JP5238511B2 - レドックスメディエータとしてのルテニウム錯体の使用、検知システム及びルテニウム錯体 - Google Patents
レドックスメディエータとしてのルテニウム錯体の使用、検知システム及びルテニウム錯体 Download PDFInfo
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Description
x及びnは独立に、1〜6から選択された整数であり、yは1〜5から選択された整数であり、mは−5〜+4の整数であり、zは−2〜+1の整数であり、
Aは一座又は二座の芳香族配位子であって1個又は2個の窒素原子を含み、
Bは、窒素含有複素環式配位子を除く適切な配位子であるように独立に選択され、
Xは適切な対イオンであって、
任意にAは、置換又は無置換のアルキル、アルケニル又はアリール基、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−NHNH2、−SH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、−OH、アルコキシ、−NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アリールカルボキサミド、アルキルヒドラジノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシアミノ、アルキルチオから、独立に選択された1〜8個の基で置換され、
配位原子数は6である。
基R2はHであるように選択することができる。
x及びnは独立に、1〜6から選択された整数であり、yは0〜5から選択された整数であり、mは−5〜+4の整数であり、zは−2〜+1の整数であり、Aは二座、三座、四座、五座又は六座配位子であって、式R1RN(C2H4NR)WR1を有する直鎖式、又は式(RNC2H4)v、(RNC2H4)p(RNC3H6)q若しくは[(RNC2H4)(RNC3H6)]sを有する環式であることができ、wは1〜5の整数であり、vは3〜6の整数であり、p及びqは1〜3の整数であってpとqとの和が4、5又は6であり、sは2又は3であり、R及びR1は水素又はメチルであり、
Bは、適切な配位子であるように独立に選択され、
Xは適切な対イオンであって、
任意にBは、置換又は無置換のアルキル、アルケニル又はアリール基、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−NHNH2、−SH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、−OH、アルコキシ、−NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アリールカルボキサミド、アルキルヒドラジノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシアミノ、アルキルチオから、独立に選択された1〜8個の基で置換され、
配位結合数は6である。
式I又は式IIの錯体内の金属の酸化状態は2+、3+又は4+であるように選択することができる。
式I又は式IIの配位子A及びBは、+2、+1、0、−1、−2及び−3の群から選択することができる。
式I又は式IIの錯体は、pH6〜10で使用することができる。式I又は式IIの錯体は、pH7〜9で使用することができる。
(a) 式I又は式IIに従うRu含有化合物又はOs含有化合物の群から選択されたレドックスメディエータを含む溶液に、検体を含む試料を接触されるステップと、
(b) 接触した試料を、酵素が検体に作用するようになる条件下で培養するステップと、
(c) ステップ(b)で培養した試料を、測定可能な信号変化が生じる条件に掛けるステップと、
(d) その結果生じた信号を測定するステップとを含む検知システムが提供される。
x及びnは独立に、1〜6から選択された整数であり、yは1〜5から選択された整数であり、mは−5〜+4の整数であり、zは−2〜+1の整数であり、
Aは一座又は二座の芳香族配位子であって1個又は2個の窒素原子を含み、
Bは、窒素含有複素環式配位子を除く1個以上の適切な配位子であるように独立に選択され、
Xは適切な対イオンであって、
任意にAは、置換又は無置換のアルキル、アルケニル又はアリール基、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−NHNH2、−SH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、−OH、アルコキシ、−NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アリールカルボキサミド、アルキルヒドラジノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシアミノ、アルキルチオから、独立に選択された1〜8個の基で置換され、
