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JP5226295B2 - 建築構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、スケルトン・インフィル住宅に好適な建築構造物に関する。
建物のスケルトン(構造躯体)とインフィル(住戸内の内装、設備等)とを分離した工法によるスケルトン・インフィル住宅においては、スケルトンは長期間の耐久性を重視して造られ、インフィル部分は住まい手の多様なニーズに応えて自由に変えられる可変性を重視して造られている。
しかしながら、従来のスケルトン・インフィル住宅では、何れも、床をスケルトン(構造躯体)の一部として考えていた。例えば、特許文献1には、建物の構造耐力を負担する主構造体と構造耐力を負担しない副構造体とからなり、内部空間を自由に設計できるスケルトン・インフィル構造が開示されている。しかし、主構造体は、多数のプレキャストコンクリートパネルを互いに接合して組み立てたもので、一方向に連続する壁とこれら壁間に接続される床とで構成されている。従って、床がスケルトン(構造躯体)の一部となっている点では、多くの特許文献(例えば、特開2005−201041号公報、特開2005−16221号公報、特開2002−309680号公報等々)に見られる従来のスケルトン・インフィル住宅と同じである。
このように、床をスケルトン(構造躯体)の一部としていた従来のスケルトン・インフィル住宅では、インフィル部分の可変性の自由度がそれだけ小さくなり、例えば、経済情勢の変化にともなって要望される住宅の高級化、或いは、その逆の低価格化、少子高齢化による各住戸のサイズダウンなど、社会のニーズの変化に対応するために、床を取り去ったり、床を追加して、建物の階数を変更したり、吹抜けを設けるなど、内部空間の大幅な改造は困難であった。
ところで、特許文献2には、既存建物の耐震補強構造として、既存建物の両妻側に反力壁を構築し、反力壁と既存建物を各階ごとに配置したPC鋼材にて緊張・定着して、既存建物にプレストレスを導入する技術が開示されている。また、特許文献3には、プレキャストされたコンクリート柱とコンクリート梁をPC圧着工法により緊結する技術が開示されている。
上述した反力壁のような高剛性・高耐力の耐力壁であれば、耐力壁を建物周囲に配置することによって、地震力の全てを負担し得る壁式のスケルトン(構造躯体)を構成することが可能である。また、上述したようなプレキャストされたコンクリート部材を緊結するPC圧着工法は、プレキャストコンクリート化されたインフィル部分と耐力壁の乾式接合法として利用することが可能である。
特開平8−218640号公報 特開平11−30045号公報 特開2005−171643号公報
本発明は、上述した考察結果に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、床までをインフィル化して、インフィル部分の可変性の自由度を著しく増大し得る建築構造物を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明が講じた技術的手段は、次の通りである。即ち、請求項1に記載の発明による建築構造物は、建築構造物の外周に耐力壁が配置され、耐力壁には複数のPC鋼材挿入用貫通孔が上下方向並びに水平方向に所定間隔おきに形成され、これらの貫通孔に挿入されたPC鋼材により建物内部の床を構成する水平部材が耐力壁に圧着接合され、床には非耐力壁からなる内壁が位置変更可能に配設され、PC鋼材を挿入する貫通孔の選択により床の位置を変更可能に構成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建築構造物であって、耐力壁が建築構造物に作用する地震力の全てを負担し得る高剛性・高耐力の耐力壁であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、耐力壁が同一立面内で水平方向に間隔を空けて配置され、開口両側の耐力壁が梁で連結されていることを特徴としている。
