸化還元電位と呼ばれるもので、酸化、還元する強さをmV(ミリボルト)の単位で数値化しており、プラス数値が大きいほど酸化能力が大きく、マイナス数値が大きいほど還元能力が大きい。したがって、この数値により酸性水、アルカリ性水の性状強さを確認でき、ここでは前記ORP表示ボタンB2を押すと現在のORP値が前記表示部Dにデジタル表示されるようにしている。
また、前記通水量表示ボタンB3を押すと、現在の整水器1内への原水通水量が前記表示部Dにデジタル表示される。そして、この通水量表示ボタンB3の下方には、縦一列に強アルカリ性水ボタンB4、アルカリ性水ボタンB5〜B7、浄水ボタンB8、酸性水ボタンB9を配設している。アルカリ性水は、用途に応じて3段階で選択可能としており、飲用可能な程度にアルカリ性がやや強めのアルカリ性水(以下、アルカリ1水という)の生成を指示するアルカリ1ボタンB5、飲用可能な程度でアルカリ性が中程度のアルカリ性水(以下、アルカリ2水という)の生成を指示するアルカリ2ボタンB6、飲用可能な程度でアルカリ性が弱いアルカリ性水(以下、アルカリ3水という)の生成を指示するアルカリ3ボタンB7が配設されている。なお、以下の説明において、強アルカリ性水、アルカリ1水、アルカリ2水、アルカリ3水、酸性水を総称して電解水という。また、図中、L1は衛生水ランプ、L2は洗浄中ランプ、L3はすすぎランプ、L4,L5は浄水部2のカートリッジ寿命設定ボタン及びランプ、L6,L7は浄水部2のカートリッジ交換ランプ、L8は温度上昇警告ランプ、B10はカートリッジ交換リセットボタンである。
このような構成により、使用者は、カルシウムが添加され、かつ溶存水素量の増加した健康に良いとされるアルカリ性水を取水できる状態で通常使用しながら、必要に応じて二方向切換スイッチ81による簡単な操作で原水に食塩を混入させて電解度合いを高め、この状態で前記酸性水ボタンB9や強アルカリ性水ボタンB4を操作して、衛生水などに用いられる強酸性水や、各種洗浄水などに用いることのできる強アルカリ性水の取水ができる。
すなわち、本実施例に係る整水器1によれば、溶存水素濃度を高めたアルカリ性水を容易に連続的に取水することができ、しかも、電解部3の主電解槽30と副電解槽40への通電を個別に制御できるようにしているので、溶存水素濃度の高いアルカリ性水、通常のアルカリ性水、溶存水素濃度の高い中性水(浄水を含む)、通常の中性水、さらにはアルカリ性水についても所定範囲内における所望するpHにするなどが可能となり、通常の飲用、乳児の飲用(ミルクを作る場合など)、服薬時、料理用、その他用途に応じた多様な性状の水を得ることができる。また、酸性水については、洗顔用や洗浄用に用いることができる。
なお、衛生水や強アルカリ性水を取水した後は、自動的に中性水を所定量あるいは所定時間流出させて流路内を洗浄するようにして、その後に取水される中性水やアルカリ性水に塩分が残らないようにしている。
〔整水器の電気的構成〕
次に、整水器1の電気的構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る整水器1の電気的構成を示したブロック図である。
図3に示すように、整水器1は、浄水の電解を行う主回路部100と、同主回路部100の通電を制御する制御部7と、前述の電磁バルブ71、流量センサC、表示部D、各キーB1〜B10、各ランプL1〜L8とを備えている。
主回路部100は、交流の商用電源を入力する電源部101と、入力された電力により浄水の電解を行う電極部104とが接続されており、その中途部には、電源部101と電極部104との間の通電のON/OFFを行う電解リレー103が介設されている。また、電源部101と電解リレー103との間には、入力される電力のゼロクロスを検出するゼロクロス検出部102が並列的に接続されている。このゼロクロス検出部102は、ゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段として機能するものである。
電源部101は、例えば家庭用コンセント等から電力を入力するプラグに該当する部位であり、AC100Vの電力が入力される。
ゼロクロス検出部102は、後に詳述するが、ゼロクロスを検出して制御部7へゼロクロス検出信号を送信するゼロクロス検出信号出力部120と、制御部7から送信される駆動信号に基づいてゼロクロス検出信号出力部120への通電のON/OFFを行うゼロクロス駆動部121とを備えており、制御部7との間で前述のゼロクロス検出信号や駆動信号を通信可能に構成している。
電解リレー103は、制御部7からの指示により電源部101と電極部104との間通電のON/OFFを行うためのリレーであり、制御部7からの通電信号を受信可能に接続している。この電解リレー103は、制御部7によりパルス幅制御がなされており、電極部104に電圧を印加する時間を調整して電解の度合いを変更可能としている。
電極部104は、電解リレー103がON状態の際に供給される電力の電圧を変圧し、電解部3内に配設されている陽電極や陰電極に通電して浄水を電解する部位である。