配位原子数は6である。
x及びnは独立に、1〜6から選択された整数であり、yは0〜5から選択された整数であり、mは−5〜+4の整数であり、zは−2〜+1の整数であり、
Aは二座、三座、四座、五座又は六座配位子であって、式R1RN(C2H4NR)WR1を有する直鎖式、又は式(RNC2H4)v、(RNC2H4)p(RNC3H6)q若しくは[(RNC2H4)(RNC3H6)]sを有する環式であることができ、wは1〜5の整数であり、vは3〜6の整数であり、p及びqは1〜3の整数であってpとqとの和が4であり、sは2又は3であり、R及びR1は水素又はメチルであり、
Bは、適切な配位子であるように独立に選択され、
Xは適切な対イオンであって、
任意にAは、置換又は無置換のアルキル、アルケニル又はアリール基、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−NHNH2、−SH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、−OH、アルコキシ、−NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アリールカルボキサミド、アルキルヒドラジノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシアミノ、アルキルチオから、独立に選択された1〜7個の基で置換され、
配位原子数は6である。
式I又は式IIの錯体内の金属の酸化状態は、2+又は3+であるように選択することができる。式I又は式IIの錯体内の金属の酸化状態は、3+であるように選択することができる。
対イオンは、F−、Cl−、Br−、I−、NO3 −、NH4 +、NR4 +、PF6 −、CF3SO3 −、SO4 2−、ClO4 −、K+、Na+、LI+から選択することができる。対イオンの組み合わせを使用することができる。
「アルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素を含む。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第三ブチル、シクロペンチル及び類似の基が含まれる。別途記載のない限り、「アルキル」という用語はアルキル基とシクロアルキル基との両方を含む。
「置換」官能基(例えば置換アルキル、アルケニル又はアルコキシ基)は、次の基から選択された少なくとも1つの置換分を含む。すなわち、ハロゲン、アルコキシ、メルカプト、アリール、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、−OH、−NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルカノイルアミノ、ジアルカノイルアミノ、アリールカルボキミド、ヒドラジノ、アルキルチオ、アルケニル及び反応性基。
「電気化学的センサ」とは、電気化学的な酸化又は還元反応を介して試料内の検体の存在を検知するか又はその濃度若しくは量を測定するように構成された装置である。これらの反応は通常、検体の量又は濃度に相関させることのできる電気的信号に変換することができる。
「参照電極」という用語は、別途指定のない限り、a)参照電極と、b)対電極としても機能できる参照電極(すなわち対・参照電極)との両方を含む。
「測定可能な信号」という用語は、電極電位、蛍光、スペクトル吸収、発光、光散乱、NMR、IR、質量分析、熱変化又は圧電変化のような容易に測定することのできる信号を意味する。
一座、二座及び三座とは、本発明に従う場合、当該技術分野において一般に認められた意味を持つ。すなわち、一座配位子は、1個の潜在的配位原子を有する化学部分又は基として定義される。2個以上の潜在的配位原子は多座配位子と呼ばれ、潜在的配位原子の数が、二座、三座などという用語で示される。
全ての溶液は、ミリポアシナジー185浄水システムによるミリQ試薬水、又は試薬等級の溶媒を用いて調製された。全ての固体は、更に精製することなく受け取ったままの状態で使用された。メディエータは、酵素仲介を用いてか又は酵素カスケードを用いて仲介を試験した。酵素カスケード用の電極及び配合は、出願人らの同時係属出願WO200356319において記載されている。