尚、梁としては、剛性と耐力に富む一般的な梁の他、制震機構を備えた制震梁であってもよい(請求項4)。また、上記の建築構造物は、耐力壁が建物の周囲4面を取り囲んでいてもよく(請求項5)、耐力壁が建物の周囲3面を取り囲み、建物の1面が開放されていてもよい(請求項6)。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の建築構造物であって、耐力壁がユニット化されたプレキャストコンクリート部材をPC鋼材で圧着接合することによって構成されていることを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れかに記載の建築構造物であって、建築構造物内の一部が、耐力壁に対して固定され且つ複数のPC鋼材挿入用貫通孔が所定間隔おきに形成された高剛性・高耐力の反力スラブから構成されていることを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れかに記載の建築構造物であって、内部に複数のPC鋼材挿入用貫通孔が所定間隔おきに形成されたコア壁を有し、コア壁の貫通孔とそれに対向する耐力壁の貫通孔に挿入されたPC鋼材により床がコア壁と耐力壁とに圧着接合されていることを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9の何れかに記載の建築構造物であって、床が貫通孔に挿入されたPC鋼材により耐力壁に圧着接合された梁部材とその上に敷設された床パネルとで構成されていることを特徴としている。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れかに記載の建築構造物であって、耐力壁の外面に外装材が耐力壁の貫通孔に挿入されたPC鋼材によって取り付けられていることを特徴としている。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れかに記載の建築構造物であって、免震支承によって支持されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、スケルトン・インフィル住宅に好適な建築構造物が実現される。即ち、外壁が耐力壁で構成され、当該耐力壁には複数のPC鋼材挿入用貫通孔が上下方向並びに水平方向に所定間隔おきに形成され、これらの貫通孔に挿入されたPC鋼材により床建物内部の床を構成する水平部材が耐力壁に圧着接合され、PC鋼材を挿入する貫通孔の選択により床の位置を変更可能に構成されているので、床までがインフィル化されることになる。従って、インフィル部分の可変性の自由度を著しく増大させることができ、例えば、社会のニーズの変化に対応するために、床を取り去ったり、床を追加して、建物の階数を変更したり、吹抜けを設けるなどして、内部空間の大幅な改造が可能である。ここで、床建物内部の床を構成する水平部材とは、梁と床版の少なくとも一方を意味しており、梁のみを耐力壁と圧着接合してその梁に床版を支持させる形式や、床版を直接耐力壁と圧着接合して梁を省略する形式や、両者の混用を含んだ概念である。
請求項2に記載の発明によれば、上記の効果に加え、外壁に配置された耐力壁が、建築構造物に作用する地震力の全てを負担し得る高剛性・高耐力の耐力壁であるため、内部に配置される柱、梁、壁などの部材は、地震力を負担する必要がなく、常時発生している自重、仕上げ、積載荷重に対して構造性能を満足していればよい。よって、部材接合部の簡略化、合理的な断面設計、自由な部材配置が可能である。
請求項3に記載の発明によれば、上記の効果に加え、開口の多い外壁をもつ建築構造物が実現され、建築意匠的な多様性も確保できる。
請求項4に記載の発明によれば、上記の効果に加え、梁に制震機構を設けているため、当該制震機構で地震エネルギーを効率よく吸収することができ、外壁に配置された耐力壁の損傷を防ぐことが可能である。また、地震後の損傷箇所を、制震機構部分に集中させることができるため、地震後の補修が容易であり、建物を長寿命化することができる。
請求項5に記載の発明によれば、上記の効果に加え、建物の周囲4面に耐力壁を設置しているため、地震時にねじれ振動などの不具合が生じにくい。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜4の発明の効果に加え、建物の周囲3面に耐力壁を設置しているため、残りの1面に大きな開口を形成することができる。開口と対面する側の耐力壁の厚みを増すなどの対策を行うことで、開口部の耐力減少を補い、また平面形状がコ型をしているため、周囲3面の耐力壁が協同して挙動することでねじれ剛性を向上させることも可能である。よって、構造安全性を確保しながら大きな開口を取ることができる。請求項6に記載の発明は、例えば、大通りに面しているため、その1面は開放性が要求されるが、他の3面(建物の側面・背面)は隣接建物に接しており開放性が要求されない建物に適している。
