JP5244545B2 - 電子写真用トナー、およびこれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
有機感光体は、その寿命が印刷枚数に換算して5万枚程度であるのに対して、a−Si感光体は表面硬度が極めて高く(例えばビッカース硬度で1500〜2000HV)である。)、その寿命は50万枚以上にも達し、耐久性に優れる。
有機感光体やa−Si感光体などの感光体を用いて画像形成を行う場合、帯電、露光、現像(反転現像)、転写、クリーニング、除電といった各工程を順次行うことで、画像を形成する。
しかし、感光体表面を研磨し過ぎると、感光層が過度に削られ、長期の繰り返し使用によって感光層の厚みが不足し、画像不良を引き起こすことがある。従って、a−Si感光体を備えた画像形成装置に用いられるトナーには、感光体の寿命に対応して長期にわたる使用に耐えることのできる帯電性や耐久性が求められることはもちろんのこと、画像欠陥の原因となる感光体表面への感光体付着物の付着を防止し、かつ感光体表面を過度に削らない程度に研磨できる適度な研磨性が求められる場合が多い。
一方、キャリアにトナーが付着すると、長期の使用によってカブリが発生したり、トナー飛散を引き起こしたりしやすかった。
また、静電潜像の現像方法としては、例えは特許文献2に記載の磁気ブラシ法、特許文献3に記載のカスケード法、パウダークラウド法、ファーブラシ現像法など、多数の現像方法が知られている。これらの中でも、特に2成分現像剤を用いる磁気ブラシ法、カスケード法等が広く実用化されている。
タッチダウン現像方式においては、高速の画像形成方式の現像として、感光体上に複数のカラー画像を順次形成する1ドラム色重ね方式が検討されてきた。この方式では、感光体上に正確にトナーを重ねることで色ズレの少ないカラー画像形成が可能で、カラーの高画質化に対応できる。
そこで、この問題の対策として、感光体同士の間隔を狭くして小型化された画像形成ユニットを配置した小型タンデム画像形成装置が提案されている。
このような画像形成装置としては、例えば現像装置や転写装置などを効率よく装置内部に配置した画像形成装置が知られているが、このような画像形成装置は、小型化が可能になるものの、現像装置や転写装置をスライドさせて装脱着する必要があり、構造上、複雑になりやすかった。
特許文献4に記載の方法では、トナーが導電性であるため、感光体上に形成されたトナー像を被転写体(例えば紙など)に電界を利用して静電気的に転写することが困難であった。また、画像形成における各工程で、導電性トナーに由来する不具合が発生しやすく、長期にわたって高画質な画像を形成することが困難であった。さらに、感光体が電気的にリーク破壊されることがあった。
磁性1成分ジャンピング現像方式は、長期間使用してもカブリの発生を抑制できるので、長期にわたって高画質な画像を形成できる。また、該現像方式を採用することで、画像形成装置に備わる現像器の小型化が可能となり、簡単な構成とすることができる。
例えば特許文献6には、長期にわたって安定した画像を形成できるトナーが開示されているが、必ずしも満足するものではなかった。
さらに、前記現像剤100質量%中の非磁性トナーの含有量が1〜20質量%であることが好ましい。
また、前記現像ローラは、表面における十点平均粗さ(Rz)が2.0〜8.0μmであるスリーブを有し、該スリーブがステンレス鋼製であることが好ましい。
また、本発明の電子写真用トナーは、1成分現像剤、または2成分現像剤として好適に使用できる。
[電子写真用トナー]
本発明の電子写真用トナー(以下、単に「トナー」という。)は、アモルファスシリコン感光体(a−Si感光体)を具備する画像形成装置に用いられる。トナーには、後述するトナー母粒子と、該トナー母粒子に外添剤が付着した粒子と、トナー母粒子に付着せずに遊離した状態の外添剤が含まれる。また、本発明において、「外添処理トナー」は、トナー母粒子に外添剤が付着した粒子と、外添剤が付着していない粒子(トナー母粒子)の総称とする。
ベックマンコールター社製の粒度分布測定装置「コールターカウンターマルチマイザー3」を使用して、電解液としてベックマンコールター社製のアイソトンIIを用い、アパーチャ径として100μmアパーチャを用いて、トナーの粒度分布(個数分布または体積分布)を測定する。
具体的には、電解液中に界面活性剤を少量添加した溶液中に、測定試料(トナー)を10mg加え、超音波分散器にて分散処理を行い、測定試料が分散した溶液を粒度分布測定装置にて測定して、試料粒径の個数分布、または体積分布を得る。得られた個数分布から粒子径が4.0μm以下の粒子の比率を求める。一方、体積分布からトナーのSDを求める。
なお、超微粉粒子は、他の粒子径の粒子に比べて比表面積が大きいため、空気中に存在する水分と吸着しやすい。特に、高温高湿環境の場合、水分を吸着しやすく、その結果、トナーの帯電量が低下すると共に帯電量分布がブロードになりやすくなり、カブリが発生したり画像濃度が低下したりして画像欠陥を引き起こしやすい。しかし、本発明のトナーであれば、超微粉粒子の比率が5.0%以下であるため、トナー全体における水分の吸着量を軽減できる。よって、高温高湿環境であってもトナーの帯電量の低下を抑制できるので、カブリの発生や画像濃度の低下を防げる。
さらに、超微粉粒子の比率が5.0%以下と極めて低いことで、キャリアへのトナーの付着力を軽減できる。従って、長期にわたってカブリの発生やトナー飛散を抑制できる。
走査型電子顕微鏡により拡大撮影したトナーの写真と、さらに走査型電子顕微鏡に付属しているX線マイクロアナライザー(XMA)などの元素分析によってマッピングされたトナーの写真とを対照し、1視野に観察される外添処理トナーの個数を測定して、粒子径が3.0μm以下と測定される超微粉粒子の個数をカウントする。ランダムに選択した外添処理トナー1000個について観察し、粒子径が3.0μm以下の超微粉粒子の個数をカウントして、超微粉粒子の比率を求める。
なお、マッピングされたトナーのうち、外添剤と思われる粒子はカウントしないものとする。
シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を使用して、温度23℃、湿度60RH%の環境下で、円相当径0.60〜400μmの範囲内の粒子について測定する。そして測定された粒子の円形度を下記式(1)より求め、さらに、円相当径3〜10μmの粒子において、円形度の総和を全粒子数で除した値を円形度とする。1000〜1500個の粒子について測定を行い、算出した値を平均円形度とする。
円形度=粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長/粒子の投影像の周囲長 ・・・(1)
本発明のトナーは、トナー母粒子に外添剤を添加してなる。トナー母粒子は、少なくとも結着樹脂を含有する。また、必要に応じて、着色剤、電荷制御剤、離型剤などを含有する。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。中でも、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。
アルコール成分としては、2価または3価以上のアルコール成分が好ましく、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類を例示できる。
熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等が挙げられ、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、結着樹脂のTgは、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計「DSC−6200」を用い、吸熱曲線を測定することで求める。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分の条件で常温常湿下にて測定し、得られた吸熱曲線よりTgを求める。
着色剤は、トナーの色調を調整するものであり、カーボンブラックなどの顔料や、アシッドバイオレットなどの染料等、公知の着色剤を用いることができる。また、着色剤として、公知のカラートナー用の顔料を用いることができる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部が好ましい。
電荷制御剤は、トナーの帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかどうかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等をトナーに付与するために配合されるものである。
トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加すればよく、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加すればよい。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
離型剤は、トナーの定着性やオフセット性を向上させるために配合されるものである。離型剤としては、ワックス類が好適であり、具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリ4フッ化エチレン系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。上述したワックス類を配合することで、オフセット性や像スミアリングをより効率的に防止できる。
本発明のトナーを磁性1成分現像剤として用いる場合、トナー母粒子には、上述した各成分以外に、磁性粉を含有させる。なお、磁性粉を含有させる場合は、該磁性粉によりトナーは着色されるため、上述した着色剤は含有させなくてもよい。
磁性粉としては、公知のものを使用でき、例えばフェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を挙げることができる。
磁性粉の含有量は、トナー母粒子100質量%中、35〜60質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。磁性粉の含有量が35質量%以上であれば、画像濃度の耐久性を維持でき、カブリの発生を抑制できる。一方、磁性粉の含有量が60質量%以下であれば、画像濃度の耐久性を維持できると共に、定着性の低下を抑制できる。
なお、磁性粉の体積固有の抵抗値は、アドバンテスト社製の微小電流計「R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER」を用い、1kgの荷重をかけ、印加電圧DC10Vにて求めることができる。
トナー母粒子は、結着樹脂と必要に応じて上述した各成分とを混合し、押出機等の混練機を用いて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕及び分級することにより得られる。この際、粉砕工程では機械式粉砕機を、分級工程では気流式分級機を用いるのが一般的であるが、これらの粉砕機や分級機の設定条件を調整することで、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度を制御できる。例えば分級工程の場合、分級機(日鉄鉱業社製、「エルボージェット」)の分級エッジ角を変更することで粒度分布を調整でき、具体的には分級機の微粉側に分級されるゾーン(微粉ゾーン、ゾーン幅:ΔF)と、粗分側に分級されるゾーン(粗分ゾーン、ゾーン幅:ΔM)を調節して粒度分布を調整することで、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度を制御する。より具体的には、ΔFを大きくすると、微粉粒子の個数分布の比率は低くなり、SDの値は小さくなる傾向にある。
トナー母粒子は、通常、平均粒子径が5〜10μm程度になるように、分級および粒度調整される。
本発明のトナーには、上述したトナー母粒子に、外添剤が添加されてなる。外添剤を添加することで、感光体表面に付着する帯電生成物等を研磨除去できる。
