JP5228790B2 - チェーンベルトおよびベルト式無段変速機 - Google Patents
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Description
本発明は、チェーンベルトおよびベルト式無段変速機に関し、特に、両端部にピン係合部を備えた複数枚のリンクプレートと、各リンクプレートを関節運動可能に連結するロッカピンと、からなり、前記ロッカピンにて無端状に連結したチェーンベルトおよびベルト式無段変速機に関するものである。
平行な一対の回転軸に夫々V字状断面の周溝(V溝)を有するV型プーリが配置され、両プーリ間に金属ベルトを掛け渡し、両プーリのV溝幅を駆動側と従動側とで互いに関連させつつ変化させることにより、回転動力を無段階に変速して伝達するベルト式無段変速機が一般に実用化されている。従来からこの種のベルト式無段変速機に使用される金属ベルトの一つとして、多数のリンクプレート同士を連結するロッカピンの両端を前記プーリのV溝面に接触させて動力を伝達する無段変速機用のチェーンベルトが知られている(特許文献1,2参照)。
特許文献1では、2種類の長さ(ピッチ間隔)のリンクプレートをチェーンベルト内にランダムに配列することで、動力伝達中の周波数ピークを分離させ、発生騒音を低減するようにしている。
特許文献2では、プーリのV溝面に接触する中間ブロックをリンクプレートに取付けて、ロッカピンと中間ブロックとによって3点接触とすることで、接触ピッチを細かくして、V溝面との1接触当たりの入力を小さくして、発生騒音を低減するようにしている。
特表2005−531734号公報
特公平7−1055号公報
しかしながら、上記特許文献1では、ランダム化によって所定の周波数ではチェーンによる加振エネルギを減少できるが、チェーンにおけるロッカピンの間隔、即ち、ピッチ間隔が大きいという構成になっているため、加振エネルギそのものが大きく、チェーン周囲の部品の共振周波数領域では騒音が大きくなるといった不具合があった。また、加振エネルギを減少させるために前記ピッチ間隔を狭くすると、部品点数が増加して、コストが高くなる不具合もある。
前記特許文献2では、中間ブロックのV溝面に対するピボット形状がロッカピンによるピボット形状に対して大きく相違するため、V溝面への接触反力による変形量がロッカピンとは相違して、ロッカピンと中間ブロックとの3点が同時に接触しない領域が存在し、プーリへの特定の巻付き半径においての騒音低減に限定されるという不具合があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、プーリとの接触ピッチ間隔の短縮化に好適なチェーンベルトおよびベルト式無段変速機を提供することを目的とする。
本発明は、平板状のプレートを板厚方向に複数積層された第1のリンクプレートと、前記第1のリンクプレートの長手方向両側において、平板状のプレートを板厚方向に複数積層され且つ第1のリンクプレートと端部同士を重ね合せて配置された第2,第3のリンクプレートと、前記第1のリンクプレートと第2、第3のリンクプレートとの互いに重ね合わされた端部同士を板厚方向に貫通して互いを連結する第1,第2ピンと、前記第2リンクプレートおよび第3リンクプレートの間において、前記第1リンクプレートを板厚方向に貫通させて前記第1ピンおよび前記第2ピンと平行に配置された第3ピンと、を備えてその長手方向に複数連結した構成を備える。
したがって、本発明では、第1リンクプレートの長手方向左右に配置される第2リンクプレートおよび第3リンクプレートの間において、第1リンクプレートを板厚方向に貫通させて各リンクプレートを連結する第1ピンおよび第2ピンと平行に配置された第3ピンを備えて、複数のリンクプレートをその長手方向に連結して無端状にした構成を備えることにより、リンクプレートの長さ寸法を短くすることなく動力伝達に寄与する各ピンの接触ピッチ間隔を半減させることができ、コスト増につながるリンク部品点数を増加させることなく、低騒音化を図ることができる。
以下、本発明のチェーンベルトおよびベルト式無段変速機を各実施形態に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図7は、本発明を適用したチェーンベルトおよびベルト式無段変速機の第1実施形態を示し、図1は本実施形態におけるチェーンベルトに使用するリンクプレートとロッカピンおよび伝達ピンの概略図、図2は本実施形態のチェーンベルトの構成を示す部分正面図、図3はプーリに巻掛けられた状態の本実施形態のチェーンベルトを示す正面図、図4はプーリへの巻掛けられた状態での変速状態を説明する断面図、図5は図4に示すプーリとチェーンベルトとの接触状態を説明する説明図、図6は比較例のチェーンベルトを示す概略図、図7は本実施形態のチェーンベルトにおける伝達駆動力変化を比較例と共に示す特性図である。
図1〜図7は、本発明を適用したチェーンベルトおよびベルト式無段変速機の第1実施形態を示し、図1は本実施形態におけるチェーンベルトに使用するリンクプレートとロッカピンおよび伝達ピンの概略図、図2は本実施形態のチェーンベルトの構成を示す部分正面図、図3はプーリに巻掛けられた状態の本実施形態のチェーンベルトを示す正面図、図4はプーリへの巻掛けられた状態での変速状態を説明する断面図、図5は図4に示すプーリとチェーンベルトとの接触状態を説明する説明図、図6は比較例のチェーンベルトを示す概略図、図7は本実施形態のチェーンベルトにおける伝達駆動力変化を比較例と共に示す特性図である。
