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JP5234084B2 - アンテナ装置および通信端末装置 - Google Patents

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JP5234084B2
JP5234084B2 JP2010248670A JP2010248670A JP5234084B2 JP 5234084 B2 JP5234084 B2 JP 5234084B2 JP 2010248670 A JP2010248670 A JP 2010248670A JP 2010248670 A JP2010248670 A JP 2010248670A JP 5234084 B2 JP5234084 B2 JP 5234084B2
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Description

本発明は、複数のアンテナ素子を組み合わせてなるアンテナ装置およびそのアンテナ装置を備えた通信端末装置に関する。
近年、無線LAN等の高速通信端末装置や次世代携帯電話等の通信端末装置において、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術が利用されることがある。MIMO技術を利用したシステムでは、送信側端末、受信側端末それぞれに複数のアンテナ素子が備えられていて、送信側端末は複数のデータを複数のアンテナ素子を用いて、同じタイミング、同じ周波数で一度に送信できるため、限られた周波数帯域で通信速度の向上を図ることができる。
しかしながら、特に移動体通信端末のような小型の通信端末装置にMIMO技術を適用しようとする場合、通信端末装置の筐体サイズには限りがあるため、複数のアンテナ素子を近接して配置せざるを得ず、そのため、アンテナ素子間のアイソレーションを十分に確保することは容易でない。
そこで、例えば特許文献1や特許文献2には、2つのアンテナ素子間に磁性体の壁を設けたり、ミアンダ状導体パターンを配置したりすることによって、アンテナ素子間のアイソレーション特性を確保するという手法が開示されている。
ここで、特許文献1で開示されている無線装置の構成を図34を参照して示す。図34において、無線装置1は、筐体90に内蔵された回路基板91を有している。回路基板91の一方の長辺近傍に第1給電点93および第2給電点94が設けられている。第1給電点93には第1アンテナ素子95が接続されている。第2給電点94には第2アンテナ素子96が接続されている。無線装置1は面をなして形成された磁性体97を有している。磁性体97は、第1アンテナ素子95の少なくとも一部に対して第2アンテナ素子96の少なくとも一部を遮蔽するように配設されている。
特開2008−245132号公報 特開2009−246560号公報
しかしながら、これらの手法では、アンテナ素子の配置位置や、形状、サイズによっては2つのアンテナ素子のアイソレーションを十分に確保できない。また、2つのアンテナ素子間に磁性体の壁やミアンダ状導体パターンのようなアイソレーション素子を配置する必要があるため、その構成や製造工程が複雑化する。
本発明は上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のアンテナ素子の配置位置、形状、サイズ等の設計自由度が高く、且つアンテナ素子間に必ずしもアイソレーション素子を必要としない簡易な構成のアンテナ装置、およびこのアンテナ装置を用いた通信端末装置を提供することにある。
(1)第1の形態のアンテナ装置は、
第1の共振周波数で共振する第1アンテナ素子と、
第2の共振周波数で共振する第2アンテナ素子と、
前記第1アンテナ素子または第2アンテナ素子の少なくとも一方の給電端に接続された周波数安定化回路と、を備え、
前記周波数安定化回路は、第1コイル状導体と前記第1コイル状導体に直列接続された第2コイル状導体を含んで構成される第1の直列回路(一次側回路)、および第3コイル状導体と前記第3コイル状導体に直列接続された第4コイル状導体を含んで構成される第2の直列回路(二次側回路)を有し、
前記周波数安定化回路は、一のアンテナ素子に対して一の周波数安定化回路が接続されるように、前記第2の直列回路が前記第1アンテナ素子または前記第2アンテナ素子の少なくとも一方の給電端に接続されており、
前記第1コイル状導体および前記第2コイル状導体は、これらのコイル状導体で第1の閉磁路が構成されるように巻回されていて、前記第3コイル状導体および前記第4コイル状導体は、これらのコイル状導体で第2の閉磁路が構成されるように巻回されていて、前記第1の閉磁路と前記第2の閉磁路とが互いに結合していることを特徴とする。
(2)第2の形態のアンテナ装置は、給電回路をさらに備え、
前記給電回路は、前記第1の直列回路に接続されていることを特徴とする。
第3の形態のアンテナ装置は、
前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数は互いに異なる周波数であることを特徴とする。
第4の形態のアンテナ装置は、
前記第1の共振周波数および前記第2の共振周波数は、通信搬送波の周波数とは異なっていることを特徴とする。
第5の形態のアンテナ装置は、
前記周波数安定化回路は、前記第1アンテナ素子の給電端および前記第2アンテナ素子の給電端にそれぞれ個別に接続されていることを特徴とする。
第6の形態のアンテナ装置は、
前記第1コイル状導体と前記第3コイル状導体とが互いに磁気的に結合していて、前記第2コイル状導体と前記第4コイル状導体とが互いに磁気的に結合していることを特徴とする。
第7の形態のアンテナ装置は、
前記第1コイル状導体、前記第2コイル状導体、前記第3コイル状導体および前記第4コイル状導体が、誘電体または磁性体の積層体素体に構成されていることを特徴とする。
第8の形態の通信端末装置は、
第1の共振周波数で共振する第1アンテナ素子と、
第2の共振周波数で共振する第2アンテナ素子と、
前記第1アンテナ素子または第2アンテナ素子の少なくとも一方の給電端に接続された周波数安定化回路と、を備えた通信端末装置であって、
前記周波数安定化回路は、第1コイル状導体と前記第1コイル状導体に直列接続された第2コイル状導体を含んで構成される第1の直列回路(一次側回路)、および第3コイル状導体と前記第3コイル状導体に直列接続された第4コイル状導体を含んで構成される第2の直列回路(二次側回路)を有し、
前記周波数安定化回路は、一のアンテナ素子に対して一の周波数安定化回路が接続されるように、前記第2の直列回路が前記第1アンテナ素子または前記第2アンテナ素子の少なくとも一方の給電端に接続されており、
前記第1コイル状導体および前記第2コイル状導体は、これらのコイル状導体で第1の閉磁路が構成されるように巻回されていて、前記第3コイル状導体および前記第4コイル状導体は、これらのコイル状導体で第2の閉磁路が構成されるように巻回されていて、前記第1の閉磁路と前記第2の閉磁路とが互いに結合していることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置によれば、周波数安定化回路は、上述した構成を有しているため、アンテナ特性のうち、(1)中心周波数の設定、(2)通過帯域の設定、および(3)給電回路との整合、の各機能を実質的に担う。そのため、アンテナ素子は、アンテナ特性のうち(4)指向性の設定、および(5)利得の確保の各機能を主に担うように設計すればよい。したがって、アンテナ素子の配置位置、形状、サイズ等の設計自由度が高く、且つアンテナ素子間に必ずしもアイソレーション素子を必要としない簡易な構成のアンテナ装置を実現できる。
