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JP5276458B2 - 赤外線センサ - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線センサに関するものである。
従来から、赤外線センサとして、凹部が形成されたセラミックパッケージと、該セラミックパッケージの前記凹部の内底面側に実装された赤外線センサ素子と、該赤外線センサ素子に赤外線を入射させるための開口部が設けられ前記セラミックパッケージの前記凹部を覆うように接合されたリッドと、該リッドの前記開口部を覆うように接合された赤外線透過キャップと、を有する赤外線センサが知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
このような赤外線センサは、パッケージに用いられるセラミック材料の熱伝導率が金属材料の熱伝導率と比較して小さいため、金属材料を用いたいわゆるキャンパッケージを利用した赤外線センサよりも、外部の使用雰囲気からの熱の影響を受けにくい。そのため、外部雰囲気からの熱が、赤外線センサ素子のノイズとなることを抑制し、赤外線センサの感度を向上することができる。
また、赤外線センサ素子の感度をさらに向上させるため、赤外線センサの内部空間を断熱構造となる真空状態に保持することが行われている。
ところで、図7に示すように上記赤外線センサ20’は、赤外線センサ素子2が凹部の内底面に実装されたセラミックパッケージ1’を真空状態にして気密封止してあるが、通常、セラミックパッケージ1’の材料と赤外線透過キャップ4の材料との線膨張係数の差が大きいため、赤外線透過キャップ4をセラミックパッケージ1’と直接気密封止することができない。そのため、セラミックパッケージ1’の材料と赤外線透過キャップ4の材料との線膨張率が近い材料でリッド3を構成し、リッド3の開口部3aを覆うように赤外線透過キャップ4を接合してある。赤外線透過キャップ4が接合されたリッド3は、セラミックパッケージ1’と、赤外線センサ20’の内部空間が真空になるように気密接合し、不要な残留ガスを赤外線センサ20’に内蔵させたゲッタ13で吸着することが行われている。また、赤外線センサ素子2は、駆動時に赤外線センサ素子2の温度を所定の温度に安定化させるペルチェ効果を利用した電子冷却素子14上に搭載されており、赤外線センサ素子2は金属ワイヤ7を介してセラミックパッケージ1’の外部電極10’と電気的に接続されている。
特開2004−301699号公報
しかしながら、赤外線センサ20’の製造時において、リッド3とセラミックパッケージ1’を加熱して気密接合する際の熱が、赤外線センサ素子2に悪影響を生じるおそれがあるという問題がある。
なお、ペルチェ効果を利用した電子冷却素子14は、通常は金属や半導体で構成されることから、赤外線センサ20’の製造時において、リッド3とセラミックパッケージ1’を加熱して気密接合する際の熱が、赤外線センサ素子2に悪影響を生じることを排除できない。また、上記赤外線センサ20’の駆動時においても、ペルチェ効果を利用した電子冷却素子14から放出された熱自体が赤外線センサ素子2のノイズとなる場合があるという問題がある。
したがって、より簡便な構成で高感度の赤外線センサが求められる現在においては、上記赤外線センサ20’の構造では十分ではない。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、赤外線センサの製造時において、リッドとセラミックパッケージを加熱して気密接合する際の熱が、赤外線センサ素子に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、より簡便な構成で外部雰囲気からの熱によるノイズを低減可能な赤外線センサを提供することにある。
請求項1の発明は、凹部が形成されたセラミックパッケージと、該セラミックパッケージの前記凹部の内底面側に実装された赤外線センサ素子と、該赤外線センサ素子に赤外線を入射させるための開口部が設けられ前記セラミックパッケージの前記凹部を覆うように接合されたリッドと、該リッドの前記開口部を覆うように接合された赤外線透過キャップと、を有する赤外線センサであって、前記赤外線透過キャップは、非球面レンズであり、前記セラミックパッケージは、前記セラミックパッケージの熱が該セラミックパッケージの内底面側から前記赤外線センサ素子へ伝導するのを阻止する断熱部が形成されてなり、該断熱部は、前記赤外線センサ素子が実装される前記セラミックパッケージの前記凹部の内底面に設けられ前記赤外線センサ素子と前記セラミックパッケージとの接触面積を低減する突起であり、該突起が前記セラミックパッケージの焼成時と同時に形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、赤外線センサの製造時において、リッドとセラミックパッケージを加熱して気密接合する際の熱が、赤外線センサ素子に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、より簡便な構成で外部雰囲気からの熱によるノイズを低減可能な赤外線センサとすることができる。
