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JP5239088B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置 Download PDF

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JP5239088B2 JP2009179496A JP2009179496A JP5239088B2 JP 5239088 B2 JP5239088 B2 JP 5239088B2 JP 2009179496 A JP2009179496 A JP 2009179496A JP 2009179496 A JP2009179496 A JP 2009179496A JP 5239088 B2 JP5239088 B2 JP 5239088B2
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Description

本発明は、機関弁を開閉する動弁カム及び動弁カムを駆動する駆動カムを備え、機関弁の開閉時期を制御可能な内燃機関の動弁装置に関する。
内燃機関の動弁装置において、シリンダヘッドに支持されたカム軸と一体回転する駆動カムと、カム軸に揺動可能に支持され、機関弁を開閉させる動弁カムと、カム軸を中心に揺動可能に支持され、駆動カムの弁駆動力を動弁カムに伝達し、動弁カムを揺動させるリンク機構と、リンク機構をカム軸を中心に揺動させる駆動機構とを備え、揺動されたリンク機構の揺動位置によって、機関弁の作動特性を変更可能にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−233180号公報
ところで、上記従来の動弁装置では、上記リンク機構を構成するサブロッカアームは、上記駆動カムによってリフトされて揺動させられ、駆動カムは、サブロッカアームを揺動させないベース円部及びサブロッカアームを揺動させるカム山部を有し、ベース円からカム山へ移行する区間には緩衝部を設けていた。図12は、従来の駆動カムの動作特性を示すグラフであり、図12を参照して従来の緩衝部Sについて説明する。
一般に、上記ベース円部とカム山部との間は滑らかにつながっておらず、図12の駆動カムにおいては、緩衝部Sは、カムシャフトの回転に伴ってリフト速度が増加する緩衝移行部Saと、緩衝移行部Saに続いてリフト速度が一定の緩衝定速部Sbとを有し、緩衝定速部Sbには、大きな加速度でリフト速度を増速させる増速部Scが連続して設けられていた。
緩衝移行部Saは、リフト加速度が比較的大きいため、緩衝移行部Saによってサブロッカアームが弾性変形したり、わずかにジャンプしたりする可能性があった。また、緩衝定速部Sbの長さを十分に確保できない場合にもサブロッカアームの挙動が不安定になる可能性があった。
さらに、緩衝移行部Sa及び緩衝定速部Sbを設けた場合、その分だけサブロッカアームの揺動速度を増加させる増速部Scの区間を長くすることができなかった。これにより、増速部Scでのサブロッカアームの加速度が大きくなり、特に内燃機関の高回転時には、サブロッカアームの弾性変形が大きくなったり、サブロッカアームのジャンプが生じたりすることにより、サブロッカアームの揺動量に変動が生じ、機関弁の作動特性に影響を及ぼす可能性があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関の動弁装置において、リンク機構の揺動を安定させて、機関弁の作動特性を安定化することを目的とする。
上述課題を解決するため、本発明は、内燃機関のクランク軸に連動して回転するカム軸と、吸気弁または排気弁からなる機関弁を開閉作動させるべく前記カム軸に枢支される動弁カムと、前記カム軸と一体に回転する駆動カムにより前記動弁カムを前記カム軸を中心に揺動させるリンク機構と、前記リンク機構を前記カム軸を中心に揺動させる駆動機構とを備え、前記動弁カムの緩衝部において前記機関弁の開弁及び閉弁が開始され、前記駆動機構が前記リンク機構を介して前記動弁カムを前記カム軸を中心に揺動させることにより前記機関弁の開閉時期が制御される内燃機関の動弁装置において、前記駆動カムのベース円からカム山へ移行する際の緩衝移行部及び緩衝定速部を設けずに、前記緩衝移行部及び前記緩衝定速部を前記駆動カムのリフト速度が増速する増速部とし、続いて前記駆動カムのリフト速度が一定の定速部とし、該定速部は、少なくとも前記機関弁の開時期の最遅角位置が含まれる角度幅に亘って設けられることを特徴とする。
この構成によれば、駆動カムに緩衝移行部及び緩衝定速部を設けずに、リフト速度が増速する増速部を設けたため、駆動カムによってリンク機構の揺動を加速させる区間を、緩衝移行部及び緩衝定速部を設けない分だけ長くできる。これにより、リンク機構を緩やかに加速できるため、大きな揺動の加速度がかかることによるリンク機構の弾性変形を抑制でき、リンク機構の揺動を安定させて機関弁の作動特性を安定化できる。
また、駆動カムのリフト速度が一定の定速部を、少なくとも機関弁の開時期の最遅角位置が含まれる角度幅に亘って設けたため、最遅角位置よりも進角側の区間のリフト速度を定速部の速度にすることができる。これにより、開時期の最遅角位置及び、最遅角位置よりも進角側における開時期に対応する駆動カムのリフト速度を、開閉時期にかかわらず定速部の速度とすることができ、機関弁を開閉させる動弁カムの揺動速度を定速にできるため、開閉時期の変更に伴って機関弁の打音が発生することを防止できる。
また、上記構成において、前記増速部の始端部は、前記動弁カムが揺動しても前記機関弁のリフトを伴わない、前記動弁カムのベース円上に設けた空走領域内にあっても良い。
この場合、機関弁のリフトを伴わない動弁カムのベース円上に設けられた空走領域を大きくとることにより、駆動カムの増速部の長さを大きく確保でき、リンク機構にかかる加速度を低減できる。また、増速部の始端部における駆動カムの加速度が機関弁のリフト動作に影響しないため、機関弁の作動特性を安定化できる。
また、前記増速部の終端部は、前記動弁カムの緩衝部領域手前または緩衝部領域内であっても良い。
この場合、増速部の終端部を動弁カムの緩衝部領域手前または緩衝部領域内まで設けたため、増速部を長く確保してリンク機構にかかる加速度を低減できる。さらに、増速部の終端部は定速部と略同等の速度であるため、機関弁のリフトの緩衝部内まで増速部の終端部を設けた場合でも、進角時と遅角時の打音の発生状況に差を生ずることなく、機関弁の作動特性を安定化できる。
さらに、前記増速部の終端部は、最大バルブ特性においては前記動弁カムの緩衝部領域内であり、最小バルブ特性においては、前記動弁カムの緩衝部領域手前であり、前記動弁カムの緩衝部領域は前記定速部の領域内にあっても良い。
この場合、機関弁は定速部により同じ揺動角速度で揺動される動弁カムにより開閉されるので、開弁時の打音を小さくできる。最大バルブ特性では動弁カムの緩衝部領域が定速部内にないが、揺動角速度の変化はあまりないので、増速部を大きくしてリンク機構の弾性変形を最小限にできる。
また、前記駆動カムの定速部の終端からベース円に至る減速部を設け、前記増速部の始端部と前記減速部の終端部とが一致するまで前記増速部を設けても良い。
この場合、増速部の長さを最大にすることができ、リンク機構の弾性変形を最小限にできる。
