JP5227692B2 - ワイヤグリッド偏光板の製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板の製造方法で得られるワイヤグリッド偏光板の一部を示す概略断面図である。このワイヤグリッド偏光板は、表面に格子状凸部1aを有する基材1と、基材1上に設けられた誘電体層2と、誘電体層2上に立設された金属ワイヤ3とから主に構成されている。なお、誘電体層2は必ずしも設けなくても良い。
(格子状凸部を有する樹脂基材の作製)
・凹凸格子形状が転写されたCOP板の作製
ピッチが230nmで、凹凸格子の高さが230nmである凹凸格子を表面に有するニッケルスタンパを準備した。この凹凸格子は、レーザ干渉露光法を用いたパターニングにより作製されたものであり、その断面形状は正弦波状で、上面からの形状は縞状格子形状であった。また、その平面寸法は縦横ともに500mmであった。このニッケルスタンパを用いて、熱プレス法により厚さ0.5mm、縦横がそれぞれ520mmのシクロオレフィン樹脂(以下、COPと略す)板の表面に凹凸格子形状を転写し、凹凸格子形状を転写したCOP板を作製した。
次いで、この凹凸格子形状が転写されたCOP板を520mm×460mmの長方形に切り出し、被延伸部材としての延伸用COP板とした。このとき、520mm×460mmの長手方向(520mm)と凹凸格子の立設方向とが互いに略平行になるように切り出した。
得られた、140nmピッチの延伸済みCOP板表面に、それぞれ導電化処理として金をスパッタリングにより30nm被覆した後、それぞれニッケルを電気メッキし、厚さ0.3mm、縦300mm、横180mmの微細凹凸格子を表面に有するニッケルスタンパを作製した。
同様にしてニッケルスタンパを計2枚作製し、2枚のスタンパを溶接により円形に接合し、ロールスタンパとした。この際、接合は微細凹凸格子の長手方向とロールスタンパの円周方向が直交する向きで行った。
厚み0.08mmのトリアセチルセルロースフィルム(以下、TACフィルム)のロール(フィルム長250m)に連続的に紫外線硬化性樹脂を約0.01mm塗布し、塗布面を上記140nmピッチの微細凹凸格子を表面に有するロールスタンパ上に接触させ、フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm2照射し、ロールスタンパの微細凹凸格子を連続的に転写した後、ロール状に巻き取った。以下、このロールを原反ロールと呼ぶことにする。得られた格子状凸部転写フィルムをFE−SEMにより観察し、その断面形状が正弦波状で、上面からの形状が縞状格子状となっていることを確認した。
・原反ロールの乾燥
以上のようにして得られた原反ロールに含まれる水分を乾燥するために、原反ロールを200Wの赤外線ヒーターが3台設けられた真空槽に移し、フィルムを真空中でほどきながら2m/分で走行させ、加熱後、ロール状に巻き取った。フィルム走行停止時の真空度は0.03Pa、フィルム走行中(乾燥中)の真空度は0.15Paであった。また、ヒーター通過後のTACフィルムの表面温度を知るためにTACフィルム上には予めサーモラベルを貼っておいた。ヒーター通過後のTACフィルムの表面温度は60℃から70℃の間であった。
乾燥後の原反ロールを乾燥機の真空槽中に12時間放置したところ、フィルムの温度は23℃まで下がった。その後、原反ロールの格子状凸部転写面を誘電体形成及び金属ワイヤ形成用の真空チャンバへ移した。誘電体形成には反応性ACマグネトロンスパッタリング法を用いた。ターゲットサイズ127mm×750mm×10mmtのシリコンターゲットを2枚並べ、基板〜ターゲット距離80mm、アルゴンガス流量200sccm、窒素ガス流量300sccm、出力11kW、周波数37.5kHz、走行速度5m/分で原反ロールをほどきながらフィルム搬送用ロール(メインローラー)で巻取ロール側に送りながら窒化珪素層を設け、その後ロール状に巻き取った。スパッタリングの際の張力は30N、メインローラー温度は30℃、スパッタリング開始前のバックグラウンドの真空度は0.005Pa、スパッタリング中の真空度は0.38Paであった。同じ条件でSiチップに窒化珪素を成膜し、エリプソメーターにて窒化珪素層の厚みを算出したところ、3nmであった。スパッタリング終了後、赤外線温度計で原反ロールの温度を測定したところ、24℃であった。