また、本発明の通信端末装置によれば、上述したように、アンテナ素子の配置位置、形状、サイズ等の設計自由度が高く、且つアンテナ素子間に必ずしもアイソレーション素子を必要としないため、小型の通信端末装置を実現できる。
図1は第1の実施形態であるアンテナ装置101およびそれを備えた通信端末装置201の概略構成図である。 図2は通信端末装置201内でのアンテナ装置101の具体的な構成図である。 図3は周波数安定化回路35A,35Bの構成を示す図である。 図4(A)、図4(B)、図4(C)、図4(D)は給電回路30から見た周波数安定化回路の通過特性を示す図である。 図5(A)はチップ型の積層体40として構成した周波数安定化回路の斜視図、図5(B)はその裏面側を見た斜視図である。 図6は周波数安定化回路の分解斜視図である。 図7は周波数安定化回路の積層体中の導体パターンを流れる電流を示す図である。 図8は第2の実施形態である通信端末装置202の構成図である。 図9は第3の実施形態である通信端末装置203の構成図である。 図10は第4の実施形態である通信端末装置204の構成図である。 図11は第5の実施形態である通信端末装置205の構成図である。 図12は第6の実施形態のアンテナ装置に備えられる周波数安定化回路の分解斜視図である。 図13は第7の実施形態であるアンテナ装置が備える周波数安定化回路の回路図である。 図14は、周波数安定化回路の分解斜視図である。 図15は第8の実施形態であるアンテナ装置が備える周波数安定化回路の回路図である。 図16は第9の実施形態であるアンテナ装置が備える周波数安定化回路の回路図である。 図17は第10の実施形態であるアンテナ装置が備える周波数安定化回路の回路図である。 図18は第11の実施形態であるアンテナ装置の構成図である。 図19は第12の実施形態に係る周波数安定化回路の回路図である。 図20は第12の実施形態に係る周波数安定化回路を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。 図21は、図20に示した多層基板の各層に形成された導体パターンによるコイル状導体を通る主な磁束を示す図である。 図22は第13の実施形態に係る周波数安定化回路を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。 図23は、図22に示した多層基板の各層に形成された導体パターンによるコイル状導体を通る主な磁束を示す図である。 図24は第2の実施形態に係る周波数安定化回路の4つのコイル状導体L1〜L4の磁気的結合の関係を示す図である。 図25は第14の実施形態に係る周波数安定化回路25Aの回路図である。 図26は、多層基板に構成された第15の実施形態に係る周波数安定化回路の各層の導体パターンの例を示す図である。 図27は第15の実施形態に係る周波数安定化回路の4つのコイル状導体L1〜L4の磁気的結合の関係を示す図である。 図28は第16の実施形態に係る周波数安定化回路の回路図である。 図29は第16の実施形態に係る周波数安定化回路を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。 図30は第17の実施形態に係る周波数安定化回路の回路図である。 図31は第17の実施形態に係る周波数安定化回路を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。 図32は第18の実施形態に係る周波数安定化回路の回路図である。 図33は第18の実施形態に係る周波数安定化回路を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。 特許文献1で開示されている無線装置の構成図である。
《第1の実施形態》
図1は本発明の第1の実施形態であるアンテナ装置101およびそれを備えた通信端末装置201の概略構成図である。通信端末装置201はアンテナ装置101と、このアンテナ装置101へ給電を行う給電回路30A,30Bを備えている。アンテナ装置101は第1の共振周波数f1で共振する第1アンテナ素子11A、第2の共振周波数f2で共振する第2アンテナ素子11B、第1アンテナ素子11Aの給電端に接続された第1周波数安定化回路35A、および第2アンテナ素子11Bの給電端に接続された第2周波数安定化回路35Bを備えている。
アンテナ装置101に接続される通信装置がMIMO (Multi Input Multi Output) 技術により通信する回路である場合、第1アンテナ素子11Aの共振周波数f1と第2アンテナ素子11Bの共振周波数f2は等しい。また、後に詳述するように、アンテナの中心周波数は周波数安定化回路の作用で定められるので、前記第1共振周波数f1および前記第2共振周波数f2は通信搬送波の周波数f0と異なっていてもよい。通常は装置の小型化のために、第1アンテナ素子11Aおよび第2アンテナ素子11Bを小さめに形成するので、第1アンテナ素子11Aおよび第2アンテナ素子11B自体の共振周波数は通信搬送波f0より高い。
MIMOは複数のアンテナでデータの送受信を行なう無線通信技術である。送信側、受信側双方が複数のアンテナを持って、送信側は複数のデータを複数のアンテナ使って同じタイミング同じ周波数で一度に送信する。受信側は行列演算で受信信号の合成分離を行なって復号化する。そのため、複数の(第1の実施形態では二つの)アンテナ素子が同時に送信または受信可能であることが重要である。
また、アンテナダイバーシティ構成であれば、複数の(第1の実施形態では二つの)アンテナ素子による指向性パターンが異なっていて互いに補完しあっていることが重要である。
図2に示したように、第1アンテナ素子11Aと第2アンテナ素子11Bとを通信端末装置201の筐体10の二つの辺に沿って配置したことにより、限られた空間に二つのアンテナ素子を設けることができる。
図2は、通信端末装置201内での前記アンテナ装置101の具体的な構成図である。第1アンテナ素子11Aは通信端末装置201の筐体の一方の短辺に沿って配置されている。第2アンテナ素子11Bは第1アンテナ素子11Aに比較的近接する位置で通信端末装置201の筐体の一方の長辺に沿って配置されている。
図3は前記周波数安定化回路35A,35Bの構成を示す図である。この二つの周波数安定化回路35A,35Bは同一構成であるので、図3では単に周波数安定化回路35として表す。図1・図2に示したアンテナ素子11A,11Bを図3では第1放射体11として表す。また、給電回路30A,30Bの一方端が接続されるグランド電極を図3では第2放射体21で表す。
周波数安定化回路35は、図3(A)に示すように、第1インダクタンス素子(第1コイル状導体)L1と第1インダクタンス素子L1に直列接続された第2インダクタンス素子(第2コイル状導体)L2を含んで構成される一次側回路(第1の直列回路)36、および第3インダクタンス素子(第3コイル状導体)L3と第3インダクタンス素子L3に直列接続された第4インダクタンス素子(第4コイル状導体)L4を含んで構成される二次側回路(第2の直列回路)37を有する。
一次側直列回路36の一方端(第1インダクタンス素子L1の一端)は給電回路30に接続され、二次側直列回路37の一方端(第3インダクタンス素子L3の一端)は第1放射体11に接続されている。一次側直列回路36の他方端(第2インダクタンス素子L2の他端)および二次側直列回路37の他方端(第4インダクタンス素子L4の他端)は、第2放射体21に接続されている。