外添剤としては、無機金属酸化物が挙げられる。具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が挙げられ、中でも酸化チタンが好ましい。これら無機金属酸化物の平均粒子径は0.01〜1.0μmが好ましい。
外添剤として無機金属酸化物を添加する場合、その添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5〜5.0質量部が好ましい。無機金属酸化物の添加量が0.5質量部以上であれば、感光体を十分に研磨でき、特に高温高湿環境において像流れの発生を抑制でき、画像欠陥を防げる。一方、無機金属酸化物の添加量が5.0質量部以下であれば、トナーの流動性を維持できるので、画像濃度の低下や耐久性の悪化を防げる。
これら外添剤の平均粒子径は1.0μm以下が好ましい。また、添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.2〜10.0質量部が好ましい。
本発明のトナーは、上述したトナー母粒子と外添剤とを乾式で撹拌混合することで得られる。撹拌混合の際は、外添剤がトナー母粒子に埋め込まれないように、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーなどを用いて行うのが好ましい。
また、本発明のトナーは、超微粉粒子の比率が5.0%以下と極めて低いので、画像形成装置に用いたときに、現像ローラの鏡像力の増加を抑制できる。従って、現像ローラへのトナー付着を軽減できる。また、現像ローラ上でトナーが帯電凝集するのを防げるので、現像ローラ上でトナー薄層を良好に形成できる。さらに、超微粉粒子の比率が5.0%以下と極めて低いことで、キャリアへのトナーの付着力も軽減できるので、長期にわたってカブリの発生やトナー飛散を抑制できる。
また、本発明のトナーは、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.945以上であるため、感光体との接触摩擦係数の増加を抑制できるので、転写効率が向上すると共に、感光体表面を過度に削り過ぎるのを抑制できる。従って、感光体の削り過ぎに因る画像不良を引き起こすことなく、感光体付着物の付着を抑制できる。
また、本発明のトナーとキャリアとを混合し、2成分現像剤として用いることができる。特に、磁性粉を含有しないトナー母粒子を用いたトナーは非磁性トナーであるため、非磁性2成分現像剤として用いることができる。その際、キャリアとしては磁性キャリアを用いるのがよい。
キャリアコア材としては、例えば鉄、ニッケル、コバルト等の磁性体金属およびそれらの合金、あるいは希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、リチウム系フェライトなどのソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライト等の鉄系酸化物、およびそれらの混合物等の磁性体材料を焼結およびアトマイズ等を行うことによって製造した磁性体粒子の表面を樹脂被覆したものなどが挙げられる。
一方、表面コート剤としては、フッ素系結着樹脂が好ましく、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
また、キャリアの見掛け密度は、磁性材料を主体とする場合は、磁性体の組成や表面構造等によっても相違するが、一般に、2.4〜3.0g/cm3が好ましい。
ここで、a−Si感光体について説明する。
このようなa−Si感光体としては、例えばドラム状などの所定の形状に形成した導電性基体の表面に、アモルファスシリコン系の感光層(a−Si系感光層)を備えた、従来公知の種々の構造を有する感光体を用いることができる。
またa−Si系感光層は、例えばグロー放電分解法、スパッタリング法、ECR法、蒸着法などの気相成長法によって形成することができ、その形成に当たっては、Hやハロゲン元素を含有させることもできる。さらに、感光体の特性を調整するためにC、N、O等の元素を含有させたり、周期表(長周期型)の13族元素や15族元素を含有させたりしてもよい。
13族元素や15族元素としては、共有結合性に優れ、半導体特性を敏感に変えることができ、さらに、優れた光感度が得られるという点で、それぞれBやPが望ましい。
光励起層は、光キャリアの生成効率を高めるため、成膜条件のうち、(1)成膜速度を低めに設定する、(2)H2やHeにより成膜成分の希釈率を高める、(3)ドープする元素の量を、キャリア輸送層領域よりも多くする、等の対策を施しつつ成膜するのが好ましい。
一方、キャリア輸送層は、主にa−Si感光層の耐圧を高めると共に、光励起層から注入されたキャリアを導電性基体に円滑に輸送する役割を持つが、キャリア輸送層においても、光励起層を透過してきた光によりキャリア生成が行われるため、感光体の光感度の向上に寄与する。
a−Si系感光層の厚さは、露光波長の光に対する感光層の吸収係数から求まる光吸収の深さに対して、さらに0.1〜2.0μmを加えた厚さとするのが好ましい。
またa−Si系感光層を、上記のように光励起層とキャリア輸送層とが積層した積層構造とする場合には、光励起層の厚さを、上記光吸収の深さにほぼ等しく設定するのが好ましい。
キャリア阻止層としては、それぞれ絶縁性であるa−SiC、a−SiO、a−SiN、a−SiON、a−SiCON等によって形成した無機絶縁層や、ポリエチレンテレフタレート、パリレン(登録商標)、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリフッ化エチレンプロピレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルローズ樹脂等によって形成した有機絶縁層等を用いるのが好ましい。
キャリア阻止層の厚さは0.01〜5μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましい。
表面保護層としては、a−SiC、a−SiN、a−SiO、a−SiCO、a−SiNOなどのa−Si系の絶縁材料からなる層を用いるのが好ましく、これらはa−Si系感光層と同様の薄膜形成方法によって形成することができる。特に、a−SiCを用いて表面保護層を形成するのが好ましい。
