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JP5227161B2 - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

セメント混和材及びセメント組成物 Download PDF

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Description

本発明は、セメント混和材に関し、特に、高強度グラウトモルタル組成物等の高強度流動性セメント組成物に用いた場合に優れた流動性及び高強度が得られ且つセメント硬化時の収縮が抑制することが可能なセメント混和材に関する。また、本発明は、セメント組成物に関し、特に、優れた流動性及び高強度が得られ且つセメント硬化時の収縮が抑制されたセメント組成物に関する。
従来から、圧縮強度80N/mm以上の超高強度のモルタルを製造するための手段として、水結合材比を小さくし、シリカフューム等のポゾラン微粉末を混和材として使用することで、ポゾラン反応による強度を増進させる手法がある(例えば特許文献1および特許文献2参照)。水結合材比を小さくすると、練り混ぜ時の負荷が大きくなりすぎて、通常の添加量の高性能減水剤を添加してもハンドミキサでは練り混ぜできない場合があるという問題がある。流動性を向上させるため、高性能減水剤の添加量を上げると、コストアップや凝結遅延を招くという問題がある。また、一般に使用されるシリカフュームを混和材として使用した場合、シリカフュームは粒子径が小さく、比表面積が大きいため、二次凝集を起こしやすい。このため、モルタル中での分散性が悪く、その結果、反応性、硬化体の緻密性(マイクロフィラー効果)の面で、充分な高強度が得られないという問題がある。
また、シリカフュームのようなポゾラン微粉末を多く配合すると、硬化時の収縮が大きくなるという問題があった。硬化時の収縮が大きいほど、割れが発生する虞が高くなることが知られている。
特開2008−143759号公報 特開2008−156168号公報
本発明は前記問題の解決、即ち、セメント組成物に添加したときに、練り混ぜが容易で、硬化時の収縮が小さく、高強度のセメント硬化体が得られるセメント混和材を提供することを目的とする。また、本発明は、練り混ぜが容易で、硬化時の収縮が小さく、高強度のセメント硬化体が得られるセメント組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、特定のポゾラン微粉末が主成分のセメント混和材とすることにより、前記課題を克服することができることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)及び(2)で表すセメント混和材、並びに(3)で表すセメント組成物である。
(1)収縮低減剤により表面処理されたポゾラン微粉末を主成分とし、該ポゾラン微粉末が、窒素吸着法によるBET比表面積が5〜100m /gのポゾラン微粉末を、前記表面処理によりBET比表面積が20m /g未満としたものであり、且つ表面処理前よりもBET比表面積が小さいポゾラン微粉末であるセメント混和材。(2)上記ポゾラン微粉末が、上記表面処理前のBET比表面積が25〜100m /gであり、表面処理後のBET比表面積が20m /g未満である上記(1)のセメント混和材。(3)上記(1)又は上記(2)のセメント混和材、セメント及びセメント分散剤を含有するセメント組成物。
本発明によれば、セメント組成物に添加したときに、練り混ぜが容易で、硬化時の収縮が小さく、高強度のセメント硬化体となるセメント混和材が得られる。より詳しくは、セメント組成物に添加したときに、ハンドミキサによる練り混ぜが容易で、硬化時の収縮が小さく、材齢28日における圧縮強度が120N/mm以上のセメント硬化体となるセメント混和材が得られる。また、本発明によれば、練り混ぜが容易で、硬化時の収縮が小さく、高強度のセメント硬化体となるセメント組成物が得られる。より詳しくは、ハンドミキサによる練り混ぜが容易で、硬化時の収縮が小さく、材齢28日における圧縮強度が120N/mm以上のセメント硬化体となるセメント組成物が得られる。水結合材比が小さくても、練混ぜが容易で、少ない減水剤の使用量で、高流動性、高ワーカビリティーが得られ、さらには、強度発現性に優れると共に、硬化時に生じる硬化収縮が小さいグラウト材料とすることが可能なセメント組成物を提供することができる。