図3(B)に示すように、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2とは互いに逆相で結合していて、第3インダクタンス素子L3と第4インダクタンス素子L4とは互いに逆相で結合している。つまり、第1インダクタンス素子および第2インダクタンス素子は、これらのインダクタンス素子で第1の閉磁路が構成されるように巻回されていて、第3インダクタンス素子および第4インダクタンス素子は、これらのインダクタンス素子で第2の閉磁路が構成されるように巻回されていて、前記第1の閉磁路と前記第2の閉磁路とが互いに結合している。また、第1インダクタンス素子L1と第3インダクタンス素子L3とは互いに逆相で結合していて、第2インダクタンス素子L2と第4インダクタンス素子L4とは互いに逆相で結合している。つまり、第1インダクタンス素子L1および第3インダクタンス素子L3で閉磁路が構成され、第2インダクタンス素子L2および第4インダクタンス素子L4で閉磁路が構成される。
以上の構成からなる周波数安定化回路35において、給電回路30から一次側直列回路36に流れ込んだ高周波信号電流は、第1インダクタンス素子L1に導かれるとともに、誘導磁界を介して二次電流として第3インダクタンス素子L3に導かれる。また、第2インダクタンス素子L2に導かれた高周波信号電流は誘導磁界を介して二次電流として第4インダクタンス素子L4に導かれる。その結果、高周波信号電流は図3(B)に矢印で示す方向に流れることになる。
つまり、一次側直列回路36では、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2とが直列かつ逆相で接続されているため、第1インダクタンス素子L1および第2インダクタンス素子L2に電流が流れると、各素子L1,L2で閉磁路が形成される。同様に、二次側直列回路37においても、第3インダクタンス素子L3と第4インダクタンス素子L4とが直列かつ逆相で接続されているため、第3インダクタンス素子L3および第4インダクタンス素子L4に、一次側直列回路36で生じた閉磁路によって誘導電流が流れると、各素子L3,L4で閉磁路が形成される。
そして、第1インダクタンス素子L1と第2インダクタンス素子L2とは逆相で結合しているので、一次側直列回路36のトータルのインダクタンス値は、第1インダクタンス素子L1のインダクタンス値と第2インダクタンス素子L2のインダクタンス値を単純に足したインダクタンス値よりも小さくなる。一方、第1インダクタンス素子L1と第3インダクタンス素子L3とは、相互インダクタンスを介して結合していて、この相互インダクタンス値は第1インダクタンス素子L1のインダクタンス値と第3インダクタンス素子L3のインダクタンス値とを足したインダクタンス値になる。第2インダクタンス素子L2と第4インダクタンス素子L4との関係も同様である。
すなわち、一次側直列回路36と二次側直列回路37との間に形成される相互インダクタンス値の総和は、一次側直列回路36または二次側直列回路37のインダクタンス値に対して相対的に大きく見えるため、一次側直列回路36と二次側直列回路37との結合度が見掛け上高くなる。つまり、一次側直列回路36および二次側直列回路37における磁界は閉磁路をそれぞれ形成し、二次側直列回路37には一次側直列回路36にて生じた磁界を打ち消す方向に電流(変位電流)が流れる。よって、一次側直列回路36と二次側直列回路37それぞれにおける電力が漏洩することがほとんどないうえに、一次側直列回路36と二次側直列回路37の結合度が高くなる。これにより、一次側直列回路36と二次側直列回路37との結合度は、0.7以上、特に、0.9〜1.0と極めて高い結合度を得ることができる。
前記周波数安定化回路35では、主に、一次側直列回路36にて給電回路30側とのインピーダンスマッチングが図られ、二次側直列回路37にて第1放射体11側とのインピーダンスマッチングが図られるため、インピーダンスの整合が容易である。
図3(B)に示した等価回路をフィルタとしての視点で描くと図3(C)のようになる。キャパシタンス素子C1は第1および第2インダクタンス素子L1,L2で形成される線間容量であり、キャパシタンス素子C2は第3および第4インダクタンス素子L3,L4で形成される線間容量である。また、キャパシタンス素子C3は一次側直列回路36と二次側直列回路37で形成される線間容量(寄生容量)である。すなわち、一次側直列回路36にてLC並列共振回路R1が形成され、二次側直列回路37にてLC並列共振回路R2が形成されることになる。
そして、LC並列共振回路R1の共振周波数をF1、LC並列共振回路R2の共振周波数をF2とすると、F1=F2の場合で給電回路30からの高周波信号は図4(A)に示す通過特性を示す。第1および第2インダクタンス素子L1,L2、第3および第4インダクタンス素子L3,L4をそれぞれ逆相で結合させることにより、それぞれのインダクタンス素子L1〜L4のインダクタンス値を大きくすることができるので、広帯域な通過特性を得ることができる。そして、第1放射体11からの高周波信号は、図4(B)に示すように、曲線Aで示す広帯域な通過特性が得られる。このメカニズムは必ずしも明らかではないが、LC並列共振回路R1,R2が結合しているので、縮退が解けるためだと思われる。ΔFは共振回路R1,R2の結合度によって決まる。結合度に比例して広帯域化が可能である。
一方、F1≠F2の場合で給電回路30からの高周波信号は図4(C)に示す通過特性を示す。第1放射体11からの高周波信号は、図4(D)に示すように、曲線Bで示す広帯域な通過特性が得られる。これもLC並列共振回路R1,R2が結合しているので、縮退が解けるためだと思われる。共振回路R1,R2の結合度が大きければ広帯域特性となる。
このように、周波数安定化回路35が共振して周波数特性を決めているので、周波数がずれにくい。また、広帯域な通過特性を得ることで、多少インピーダンスが変化しても、通過帯域を確保できる。すなわち、放射体の形状や放射体の環境によらずに、送受信される高周波信号の周波数を安定化させることができる。
図5(A)はチップ型の積層体40として構成した周波数安定化回路35の斜視図、図5(B)はその裏面側を見た斜視図である。この積層体40は誘電体または磁性体からなる複数の基材層を積層したもので、その裏面には給電回路30に接続される給電端子41、第2放射体21に接続されるグランド端子42、第1放射体11に接続されるアンテナ端子43が設けられている。それ以外に、実装のために用いられるNC端子44も設けられている。なお、必要に応じて積層体40の表面にインピーダンス整合用のインダクタやキャパシタを搭載してもよい。また、積層体40内に電極パターンでインダクタやキャパシタを構成してもよい。
図6は前記周波数安定化回路35の分解斜視図である。この周波数安定化回路は積層体40に内蔵(構成)されている。最上層の基材層51aに導体61が形成され、2層目の基材層51bに第1および第2インダクタンス素子L1,L2となる導体62が形成され、3層目の基材層51cに第1および第2インダクタンス素子L1,L2となる二つの導体63,64が形成されている。4層目の基材層51dに第3および第4インダクタンス素子L3,L4となる二つの導体65,66が形成され、5層目の基材層51eに第3および第4インダクタンス素子L3,L4となる導体67が形成されている。さらに、6層目の基材層51fにグランド導体68が形成され、7層目の基材層51gの裏面に給電端子41、グランド端子42、アンテナ端子43が形成されている。なお、最上層の基材層51a上には図示しない無地の基材層が積層される。
導体61〜68としては、銀や銅などの導電性材料を主成分として形成することができる。基材層51a〜51gとしては、誘電体であればガラスセラミック材料、エポキシ系樹脂材料などを用いることができ、磁性体であればフェライトセラミック材料やフェライトを含有する樹脂材料などを用いることができる。
前記基材層51a〜51gを積層することで、それぞれの導体61〜68および端子41,42,43はビア電極(層間接続導体)を介して接続され、図3(A)に示す等価回路を形成する。