[RuIII(NH3)5(py−3−COOH)](PF6)2(CF3SO3)、[RuIII(acac)2(py−3−COOH)(py−3−COO)]、[RuIII(3−Bracac)2(py−3−COOH)(py−3−COO)]、[RuIII(acac)2(2,2’−bpy−5,5’−(COOH)(COO)]、[RuIII(acac)2(2,2’−bpy−4,4’−(COOH)(COO)]、[RuIII(acac)2(2,2’−bpy)]Cl、[RuIII(acac)2(py−4−COOH)(py−4−COO)]、[RuIII(5−Cl−QuIn)2(py−3−COOH)(py−3−COO)]、[RuIII(Me6−tet)(acac)](PF6)(CF3SO3)、[RuIII(Me6−tet)(acac)]Cl2、[OsII(2,2’−bpy)2(acac)]Cl、[Ru(2,2’−bpy)2(acac)]Cl、[RuII(2,2’−bpy)2(C2O4)]、K[RuIII(C2O4)2(py−3−COOH)2]及び[RuIII(Me3−TACN)(acac)(py)](NO3)2であって、
式中、py=ピリジン、3−Bracac=3−ブロモ−2,4−ペンタンジオネート、acac=2,4−ペンタンジオネート、2,2’−bpy=2,2’−ビピリジン、2,2’−bpy−5,5’−(COOH)2=2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸、Me6−tet=1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、Me3−TACN=1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、5−Cl−QuIn=5−クロロ−8−ヒドロキシキノリンであるもの。
RuCl3・3H2O(ヘレウス)
ヒドラジン一水和物(80%、RDH)
ニコチン酸(アルドリッチ)
p−トルエンスルホン酸銀(アルドリッチ)
トリフルオロメタンスルホン酸銀(アルドリッチ)
ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(アルドリッチ)
クロロペンタアミンルテニウム(III)塩化物である[Ru(NH3)5Cl]Cl2を、文献の方法(A.D.アレン、Inorg.Synth.1970、12、2)に従って三塩化ルテニウムから調製し、0.1MのHClからの40℃での再晶出により精製した。
[Ru(NH3)5Cl]Cl2(1.0g、3.4mmol)を40mLの水に懸濁した懸濁液に、2等量のp−トルエンスルホン酸銀(1.9g、6.8mmol)を加えた。混合液を室温で1時間撹拌した後、溶液を濾過してAgClを除去した。その結果生じた淡黄色の溶液をアルゴンで脱気した後、溶液に4倍過剰のニコチン酸(py−3−CO2H、1.67g、13.6mmol)と、12〜15片の粒状亜鉛アマルガム(約10g)とを加えた。混合液をAr下において室温で2時間撹拌した後、溶液を濾過した。その結果生じた赤橙色の溶液に、過剰のヘキサフルオロリン酸アンモニウム(NH4PF6、3g)を加え、混合液を4℃で一晩放置した。濾過してアセトン/ジエチルエーテルからこの粗生成物を再晶出させた後、0.6gの[RuII(NH3)5(py−3−CO2H)](PF6)2を得た。(収率:29.5%)
[RuIII(NH3)5(py−3−CO2H)](PF6)2(CF3SO3)
[RuII(NH3)5(py−3−CO2H)](PF6)2(160mg、0.27mmol)を30mLのアセトンに溶解した溶液に、1.3等量のトリフルオロメタンスルホン酸銀(AgCF3SO3、89mg)を加え、混合液を暗所において室温で1時間撹拌した。遠心分離により銀を除去し、淡黄色の溶液を得た。その結果生じた溶液を250mLのジメチルエーテルに滴下で加えながら撹拌し、混合液を4℃で3時間放置して淡黄色の沈殿を得た。生成物をジエチルエーテルで洗浄し、アセトン及びジエチルエーテルから再晶出させた。(収率:90mg、44%)
≪[RuII(acac)2(py−3−COOH)2]の合成≫
シス−[RuII(acac)2(py−3−COOH)2](200mg)を0.1MのNH3に溶解した後、濾過した。赤褐色の濾過液を空気中で一晩(約18時間)撹拌し、濃紫色の溶液を得た。溶液を濾過して蒸発乾固させた。濃紫色の残分を収集し、アセトン及びジエチルエーテルで洗浄した後、空気乾燥させた。(収量:150mg)
≪シス−[RuIII(3−Bracac)2(py−3−COO)(py−3−COOH)]の合成≫
≪[RuIII(acac)2(2,2’−bpy)]Clの合成≫
[Bu4N]Cl(463mg、1.667mmol)をアセトン(15mL)に溶解した溶液を、[RuIII(acac)2(2,2’−bpy)](PF6)(200mg、0.333mmol)を20mLのアセトンに溶解した溶液に滴下で加えながら、室温で撹拌した。紫色の沈殿を濾過により収集し、アセトン及びジエチルエーテルで洗浄した後、空気乾燥させた。沈殿をアセトニトリルに溶解し、ジエチルエーテルによる蒸気拡散を介した晶出によって精製した。(収率=50%)