本発明に用いるポゾラン微粉末は、収縮低減剤により表面処理されたポゾラン微粉末である。窒素吸着法によるBET比表面積が5〜100m/gのポゾラン微粉末を、収縮低減剤により表面処理することにより、BET比表面積が20m/g未満としたものが、セメント組成物とする場合に練り混ぜし易く且つ高強度を得やすいので好ましい。例えば、BET比表面積が25〜100m/gのシリカフュームを、収縮低減剤により表面処理することにより、BET比表面積が20m/g未満としたものが好適に用いることができる。表面処理前のBET比表面積に対する収縮低減剤による表面処理後のBET比表面積の割合が、練り混ぜし易く且つ高強度を得やすいので15〜50%の表面処理されたポゾラン微粉末が好ましく、同割合が18〜40%の表面処理されたポゾラン微粉末がより好ましい。本発明に用いるポゾラン微粉末の代表的且つ好ましい例としてはシリカフュームが挙げられる。本発明におけるBET比表面積は、特に断らない限り、窒素を吸着気体として用い測定した値である。
本発明における収縮低減剤による表面処理とは、ポゾラン微粒子の粒子表面に、収縮低減剤からなる層を形成することである。ポゾラン粒子の粒子表面の全てが、収縮低減剤からなる層で覆われている必要は無い。また、ポゾラン粒子の粒子表面に収縮低減剤からなる層が形成されていれば、該ポゾラン粒子の粒子表面の一部に水等の他の成分の層が形成されていてもよい。
上記表面処理に用いる収縮低減剤とは、セメントペースト、モルタル又はコンクリート中の水に溶解し、この水の表面張力を低下させることができる物質をいう。例えば、(ポリ)オキシアルキレン化合物、低級アルコールアルキレンオキシド付加物,アミノアルコールアルキレンオキシド付加物、(ポリ)アルキレングリコール、低級アルコール等或いは市販のセメント用収縮低減剤が挙げられ、これら一種又は二種以上を用いることができる。収縮低減剤が、下式(1)で表される化合物を有効成分とするもの又は市販のセメント用収縮低減剤であると、練り混ぜし易く且つ高強度を得やすいので好ましい。
RO(AO)nH (1)
(式中、Rは水素、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数5〜6のシクロアルキル基、Aは炭素数2〜3の1種または2種のアルキレン基、nは1〜100の数)
市販のセメント用収縮低減剤としては、例えば、太平洋マテリアル社製「太平洋テトラガード」、竹本油脂社製「ヒビダン」、フリーロック社製「ヒビガード」、ライオン社製「レオソルブ703B」、電気化学工業社製「デンカカスケード」、住友大阪セメント社製「テスタF」(何れも商品名)等が挙げられる。
ポゾラン微粉末100質量部に対する収縮低減剤の量は、5〜50質量部が好ましい。5質量部より少ないとセメント組成物とした場合に流動性、硬化体の強度、硬化時の収縮低減性能を全て満足するものを得られない。また、50質量部より多いとセメントの硬化が大幅に遅延する虞がある。より好ましくは、硬化体の強度が高く且つ硬化時の収縮低減性能が優れていることから、ポゾラン微粉末100質量部に対し、10〜30質量部とする。
収縮低減剤により表面処理されたポゾラン微粉末の製造は、ミキサにポゾラン微粉末を投入した後、収縮低減剤を添加し、混合することが好ましい。収縮低減剤の添加方法は、滴下又は噴霧することが均一とし易いことから好ましい。使用するミキサとしては、例えば、容器回転型ミキサ、機械攪拌型ミキサ、気流攪拌型ミキサ等の通常粉体混合に使用されているミキサが好適に使用できる。また、収縮低減剤を添加する前に、ポゾラン微粉末に水を予め添加し混合しておくと、収縮低減剤の添加量を抑制できるので好ましい。混合の度合いは、収縮低減剤がほぼ均一にポゾラン微粉末に吸着できさえすれば良く、混合時間は、ミキサの種類や処理量によって適宜決定されるが、10分以内が好ましく、さらに好ましくは5分以内である。過度の混合は、造粒により見かけの粒子が過度に大きくなるため、分散不良などを招く原因となるため好ましくない。