一方、制御部7は、流量センサCによる検出信号とゼロクロス検出部102によるゼロクロス検出信号とに基づいて電極部104への通電を制御する制御手段として機能する部位であり、CPU110と、ROM111と、RAM112と、RTC115と、周辺機器用インターフェース113とを備え、システムバス114を介して相互に接続されている。
ROM111には、CPU110で実行されることにより、後述するフローチャートに従った処理を実現するためのプログラムや、捨水量定義テーブル(図5参照)が記憶されている。
この捨水量定義テーブルは、後述するフローにおいて、CPU110が参照することにより、捨水を行うか否かを判断したり、捨水する際の捨水量を決定するために用いられるものである。
この捨水量定義テーブルには、前回取水した水の種別とこれから取水する水の種別とを対応付けた状態で捨水量が定義されており、また、前回の取水からの経過時間や逆電解処理を行ったか否かに応じた場合分けがなされている。
具体的な例を挙げて説明すると、図5に示すように、例えば、強アルカリ性水を取水後、逆電解待機状態で1秒以上30分未満が経過した後に酸性水を取水する場合には捨水しないことが記載されている。
また例えば、アルカリ2水を取水後、通水したまま浄水を取水する場合には0.3L捨水する。また、浄水を取水後、逆電解処理を行った後に強アルカリ水を取水する場合には0.3L捨水する。
なお、図5に示した捨水量定義テーブル中の捨水量や時間条件は一例であり、整水器1の仕様等に応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。
RAM112は、ROM111に記憶されているプログラムをCPU110が実行する際に参照する各種フラグなどを記憶しておく一時記憶領域として機能する。このRAM112に記憶されるフラグとしては、例えば、逆電解の待機中であるか否かを示す逆電解待機フラグや、駆動信号を出力するか否かを示す駆動信号フラグや、電解リレーを作動させるか否かを示す電解リレーフラグや、電磁バルブを開放するか否かを示す電磁バルブ開放フラグや、捨水が終了したか否かを示す捨水終了フラグや、スリープモード中であるか否かを示すスリープモードフラグが挙げられる。また、これらのフラグ以外にも、例えば各キーB1〜B10からの入力を記憶するためのフラグなども記憶されている。なお、これらの各フラグのプログラム中での実際の取扱いについては、図6〜図11に示すフローを用いて後に詳述する。
符号115で示すRTC(Real Time Clock)は、後述のシステムタイマ割込処理を実行するための基準となるクロックパルスを発生させるためのものである。CPU110は、メイン処理を実行している状態であっても、このRTC115から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。また、このRTC115は、最後に取水してから経過した時間を計測し、逐次RAM112に記憶させる機能も有している。
周辺機器用インターフェース113は、制御部7に接続された周辺機器類の動作制御や信号の送受信を担うものであり、この周辺機器用インターフェース113には、前述のゼロクロス検出部102や、電解リレー103、電磁バルブ71、流量センサC、表示部D、各キーB1〜B10、各ランプL1〜L8がそれぞれ接続されている。
電磁バルブ71は、CPU110からの指示に基づいて開閉動作を行うバルブである。
流量センサCは、浄水が配管中を流れているか否かの検出や、流れる浄水の量を制御部7へ送信する役割を果たすものである。なお、流量センサCが送信した信号は、周辺機器用インターフェース113を介してRAM112上の所定アドレスに、流量の有無や、取水された水の各種別の積算水量として記憶されることとなる。
表示部Dは、制御部7からの情報を使用者に対して表示する役割を果たす。この表示部Dは、所定時間捨水させることを促す表示を行う捨水警報表示手段として機能するものである。
各キーB1〜B10は、前述のようにそれぞれの機能を実現するためのスイッチであり、周辺機器用インターフェース113は各キーB1〜B10からの入力を検知すると、RAM112に所定のフラグを立てることで、CPU110がいずれのキーが押下されたかを認識できるようにしている。
各ランプL1〜L8は、前述のようにそれぞれの状態を表示するためのランプであり、CPU110の指示に基づいて、周辺機器用インターフェース113を介することにより点灯又は消灯を行う。
次に、主回路部100を構成するゼロクロス検出部102について、図4を用いながら更に詳細に説明する。
図4は、ゼロクロス検出部102の回路及びその周辺の電気的構成を示した説明図である。前述のように、ゼロクロス検出部102は、ゼロクロス検出信号出力部120とゼロクロス駆動部121とで構成しており、ゼロクロス検出信号出力部120からは制御部7へゼロクロス検出信号を入力可能とし、ゼロクロス駆動部121へは制御部7から駆動信号が出力されるようにしている。
換言すれば、ゼロクロス検出部102は、ゼロクロス検出信号を制御部7に出力するゼロクロス検出信号出力部120と、このゼロクロス検出信号出力部120を、制御部7からの駆動信号に基づいて駆動させるゼロクロス駆動部121とを備えている。