請求項7に記載の発明によれば、上記の効果に加え、耐力壁がユニット化されたプレキャストコンクリート部材をPC鋼材で圧着接合することによって構成されているので、PC鋼材による締結を緩め、プレキャストコンクリート部材の位置を動かして、建築構造物の平面形状、つまり、耐力壁によって構成される外壁の形状を変更することができる。さらに、建物寿命が尽きた時に、建物を解体する際には、PC鋼材を切断等することにより、容易に解体作業を進めることができる。
そして、高耐力・耐久性を求められる外壁をプレキャスト化することで、工場にて製作することができるため、品質管理が容易である。また、耐力壁にもプレストレスを導入することで、地震時に耐力壁に発生する引張力によるひび割れを防止したり、乾燥収縮・温度変動によるひび割れの進展を防止することができる。さらに、プレキャスト化することによって、耐力壁の施工性が向上する。
請求項8に記載の発明によれば、上記の効果に加え、建築構造物内の一部が、耐力壁に対して固定され且つ複数のPC鋼材挿入用貫通孔が所定間隔おきに形成された高剛性・高耐力の反力スラブから構成されているので、例えば、屋根を構成する反力スラブの任意の
位置から内壁を垂壁のようにPC鋼材で吊下げ支持させて設置したり、最下階の床を構成する反力スラブの任意の位置に内壁を腰壁のように立ち上げて設置することができる。さらに、任意の中間階の床を固定床とすることで、外壁の耐力壁の面外変形を当該固定床位置で防止することができる。そのため、耐力壁相互の一体性向上や、耐力壁の面外方向の座屈耐力の向上が期待でき、建築構造物の耐震性が向上する。
ここで、「耐力壁に対して固定され」た床とは、スケルトンの一部として設置位置を固定された床を意味する。
請求項9に記載の発明によれば、上記の効果に加え、外壁となる耐力壁と建物内部のコア壁との間の任意の高さに床を配置することができ、コア壁の内部はエレベーターシャフト、階段室、共用縦管設置スペース等として利用することができる。また、建物内部にコア壁を配置することで、建物内部の床を構成する部材(梁や床材)の支持スパンを短くすることができ、たわみ性状・振動性状を向上することが可能であると共に、部材寸法の合理的な設計が可能となる。
請求項10に記載の発明によれば、上記の効果に加え、床が貫通孔に挿入されたPC鋼材により耐力壁に圧着接合された梁部材とその上に敷設された床パネルとで構成されているので、床パネルは耐力壁と圧着接合する必要がなく、耐力壁と接合する部材を梁に限定することで、圧着接合作業を軽減でき、床の施工が容易である。梁部材は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造の何れであってもよい。また、梁部材には、圧着用のプレストレスのみならず、支持スパンを長くするためのプレストレスを導入してもよい。
請求項11に記載の発明によれば、上記の効果に加え、耐力壁の外面に外装材が耐力壁の貫通孔に挿入されたPC鋼材によって取り付けられているので、耐力壁の貫通孔やPC鋼材の固定端・緊張端を隠蔽して建物の意匠性を向上でき、外装材についても自由な位置・形状を選択でき、多様な外装仕上げが可能となる。
請求項12に記載の発明によれば、上記の効果に加え、建築構造物が免震支承によって支持された免震構造であるため、建物の長周期化が可能であり、免震支承より上部の建物に発生する地震力を軽減することができる。よって、耐力壁の損傷を低減することができると共に、地震時の加速度が小さく抑えられるので建物使用者の恐怖心を抑制することができる。そのため、建物の長寿命化が更に促進され、安全・安心で耐久性に優れた建築構造物を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1、図2は、本発明に係る建築構造物の一例を示す。この建築構造物は、周囲4面を取り囲む外壁が地震力の全てを負担し得る高剛性・高耐力の耐力壁1で構成され、耐力壁1にはPC鋼材挿入用の貫通孔2が上下方向並びに水平方向に所定間隔おきに(例えば、500mmピッチ)多数形成されている。そして、任意の貫通孔2に挿入されたPC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒等のPC鋼材3により床4や屋根5が耐力壁1に圧着接合され、床4には非耐力壁からなる内壁6が位置変更可能に配設されている。そして、図2に実線と仮想線とで示すように、PC鋼材3を挿入する貫通孔2の選択により床4の位置を変更可能に構成されている。