本発明に係る内燃機関の動弁装置では、緩衝移行部及び緩衝定速部を設けない分だけ駆動カムの増速部を長くできるため、リンク機構の揺動を緩やかに加速できる。これにより、大きな揺動の加速度がかかることによるリンク機構の弾性変形を抑制でき、リンク機構の揺動を安定させて機関弁の作動特性を安定化できる。
また、駆動カムの定速部を、少なくとも機関弁の開時期の最遅角位置が含まれる角度幅に亘って設けたため、最遅角位置よりも進角側の区間のリフト速度を定速部の速度にすることができる。これにより、最遅角位置及び、最遅角位置よりも進角側に対応する駆動カムのリフト速度を、開閉時期にかかわらず定速部の速度にすることができ、機関弁を開閉させる動弁カムの揺動速度を定速にできるため、開閉時期の変更に伴って機関弁の打音が発生することを防止できる。
また、機関弁のリフトを伴わない動弁カムのベース円上に設けられた空走領域を大きくとることにより、駆動カムの増速部の長さを大きく確保でき、リンク機構にかかる加速度を低減できる。また、加速度が機関弁のリフト動作に影響しないため、機関弁の作動特性を安定化できる。
また、増速部の終端部を動弁カムの緩衝部領域手前または緩衝部領域内まで設けたため、増速部を長く確保してリンク機構にかかる加速度を低減できる。さらに、増速部の終端部は定速部と略同等の速度であるため、バルブリフトの緩衝部内まで増速部の終端部を設けた場合でも、進角時と遅角時の打音の発生状況に差を生ずることなく、機関弁の作動特性を安定化できる。
さらに、機関弁は定速部により同じ揺動角速度で揺動される動弁カムにより開閉されるので、開弁時の打音を小さくできる。最大バルブ特性では動弁カムの緩衝部領域が定速部内にないが、揺動角速度の変化はあまりないので、増速部を大きくしてリンク機構の弾性変形を最小限にできる。
また、増速部の長さを最大にすることができ、リンク機構の弾性変形を最小限にできる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、車体に対してのものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る動弁装置を適用した自動二輪車を示す側面図である。この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持された内燃機関としてのエンジン17と、エンジン17に排気管18A,18Bを介して連結された排気マフラー19A,19Bと、車体フレーム11の後下部のピボット20に上下に揺動自在に支持されたリアスイングアーム21と、このリアスイングアーム21の後端部に回転自在に支持された後輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体フレーム11との間にリアクッション23が配設される。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12から後下がりに延びるメインフレーム25と、メインフレーム25の後部に連結される左右一対のピボットプレート(センターフレームとも言う)26と、ヘッドパイプ12から下方に延びた後に屈曲して延びてピボットプレート26に連結されるダウンチューブ27とを備えている。メインフレーム25を跨ぐように燃料タンク28が支持され、メインフレーム25後方が後輪22上方まで延びてリアフェンダ29が支持され、このリアフェンダ29上方から燃料タンク28までの間にシート30が支持される。なお、図1中、符号31はダウンチューブ27に支持されたラジエータ、符号32はフロントフェンダ、符号33はサイドカバー、符号34はヘッドライト、符号35はテールライト、符号36は乗員用ステップである。
メインフレーム25、ピボットプレート26及びダウンチューブ27によって囲まれる空間にはエンジン17が支持される。エンジン17は、シリンダ(気筒)がV字状に前後にバンクした前後V型の2気筒水冷式4サイクルエンジンである。エンジン17は、車体に対してクランクシャフト105(クランク軸)が左右水平方向に指向するように複数のエンジンブラケット37(図1では一部のみを図示)を介して車体フレーム11に支持される。エンジン17の動力は後輪22左側に配設されたドライブシャフト(不図示)を介して後輪22に伝達される。
エンジン17は、シリンダを各々構成する前バンク110Aと後バンク110Bとの挟み角度(バンク角度とも言う)は90度より小さい角度(例えば、52度)で形成されている。各バンク110A,110Bの動弁装置はともに、4バルブのダブルオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)方式に構成されている。
前バンク110Aと後バンク110Bによって形成されるV字状の空間には、エンジン吸気系を構成するエアクリーナ41とスロットルボディ42が配設される。スロットルボディ42は、エアクリーナ41で浄化された空気を前バンク110A及び後バンク110Bに供給する。また、各バンク110A,110Bには、エンジン排気系を構成する排気管18A,18Bが接続され、各排気管18A,18Bが車体右側を通ってその後端に排気マフラー19A,19Bが各々接続され、これら排気管18A,18B及び排気マフラー19A,19Bを介して排気ガスが排出される。
図2はエンジン17の内部構造を側方から見た図であり、図3は、図2の前バンク110Aの内部構造を拡大して示す図である。
図2において、エンジン17の前バンク110A及び後バンク110Bは同一の構造である。図2中、前バンク110Aはピストン周辺を示し、後バンク110Bはカムチェーン周辺を示している。また、図2において、符号121は中間シャフト(後側バランサシャフト)を示し、符号123はメインシャフトを示し、符号125はカウンタシャフトを示している。クランクシャフト105を含むこれらシャフト121,123,125は、車体前後方向及び上下方向にずらして互いに平行に配置され、これらシャフトを支持するクランクケース110C内には、クランクシャフト105の回転を、中間シャフト121、メインシャフト123及びカウンタシャフト125の順に伝達する歯車伝達機構が構成されている。
図2に示すように、エンジン17のクランクケース110C上面には、前側シリンダブロック131A及び後側シリンダブロック131Bが車体前後に所定の挟み角度をなすように配置され、これらシリンダブロック131A、131Bの上面に前側シリンダヘッド132A、後側シリンダヘッド132Bが各々結合され、さらに各シリンダヘッド132A,132Bの上面にはヘッドカバー133A,133Bが各々装着されて前バンク110A及び後バンク110Bが構成される。
各シリンダブロック131A,131Bには、シリンダボア135が各々形成され、各シリンダボア135にはそれぞれピストン136が摺動自在に挿入され、各ピストン136は、コンロッド137を介してクランクシャフト105に連結される。
各シリンダヘッド132A,132Bの下面には、ピストン136上方に形成される燃焼室の天面を構成する燃焼凹部141が形成され、各燃焼凹部141には、点火プラグ142がその先端を臨ませて配置される。この点火プラグ142は、シリンダ軸線Cと略同軸に設けられる。
エンジン17は、各燃焼凹部141に設けられたインジェクタ143から燃焼室に直接燃料を噴射する筒内噴射式エンジンである。各インジェクタ143は、各シリンダヘッド132A,132BのVバンク内側側面から挿入され、その先端を各燃焼凹部141に臨ませて配置される。インジェクタ143は、シリンダ軸線Cに対して寝かせた状態で取り付けられる。