≪[RuII(acac)2(py−4−COOH)2]の合成≫
≪[RuIII(acac)2(py−4−COOH)(py−4−COO)]の合成≫
RuII(acac)2(py−4−COOH)2(250mg)を0.1MのNH3に溶解した後、濾過した。赤褐色の濾過液を空気中で一晩撹拌し、紫色の溶液を得た。溶液を濾過した後、蒸発乾固させた。紫色の沈殿を収集し、アセトン及びジエチルエーテルで洗浄した後、空気乾燥させた。収率=50%。E0=0.12V対NHE、pH=8(リン酸緩衝液)において。
[RuII(Tet−Me6)(acac)](PF6)(125mg、0.22mmol)を10mLのアセトンに溶解した溶液に、AgCF3SO3(67mg、0.26mmol)を加えた。褐色の溶液は直ちに青色に変化し、この混合液を暗所で30分間撹拌した。溶液内の金属銀を遠心分離により除去した後、青色の溶液を、約80mLのジメチルエーテルにゆっくりと加えた。青色の沈殿を濾過により収集し、ジメチルエーテルで洗浄した後、真空中で一晩乾燥させた。収率=70%。E0=0.18V対NHE、pH=8(リン酸緩衝液)において。
[Ru(Me6−tet)(acac)](PF6)(CF3SO3)をMeOHに溶解した溶液に、[n−Bu4N]Clを加えることにより、[Ru(Me6−tet)(acac)]Cl2の沈殿が生じ、当該沈殿を濾取し、真空中で一晩乾燥させた。
三塩化ルテニウム三水和物(1.0g)を、ジメチルスルホキシド(5mL)内で5分間還流した。体積を真空中で半減させ、アセトン(20mL)を加え、黄色の沈殿を得た。分離した黄色の錯体を濾取し、アセトン及びエーテルで洗浄し、真空乾燥させた。
RuII(DMSO)4Cl2(1.0g、2.1mmol)を無水エタノール(25mL)に混合した混合液に、L(0.80g、4.7mmol)(L=1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)を加えながら撹拌した。懸濁液を、深赤色〜褐色の溶液が得られるまで、1時間掛けて60℃まで加熱し、当該溶液をその後、2時間還流した。溶媒を減圧下で回転器により蒸発除去した。赤〜橙色の残分を濃HClで処理し、空気の存在下において還流下で30分間加熱した。橙色の微結晶性固体を濾過により収集し、水、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄し、空気乾燥させた。
ナトリウム2,4−ペンタンジオネート(acac)(3.0g、約24mmol)を水(60mL)に溶解した溶液に、固体RuIII(L)Cl3(2.0g、5.0mmol)を少量ずつ加えながら、周囲温度で撹拌した。混合液を、透明な赤色の溶液が得られるまで3.5時間撹拌した。NaPF6(2.0g)をH2O(5mL)に溶解した溶液を加え、0℃まで冷却すると、橙色の微結晶の沈殿が始まり、当該微結晶を濾過により収集し、ジエチルエーテルで洗浄し、空気乾燥させた。
無水エタノール/ピリジン(5mL)(4:1、v/v)内に[RuIII(L)(acac)(OH)]PF6(105mg、0.20mmol)を含む溶液を加熱し、10片の亜鉛アマルガムの存在下においてアルゴン雰囲気下で4時間還流した。周囲温度まで冷却した後、赤色の微結晶性沈殿を濾過により収集し、ジエチルエーテルで洗浄し、空気乾燥させた。生成物を、アセトン/ジエチルエーテルから再晶出させた。収率:94mg、79%。ESI/MS(正イオンモード):m/z=451[M]+。RuIII/IIのE1/2=−0.18V対Fc+/0、0.1MのTBAHを含むCH3CN内において。
Ru(acac)3(200mg、0.5mmol)と4,4’−(COOH)2−2,2’−bpy(122mg、0.5mmol)とを30mLのエタノールに混合した赤色の混合液を、数片の粒状Zn/Hgアマルガムと共にアルゴン下で一晩還流した。その結果生じた褐色の混合液を冷却し、亜鉛アマルガムをピンセットで除去した。褐色の沈殿を収集し、エタノール及びジエチルエーテルで洗浄した。褐色の固体をその後、50mLの0.1MのNH3に溶解し、濾過し、空気中で一晩撹拌して紫〜赤色の溶液を得た。溶液を濾過した後、蒸発乾固させた。紫色の沈殿を収集し、アセトン及びジエチルエーテルで洗浄した後、空気乾燥させた。収率:45%。E0=0.21V対NHE、pH=8(リン酸緩衝液)において。
≪サイクリックボルタンメトリーを用いる仲介試験(PdR)≫
還元型で合成したメディエータ、すなわち、[RuIII(5−Cl−QuIn)2(py−3−COOH)(py−3−COO)]及び[OsII(2,2’−bpy)2(acac)]Clを試験するために一式の実験に着手し、かかる実験においてRu2+(RuII(5−Cl−QuIn)2(py−3−COOH)(py−3−COO)又はOs2+([OsII(2,2’−bpy)2(acac)]Cl)を、NADHの存在下で電気化学的に酸化させた。プチダレドキシン還元酵素(PdR)(仲介酵素)を加えると、酸化電流の大幅な増加と、リバース走査での還元ピークの不存在とによって特定される電極触媒作用が生じた。
