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JP5208778B2 - 接合光学素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学有効径よりも外側に接触部を有する接合光学素子及びその製造方法に関する。
光学の分野において、接合光学素子として屈折率の違う2つ以上のレンズ(光学素子)を光軸に沿って配置又は接合することが一般的に行われている。これは、1つのレンズだけでは実現が難しい光学性能(例えば色収差の改善)を実現するためである。
例えば、3層接合光学素子を得る形態として、2つのガラス又はプラスチックの光学基材に未硬化のエネルギー硬化型樹脂を挟み、次いで、当該樹脂にエネルギーを照射して硬化させる方法がある。
しかし、光学基材と樹脂を接合する際、光学基材と樹脂の位置が、所望の位置から光軸方向や、光軸に垂直な方向に、ずれたまま樹脂を硬化してしまうと、目的の光学性能を得られなくなってしまう。そのため、接合光学素子においては、光学基材と樹脂を硬化する前に、ズレを修正することで光学性能を確保する必要がある。また、このズレの修正を高精度に行おうとすると、製造装置の要求精度が高くなる。また、複雑な位置決め調整機構が必要となる。
ここで、特許文献1には、2つの光学基材の光学有効径よりも外側で基材の一部を線接触させて、光学基材同士を位置決めする旨が開示されている。そして、2つの光学基材の間に形成された空間に樹脂層を形成している。しかしながら、光学基材から樹脂を溢れさせることなく、樹脂層を形成するためには樹脂の吐出量を高精度に制御する必要がある。
また、光学基材から樹脂を溢れさせることなく樹脂層を形成する別の方法としては、例えば特許文献2には、光学基材の位置決め部の内側に樹脂溜まり部を形成する技術が開示されている。
特開2001−42212号公報 特開平05−19104号公報
しかしながら、樹脂は硬化時に収縮するため、特許文献2のように、接触部の内側に樹脂溜まり部を設けた場合、樹脂溜まり部の樹脂による収縮で、基材が強く樹脂側に引っ張られてしまう。そのため、樹脂溜まり部付近、すなわち光学基材の光学有効径の近傍の面形状を悪化させるという課題があった。
さらに、接触部の内側に樹脂溜まり部があると、樹脂溜まり部の樹脂の内部歪が、光学有効径内の樹脂層にまで影響を及ぼす。これにより、光学有効径内の樹脂層の光学性能が悪化するという課題もあった。
そこで、本発明は、面形状の精度が高く内部歪が少ない接合光学素子及びその製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため、請求項1に係る接合光学素子の発明は、
光学有効径よりも外側に接触部を有する少なくとも2つの光学基材と、
前記2つの光学基材と前記接触部によって閉空間が形成され、
前記閉空間内を少なくとも充填する、エネルギー硬化型樹脂によるレンズ層と、
前記接触部の外周において、前記2つの光学基材の面同士が離間することで形成される樹脂溜まり部と、
前記樹脂溜まり部の少なくとも一部に、前記エネルギー硬化型樹脂による樹脂層と、を備え、前記樹脂溜まり部は、前記光学基材の径方向に対して2つ以上に分割されている。
請求項2に係る発明は、請求項1項記載の接合光学素子において、
前記樹脂溜まり部を構成する少なくとも一つの面が、前記光学基材の光軸と略垂直方向の面であることが好ましい。
請求項に係る発明は、請求項1項又は2項に記載の接合光学素子において、
前記樹脂溜まり部は、前記光学基材の外周部全周にわたって輪帯状に形成されていることが好ましい。
請求項に係る接合光学素子の製造方法の発明は、
光学有効径よりも外側に接触部を有する一方の光学基材の光学面上にエネルギー硬化型樹脂を塗布する工程と、
光学有効径よりも外側に接触部を有する他方の光学基材により前記エネルギー硬化型樹脂を押延する工程と、
前記エネルギー硬化型樹脂が接触部の外周まで押し出される工程と、
前記一方の光学基材の持つ接触部と前記他方の光学基材の持つ接触部を接触させ、閉空間と樹脂溜まり部を形成する工程と、
エネルギーを照射することにより前記エネルギー硬化型樹脂を硬化する工程と、を備え、
前記閉空間と樹脂溜まり部を形成する工程は、前記樹脂溜まり部を前記光学基材の径方向に対して2つ以上に分割して形成する