本実施形態の無段変速機用のチェーンベルト1は、相対するテーパ面を有する固定シーブおよび可動シーブが一対となって夫々V溝を構成する駆動プーリと従動プーリとの間に掛け渡されて使用されるものである。具体的には、図1〜図3に示すように、積層方向に配列した複数枚のリンクプレート2(第1リンクプレート)の端部を、チェーンベルト1の長手方向で隣接する同じく積層方向に配列した複数枚のリンクプレート2(第2,3リンクプレート)の端部と重ね合わせて、両者の重なり合った端部同士に互いの関節運動が可能な一対のロッカピン3(第1,2ピン)を貫通させて順次連結することでリング状の無端ベルトに構成している。以下では、一対のロッカピン3を総称して単に「ロッカピン」とし、一対のロッカピン3を構成する個々のロッカピン3A、3Bに対しては「内側ピン3A」、「外側ピン3B」とする。
また、積層方向に配列した各リンクプレート2は、その長手方向の中央部に、前記ロッカピン3と平行配置により伝達ピン4(第3ピン)を保持して備える。前記伝達ピン4は、ロッカピン3とは別に追加した動力伝達用の棒形状の部品である。この伝達ピン4は、図2に示すように、伝達ピン4を保持する当該リンクプレート2にロッカピン3により連結される両側のリンクプレート2の外周端部間に存在するよう配置される。なお、以下では、リング状に形成されたチェーンベルト1の外周側を「外径側」、内周側を「内径側」として説明する。
前記ロッカピン3および伝達ピン4は、夫々の断面形状を備える成形ダイスにより引き抜き加工した引き抜き材を切断し、仕上げ加工して夫々形成される。前記ロッカピン3および伝達ピン4のリンクプレート2から両側に突出する端部は、図4に示すように、プーリ10の固定シーブ11および可動シーブ12の相対するテーパ面で形成するV溝面13に接触するよう傾斜された傾斜面に形成されている。また、その傾斜面は、その中央領域がプーリ10の各シーブに面接触するように丸み(クラウニング)を帯びて突出させるクラウニング加工が施されている。このため、プーリ10が変形しても接触状態の変化が少なく、プーリ10の薄肉化が可能である。また、併せて、プーリ10への巻付き径の小径化を図ることができる。
前記チェーンベルト1は、駆動プーリ10および従動プーリ10へのチェーンベルト1の巻掛け時において、ロッカピン3および伝達ピン4の両端とプーリ10におけるV溝面13とが接触して、両者間で駆動力を伝達する。図4において、実線で示す状態は固定シーブ11に対して可動シーブ12の位置を接近させたプーリ径が「大径」の状態を示す。また、破線で示す状態は固定シーブ11に対して可動シーブ12の位置を離したプーリ径が「小径」の状態を夫々示す。図3に示すように、駆動プーリ10Aと従動プーリ10Bとの間において、例えば、変速比が「LOW」となる場合には、駆動プーリ10A側でプーリ径が小径となり従動プーリ10B側で大径となる。また、前記とは逆に、例えば、変速比が「OD」となる場合には、図示しないが、駆動プーリ10A側でプーリ径が大径となり従動プーリ10B側で小径となる。また、駆動プーリ10Aと従動プーリ10Bとの間で互いに関連させてプーリ径を変化させることにより、変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
前記リンクプレート2は、比較的容易に高精度が得られるファインブランキングにより、平板から打抜き加工により形成される。そして、図2に示すように、全体として外形形状が矩形状をなす環状体となっている。前記環状体の内周面の長手方向両端側には、前記ロッカピン3の外側ピン3Bの、内側ピン3Aに対する背面側が係合するピン係合部5を備える。前記ピン係合部5は、内側ピン3Aを外側ピン3Bに対して、後述するように、転がり移動を許容する形状に形成している。そして、前記両端のピン係合部5は、幅寸法が縮小された長手方向の空間により繋げた貫通孔で連通されている。また、前記リンクプレート2には、両側のピン係合部5間の中央領域において、前記貫通孔を形成する上下の縁部分を内外径方向に窪ませて、伝達ピン4を貫通させて収容する収容部6を形成している。また、前記リンクプレート2に形成する収容部6は、図1に示すように、両側のピン係合部5間の中央領域において、前記貫通孔を形成する上下の縁部分を内側に向けて突出させ、突出した領域の縁部分を夫々部分的に窪ませて形成してもよい。前記伝達ピン4は、図1に示すように、左右のロッカピン3(間隔b)に対して夫々間隔c、dを持って中間位置に配置される。前記間隔c、dは、等しく(c=d)しても、また、不等間隔(c≠d)としてもよい。また、リンクプレート2のロッカピン3が挿入されるピン係合部5と伝達ピン4を収容する収容部6(孔)は、図3に示すように、夫々独立した貫通孔により形成してもよい。
前記ロッカピン3は、互いに相対して接触する面で互いに転がり接触して転動する一対のピン3A、3Bにより形成されている。また、ロッカピン3は隣接するリンクプレート2の端部同士を重ね合わせて関節運動するリンクプレート2のピン係合部5に貫通させて挿入される。一対のピン3A、3Bは各々は、リンクプレート2の夫々の外側ピン3Bがピン係合部5に一体に係合し、リンクプレート2の夫々の内側ピン3Aは当該リンクプレート2のピン係合部5に対して隙間を持つよう構成している。即ち、図2に示すように、中央に位置するリンクプレート2のピン係合部5に挿入されたロッカピン3は、その一対のピン3A、3Bの内の外側に位置する夫々の外側ピン3Bが中央位置のリンクプレート2の左右ピン係合部5の互いに離れた端部側の内面に一体に係合している。また、一対のピン3A、3Bの内の内側に位置する夫々の内側ピン3Aが、夫々の端部に関節接合される隣のリンクプレート2のピン係合部5の端部側の内面に一体に係合する。