一連のプチダレドキシン還元酵素(バイオカタリスツ社、ウェールズ)溶液を、次のようにして作成した。すなわち、0.1Mにしたトリズマ(登録商標)調製済み結晶pH9(シグマ・アルドリッチ社)にPdRを溶解し、10mg/mLの原液を得て、当該原液を連続希釈し、異なるPdR濃度の溶液を得た。その後、これらの溶液と、メディエータを含むNADH(シグマ・アルドリッチ社)又はTNADH(オリエンタル酵母社、日本)溶液とを1:1(v:v)で混合した。全ての最終試験溶液は、1mMのメディエータと、5mMのTNADH(又は10mMのNADH)と、様々な濃度のPdR(5mg/mL〜0.1mg/mL)とを含んだ。
一連のブドウ糖酸化酵素(GOx)(シグマ・アルドリッチ社)溶液を、次のようにして作成した。すなわち、0.1Mにしたトリズマ(登録商標)調製済み結晶pH7(シグマ・アルドリッチ社)にGOxを溶解し、10mg/mLの原液を得て、当該原液を連続希釈し、異なるGOx濃度の溶液を得た。その後、これらの溶液と、メディエータを含むNADH(シグマ・アルドリッチ社)又はTNADH(オリエンタル酵母社、日本)溶液とを1:1(v:v)で混合した。全ての最終試験溶液は、1mMのメディエータと、5mMのTNADH(又は10mMのNADH)と、様々な濃度のGOx(2.5mg/mL〜0.5mg/mL)とを含んだ。
新規メディエータ[Ru(II)(py−3−COOH)(NH3)5](PF6)2の電気化学的応答を定量するために、10mMのメディエータ溶液(脱酸素化していない水を用いて調製した)を標準電極上に位置づけ、サイクリックボルタンメトリーを用いて試験した。
新規メディエータ[RuII(py−3−COOH)(NH3)5](PF6)2の還元型の、溶在酸素による直接的酸化に対する安定性を試験するために、センサを、嫌気性条件と好気性条件との両方における繰り返し酸化により試験した(同じ溶液を用いて)。
結果は、新規メディエータの酸化電流が、試験を繰り返す間に−11回の繰り返し酸化で約12%−減少したことを示したが、Ru(NH3)6Cl2と比較した場合、溶在酸素の影響は大幅に低下した。
実験1において説明した条件下で、0.1MのpH9のトリス内におけるメディエータ[RuII(py−3−COOH)(NH3)5](PF6)2)のボルタンメトリーを調査し、それが依然として同じであるか否かを定量した。100mV/秒の掃引速度を用いてサイクリックボルタンメトリーを行い、+0.5V及び−0.35VvsAg/AgClを掃引限界として0Vから始めて最初は正方向に掃引した。図3は、水(0.1MのKClを含む)内及び0.1MのトリスpH9内におけるメディエータのボルタモグラムを示す。ボルタモグラムは非常に似ており、ピーク電位及び絶対電流がほぼ同じであった。Ru3+種の還元の、Ru2+種の酸化に比べて小さいピークによって、溶液内の種が大部分はRu2+であることが示された。Ru(NH3)6Cl2を用いて着手された同様の実験では、Ru2+/Ru3+酸化還元対の50:50のピーク電流比が示された。
酸素による酸化に対するメディエータ[RuII(py−3−COOH)(NH3)5](PF6)2の安定性を、標準電極上で調査した。1%のタウロコール酸ナトリウム(NaTC)と、50mMのMgSO4と、0.1MのKClとを含む0.1Mのトリス緩衝液pH9に10、5及び1mMの新規メディエータを溶解した溶液を調製した後、標準電極上で繰り返し時間手順を用いて+0.25VvsAg/AgClの電位で試験した。結果を図4に示す。データによると、試験した全てのメディエータ濃度において新規メディエータが酸素による酸化に対して安定している。新規メディエータの較正グラフは156nA/mMの勾配を示しており、それに比べて、標準的なルテニウムヘキサミンメディエータでは199nA/mM(同じ電極シートに関する記録値)であった。グラフからの%CV(分散係数)(2.84%)は、標準的ルテニウムヘキサミンに関する観測値(2.81%)とほとんど同一であった。データによると、グラフの切片は95nAであり、ルテニウムヘキサミンに関する観測値(72nA)に匹敵する。
新規メディエータ[RuII(py−3−COOH)(NH3)5](PF6)2がブドウ糖酸化酵素(GOx)への電子の行き来を仲介できるか否かを試験するために、新規メディエータの(部分的に酸素で酸化した)溶液にGOxの部分標本を加えた。その他の全ての条件は、実験3において説明した通りであった。図5は、その結果としてGOxの不存在下及び存在下の記録されたボルタモグラムを示す。新規メディエータがGOxと電極との間において電子移動を仲介できることを、データは示した。