シリンダヘッド132Aの上部には、燃料ポンプ144が設けられ、燃料ポンプ144から燃料配管144Aを介して各インジェクタ143に燃料が供給される。
各シリンダヘッド132A,132Bには、一対の開口部145Aにて各燃焼凹部141に連通する吸気ポート145と、一対の開口部146Aにて各燃焼凹部141に連通する排気ポート146とが形成されている。吸気ポート145は、シリンダ軸線Cとインジェクタ143との間に配置される。
各吸気ポート145は、図2及び図3に示すように、シリンダヘッド132A,132Bと一体に設けた下部吸気ポート145Bと、シリンダヘッド132A,132Bと別体に設けた上部吸気ポート145Cとを備えている。上部吸気ポート145Cは、下部吸気ポート145Bに対し、よりヘッドカバー133A,133Bに接近する方向に角度を変えて取り付けられている。
各吸気ポート145は吸気チャンバ43で合流しており、この吸気チャンバ43はスロットルボディ42に連結される。スロットルボディ42には、スロットルバルブの断面積をアクチュエータの駆動により変化させるTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)が採用されている。シリンダヘッド132Aの排気ポート146は、排気管18A(図1参照)に連結されており、シリンダヘッド132Bの排気ポート146は、排気管18B(図1参照)に連結されている。
シリンダヘッド132A,132Bには、吸気ポート145の開口部145Aを開閉する一対の吸気弁147(機関弁)と、排気ポート146の開口部146Aを開閉する一対の排気弁148(機関弁)とが配置される。吸気弁147及び排気弁148は、弁ばね149,149で各ポートを閉じる方向に各々付勢されている。各弁体147,148は、開閉のタイミングやリフト量等のバルブ作動特性を変更可能な動弁装置50によって駆動される。動弁装置50は、シリンダヘッド132A,132Bに回転可能に支持され、クランクシャフト105の回転に連動して回転する吸気側と排気側のカムシャフト151,152(カム軸)を備える。ここで、カムシャフト151,152は、図2及び図4中の反時計回転方向にそれぞれ回転する。
カムシャフト151には、吸気カム153(駆動カム)が一体に形成されている。吸気カム153は、円形のカム面を形成するベース円部153A(ベース円)と、ベース円部153Aから外周側に突出したカム面を形成するカム山部153B(カム山)とを備えている。また、カムシャフト152には、排気カム154(駆動カム)が一体に形成されている。排気カム154は、円形のカム面を形成するベース円部154A(ベース円)と、ベース円部154Aから外周側に突出して山形のカム面を形成するカム山部154B(カム山)とを備えている。
図2に示すように、シリンダヘッド132A,132Bの幅方向の一端側には、中間軸158が回転可能に支持され、この中間軸158に中間スプロケット159,160が固定される。カムシャフト151の一端側には被動スプロケット161が固定され、カムシャフト152の一端側には被動スプロケット162が固定され、クランクシャフト105の両端側には駆動スプロケット163が固定される。これらスプロケット159,163間には第1カムチェーン164が巻回され、スプロケット160〜162間には第2カムチェーン165が巻回される。これらスプロケット159〜163及びカムチェーン164,165は、各バンク110A、110Bの一端側に形成されたカムチェーン室166に収容される。
駆動スプロケット163から被動スプロケット161,162への減速比は2に設定され、クランクシャフト105が回転すると、クランクシャフト105と一体に駆動スプロケット163が回転し、カムチェーン164,165を介して被動スプロケット161,162がクランクシャフト105の半分の回転速度で回転して、被動スプロケット161,162と一体に回転するカムシャフト151,152のカムプロフィールに従って吸気弁147及び排気弁148が吸気ポート145及び排気ポート146を各々開閉させる。
クランクシャフト105の左端部には図示しない発電機が設けられ、クランクシャフト105の右端部には、上記右側の駆動スプロケット163の内側(車体左側)に駆動歯車(以下、クランク側駆動歯車という)175が固定される。このクランク側駆動歯車175は、中間シャフト121に設けられた被動歯車(以下、中間側被動歯車という)177と噛み合い、クランクシャフト105の回転を等速で中間シャフト121に伝達し、クランクシャフト105と同速かつ逆向きで中間シャフト121を回転させる。
中間シャフト121は、クランクシャフト105の後側下方かつメインシャフト123の前側下方に回転可能に支持されている。
この中間シャフト121の右端部には、オイルポンプ用駆動スプロケット181と、上記中間側被動歯車177と、この被動歯車177より小径の駆動歯車(以下、中間側駆動歯車という)182とが順に取り付けられている。
オイルポンプ用駆動スプロケット181は、中間シャフト121の後側であって、メインシャフト123下方に配置されたオイルポンプ184の駆動軸185に固定された被動スプロケット186に伝動チェーン187を介して該中間シャフト121の回転力を伝達し、オイルポンプ184を駆動させる。
また、中間側駆動歯車182は、メインシャフト123に相対回転自在に設けられた被動歯車(以下、メイン側被動歯車という)191に噛み合い、中間シャフト121の回転を減速してクラッチ機構(不図示)を介してメインシャフト123に伝達する。すなわち、中間側駆動歯車182及びメイン側被動歯車191の減速比によって、クランクシャフト105からメインシャフト123までの減速比、つまり、エンジン17の1次減速比が設定される。
メインシャフト123は、クランクシャフト105の後側上方に回転可能に支持され、メインシャフト123の略後方には、カウンタシャフト125が回転可能に支持される。メインシャフト123とカウンタシャフト125には、図示しない変速歯車群が跨って配置され、これらによって変速装置が構成される。
カウンタシャフト125の左端部は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト(不図示)に連結される。これによって、カウンタシャフト125の回転がドライブシャフトに伝達される。
図4は、動弁装置50を示す一部破断側面図であり、図5は、前バンク110Aの動弁装置50を後部側から見た縦断面図である。図6は、動弁装置50を示す斜視図である。
動弁装置50は、図3に示すように、シリンダ軸線Cを中心として吸気側と排気側とに独立して対称に設けられている。前バンク110A及び後バンク110Bの動弁装置50は略同一構造であるため、本実施の形態では、前バンク110Aの吸気側の動弁装置50について説明する。
動弁装置50は、図4〜図6に示すように、カムシャフト151(排気側ではカムシャフト152)と、カムシャフト151と一体回転する吸気カム153(排気側では排気カム154)と、吸気弁147(排気側では排気弁148)を開閉するロッカアーム51と、カムシャフト151に相対回転可能に支持され、ロッカアーム51を介して吸気弁147を開閉する動弁カム52と、カムシャフト151の周りを揺動自在なホルダ53と、ホルダ53に揺動可能に支持され、吸気カム153の弁駆動力を動弁カム52に伝達し、動弁カム52を揺動させるリンク機構56と、ホルダ53を揺動させる駆動機構60とを備えている。また、リンク機構56は、ホルダ53に連結されるサブロッカアーム54と、サブロッカアーム54と動弁カム52とを揺動可能に連結するコネクトリンク55とを備えている。