上記表面処理後のポゾラン微粉末のBET比表面積が、表面処理前のBET比表面積よりも小さいと、セメント組成物とする場合に練り混ぜし易く且つ高強度を得やすいので好ましい。練り混ぜし易く且つ高強度を得やすいことから、ポゾラン微粉末の表面処理前のBET比表面積に対する表面処理後のBET比表面積の割合は、より好ましくは80%〜10%、更に好ましくは50%〜15%とする。
本発明のセメント混和材には、収縮低減剤により表面処理されたポゾラン微粉末以外に、他の混和材料の一種又は二種以上を本発明の効果を実質損なわない範囲で併用することができる。このような混和材料としては、例えば減水剤,AE減水剤,高性能減水剤,高性能AE減水剤,流動化剤等のセメント分散剤、増粘剤、膨張材、セメント用ポリマー、防水材、防錆剤、凍結防止剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、凝結遅延剤、発泡剤、消泡剤、高炉スラグ微粉末、石粉、撥水剤、表面硬化剤等が挙げられる。
本発明のセメント混和材に、収縮低減剤により表面処理されたポゾラン微粉末以外の混和材料が含まれる場合、本発明のセメント混和剤を製造する方法は、特に限定されず、例えば、重力式コンクリートミキサ、ヘンシェル式ミキサ、ナウターミキサ、レーディゲミキサ、V型混合器、リボンミキサ等のミキサを使用し、所定量の本発明のセメント混和剤の各材料を混合することで好適に製造することができる。このとき用いるミキサは、連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良い。各材料のミキサ内への投入順序は特に限定されない。一種ずつ添加してもよく、一部又は全部を同時添加してもよい。また、袋やポリエチレン製容器等の容器に各材料を計り取り投入する方法により、本発明のセメント混和材を製造することもできる。
本発明のセメント混和材は、セメントに添加して用いる。更に必要により添加する混和材料及び骨材を添加することもできる。本発明のセメント混和剤は、セメント及び水、並びに必要により添加する混和材料及び骨材とともに混練し用いる。
本発明のセメント組成物は、上記のセメント混和材及びセメントを含有するセメント組成物である。本発明のセメント組成物における上記のセメント混和材の含有量は、セメントの質量100質量部に対し、セメント混和材中の上記表面処理後のポゾラン微粉末の含有量が1質量部〜30質量部となる量とする。1質量部未満では強度が不足する虞がある場合や高強度を得るために低水結合材比とすると練り混ぜ時の負荷が掛かりすぎてハンドミキサで練り混ぜられない虞がある。また、30質量部を超えると混練物(本発明のセメント組成物を混練したもの、以下同じ)の流動性が不足する場合又は硬化収縮が大きすぎる場合がある。より練り混ぜが容易で、高い強度及び流動性が得られることから、上記のセメント混和材の含有量は、セメントの質量100質量部に対し、セメント混和材中の上記表面処理後のポゾラン微粉末の含有量が3質量部〜10質量部となる量とする。
本発明において使用するセメントとしては、水硬性セメントであればよく、例えば普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント、エコセメント、並びにこれらのポルトランドセメント又はエコセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント、太平洋セメント社製「ジェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、アルミナセメント等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。
本発明のセメント組成物に骨材が含有しない場合における、本発明のセメント組成物中のセメントの含有率は、70質量%〜99質量%とする。70質量%未満ではブリーディングが発生する虞があり、99質量%を超えるとセメント以外の構成材料が不足するので混練物の流動性が不足する虞がある。より好ましいセメントの含有率は、80質量%〜92質量%とする。また、本発明のセメント組成物に骨材が含有する場合における、本発明のセメント組成物中のセメントの含有率は、25質量%〜95質量%とする。25質量%未満ではブリーディングが発生する虞があり、95質量%を超えるとセメント以外の構成材料が不足するので混練物の流動性が不足する虞がある。より好ましいセメントの含有率は、40質量%〜70質量%とする。