このようにインダクタンス素子L1〜L4を誘電体や磁性体からなる積層体40に内蔵すること、特に、一次側直列回路36と二次側直列回路37との結合部となる領域を積層体40の内部に設けることによって、周波数安定化回路35が積層体40に隣接して配置される他の回路素子や回路パターンからの影響を受けにくくなる。その結果、周波数特性の一層の安定化を図ることができる。
ところで、前記積層体40を搭載するプリント配線基板(図示せず)には各種の配線が設けられていて、これらの配線と周波数安定化回路35とが干渉するおそれがある。この実施の形態のように、導体61〜67によって形成されるコイルの開口を覆うように積層体40の底部にグランド導体68を設けることにより、各インダクタンス素子とプリント配線基板上の各種配線との干渉を抑制できる。換言すれば、インダクタンス素子L1〜L4のL値にばらつきが生じにくくなる。
前記周波数安定化回路35は、図7に示すように、給電端子41から入力される高周波信号電流は、矢印a,bに示すように流れ、第1インダクタンス素子L1(導体62,63)に矢印c,dで示すように導かれ、さらに、第2インダクタンス素子L2(導体62,64)に矢印e,fで示すように導かれる。一次電流(矢印c,d)にて生じる磁界Cによって、第3インダクタンス素子L3(導体65,67)に矢印g,hに示すように高周波信号電流が励起され、誘導電流(二次電流)が流れる。同様に、一次電流(矢印e,f)にて生じる磁界Cによって、第4インダクタンス素子L4(導体66,67)に矢印i,jに示すように高周波信号電流が励起され、誘導電流(二次電流)が流れる。その結果、アンテナ端子43には矢印kで示す高周波信号電流が流れ、グランド端子42には矢印lで示す高周波信号電流が流れる。なお、給電端子41に流れる電流(矢印a)が逆向きのときには他の電流も逆向きに流れる。
一次側直列回路36では第1インダクタンス素子L1および第2インダクタンス素子L2が互いに逆相で結合し、二次側直列回路37では第3および第4インダクタンス素子L3,L4が互いに逆相で結合し、それぞれ閉磁路を形成している。そのため、エネルギーの損失を小さくすることができる。なお、第1および第2インダクタンス素子L1,L2のインダクタンス値、第3および第4インダクタンス素子L3,L4のインダクタンス値を実質的に同じにすると、閉磁路の漏れ磁界が少なくなり、エネルギーの損失をより小さくすることができる。
また、一次側直列回路36における一次電流によって励起される磁界Cと、二次側直列回路37における二次電流によって励起される磁界Dは、誘導電流によって互いの磁界を打ち消すように生じている。誘導電流を用いることによってエネルギーの損失が小さくなり、第1インダクタンス素子L1および第3インダクタンス素子L3並びに第2インダクタンス素子L2および第4インダクタンス素子L4は、高い結合度で結合する。すなわち、一次側直列回路36と二次側直列回路37とは高い結合度で結合する。
図1・図2に示した周波数安定化回路35A,35Bは、上述の構成を有しているため、図1・図2に示したように、第1アンテナ素子11Aと第2アンテナ素子11Bとが近接していても、(1)中心周波数の設定、(2)通過帯域の設定、および(3)給電回路との整合の各機能を維持できる。そのため、第1アンテナ素子11Aおよび第2アンテナ素子11Bは、アンテナ特性のうち、(4)指向性の設定、および、(5)利得の確保の各機能を主に担うように設計すればよい。したがって、二つのアンテナ素子11A,11Bの配置位置、形状、サイズ等の設計自由度が高く、アンテナ素子間に必ずしもアイソレーション素子を必要としない簡易な構成のアンテナ装置を実現することができる。また、アンテナ素子間に必ずしもアイソレーション素子を必要としないため、小型の通信端末装置を実現できる。
《第2の実施形態》
図8は第2の実施形態である通信端末装置202の構成図である。この通信端末装置202は、第1アンテナ素子11A、第2アンテナ素子11B、第1アンテナ素子11Aの給電端に接続された第1周波数安定化回路35A、および第2アンテナ素子11Bの給電端に接続された第2周波数安定化回路35Bを備えている。
図2に示した例では二つのアンテナ素子11A,11Bが近接していたが、図8に示す例では二つの周波数安定化回路35A,35Bが近接している。周波数安定化回路35A,35Bの構成および作用効果は前述したとおりである。したがって、二つの周波数安定化回路35A,35Bが近接していても、互いに殆ど干渉しない。そのため、周波数安定化回路35A,35Bはアンテナ素子11A,11Bの(1)中心周波数の設定、(2)通過帯域の設定、および(3)給電回路との整合の各機能をそれぞれ果たすことができる。
《第3の実施形態》
図9は第3の実施形態である通信端末装置203の構成図である。この通信端末装置203は、第1アンテナ素子11A、第2アンテナ素子11B、第1アンテナ素子11Aの給電端に接続された第1周波数安定化回路35A、および第2アンテナ素子11Bの給電端に接続された第2周波数安定化回路35Bを備えている。
第1アンテナ素子11Aと第2アンテナ素子11Bが筐体10の互いに対向する二辺に沿って配置されている。この構成によれば、二つのアンテナ素子11A,11Bの位置を極力離すことができるので、特にアンテナダイバーシティ構成とした場合に効果的である。
《第4の実施形態》
図10は第4の実施形態である通信端末装置204の構成図である。この通信端末装置204は、筐体10の一方の主面に沿って第1アンテナ素子11Aが配置され、筐体10の一方の側面に沿って第2アンテナ素子11Bが配置されている。第1アンテナ素子11Aはパッチアンテナであり、給電回路がパッチアンテナの給電端FPに接続されている。第2アンテナ素子11Bは線状放射電極によるアンテナ(モノポール型アンテナ)である。
この構成により、第1アンテナ素子11AはZ軸方向を向く半球状のパターンの指向性を備え、第2アンテナ素子11BはY軸を対称軸とするトーラス型の指向性を備える。
このように二つのアンテナ素子の指向性パターンおよびその向きが互いに異なっていてもよい。
《第5の実施形態》
図11は第5の実施形態である通信端末装置205の構成図である。この通信端末装置205は、第1アンテナ素子11A、第2アンテナ素子11B、第1アンテナ素子11Aの給電端に接続された第1周波数安定化回路35A、および給電回路30A,30Bを備えている。
第1〜第4の実施形態では二つのアンテナ素子11A,11Bと給電回路との間に周波数安定化回路をそれぞれ接続したが、図11に示す例では第1アンテナ素子11Aと給電回路30Aとの間にのみ周波数安定化回路35Aを接続して、第2アンテナ素子11Bに対しては給電回路30Bを直接接続している。周波数安定化回路35Aの構成および作用効果は先の実施形態で示したとおりである。
このように、周波数安定化回路は全てのアンテナ素子ごとに設けなくてもよい。例えば第2アンテナ素子11Bが第1アンテナ素子11Aによる干渉をあまり受けない場合、または干渉を受けてもアンテナ特性上問題とならない場合には、第2アンテナ素子11Bには周波数安定化回路は不要である。逆に、第1アンテナ素子11Aが第2アンテナ素子11Bによる干渉を受ける場合には、第1アンテナ素子11Aに周波数安定化回路35Aを設ければよい。
《第6の実施形態》
第6の実施形態では周波数安定化回路の別の例を示す。図12は第6の実施形態のアンテナ装置に備えられる周波数安定化回路の分解斜視図である。この周波数安定化回路は図6に示した例と基本的には同じ構成であり、基材層51aを省略して導体61を基材層51b上に形成した点と、グランド導体68を省略し、基材層51hに接続用導体69を形成した点で異なっている。図12の例では、グランド導体(図6中の68)を省略しているため、この積層体40を搭載するプリント配線基板にグランド導体68に相当する導体を設けることが好ましい。
《第7の実施形態》