したがって、チェーンベルト1が直線状態からプーリ10に巻き付く際および巻き付いたプーリ10から離脱して直線状態となる折れ曲がり運動の際には、一対のピン3A、3Bのうちの外側ピン3Bは当該リンクプレート2と一体に回動し、一対のピン3A、3Bのうちの内側ピン3Aは当該リンクプレート2に関節結合する隣のリンクプレート2と一体に回動する。結果として、隣接して関節結合したリンクプレート2同士は、両者間を連結するロッカピン3の一対のピン3A、3B同士の転がり接触により連結され相対回転することとなる。
以上の構成になる本実施形態の無段変速機用チェーンベルト1においては、ロッカピン3同士の間に伝達ピン4が追加されていることにより、リンクプレート2の長さを短くすることなく、プーリ10への接触ピッチ間隔を半減させることができる。図5は変速比に応じて大きいプーリ径となる状態および小さいプーリ径となる状態において、チェーンベルト1がプーリ10に巻き掛かった際のロッカピン3および伝達ピン4のV溝面13への接触状態を示すものである。
変速比に応じて大きいプーリ径となる状態においてチェーンベルト1が巻き掛かった場合には、半径方向外側に示すように、プーリ10を構成する固定シーブ11および可動シーブ12の曲率半径が大きいことから、左右のロッカピン3に対する伝達ピン4の外側へのオフセット量Xは比較的小さくなる。また逆に、変速比に応じて小さいプーリ径となる状態においてチェーンベルト1が巻き掛かった場合には、半径方向内側に示すように、プーリ10を構成する固定シーブ11および可動シーブ12の曲率半径が小さいことから、左右のロッカピン3に対する伝達ピン4の外側へのオフセット量Xは比較的大きくなる。
チェーンベルト1がプーリ10に巻付く動作としては、先ず先行するロッカピン3の一対の外側ピン3Bの端面がプーリ10のV溝面13に接触し、次いで一対の内側ピン3Aの端面がプーリ10のV溝面13に接触する。固定シーブ11と可動シーブ12とを互いに接近させるよう作用するクランプ力に対向してロッカピン3はプーリ10の半径方向外径側からV溝面13に押し付けられる。この結果、プーリ10のV溝面13とロッカピン3端面に円周方向の摩擦力が発生し、プーリ10のV溝面13からロッカピン3に動力が伝達され、リンクプレート2へ伝達される。同時に一対の外側ピン3Bと内側ピン3Aとは巻付き曲率によって互いに転がり運動を発生する。
次に、伝達ピン4の端面がプーリ10のV溝面13と接触し、これによって、伝達ピン4もロッカピン3と同一曲率半径上にプーリ10のV溝面13に接触し、動力を伝達する。その後に、後行するロッカピン3(内側ピン3Aおよび外側ピン3B)も同一曲率半径上でプーリ10のV溝面13と接触し、互いに転がり運動をしながら動力を伝達する。
図7は本実施形態のチェーンベルト1のプーリ10への巻付き状態における伝達動力の変化を、比較例のチェーンベルト1における伝達動力の変化と対比して示すものである。なお、比較例のチェーンベルト1は、図6に示すように、長さ(a≠b)が異なる2種類のリンクプレート2を、1本のチェーンベルト1内にランダムに配置して、発生騒音を低減するものを選定した。
比較例のチェーンベルト1においては、先行するロッカピン3による動力伝達曲線が頂点から充分に低下した段階において後行するロッカピン3による動力伝達曲線が立ち上がる状態が繰り返されて、動力伝達力の変動幅が比較的大きく発生している。これは、先行するロッカピン3がプーリ10のV溝面13に接触して動力伝達が低下した後に、後行するロッカピン3が接触して動力伝達を開始することを繰り返すために生ずる。したがって、動力伝達誤差(回転ムラ)が大きく、加振エネルギが大きく、大きな騒音となる。また、ロッカピン3とV溝面13との接触荷重が大きくなるため、ロッカピン3の磨耗が大きく、耐久性が低下する不具合も発生する。
これに対して、本実施形態におけるチェーンベルト1においては、先行するロッカピン3による動力伝達曲線が頂点から低下する間に伝達ピン4による動力伝達曲線が立上り、伝達ピン4による動力伝達曲線が頂点から低下する間に後行するロッカピン3による動力伝達曲線が立上る動作を交互に繰り返す。このため、動力伝達力の変動幅が比較的小さく抑えられている。結果として、加振エネルギを半減でき、動力伝達誤差(回転ムラ)が小さく、低騒音とできる。因みに、ノイズはピッチの3乗に比例するため、前記ピッチが半減されることにより、ノイズも1/8程度に低減できる。また、ロッカピン3および伝達ピン4とV溝面13との接触荷重を小さくできるため、ロッカピン3および伝達ピン4の磨耗を抑制でき、耐久性を向上できる。しかも、リンクプレート2の長さを短縮化することなくピンのピッチ間隔を半減できるため、コスト増につながるリンク部品の点数を増やすことなく、低騒音化が図れる。
また、図1に示すように、左右のロッカピン3(間隔b)に対して夫々間隔c、dを持って中間位置に配置される前記伝達ピン4を、不等間隔(c≠d、即ち、不等ピッチ化)とすることもできる。これは、伝達ピン4の収容部6(孔)の設置位置を変更することにより容易に変更可能である。この結果、加振周波数を更に分散させ、低騒音化の効果を増加させることができる。
図8は本実施形態のチェーンベルト1の第2実施例を示したものである。この第2実施例によれば、伝達ピン4のプーリ10のV溝面13への接触点を、左右ロッカピン3のV溝面13への接触点同士を結んだ直線に対して、プーリ巻き付き曲率分だけ外径側へオフセットした構成としている。このように構成することにより、伝達ピン4が両側のロッカピン3と同様にプーリ10のV溝面13と接触し、伝達ピン4およびロッカピン3の端面の接触荷重がより一層分散される。このため、各ピン端面の磨耗が分散され寿命向上につながる。