ロッカアーム51は幅広に形成されており、1つのロッカアーム51によって一対の吸気弁147を開閉する。ロッカアーム51は、一端部において、シリンダヘッド132Aに固定されるロッカアームピボット51Aに揺動可能に支持される。ロッカアーム51の他端部には、各吸気弁147の上端部に当接するねじ式の調整部51Bが設けられ、中央部には、動弁カム52に接触するローラ51Cが回転可能に支持されている。
また、各吸気弁147の上端部と各調整部51Bの下端との間には、各調整部51Bにより調整可能な所定量のバルブクリアランスMが設けられており、バルブクリアランスMは、吸気弁147の開弁動作の際に調整部51Bの下端が吸気弁147の上端部に当接すると0になる。
図5及び図6に示すように、カムシャフト151は、一端側に被動スプロケット161(図2参照)が固定されるスプロケット固定部151Aを有し、スプロケット固定部151Aの側から順に、カムシャフト151の外周に突出し断面円形形状を有する位置決め部151B、吸気カム153、動弁カム52を揺動可能に支持する動弁カム支持部151C、及び、動弁カム支持部151Cよりも小径に形成されたカラー嵌合部151Dが設けられている。カラー嵌合部151Dには、カムシャフト151のベアリングとして機能するカムシャフトカラー155が嵌合され、カムシャフトカラー155はカムシャフト151の他端側に締めこまれた固定ボルト156によって動弁カム52の側に押し付けられている。
カムシャフト151は、その両端がそれぞれカムシャフト支持部201,202によって回転自在に支持されている。詳細には、カムシャフト支持部201,202は、シリンダヘッド132Aの上部に形成されたヘッド側支持部201A,202Aに、断面半円状の支持部を有するキャップ201B,202Bをそれぞれ固定して構成されている。位置決め部151Bの側に設けられたカムシャフト支持部201には、位置決め部151Bの形状に合わせて形成された溝201Cが形成され、位置決め部151Bの位置が溝201Cに規制されることによって、カムシャフト151は軸方向に位置決めされている。
また、カムシャフト支持部201,202における吸気カム153の側の面には、ホルダ53を支持するホルダ支持部201D,202Dがそれぞれ設けられている。
動弁カム52は、カムシャフト151の中間部に設けられた動弁カム支持部151Cに枢支されている。動弁カム52には、図4に示すように、吸気弁147を閉弁状態に維持するベース円部52Aと、吸気弁147を押し下げて開弁させるカム山部52Bとが形成され、カム山部52Bには貫通孔52Cが形成されている。貫通孔52Cには、カム山部52Bがロッカアーム51のローラ51Cから離れる方向、すなわち、吸気弁147を閉弁する方向に動弁カム52を付勢する動弁カムリターンスプリング57(図5参照)の一端が取り付けられる。動弁カムリターンスプリング57は、図5に示すように、カムシャフト151に巻き掛けられており、その他端はホルダ53に取り付けられる。
ホルダ53は、吸気カム153及び動弁カム52を挟んでカムシャフト151の軸方向に所定の間隔を空けて配置される第1,第2プレート53A,53Bと、第1,第2プレート53A,53Bをカムシャフト151の軸方向に連結する連結部材59とを備えている。第1プレート53Aはカムシャフト151の被動スプロケット161が固定される一端側に配置され、第2プレート53Bはカムシャフト151の他端側に配置される。
また、連結部材59は、カムシャフト151と平行な軸部59Aを有し、軸部59Aの第1プレート53A側の端には、サブロッカアーム54の一端が連結されるサブロッカアーム支持部59Bが形成されている。連結部材59は、第1,第2プレート53A,53Bの外面側から軸部59Aの両端に挿入される一対のボルト53Dによって第1,第2プレート53A,53Bに固定される。また、連結部材59は、図4に示すように、軸部59Aに平行な軸部59Cを備えており、第1,第2プレート53A,53Bの外面側からこの軸部59Cの両端に挿入される一対のボルト53E(図6参照)によっても第1,第2プレート53A,53Bに固定される。軸部59Aと軸部59Cとは、第1プレート53Aと第2プレート53Bとの間隔において中間部に位置する結合部73によって結合されている。
また、第1,第2プレート53A,53Bは、図5に示すように、カムシャフト151が貫通するシャフト孔157A,158Aをそれぞれ有し、これらシャフト孔157A,158Aの周縁部は、ホルダ支持部201D,202Dに向けて突出した円環状の凸部157B,158Bとなっている。ホルダ53は、凸部157B,158Bがホルダ支持部201D,202Dに嵌合されることで支持され、カムシャフト151を中心に揺動可能となっている。
サブロッカアーム54は、第1,第2プレート53A,53B間に吸気カム153及び動弁カム52と共に配置されており、その一端部において連結部材59のサブロッカアーム支持部59Bに回転可能に支持され、サブロッカアーム支持部59Bを中心として揺動するようになっている。サブロッカアーム54の中央部には、吸気カム153に接触してベース円部153A及びカム山部153Bを押圧するローラ54Aが回転可能に支持されている。サブロッカアーム54の他端部には、コネクトリンク55を揺動可能に支持するピン55Aを介してコネクトリンク55の一端が連結され、コネクトリンク55の他端には、動弁カム52を揺動可能に支持するピン55Bを介して動弁カム52が連結される。
また、サブロッカアーム54は、連結部材59の円筒状の収容部74に収容されたサブロッカアームリターンスプリング58(以下、リターンスプリングという)により付勢されており、サブロッカアーム54のローラ54Aは常に吸気カム153に押し付けられている。ここで、リターンスプリング58はコイルスプリングである。
サブロッカアーム54は、サブロッカアーム支持部59Bに連結されてカムシャフト151に直交するように延びるホルダ連結部54Bと、ホルダ連結部54Bからカムシャフト151の外径に沿うように下方に湾曲する偏心部54Cと、コネクトリンク55を介して動弁カム52に連結されるリンク部54Dとを有している。
偏心部54Cは、第1プレート53Aの側から第2プレート53Bの側に吸気カム153を避けるようにカムシャフト151の軸方向に偏心し、この偏心部54Cの側面には、カムシャフト151の軸方向に張り出た板状の段部76が形成されている。図4及び図6に示すように、段部76はサブロッカアーム54の下縁部に沿って湾曲して設けられている。リターンスプリング58の下端は、ばね座金77を介して段部76によって受けられている。
リンク部54Dは偏心部54Cの端に連続して設けられ、動弁カム52に連結されている。このように、サブロッカアーム54は偏心部54Cが偏心することで、カムシャフト151上の軸方向に異なる位置に設けられた吸気カム153と動弁カム52とを連結している。
つぎに、動弁装置50の動作を説明する。