また、この発明によれば、前記セラミックパッケージと前記赤外線センサ素子との接触面積を低減させることにより、前記セラミックパッケージから前記赤外線センサ素子へ伝導する熱を抑制することができる。そのため、比較的簡便な構成で、前記赤外線センサの製造時において、前記リッドと前記セラミックパッケージを加熱して気密接合する際の熱が、前記赤外線センサ素子に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、外部雰囲気からの熱によるノイズを低減可能な前記赤外線センサとすることができる。さらに、この発明によれば、前記赤外線透過キャップにレンズ効果を持たせつつ、凸レンズ状と比較して厚みを薄くすることが可能である。また、前記赤外線センサ素子に対する焦点距離を短くすることも容易なため、前記赤外線センサ全体を薄型化することもできる。このように前記赤外線センサ全体が薄型化した場合は、前記赤外線センサの製造時に生ずる熱が、前記セラミックパッケージの前記内底面側から前記赤外線センサ素子に伝導しやすいため、前記赤外線センサ素子に悪影響を及ぼす熱が伝導するのを阻止させる断熱部の効果がより大きく寄与する。
本願と別の参考例1の発明は、凹部が形成されたセラミックパッケージと、該セラミックパッケージの前記凹部の内底面側に実装された赤外線センサ素子と、該赤外線センサ素子に赤外線を入射させるための開口部が設けられ前記セラミックパッケージの前記凹部を覆うように接合されたリッドと、該リッドの前記開口部を覆うように接合された赤外線透過キャップと、を有する赤外線センサであって、前記セラミックパッケージの熱が該セラミックパッケージの内底面側から前記赤外線センサ素子へ伝導するのを阻止する断熱部が形成されてなり、該断熱部は、前記セラミックパッケージの前記凹部の前記内底面に平面視形状において前記赤外線センサ素子が実装される前記セラミックパッケージの実装部位と、前記赤外線センサ素子が実装されていない前記セラミックパッケージの非実装部位との間であって、前記セラミックパッケージの厚み方向に設けられた窪みにより形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、赤外線センサの製造時において、リッドとセラミックパッケージを加熱して気密接合する際の熱が、赤外線センサ素子に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、より簡便な構成で外部雰囲気からの熱によるノイズを低減可能な赤外線センサとすることができる。また、この発明によれば、前記セラミックパッケージから前記赤外線センサ素子へ伝導する熱の伝導経路を延長する或いは部分的に狭くすることにより、前記セラミックパッケージ全体から前記赤外線センサ素子へ伝導する熱を抑制することができる。そのため、比較的簡便な構成で、前記赤外線センサの製造時において、前記リッドと前記セラミックパッケージを加熱して気密接合する際の熱が、前記赤外線センサ素子に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、外部雰囲気からの熱によるノイズを低減可能な前記赤外線センサとすることができる。
本願と別の参考例2の発明は、凹部が形成されたセラミックパッケージと、該セラミックパッケージの前記凹部の内底面側に実装された赤外線センサ素子と、該赤外線センサ素子に赤外線を入射させるための開口部が設けられ前記セラミックパッケージの前記凹部を覆うように接合されたリッドと、該リッドの前記開口部を覆うように接合された赤外線透過キャップと、を有する赤外線センサであって、前記セラミックパッケージの熱が該セラミックパッケージの内底面側から前記赤外線センサ素子へ伝導するのを阻止する断熱部が形成されてなり、該断熱部は、前記赤外線センサ素子が実装される前記セラミックパッケージの前記凹部の前記内底面上に設けられた断熱部材であることを特徴とする。
この発明によれば、赤外線センサの製造時において、リッドとセラミックパッケージを加熱して気密接合する際の熱が、赤外線センサ素子に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、より簡便な構成で外部雰囲気からの熱によるノイズを低減可能な赤外線センサとすることができる。この発明によれば、前記赤外線センサ素子と前記セラミックパッケージとの間に断熱部材を設けるという簡便な構成により、前記赤外線センサの製造時において、前記リッドと前記セラミックパッケージを加熱して気密接合する際の熱が、前記赤外線センサ素子に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、外部雰囲気からの熱によるノイズを低減可能な前記赤外線センサとすることができる。
また、前記赤外線センサ素子全体が断熱部材を介して前記セラミックパッケージの前記凹部の前記内底面に保持することができるため、前記セラミックパッケージの前記凹部の前記内底面に突起若しくは窪みの少なくとも一方を設けたものと比較して、前記赤外線センサ素子に突起などを介して部分的に熱が伝導することも阻止することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記リッドは、前記セラミックパッケージの線膨張係数と前記赤外線透過キャップの線膨張係数との間の線膨張係数を有することを特徴とする。
この発明によれば、前記リッドによって前記セラミックパッケージと前記赤外線透過キャップとの線膨張係数の違いに伴う前記セラミックパッケージと前記赤外線透過キャップ間の応力を緩和することができる。特に、前記赤外線透過キャップの材料として、セラミックと比べて強度が弱く、線膨張係数が小さい半導体材料を用いた場合においては、熱応力により前記赤外線透過キャップが割れることを防止することが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1または請項2の発明において、前記赤外線透過キャップは、接合材を介して前記リッドに接合されており、前記接合材は、低融点ガラスからなることを特徴とする。