図13は第7の実施形態であるアンテナ装置が備える周波数安定化回路の回路図である。図13の周波数安定化回路35は、図3(A)に示した一次側直列回路36と二次側直列回路37に加えて、さらに二次側直列回路38(二次側リアクタンス回路)を設けたものである。二次側直列回路38を構成する第5インダクタンス素子L5と第6インダクタンス素子L6とは互いに逆相で結合している。第5インダクタンス素子L5は第1インダクタンス素子L1と逆相で結合していて、第6インダクタンス素子L6は第2インダクタンス素子L2と逆相で結合している。第5インダクタンス素子L5の一端は第1放射体11に接続され、第6インダクタンス素子L6の一端は第2放射体21に接続されている。
図14は、前記周波数安定化回路の分解斜視図である。この周波数安定化回路は積層体40に内蔵(構成)されている。この例は、図6に示した積層体の上に、さらに二次側直列回路38の第5インダクタ素子L5および第6インダクタンス素子L6となる導体71,72,73を形成した基材層51i,51jを積層したものである。
第7の実施形態に係る周波数安定化回路の動作は前記第1の実施形態で示したものと基本的に同様である。第7の実施形態においては、一次側直列回路36を二つの二次側直列回路37,38で挟み込むことによって、一次側直列回路36から二次側直列回路37,38への高周波信号のエネルギー伝達ロスが少なくなる。
《第8の実施形態》
図15は第8の実施形態であるアンテナ装置が備える周波数安定化回路の回路図である。この周波数安定化回路は、第8の実施形態で図14に示した積層体の上に、さらにグランド導体74を設けた基材層51kを積層したものである。グランド導体74は底部に設けたグランド導体68と同様に、導体71,72,73によって形成されるコイルの開口を覆う面積を有している。それゆえ、この例では、グランド導体74を設けることによって、積層体40の直上に配置される各種配線と各インダクタンス素子との干渉が抑制される。
《第9の実施形態》
図16は第9の実施形態であるアンテナ装置が備える周波数安定化回路の回路図である。ここで用いられている周波数安定化回路35は基本的には第1の実施形態と同様の構成を備えている。異なるのは、第1インダクタンス素子L1と第3インダクタンス素子L3とが互いに同相で結合していて、第2インダクタンス素子L2と第4インダクタンス素子L4とが互いに同相で結合している点である。すなわち、第1インダクタンス素子L1および第3インダクタンス素子L3は主に磁界を介して結合し、第2インダクタンス素子L2および第4インダクタンス素子L4は主に磁界を介して結合している。この周波数安定化回路の作用効果は第1の実施形態で示した周波数安定化回路と基本的に同様である。
《第10の実施形態》
図17は第10の実施形態であるアンテナ装置が備える周波数安定化回路の回路図である。ここで用いられている周波数安定化回路35は基本的には第1の実施形態と同様の構成を備えている。異なるのは、周波数安定化回路35と第2放射体21との間にキャパシタンス素子C4を配置した点である。キャパシタンス素子C4は直流成分、低周波成分をカットするためのバイアスカット用として機能し、ESD対策素子としても機能する。
《第11の実施形態》
図18は第11の実施形態であるアンテナ装置の構成図である。このアンテナ装置は、GSM方式やCDMA方式に対応可能なマルチバンド対応型移動体無線通信システム(800MHz帯、900MHz帯、1800MHz帯、1900MHz帯)に用いられるアンテナ装置である。ここで用いられている周波数安定化回路35は、一次側直列回路36と二次側直列回路37との間にキャパシタンス素子C5を挿入したもので、他の構成は第1の実施形態と同様であり、その作用効果は第1の実施形態と基本的に同様である。そして、放射体として分岐モノポール型アンテナ11a,11bを設けている。
このアンテナ装置は、通信端末装置のメインアンテナとして使用可能である。この分岐モノポール型アンテナ11a,11bでは、アンテナ11aが主にハイバンド側(1800〜2400MHz帯)のアンテナ放射体として、アンテナ11bが主にローバンド側(800〜900MHz帯)のアンテナ放射体として機能する。分岐モノポール型アンテナ11a,11bは、それぞれの対応周波数帯でアンテナとして共振している必要はない。周波数安定化回路35がアンテナ11a,11bのもつ特性インピーダンスをRF回路のインピーダンスにマッチングさせているからである。例えば、周波数安定化回路35は、800〜900MHz帯で、アンテナ11bのもつ特性インピーダンスをRF回路のインピーダンス(通常は50Ω)にマッチングさせている。これにより、アンテナ11bからRF回路の信号を送信し、または、アンテナ11bでRF回路への信号を受信することができる。
なお、このように、大きく離れた複数の周波数帯でのインピーダンスマッチングを図る場合には、複数の周波数安定化回路35を並列に配置するなどして、それぞれの周波数帯でインピーダンスマッチングを図ることもできる。また、一次側直列回路36に対して複数の二次側直列回路37を結合させて、複数の二次側直列回路37を用いてそれぞれの周波数帯でインピーダンスマッチングを図ることもできる。
《第12の実施形態》
図19は第12の実施形態に係る周波数安定化回路25の回路図である。周波数安定化回路25は、給電回路30に接続された第1の直列回路26と、この第1の直列回路26に対して電磁界結合する第2の直列回路27とで構成されている。第1の直列回路26は、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2との直列回路であり、第2の直列回路27は、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4との直列回路である。アンテナポートと給電ポートとの間に第1の直列回路26が接続され、アンテナポートとグランドとの間に第2の直列回路27が接続されている。
図20は第12の実施形態に係る周波数安定化回路25を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。各層は磁性体シートで構成され、各層の導体パターンは磁性体シートに形成されている。線状の導体パターンは所定の線幅を備えているが、ここでは単純な実線で表している。なお、最上層51a上には図示しない無地の基材層が積層される。
図20に示した範囲で第1層51aに導体パターン73が形成され、第2層51bに導体パターン72,74が形成され、第3層51cに導体パターン71,75が形成されている。第4層51dに導体パターン63が形成され、第5層51eに導体パターン62,64が形成され、第6層51fに導体パターン61,65が形成されている。第7層51gに導体パターン66が形成され、第8層51hの裏面には給電端子41、グランド端子42、アンテナ端子43が形成されている。図8中の縦方向に延びる破線はビア電極であり、導体パターン同士を層間で接続する。これらのビア電極は実際には所定の径寸法を有する円柱形の電極であるが、ここでは単純な破線で表している。
図20において、導体パターン63の右半分と導体パターン61,62によって第1のコイル状導体L1を構成している。また、導体パターン63の左半分と導体パターン64,65によって第2のコイル状導体L2を構成している。また、導体パターン73の右半分と導体パターン71,72によって第3のコイル状導体L3を構成している。また、導体パターン73の左半分と導体パターン74,75によって第4のコイル状導体L4を構成している。各コイル状導体L1〜L4の巻回軸は多層基板の積層方向に向いている。そして、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2の巻回軸は異なる関係で並置されている。同様に、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4は、それぞれの巻回軸が異なる関係で並置されている。そして、第1のコイル状導体L1と第3のコイル状導体L3のそれぞれの巻回範囲が平面視で少なくとも一部で重なり、第2のコイル状導体L2と第4のコイル状導体L4のそれぞれの巻回範囲が平面視で少なくとも一部で重なる。この例ではほぼ完全に重なる。このようにして8の字構造の導体パターンで4つのコイル状導体を構成している。
