JP5271273B2 - 引込み式針を備えた注射器 - Google Patents

Description

本発明は、改良型の使い捨て注射器に関するものである。例えば薬物嗜癖者の間で長い間問題となっている、注射器の交換或いは床に不注意に置かれた注射器の針を刺すことにより生じる事故により、エイズ、肝炎及びその他の感染疾病のような非常に重大な疾病をまん延させ得る数え切れないほどの感染例に関する問題が知られてきた。

伝統的なタイプの使い捨て注射器では、潜在的に汚染し突出した針があるためこれらの事項における危険がなお残るためこの問題を解決できない。

使用後注射器内に引き込めできる針を備えた使い捨て注射器を提供することによりこの問題を解決するといった、幾つかの提案が知られている。しかし、これらの公知の種類の使い捨て注射器は、構造が複雑であり、多数の構成要素があり、その結果高価となり使用するのが難しくなる。

従って、本発明の目的は、上記の全ての欠点を解決し、そして針を自動的に引き込めることができ、構造が簡単で、製造コストが低く、容易に使用でき、しかも限定された数の部品で構成される改良型の使い捨て注射器を提供することにある。

本発明の対象は、
実質的にプランジャーを内部に挿入した中空シリンダを備え、プランジャーが中空でありしかも中空シリンダに対して外部にある端部分において閉じられており、また中空シリンダに対して内部にあるプランジャー端部分に挿入された第１の栓を備えた注射器本体と、
実質的にヘッドのまわりに予め装填したバネを備え、またヘッドのまわりに第２の栓を備え、前記バネが使用後に前記プランジャー内への針の普遍的導入を決めている針本体とを有する使い捨て注射器である。

本発明の特定の対象は、本発明の最初の説明と一体部分を成す特許請求の範囲に記載の使い捨て注射器である。

本発明の更なる目的及び利点は、本発明の実施形態（及び変形例）についての以下の詳細な説明、並びに単に本発明を限定しない例として示される添付図面から明らかとなる。

針本体を挿入した本発明の実施形態である使用準備のできた使い捨て注射器の縦断面図である。 使用後シリンダ内に針を引っ込めた本発明の対象である使い捨て注射器の縦断面図である。 図３中のそれぞれ（３．１、３．２）が、相応した頂面図で針本体と、底面図で注射器本体との二つの部分、並びに接続形式の細部の詳細な展開縦断面図である。

図面において同一参照番号及び文字は同一要素又は構成要素を表している。

図面を参照すると、使い捨て注射器は、本質的には二つの部分すなわち注射器本体と針本体４とで構成され、
注射器本体は、本質的に中空シリンダ１を備え、中空シリンダ１内にはプランジャー２が挿入され、プランジャー２は中空でありしかも中空シリンダ１に対して外部にある端部分において閉じられており、また注射器本体は、中空シリンダ１に対して内部にあるプランジャー端部分に挿入された第１の栓３を備えている。
針本体４は、実質的にヘッド５’の周りに予め装填したバネ６を備えた針５と、針５のヘッドの周りの第２の栓７とを備えている。

予備成形したゴム材料から成る第１の栓３は、シリンダ内のプランジャーのシールを形成し、凸状外縁部をもち、またシリンダに対して内部にあるプランジャー２の端部分に形成した中央孔に中心の半孔あき部分８を備えている。

針本体４には、注射器のシリンダ内に挿入しかつ固定する手段が設けられ、該手段は例えば、牡／牝型のフイン又はフレアーを備えた差込部材９、或いはネジ又はスナップ嵌めシステムを備えている。

予備成形したゴム材料から成る第２の栓７は、注射器本体に対向する凹状縁部を備え、その形状は、第１の栓３の凸状形状に対して相補的であり、また第２の栓７は、針５のヘッド５’を受け入れる中央凹部７’を備えている。

ヘッド５’には、拡張した上方縁部５’’が設けられ、この上方縁部５’’は、使用前に、凹状縁部において栓７の凹部内でゴムパッド１０に対して係合する。バネ６は狭細部１１に係合し、狭細部１１は栓７の凹部に対向した側において、針の先端に向っている。バネは、使用前に、針のヘッドの上方縁部５’’と狭細部１１との間に予め装填されることが認められ得る。

使用において、針本体は、まず注射器本体に固定され、注射器は使用のために用意される。

薬液の注射が完了した後、二つの凹状及び凸状栓７、３は接触する（図２）。この状態において、プランジャー２の内縁部は栓７に対して加圧し、ゴムパッド１０を拡張させ（このような動きはまた栓７の二つの中空領域１２によって可能であり）、栓７はバネ６を解放し、針５のヘッド５’を、前もって孔あきされた栓３に貫通させ、その結果、針全体を、栓３の中央の半孔あき部分８と共にプランジャー２内に普遍的に収容する。

当業者には、上記の非限定的な実施形態のすべての等価の実施形態を含む変形例は、本発明の保護の範囲から逸脱することなしに可能である。

本発明の適用によって得られる種々の利点は明らかである。

プランジャー内に針を自動的かつ普遍的に自己により引っ込める能力によって、まず第１に、通常の感染の危険並びにエイズ、肝炎及びその他の感染性疾病のような危険な疾病のまん延から保護することで安全な解決法を得ることができ、従って明らかに、病院、公園、海岸などのような比較的危険度の高い環境における公衆の健康も保証する。さらに、注射時の患者の痛みを軽減できる。