ゼロクロス検出信号出力部120は、ブリッジ全波整流回路Br1とトランジスタ型のフォトカプラPC2とを備えており、ブリッジ全波整流回路Br1にて全波整流された電圧変化を電流制限用の抵抗とフォトカプラPC2を介し、フォトカプラPC2からの出力を、インバータを介することにより、ゼロクロス検出信号として制御部7へ入力するようにしている。
また、ブリッジ全波整流回路Br1への交流電圧入力側の配線の中途部には、ゼロクロス駆動部121に備えられたフォトカプラPC1のフォトトライアックが介設されており、フォトカプラPC1に収容されている発光素子が発光していない状態においては、ゼロクロス検出信号出力部120に交流電圧が印加されないように構成している。
一方、ゼロクロス駆動部121は、前述のフォトカプラPC1が備えられており、制御部7から出力される駆動信号に基づいて、フォトカプラPC1内の発光素子を発光させるように構成している。
したがって、制御部7から駆動信号が出力されている場合には、フォトカプラPC1内のフォトトライアックが通電することとなり、ゼロクロス検出信号出力部120から制御部7へゼロクロス検出信号が入力されることとなる。
また、制御部7から駆動信号が出力されていない場合には、フォトカプラPC1内のフォトトライアックが、ゼロクロス検出信号出力部120へ交流電圧を印加する回路を遮断することとなり、ゼロクロス検出信号は制御部7へ入力されないこととなる。すなわち、ゼロクロス検出信号出力部120は駆動せず、ゼロクロス検出部102にて消費される電力が抑制される。
〔制御部の処理フロー〕
次に、整水器1における制御部7での処理について、図6〜図11を用いて説明する。図6は、本実施形態に係る整水器1のメイン処理を示したフローチャートであり、図7は、システムタイマ割込処理の動作を示すフローチャートであり、図8〜図11は図6のメイン処理から分岐するサブ処理の動作を示すフローチャートである。
まずは、図6を用いてメインフローについて説明する。制御部7のCPU110は、まず、RAM112のアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS10)。
また、この際、CPU110は、RAM112の逆電解待機フラグの値を「0:逆電解未待機」、駆動信号フラグの値を「0:駆動信号停止」、電解リレーフラグの値を「0:電解リレー作動停止」、電磁バルブ開放フラグの値を「0:バルブ閉塞」、捨水終了フラグの値を「0:捨水終了前」、スリープモードフラグの値を「0:スリープモードではない」に設定すると共に、各キーB1〜B10の入力を示すフラグの値の初期化を行う。
次にCPU110は、RAM112を参照し、流量センサCの設置部位に通水がある否かについて判断を行う(ステップS11)。
ここで、通水がないと判断した場合(ステップS11:No)には、CPU110は、処理をステップS12へ移す。
ステップS12においてCPU110は、RAM112を参照しスリープモードフラグの値が「1:スリープモード中」であるか否かについて判断を行う。ここで、スリープモードフラグの値が「1」ではないと判断した場合(ステップS12:No)には、CPU110は処理をステップS13へ移す。一方、スリープモードフラグの値が「1」であると判断した場合(ステップS12:Yes)には、整水器1は現在スリープモード中、すなわち待機時であるとして処理を再びステップS11へ戻す。
ステップS13では、電極の極性を反転させて所定時間電圧を印加することにより、電極に付着したスケールの除去を行う逆電解処理を実行すべきか否かの判断等を行う逆電確認処理を実行する。この逆電確認処理は、後に図8を用いて説明する。
その後、CPU110は、止水時確認処理を実行する(ステップS14)。この止水時確認処理についても、後に図9を用いて説明する。この止水時確認処理を終えると、CPU110は、処理を再びステップS11へ戻す。
一方、ステップS11において、通水があると判断した場合(ステップS11:Yes)には、CPU110は、処理をステップS15へ移す。
ステップS15においてCPU110は、RAM112を参照し、浄水モードであるか否かについて判断を行う。ここで浄水モードであると判断した場合(ステップS15:Yes)には、CPU110は処理をステップS16へ移す。
ステップS16では、CPU110は、浄水生成処理を実行する。この浄水生成処理については、後に図10を用いて説明する。この浄水生成処理を終了すると、CPU110は、再びステップS11へ処理を移す。
一方、ステップS15において、浄水モードではないと判断した場合(ステップS15:No)には、CPU110は、処理をステップS17へ移す。
ステップS17においてCPU110は、RAM112を参照し、電解水モードであるか否かについて判断を行う。ここで電解水モードであると判断した場合(ステップS17:Yes)には、CPU110は処理をステップS18へ移す。