なお、上記実施形態において、チェーンベルト1として、固定シーブ11および可動シーブ12を備えるV型プーリ10間に巻掛けて無段変速機を構成するものについて説明したが、図示はしないが、両側のシーブが固定的に配置されるV型プーリの間に巻掛けるものであってもよい。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)両端部にピン係合部5を備えた複数枚のリンクプレート2と、前記リンクプレート2の係合部5と係合し、各リンクプレート2を関節運動可能に連結するロッカピン3と、を有し、前記ロッカピン3にて前記複数のリンクプレート2を無端状に連結した無段変速機用チェーンベルト1において、前記リンクプレート2のピン係合部5間に伝達ピン4の収容部6を設けると共に、前記伝達ピン4の収容部6を貫通させて伝達ピン4を前記ロッカピン3と平行に配置し、前記ロッカピン3の両端面をV型プーリ10に摩擦接触させて第1の接触点を構成すると共に、前記伝達ピン4の両端面をV型プーリ10に摩擦接触させて第2の接触点を構成した。したがって、リンクプレート2の長さ寸法を短くすることなくV型プーリ10への接触ピッチ間隔を半減させることができ、コスト増につながるリンク部品点数を増加させることなく、低騒音化を図ることができる。
(イ)図1に示すように、伝達ピン4を、左右のロッカピン3同士の中間位置からチェーベルト1の長手方向のいずれかに偏らせて配置することにより、V型プーリ10への接触による加振周波数を分散させ、より低騒音化の効果を増加させることができる。
(ウ)伝達ピン4を左右のロッカピン3同士の中間の位置に配置することにより、リンクプレート2の長さ寸法を短くできると共にロッカピン3および伝達ピン4で構成するV型プーリ10への接触ピッチ間隔を短くでき、低騒音化を図ることができる。
(エ)図8に示すように、伝達ピン4を、左右のロッカピン3同士で形成する平面よりチェーンベルト1の外側にオフセットして配置することにより、V型プーリ10への巻付け時に伝達ピン4をプーリ巻き付き曲率分だけ外側にオフセットされてロッカピン3と同一ピッチ円周上に接触させることができ、各ピン端面の接触荷重を分散でき、各ピン端面の磨耗が分散され、寿命向上できる。
(第2実施形態)
図9〜図14は、本発明を適用したチェーンベルトおよびベルト式無段変速機の第2実施形態を示し、図9はチェーンベルトの詳細を示す構成図、図10は伝達ピンとリンクプレートとの関係を説明する説明図、図11,12は駆動プーリ10への巻付き状態における変速比大および変速比小の状態を示す説明図、図13はリンクプレートに生ずる作用力を説明する説明図、図14はチェーンベルトの第2の実施例を示す説明図である。本実施形態においては、伝達ピンをリンクプレートの端部に設けた弧状突起に接触・係合させた構成を第1実施形態に追加したものである。なお、第1実施形態と同一装置・部品には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図9〜図14は、本発明を適用したチェーンベルトおよびベルト式無段変速機の第2実施形態を示し、図9はチェーンベルトの詳細を示す構成図、図10は伝達ピンとリンクプレートとの関係を説明する説明図、図11,12は駆動プーリ10への巻付き状態における変速比大および変速比小の状態を示す説明図、図13はリンクプレートに生ずる作用力を説明する説明図、図14はチェーンベルトの第2の実施例を示す説明図である。本実施形態においては、伝達ピンをリンクプレートの端部に設けた弧状突起に接触・係合させた構成を第1実施形態に追加したものである。なお、第1実施形態と同一装置・部品には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
図9において、本実施形態のチェーンベルト1の左右のロッカピン3間に配置されている伝達ピン4は、当該伝達ピン4を収容するリンクプレート2の収容部6(孔)に対して、内外径方向に隙間をもって配置されて、チェーンベルト1の内外径方向(図中の上下方向)に移動可能に構成している。また、伝達ピン4のチェーン長手方向の両面には、リンクプレート2の端部と係合する略円弧状断面の窪みを伝達ピン4軸方向に延在させた係合溝7を形成している。また、前記伝達ピン4の前記係合溝7に臨んで配置されるリンクプレート2の端部には、前記伝達ピン4の係合溝7に係合する弧状突起8を形成している。
図10は前記係合溝7および弧状突起8の係合状態を拡大して示すものである。前記係合溝7は、伝達ピン4を保持している当該リンクプレート2とその両側に夫々配置されるリンクプレート2とを互いに転がり接触させるロッカピン3の転がり接触点を中心とし、ロッカピン3の転がり接触点からの概略距離を半径とする概略円弧状に形成している。
また、リンクプレート2の端部に形成された、前記係合溝7と係合する弧状突起8は、半径方向線C1と交差する部位の円弧形状C2と、半径方向線B1と交差する部位の円弧形状B2と、半径方向線A1と交差する部位の円弧形状A2と、を備える。前記円弧形状B2は、前記ロッカピン3の転がり接触点を中心として、同様の半径を備える円弧状の形状ロッカピン3の転がり接触点までの概略距離を半径とする円弧状の形状Bの部分円弧に形成されている。前記円弧形状C2は、前記ロッカピン3の転がり接触点よりチェーン外径側(図中の上側)へオフセットした部分を中心として、同様の半径を備える円弧状の形状Cの部分円弧に形成されている。前記円弧形状A2は、前記ロッカピン3の転がり接触点よりチェーン内径側(図中の下側)へオフセットした部分を中心として同様の半径を備える円弧状の形状Aの部分円弧に形成されている。