なお、各層は誘電体シートで構成されていてもよい。但し、比透磁率の高い磁性体シートを用いれば、コイル状導体間の結合係数をより高めることができる。
図21は、図20に示した多層基板の各層に形成された導体パターンによるコイル状導体を通る主な磁束を示している。磁束FP12は導体パターン61〜63による第1のコイル状導体L1および導体パターン63〜65による第2のコイル状導体L2を通る。また、磁束FP34は導体パターン71〜73による第3のコイル状導体L3および導体パターン73〜75による第4のコイル状導体L4を通る。
《第13の実施形態》
図22は第13の実施形態に係る周波数安定化回路の構成を示す図であり、この周波数安定化回路を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。各層の導体パターンは所定の線幅を備えているが、ここでは単純な実線で表している。
図22に示した範囲で第1層51aに導体パターン73が形成され、第2層51bに導体パターン72,74が形成され、第3層51cに導体パターン71,75が形成されている。第4層51dに導体パターン63が形成され、第5層51eに導体パターン62,64が形成され、第6層51fに導体パターン61,65が形成されている。第7層51gに導体パターン66が形成され、第8層51hの裏面には給電端子41、グランド端子42、アンテナ端子43が形成されている。図22中の縦方向に延びる破線はビア電極であり、導体パターン同士を層間で接続する。これらのビア電極は実際には所定の径寸法を有する円柱形の電極であるが、ここでは単純な破線で表している。
図22において、導体パターン63の右半分と導体パターン61,62によって第1のコイル状導体L1を構成している。また、導体パターン63の左半分と導体パターン64,65によって第2のコイル状導体L2を構成している。また、導体パターン73の右半分と導体パターン71,72によって第3のコイル状導体L3を構成している。また、導体パターン73の左半分と導体パターン74,75によって第4のコイル状導体L4を構成している。
図23は、図22に示した多層基板の各層に形成された導体パターンによるコイル状導体を通る主な磁束を示す図である。また、図24は周波数安定化回路の4つのコイル状導体L1〜L4の磁気的結合の関係を示す図である。磁束FP12で示すように、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2とによる閉磁路が構成され、磁束FP34で示すように、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4とによる閉磁路が構成される。また、磁束FP13で示すように、第1のコイル状導体L1と第3のコイル状導体L3とによる閉磁路が構成され、磁束FP24で示すように、第2のコイル状導体L2と第4のコイル状導体L4とによる閉磁路が構成される。さらに、4つのコイル状導体L1〜L4による閉磁路も構成される。
この第13の実施形態の構成によっても、コイル状導体L1とL2、L3とL4のインダクタンス値はそれぞれの結合により小さくなるため、第13の実施形態で示した周波数安定化回路も第12の実施形態の周波数安定化回路25と同様の効果を奏する。
《第14の実施形態》
第25の実施形態では、第12、第13の実施形態で示した周波数安定化回路のアンテナポートに付加回路を設けた例を示す。
図25は第14の実施形態に係る周波数安定化回路25Aの回路図である。周波数安定化回路25Aは、給電回路30に接続された一次側直列回路26と、この一次側直列回路26に対して電磁界結合する第2の直列回路27とで構成されている。一次側直列回路26は、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2との直列回路であり、第2の直列回路27は、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4との直列回路である。アンテナポートと給電ポートとの間に第1の直列回路26が接続され、アンテナポートとグランドとの間に第2の直列回路27が接続されている。そして、アンテナポートとグランドとの間にキャパシタCaが接続されている。
《第15の実施形態》
図26は、多層基板に構成された第15の実施形態に係る周波数安定化回路の各層の導体パターンの例を示す図である。各層は磁性体シートで構成され、各層の導体パターンは所定の線幅を備えているが、ここでは単純な実線で表している。
図26に示した範囲で第1層51aに導体パターン73が形成され、第2層51bに導体パターン72,74が形成され、第3層51cに導体パターン71,75が形成されている。第4層51dに導体パターン61,65が形成され、第5層51eに導体パターン62,64が形成され、第6層51fに導体パターン63が形成されている。第7層51gの裏面には給電端子41、グランド端子42、アンテナ端子43が形成されている。図26中の縦方向に延びる破線はビア電極であり、導体パターン同士を層間で接続する。これらのビア電極は実際には所定の径寸法を有する円柱形の電極であるが、ここでは単純な破線で表している。
図26において、導体パターン63の右半分と導体パターン61,62によって第1のコイル状導体L1を構成している。また、導体パターン63の左半分と導体パターン64,65によって第2のコイル状導体L2を構成している。また、導体パターン73の右半分と導体パターン71,72によって第3のコイル状導体L3を構成している。また、導体パターン73の左半分と導体パターン74,75によって第4のコイル状導体L4を構成している。
図27は第15の実施形態に係る周波数安定化回路の4つのコイル状導体L1〜L4の磁気的結合の関係を示す図である。このように、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2とによって第1の閉磁路(磁束FP12で示すループ)が構成される。また、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4とによって第2の閉磁路(磁束FP34で示すループ)が構成される。第1の閉磁路を通る磁束FP12と第2の閉磁路を通る磁束FP34の向きは互いに逆方向である。
ここで、第1のコイル状導体L1および第2のコイル状導体L2を「1次側」、第3のコイル状導体L3および第4のコイル状導体L4を「2次側」と表すと、図26に示すように、1次側のうちの2次側に近い方に給電回路がつながるので、1次側のうちの2次側近傍の電位を高くすることができ、給電回路から流れる電流で2次側にも誘導電流が流れる。そのため、図27に示したような磁束が発生する。
この第15の実施形態の構成によっても、コイル状導体L1とL2、L3とL4のインダクタンス値はそれぞれの結合により小さくなるため、この第15の実施形態で示した周波数安定化回路も第12の実施形態の周波数安定化回路25と同様の効果を奏する。
《第16の実施形態》
第16の実施形態では、トランス部の自己共振点の周波数を第12〜第15の実施形態で示したものよりさらに高めるための構成例を示す。
図3に示した周波数安定化回路35においては、一次側直列回路36と二次側直列回路37によるインダクタンスと、一次側直列回路36と二次側直列回路37との間に生じるキャパシタンスとでLC共振による自己共振が生じる。