ステップS18においてCPU110は、酸性水やアルカリ性水を生成する電解水生成処理を実行する。この電解水生成処理は、後に図11を参照しながら説明する。
一方、ステップS17において、電解水モードではないと判断した場合(ステップS17:No)には、CPU110は処理を再びステップS11へ移す。
次に、図7を用いて、システムタイマ割込処理について説明する。すなわち、CPU110は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。RTC115から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。
図7に示すように、まずCPU110は、各キーB1〜B10が押下された際に、周辺機器用インターフェース113によってRAM112の所定アドレスに立てられたフラグを参照する各キー押下確認処理を実行する(ステップS20)。すなわち、CPU110が本ステップS20を実行することにより、使用者がどのキーを押下したかを判断できるようにしている。
また、この各キー押下確認処理では、使用者が強アルカリ性水ボタンB4、アルカリ1ボタンB5、アルカリ2ボタンB6、アルカリ3ボタンB7、浄水ボタンB8、酸性水ボタンB9を押下したことを確認すると、CPU110はRAM112に記憶されている捨水完了フラグの値を「0:捨水完了前」に設定すると共に、各ボタンB4〜B9に対応するフラグを立てる。このフラグは、後に説明する処理においてCPU110が参照することにより、使用者が最後に取水した水がどの種類の水であったかを判断するための指標となる。また、例えばアルカリ2ボタンB6が押された場合には表示部Dに「アルカリ2」と表示するなど、表示部Dに選択されたボタンに応じた表示を行う。
次にCPU110は、流量センサCが浄水の流れを検出した際に、周辺機器用インターフェース113によってRAM112の所定アドレスに立てられたフラグを参照する通水確認処理を実行する(ステップS21)。すなわち、CPU110が本ステップS20を実行することにより、流量センサCの設置部位に浄水が流れているか否かの判断を行うことができるようにしている。
次に、CPU110は、RAM112の駆動信号フラグを参照し、ゼロクロス駆動信号の出力又は停止を行うゼロクロス駆動信号出力処理を実行する(ステップS22)。このゼロクロス駆動信号出力処理では、駆動信号フラグの値が「1:駆動信号出力」である場合に、ゼロクロス駆動部121へ向けて駆動信号を出力する。駆動信号フラグの値が「0:駆動信号停止」である場合には、駆動信号を出力しない。
次に、CPU110は、ゼロクロス検出信号出力部120から出力されるゼロクロス信号を検出するゼロクロス信号検出処理(ステップS23)を行う。
次いでCPU110は、電解リレー操作処理を実行する(ステップS24)。この電解リレー操作処理は、電解リレーフラグの値が「1:電解リレー作動」である場合に電極部104への通電を行い、また、ゼロクロス信号を受信している場合には、受信しているゼロクロス信号の信号電圧がHighレベルであり、かつ、電解リレーフラグの値が「1:電解リレー作動」である場合に、に電極部104への通電を行う。
ここで、電解リレー103による電極部104への通電は、選択されているモードに応じて予めROM111内に記憶されている極性及びタイミングで電解リレー103をON動作させることで行う。具体的には、現在のモードが酸性水モードである場合には、アルカリ性水を生成する場合とは逆の極性で電圧を印加したり、アルカリ1〜3水の場合には、パルス幅制御等により強アルカリ性水に比して電極へ電圧を印加する時間を短く制御する。
次に、CPU110は、電磁バルブ操作処理を実行する(ステップS25)。この電磁バルブ操作処理は、受信しているゼロクロス信号の信号電圧がHighレベルであり、電磁バルブ開放フラグの値が「1:バルブ開放」であって、かつ、電磁バルブが閉状態の際に、CPU110は周辺機器用インターフェース113へ電磁バルブ71を開動作するよう命令する。
次に、CPU110は、スリープモード処理を実行する(ステップS26)。このスリープモード処理は、所定時間(例えば1時間)使用者による通水や各キーB1〜B10等の操作がないことを条件に、RAM112上に記憶しているスリープモードフラグの値を「1:スリープモード中」に設定したり、通水や各キーB1〜B10等の操作があった場合にスリープモードフラグの値を「0:スリープモードではない」に設定する処理を行う。このスリープモード処理を終えると分岐前のアドレスに処理を復帰する。
次に、図6にて示したメインフローのステップS13で実行する逆電確認処理について図8を用いながら説明する。
図8に示すように、逆電確認処理においてCPU110は、まずRAM112を参照して、アルカリ1、アルカリ2、アルカリ3、強アルカリ水の各アルカリ性水の生成積算水量の総和が所定水量(例えば、10L)を超えているか否かについて判断を行う(ステップS30)。
ここで、総和が所定水量を超えていないと判断した場合には、CPU110は、処理をステップS31へ移す。