この発明によれば、前記赤外線透過キャップと前記リッドとを接合させる接合材の材料として低融点ガラスを用いることにより、より気密性が高い接合が可能となる。
また、接合材の材料に低融点ガラスを用いることで、前記赤外線透過キャップと前記リッドとの接合をリフロー方式により形成可能な耐熱性を持たせることができ、リフロー方式を用いて前記赤外線センサを形成することができる。さらに、低融点ガラスは、高温半田や有機材料からなる接着剤と比較して、前記赤外線透過キャップと前記リッドとの接合形成時に不要なガスの発生が少なく、真空封止に適した前記赤外線センサとすることができる。さらに、前記リッドと前記赤外線透過キャップとの中間的な線膨張係数を持つ材料を選択することができ、前記赤外線透過キャップの破損を抑制することもできる。
請求項1の発明では、セラミックパッケージの熱が該セラミックパッケージの内底面側から赤外線センサ素子へ伝導するのを阻止する断熱部が形成されてなることにより、赤外線センサの製造時において、リッドと前記セラミックパッケージを加熱して気密接合する際の熱が、前記赤外線センサ素子に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、より簡便な構成で外部雰囲気からの熱によるノイズを低減することもできるという効果がある。
実施形態1の赤外線センサを示す概略断面図である。 同上の赤外線センサ素子を示し、(a)は概略断面図、(b)は概略斜視図である。 同上の他の構成例を示し、(a)は赤外線透過キャップが凸レンズの場合の概略断面図であり、(b)は赤外線透過キャップが非球面レンズの場合の概略断面図である。 同上の異なる形状の要部概略断面図である。 実施形態2の赤外線センサの要部概略断面図である。 実施形態3の赤外線センサの要部概略断面図である。 従来の赤外線センサを示す概略断面図である。
(実施形態1)
以下、本実施形態の赤外線センサについて図1および図2を参照して説明する。
本実施形態の赤外線センサ20は、図1の断面図で示すように、凹部が形成されたセラミックパッケージ1と、該セラミックパッケージ1の前記凹部の内底面側に実装された赤外線センサ素子2と、該赤外線センサ素子2に赤外線を入射させるための開口部3aが設けられセラミックパッケージ1の前記凹部を覆うように接合されたリッド3と、該リッド3の開口部3aを覆うように接合された赤外線透過キャップ4と、を有し、セラミックパッケージ1の熱が該セラミックパッケージ1の内底面側から赤外線センサ素子2へ伝導するのを阻止する断熱部5が形成されている。
以下、本実施形態に用いられる各構成について、詳述する。
セラミックパッケージ1は、赤外線センサ素子2を収納するための前記凹部が形成されており、前記凹部の内底面側に赤外線センサ素子2が実装されている。赤外線センサ素子2の電極となる導体パターン29,29(図2を参照)は、例えば、金線などの金属ワイヤ7,7を介してセラミックパッケージ1の前記凹部の前記内底面に設けられた配線電極8,8と電気的に接続されている。配線電極8,8は、セラミックパッケージ1の厚み方向に設けられた配線9,9を介してセラミックパッケージ1の裏面と側面とに跨って設けられた外部電極10,10と電気的に接続させてある。なお、本実施形態の断熱部5についての詳細な説明は後述する。
セラミックパッケージ1は、赤外線センサ素子2に外部からの赤外線を入射させるための赤外線透過キャップ4が設けられたリッド3を蓋としてセラミックパッケージ1の前記凹部の内部を気密封止する。リッド3とセラミックパッケージ1とを気密性よく強固に接合するためには、抵抗シーム溶接で行うことができる。そのため、セラミックパッケージ1上には、リッド3と抵抗シーム溶接が可能なようにシームリング(例えば、コバールからなるリングなど)12が設けられている。なお、抵抗シーム溶接する場合には、シームリング12と当接するセラミックパッケージ1上に、シーム溶接用の金属(例えば、W膜、NiメッキおよびAuメッキなど)を形成することが好ましい。
また、セラミックパッケージ1の前記凹部の形状、セラミックパッケージ1に設けられた配線電極8,8、配線9,9、外部電極10,10やシーム溶接用の金属の一部は、セラミックパッケージ1の焼成と同時に形成させることができる。
このようなセラミックパッケージ1は、その形成時に配線電極8,8、配線9,9、外部電極10,10等を所望の形状に形成することが容易で、キャンパッケージと比較して複雑な配線を行うことが可能になる。そのため、赤外線センサ20をプリント配線板などの配線基板(図示しない)に実装するときに実装配置の自由度が向上する。また、セラミックパッケージ1は、赤外線センサ20を前記配線基板へ実装させる際に、セラミックパッケージ1の前記裏面と前記側面に設けられた外部電極10,10で表面実装することもできるし、上記外部電極10,10の代わりにリード端子を用いて挿入実装するなど所望に応じて実装方法の選択の幅を広くすることができる。
このような、セラミックパッケージ1の材料としては、内部に実装させる赤外線センサ素子2にノイズが生じないように赤外線の透過率が低く、不活性ガスを封入したり真空排気させるなど気密封止させる場合には、ガスバリア性が高いことが要求される。そのため、特に、外部雰囲気からの熱の影響を極力低減させ、赤外線センサ素子2の感度をより向上させるためには、窒化アルミニウムや炭化珪素と比較して熱伝導率の低いアルミナやシリカ系セラミックを材料として用いることがより好ましい。なお、セラミックパッケージ1をアルミナで形成させた場合は、線膨張係数がおよそ7.1ppm/Kとなる。