本発明によれば、面形状の精度が高く内部歪みが少ない接合光学素子を得ることができる。
実施の形態1における2つの光学基材の断面図である。 同上の2つの光学基材を貼り合せてできた接合光学素子の断面図である。 実施の形態2における2つの光学基材の断面図である。 同上の2つの光学基材を貼り合せてできた接合光学素子の断面図である。 実施の形態3における貼り合せる2つの光学基材の断面図である。 同上の2つの光学基材を貼り合せてできた接合光学素子の断面図である。 実施の形態4における貼り合せる2つの光学基材の断面図である。 同上の2つの光学基材を貼り合せてできた接合光学素子の断面図である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
図1は、貼り合わせる2つの光学基材11,12の断面図であり、図2は、2つの光学基材11,12を貼り合わせてできた接合光学素子10の断面図である。
光学基材11は、両凹形状をなしている。この光学基材11は、貼り合わせ面13と、反貼り合わせ面14とを有している。貼り合わせ面13は、その曲率半径R1aがR1a=8mmの球面形状を有している。なお、この貼り合わせ面13は非球面形状であってもよい。(他の実施の形態も同様である。)
ここで、貼り合わせ面とは、樹脂によって貼り合わせられる光学面のことをいい、反貼り合わせ面とは、貼り合わせ面と光学基材を挟んで対向する光学面のことを言う。(他の実施の形態も同様である。)
また、反貼り合わせ面14は、その曲率半径R1bがR1b=38mmの球面形状を有している。なお、この反貼り合わせ面14は非球面形状であってもよい。(他の実施の形態も同様である。)
この光学基材11は、中心肉厚tがt=0.8mm、外径DがD=φ12.4mmのガラス研磨レンズである。
本実施の形態では、光学基材11として、光学硝材S−BSL7((株)オハラ製)を用いた。この光学基材11は、貼り合わせ面13の光学有効径D(図2参照)よりも外側に接触部15を有している。本実施の形態では、この接触部15は、光軸Oと垂直な面により形成されている。
すなわち、接触部15は、輪帯状の平面である。ただし、接触部15は、必ずしも平面でなくとも良いが、平面である方がより好ましい。また、接触部15は、必ずしも光軸Oと垂直な面でなくとも良いが、垂直な面である方がより好ましい。
この接触部15は、貼り合わせ時に他方の光学基材12と接触する。また、ここで、「接触部」とは、2つの光学基材が接触する部分のことを言う。後述する各実施の形態についても同様である。
光学基材11には、中心軸が光軸Oである円筒状の外周面11aが形成されている。ただし、外周面11aは、必ずしも、円筒状でなくとも良い。
また、この光学基材11には、接触部15とその外周面11aとの間に面取り部16が形成されている。面取り部16は、光軸Oを含み光軸Oに平行な断面に関し、接触部15とのなす角が180度未満となるように形成されている。また、面取り部16と外周面11aの接線は、面取り部16と接触部15の接線よりも長い。
この2つの光学基材11,12の位置関係において光軸O方向の位置と、光軸Oに垂直方向の位置の少なくとも1つの方向が所望の設計に従うよう、光学基材11、12同士が紫外線硬化型樹脂1により接着されている。
光学基材12は、メニスカス形状をなしている。この光学基材12は、貼り合わせ面13と反貼り合わせ面14とを有している。貼り合わせ面13は、その近似曲率半径R2aがR2a=6.4mmの非球面形状を有している。なお、この貼り合わせ面13は球面形状であってもよい。(他の実施の形態も同様である。)
また、反貼り合わせ面14は、その近似曲率半径R2bがR2b=16mmの非球面形状を有している。なお、この反貼り合わせ面14は球面形状であってもよい。(他の実施の形態も同様である。)この光学基材12は、中心肉厚tがt=2.4mm、外径DがD=φ12.4mmのガラス成形レンズである。
本実施の形態では、光学基材12として、光学硝材S−BAL42((株)オハラ製)を用いた。この光学基材12は、貼り合わせ面13の光学有効径D(図2参照)よりも外側に接触部15を有している。この接触部15は、光軸Oと垂直な面により形成されている。