前記の各円弧形状A2〜C2は、半径方向線C1と交差する円弧形状C2の部分から、円弧中心の外径側へのオフセットを徐々に減少させつつ、半径方向線B1と交差する円弧形状B2の部分に連なるよう形成している。また、半径方向線B1と交差する円弧形状B2の部分から、円弧中心の内径側へのオフセットを徐々に増加させつつ、半径方向線A1と交差する円弧形状A2の部分に連なるよう形成している。即ち、弧状突起8の形状は、これらの円弧形状A2〜C2をつないだ包絡線により形成された輪郭を備える。その他の構成は、第1実施形態と同様に構成されている。
図10中の破線で示す円弧Aおよび当該円弧Aの中心とを結ぶ半径方向線A1は、図9に示すように、チェーンベルト1が直線状態となった時に半径方向線A1同士が一直線となる弧状突起8の配列状態を示している。また、図10中の一点鎖線で示す円弧Bおよび当該円弧Bの中心とを結ぶ半径方向線B1は、図12に示すように、OD(オーバドライブ)状態においてチェーンベルト1が駆動プーリ10側で所定の曲率で曲げられた時及びLOW(低速ドライブ)状態においてチェーンベルト1が従動プーリ10側で所定の曲率で曲げられた時に、互いの半径方向線B1で示す円弧領域同士が、伝達ピン4の係合溝7の下部領域に係合する弧状突起8の配列状態を示している。さらに、図10中の二点鎖線で示す円弧Cおよび当該円弧Cの中心とを結ぶ半径方向線C1は、図11に示すように、LOW(低速ドライブ)状態において、チェーンベルト1が駆動プーリ10側で大きい曲率で曲げられた時及びOD(オーパドライブ)状態においてチェーンベルト1が従動プーリ10側で所定の曲率で曲げられた時に、互いの半径方向線同士C1で示す円弧領域同士が、伝達ピン4の係合溝7の下部領域に係合する弧状突起8の配列状態を示している。各円弧A〜Cおよびその中心位置の夫々半径方向A1〜C1(チェーンベルト1の内外径方向)へのオフセットは、チェーンベルト1の曲げ状態に応じて、伝達ピン4のチェーベルト内外径方向の保持位置を変化させるために形成している。
従って、本実施形態のチェーンベルト1においては、前記伝達ピン4のチェーベルト内外径方向の位置が、伝達ピン4を収容する当該リンクプレート2と当該リンクプレート2にロッカピン3により連結されたリンクプレート2との相対曲げ角度に応じて、隣接するリンクプレート2の端部に形成した弧状突起8の内外径方向(チェーンベルト1の内外径方向)への相対位置変化(前記オフセット)に応じて変化される。
具体的には、隣接するリンクプレート2同士が直線となる、プーリ10間にあってプーリ10に巻付いていない状態のチェーンベルト1部分においては、図9に示すように、両隣のリンクプレート2同士は直線状に配列されて、その弧状突起8の中心が最も内径側(図中の下側)に位置することにより、弧状突起8に係合する係合溝7を備える伝達ピン4の内外径方向位置も最も内側(図中の下側)に位置する。なお、この状態においては、伝達ピン4はプーリ10に接触していないため、プーリ10からの外力が作用せず、上記のように、専ら弧状突起8と係合溝7との係合により位置決めされる。
また、隣接するリンクプレート2同士が相対的に大きく曲げられる、相対的に小径となった駆動側プーリ10に巻付いて相対的に大径の従動側プーリ10を駆動するLOW駆動状態のチェーンベルト1部分においては、図11に示すように、両隣のリンクプレート2同士は大きく折曲げて配列される。伝達ピン4にはプーリ10に接触することにより、チェーンベルト外径方向へ移動させる外力が作用する。このため、その弧状突起8が最も内外径方向外側(図中の上側)に位置(オフセット)して、半径方向線同士C1で示す円弧領域同士が伝達ピン4の係合溝7の下部領域に係合することにより、伝達ピン4の内外方向位置も最も外側(図中の上側)に位置させて、前記プーリ10からの外力に対向して伝達ピン4を保持する。この場合に、チェーンベルト1の長手方向両側で隣り合って左右に配置される一対のリンクプレート2の弧状突起8のロッカピン3の転がり点を中心とした回動運動の回転成分は弧状突起8と伝達ピン4の係合溝7とのすべりによる接触位置変化に吸収され、弧状突起8の内外径方向外側へのオフセット移動成分のみが伝達ピン4に伝達されて、伝達ピン4を内外方向外側へ移動させる。
同様に、隣接するリンクプレート2同士の相対的な曲げが比較的に小さくなる、相対的に大径となった駆動側プーリ10に巻付いて相対的に小径の従動側プーリ10を駆動するOD駆動状態のチェーンベルト1部分においては、図12に示すように、両隣のリンクプレート2同士の曲げは小さくなるよう配列される。この場合においても、伝達ピン4にはプーリ10に接触することにより、チェーンベルト外径方向へ移動させる外力が作用する。このため、その弧状突起8がLOW駆動状態よりも内外径方向内側(図中の下側)に位置(オフセット)し、半径方向線同士B1で示す円弧領域同士が伝達ピン4の係合溝7の下部領域に係合することにより、伝達ピン4の内外径方向位置も、LOW駆動状態よりも内側(図中の下側)に位置させて、前記プーリ10からの外力に対向して伝達ピン4を保持する。この場合においても、チェーンベルト1の長手方向両側で隣り合って左右に配置される一対のリンクプレート2の弧状突起8のロッカピン3の転がり点を中心とした回動運動の回転成分は弧状突起8と伝達ピン4の係合溝7とのすべりによる接触位置変化に吸収され、弧状突起8の半径方向外側へのオフセット移動成分のみが伝達ピン4に伝達されて、伝達ピン4を内外方向外側へ移動させる。