本実施形態では、例えば、外形寸法が縦20mm×横20mm×厚み1mmであり、内部に凹部を有する主としてアルミナから構成されたセラミックパッケージ1を用いることができる。
次に、赤外線センサ素子2について図2を用いて説明する。
赤外線センサ素子2は、平面視形状が矩形板状となるベース基板21、ベース基板21の一表面側に配置され赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する温度検知部23、および温度検知部23がベース基板21から離間して配置されるように温度検知部23を支持する支持部41から構成されている。また、温度検知部23がベース基板21の一表面から離間して配置されており、ベース基板21の前記一表面上に、温度検知部23を透過した赤外線を温度検知部23側へ反射する赤外線反射部26が形成されている。
ベース基板21は、シリコン基板21aと、当該シリコン基板21aの前記一表面側に形成されたシリコン酸化膜からなる絶縁膜21bと、当該シリコン基板21aの他表面側に形成されたシリコン酸化膜からなる絶縁膜21cとで構成してある。なお、図2(a)における赤外線センサ素子2は、同図(b)における赤外線センサ素子2のD−D’断面に相当する断面を示してある。
ベース基板21には、2つの支持ポスト部42a,42aが立設され、ベース基板21側とは反対側に温度検知部23が形成される支持部41が梁部42b,42bを介して支持ポスト42a,42aと連結保持されている。
温度検知部23は、温度に応じて電気的抵抗値が変化する抵抗ボロメータ形のセンシングエレメントを用いており、支持部41側のTi膜と当該Ti膜上のTiO膜との積層膜を例えば、スパッタ法、蒸着法、CVD法などの薄膜形成方法により形成してある。なお、温度検知部23は、Ti膜とTiO膜との積層膜、Ti膜とTiN膜との積層膜、Ti膜とTiON膜との積層膜で形成してもよいし、抵抗ボロメータ形のセンシングエレメントの材料としては、Tiに限られず、例えば、アモルファスSi、VOxなどを採用してもよい。
また、温度検知部23は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメントに限られず、温度に応じて誘電率が変化するセンシングエレメントなどを採用してもよく、いずれのセンシングエレメントを採用した場合でも、材料を適宜選択することで一般的な薄膜形成技術を利用して形成することができる。ここにおいて、温度に応じて誘電率の変化するセンシングエレメントの材料としては、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、BST(チタン酸バリウムストロンチウム)などを採用することができる。
温度検知部23は、平面視形状において、蛇行した形状(ここでは、つづら折れ状の形状)に形成されており、両端部が脚部42,42に沿って延長された配線層28,28を介してベース基板21の上記一表面上の金属膜(例えば、Au膜、Al−Si膜など)からなる上記導体パターン29,29と電気的に接続されている(図2(b)を参照)。なお、配線層28,28を温度検知部23と同じ積層膜で構成し、配線層28,28と温度検知部23とを同時に形成することができるが、配線層28,28の材料は、特に限定するものではなく、Al、W、WN、WSi、Ta、TaN、Mo、Ti、TiN、TiSiの群から選択される1種類でもよい。配線層28,28を複数層により形成する場合には、これらの群から選択される複数種類の材料を適宜採用すればよい。
温度検知部23は、支持部41に保持され、支持部41は、ベース基板21側の表面に形成され多孔質シリカ膜41aが水分を吸着するのを防止するシリコン酸化膜からなる第1のバリア膜41bと、支持部41のベース基板21側とは反対側の表面に形成されたシリコン酸化膜からなる第2のバリア膜41cとから構成されている。すなわち、多孔質シリカ膜41aがシリコン酸化膜からなる第1および第2のバリア膜41b,41cで挟まれた板状に構成され、この板状の第2のバリア膜41c上に温度検知部23を設けている。
支持部41を構成する多孔質シリカの材料としては、多孔質の酸化シリコンの一種である多孔質シリカを採用することができ、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマーの一種であるメチル含有ポリシリキサン、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの一種であるSi−H含有ポリシロキサン、シリカエアロゲルなどを採用してもよい。ここで、支持部41として、多孔質シリカを用いているため、シリコンと比較して熱伝導率を低くし、赤外線センサ素子2の感度を向上することができる。多孔質シリカの多孔度は、小さすぎると断熱し難くなり、多孔度を大きくし過ぎると機械的強度が低くなる傾向にある。そのため、支持部41に用いられる多孔質シリカの多孔度は、所望の特性によって適宜設定することができるが、10%から90%が好ましい。
赤外線反射部26は、赤外線を反射し温度検知部23で効率よく吸収できるようにベース基板21上に好適に設けられる。赤外線反射部26の材料としては、例えば、人体から放射される8μmから13μmの波長帯の赤外線を検出対象とする場合、導体パターン29,29の材料と同じAuを採用することができる。なお、製造プロセスの簡略化のため、導体パターン29,29の材料としてAu−Siを用いた場合は、赤外線反射部26の材料としてAu−Siを用いることもできる。