原反ロールの格子状凸部転写面に誘電体層として窒化珪素をスパッタリング法にて形成した後、フィルムをスパッタリング時と逆方向にメインローラーで送り、抵抗加熱蒸着法にて金属ワイヤを形成し、ロール状に巻き取った。本実施例では、金属としてアルミニウム(Al)を用いた場合について説明する。このとき、アルミニウムの蒸着には斜め蒸着法を用い、格子の長手方向と垂直に交わる平面内において基材面の法線蒸着源とのなす角が32°(θd)からはじまり15°(θs)で終わるようにマスクを配置して行った。マスクの開口幅は60mm、マスク開口部の中心と蒸着ボートとの距離は400mmであった。蒸着ボート加熱前の真空度は0.005Paであった。張力は30N、メインローラーの温度は30℃とした。以上のような条件にて、フィルム送り速度3.5m/分で格子状凸部転写フィルムを走行させながら、加熱されたボート上に純度99.9%以上、線径1.7mmのアルミワイヤを送り速度200mm/分でフィードし、アルミニウムを蒸着した。蒸着中の真空度は0.007Paであった。また、搬送方向と直交する方向の基材フィルムの幅がW(mm)であり、フィルム走行時の張力をF(N)であるので、F/Wは0.13であった。
メインローラーの温度を−30℃とした以外は実施例と同じ条件でアルミニウム蒸着を行った。また、搬送方向と直交する方向の基材フィルムの幅がW(mm)であり、フィルム走行時の張力をF(N)であるので、F/Wは0.13であった。
実施例、比較例のそれぞれのワイヤグリッド偏光板について、蒸着後期のフィルム部を切り出し、アルミニウムの膜厚を蛍光X線の発光強度より換算したところ、ともに130nmであった。
実施例及び比較例に記載された方法で作製された、窒化珪素及びアルミニウムが成膜された格子状凸部転写フィルムロールを、フィルムをほどきながら温度23℃の0.5重量%のNaOHaq槽内を65秒間走行させ、次いで、これを水洗・風乾し、目的とするワイヤグリッドフィルムのロールを得た。
実施例及び比較例に用いたTACフィルムを搬送方向、及び搬送方向と直行する方向に幅3mm、長さ10mmに切り出し、実施例、比較例に記載した温度変化に対する寸法変化率をTMAにて測定した。実施例と同じ加重をかけた状態(F/W=0.13⇔加重38.75gf)において、24℃から30℃に変化させた際の、基材フィルムの搬送方向の寸法変化率を測定したところ0.005%であった。同様に、比較例と同じ加重下(F/W=0.13⇔加重38.75gf)において、24℃から−30℃における基材フィルムの寸法変化率をTMAにより測定したところ、基材フィルムの搬送方向の寸法変化率は−0.07%であった。
実施例及び比較例で得られたワイヤグリッドフィルムを長手方向50cm単位で裁断し、20枚おきに白色バックライト上に置き、外観を観察した。実施例のワイヤグリッドフィルムでは全てのサンプルで外観が均一であったのに対し、比較例のワイヤグリッドフィルムは全てのサンプルで影模様が観察された。
実施例及び比較例ワイヤグリッドフィルムの100m地点を150mm×150mmの大きさに切り出し、幅方向30mmおき、長手方向30mmおき、計25点の透過率、偏光度を測定した。図4及び図5にそれぞれ実施例及び比較例の透過率の分布を示す。図4及び図5から分かるように、実施例では透過率が40%〜42%の範囲で分布しているのに対し、比較例では透過率の分布が38%〜42%であり比較的広い。図5において透過率が低い値を示した部分は、外観評価の項目で記載した影模様と対応していた。
1a 格子状凸部
2 誘電体層
3,3a 金属ワイヤ
4 影部
5 原反フィルム
6 基材フィルム
7 搬送用ロール
8 巻取ロール
9 マスク開口部
10 マスク
11 金属供給源(蒸着ボード)
Claims (3)
- 表面に格子状凸部を有する基材フィルムがロール状に巻かれてなる原反ロールから、搬送用ロールを介して前記基材フィルムを巻取ロールに送りながら、加熱及び減圧条件下で前記格子状凸部上に誘電体層を形成して前記基材フィルムを巻取ロールに巻き取る誘電体層形成工程と、前記基材フィルムを、前記誘電体層形成工程における方向と逆方向に前記搬送用ロールを介して送りながら、加熱及び減圧条件下で前記誘電体層上に金属を被着する金属被着工程と、を含むロール・ツー・ロール方式により得られるワイヤグリッド偏光板の製造方法であって、前記金属被着工程において、前記原反ロールの基材フィルムの温度をT1、前記搬送用ロールの温度をT2としたときに、前記基材フィルムの温度がT1からT2へ変化した際の、搬送方向と直交する方向の寸法変化率が±0.04%の範囲内であることを特徴とするワイヤグリッド偏光板の製造方法。
- 前記基材フィルムの幅をW(mm)とし、フィルム走行時の張力をF(N)としたときに、Fを前記フィルムの幅Wで除した値(F/W)が0.25以下であることを特徴とする請求項1記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
- T2−T1が±40℃の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
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