メディエータ[RuIII(NH3)5(py−3−COOH)](PF6)2(CF3SO3)を、裸センサ上におけるサイクリックボルタンメトリーにより調査した。0.1Mのトリス(pH9.0)、0.1MのKCl及び1%w/vの界面活性剤(NaTC又はCHAPS)内において50mMのメディエータ溶液を調製した。メディエータは容易に溶解し、非常に濃い黄色の溶液になった。100mV/秒の掃引速度を用いてサイクリックボルタンメトリーを行い、+0.7V及び−0.7VvsAg/AgClを掃引限界として0mVから始めて最初は正方向に掃引した。各ウェルにおいて2回の掃引を行い、2回目の掃引を保存した(図6)。サイクリックボルタモグラムは、各々の界面活性剤タイプについて全く同じであった。ボルタモグラムは、2つの還元ピークと1つの酸化ピークとに加え、酸化波上の更なる肩状部をも示し、材料が何らかの不純物を含む可能性があることを暗示する。ピークの酸化電位はRuヘキサミンよりも正の値が大きく、酸化クロノ電流測定実験用に+250mVvsAg/AgClの電位が選択された。還元実験用の電位は変更せず、−300mVのままにした。
ヘキサミン錯体に比べて明らかに増大した新規メディエータ[RuIII(NH3)5(py−3−COOH)](PF6)2(CF3SO3)のこの安定性を更に調査するために、時間期間を延長した繰り返し時間測定を用いて第二実験を行った。
図9は、低酸素雰囲気中(還元型)及び空気中(酸化型)におけるメディエータの外観を示す。まず容器内で水を沸騰させ、次に容器を密封した後、N2で20分間パージすることにより、低酸素溶液を調製した。その後、容器をパラフィルムで密封し、不活性雰囲気グローブボックス(≪9ppmO2)に移した。いったん内部に入れた後、この脱酸素化水を用いて0.1MのKClを作成し、次いでこれに新規メディエータに加え、10mM溶液にした。当該溶液は赤色を呈した(図左下)のに対して、酸素化水を用いて作成した(そして4時間放置した)溶液は黄色を呈する(図右)。
本発明の錯体は、正又は負電荷が低く(pH7〜10で+2〜−1)、分析混合物及び電極の成分と錯体を形成する力がより弱いか又は全くなく、よって、電気化学的プロセスの信頼性、安定及び再現可能性を高める。加えて、酸素分子によるルテニウム(II)種の急速な酸化が確実に起こらない点にも注目すべきである。
Claims (34)
- レドックスメディエータとしての式Iの錯体の使用であって、
xが1〜6から選択された整数であり、nが0〜6から選択された整数であり、yが1〜5から選択された整数であり、mが−5〜+4の整数であり、zが−2〜+1の整数であり、
Aが一座又は二座の芳香族配位子であって1個又は2個の窒素原子を含み、
Bが、アミン、CO、CN、ハロゲン、アセチルアセトナト(acac)、3−ブロモ−アセチルアセトナト(Bracac)、シュウ酸、又は5−クロロ−8−ヒドロキシキノリンから選択されたものであり、
Xが、F−、Cl−、Br−、I−、NO3 −、NH4 + 、PF6 −、CF3SO3 −、SO4 2−、ClO4 −、OH−、K+、Na+、及びLi+から選択された対イオンであり、
任意にAが、置換又は無置換のアルキル、アルケニル又はアリール基、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−NHNH2、−SH、アリール、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、−OH、アルコキシ、−NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アリールカルボキサミド、ヒドラジノ、アルキルヒドラジノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシアミノ、及びアルキルチオから、独立に選択された1〜8個の基で置換され、配位原子数が6である
ことを特徴とする、レドックスメディエータとしての式Iの錯体の使用。 - Aが、1個以上のCO2R2基で置換した一座配位子、又は1個以上のCO2R2基で任意に置換した二座若しくは三座配位子であることを特徴とする、請求項1に記載のレドックスメディエータとしての式Iの錯体の使用。
- R2がHであることを特徴とする、請求項2に記載のレドックスメディエータとしての式Iの錯体の使用。
- Aが、ニコチン酸、イソニコチン酸、2,2’−ビピリジン、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸、2,2−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸、及び5−クロロ−8−ヒドロキシキノリンから選択されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレドックスメディエータとしての式Iの錯体の使用。