このように、注射器は、決して再度使用されることがなく、それによりきわめて安全な使い捨てができ、潜在的に危険な部位（針から成る部位）はプランジャー内にある。

かかる注射器を作るのに用いた材料は既に商業上利用できる注射器を製造するのに用いられるものと同じ製品である。

本発明による使い捨て注射器の比較的重要な要素は、実質的に針本体に挿入される栓とバネとから成っているので、同様な伝統的な注射器に関して簡単化されしかも伝統的な使い捨て注射器に対して革新的であるシステムにつながる。

製薬会社は、既に薬剤１３を充填した上方部分（シリンダ）を用いることによって別の利点を達成できる（図３の３．２）。注射器は二つの部品に分割されるので、これら二つの部品は単に使用するためには差込み接続によって接続する必要があるだけである。

本体（針、栓及び装填したバネを備えている）は、シリンダに挿入した直後に、使用準備状態となり、従って使用の容易性及び最大の安全性が保証される。

上記の説明から、当業者は、更なる構造上の詳細を導入することなしに本発明の対象物を製造することができる。

Claims (7)

1. 実質的に、プランジャー（２）を内部に挿入した中空シリンダ（１）を備え、当該プランジャー（２）が中空であり且つ前記中空シリンダに対して外部にある外側端部分において閉じられており、また、前記中空シリンダ（１）に対して内部にあるプランジャー（２）内側端部分に挿入された第１の栓（３）を備えた、注射器本体と、
   実質的に、ヘッド（５’）の周りに予め装填したバネ（６）を持つ針（５）を備え、また、前記針の前記ヘッドの周りに位置する第２の栓（７）を備え、前記バネが使用後に前記プランジャー（２）内への前記針（５，５’）の普遍的導入を決めている、針本体（４）と、
   を有してなる使い捨て注射器であって、
   前記注射器本体と前記針本体とが分離でき、
   前記第２の栓（７）には前記針（５）の前記ヘッド（５’）を受け入れる中央凹部（７’）が備えられ、前記針の前記ヘッドは拡張した上方縁部（５’’）を備え、
   前記第２の栓（７）の前記中央凹部内にはゴムパッド（１０）が配置され、当該ゴムパッドは、前記注射器の使用前に、前記上方縁部（５’’）に対して係合し、
   前記注射器の使用後に、前記第１及び第２の栓（３、７）が互いに接触し、それにより、前記プランジャー（２）の前記内側端部分が前記第２の栓（７）を加圧して前記ゴムパッド（１０）を拡張させ、前記第２の栓（７）が前記バネ（６）を解放し、前記針（５）の前記ヘッド（５’）が前記第１の栓（３）を貫通し、その結果、前記針（５）の全体が前記プランジャー（２）内に普遍的に収容され、
   前記第１の栓（３）が、前記中空シリンダ（２）内における前記プランジャー（２）のシールを形成し、凸状外縁部を持ち、また、前記プランジャー（２）の前記内側端部分内にて形成した中央孔に中心の半孔あき部分（８）を備えている、
   ことを特徴とする使い捨て注射器。
2. 前記針本体（４）を前記注射器の前記中空シリンダ（２）内に挿入し且つ固定する手段を備えていることを特徴とする、請求項１に記載の使い捨て注射器。
3. 前記注射器の前記中空シリンダ（２）内に挿入し且つ固定する前記手段が、牡／牝型のフイン又はフレアーを備えた差込部材（９）、或いはネジ又はスナップ嵌めシステムを備えていることを特徴とする、請求項２に記載の使い捨て注射器。
4. 前記第２の栓（７）が、前記注射器本体に対向する凹状縁部を備え、当該凹状縁部の形状は前記第１の栓（３）の凸状形状に対して相補的であり、前記拡張した上方縁部（５’’）は前記凹状縁部において前記第２の栓（７）の前記中央凹部内のゴムパッド（１０）に対して係合することを特徴とする、請求項１に記載の使い捨て注射器。
5. 前記第２の栓（７）の前記凹状縁部と反対の側にて前記針の先端側に向かって配置された狭細部（１１）が備えられ、前記バネ（６）が前記狭細部（１１）に係合し、前記バネ（６）が、前記注射器の使用前に、前記針（５）の前記ヘッド（５’）の前記上方縁部（５’ ’）と前記狭細部（１１）との間に予め装填されることを特徴とする、請求項４に記載の使い捨て注射器。
6. 前記針（５）の前記ヘッド（５’）が前記第１の栓（３）を貫通した後には、前記中心の半孔あき部分（８）が前記針（５）の全体と共に前記プランジャー内に普遍的に収容されることを特徴とする、請求項１に記載の使い捨て注射器。
7. 前記第２の栓（７）はゴム材料からなることを特徴とする、請求項１乃至６のいずれか一項に記載の使い捨て注射器。

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