脚部42,42は、ベース基板21の上記一表面側において導体パターン29,29に立設された2つの円筒状の支持ポスト部42a,42aと、各支持ポスト部42a,42aそれぞれの上端部と支持部41とを連結した梁部42b,42bとで構成されており、支持部41とベース基板21との間に間隙27が形成されている。ここで、支持部41の外周形状が矩形状であって、各梁部42b,42bは、支持部41の一側縁の長手方向の一端部から当該一側縁に直交する方向に延長され更に当該一側縁の上記一端部から他端部に向う方向に沿って延長された平面形状に形成されており、支持部41の厚み方向に沿った中心軸に対して回転対称性を有するように配置されている。
また、配線層28,28のうち脚部42,42の梁部42b,42b上に形成された部位の幅は、当該配線層28,28を通した熱伝導を抑制するために梁部42b,42bの幅寸法よりも小さく設定してある。また、配線層28,28のうち支持ポスト部42a,42aに形成されている部位は、支持ポスト部42a,42aの内周面の全体と導体パターン29,29の表面とに跨って形成されており、支持ポスト部42a,42aが配線層28,28により補強されている。なお、支持ポスト部42a,42aは、例えば、Ti膜からなる金属で構成させるよりも、Ti膜とAu膜などとの積層膜により構成し、当該積層膜の膜厚を適宜設定することで支持ポスト部42a,42aの機械的強度を高めることもできる。
このような赤外線センサ素子2を形成するためには、例えば、ベース基板21の基礎となる単結晶のシリコン基板21aの前記一表面側および前記他表面側それぞれにシリコン酸化膜からなる絶縁膜21b,21cを熱酸化法により形成した後、ベース基板21の一表面側に金属膜をCVD法や蒸着など各種成膜方法で成膜し、所望の形状にエッチングすることで導体パターン29,29や赤外線反射部26を形成する。
次に、ベース基板21の前記一表面の全面に、後にアッシング除去され間隙27を構成する樹脂層(例えば、ポリイミドなど)を回転塗布により形成する。この樹脂層を支持部41を形成するために利用する。すなわち、前記樹脂層上に、スパッタ法などによりシリコン酸化膜からなる第1のバリア層41b、ゾルゲル法などにより多孔質シリカ膜41a、スパッタ法などによりシリコン酸化膜からなる第2のバリア層41cをそれぞれ成膜し、所望の形状にフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることで、支持部41を形成する。
こうして形成された支持部41上に温度検知部23を所望の形状に形成した後、NHガス、Hガス、HガスとHeガスとの混合ガスやNガスとHeガスとの混合ガスの群から選択される1種のガスのプラズマを利用してアッシング処理することで、前記樹脂層を除去して図2のごとき間隙27を有する赤外線センサ素子2を形成することができる。
こうして形成された赤外線センサ素子2は、例えば、平面視形状が3mm角程度で形成することができ、セラミックパッケージ1の前記凹部の前記内底面側の所定位置に有機材料からなる接着剤(例えば、高真空対応のエポキシ系樹脂)である接着層11を介して実装することができる。なお、赤外線センサ素子2とセラミックパッケージ1との接合方法は、有機材料からなる接着剤だけに限らず、例えば、接着層11の材料としてAu-Sn共晶、Au−Si共晶や半田を採用してもよいが、製造工程において赤外線センサ20の内部に不要なガスが残留ガスとして残らない材料を用いることが好ましい。
また、図1で示した赤外線センサ20においては、赤外線センサ素子2の導体パターン29,29と、セラミックパッケージ1の配線電極8,8とを金属ワイヤ7,7により電気的に接続させてあるが、赤外線センサ素子2のベース基板21に予め貫通孔配線を貫設すると共にベース基板21の前記他表面側に前記貫通孔配線に電気的に接続させた外部接続用電極を形成しておき、半田などを介してセラミックパッケージ1の配線電極8,8と電気的に接続(図示しない)することにより、温度検知部23の出力をセラミックパッケージ1の外部へ取り出すこともできる。
次に、赤外線センサ20に用いられるリッド3は、セラミックパッケージ1を気密封止が可能な蓋として用いられる。リッド3には、セラミックパッケージ1の内底面側に実装させた赤外線センサ素子2に外部から赤外線を入射させるための開口部3aを有し、開口部3aを覆うように赤外線透過キャップ4が接合される。したがって、リッド3は不要な電磁波を遮蔽して、赤外線センサ素子2へのノイズを除去すると共に気密封止を両立できるものが好ましい。リッド3とセラミックパッケージ1とをシーム溶接する場合は、リッド3が導電性を有することが好ましく、リッド3と赤外線透過キャップ4とを低融点ガラスにより接合する場合は、リッド3の表面に酸化膜を有することが好ましい。
また、リッド3は、セラミックパッケージ1の材料および赤外線透過キャップ4の材料それぞれの線膨張係数を考慮して、線膨張係数が4〜6ppm/K程度の材料を用いることが好ましい。このようなリッド3の材料として、コバール、ステンレスや鉄などを用いることができる。なお、リッド3に設けられる開口部3aの形状は、円形、楕円形、正方形や長方形など所望に応じて種々形成することができる。
本実施形態のリッド3として、例えば、予め平面視形状が矩形の5m角程度の開口部3aを形成した縦20mm×横20mm×厚み0.2mm程度のコバールからなる板体を用いることができる。リッド3と赤外線透過キャップ4とを接合材6として低融点ガラスにより接合する場合は、コバールからなる前記板体の表面に金属メッキ層(例えば、NiPメッキなど)を施すことが好ましい。