なお、第1実施形態に記載したチェーンベルト1においては、伝達ピン4が当該リンクプレート2に対して、収容部6(孔)により内外方向への移動を拘束した状態で、固定的に保持されるものであるため、ロッカピン3のプーリ10への接触ピッチサークルとできるだけ同一サークル上で接触するよう、左右ロッカピン3より内外方向外方へオフセットして配置することが望まれる。しかしながら、このように特定の曲率半径のピッチサークルの巻付き半径が小さい領域に対応して位置設定すると、駆動プーリ10側での巻付き半径が小さいLOW駆動時と、従動プーリ10側での巻付き半径が小さいOD駆動時においては伝達ピン4を加えた3点接触となるが、その他の変速比においては、伝達ピン4によるプーリ10への接触が達成されずに、2点接触となり、接触ピッチが大きく騒音が大きい状態となる領域が存在した。
しかしながら、本実施形態のチェーンベルト1においては、伝達ピン4がリンクプレート2同士の傾き角度、即ち、プーリ10への巻付きの曲率半径に応じて、曲率半径が小さい場合には左右のロッカピン3に対して大きく半径方向外側に位置決め(オフセット)されてロッカピン3と同一ピッチ円上の接触点に接触して、プーリ10への3点接触を確保する。また、リンクプレート2同士の傾き角度、即ち、プーリ10への巻付きの曲率半径の増加につれて、伝達ピン4の左右のロッカピン3に対する内外方向外側へのオフセット量が減少されることにより、ロッカピン3と同一ピッチ円上の接触点に接触して、プーリ10への3点接触を維持する。
したがって、本実施形態のチェーンベルト1においては、ロッカピン3間に配置された伝達ピン4が、変速比の変更によるプーリ10への巻付き曲率に応じて内外方向位置(オフセット量)を制御され、特定の変速比だけでなく全変速領域で3点接触を維持・確保することができる。このため、本実施形態のチェーンベルト1の伝達ピン4は、LOW駆動時は最も外側にオフセットし、巻付き半径小に対応し、OD駆動時はやや外側へのオフセットを減少させることで、巻付き半径の変化に対応し、どの変速比においてもチェーンピッチ円上の3点接触が可能となり、噛合いピッチを小さく維持して低騒音を実現できる。
なお、上記した実施例では、係合溝7と係合するリンクプレート2の端部に形成された弧状突起8として、半径方向線A1〜C1と交差する夫々の円弧領域の法絡線により形成される輪郭を備えるものについて説明したが、弧状突起8の形状は、この例に限定されず、同様な動きを成立させる別のカム形状であってもよい。
図13は本実施形態のチェーンベルト1をプーリ10に巻き付けた際に発生する作用力を示す説明図である。各リンクプレート2には、(図示しないプーリ10の対向するシーブへ接触する)左右のロッカピン3の一対のピン(内側ピン3Aおよび外側ピン3B)からの反力(リンク張力F0)が作用する。このリンク張力F0はリンクプレート2の長手方向にリンクプレート2を引き伸ばすよう作用し、リンクプレート2の内外方向内側および外側のリブ2Aにより受け持たれる。
前記伝達ピン4には、図示しないプーリ10の対向するテーパ状のシーブ11,12へ接触により内外方向外側への接触反力F1が作用する。この接触反力F1は、伝達ピン4の両側面に形成した係合溝7とチェーンベルト1の長手方向両側で隣り合って左右に配置される一対のリンクプレート2の弧状突起8との接触部に作用する。そして、この接触反力F2による内外方向内方への合成反力F3により相殺され、伝達ピン4の内外方向位置が保持される。同時に、前記接触部からリンクプレート2の弧状突起8に作用する内外方向外方への作用力F4は、リンクプレート2の張力F0に対向して作用し、この張力F0の一部をキャンセルするよう作用する。このため、リンクプレート2の強度をより向上させ、チェーンベルト1の高容量化を可能とする。
図14に示す本実施形態の他の実施例のチェーンベルト1においては、伝達ピン4を2個に分割してリンクプレート2の夫々の収容部6に保持させたものである。前記夫々の収容部6は互いに独立され、夫々の側においてロッカピン3のピン係合部5と繋げた貫通孔により形成されている。夫々の伝達ピン4は、その係合溝7の片側において隣接するリンクプレート2の弧状突起8に係合させて構成している。
この実施例のチェーンベルト1においても、図9〜図12に示す実施例と同様に、プーリ10への巻き付け時にその巻付き曲率により変化するリンクプレート2同士の折り曲げ角度に応じて、伝達ピン4の内外径方向位置(オフセット量)が制御され、特定の変速比だけでなく全変速領域で4点接触を維持・確保することができる。
このため、LOW駆動時は最も外側にオフセットして巻付き半径小に対応し、OD駆動時はややオフセットを減少させることで巻付き半径大に対応し、どの変速比においてもピッチ円上の4点接触が可能となる。このため、噛合いピッチを左右ロッカピン3と2個の伝達ピン4とにより、より一層小さく維持してより一層低騒音を実現できる。さらに、第1実施例と同じ接触ピッチであっても、リンクプレート2長が長くなるため、リンクプレート2の枚数、ピン本数を削減できる効果がある。
このため、LOW駆動時は最も外側にオフセットして巻付き半径小に対応し、OD駆動時はややオフセットを減少させることで巻付き半径大に対応し、どの変速比においてもピッチ円上の4点接触が可能となる。このため、噛合いピッチを左右ロッカピン3と2個の伝達ピン4とにより、より一層小さく維持してより一層低騒音を実現できる。さらに、第1実施例と同じ接触ピッチであっても、リンクプレート2長が長くなるため、リンクプレート2の枚数、ピン本数を削減できる効果がある。