具体的には、Si1−xCxとしたときに、xの値を0.3≦x<1.0に設定するのが好ましく、より好ましくは0.5≦x≦0.95である。
また、xの値を調整して、表面保護層の暗抵抗率を1×1013Ω・cm以上とするのが好ましい。暗抵抗率が1×1013Ω・cm以上であれば、表面保護層の面方向における電位の流れが少なくなり、静電潜像の維持能力に優れると共に、耐湿性に優れ、吸湿による画像流れの発生を抑制できる感光体が得られやすくなる。
このように表面保護層が高抵抗であれば、トナーを通してのバイアスによる電荷の注入を阻止し、露光部と非露光部との電位コントラストを高めることができ、その結果、感光体表面に、より多くのトナーを引き付けてトナー像の濃度を増し、画像濃度を十分に高める機能も付与できる。また、余白部分のカブリを抑制したり、感光体の絶縁耐圧を高めたりすることもできる。
しかし、a−SiCを用いて形成した表面保護層であれば、表面からの正電荷は有効に阻止するが、導電性基体からの負電荷は比較的通し易いという性質を持つため、画像形成後の残留電位を、通常の除電工程によって効果的に消去でき、連続して画像形成を行うことができる。また、a−SiCを用いて形成した表面保護層は、a−SiC等のa−Si系感光層との密着性が良好であると共に、耐磨耗性、耐環境性等にも優れるため、長期にわたって安定した画像形成を行うことができる。
a−SiCを用いて形成した表面保護層は、その層内で、Cの量に厚み方向の勾配を形成してもよい。また、Cと共にN、O、Geなどの元素を含有させて耐湿性をさらに高めることもできる。
しかし、本発明のトナーによれば、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.945以上であるため、a−Si系感光層を過度に削ることなく適度に研磨できる。従って、本発明のトナーは、a−Si感光体を具備する画像形成装置に用いるのに適しているが、その特性から、非磁性2成分現像剤として用いる場合には接触型の現像方式を採用した画像形成装置はもちろんのこと、非接触型の現像方式であるタッチダウン現像方式を採用した画像形成装置の使用に特に適している。また磁性1成分現像剤として用いる場合には非接触型の現像方式である1成分ジャンピング現像方式を採用した画像形成装置の使用に特に適している。
なお、タッチダウン現像方式とは、「磁気ローラの表面に形成された非磁性2成分現像剤の穂立ちと接触することで、磁気ローラから現像ローラの表面に非磁性トナーのみを転移させて、現像ローラの表面に非磁性トナーの薄層を形成させ、静電潜像が形成されたa−Si感光体の表面に、前記薄層から非磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する方式」のことである。
なお、接触型の現像方式とは、「現像ローラの表面に形成された非磁性2成分現像剤の穂立ちに、静電潜像が形成されたアモルファスシリコン感光体を接触させ、アモルファスシリコン感光体表面に非磁性トナーを転移させて、静電潜像をトナー像として現像する方式」のことである。
なお、磁性1成分ジャンピング現像方式とは、「磁力を有する現像ローラの表面に、磁性トナーの薄層を形成させ、静電潜像が形成されたa−Si感光体の表面に、前記薄層から磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する方式」のことである。
本発明の画像形成方法は、タッチダウン現像方式、接触型の現像方式、または磁性1成分ジャンピング現像方式により画像を形成することを特徴とする。これらの画像形成方法においては、画像形成装置として、上述したタッチダウン現像方式、接触型の現像方式、または磁性1成分ジャンピング現像方式を採用した画像形成装置を使用する。
タッチダウン現像方式による画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを有する。また、この画像形成方法では、現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアからなる非磁性2成分現像剤を使用し、非磁性トナーとして本発明のトナーを用いる。また、磁性キャリアとしては、上述したキャリアが挙げられる。
帯電工程は、a−Si感光体の表面を帯電させる工程である。
露光工程は、a−Si感光体の表面を露光して、静電潜像を形成する工程である。
現像工程は、非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して磁気ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、穂立ちした現像剤と接して現像ローラの表面に非磁性トナーの薄層を形成し、該薄層からa−Si感光体の表面に非磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する工程である。
転写工程は、トナー像をa−Si感光体から被転写体へ転写する工程である。
接触型の現像方式による画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを有する。また、この画像形成方法では、現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアからなる非磁性2成分現像剤を使用し、非磁性トナーとして本発明のトナーを用いる。また、磁性キャリアとしては、上述したキャリアが挙げられる。
帯電工程、露光工程、および転写工程は、タッチダウン現像方式による画像形成方法の場合と同様である。
現像工程は、非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して現像ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、現像剤の穂立ちにa−Si感光体を接触させて静電潜像をトナー像として現像する工程である。