赤外線透過キャップ4は、リッド3の開口部3aを覆うように接合され赤外線センサ素子2に赤外線を入射させるためのものであり、平板の板状に形成することもできるが、視野角を広げるため外部からの赤外線を集光可能なレンズ形状とすることもできる。このような赤外線透過キャップ4のレンズ形状としては、例えば、図1に示したように凸レンズとすることもできるが、これに限られず、凹レンズ、シリンドリカルレンズ、楕円球面レンズ、フレネルレンズや回折レンズなどとすることもできる。
また、赤外線透過キャップ4の材料としては、例えば、Si、Ge、ZnS、ZnSeなどの半導体材料が好適に挙げられる。赤外線透過キャップ4の材料の線膨張係数としては、2.7〜3ppm/Kのものを好適に用いることができる。なお、赤外線透過キャップ4をレンズ形状とするには、例えば、陽極酸化技術を応用した半導体レンズの形成方法により形成することができる。
より具体的には、陽極酸化技術を応用して赤外線透過キャップ4となる半導体レンズを形成する(特許第3897056号公報参照)ために、所望のレンズ形状に応じてパターン設計した陽極を半導体基板(例えば、シリコン基板)の一表面側に半導体基板とオーミック接触をなすように形成する。例えば、図1に示したように凸レンズ形状の赤外線透過キャップ4を形成するために、前記半導体基板の前記一表面上に陽極の基礎となる導電性層を形成した後、該導電性層に円形状に開口した部位を設け前記半導体基板の前記一表面の一部が円形状に露出するようにパターニングを行う。
次に、前記半導体基板の構成元素の酸化物をエッチング除去可能な電解液中に、前記半導体基板の他表面における多孔質部の形成予定領域全域を浸す。
その後、前記半導体基板の前記他表面側に対向配置される陰極と陽極との間に通電させ、前記半導体基板の前記他表面側に所望形状の多孔質部を酸化により形成する。続いて、前記半導体基板に形成された前記多孔質部をエッチングなどにより除去することで、凸レンズ形状の赤外線透過キャップ4を形成することができる。
なお、所望のレンズ形状に応じてパターン設計した陽極の代わりに、所望のレンズ形状に応じてパターン設計した絶縁層を半導体基板の一表面側に形成し、前記絶縁層を有する前記半導体基板の前記一表面側に導電層を形成する、或いは前記絶縁層を有する前記半導体基板の一表面側と電解液を介して通電用電極を対向配置することで、前記半導体基板の前記他表面側に、後に除去される多孔質部を形成することもできる。また、前記導電性層に円形状に開口した部位を設ける代わりに、平面形状が長方形状の陽極を形成すれば、赤外線透過キャップ4として平凹型のシリンドリカルレンズを形成することもできる。
また、赤外線透過キャップ4の形状を非球面レンズとすることで、凸レンズと比較してレンズ効果を持たせつつ、赤外線センサ素子2に対する焦点距離を短くすることができる。そのため、図3に示すように、赤外線透過キャップ4を非球面レンズ4bとした赤外線センサ20(図3(b))の厚みh2は、赤外線透過キャップ4が凸レンズ形状4aとした赤外線センサ20(図3(a))の厚みh1と比較して全体の厚みを薄型化することもできる。
このように赤外線センサ20全体が薄型化した場合は、赤外線センサ20の製造時に生ずる熱が、セラミックパッケージ1の内底面側から赤外線センサ素子2に伝導しやすいため、赤外線センサ素子2に悪影響を及ぼす熱が伝導するのを阻止させる断熱部5の効果がより大きくなる。なお、非球面レンズ4bの形状としては、フレネルレンズや回折レンズなどが挙げられる。
接合材6は、リッド3の開口部3aを塞ぐようにリッド3と赤外線透過キャップ4とを気密接合が可能なものであり、このような接合材6の材料としては、低融点ガラス、有機材料からなる接着剤や半田などが挙げられる。接合材6は、リッド3と赤外線透過キャップ4との中間的な線膨張係数とすることができるものが好ましく、これによりリッド3と赤外線透過キャップ4とをリフロー方式で接合させる場合、リッド3と赤外線透過キャップ4間に生ずる熱応力により赤外線透過キャップ4などが破損することを抑制することができる。接合材6として低融点ガラスを用いた場合は、リッド3と赤外線透過キャップ4との気密接合時に、有機材料からなる接着剤や半田と比較して不要なガスの発生が少なくより好ましい。
例えば、赤外線透過キャップ4としてSiを用いた凸レンズ形状の半導体レンズをリッド3の開口部3aの周縁に合わせて接合する場合、接合材6として鉛フリーのビスマス系低融点ガラスのフリットをリング状にプリフォームした成形品を好適に用いることができる。
リッド3と赤外線透過キャップ4とを接合材6により接合するためには、具体的には、リッド3の開口部3aの端面上に接合材6となる低融点ガラスのプリフォーム成形品を設置し、その上に開口部3aを塞ぐように赤外線透過キャップ4を重ね合わせる。
このような積層物を大気雰囲気下で予備加熱し、低融点ガラスのプリフォーム成形品内の不要なバインダを除去した後、リッド3の酸化防止のため真空雰囲気下で低融点ガラスの焼成温度まで加熱することでリッド3と赤外線透過キャップ4とを気密接合することができる。
なお、赤外線透過キャップ4とリッド3との接合において、接合材6の材料として半田を用いる場合は、赤外線透過キャップ4が固着されるリッド3表面に金属層(例えば、Cu−NiP−Auからなるメッキなど)を形成することで半田との接合性を向上させることが好ましい。