本発明のセメント組成物には、セメント分散剤を含有する。このセメント分散剤は、上記セメント混和材に含まれるものであっても良い。本発明のセメント組成物は、セメント分散剤を含有しているので、その混練物は、圧縮強度が高く且つ練り混ぜし易い。本発明に使用するセメント分散剤としては、特に種類は限定されないが、ポリカルボン酸塩系、ナフタレンスルホン酸塩系、メラミンスルホン酸塩系及びリグニンスルホン酸塩系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤の一種又は二種以上を使用することが、高い強度が得やすいことから好ましい。分散性、硬化特性に優れることから、ナフタレンスルホン酸塩系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤を用いることがより好ましい。本発明のセメント組成物中のセメント分散剤の含有率は、0.1質量%〜3.0質量%とすることが好ましい。0.1質量%未満では含有することによる圧縮強度の増進が見込めない。また、3.0質量%を超えると凝結遅延又は材料分離が生じる虞がある。より好ましくは0.15質量%〜2.5質量%である。
本発明のセメント組成物には、セメント、上記セメント混和材及びセメント分散剤以外に、他の混和材料及び骨材から選ばれる一種又は二種以上を本発明の効果を実質損なわない範囲で併用することができる。この混和材料としては、例えばセメント用ポリマー、増粘剤、膨張材、防水材、防錆剤、収縮低減剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、凝結遅延剤、発泡剤、消泡剤、高炉スラグ微粉末、石粉、撥水剤、表面硬化剤等が挙げられる。また、骨材としては、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、川砂利、陸砂利、砕石、軽量骨材及び人工骨材等が挙げられる。また、本発明で使用される混和材料は、粉末状でも水溶液状でも使用可能であるが、施工現場で複雑な計量操作等を必要とせずに、所定量の水を計量し混練するだけですぐに使用できるように、本発明のセメント組成物が配合成分の全てが予め混合され粉末状である所謂「プレミックス製品」であるほうが施工現場での作業性が良い為、使用する混和材料自体も全て粉末状であることが好ましい。
本発明のセメント組成物には増粘剤を含有することが好ましい。増粘剤を用いると材料分離、特にブリーディングの発生を抑制し易い。本発明で使用する増粘剤としては、例えばヒドロキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース;アルギン酸、β−1,3グルカン、プルラン、ウェランガム等の多糖類;アクリル樹脂やポリビニルアルコール等のポリビニル化合物等が挙げられ、これらの一種又は二種以上の使用が可能であるが、凝結遅延の影響があまりない程度の少量で、材料分離することなく高い流動性が得やすいことから、水溶性セルロースが好ましい。本発明のセメント組成物中の増粘剤の含有率は、0.0005質量%〜0.01質量%が好ましい。増粘剤の含有率が小さいと、増粘剤を含有させる効果が低く、増粘剤の含有率が多くなると粘性が増加して流動性の低下を招く虞があることから、増粘剤のより好ましい含有率は、0.001重量%〜0.005重量%である。
本発明のセメント組成物には、ブリーディングの発生を抑制するために膨張材を含有することが好ましい。また、乾燥時の収縮を抑制するためにも膨張材を用いることが好ましい。本発明に用いられる膨張材としては、モルタルやコンクリートで用いられる膨張材であれば特に限定されず、例えば遊離生石灰を膨張成分とするものや、カルシウムサルホアルミネート等のエトリンガイト形成物質を膨張成分とする市販品を使用することができる。本発明のセメント組成物中の膨張材の含有率は0.1重量%〜30重量%とすることが好ましい。膨張材の含有量が少ないとその効果が不充分である場合があり、また、多すぎると充分に拘束されたまま養生されないと目的の強度が得られなくなる場合がある。