しかし、本発明であれば、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.945以上であるトナーを用いるので、感光体から被転写体へ転写されずに残留する非磁性トナーを回収する際に、回収されたトナーを利用して感光体表面を研磨して、感光体に付着したトナー成分、キャリア等を容易に除去できる。
磁性1成分ジャンピング現像方式による画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程とを有する。この画像形成方法では、現像剤として磁性トナーからなる磁性1成分現像剤を使用し、磁性トナーとして本発明のトナーを用いる。
帯電工程、露光工程、および転写工程は、タッチダウン現像方式による画像形成方法の場合と同様である。
現像工程は、現像ローラの表面に磁性トナーの薄層を形成し、該薄層からa−Si感光体の表面に磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する工程である。
Rzは、小坂研究所社製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE−30D」を用いて測定することができる。
<ポリエステル系樹脂の調製>
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物1,960g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物780g、ドデセニル無水コハク酸257g、テレフタル酸770gの原料モノマー、および酸化ジブチル錫4gを窒素雰囲気下、235℃で8時間かけて反応させた後、さらに8.3kPaにて1時間反応させた。さらに、180℃で無水トリメリット酸を所望の酸価になるように反応系に添加し、10℃/時間の速度で210℃まで昇温し、反応させ、ポリエステル系樹脂を得た。
結着樹脂として先に調製したポリエステル系樹脂100質量部と、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、「MA100」)5質量部と、電荷制御剤として4級アンモニウム塩(オリエント化学工業社製、「ボントロンP−51」)2質量部と、離型剤としてカルナバワックス(加藤洋行社製、「カルナバワックス1号」)5質量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した後、2軸混練機(東芝機械社製)にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)にて粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(ターボ工業社製、「ターボミル」)にて微粉砕したものを気流式分級機(日鉄鉱業社製、「エルボージェット」)にて分級し、体積平均粒子径(D50)6.8μmのトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子に、外添剤として疎水性シリカ(日本アエロジル社製、「REA200」)と酸化チタン(チタン工業社製、「EC−100」)を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて、回転速度30m/秒、混合時間5分の条件で撹拌混合し、ブラックトナー(非磁性トナー)を得た。なお、各外添剤の添加量は、トナー100質量%中、疎水性シリカが1.8質量%、酸化チタンが1.0質量%となるようにした。
(トナー母粒子の体積平均粒子径の測定)
ベックマンコールター社製の粒度分布測定装置「コールターカウンターマルチマイザー3」を使用して、電解液としてベックマンコールター社製のアイソトンIIを用い、アパーチャ径として100μmアパーチャを用いて、トナー母粒子の粒度分布(体積分布)を測定した。
具体的には、電解液100gに界面活性剤(7質量%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)を10g添加した溶液中に、測定試料(トナー母粒子)を10mg加え、超音波分散器にて分散処理を行い、測定試料が分散した溶液を粒度分布測定装置にて測定して、試料粒径の体積分布を得た。得られた体積分布からトナー母粒子の体積平均粒子径(D50)を求めた。結果を表1に示す。
トナー母粒子の体積平均粒子径の測定と同様にして、粒度分布測定装置を使用し、測定試料としてブラックトナー10mgを用いて、ブラックトナーの粒度分布(個数分布)を測定した。得られた個数分布から粒子径が4.0μm以下の粒子の比率を求めた。結果を表1に示す。
トナー母粒子の体積平均粒子径の測定と同様にして、粒度分布測定装置を使用し、測定試料としてブラックトナー10mgを用いて、ブラックトナーの粒度分布(体積分布)を測定した。得られた体積分布からブラックトナーのSDを求めた。結果を表1に示す。
走査型電子顕微鏡により拡大撮影したブラックトナーの写真と、さらに走査型電子顕微鏡に付属しているX線マイクロアナライザー(XMA)などの元素分析によってマッピングされたブラックトナーの写真とを対照し、1視野に観察される外添処理トナーの個数を測定して、粒子径が3.0μm以下と測定される超微粉粒子の個数をカウントした。ランダムに選択した外添処理トナー1000個について観察し、粒子径が3.0μm以下の超微粉粒子の個数をカウントして、超微粉粒子の比率を求めた。なお、マッピングされたブラックトナーのうち、外添剤と思われる粒子はカウントしないものとする。結果を表1に示す。
シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を使用して、温度23℃、湿度60RH%の環境下で、円相当径0.60〜400μmの範囲内の粒子について測定した。次いで、測定された粒子の円形度を下記式(1)より求め、さらに、円相当径3〜10μmの粒子において、円形度の総和を全粒子数で除した値を円形度とした。1000個の粒子について測定を行い、算出した値を平均円形度とした。結果を表1に示す。
円形度=粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長/粒子の投影像の周囲長 ・・・(1)