赤外線透過キャップ4を接合したリッド3と、セラミックパッケージ1と、を気密封止するためには、Nガス雰囲気中でシーム溶接機を用いて溶接することにより不要なガスの発生が少なく赤外線センサ20の内部にNが封入された気密封止をすることができる。なお、Nガスの代わりに他の不活性ガスを封入してもよいし、真空気密封止を行ってもよい。さらに、真空気密封止を行う場合は、リッド3とセラミックパッケージ1との溶接した部位や赤外線センサ素子2をセラミックパッケージ1にダイボンドする有機材料からなる接着層11(エポキシ樹脂など)から微量のガスが発生することがある。そのため、残留ガスを除去するためのゲッタ13を赤外線センサ20の内部空間側のリッド3表面に配置させ、ゲッタ13を活性化させて気密封止した赤外線センサ20内部の残留ガスを除去してもよい。ゲッタ13は、電流加熱やレーザ加熱などにより外部から活性化することができ、不要な残留ガスを吸着して、例えば、赤外線センサ20の内部の真空度を1Pa程度以下とすることができる。
なお、本実施形態においては、赤外線センサ20の内部を気密封止するにあたって、予め赤外線透過キャップ4を接合材6によりリッド3に接合させた蓋として、前記凹部が形成されたセラミックパッケージ1を気密封止させているが、セラミックパッケージ1にリッド3をシーム溶接などにより接合させた後に、リッド3の開口部3aに赤外線透過キャップ4を接合させて気密封止してもよい。
このような赤外線センサ20の製造時において、リッド3をセラミックパッケージ1にシーム溶接によって接合する場合などに生じる熱が、赤外線センサ素子2に熱破壊などを生じさせセンサ感度が低下するなどの悪影響をおよぼす場合がある。そのため、本実施形態の赤外線センサ20には、セラミックパッケージ1の熱がセラミックパッケージ1の内底面側から赤外線センサ素子2へ伝導するのを阻止する断熱部5が形成されている。
このような断熱部5により、熱が伝導するのを阻止するとは、赤外線センサ素子2に悪影響が出ない程度にセラミックパッケージ1の熱が赤外線センサ素子2へ伝導することを抑制可能なものである。具体的には、セラミックパッケージ1と赤外線センサ素子2との接触面積を低減させる構造体やセラミックパッケージ1を伝導し赤外線センサ素子2に到達する熱の伝熱経路を延ばす或いは部分的に狭くする構造体などを形成することにより赤外線センサ素子2へ伝導する熱を抑制することができる。また、セラミックパッケージ1と赤外線センサ素子2との間に断熱材料を挟むことにより、赤外線センサ素子2へ伝導する熱を抑制することもできる。さらに、これらを所望に応じて組み合わせることもできる。
以下、赤外線センサ20に用いられる断熱部5について図4の概略要部断面図を用いて詳述する。
本実施形態の断熱部5は、赤外線センサ素子2とセラミックパッケージ1との接触面積を低減する構造体により形成され、セラミックパッケージ1の内底面から部分的に突出して設けられた突起や部分的に窪んだ窪みにより構成することができる。
例えば、赤外線センサ素子2を保持するセラミックパッケージ1の内底面から突出した複数本の突起5a,5a(図4(a)を参照)、赤外線センサ素子2が実装されるセラミックパッケージ1の前記内底面に複数形成された断面が逆三角形状などの窪み5b(図4(b)を参照)、赤外線センサ素子2が実装されるセラミックパッケージ1の前記内底面に外周縁の少なくとも一部で赤外線センサ素子2を保持可能な窪み5c(図4(c)を参照)などが挙げられる。
このような断熱部5は、平面視形状においては、セラミックパッケージ1の前記内底面に設けられた平行な複数本の棒状の突起、リング状の突起、3点以上の柱状の突起などにより構成することができる。同様に、平面視形状において、赤外線センサ素子2が実装される赤外線センサ素子2直下のセラミックパッケージ1に、その開口形状が円形、楕円形などや三角形、四角形などの多角形を1つ以上設けた窪みにより構成とすることもできる(図示しない)。なお、このような断熱部5を形成する突起若しくは窪みの少なくとも一方は、セラミックパッケージ1の焼成時と同時に比較的簡単に形成することができる。また、赤外線センサ素子2のベース基板21における前記他表面側にセラミックパッケージ1との接触面積を低減させる突起を設けても良い。
本実施形態の赤外線センサ20は、上記断熱部5が設けられていることにより、赤外線センサ20の製造時において、リッド3とセラミックパッケージ1を加熱して気密接合する際の熱が、赤外線センサ素子2に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、より簡便な構成で外部雰囲気からの熱によるノイズを低減可能となる。
なお、本実施形態の赤外線センサ20は、セラミックパッケージ1の前記凹部の前記内底面側に1つの赤外線センサ素子2を配置させてあるが、複数個の赤外線センサ素子2を設けてもよいし、1個の赤外線センサ素子2のベース基板1の上記一表面側に複数個の温度検知部23を設けてもよい。このような複数の部位で温度が検知できるものをアレイ状に構成することで、熱画像等を検出可能な赤外線センサ20として構成することもできる。
(実施形態2)
本実施形態の赤外線センサ20における基本構成は実施形態1と略同一であり、断熱部5が、セラミックパッケージ1と赤外線センサ素子2との接触面積を低減させる構造体により形成する代わりに、セラミックパッケージ1を伝導し赤外線センサ素子2に到達する熱の伝熱経路を延ばす或いは部分的に狭くする構造体により形成する点が異なる。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