ステップS31においてCPU110は、RAM112に記憶している逆電解待機フラグの値を「0:逆電解未待機」に設定し、処理を分岐前のアドレスに戻す。
一方、総和が所定水量を超えていると判断した場合(ステップS30:Yes)には、処理をステップS32へ移す。
ステップS32においてCPU110は、RAM112に記憶している逆電解待機フラグの値を「1:逆電解待機中」に設定し、次いで、止水から所定時間(例えば30分)経過したか否かについて判断、すなわち、整水器1がしばらく使用されていない状態であるか否かの判断を行う(ステップS33)。
具体的に説明すると、例えば一般家庭などに設置された整水器1では、炊事の時や洗顔の時のように、一日の中で使用時間帯が比較的集中する時間帯と、それ以外の比較的使用されない時間帯とがある場合が多く、最後に使用されてから所定時間(例えば30分間)使用がない場合は、比較的使用されない時間帯であるものと判断して、取水の妨げにならないように後述の逆電解処理を行うようにしている。なお、この所定時間は特に限定されるものではなく、例えば10分間や1時間としたり、また、使用者が適宜設定できるようにしても良い。
このステップS33で所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS33:No)には、CPU110は、処理を分岐前のアドレスに戻す。
一方、ステップS33において、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS33:Yes)には、CPU110は、処理をステップS34へ移す。
ステップS34において、CPU110は、RAM112に記憶している駆動信号フラグの値を「1:駆動信号出力」に設定するとともに、電解リレーフラグの値を「1:電解リレー作動」に設定する。なお、本ステップS34にて駆動信号フラグの値を「1:駆動信号出力」に設定することにより、流量センサCからの検出信号を受信していない間(すなわち、前述のメイン処理のステップS11においてNoの判断)であっても、逆電解処理を実行する場合は、当該逆電解処理の実行に先立ってゼロクロス駆動部121へ駆動信号を出力することとなる。
次いでCPU110は、電解槽の電極に逆方向の通電を行って電極を洗浄する逆電解処理を実行する(ステップS35)。この逆電解処理では、陽極室32、陽極室44に配設された電極に陰電圧を印加する一方、陰極室34、陰極室45に配設された電極に陽電圧を印加して電極に付着したスケールの除去を行う。本実施形態では、この逆電解処理の実行時間(逆電圧の印加時間)は10秒間としているが、これに限定されるものではなく、整水器1の使用環境や水質等に応じて適宜調整するようにしても良い。
この逆電解処理を終えた後、CPU110は、RAM112に記憶している駆動信号フラグの値を「0:駆動信号停止」、逆電解待機フラグの値を「0:逆電解未待機」、電解リレーフラグの値を「0:電解リレー作動停止」に設定し(ステップS36)、処理を分岐前のアドレスに戻す。
次に、図6にて示したメインフローのステップS14で実行する止水時確認処理について図9を用いながら説明する。
図9に示すように、止水時確認処理においてCPU110は、まずRAM112に記憶している電解リレーフラグの値を「0:電解リレー作動停止」に設定する(ステップS40)。
次いでCPU110は、逆電解待機フラグの値が「1:逆電解待機中」であるか否かについて判断を行う(ステップS41)。
ここで逆電解待機フラグの値が「1:逆電解待機中」であると判断した場合(ステップS41:Yes)には、CPU110は、処理をステップS43へ移す。
一方、逆電解待機フラグの値が「1:逆電解待機中」ではない(「0:逆電解未待機」の場合等)と判断した場合(ステップS41:No)には、CPU110は処理をステップS42へ移す。
ステップS42においてCPU110は、最後の取水から所定時間(例えば30秒)経過したか否かについて判断を行う。この所定時間は、電解部3の陽極室32、陽極室44や陰極室34、陰極室45に貯留されている水が、水抜管12a→逆止弁72→電磁バルブ71→排出口51と流れて抜けきるまでの時間であり、逆電解未待機状態の場合には、電解部3に貯留されている水が抜けてから電磁バルブ71を閉動作するようにしている。なお、本実施形態において、このステップS42における所定時間は30秒としたが、陽極室32、陽極室44や陰極室34、陰極室45の容量等に応じて時間を変更しても良い。
このステップS42にて取水後所定時間が経過したと判断した場合(ステップS42:Yes)には、CPU110は処理をステップS43へ移す。
一方、取水後所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS42:No)には、処理を分岐前のアドレスに戻す。