すなわち、接触部15は、輪帯状の平面である。ただし、接触部15は、必ずしも平面でなくとも良いが、平面である方がより好ましい。また、接触部15は、必ずしも光軸Oと垂直な面でなくとも良いが、垂直な面である方がより好ましい。
この接触部15は、貼り合わせ時に他方の光学基材11と接触する。
光学基材12には、中心軸が光軸Oである円筒状の外周面12aが形成されている。ただし、外周面12aは、必ずしも、円筒状でなくとも良い。
また、この光学基材12には、接触部15とその外周面12aとの間に面取り部16が形成されている。面取り部16は、光軸Oを含み光軸Oに平行な断面に関し、接触部15とのなす角が180度未満となるように形成されている。また、面取り部16と外周面12aの接線は、面取り部16と接触部15の接線よりも長い。
本実施の形態では、貼り合わせ面13の曲率半径が貼り合わせ面13の曲率半径よりも大きい。そして、接触部15、15は、何れも、光軸Oと垂直な面に形成されている。そのため、図2に示すように、光学基材11と光学基材12とが接触部15,15で接触した時点で、貼り合わせ面13と貼り合わせ面13との間に閉空間5が形成される。
後述するように、この閉空間5は少なくとも紫外線硬化型樹脂1によって充填される。そして、この紫外線硬化型樹脂1により、閉空間5にレンズ層としての樹脂層2が形成される。また、この紫外線硬化型樹脂1が閉空間5から押し出されて余剰樹脂3となる。
ここで、上述の通り、光軸Oを含み光軸Oに平行な断面に関し、面取り部16と接触部15のなす角および面取り部16と接触部15のなす角は、何れも180度未満である。また、面取り部16と外周面11aの接線は、面取り部16と接触部15の接線よりも長く、かつ、面取り部16と外周面12aの接線は、面取り部16と接触部15の接線よりも長い。
すなわち、接触部15,15の外周縁は、面取り部16と外周面11aの接線、および、面取り部16と外周面12aの接線の何れに対しても、短い。
従って、光学基材11、12の夫々の接触部15,15の外周には、樹脂溜まり部18が形成されている。このように、樹脂溜まり部18は、夫々の面取り部16、16によって、2つの光学基材11,12の面(16、16)同士が接触部(15、15)との接線以外で離間することで形成されている。
本実施の形態において、光学基材11,12の接触部15,15により、閉空間における樹脂層2と樹脂溜まり部18における余剰樹脂3は遮断されている。これにより、余剰樹脂3が硬化するときの収縮の影響は、貼り合わせ面13や貼り合わせ面13に及ばない。
そのため、本実施の形態によれば、光学基材11,12の光学有効径の内側の面形状を悪化させることがない。また、閉空間における樹脂層2における変形を防止することができる。本実施の形態では、特に面接触によって樹脂2と余剰樹脂3が遮断されているため、樹脂2と余剰樹脂3の間の距離がより離されることになり、余剰樹脂3の収縮の影響をさらに防止できる。
この樹脂溜まり部18は、光学基材11,12の夫々の外周面全周にわたって輪帯状に形成されている。そして、この樹脂溜まり部18に、閉空間5から押し出された余剰樹脂3が付着する。
このように、特に樹脂溜まり部18が輪帯状である場合、余剰樹脂3は均等にひける。このため、偏って応力が生じることはない。
次に、貼り合わせ方法について説明する。
光学基材11の貼り合わせ面13に、不図示の供給装置によりエネルギー硬化型樹脂としての紫外線硬化型樹脂1を所望量吐出する。なお、紫外線硬化型樹脂1の代わりに熱硬化型樹脂のように熱等のエネルギーにより硬化する樹脂を用いてもよい。次いで、光学基材11に光学基材12を接近移動させる。なお、光学基材12に光学基材11を接近移動させてもよい。
このとき、光学基材11及び光学基材12の光学有効径D(図2参照)よりも外側にある接触部15,15が互いに接触するまで紫外線硬化型樹脂1を押延する。この接触部15,15は、互いに接触することで光学基材同士で光軸Oと平行方向の位置決めがなされると共に、樹脂層2が所望の樹脂厚(中心樹脂厚t)となるように加工されている。
この位置決めの方向は、本実施の形態では光軸○と平行方向の位置決めをなしているが、この位置決めの方向は光軸に対して平行方向のみに限定されるものではない。また、後述する各実施の形態についても同様である。