本発明のセメント組成物は、水を混練に用いる。混練する方法は特に限定されず、例えば水に本発明のセメント組成物を全量加え混練する方法、水に本発明のセメント組成物を混練しながら加えさらに混練する方法、本発明のセメント組成物に水を混練しながら加えさらに混練する方法、水及び本発明のセメント組成物のそれぞれ一部ずつを2つ以上に分けて混練し、混練したものを合わせてさらに混練する方法等がある。また、混練に用いる器具や混練装置も特に限定されないが、ミキサを用いることが量を多く混練できるので好ましい。用いることのできるミキサとしては連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良く、例えばパン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、オムニミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が挙げられる。
使用する水は、特に限定されるものではない。混和材料に含まれる水を用いてもよい。用いる水の量は、本発明のセメント組成物に含まれる結合材、即ちセメント、ポゾラン、潜在水硬性物質の粉末及び膨張材の質量の合計100質量部に対し、20質量部〜40質量部が好ましく、23質量部〜35質量部が更に好ましく、23質量部〜28質量部が最も好ましい。20重量部未満では流動性が得られにくく、40重量部を超えると強度が不足する虞がある。
[実施例1]
表1に示す原料のポゾラン微粉末に水及び収縮低減剤を噴霧により添加し、ヘンシェル式ミキサにより5分間混合することにより表面処理し、収縮低減剤により表面処理されたポゾラン微粉末(以下、「改質ポゾラン微粉末」ということがある。)を作製した。原料に用いたポゾラン微粉末は、ハロゲン化ケイ素化合物の火炎加水分解により生成されたポゾラン微粉末であって、窒素を用いたBET比表面積が20〜100m/gのいわゆるシリカフュームを用いた。原料のポゾラン微粉末及び改質ポゾラン微粉末のBET比表面積、水及び収縮低減剤の添加量(原料のポゾラン微粉末100質量部に対する質量部)、用いた収縮低減剤を表1に示した。表1中の収縮低減剤の種類の略記号は、以下の通りである。また、表1中の「BET比率」は、ポゾラン微粉末の表面処理前のBET比表面積に対する表面処理後のBET比表面積の割合を示した。
<収縮低減剤の種類の略記号>
S1 :n−ブタノールのエチレンオキサイド2モル/プロピレンオキサイド2モルブロック付加物
S2 :ラウリルアルコールのエチレンオキサイド7モル付加物
Figure 0005227161
[実施例2]
普通ポルトランドセメント(市販品)と実施例1で作製した改質ポゾラン微粉末とからなる結合材100質量部に対して1質量部となる量の粉末状ナフタレンスルホン酸塩系高性能減水剤(市販品)、普通ポルトランドセメント及び改質ポゾラン微粉末をレーディゲミキサに投入後1分間混合することにより、セメント組成物を作製した。作製したセメント組成物に水結合材比(水/結合材)が25質量%となる量の水を加え、金属容器内でハンドミキサ(1000r.p.m.,羽根直径100mm)により180秒間混練することによりグラウト材(セメントペースト)を作製した。作製したグラウト材の品質試験として、以下に示す通り、混練性を評価し、フロー値、凝結時間、圧縮強度及び長さ変化率を測定した。用いた改質ポゾラン微粉末の種類、結合材中の改質ポゾラン微粉末の含有率、品質試験の結果を表2に示す。表2中の改質ポゾラン微粉末の含有率は、結合材全体の質量に対する改質ポゾラン微粉末の含有率を意味し、単位は質量%である。尚、圧縮強度試験以外の品質試験およびグラウト材の作製は、何れも20±3℃、湿度80%以上の恒温室内で行った。
<品質試験方法>
・混練性
上記ハンドミキサにより練り混ぜできたものを「良」、練り混ぜできなかったものを「不可」とした。
・フロー値<BR>
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」11.フロー試験に準じて、落下運動行わずに、フロー値を測定した。
・凝結時間
JIS A 6204−2000 「コンクリート用化学混和材」附属書1(規定)コンクリートの凝結時間試験方法により、終結時間を測定した。
・圧縮強度試験
土木学会基準JSCE−G 505−1999「円柱供試体を用いたモルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験方法」に準じ、材齢28日の圧縮強度を測定した。このとき供試体は、材齢1日で脱型し、その後20℃の水中で試験直前まで養生した。