ステップS43においてCPU110は、RAM112に記憶している駆動信号フラグの値を「1:駆動信号出力」に設定し、電磁バルブ開放フラグの値を「0:バルブ閉塞」に設定する。なお、CPU110が、本ステップS43において設定したフラグを参照し、前述のシステムタイマ割込処理により、ステップS22(ゼロクロス駆動信号出力処理)→ステップS23(ゼロクロス信号検出処理)→ステップS25(電磁バルブ操作処理)の順で処理を実行することで、流量センサCからの検出信号を受信していない(すなわち、ステップS11においてNoの判断)場合、電磁バルブ71の駆動タイミングに先立ってゼロクロス駆動部121へ駆動信号を出力することとなる。
次にCPU110は、電磁バルブ71が動作するのに十分な所定時間(例えば1秒)が経過したか否かの判断を行う(ステップS44)。
ここで所定時間が経過していない判断した場合(ステップS44:No)には、処理を分岐前のアドレスに戻す。
一方、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS44:Yes)には、処理をステップS45へ移す。
ステップS45においてCPU110は、RAMに記憶している駆動信号フラグの値を「0:駆動信号停止」に設定し、処理を分岐前のアドレスに戻す。
次に、図6にて示したメインフローのステップS16で実行する浄水生成処理について図10を用いながら説明する。
図10に示すように、浄水生成処理においてCPU110は、まずRAM112を参照して最後に取水した水の種別、最後の取水から経過した時間を確認し、ROM111に記憶している捨水テーブルと照合する(ステップS50)。この際、CPU110は、捨水テーブルから規定捨水量の値を取得する。
次いでCPU110は、捨水が必要か否かの判断を行い(ステップS51)、捨水が必要ではないと判断した場合(ステップS51:No)には、処理を分岐前のアドレスに戻す。一方、捨水が必要と判断した場合(ステップS51:Yes)には、処理をステップS52へ移す。
ステップS52においてCPU110は、捨水終了フラグの値が「0:捨水終了前」であるか否かについて判断を行い、捨水終了フラグの値が「0」ではないと判断した場合(ステップS52:No)には、処理を分岐前のアドレスに戻す。一方、捨水終了フラグの値が「0」であると判断した場合(ステップS52:Yes)には、処理をステップS53へ移す。
ステップS53においてCPU110は、表示部Dに捨水警告表示を行う。なお、CPU110が前述のステップS50を実行し、本ステップS53を実行することにより、制御部7と表示部Dとは、取水停止後、再取水するまでに経過した経過時間と取水する水の種類とに応じて、取水開始に伴い、使用者に所定時間捨水させることを促す表示を行う捨水警報表示手段として機能することとなる。
次にCPU110は、RAM112を参照し、流量センサCを流れる浄水が規定捨水量を超えたか否か、すなわち、取水口19cから規定捨水量分だけ捨水されたか否かの判断を行う(ステップS54)。
ここで、規定捨水量を超過していないと判断した場合(ステップS54:No)には、CPU110は、処理を分岐前のアドレスに戻す。一方、規定捨水量を超過したと判断した場合(ステップS54:Yes)には、CPU110は処理をステップS55へ移す。
ステップS55においてCPU110は、捨水警告表示を終了させるとともに、RAM112に記憶されている捨水終了フラグの値を「1:捨水終了」に設定する。そしてCPU110は、処理を分岐前のアドレスに戻す。
次に、図6にて示したメインフローのステップS18で実行する電解水生成処理について図11を用いながら説明する。
図11に示すように、電解水生成処理においてCPU110は、まずRAM112を参照して、使用者により選択されている水の種別、最後に取水した水の種別、最後の取水から経過した時間を確認し、ROM111に記憶している捨水テーブルと照合する(ステップS60)。この際、CPU110は、捨水テーブルからゼロクロス開始水量の値及び規定捨水量の値を取得する。
次いでCPU110は、捨水が必要か否かの判断を行い(ステップS61)、捨水が必要ではないと判断した場合(ステップS61:No)には、RAM112に記憶している駆動信号フラグの値を「1:駆動信号出力」とすると共に、電解リレーフラグの値を「1:電解リレー作動」に設定し(ステップS62)、処理を分岐前のアドレスに戻す。一方、捨水が必要と判断した場合(ステップS61:Yes)には、処理をステップS63へ移す。
ステップS63においてCPU110は、電解リレーフラグの値を「1:電解リレー作動」に設定する。そしてCPU110は、捨水完了フラグの値が「1:捨水完了」であるか否かの判断を行う(ステップS64)。ここで捨水完了フラグの値が「1」の場合(ステップS64:Yes)には、CPU110は、処理を分岐前のアドレスに戻す。一方、捨水完了フラグの値が「1」ではないと判断した場合(ステップS64:No)には、CPU110は、処理をステップS65へ移す。
ステップS65においてCPU110は、捨水警告表示を行う。なお、CPU110が前述のステップS60を実行し、本ステップS65を実行することにより、制御部7と表示部Dとは、取水停止後、再取水するまでに経過した経過時間と取水する水の種類とに応じて、取水開始に伴い、使用者に所定時間捨水させることを促す表示を行う捨水警報表示手段として機能することとなる。