また、図13と同様に、プーリ10のシーブへの接触により伝達ピン4に作用する半径方向外側への作用力F1は、係合溝7と弧状突起8との接触部に作用し、この接触反力F2による内外方向内方への合成反力F3により相殺され、伝達ピン4の内外方向位置が保持される。同時に、前記接触部からリンクプレート2の弧状突起8に作用する内外方向外方への作用力F4は、リンクプレート2の張力F0に対向して作用し、この張力F0の一部をキャンセルするよう作用する。なお、2個の伝達ピン4同士の間には、前記キャンセル力は作用しないため、リンクプレート2の内外のリブ2Aの強度を増加させる必要があるが、このリブ2Aの強度は、リブ幅の増加により容易に強度確保が可能である。したがって、本実施例においても、リンクプレート2の強度をより向上させ、チェーンベルト1の高容量化を可能とする。
なお、上記実施形態において、伝達ピン4とチェーンベルト1の長手方向両側で隣り合って左右に配置される一対のリンクプレート2との係合構造として、伝達ピン4側に設ける係合溝7と突起8とが円弧状の接触面により係合するものについて説明したが、図示はしないが、いずれか一方を円弧状面とし他方を前記円弧状面に接触するよう構成してもよい。また、係合溝7と突起8との一方をカム面に形成して、チェーンベルト1の長手方向両側で隣り合って左右に配置される一対のリンクプレート2同士の相対曲げの曲率の変化に応じて係合溝7と突起8との接触点を変化させて、伝達ピン4のチェーンベルト1の内外方向(プーリに対して半径方向)の位置を積極的に制御するようにしてもよい。
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)〜(ウ)に加えて以下に記載した効果を奏することができる。
(オ)伝達ピン4は、チェーンベルト1の長手方向両側で隣合って左右に配置される一対のリンクプレート2の少なくとも一方の端部と係合されてチェーンベルト1外径側への移動が拘束されることにより、プーリ10への巻付き時に伝達ピン4に生ずる外径側への付勢力の少なくとも一部を、前記係合部を介してリンクプレート2の圧縮力に変換させることができ、当該圧縮力によりリンク張力を軽減乃至相殺させてリンクプレート2に生ずる応力を低減して、リンクプレート2の寿命を向上させることができ、また、チェーンベルト1のトルク容量を向上できる。
(カ)前記伝達ピン4とチェーンベルト1の長手方向両側で隣り合って左右に配置される一対のリンクプレート2端部との係合は、左右ロッカピン3により関節運動する左右のリンクプレート2同士の相対曲げ曲率に応じて伝達ピン4のチェーンベルト1内外径方向の位置を変化させるものであることにより、伝達ピン4のプーリ10に接触する半径方向位置を、駆動側プーリ10と従動側プーリ10との間の変速比により変化するプーリ10への巻付き曲率に応じて追従させることができ、特定の変速比だけでなく全ての変速比で左右ロッカピン3と合わせて、接触ピッチの半減効果を得る3点接触とでき、チェーン騒音の低減を確実化できる。
(キ)前記伝達ピン4とチェーンベルト1の長手方向両側で隣り合って左右に配置される一対のリンクプレート2端部との係合は、左右ロッカピン3により夫々関節運動する左右のリンクプレート2の端部における弧状突起がロッカピン3回りに回動する回動運動の一部を伝達ピン4のチェーンベルト1内外径方向の位置に変化させるものであることにより、伝達ピン4のチェーンベルト1内外径方向の位置制御を、部品点数を増加することなく実現でき、無段変速機の駆動システムの信頼性向上、コスト抑制に有利となる。
(ク)図14に示すように、伝達ピン4を左右のロッカピン3間に2個配置し、夫々対応する側の左右のリンクプレート2の端部と係合させてチェーンベルト1外径側への移動を拘束することにより、左右のロッカピン3と合わせて4点接触とでき、同じ接触ピッチであっても、リンクプレート2の長手方向寸法が長くなるため、リンクプレート2の枚数、ピン本数を削減できる効果がある。
1 チェーンベルト
2 リンクプレート
3 ロッカピン
4 伝達ピン
5 ピン係合部
6 収容部(孔)
7 係合溝
8 弧状突起
2 リンクプレート
3 ロッカピン
4 伝達ピン
5 ピン係合部
6 収容部(孔)
7 係合溝
8 弧状突起
Claims (17)
- 平板状のプレートを板厚方向に複数積層された第1のリンクプレートと、
前記第1のリンクプレートの長手方向両側において、平板状のプレートを板厚方向に複数積層され且つ第1のリンクプレートと端部同士を重ね合せて配置された第2,第3のリンクプレートと、
前記第1のリンクプレートと第2、第3のリンクプレートとの互いに重ね合わされた端部同士を板厚方向に貫通して互いを連結する第1,第2ピンと、
前記第2リンクプレートおよび第3リンクプレートの間において、前記第1リンクプレートを板厚方向に貫通させて前記第1ピンおよび前記第2ピンと平行に配置された第3ピンと、を備えてその長手方向に複数連結したことを特徴とする無端状のチェーンベルト。 - 両端部にピン係合部を備えた複数枚のリンクプレートと、前記リンクプレートの係合部と係合し、各リンクプレートを関節運動可能に連結するロッカピンと、を有し、前記ロッカピンにて前記複数のリンクプレートを無端状に連結した無段変速機用チェーンベルトにおいて、
前記リンクプレートのピン係合部間に伝達ピン収容部を設けると共に、前記伝達ピン収容部を貫通させて伝達ピンを前記ロッカピンと平行に配置し、
前記ロッカピンの両端面をV型プーリに摩擦接触させて第1の接触点を構成すると共に、前記伝達ピンの両端面をV型プーリに摩擦接触させて第2の接触点を構成したことを特徴とするチェーンベルト。 - 前記第3ピン若しくは伝達ピンは、チェーンベルト長手方向両側で隣り合って左右に配置される第2、第3リンクプレート若しくは一対のリンクプレートの少なくとも一方の端部と係合してチェーンベルト外径側への移動が拘束されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチェーンベルト。