上記のように構成された動弁装置50において、図4を参照し、カムシャフト151が図中の反時計方向に回転されると、カムシャフト151と一体に回転する吸気カム153のカム山部153Bにより、サブロッカアーム54がローラ54Aを介して押し上げられて軸部59Aを中心として揺動し、これに伴い、コネクトリンク55を介して動弁カム52がカムシャフト151を中心として図4中の時計回りに回転する。そして、動弁カム52の回転によりカム山部52Bがローラ51Cを介してロッカアーム51と共に吸気弁147を押し下げ、吸気弁147が開弁される。
また、カムシャフト151がさらに回転されて吸気カム153のベース円部153Aがローラ54Aに当接する状態では、サブロッカアーム54がリターンスプリング58により押し下げられると共に、動弁カム52が動弁カムリターンスプリング57より図4中の反時計回りに回転させられてベース円部52Aがローラ51Cに当接する。これにより、吸気弁147は弁ばね149(図2参照)により押し上げられて閉弁される。
この動弁装置50では、図4に示すように、ホルダ53に連結リンク部材63を接続している。この連結リンク部材63を矢印A方向に移動すると、ホルダ53と共にリンク機構56が吸気側カムシャフト151の軸心を中心に時計回り方向に揺動し、ローラ54Aは時計回り方向に揺動し、動弁カム52は時計回り方向に揺動する。一方、矢印B方向に移動すると、ホルダ53と共にリンク機構56が吸気側カムシャフト151の軸心を中心に反時計回り方向に揺動し、ローラ54Aは反時計回り方向に揺動し、動弁カム52は反時計回り方向に揺動する。このように、動弁装置50では、ローラ54Aの位置及び動弁カム52の揺動の初期位置を変化させることで、吸気弁147及び排気弁148のバルブ作動特性、すなわち、排気弁148の開閉時期、開閉期間、及び、リフト量を制御可能に構成されている。
ここで、動弁カム52の揺動の初期位置とは、ローラ54Aが吸気カム153のベース円部153Aに当接しており、サブロッカアーム54がカム山部153Bによって押し上げられていない状態における動弁カム52の揺動位置を指している。
連結リンク部材63は、図7に示すように、駆動機構60に連結されている。
図7は、駆動機構60を側面側から見た縦断面図であり、図8は、駆動機構60を前部側から見た縦断面図である。
駆動機構60は、図7に示すように、連結リンク部材63を介してホルダ53に連結されている。駆動機構60は、吸気側カムシャフト151と排気側カムシャフト152とに跨って配置されたボールねじ61と、吸気側・排気側のそれぞれに設けられ、ボールねじ61上を軸方向に移動可能な2つのナット62とを備え、ナット62及びホルダ53間に連結リンク部材63が設けられている。
ボールねじ61の端部にはギヤ64が固着され、ギヤ64には図示を省略した電動アクチュエータがギヤ輪列を介して連結されている。上記電動アクチュエータは、電子制御ユニット(ECU)により制御され、このECUが電動アクチュエータを駆動することにより、ボールねじ61を介してホルダ53が揺動され、吸気弁147及び排気弁148の開閉の作動特性がエンジン17の運転状態に応じて制御される。
ボールねじ61は、カムシャフト151,152と直交し、これらカムシャフト151,152の他端側、すなわち被動スプロケット161,162が固定される側と反対側に配置されている。このように、ボールねじ61は、エンジン17の上下方向に延出するのではなく、吸気側カムシャフト151と排気側カムシャフト152とに跨って配置されるので、エンジン17の高さを低く抑えることが可能になる。ボールねじ61は、図7に示すように、シリンダヘッド132Aの上部に設けられたボールねじ支持部203によって両端をそれぞれ支持され、回転自在となっている。
図7に示すように、ボールねじ61の外周面には、吸気側と排気側にそれぞれ螺旋状のねじ山61A,61Bと、螺旋状の軸ねじ溝61C,61Dとが形成されている。これらねじ山61A,61B及び軸ねじ溝61C,61Dは、巻き方向が吸気側と排気側で異なる方向に設定されている。
ナット62は、ボールねじ61が貫通する貫通孔62Aを有し、貫通孔62Aの内周面には、ねじ山61A,61Bに対応する螺旋状のナットねじ山62Bと、軸ねじ溝61C,Dに対応する螺旋状のナットねじ溝62Cが形成されている。このナットねじ溝62Cと軸ねじ溝61C,61Dとの間に、転動可能な複数のボール65が配置される。ナット62は、ボールねじ61が回転されることにより、ボール65を介してボールねじ61上を移動する。
連結リンク部材63は、図7及び図8に示すように、ナット62に一端部が固定されるナット側リンク63Aと、ナット側リンク63Aの他端部と第2プレート53Bとを連結するホルダ側リンク63Bとを備えている。
ナット側リンク63Aの一端部は、ナット62を両側方から挟み込み、ボルト66によってナット62に固定されている。ナット側リンク63Aの他端部は、ピン67によってホルダ側リンク63Bの一端部に揺動可能に支持されている。ホルダ側リンク63Bの他端部は、偏心ピン68によって第2プレート53Bに揺動可能に支持されている。偏心ピン68は、六角ボルト68Aと、六角ボルト68Aの頭部に偏心して一体形成された偏心軸68Bとを備えて構成されている。六角ボルト68Aは、スプリングワッシャ68C及び六角ナット68Dによって第2プレート53Bに固定され、偏心軸68Bは、ナット側リンク63Aに回転自在に支持される。
図7において、ホルダ53が矢印P、Qの方向に揺動すると、図4に示すリンク機構56がカムシャフト151,152を中心にそれぞれ揺動する。なお、動弁装置50は、シリンダ軸線Cを中心として前後に略対称に構成されており、ここでは、吸気側のカムシャフト151側の動弁装置50について説明する。
リンク機構56の位置が変化することにより、ローラ54A及び動弁カム52は、カムシャフト151を中心にそれぞれ揺動し、カムシャフト151に対して周方向に位置が変位されて、吸気カム153の回転に対する動弁カム52の揺動の位相、及び、揺動の初期位置が変更される。このように、吸気カム153に対する動弁カム52の揺動の位相及び揺動位置を変化させることで、動弁カム52のカム山部52Bがローラ51Cに当接する時期、期間、及び、カム山部52Bがローラ51Cを押し下げる量を変更できるため、吸気弁147の開閉時期、開弁期間、及び、リフト量を変更することができる。
例えば、ボールねじ61が回転してナット62がボールねじ61の中央側に移動させられ、連結リンク部材63によってホルダ53が図4中の時計回り方向にさらに揺動されると、ローラ54A及び動弁カム52は時計回り方向に回転され、カム山部52Bはローラ51Cに近くなり、この状態でカムシャフト151が回転されると、カム山部153Bによるローラ54Aの押し上げの開始時期が早くなると共に、カム山部52Bがローラ51Cを押し下げる期間及び押し下げ量が大きくなる。これにより、吸気弁147の開弁時期が早められると共に、吸気弁147の開弁期間及びリフト量が大きくなる。
図9は、吸気弁147のバルブ作動特性を示す図であり、横軸にカムシャフト151の回転角を示し、縦軸に吸気弁147のリフト量を示している。
吸気弁147は、駆動機構60により駆動される動弁装置50によって、図9に示すように、開閉時期、開閉期間、及び、最大リフト量が変更され、吸気弁147のリフト量が最大となる最大バルブ作動特性Umax及び、吸気弁147のリフト量が最小となる最小バルブ作動特性Uminを境界値として、最大バルブ作動特性Umaxと最小バルブ作動特性Uminとの間の任意のバルブ特性で開閉作動される。ここで、図9では、最大バルブ作動特性Umaxの開時期及び閉時期をそれぞれ最進角位置Somax、最遅角位置Scmaxで示し、最小バルブ作動特性Uminの開時期及び閉時期をそれぞれ最遅角位置Somin、最進角位置Scminで示している。