次に、CPU110は、RAM112を参照し、流量センサCを流れる浄水がゼロクロス開始水量を超えたか否かの判断を行う(ステップS66)。
ここでゼロクロス開始水量を超えていないと判断した場合(ステップS66:No)には、CPU110は、処理をステップS68へ移す。一方、ゼロクロス開始水量を超えたと判断した場合(ステップS66:Yes)には、CPU110は処理をステップS67へ移す。
ステップS67においてCPU110は、RAM112に記憶されている駆動信号フラグの値を「1:駆動信号出力」とし、処理をステップS68に移す。なお、本ステップS67や、前述のステップS62にて駆動信号フラグの値を「1:駆動信号出力」と設定することにより、流量センサCからの検出信号を受信しているときにゼロクロス駆動部121へ駆動信号を出力することとなる。また、CPU110が、前述のステップS65、ステップS66及び本ステップS67を実行することにより、捨水警報表示手段(表示部D)に表示信号を出力した後に、ゼロクロス駆動部121へ駆動信号を出力することとなる。
ステップS68においてCPU110は、RAM112を参照し、流量センサCを流れる浄水が規定捨水量を超えたか否か、すなわち、取水口19cから規定捨水量分だけ捨水されたか否かの判断を行う。
ここで、規定捨水量を超過していないと判断した場合(ステップS68:No)には、CPU110は、処理を分岐前のアドレスに戻す。一方、規定捨水量を超過したと判断した場合(ステップS68:Yes)には、CPU110は処理をステップS69へ移す。
ステップS69においてCPU110は、捨水警告表示を終了させるとともに、RAM112に記憶されている捨水終了フラグの値を「1:捨水終了」に設定する。そしてCPU110は、処理を分岐前のアドレスに戻す。
上述してきたように、本実施形態に係る整水器1ではこのような処理を行うこととなる。
次に、上述の構成を備えた整水器1の実際の動きについて図12を参照しながら説明する。図12は、本実施形態に係る整水器1のスイッチ操作、表示部Dの状態表示、流量センサCにおける浄水の検出、捨水警告表示、電解、ゼロクロス駆動信号の出力、電磁弁動作、取水後における電極部からの排水のタイミングを示した説明図である。また、図12(a)は、逆電解待機中の状態、すなわち、最後の逆電解処理を行ってから強アルカリ性水、アルカリ1水、アルカリ2水、アルカリ3水を生成した総水量が所定水量(例えば、10L)を超え、前述の比較的使用されない時間帯となれば逆電解処理を実行するために待機している状態にある整水器1の動作を示しており、図12(b)は、逆電解未待機の状態、すなわち、前述の各アルカリ性水を生成した総水量が所定水量未満である状態の整水器1の動作を示している。
この図12に基づき時系列順に説明すると、まず、使用者により例えばアルカリ3ボタンB7が押下されると、表示部Dにアルカリ3水が選択された旨が表示される。
次いで、使用者が水道蛇口11a(図1参照)を開動作させて整水器1に原水を供給すると、流量センサCが浄水の流れを検知すると共に、表示部Dに捨水警告が表示され、電解が開始される。
また、ほぼ同時にゼロクロス駆動信号の出力が行われ、ゼロクロスのタイミングで電磁弁の開動作する。そして、まもなくゼロクロス駆動信号の出力は停止され、ゼロクロス検出部102にて消費される電力が抑制される。
次に、制御部7が流量センサCを流れる浄水の量がゼロクロス開始水量を超過したと判断すると、ゼロクロス駆動信号が再び出力され、その後規定捨水量を超過したと判断すると、捨水警告表示が消える。
これにより、使用者は、電解水(ここではアルカリ3水)を取水するにあたり、パルス幅制御等によりゼロクロスのタイミングで電解された電解水を得ることができる。
その後、使用者による取水が終了し、水道蛇口11aが閉動作されると、流量センサCは止水を検知し、電解が停止されるとともに、ゼロクロスのタイミングで電磁弁が閉動作される。併せて、僅かに遅れてゼロクロス駆動信号の出力が停止し、ゼロクロス検出部102にて消費される電力が抑制される。
その後、使用者による取水が行われず、一定時間(例えば30分)経過すると、制御部7は、ゼロクロス駆動信号を出力し、ゼロクロスのタイミングで逆電解を所定時間(例えば10秒間)実行する。
逆電解が終了すると、ゼロクロスのタイミングで電磁バルブ71を開放し、ゼロクロス駆動信号の出力が停止される。これにより、電解部3に貯留されている水の排水が行われるのであるが、ここでも、ゼロクロス検出部102にて消費される電力を抑制すべく、ゼロクロス駆動信号の出力を停止することとしている。
そして、排水が十分に行われる時間が経過した後、再びゼロクロス駆動信号を出力し、電磁バルブ71を閉動作させ、その後ゼロクロス駆動信号の出力を停止すると共に、スリープモードに移行して表示部Dの表示を消灯する。
同様に、再度使用者がアルカリ3水→酸性水→アルカリ3水→アルカリ3水の順で断続的に取水した場合には、図12(a)の後段に示すように動作することとなる。