ブラックトナーとキャリア(パウダーテック社製、「フェライトキャリア」、平均粒子径:35μm)を混合して、非磁性2成分現像剤を調製した。トナー(T)とキャリア(C)の質量比は、T:C=1:10となるようにした。
得られた非磁性2成分現像剤を、タッチダウン現像方式を採用した評価機(京セラミタ社製の「FS−C5016」において、有機感光体をa−Si感光体に交換した改造機)にセットし、評価機の電源を入れ安定直後のソリッド画像(印字率100%のベタ画像)を出力し、これを初期画像とした。
ついで、印字率4%原稿で5000枚出力した後のソリッド画像(印字率100%のベタ画像)を出力し、これを耐刷画像とした。
初期画像と耐刷画像のソリッド画像について、マクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、「RD−914」)を用いて、それぞれ画像濃度(ID)を測定した。結果を表2に示す。
画像濃度の測定と同様にして、得られた非磁性2成分現像剤を評価機にセットし、評価機の電源を入れ安定直後の画像(細線画像)を出力した。
得られた細線画像について、細線中の中抜け具合をルーペで目視観察し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
5:中抜けが発生していない。
4:中抜けが非常に軽微に発生している。
3:中抜けが多く発生している。
2:中抜けが顕著に発生している。
1:中抜けが広範囲にわたって顕著に発生している。
評価機を高温高湿環境(温度:35℃、湿度:85RH%)に一晩放置した以外は、画像濃度の測定と同様にして、得られた非磁性2成分現像剤を評価機にセットし、評価機の電源を入れ安定直後のソリッド画像(印字率100%のベタ画像)を出力した。
得られたソリッド画像について、カブリの発生具合を目視観察し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
5:カブリが発生せず、画像品質が良好である。
4:カブリが非常に軽微に発生しているが、画像品質は良好である。
3:カブリが多く発生し、画像品質に影響がある。
2:カブリが顕著に発生し、画像品質に影響があり、問題となるレベルである。
1:カブリが広範囲にわたって顕著に発生し、画像品質としては問題となるレベルであり、実使用に耐えない。
画像濃度の測定と同様にして、得られた非磁性2成分現像剤を評価機にセットし、印字率4%原稿で5000枚出力した後、ベタ画像・50%ハーフ画像を出力した。その後の現像ローラの状態、およびベタ画像・50%ハーフ画像について目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
5:現像ローラ上にトナーが付着せず、ベタ画像・50%ハーフ画像共に良好である。
4:現像ローラ上にトナーがわずかに付着しているが、ベタ画像・50%ハーフ画像共に良好である。
3:現像ローラ上にトナーが多く付着しており、ベタ画像・50%ハーフ画像にスリーブローラピッチによる画像欠損(スリーブ層ムラ)が発生している。
2:現像ローラ上にトナーが多く付着しており、ベタ画像・50%ハーフ画像にスリーブローラピッチによる画像欠損(スリーブ層ムラ)が多く発生し、かつ、耐刷の途中で現像ローラへのトナーの付着が発生し、問題となるレベルである。
1:現像ローラ上にトナーが多く付着しており、ベタ画像・50%ハーフ画像にスリーブローラピッチによる画像欠損(スリーブ層ムラ)が多く発生し、かつ、耐刷の初期から現像ローラへのトナーの付着が発生し、問題となるレベルであり実使用に耐えない。
画像濃度の測定と同様にして、得られた非磁性2成分現像剤を評価機にセットし、常温常湿環境(温度:20℃、湿度:65RH%)において、評価機の電源を入れ安定直後の画像評価パターンを出力し、これを初期画像とした。
ついで、印字率5%原稿で30万枚出力した後の画像評価パターンを出力し、これを耐久画像とした。
耐久画像の出力後のa−Si感光体について目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
○:感光体表面上に付着物が認められない。
△:感光体表面上に付着物が認められるが、固着はしておらず、耐久画像には影響がない。
×:感光体表面上に付着物が認められ、完全に固着している。
トナー母粒子の体積平均粒子径(D50)、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度が表1に示す値になるように、粉砕工程での機械式粉砕機、および分級工程での気流式分級機の条件を変更した以外は、実施例1−1と同様にして、ブラックトナーを製造し、各測定および評価を行った。結果を表2に示す。
一方、比較例1−1で得られたブラックトナーは、平均円形度が0.944と小さかったため、感光体との接触摩擦係数が増加し、転写性および研磨性が各実施例に比べて劣っていた。
比較例1−2で得られたブラックトナーは、SDが1.29と大きかったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例1−3で得られたブラックトナーは、微粉粒子の個数分布の比率が9.6%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例1−4で得られたブラックトナーは、微粉粒子の個数分布の比率が8.1%、超微粉粒子の比率が5.6%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。また、カブリが発生しやすかった。