吸気弁147は、その開時期が連続的に遅角されるにつれて、閉時期が連続的に進角されて開弁期間が連続的に短くなり、さらに、最大リフト量が得られるカムシャフト151の回転角が連続的に遅角されると共に、最大リフト量が連続的に小さくなる。図4に示す動弁カム52の揺動位置は、最小バルブ作動特性Uminが得られる揺動の初期位置であり、この状態から駆動機構60によってホルダ53が揺動され、動弁カム52が図4中の時計周り方向の揺動の初期位置の限界まで揺動されると、最大バルブ作動特性Umaxが得られる揺動位置となる。
図10は、最大バルブ作動特性Umaxの状態における吸気カム153及び吸気弁147の作動特性を示すグラフであり、横軸に吸気カム153の回転角を示し、縦軸にカム山部153Bのリフト量、カム山部153Bのリフト速度、カム山部153Bのリフト加速度、及び、吸気弁147のリフト量を示している。ここで、カム山部153Bのリフト量とは、吸気カム153の回転に伴って増加するカム山部153Bの高さを指し、リフト速度及びリフト加速度は、カム山部153Bの高さが変化する速度、及び、その際の加速度をそれぞれ指している。
図4に示すように、吸気カム153のベース円部153Aは、その中心Oからの半径が一定の円弧により構成され、カム山部153Bは、中心Oからの半径が径方向に増加した後に減少する円弧により構成されている。吸気カム153は、図10に示すカム山部153Bのリフト量を示す曲線が、この曲線の頂点Tを基準に左右対称となる形状に形成されている。ただし、カム山部153Bのリフト量を示す曲線は、本実施の形態においては頂点Tを基準にして左右対称になるように設計されているが、必ずしも左右対称である必要は無く、左右非対称であっても良い。
また、吸気カム153において、ベース円部153Aとカム山部153Bとの間には、ベース円部153Aからの高さが0から緩やかに増加する吸気カム緩衝部153Cが設けられている。この吸気カム緩衝部153Cは、図10に示すように、カム山部153Bのリフト速度が0から徐々に増加する増速部Hに対応している。
また、図4に示すように、動弁カム52において、カム山部52Bとベース円部52Aとの間には、ベース円部52Aからの高さが0から緩やかに高くなる緩衝部52Dが設けられており、この緩衝部52Dは、図10に示すように、吸気弁147のリフト量が0から略線形で徐々に増加或いは略線形で徐々に0に減少する緩衝部領域Gに対応している。緩衝部領域Gは、吸気弁147の開時期及び閉時期にそれぞれ設けられ、各緩衝部領域Gにおいて吸気弁147の開弁及び閉弁が開始される。また、図10中において緩衝部領域Gより上方の領域は、吸気弁147のリフト量が大きく増加するリフト領域Eとなっている。
バルブクリアランスMは、動弁カム52によるローラ51Cの押し下げが開始され、調整部51Bの下端がバルブクリアランスMの分だけ押し下げられた場合に0になる。バルブクリアランスMが0となるのは吸気弁147のリフト量が0から増加し始める時であり、図10においては、最進角位置Somax及び最遅角位置Sominに対応している。また、最遅角位置Scmax及び最進角位置Scminでは吸気弁147が閉弁され、その後、吸気カム153の回転に伴いバルブクリアランスMは0から正の値になって吸気弁147はバルブシートに着座する。
また、動弁カム52のベース円部52A(動弁カムのベース円)は、動弁カム52が揺動しても吸気弁147がリフトされない空走領域Fを有している。すなわち、空走領域Fは、動弁カム52のベース円部52Aがロッカアーム51のローラ51Cに当接した状態で動弁カム52が揺動する領域である。
吸気カム153には、図10に示すように、ベース円部52Aに連続する増速部Hと、増速部Hに連続して設けられ、カム山部153Bのリフト速度が一定な定速部Iと、定速部Iに連続して設けられ、カム山部153Bのリフト速度が正から負へ転換する速度転換部Jと、一定のリフト速度でリフト量が低下する定速部Kと、リフト量が徐々に低下し0に至る減速部Lとが形成されている。
また、吸気カム153は、カム山部153Bのリフト量が最も大きくなる頂点Tの角度位置を中心に、リフト量を示す曲線が左右対称となるように形成されている。
サブロッカアーム54は、吸気カム153のリフト量に比例した揺動量でサブロッカアーム支持部59Bを中心に揺動され、動弁カム52を揺動させる。動弁カム52の揺動角を図10の縦軸とした場合、動弁カム52の揺動角は吸気カム153のリフト量と略同一の曲線で変化する。
吸気弁147は、増速部Hから頂点Tまでの開弁区間で開弁され、吸気カム153の頂点Tに対応する位置でリフト量が最大になり、頂点Tから減速部Lの終端に至る閉弁区間では、開弁区間と対称なリフト量の曲線を伴って閉弁される。
増速部Hはリフト加速度が正の区間であり、増速部Hの前半の区間では、リフト加速度は0から放物線状に増加し、後半の区間ではリフト加速度は放物線状に低下し、増速部Hの終端ではリフト加速度が0となっている。サブロッカアーム54は、増速部Hにおいて増速部Hのリフト加速度に対応した揺動の加速度を得て揺動され、動弁カム52を駆動する。図10に示した最大バルブ作動特性Umaxの状態では、増速部Hは空走領域Fの開始と同時に開始され、開弁側の開側緩衝部領域Ga内で終了している。
定速部Iはリフト加速度が0の区間であり、定速部Iでは、増速部Hで増速されたリフト速度が一定に保たれてリフト量が増加する。定速部Iでは、サブロッカアーム54の揺動の速度(揺動角速度)は一定となる。図10に示した最大バルブ作動特性Umaxの状態では、定速部Iは開弁側の開側緩衝部領域Gaを含んでいる。
速度転換部Jは、リフト加速度が負の区間であり、前半部ではリフト速度が減速され、頂点Tでリフト速度が0になり、後半部ではリフト量が減る方向にリフト速度が加速される。
定速部Kはリフト加速度が0の区間であり、定速部Kでは、定速でリフト量が減少する。図10に示した最大バルブ作動特性Umaxの状態では、定速部Kは閉弁側の閉側緩衝部領域Gbを含んでいる。
減速部Lはリフト加速度が正の区間であり、終端に向かうにつれてリフト速度が減速されて、終端ではリフト加速度、リフト速度、及び、リフト量が0となっている。図10に示した最大バルブ作動特性Umaxの状態では、減速部Lは閉弁側の緩衝部領域G内で開始され、空走領域Fの終了と同時に終了する。
図11は、最大バルブ作動特性Umax及び最小バルブ作動特性Uminにおいて、カムシャフト151の回転角(吸気カム153の回転角)に対する動弁カム52の揺動角の変化と吸気弁147のリフト量の変化とを示すグラフである。ここで、動弁カム52の揺動角は、上述のように吸気カム153のリフト量と略同一の曲線で変化するものであり、図11では、動弁カム52の揺動角を示す各曲線に、対応する増速部H、定速部I、速度転換部J、定速部K、及び、減速部Lの範囲をそれぞれ図示している。