図28は第16の実施形態に係る周波数安定化回路の回路図である。この周波数安定化回路は、給電回路30とアンテナ11との間に接続された第1の直列回路26、給電回路30とアンテナ11との間に接続された第3の直列回路28、およびアンテナ11とグランドとの間に接続された第2の直列回路27とで構成されている。
第1の直列回路26は第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2とが直列に接続された回路である。第2の直列回路27は第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4とが直列に接続された回路である。第3の直列回路28は第5のコイル状導体L5と第6のコイル状導体L6とが直列に接続された回路である。
図28において、囲みM12はコイル状導体L1とL2との結合、囲みM34はコイル状導体L3とL4との結合、囲みM56はコイル状導体L5とL6との結合をそれぞれ表している。また、囲みM135はコイル状導体L1とL3とL5との結合を表している。同様に、囲みM246はコイル状導体L2とL4とL6との結合を表している。
図29は第16の実施形態に係る周波数安定化回路を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。各層は磁性体シートで構成され、各層の導体パターンは磁性体シートに形成されている。また、線状の導体パターンは所定の線幅を備えているが、ここでは単純な実線で表している。
図29に示した範囲で第1層51aに導体パターン82が形成され、第2層51bに導体パターン81,83が形成され、第3層51cに導体パターン72が形成されている。第4層51dに導体パターン71,73が形成され、第5層51eに導体パターン61,63が形成され、第6層51fに導体パターン62が形成されている。第7層51gの裏面には給電端子41、グランド端子42、アンテナ端子43がそれぞれ形成されている。図29中の縦方向に延びる破線はビア電極であり、導体パターン同士を層間で接続する。これらのビア電極は実際には所定の径寸法を有する円柱形の電極であるが、ここでは単純な破線で表している。
図29において、導体パターン62の右半分と導体パターン61とによって第1のコイル状導体L1を構成している。また、導体パターン62の左半分と導体パターン63とによって第2のコイル状導体L2を構成している。また、導体パターン71と導体パターン72の右半分とによって第3のコイル状導体L3を構成している。また、導体パターン72の左半分と導体パターン73とによって第4のコイル状導体L4を構成している。また、導体パターン81と導体パターン82の右半分とによって第5のコイル状導体L5を構成している。また、導体パターン82の左半分と導体パターン83とによって第6のコイル状導体L6を構成している。
図29において破線の楕円形は閉磁路を表している。閉磁路CM12はコイル状導体L1とL2とに鎖交する。また、閉磁路CM34はコイル状導体L3とL4とに鎖交する。さらに、閉磁路CM56はコイル状導体L5とL6とに鎖交する。このように、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2とによって第1の閉磁路CM12が構成され、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4とによって第2の閉磁路CM34が構成され、第5のコイル状導体L5と第6のコイル状導体L6とによって第3の閉磁路CM56が構成される。図29において二点鎖線の平面は、前記三つの閉磁路の間にコイル状導体L1とL3、L3とL5、L2とL4、L4とL6が各々逆向きに磁束が発生するように結合しているために等価的に生じる二つの磁気壁MWである。換言すると、この二つの磁気壁MWでコイル状導体L1,L2による閉磁路の磁束、コイル状導体L3,L4による閉磁路の磁束、およびコイル状導体L5,L6による閉磁路の磁束をそれぞれ閉じ込める。
このように、第2の閉磁路CM34が第1の閉磁路CM12および第3の閉磁路CM56で層方向に挟み込まれた構造とする。この構造により、第2の閉磁路CM34は二つの磁気壁で挟まれて充分に閉じ込められる(閉じ込められる効果が高まる)。すなわち、結合係数の非常に大きなトランスとして作用させることができる。
そのため、前記閉磁路CM12とCM34との間、およびCM34とCM56との間をある程度広くすることができる。ここで、コイル状導体L1,L2による直列回路と、コイル状導体L5,L6による直列回路とが並列接続された回路を一次側回路と称し、コイル状導体L3,L4による直列回路を二次側回路と称すると、前記閉磁路CM12とCM34との間、およびCM34とCM56との間を広くすることによって、第1の直列回路26と第2の直列回路27との間、第2の直列回路27と第3の直列回路28との間のそれぞれに生じるキャパシタンスを小さくできる。すなわち、自己共振点の周波数を定めるLC共振回路のキャパシタンス成分が小さくなる。
また、第16の実施形態によれば、コイル状導体L1,L2による第1の直列回路26と、コイル状導体L5,L6による第3の直列回路28とが並列接続された構造であるので、自己共振点の周波数を定めるLC共振回路のインダクタンス成分が小さくなる。
このようにして、自己共振点の周波数を定めるLC共振回路のキャパシタンス成分もインダクタンス成分も小さくなって、自己共振点の周波数を使用周波数帯域から充分に離れた高い周波数に定めることができる。
《第17の実施形態》
第17の実施形態では、第16の実施形態とは異なる構成で、トランス部の自己共振点の周波数を第12〜第15の実施形態で示したものより高めるための構成例を示す。
図30は第17の実施形態に係る周波数安定化回路の回路図である。この周波数安定化回路は、給電回路30とアンテナ11との間に接続された第1の直列回路26、給電回路30とアンテナ11との間に接続された第3の直列回路28、およびアンテナ11とグランドとの間に接続された第2の直列回路27とで構成されている。
第1の直列回路26は第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2とが直列に接続された回路である。第2の直列回路27は第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4とが直列に接続された回路である。第3の直列回路28は第5のコイル状導体L5と第6のコイル状導体L6とが直列に接続された回路である。
図30において、囲みM12はコイル状導体L1とL2との結合、囲みM34はコイル状導体L3とL4との結合、囲みM56はコイル状導体L5とL6との結合をそれぞれ表している。また、囲みM135はコイル状導体L1とL3とL5との結合を表している。同様に、囲みM246はコイル状導体L2とL4とL6との結合を表している。
図31は第17の実施形態に係る周波数安定化回路を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。各層は磁性体シートで構成され、各層の導体パターンは磁性体シートに形成されている。また、線状の導体パターンは所定の線幅を備えているが、ここでは単純な実線で表している。
図29に示した周波数安定化回路と異なるのは、導体パターン81,82,83によるコイル状導体L5,L6の極性である。図31の例では、閉磁路CM36はコイル状導体L3,L5,L6,L4に鎖交する。したがって、コイル状導体L3,L4とL5,L6との間には等価的な磁気壁が生じない。その他の構成は第16の実施形態で示したとおりである。