尚、内壁6としては、例えば、スパンクリート、ALC版、軽鉄間仕切り壁、その他の乾式壁が用いられる。耐力壁1は高強度コンクリートや防錆鉄筋、防錆鉄骨等を用いた鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造であり、耐久性を高めた構造であることが望ましい。床4や屋根5は鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のプレキャス
トコンクリート部材である。
上記の構成によれば、スケルトン・インフィル住宅に好適な建築構造物が実現される。即ち、外壁が地震力の全てを負担し得る高剛性・高耐力の耐力壁1で構成され、当該耐力壁1には複数のPC鋼材挿入用貫通孔2が所定間隔おきに形成され、これらの貫通孔2に挿入されたアンボンドのPC鋼材3により床4が耐力壁1に圧着接合され、PC鋼材3を挿入する貫通孔2の選択により床4の位置を変更可能に構成されているので、床4までがインフィル化されることになる。
従って、インフィル部分の可変性の自由度を著しく増大させることができ、例えば、社会のニーズの変化に対応するために、内装や設備の変更だけでなく、床4を取り去ったり、床4を追加して、建物の階数を変更したり、吹抜けを設けるなどして、内部空間の大幅な改造が可能である。
図3は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態による建築構造物は、屋根5と最下階の床4Aとが、耐力壁1に対して固定され且つ複数のPC鋼材挿入用貫通孔2が所定間隔おきに(例えば、500mmピッチ)形成された高剛性・高耐力の反力スラブから構成されている点に特徴がある。反力スラブは、耐力壁1と同様な高強度コンクリートや防錆鉄筋、防錆鉄骨等を用いた鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造である。最下階の床4Aと基礎スラブ7間にはピット8が形成されている。
上記の構成によれば、例えば、図4の(A)、(B)に示すように、屋根5を構成する反力スラブの任意の位置から内壁6を垂壁のようにPC鋼材3で吊下げ支持させて設置したり、最下階の床4Aを構成する反力スラブの任意の位置に内壁6を腰壁のように立ち上げて設置することができる。図4の(C)は、建物の中間階の床4Bを固定床とした反力スラブで構成した建物を示す。中間階の床4Bを反力スラブとすることで、耐力壁の面外変形を抑制することができる。これによって、耐力壁相互の一体性の向上や、耐力壁の面外方向の座屈防止耐力を向上することが期待でき、当該建物の耐震性が向上する。さらに、内壁6を反力スラブ(屋根5、中間階の床4B、最下階の床4A)間にPC鋼材3で取り付けることもできる。その他の構成や作用は、先の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図5、図6は、夫々、本発明の他の実施形態を示す。これらの実施形態は、耐力壁1が同一立面内で水平方向に間隔を空けて配置され、開口9両側の耐力壁1,1が梁10で連結されている点に特徴がある。梁10としては、剛性と耐力に富む一般的な梁(鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の何れでもよい。)の他、ダンパー等で構成される制震機構を備えた制震梁であってもよい。制震梁は、例えば、梁端部をコンクリートで構成し、梁中央部に低降伏点鋼を用いたエネルギー吸収部とすることで、地震エネルギーを効率よく吸収することができる。屋根5は、鉄骨造、一般的な鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の何れでもよく、図3で示した屋根5と同じ反力スラブであってもよい。
上記の構成によれば、開口9の多い外壁をもつ建築構造物が実現され、建築意匠的な多様性も確保できる。その他の構成や作用は、先の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
尚、上述した各々の実施形態では、何れも、耐力壁1が建物の周囲4面を取り囲んでいたが、図7に示すように、耐力壁1が建物の周囲3面を取り囲み、建物の1面が開放されていてもよい。また、図8に示すように、屋根5には天窓11を設けて実施してもよい。
図9は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態による建築構造物は、耐力壁1がユニット化されたプレキャストコンクリート部材1AをPC鋼材3で圧着接合することによって構成されている点に特徴がある。