・長さ変化率
JIS A 6202「コンクリート用膨張材」附属書1(規定)膨張材のモルタルによる膨張性試験」に準じ材齢28日の長さ変化率を測定した。養生は20℃封緘養生とした。
Figure 0005227161
本発明の実施例に相当するセメント混和材(配合No.1〜No.4)を用いたセメント組成物は、水結合材比が小さくても練り混ぜ易くハンドミキサによる混練でも良好に混練できた。また、その混練物は、上記フロー値が300mm以上と流動性に優れ、材齢28日における圧縮強度が130N/mm以上と高強度が得られ、長さ変化率も−4.5×10−4以上と収縮が小さく、高強度グラウト材として相応しい性能を備えていた。それに比べ、比較例に当たる表面処理を行っていないポゾラン微粉末を用いた配合No.6のセメント混和材を用いたセメント組成物は、ハンドミキサでは混練できなかった。また、水のみで表面処理を行ったポゾラン微粉末を用いた配合No.5のセメント混和材を用いたセメント組成物は、ハンドミキサで混練することはできたが、長さ変化率が−18.2×10−4以上と収縮が大きく、本発明の実施例に相当するセメント混和材を用いたものに比べて圧縮強度も低かった。
[実施例3]
配合No.5と同一配合のセメント組成物に、ポゾラン微粉末100質量部に対し30質量部となる量の上記S1の収縮低減剤を添加し、配合No.7のセメント組成物を作製した。また、No.6と同一配合のセメント組成物に、ポゾラン微粉末100質量部に対し30質量部となる量の上記S1の収縮低減剤を添加し、配合No.8のセメント組成物を作製した。作製したセメント組成物に水結合材比(水/結合材)が25質量%となる量の水を加え、金属容器内でハンドミキサ(1000r.p.m.,羽根直径100mm)により180秒間混練することによりグラウト材(セメントペースト)を作製した。作製したグラウト材の品質試験として、実施例2と同様に品質試験を行い、混練性を評価し、フロー値、凝結時間、圧縮強度及び長さ変化率を測定した。用いた改質ポゾラン微粉末の種類、結合材中の改質ポゾラン微粉末の含有率、品質試験の結果を表3に示す。
Figure 0005227161
配合No.7のセメント混和材は、実施例1の配合No.1〜No.3のセメント混和材と同じ収縮低減剤が同量含まれているにも拘らず、含まれるポゾラン微粉末が収縮低減剤による表面処理が行われていないので、長さ変化率は収縮低減剤無添加の配合No.5のセメント混和材を用いたものに比べて著しく改善されセメント硬化時の収縮が抑制されているが、圧縮強度が本発明の実施例のものに比べて劣り、凝結時間に遅延が見られた。また、配合No.8のセメント混和材は、実施例1の配合No.1〜No.3のセメント混和材と同じ収縮低減剤が同量含まれているにも拘らず、ハンドミキサでは混練できなかった。
本発明のセメント混和材は、PCグラウト,プレパックドコンクリート用グラウト,トンネル裏込め用のグラウト,プレキャスト用グラウト,構造物の補修・補強用グラウト,橋梁の支承下グラウト,軌道下グラウト,耐震鉄骨ブレース周辺枠グラウト,増設壁逆打ちグラウト,鋼板巻き立て工法用グラウト,及び原子力発電所格納容器下グラウトなどの各種土木および建築用のグラウト用のセメント混和材として広範に利用できる。特に、高強度グラウト材用のセメント混和材として好適である。また、本発明のセメント組成物も同様に、各種土木および建築用のグラウト材に利用できる。特に、高強度グラウト材用のセメント組成物として好適である。

Claims (3)

  1. 収縮低減剤により表面処理されたポゾラン微粉末を主成分とし、該ポゾラン微粉末が、窒素吸着法によるBET比表面積が5〜100m /gのポゾラン微粉末を、前記表面処理によりBET比表面積が20m /g未満としたものであり、且つ表面処理前よりもBET比表面積が小さいポゾラン微粉末であるセメント混和材。
  2. 上記ポゾラン微粉末が、上記表面処理前のBET比表面積が25〜100m /gであり、表面処理後のBET比表面積が20m /g未満である請求項1記載のセメント混和材。
  3. 請求項1又は請求項2記載のセメント混和材、セメント及びセメント分散剤を含有するセメント組成物。
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