結着樹脂として、実施例1−1で調製したポリエステル系樹脂100質量部と、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、「MA100」)5質量部と、電荷制御剤として4級アンモニウム塩(オリエント化学工業社製、「ボントロンP−51」)2質量部と、離型剤としてカルナバワックス(加藤洋行社製、「カルナバワックス1号」)5質量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した後、2軸混練機(東芝機械社製)にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)にて粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(ターボ工業社製、「ターボミル」)にて微粉砕したものを気流式分級機(日鉄鉱業社製、「エルボージェット」)にて分級し、体積平均粒子径(D50)6.8μmのトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子に、外添剤として疎水性シリカ(日本アエロジル社製、「REA90」)と酸化チタン(石原産業社製、「MPT240」)を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて、回転速度30m/秒、混合時間2分の条件で撹拌混合し、ブラックトナー(非磁性トナー)を得た。なお、各外添剤の添加量は、トナー100質量%中、疎水性シリカが1.8質量%、酸化チタンが1.0質量%となるようにした。
得られた磁性トナーについて、実施例1−1と同様にして微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度を測定した。結果を表3に示す。
また、得られたブラックトナーとキャリア(パウダーテック社製、「フェライトキャリア」、平均粒子径:75μm)を、トナー(T)とキャリア(C)の質量比がT:C=1:19となるように混合して調製した非磁性2成分現像剤を用い、接触型の現像方式を採用した、a−Si感光体搭載の評価機(京セラミタ社製、「DC−7085」)を使用した以外は、実施例1−1と同様にして、初期画像および耐刷画像の画像濃度を測定し、転写性、高温高湿環境におけるカブリ、画像品質、および研磨性の評価を行った。結果を表4に示す。
トナー母粒子の体積平均粒子径(D50)、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度が表3に示す値になるように、粉砕工程での機械式粉砕機、および分級工程での気流式分級機の条件を変更した以外は、実施例2−1と同様にして、ブラックトナーを製造し、各測定および評価を行った。結果を表4に示す。
一方、比較例2−1で得られたブラックトナーは、平均円形度が0.944と小さかったため、感光体との接触摩擦係数が増加し、転写性および研磨性が各実施例に比べて劣っていた。
比較例2−2で得られたブラックトナーは、SDが1.29と大きかったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例2−3で得られたブラックトナーは、微粉粒子の個数分布の比率が9.6%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例2−4で得られたブラックトナーは、微粉粒子の個数分布の比率が8.1%、超微粉粒子の比率が5.6%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。また、カブリが発生しやすかった。
<結着樹脂の調製>
温度計、撹拌機、窒素導入管を備えた反応器中に、キシレン300質量部を入れ、窒素気流下で、スチレン845質量部、アクリル酸n−ブチル155質量部の混合モノマーとジ−tert−ブチルペルオキサイド(重合開始剤)8.5質量部と、キシレン125質量部の混合溶液を用いて、170℃で3時間かけて滴下した。滴下後、170℃で1時間反応させ、重合を完了した。その後、脱溶剤して結着樹脂を得た。
このようにして得られた結着樹脂49質量部と、磁性粉(マグネタイト、796kA/m印加時に保持力4.5kA/m、飽和磁化82Am2/kg、残留磁化4.5Am2/kgであり、個数平均粒子径0.25μm)45質量部と、電荷制御剤として4級アンモニウム塩(オリエント化学工業社製、「ボントロンP−51」)3質量部と、離型剤としてワックス(サゾール社製、「サゾールワックスH1」)3質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した後、2軸混練機(東芝機械社製)にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)にて粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(ターボ工業社製、「ターボミル」)にて微粉砕したものを気流式分級機(日鉄鉱業社製、「エルボージェット」)にて分級し、体積平均粒子径(D50)6.8μmのトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100質量部に、外添剤としてシリカ(日本アエロジル社製、「RA200−H」)1質量部と、酸化チタン(チタン工業社製、「EC−100」)2質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて、回転速度30m/秒、混合時間5分の条件で撹拌混合し、磁性トナーを得た。
得られた磁性トナーについて、実施例1−1と同様にして微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度を測定した。結果を表5に示す。
また、得られた磁性トナーを磁性1成分現像剤として用い、評価機として、磁性1成分ジャンピング現像方式を採用した、a−Si感光体搭載ページプリンタ(京セラ社製、「FS−4000」、45ppm)を使用した以外は、実施例1−1と同様にして、初期画像および耐刷画像の画像濃度を測定し、転写性、高温高湿環境におけるカブリ、画像品質、および研磨性の評価を行った。結果を表6に示す。
トナー母粒子の体積平均粒子径(D50)、微粉粒子の個数分布の比率、SD、超微粉粒子の比率、平均円形度が表5に示す値になるように、粉砕工程での機械式粉砕機、および分級工程での気流式分級機の条件を変更した以外は、実施例3−1と同様にして、磁性トナーを製造し、各測定および評価を行った。結果を表6に示す。
一方、比較例3−1で得られた磁性トナーは、平均円形度が0.944と小さかったため、感光体との接触摩擦係数が増加し、転写性および研磨性が各実施例に比べて劣っていた。