上記の構成によれば、PC鋼材3による締結を緩め、プレキャストコンクリート部材1Aの位置を動かすことによって、図9の(A)と(B)に示すように、建築構造物の平面形状、つまり、耐力壁1によって構成される外壁の形状を変更することができる。その他の構成や作用は、先の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図10、図11は、本発明の他の実施形態を示し、床4が貫通孔2に挿入されたPC鋼材3により耐力壁1に圧着接合されたプレキャストコンクリート製(鉄骨製でもよい)の梁部材4aとその上に敷設された床パネル4bとで構成されている点に特徴がある。
としている。床パネル4bとしては、例えば、スパンクリート、ALC版等が用いられている。
上記の構成によれば、床4の施工が容易である。その他の構成や作用は、先の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図12は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態による建築構造物は、内部に複数のPC鋼材挿入用貫通孔が所定間隔おきに形成されたコア壁12を有し、コア壁12の貫通孔とそれに対向する耐力壁1の貫通孔に挿入されたPC鋼材3により床4がコア壁12と耐力壁1とに圧着接合されている点に特徴がある。床4としては、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のプレキャストコンクリート部材であってもよく、コア壁12と耐力壁1とに圧着接合される梁部材4aとその上に敷設される床パネル4bとで構成される床4であってもよい。
上記の構成によれば、外壁となる耐力壁1と建物内部のコア壁12との間の任意の高さに床4を配置することができ、コア壁12の内部はエレベーターシャフト、階段室、共用縦管設置スペース等として利用することができる。その他の構成や作用は、先の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図13は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態による建築構造物は、耐力壁1の外面に片持ち状の床部材又は梁部材13が耐力壁1の貫通孔に挿入されたPC鋼材3によって圧着接合され、片持ち状の床部材又は梁部材13の先端に外装材14が取り付けられている点に特徴がある。
上記の構成によれば、耐力壁1の貫通孔やPC鋼材3の固定端・緊張端を隠蔽して建物の意匠性を向上でき、外装材14についても自由な位置・形状を選択でき、多様な外装仕上げが可能となる。その他の構成や作用は、先の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図14は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態による建築構造物は、建物を積層ゴム支承などの免震支承15で支持することで免震構造とした点に特徴がある。免震支承15は、外周耐力壁下、内部コア壁下、固定されて設置された固定柱下などに適宜設置される。
この構成によれば、免震支承より上部の建物に発生する地震力を軽減することができ、建物の更なる長寿命化が可能となる。
尚、インフィルを構成する部材は、上述した床4、梁部材4a、床パネル4b,内壁6等に限らず、適宜柱を設置して、梁や床を支持するようにしても構わない。インフィルを構成する各部材の材料は、コンクリートのみならず、適宜鉄骨を利用してもよい。さらに、インフィルを構成する部材には、全長にわたって連続したPC鋼材3を配置する必要はなく、耐力壁との接合部近傍のみ圧着接合用PC鋼材を配置する方式や、図15に示すように、圧着接合用のPC鋼材3と、部材の支持スパンを広げるためのPC鋼材(即ち、ロングスパン化によって生じる曲げモーメントに起因した引張応力を低減するためのプレストレス用鋼材)30を併用する方式でも構わない。さらには、それらを適宜混在させても構わない。また、建築構造物の外周に配置された耐力壁は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造で構築された壁のみならず、鉄骨造の柱梁、ブレースを適宜組み合わせて高剛性・高耐力を実現する壁体(壁面)を含む概念である。すなわち、適当な間隔を空けて柱梁を配置することで壁体(壁面)を構成する。柱、梁部材にはPC鋼材挿入用貫通孔が設けられている。高剛性・高耐力を実現するために、適宜ブレース部材を配置してもよい。また、間隔を空けて配置した主要な柱、梁の間に、間柱、小梁を配置して、インフィルの配置自由度を高めてもよい。鉄骨造の柱梁で構成される壁体(壁面)とすることで、コンクリートで構成される壁よりも、開口自由度が高まり、意匠性、居住性に優れた建築構造物を実現できる。