図11に示すように、最大バルブ作動特性Umaxでは、対応する増速部Hの始端部Hsは空走領域Fの始端に位置し、空走領域Fの開始と同時に吸気カム153のリフト量の増加が開始される。増速部Hの終端部Hfは、最大バルブ作動特性Umaxの開側緩衝部領域Ga内に位置し、吸気カム153のリフト速度の増速は開側緩衝部領域Ga内で終了する。吸気弁147の開時期である最進角位置Somaxは、増速部H内に位置し、増速部Hから開側緩衝部領域Gaが開始され、開側緩衝部領域Gaは定速部Iの中間部で終了する。動弁カム52の揺動角の増加に伴い速度転換部Jで吸気カム153のリフト量は最大値に達し、その後、定速部K及び減速部Lによってリフト量は減少し、最遅角位置Scmaxでリフト量は0になる。定速部Kの終端は閉側の閉側緩衝部領域Gb内に含まれている。また、減速部Lの終端は空走領域Fの終端に位置している。
最小バルブ作動特性Uminでは、対応する増速部Hの始端部Hsは空走領域Fの始端に位置し、空走領域Fの開始と同時に吸気カム153のリフト量の増加が開始される。増速部Hの終端部Hfは、開時期の最遅角位置Sominよりも進角側の空走領域Fに位置し、吸気カム153のリフト速度の増速は空走領域F内で終了する。定速部Iは空走領域Fから開始され、開時期である最遅角位置Sominは定速部I内に位置しており、開側緩衝部領域Gaは定速部I内で開始され、定速部I内で終了している。動弁カム52の揺動角の増加に伴い速度転換部Jで吸気カム153のリフト量は最大値に達し、その後、定速部K及び減速部Lによってリフト量は減少し、最進角位置Scminでリフト量は0になる。定速部Kの終端及び減速部Lの終端は空走領域Fの終端に位置している。
本実施の形態では、吸気カム153に緩衝移行部Sa及び緩衝定速部Sb(図12参照)を設けずに、吸気カム153のベース円部153Aから直接リフト速度が増速する増速部Hとしている。これにより、吸気カム153によってサブロッカアーム54の揺動を加速させる区間である増速部Hを、緩衝移行部Sa及び緩衝定速部Sbを設けない分だけ長くできる。これにより、サブロッカアーム54を緩やかに加速できるため、大きな揺動の加速度がかかることによるサブロッカアーム54の弾性変形を抑制でき、サブロッカアーム54の揺動を安定させて吸気弁147の作動特性を安定化できる。
また、最小バルブ作動特性Uminに対応する定速部Iは、開時期の最遅角位置Sominよりも進角側から、最小バルブ作動特性Uminの開側緩衝部領域Gaの最遅角側を含む角度幅まで、開側緩衝部領域Gaの全域を含んで設けられている。詳細には、最小バルブ作動特性Uminにおいては、定速部Iの始点と最遅角位置Sominとの間には、角度幅Xが設けられており、最大バルブ作動特性Umaxの側に変化するに伴って緩衝部領域Gが進角側にシフトしたとしても、そのシフト量が角度幅Xを超えない領域では、任意の開側緩衝部領域Gaの開時期は定速部I内に含まれる。ここで、開時期とは、吸気弁147の開弁動作の始点を意味し、最小バルブ作動特性Uminでは最遅角位置Sominを指している。
すなわち、定速部Iを、最も遅角側に位置する最小バルブ作動特性Uminの開側緩衝部領域Gaを少なくとも含む角度幅に亘って設けたため、最大バルブ作動特性Umaxの側に変化するに従って開側緩衝部領域Gaが進角側にシフトした場合においても、このシフト量が角度幅Xを超えない領域では、吸気カム153のリフト速度は、定速部Iの速度に保たれる。これにより、最小バルブ作動特性Umin及び最小バルブ作動特性Uminよりも進角側の大部分の任意のバルブ作動特性において、一定のリフト速度を有する定速部Iによって動弁カム52を揺動させて吸気弁147を開弁させることができる。つまり、カムシャフト151の回転速度が同一である場合、動弁カム52はバルブ作動特性にかかわらず同一の速度で揺動されるため、開時期においてバルブクリアランスMが0となる際に、ロッカアーム51の調整部51Bは吸気弁147の上端部に同一の速度で当接する。このため、バルブ作動特性の変更に伴う開時期の変化に伴って、バルブクリアランスMに起因する吸気弁147の打音が発生することを防止できる。
また、最大バルブ作動特性Umaxにおいては、開時期の最進角位置Somaxは対応する増速部Hに位置し、定速部Iよりも進角側に位置しているが、増速部Hのリフト速度は定速部Iの速度とほぼ同じなので、最進角位置Somaxが定速部Iよりも進角側に位置していることは、吸気弁147の打音の発生にほとんど影響しない。
さらに、最小バルブ作動特性Uminから最大バルブ作動特性Umaxまでの全域において、空走領域Fを拡大し、最大で増速部Hの始端部Hsと減速部Lの終端とが一致するまで増速部Hを拡大しても良い。この場合、増速部Hの長さを大きく確保でき、サブロッカアーム54にかかる揺動の加速度を低減できる。
また、始端部Hsが空走領域Fに位置し、吸気カム153によるサブロッカアーム54の揺動の加速が開始される時点では吸気弁147のリフトが開始されていないため、始端部Hsの付近における吸気カム153のリフト加速度の変化が吸気弁147のリフト動作に影響することが無く、吸気弁147の作動特性を安定化できる。
また、最大バルブ作動特性Umaxにおいては、増速部Hの終端部Hfを開側緩衝部領域Gaまで設けたため、増速部Hを長く確保してサブロッカアーム54にかかる加速度を低減できる。さらに、終端部Hfを吸気弁147のリフト量が大きく増加するリフト領域Eより進角側の開側緩衝部領域Gaまで設けたため、最大バルブ作動特性Umaxにおいて増速部Hを長く確保した場合においても、増速部Hでのリフト加速度が吸気弁147のリフト動作に大きく影響することが無く、吸気弁147の作動特性を安定化できる。ここで、増速部Hの終端部Hfが開側緩衝部領域Gaに含まれる状態となるのは、最大バルブ作動特性Umaxの場合だけではなく、開側緩衝部領域Gaが角度幅Yの範囲内で遅角側にシフトした場合の任意のバルブ特性である。
また、カム山部153Bのリフト量を示す曲線は頂点Tを中心に左右対称に設けられており、閉弁区間においても吸気カム153に緩衝移行部Sa及び緩衝定速部Sbを設けずに増速部Hと同様に構成された減速部Lを設けたため、減速部Lの長さを緩衝移行部Sa及び緩衝定速部Sbを設けない分だけ長くできる。これにより、閉弁時においてもサブロッカアーム54にかかる加速度を低減してサブロッカアーム54の弾性変形を抑制でき、サブロッカアーム54の揺動を安定させて吸気弁147の作動特性を安定化できる。
さらに、最大バルブ作動特性Umaxでは、減速部Lの始端部が動弁カム52の閉弁側の閉側緩衝部領域Gbの領域内であり、吸気弁147のリフト量が大きく減少された後の段階で吸気カム153の減速のリフト加速度が増加するため、減速部Lでのリフト速度の減速によるサブロッカアーム54の挙動が吸気弁147のリフト動作に大きく影響することが無く、吸気弁147の作動特性を安定化できる。
また、バルブ作動特性の全域において、減速部Lの終端部が吸気弁147のリフトを伴わない空走領域F内であるため、減速部Lの終端部で終了する吸気カム153のリフト速度の減速によるサブロッカアーム54の挙動が吸気弁147のリフト動作に影響することが無く、吸気弁147の作動特性を安定化できる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、吸気カム153に緩衝移行部Sa及び緩衝定速部Sbを設けずに、ベース円部153Aから直接リフト速度が増速する増速部Hを設けたため、吸気カム153によってリンク機構56のサブロッカアーム54の揺動を加速させる区間を、緩衝移行部Sa及び緩衝定速部Sbを設けない分だけ長くできる。これにより、サブロッカアーム54の揺動を緩やかに加速できるため、大きな揺動の加速度がかかることによるサブロッカアーム54の弾性変形を抑制でき、サブロッカアーム54の揺動を安定させて吸気弁147の作動特性を安定化できる。