- A又はBが二座であるように選択された場合、錯体の配位がシス形又はトランス形であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の使用。
- 金属の酸化状態が2+、3+又は4+であるように選択されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の使用。
- 金属の酸化状態が3+であることを特徴とする、請求項5に記載の使用。
- 錯体上の全電荷が+3、+2、+1、0、−1、−2及び−3の群から選択されるように配位子A及びBが選択されることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の使用。
- 対イオンの組み合わせが使用されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
- 前記錯体が[RuIII(NH3)5(ピリジン−3−COOH)](PF6)2(CF3SO3)、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(ピリジン−3−COOH)(ピリジン−3−COO)]、[RuIII(3−ブロモ−2,4−ペンタンジオネート)2(ピリジン−3−COOH)(ピリジン−3−COO)]、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(2,2’−ビピリジン−5,5’−(COOH)(COO)]、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(2,2’−ビピリジン−4,4’−(COOH)(COO)]、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(2,2’−ビピリジン)]Cl、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(ピリジン−4−COOH)(ピリジン−4−COO)]、[RuIII(5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン)2(ピリジン−3−COOH)(ピリジン−3−COO)]、[Ru(2,2’−ビピリジン)2(2,4−ペンタンジオネート)]Cl、[RuII(2,2’−ビピリジン)2(C2O4)]、又はK[RuIII(C2O4)2(ピリジン−3−COOH)2]のいずれかであることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の使用。
- 前記錯体が[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(ピリジン−3−COOH)(ピリジン−3−COO)]であることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
- レドックスメディエータが電気化学的センサ内で使用されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の使用。
- 電気化学的センサが微小帯電極を含むことを特徴とする請求項12に記載の使用。
- 電気化学的センサが電気化学的バイオセンサであることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
- 前記電気化学的バイオセンサが、体液、環境試料、食品及び飲料、獣医学的試料、医薬内において検体を検知するために使用されることを特徴とする、請求項14に記載の使用。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載された式Iのルテニウム錯体の、バイオセンサ内における使用。
- 錯体がpH6〜10で使用されることを特徴とする、請求項16に記載の使用。
- 錯体がpH7〜9で使用されることを特徴とする、請求項17に記載の使用。
- バイオセンサが、適合した検体と共に使用されることを特徴とする、請求項16乃至18のいずれか一項に記載の使用。
- 検体が、生体液内に見出されることになり、また、酵素、酵素基質、抗原、抗体、核酸配列、コレステロール、コレステロールエステル、リポ蛋白、中性脂肪又は微生物のいずれかからも選択できることを特徴とする、請求項19に記載の使用。
- (a) 請求項1の式IのRu含有化合物の群から選択されたレドックスメディエータと酵素とを含む溶液に、検体を含む試料を接触されるステップと、
(b) 酵素が検体に作用するようになる条件下で接触試料を培養するステップと、
(c) ステップ(b)の培養試料を、測定可能な信号変化が生じる条件に掛けるステップと、