第17の実施形態によれば、図31に示した閉磁路CM12,CM34,CM56が生じるとともに閉磁路CM36が生じることにより、コイル状導体L3,L4による磁束がコイル状導体L5,L6による磁束で吸い込まれる。そのため、第17の実施形態の構造でも磁束が漏れ難く、その結果、結合係数の非常に大きなトランスとして作用させることができる。
第17の実施形態でも、自己共振点の周波数を定めるLC共振回路のキャパシタンス成分もインダクタンス成分も小さくなって、自己共振点の周波数を使用周波数帯域から充分に離れた高い周波数に定めることができる。
《第18の実施形態》
第18の実施形態では、第16の実施形態および第17の実施形態とは異なる構成で、トランス部の自己共振点の周波数を第12〜第15の実施形態で示したものより高めるための別の構成例を示す。
図32は第18の実施形態に係る周波数安定化回路の回路図である。この周波数安定化回路は、給電回路30とアンテナ11との間に接続された第1の直列回路26、給電回路30とアンテナ11との間に接続された第3の直列回路28、およびアンテナ11とグランドとの間に接続された第2の直列回路27とで構成されている。
図33は第18の実施形態に係る周波数安定化回路を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。各層は磁性体シートで構成され、各層の導体パターンは線状の導体パターンは所定の線幅を備えているが、ここでは単純な実線で表している。
図29に示した周波数安定化回路と異なるのは、導体パターン61,62,63によるコイル状導体L1,L2の極性、および導体パターン81,82,83によるコイル状導体L5,L6の極性である。図33の例では、閉磁路CM16はすべてのコイル状導体L1〜L6に鎖交する。したがって、この場合は等価的な磁気壁は生じない。その他の構成は第16の実施形態および第17の実施形態で示したとおりである。
第18の実施形態によれば、図33に示した閉磁路CM12,CM34,CM56が生じるとともに閉磁路CM16が生じることにより、コイル状導体L1〜L6による磁束が漏れ難く、その結果、結合係数の大きなトランスとして作用させることができる。
第18の実施形態でも、自己共振点の周波数を定めるLC共振回路のキャパシタンス成分もインダクタンス成分も小さくなって、自己共振点の周波数を使用周波数帯域から充分に離れた高い周波数に定めることができる。
《第19の実施形態》
本発明の通信端末装置は、第1〜第18の実施形態で示した周波数安定化回路と放射体と周波数安定化回路の給電ポートに接続された給電回路とを備える。給電回路はアンテナスイッチ、送信回路および受信回路を備えた高周波回路で構成されている。通信端末装置はその他に変復調回路やベースバンド回路を備えて構成される。
なお、本発明はMIMO用のアンテナ装置に限るものではなく、例えばダイバーシティ(Diversity)にも利用することができる。以上の各実施形態で示した第1アンテナ素子11Aの共振周波数f1と第2アンテナ素子11Bの共振周波数f2とは互いに異なっていてもよい。
Ca…キャパシタ
CM12,CM34,CM56…閉磁路
CM16,CM36…閉磁路
FP…給電端
FP12,FP13,FP24,FP34…磁束
L1〜L6…インダクタンス素子(コイル状導体)
MW…磁気壁
10…筐体
11A…第1アンテナ素子
11B…第2アンテナ素子
11…第1放射体
21…第2放射体
25…周波数安定化回路
25A…周波数安定化回路
26…一次側直列回路(第1の直列回路)
27…二次側直列回路(第2の直列回路)
28…第3の直列回路
30,30A,30B…給電回路
35…周波数安定化回路
35A…第1周波数安定化回路
35B…第2周波数安定化回路
36…一次側直列回路(第1の直列回路)
37,38…二次側直列回路(第2の直列回路)
40…積層体
41…給電端子
42…グランド端子
43…アンテナ端子
44…NC端子
51a…基材層
61〜67…導体パターン
68…グランド導体
69…接続用導体
71〜75…導体パターン
81〜83…導体パターン
101…アンテナ装置
201〜205…通信端末装置

Claims (8)

  1. 第1の共振周波数で共振する第1アンテナ素子と、
    第2の共振周波数で共振する第2アンテナ素子と、
    前記第1アンテナ素子または第2アンテナ素子の少なくとも一方の給電端に接続された周波数安定化回路と、を備え、
    前記周波数安定化回路は、第1コイル状導体と前記第1コイル状導体に直列接続された第2コイル状導体を含んで構成される第1の直列回路および第3コイル状導体と前記第3コイル状導体に直列接続された第4コイル状導体を含んで構成される第2の直列回路を有し、
    前記周波数安定化回路は、一のアンテナ素子に対して一の周波数安定化回路が接続されるように、前記第2の直列回路が前記第1アンテナ素子または前記第2アンテナ素子の少なくとも一方の給電端に接続されており、
    前記第1コイル状導体および前記第2コイル状導体は、これらのコイル状導体で第1の閉磁路が構成されるように巻回されていて、前記第3コイル状導体および前記第4コイル状導体は、これらのコイル状導体で第2の閉磁路が構成されるように巻回されていて、前記第1の閉磁路と前記第2の閉磁路とが互いに結合している、アンテナ装置。
  2. 給電回路をさらに備え、
    前記給電回路は、前記第1の直列回路に接続されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数は互いに異なる周波数である、請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1の共振周波数および前記第2の共振周波数は、通信搬送波の周波数とは異なっている、請求項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記周波数安定化回路は、前記第1アンテナ素子の給電端および前記第2アンテナ素子の給電端にそれぞれ個別に接続されている、請求項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1コイル状導体と前記第3コイル状導体とは互いに磁気的に結合していて、前記第2コイル状導体と前記第4コイル状導体とは互いに磁気的に結合している、請求項1〜のいずれかに記載のアンテナ装置。
  7. 前記第1コイル状導体、前記第2コイル状導体、前記第3コイル状導体および前記第4コイル状導体は、誘電体または磁性体の積層体素体に構成されている、請求項1〜のいずれかに記載のアンテナ装置。
  8. 第1の共振周波数で共振する第1アンテナ素子と、
    第2の共振周波数で共振する第2アンテナ素子と、
    前記第1アンテナ素子または第2アンテナ素子の少なくとも一方の給電端に接続された周波数安定化回路と、を備えた通信端末装置であって、
    前記周波数安定化回路は、第1コイル状導体と前記第1コイル状導体に直列接続された第2コイル状導体を含んで構成される第1の直列回路および第3コイル状導体と前記第3コイル状導体に直列接続された第4コイル状導体を含んで構成される第2の直列回路を有し、
    前記周波数安定化回路は、一のアンテナ素子に対して一の周波数安定化回路が接続されるように、前記第2の直列回路が前記第1アンテナ素子または前記第2アンテナ素子の少なくとも一方の給電端に接続されており、
    前記第1コイル状導体および前記第2コイル状導体は、これらのコイル状導体で第1の閉磁路が構成されるように巻回されていて、前記第3コイル状導体および前記第4コイル状導体は、これらのコイル状導体で第2の閉磁路が構成されるように巻回されていて、前記第1の閉磁路と前記第2の閉磁路とが互いに結合している、通信端末装置。
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