本発明の実施形態を例示する建築構造物の一部切欠き斜視図である。 建築構造物の概略縦断面図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の一部切欠き斜視図である。 建築構造物の概略縦断面図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の概略横断平面図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の概略平面図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の概略横断平面図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の概略縦断面図である。 図10で示した建築構造物の概略横断平面図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の概略横断平面図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の概略縦断面図である。 本発明の他の実施形態を示す建築構造物の概略縦断面図である。 圧着接合用PC鋼材と支持スパン拡大用PC鋼材の説明図である。
1 耐力壁
2 貫通孔
3 PC鋼材
4 床
4a 梁部材
4b 床パネル
5 屋根
6 内壁
7 基礎スラブ
8 ピット
9 開口
10 梁
11 天窓
12 コア壁
13 片持ち状の床部材又は梁部材
14 外装材
15 免震支承
30 PC鋼材

Claims (12)

  1. 建築構造物の外周に耐力壁が配置され、耐力壁には複数のPC鋼材挿入用貫通孔が上下方向並びに水平方向に所定間隔おきに形成され、これらの貫通孔に挿入されたPC鋼材により建物内部の床を構成する水平部材が耐力壁に圧着接合され、床には非耐力壁からなる内壁が位置変更可能に配設され、PC鋼材を挿入する貫通孔の選択により床の位置を変更可能に構成されていることを特徴とする建築構造物。
  2. 耐力壁は建築構造物に作用する地震力の全てを負担し得る高剛性・高耐力の耐力壁である請求項1に記載の建築構造物。
  3. 耐力壁が同一立面内で水平方向に間隔を空けて配置され、開口両側の耐力壁が梁で連結されている請求項1又は2に記載の建築構造物。
  4. 梁が制震機構を備えた制震梁である請求項3に記載の建築構造物。
  5. 耐力壁が建物の周囲4面を取り囲んでいる請求項1〜4の何れかに記載の建築構造物。
  6. 耐力壁が建物の周囲3面を取り囲んでおり、建物の1面が開放されている請求項1〜4の何れかに記載の建築構造物。
  7. 耐力壁がユニット化されたプレキャストコンクリート部材をPC鋼材で圧着接合することによって構成されている請求項1〜6の何れかに記載の建築構造物。
  8. 建築構造物内の一部が、耐力壁に対して固定され且つ複数のPC鋼材挿入用貫通孔が一定ピッチで形成された高剛性・高耐力の反力スラブから構成されている請求項1〜7の何れかに記載の建築構造物。
  9. 内部に複数のPC鋼材挿入用貫通孔が所定間隔おきに形成されたコア壁を有し、コア壁の貫通孔とそれに対向する耐力壁の貫通孔に挿入されたPC鋼材により床がコア壁と耐力壁とに圧着接合されている請求項1〜8の何れかに記載の建築構造物。
  10. 床が貫通孔に挿入されたPC鋼材により耐力壁に圧着接合された梁部材とその上に敷設された床パネルとで構成されている請求項1〜9の何れかに記載の建築構造物。
  11. 耐力壁の外面に外装材が耐力壁の貫通孔に挿入されたPC鋼材によって取り付けられている請求項1〜10の何れかに記載の建築構造物。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載の建築構造物であって、免震支承によって支持されていることを特徴とする建築構造物。
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