- 前記第3ピン若しくは伝達ピンとチェーンベルト長手方向両側で隣り合って左右に配置される第2、第3リンクプレート若しくは一対のリンクプレートの端部との係合は、第1,第2ピン若しくは左右ロッカピンにより関節運動する左右リンクプレート同士の相対曲げ曲率に応じて第3ピン若しくは伝達ピンのチェーンベルト内外径方向の位置を変化させるものであることを特徴とする請求項3に記載のチェーンベルト。
- 前記第3ピン若しくは伝達ピンとチェーンベルト長手方向両側で隣り合って左右に配置される第2、第3リンクプレート若しくは一対のリンクプレートの端部との係合は、第1,第2ピン若しくは左右ロッカピンにより夫々関節運動する左右のリンクプレートの端部における弧状突起がロッカピン回りに回動する回動運動の一部を第3ピン若しくは伝達ピンのチェーンベルト内外径方向の位置に変化させるものであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のチェーンベルト。
- 前記第3ピン若しくは伝達ピンは、第1,第2ピン若しくは左右のロッカピン同士の中間位置からチェーンベルトの長手方向のいずれかに偏らせて配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のチェーンベルト。
- 前記第3ピン若しくは伝達ピンは、第1,第2ピン若しくは左右のロッカピン間に2個配置され、夫々対応する側の第2,第3リンクプレート若しくは左右リンクプレートの端部と係合してチェーンベルト外径側への移動が拘束されることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一つに記載のチェーンベルト。
- 前記第3ピン若しくは伝達ピンは、第1,第2ピン若しくは左右のロッカピン同士の中間の位置に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のチェーンベルト。
- 前記第3ピン若しくは伝達ピンは、これが貫通するリンクプレートの伝達ピン収容部によってチェーンベルト外径側への移動が拘束されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチェーンベルト。
- 前記第3ピン若しくは伝達ピンは、第1,第2ピン若しくは左右のロッカピン同士で形成する平面よりチェーンベルトの外径側にオフセットして配置されていることを特徴とする請求項1に記載のチェーンベルト。
- 両端部にピン係合部を備えると共にピン係合部間に伝達ピン収容部を備える複数のリンクプレートと、前記リンクプレート同士を関節運動可能に連結するロッカピンと、前記ロッカピン間に配置される伝達ピンと、からなり、前記伝達ピンをリンクプレートの伝達ピン収容部を貫通させて前記ロッカピンと平行に配置すると共に、前記リンクプレート同士をロッカピンにて無端状に連結したチェーンベルトと、
平行な駆動軸および従動軸に夫々配置され、断面V字状のV溝面を有するV型プーリと、からなり、
前記両プーリ間に前記チェーンベルトを掛け渡して、前記ロッカピンの両端面の摩擦接触による第1の接触点と、前記伝達ピンの両端面の摩擦接触による第2の接触点とにより、V型プーリのV溝面に接触するよう構成し、
前記両プーリのV溝幅を駆動側と従動側とで互いに関連させつつ変化させることにより、回転動力を無段階に変速して伝達するベルト式無段変速機。 - 前記伝達ピンは、チェーンベルト長手方向両側で隣合って左右に配置される一対のリンクプレートの少なくとも一方の端部と係合してチェーンベルト外径側への移動が拘束されることを特徴とする請求項11に記載のベルト式無段変速機。
- 前記伝達ピンとチェーンベルト長手方向両側で隣り合って左右に配置される一対のリンクプレート端部との係合は、V型プーリへの巻付き時において、左右ロッカピンにより関節運動する左右リンクプレート同士の相対曲げ曲率に応じて伝達ピンのチェーンベルト内外径方向の位置を変化させるものであることを特徴とする請求項11に記載のベルト式無段変速機。
- 前記伝達ピンとチェーンベルト長手方向両側で隣り合って左右に配置される一対のリンクプレート端部との係合は、左右ロッカピンにより夫々関節運動する左右のリンクプレートの端部における弧状突起がロッカピン回りに回動する回動運動の一部を伝達ピンのチェーンベルト内外径方向の位置に変化させるものであることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のベルト式無段変速機。
- 前記伝達ピンは、左右のロッカピン間に2個配置され、夫々対応する側の左右リンクプレートの端部と係合してチェーンベルト外径側への移動が拘束されることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか一つに記載のベルト式無段変速機。
- 前記伝達ピンは、左右のロッカピン同士の中間の位置に配置されていることを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか一つに記載のベルト式無段変速機。
- 前記伝達ピンは、これが貫通する前記リンクプレートの伝達ピン収容部によってチェーンベルト外径側への移動が拘束されていることを特徴とする請求項11に記載のベルト式無段変速機。
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