セラミックパッケージ1を伝導する熱の伝導経路を延長する或いは部分的に狭くする断熱部5としては、例えば、図5に示すように、セラミックパッケージ1の前記凹部の前記内底面に平面視形状において赤外線センサ素子2が実装されるセラミックパッケージ1の実装部位1aと、それ以外である赤外線センサ素子2が実装されていないセラミックパッケージ1の非実装部位1bとの間に、セラミックパッケージ1の厚み方向であって、赤外線センサ素子2が実装されるセラミックパッケージ1の表面側と外部電極10が形成されるセラミックパッケージ1の裏面側にそれぞれ隣接した窪み5d,5d,5d,5d(図5を参照)を形成したものが挙げられる。
言い換えれば、断面視形状において、赤外線センサ素子2が実装されていないセラミックパッケージ1の非実装部位1b側から赤外線センサ素子2が実装されるセラミックパッケージの実装部位1a側に向かう伝熱経路を部分的に狭くし且つ、蛇行した形状にさせて伝熱経路を延長し、赤外線センサ素子2へ伝導する熱を抑制させている。
このような断熱部5は、平面視形状においては、セラミックパッケージ1の内底面で、赤外線センサ素子2外形の近傍に複数の線状の溝を設けたもので形成させてもよいし、赤外線センサ素子2を囲むようにリング状の溝を用いて形成させてもよい。また、溝の代わりに複数の窪みにより形成することもできる。
なお、本実施形態において、断熱部5が、セラミックパッケージ1の前記凹部の内底面に平面視形状において赤外線センサ素子2が実装されるセラミックパッケージ1の実装部位1aと、赤外線センサ素子2が実装されていないセラミックパッケージ1の非実装部位1bとの間にあるとは、セラミックパッケージ1の厚み方向に設けられた窪み5dの少なくとも一部が、実装部位1aにあるものも含まれる。
(実施形態3)
本実施形態の赤外線センサ20における基本構成は実施形態1と略同一であり、断熱部5が、セラミックパッケージ1と赤外線センサ素子2との接触面積を低減させる構造体により形成させる代わりに、断熱部5としてセラミックパッケージ1と赤外線センサ素子2との間に断熱部材を設けた点が異なる。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の断熱部5は、図6に示すように、赤外線センサ素子2が実装されるセラミックパッケージ1の前記凹部の内底面上に設けられた断熱部材5eで構成されている。
断熱部材5eはシート状に形成され、セラミックパッケージ1の前記内底面と接着すると共に断熱部材5e上に赤外線センサ素子2と接着可能な接着層11がシート状の断熱部材5eの主表面側にそれぞれ設けられている(図6を参照)。
このような断熱部材5eは、セラミックパッケージ1の熱が赤外線センサ素子2側に伝導するのを抑制するものであって、セラミックパッケージ1の熱伝導率以下のものを用いることが好ましく、例えば、断熱部材5eの材料として、シリカを用いたセラミック繊維からなるシートやテフロン(登録商標)などのフッ素樹脂の多孔質材からなるシートを用いることができる。また、断熱部材5eに設けられた接着層11の材料としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
これにより、赤外線センサ20の製造時において、リッド3とセラミックパッケージ1を加熱して気密接合する際の熱が、赤外線センサ素子2に悪影響を生じることを低減することが可能であると共に、より簡便な構成で外部雰囲気からの熱によるノイズを低減可能な赤外線センサ20とすることができる。
また、赤外線センサ素子2全体が断熱部材5eを介してセラミックパッケージ1の前記凹部の前記内底面に保持することができるため、実施形態1で示したセラミックパッケージ1の前記凹部の前記内底面に突起5a,5aなどを設けたものと比較して、赤外線センサ素子2に突起5a,5aなどを介して部分的に熱が伝導することも阻止することができる。
1 セラミックパッケージ
2 赤外線センサ素子
3 リッド
4 赤外線透過キャップ
5a 突起
5b,5c,5d 窪み
5e 断熱部材
6 接合材

Claims (3)

  1. 凹部が形成されたセラミックパッケージと、該セラミックパッケージの前記凹部の内底面側に実装された赤外線センサ素子と、該赤外線センサ素子に赤外線を入射させるための開口部が設けられ前記セラミックパッケージの前記凹部を覆うように接合されたリッドと、該リッドの前記開口部を覆うように接合された赤外線透過キャップと、を有する赤外線センサであって
    前記赤外線透過キャップは、非球面レンズであり、
    前記セラミックパッケージは、前記セラミックパッケージの熱が該セラミックパッケージの内底面側から前記赤外線センサ素子へ伝導するのを阻止する断熱部が形成されてなり、該断熱部は、前記赤外線センサ素子が実装される前記セラミックパッケージの前記凹部の内底面に設けられ前記赤外線センサ素子と前記セラミックパッケージとの接触面積を低減する突起であり、該突起が前記セラミックパッケージの焼成時と同時に形成されてなることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記リッドは、前記セラミックパッケージの線膨張係数と前記赤外線透過キャップの線膨張係数との間の線膨張係数を有することを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  3. 前記赤外線透過キャップは、接合材を介して前記リッドに接合されており、前記接合材は、低融点ガラスからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の赤外線センサ
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