また、吸気カム153のリフト速度が一定の定速部Iを、少なくとも吸気弁147の開時期の最遅角位置Sominが含まれる角度幅に亘って設けたため、最遅角位置Sominよりも進角側の区間の吸気カム153のリフト速度を定速部Iの速度にすることができる。これにより、最遅角位置Somin及び、最遅角位置Sominよりも進角側における開時期に対応する吸気カム153のリフト速度を、開閉時期にかかわらず定速部Iの速度とすることができ、吸気弁147を開閉させる動弁カム52の揺動速度を定速にできるため、開閉時期の変更に伴って吸気弁147の打音が発生することを防止できる。
また、吸気弁147のリフトを伴わない空走領域Fを動弁カム52のベース円部52Aに設け、空走領域Fを大きくとることにより、吸気カム153の増速部Hの長さを大きく確保でき、サブロッカアーム54にかかる加速度を低減できる。また、増速部Hの始端部Hsにおける吸気カム153のリフトの加速度が吸気弁147のリフト動作に影響しないため、吸気弁147の作動特性を安定化できる。
さらに、増速部Hの終端部Hfを動弁カム52の開側緩衝部領域Ga手前または開側緩衝部領域Ga内まで設けたため、増速部Hを長く確保してサブロッカアーム54にかかる加速度を低減できる。さらに、増速部Hの終端部Hfは定速部Iと略同等の速度であるため、吸気弁147のリフトの開側緩衝部領域Ga内まで増速部Hの終端部Hfを設けた場合でも、最進角位置Somax及び最遅角位置Sominにおける吸気弁147の打音の発生状況に差を生ずることなく、吸気弁147の作動特性を安定化できる。
また、吸気弁147は定速部Iにより同じ揺動角速度で揺動される動弁カム52により開閉されるので、開弁時の打音を小さくできる。最大バルブ作動特性Umaxでは動弁カム52の開側緩衝部領域Gaが定速部I内に無い部分があるが、揺動角速度の変化はあまりないので、増速部Hを大きくしてサブロッカアーム54の弾性変形を最小限にできる。
また、空走領域Fを拡大し、最大で増速部Hの始端部Hsと減速部Lの終端とが一致するまで増速部Hを拡大することで、増速部Hの長さを最大にすることができ、サブロッカアーム54の弾性変形を最小限にできる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記実施の形態においては、最小バルブ作動特性Uminにおいて、定速部Iは、最遅角位置Sominよりも進角側から最小バルブ作動特性Uminの開側緩衝部領域Gaの最遅角側を含む角度幅に亘って設けられているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、定速部Iは、少なくとも吸気弁147の開時期の最遅角位置Sominが含まれる角度幅に亘って設けられれば良い。例えば、定速部Iが開側緩衝部領域Gaの全域を含まずに、最遅角位置Sominの近傍のみを含んでも良い。さらに、定速部Iが、最小バルブ作動特性Uminから最大バルブ作動特性Umaxまでの全域において吸気弁147の開時期を含むようにしても良い。
また、上記実施の形態では詳細な説明を省略したが、排気カム154についても吸気カム153と同様に増速部H及び定速部Iが設けられている。これにより、排気側の動弁装置50においても、サブロッカアームの弾性変形を抑制して排気弁148の作動特性を安定化できると共に、バルブクリアランスMに起因する排気弁148の打音が発生することを防止できる。その他の自動二輪車10の細部構成についても任意に変更可能であることは勿論である。
本発明の実施形態に係るクルーザタイプの自動二輪車の側面図である。 エンジンの内部構造を側方から見た図である。 図2の前バンクの内部構造を拡大して示す図である。 動弁装置を示す一部破断側面図である。 前バンクの動弁装置を後部側から見た縦断面図である。 動弁装置を示す斜視図である。 駆動機構を側面側から見た縦断面図である。 駆動機構を前部側から見た縦断面図である。 吸気弁のバルブ作動特性を示す図である。 吸気カム及び吸気弁の作動特性を示すグラフである。 カムシャフトの回転角に対する動弁カムの揺動角の変化と吸気弁のリフト量の変化とを示すグラフである。 従来の駆動カムの動作特性を示すグラフである。
17 エンジン(内燃機関)
50 動弁装置
52 動弁カム
52A ベース円部(動弁カムのベース円)
52B カム山部
52D 緩衝部
54 サブロッカアーム
56 リンク機構
60 駆動機構
105 クランクシャフト(クランク軸)
147 吸気弁(機関弁)
148 排気弁(機関弁)
151 カムシャフト(カム軸)
153 吸気カム(駆動カム)
153A ベース円部(ベース円)
153B カム山部(カム山)
F 空走領域
L 減速部
Ga 開側緩衝部領域(緩衝部領域)
H 増速部
Hf 終端部
Hs 始端部
I 定速部
Sa 緩衝移行部
Sb 緩衝定速部
Somin 最遅角位置(開時期の最遅角位置)

Claims (5)

  1. 内燃機関のクランク軸に連動して回転するカム軸と、吸気弁または排気弁からなる機関弁を開閉作動させるべく前記カム軸に枢支される動弁カムと、前記カム軸と一体に回転する駆動カムにより前記動弁カムを前記カム軸を中心に揺動させるリンク機構と、前記リンク機構を前記カム軸を中心に揺動させる駆動機構とを備え、
    前記動弁カムの緩衝部において前記機関弁の開弁及び閉弁が開始され、前記駆動機構が前記リンク機構を介して前記動弁カムを前記カム軸を中心に揺動させることにより前記機関弁の開閉時期が制御される内燃機関の動弁装置において、
    前記駆動カムのベース円からカム山へ移行する際の緩衝移行部及び緩衝定速部を設けずに、前記緩衝移行部及び前記緩衝定速部を前記駆動カムのリフト速度が増速する増速部とし、続いて前記駆動カムのリフト速度が一定の定速部とし、該定速部は、少なくとも前記機関弁の開時期の最遅角位置が含まれる角度幅に亘って設けられること、
    を特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 前記増速部の始端部は、前記動弁カムが揺動しても前記機関弁のリフトを伴わない、前記動弁カムのベース円上に設けた空走領域内にあること、
    を特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 前記増速部の終端部は、前記動弁カムの緩衝部領域手前または緩衝部領域内であること、
    を特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 前記増速部の終端部は、最大バルブ特性においては前記動弁カムの緩衝部領域内であり、最小バルブ特性においては、前記動弁カムの緩衝部領域手前であり、前記動弁カムの緩衝部領域は前記定速部の領域内にあること、
    を特徴とする請求項3記載の内燃機関の動弁装置。
  5. 前記駆動カムの定速部の終端からベース円に至る減速部を設け、前記増速部の始端部と前記減速部の終端部とが一致するまで前記増速部を設けたこと、
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の動弁装置。
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