(e) その結果生じた信号を測定するステップとを含む検体を測定する検知システム。 - 測定可能な信号が、電気化学、比色分析、熱、インピーダンス測定、容量又は分光の各信号である、請求項21に記載のシステム。
- 測定可能な信号が、微小帯電極を用いて測定される電気化学的信号である、請求項22に記載のシステム。
- 電気化学的信号が、電流測定検知方法において微小帯電極を用いて検知される、請求項23に記載のシステム。
- 式Iの錯体であって、
xが1〜6から選択された整数であり、nが0〜6から選択された整数であり、yが1〜5から選択された整数であり、mが−5〜+4の整数であり、zが−2〜+1の整数であり、
Aが一座又は二座の芳香族配位子であって1個又は2個の窒素原子を含み、
Bが、CO、CN、ハロゲン、アセチルアセトナト(acac)、3−ブロモ−アセチルアセトナト(Bracac)、シュウ酸、又は5−クロロ−8−ヒドロキシキノリンから選択されたものであり、
Xが、F−、Cl−、Br−、I−、NO3 −、NH4 + 、PF6 −、CF3SO3 −、SO4 2−、ClO4 −、OH−、K+、Na+、及びLi+から選択された対イオンであり、
任意にAが、置換又は無置換のアルキル、アルケニル又はアリール基、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−NHNH2、−SH、アリール、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、−OH、アルコキシ、−NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アリールカルボキサミド、ヒドラジノ、アルキルヒドラジノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシアミノ、及びアルキルチオから、独立に選択された1〜8個の基で置換され、配位原子数が6である錯体。 - Aが、1個以上のCO2R2基で置換した一座配位子、又は1個以上のCO2R2基で任意に置換した二座若しくは三座配位子であって、前記1個以上のCO2R2基が各々、配位結合ヘテロ原子に対してメタ位置にある、請求項25に記載の錯体。
- R2がHである請求項26に記載の錯体。
- Aが、ニコチン酸、イソニコチン酸、5−カルボキシ−ニコチン酸、6−ピリジル−ニコチン酸、2,2’−ビピリジン−5,5’−ビス−カルボン酸、2,2’−ビピリジン−4,4’−ビス−カルボン酸、2,2’−ビピリジン、及び1,10−フェナントロリン−3,9−ビス−カルボン酸から選択される、請求項25〜27のいずれか一項に記載の錯体。
- A及びBが二座であるように選択された場合、錯体の配位がシス形又はトランス形である、請求項25〜28のいずれか一項に記載の錯体。
- 金属の酸化状態が2+又は3+であるように選択される、請求項25〜29のいずれか一項に記載の錯体。
- 金属の酸化状態が3+である請求項25〜30のいずれか一項に記載の錯体。
- 錯体上の全電荷が+2、+1、0、−1、−2及び−3の群から選択されるように、配位子A及びBが選択される、請求項31に記載の錯体。
- 対イオンの組み合わせが使用される、請求項25に記載の錯体。
- 前記錯体が、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(ピリジン−3−COOH)(ピリジン−3−COO)]、[RuIII(3−ブロモ−2,4−ペンタンジオネート)2(ピリジン−3−COOH)(ピリジン−3−COO)]、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(2,2’−ビピリジン−5,5’−(COOH)(COO)]、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(2,2’−ビピリジン−4,4’−(COOH)(COO)]、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(2,2’−2,2’−ビピリジン)]Cl、[RuIII(2,4−ペンタンジオネート)2(ピリジン−4−COOH)(ピリジン−4−COO)]、[RuIII(5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン)2(ピリジン−3−COOH)(ピリジン−3−COO)]、[Ru(2,2’−ビピリジン)2(2,4−ペンタンジオネート)]Cl、[RuII(2,2’−ビピリジン)2(C2O4)]、又はK[RuIII(C2O4)2(ピリジン−3−COOH)2]である、請求項25〜33のいずれか一項に記載の錯体。
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