ここで着目すべき点は、アルカリ3水の取水後、まもなく(例えば30秒以上30分未満)酸性水を取水する場合には、捨水警告表示が行われない。これにより、極力捨水の量を減らすことができる。
その後、酸性水の取水を終え、まもなくアルカリ3ボタンB7を押下して整水器1に通水すると、捨水警告表示が行われると共に、制御部7が流量センサCを流れる浄水の量がゼロクロス開始水量を超過したと判断するまではゼロクロス駆動信号の出力を停止して、ゼロクロス検出部102にて消費される電力を抑制している。
また、このアルカリ3水の取水後、まもなく、同じアルカリ3水を取水した場合には、捨水警告表示は行われず、極力捨水の量を減らすようにしている。
上述のように、整水器1が逆転待機中の場合には、このように動作することとなる。
一方、逆電解未待機の状態にある整水器1の場合にも、使用者がアルカリ3ボタンB7を押下すると、前述の逆電解待機中の時と同様に動作するが、取水が終了すると、直ちにゼロクロス駆動信号を停止すると共に、電磁バルブ71は一定時間(例えば5分)開放状態を保つようにしている。
そして、上記一定時間が経過すると、制御部7は再びゼロクロス駆動信号を出力し、ゼロクロスのタイミングで電磁バルブ71を閉動作させ、ゼロクロス駆動信号の出力を停止する。
このように動作させることにより、電解部3内の貯留水を確実に排水させることができると共に、その後電磁バルブを閉動作することで、電解部3と外界とを遮断して電解部3を清潔に保つことができ、しかも、この閉動作はゼロクロスのタイミングで行うことができる。
同様に、再度使用者がアルカリ3水→酸性水→アルカリ3水→酸性水→アルカリ3水の順で断続的に取水した場合には、図12(b)の後段に示すように動作することとなる。
ここで着目すべき点は、逆電解待機中の状態と異なり、アルカリ3水の取水後、まもなく(例えば30秒以上30分未満)酸性水を取水する場合や、酸性水の取水後、まもなくアルカリ3水を取水する場合のように断続的に取水する際には、電磁バルブ71が開放状態を保つこととなり、その都度電解部3に貯留されている水の排水が行われるため、捨水警告表示が行われない。これにより、極力捨水の量を減らすことができる。
また、その後のアルカリ3水→酸性水を連続的に取水する場合、すなわち、飲用に適した水を取水し、通水状態を維持したままで飲用に適さない水を生成するモードに切り替えた場合には、捨水表示を行わないこととしており、これによっても、捨水の量を極力減らすことができる。
また、その後の酸性水→アルカリ3水を連続的に取水する場合、すなわち、飲用に適さない水を取水し、通水状態を維持したままで飲用に適した水を生成するモードに切り替えた場合には、捨水警告表示を行うと共に、ゼロクロス駆動信号の出力は停止され、ゼロクロス検出部102にて消費される電力が抑制され、制御部7が流量センサCを流れる浄水の量がゼロクロス開始水量を超過したと判断すると、ゼロクロス駆動信号が再び出力され、その後規定捨水量を超過したと判断すると、捨水警告表示が消える。
従って、これによっても、捨水の量及びゼロクロス検出部102にて消費される電力を極力抑制することができる。
上述してきたように、本実施形態に係る整水器1では、極性の異なる一対の電極が対向配置され、水を電気分解してアルカリ性水及び酸性水を生成する電解槽(例えば、主電解槽30、副電解槽40)と、この電解槽への水の流入を検出する流入水検出手段(例えば、流量センサC)と、ゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段(例えば、ゼロクロス検出部102)と、前記流入水検出手段による検出信号と前記ゼロクロス検出手段によるゼロクロス検出信号とに基づいて前記電解槽への通電を制御する制御手段(例えば、制御部7)と、を備え、前記ゼロクロス検出手段は、前記ゼロクロス検出信号を前記制御手段に出力するゼロクロス検出信号出力部(例えば、ゼロクロス検出信号出力部120)と、このゼロクロス検出信号出力部を、前記制御手段からの駆動信号に基づいて駆動させるゼロクロス駆動部(例えば、ゼロクロス駆動部121)と、を備えることとしたため、ゼロクロス検出手段の待機時における消費電力を可及的低減させることのできる整水器を提供することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本実施形態に係る整水器1では、図12に示すように、流量センサCが浄水の流れを検出した場合や、電磁バルブ71を動作させる際、逆電を行う際にゼロクロス駆動信号を出力するとともに、捨水を開始しゼロクロス開始水量に達するまではゼロクロス駆動信号を出力しないこととしたが、これに限定されるものではない。
例えば、図13(a)及び(b)に示すように、逆電解待機中や逆電解未待機の状態であっても、状態表示が維持されている間、すなわち、スリープモードに入る直前までは常にゼロクロス駆動信号を出力し、スリープモード中はゼロクロス駆動信号の出力を停止するようにしても良い。
このようなタイミングでゼロクロス駆動信号を出力することとしても、スリープモードの間は、ゼロクロス検出部102にて消費される電力を可及的低減することができる。