比較例3−2で得られた磁性トナーは、SDが1.28と大きかったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例3−3で得られた磁性トナーは、微粉粒子の個数分布の比率が9.8%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。
比較例3−4で得られた磁性トナーは、超微粉粒子の比率が5.5%と多かったため、画像濃度が低下しやすく、画像品質が各実施例に比べて劣っていた。また、カブリが発生しやすかった。
Claims (9)
- アモルファスシリコン感光体を具備する画像形成装置に用いられ、少なくとも結着樹脂を含むトナー母粒子に外添剤が添加された粉砕法によって得られた電子写真用トナーにおいて、
当該電子写真用トナーに含まれる全粒子中における、粒子径が4.0μm以下である粒子の個数分布の比率が8.0%以下であり、
体積分布の標準偏差(SD)が1.21以上1.25以下であり、
外添処理トナー中、粒子径が3.0μm以下である粒子の比率が2.8%以上5.0%以下であり、かつ、粒子径が3〜10μmの粒子の平均円形度が0.945以上であることを特徴とする電子写真用トナー。 - 非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌し、表面に該現像剤の穂立ちを形成する磁気ローラと、穂立ちした現像剤と接して、表面に非磁性トナーの薄層を形成する現像ローラと、該現像ローラから一定の間隔をあけて設けられ、表面に静電潜像が形成されるアモルファスシリコン感光体とを備え、静電潜像が形成されたアモルファスシリコン感光体の表面に、前記現像ローラの表面に形成された前記薄層から非磁性トナーを飛翔させて、アモルファスシリコン感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する画像形成装置における前記非磁性トナーであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌し、表面に該現像剤の穂立ちを形成する現像ローラと、該現像ローラに対向して設けられ、表面に静電潜像が形成されるアモルファスシリコン感光体とを備え、前記現像ローラの表面に形成された現像剤の穂立ちに前記アモルファスシリコン感光体を接触させて、アモルファスシリコン感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する画像形成装置における前記非磁性トナーであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 前記現像剤100質量%中の非磁性トナーの含有量が1〜20質量%であることを特徴とする請求項2または3に記載の電子写真用トナー。
- 表面に磁性トナーの薄層を形成する現像ローラと、該現像ローラから一定の間隔をあけて設けられ、表面に静電潜像が形成されるアモルファスシリコン感光体とを備え、静電潜像が形成されたアモルファスシリコン感光体の表面に、前記現像ローラの表面に形成された前記薄層から磁性トナーを飛翔させて、アモルファスシリコン感光体表面の静電潜像をトナー像として現像する画像形成装置における前記磁性トナーであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- アモルファスシリコン感光体の表面を帯電させる帯電工程と、
アモルファスシリコン感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して磁気ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、穂立ちした現像剤と接して現像ローラの表面に非磁性トナーの薄層を形成し、該薄層からアモルファスシリコン感光体の表面に非磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、
トナー像をアモルファスシリコン感光体から被転写体へ転写する転写工程とを有し、
前記非磁性トナーとして請求項1に記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。 - アモルファスシリコン感光体の表面を帯電させる帯電工程と、
アモルファスシリコン感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤を撹拌して現像ローラの表面に現像剤の穂立ちを形成し、現像剤の穂立ちにアモルファスシリコン感光体を接触させて静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、
トナー像をアモルファスシリコン感光体から被転写体へ転写する転写工程とを有し、
前記非磁性トナーとして請求項1に記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。 - アモルファスシリコン感光体の表面を帯電させる帯電工程と、
アモルファスシリコン感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
現像ローラの表面に形成された磁性トナーの薄層から、アモルファスシリコン感光体の表面に磁性トナーを飛翔させて、静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、
トナー像をアモルファスシリコン感光体から被転写体へ転写する転写工程とを有し、
前記磁性トナーとして請求項1に記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。 - 前記現像ローラは、表面における十点平均粗さ(Rz)が2.0〜8.0μmであるスリーブを有し、該スリーブがステンレス鋼製であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
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