また、本実施の形態では、紫外線硬化型樹脂1の吐出量は、少なくとも閉空間5を充填するのに充分必要な量とした。すなわち、光学基材11と光学基材12とが接触部15,15で接触し、樹脂層2の厚さが決まった状態で充分必要な量とした。
このときの閉空間5の容積は、設計段階で正確に計算することができる。しかし、紫外線硬化型樹脂1の吐出量のバラツキにより、設計段階で計算した閉空間5の容積よりも多い量の樹脂が、閉空間5に吐出された場合、閉空間5からの余剰樹脂3が樹脂溜まり部18に押し出される状態となる。
この状態を保持したまま、光学基材11の下方から光学基材11を通して紫外線ランプ4により紫外線を照射する。例えば、15±2mW/cmのほぼ均一な照度分布で、紫外線が120秒照射される。この照射により、樹脂層2及び余剰樹脂3が硬化される。
このとき、樹脂溜まり部18は接触部15,15で樹脂層2と分断されている。このため、余剰樹脂3が樹脂層2に影響を与えることを防止できる。また、余剰樹脂3は樹脂溜まり部18に押し出された状態で硬化するため、余剰樹脂3が収縮することで応力が発生しても、光学基材11,12の光学面の面形状に影響することを防止できる。
なお、本実施の形態では、光学基材11の下方から紫外線を照射したがこれに限らない。例えば、光学基材12の上方から紫外線を照射してもよい。後述する各実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態では、光学基材11と樹脂の密着性、および、樹脂と光学基材12の密着性を上げる処理を行った。すなわち、光学基材11と光学基材12を貼り合わせる前に、光学基材11と光学基材12の夫々の貼り合わせ面13,13に対して、シランカップリング処理を行った。
さらに、図2に示すように、2つの光学基材11,12を貼り合わせてできた接合光学素子10は、中心樹脂厚tがt=0.05mmであり、樹脂層2の有効径D(D=φ8.8mm)における樹脂厚tはt=0.5mmであった。
また、更なる効果として、温湿度変化等による環境耐性の高い接合光学素子10が得られることが分かった。これは、樹脂溜まり部18に押し出された余剰樹脂3が硬化することで、接触部15,15はその内外で強固に固着されるためである。
従って、温湿度変化等の環境変化により光学基材11,12が膨張・収縮したとしても、光学基材11,12と樹脂層2とが剥離することを防止できる。すなわち、光学基材11,12が強固に固着されることで、その線膨張率差によって生じる接触部15,15の光軸Oと略垂直方向のズレが生じ難くなった。
こうして、得られた接合光学素子10に温湿度変化等の環境変化を加えても、光学基材11,12と樹脂層2との剥離を防止できる。
[実施の形態2]
図3は、貼り合わせる2つの光学基材21,22の断面図であり、図4は、2つの光学基材21,22を貼り合わせてできた接合光学素子20の断面図である。
光学基材21は、凹メニスカス形状をなしている。この光学基材21は、貼り合わせ面23と反貼り合わせ面24とを有している。貼り合わせ面23は、その近似曲率半径R1aがR1a=12mmの非球面形状を有している。また、反貼り合わせ面24は、その近似曲率半径R1bがR1b=20mmの非球面形状を有している。
ここで、貼り合わせ面とは、樹脂によって貼り合わせられる光学面のことをいい、反貼り合わせ面とは、貼り合わせ面と光学基材を挟んで対向する光学面のことを言う。(他の実施の形態も同様である。)
この光学基材21は、中心肉厚tがt=1mm、外径DがD=φ20mmのプラスチック成形レンズである。
この光学基材21は、貼り合わせ面23の光学有効径D(図4参照)よりも外側に、貼り合わせ時に他方の光学基材22と接触しない非接触部26を有している。この非接触部26は、光軸Oと垂直な面に形成されている。すなわち、非接触部26は、輪帯状の平面である。ただし、非接触部26は、必ずしも平面でなくとも良い。
また、非接触部26の外周部に斜面の接触部25を有している。この接触部25は、貼り合わせ時に他方の光学基材22と接触する部分である。本実施の形態では、この接触部25は、光軸Oに対して30°の斜面に形成され、かつ、光軸Oを含み光軸Oに平行な断面に関し、非接触部26とのなす角が180度未満となるように形成されている。
非接触部26と接触部25の接線は、後述する非接触部27と接触部25の接線よりも短い。ただし、接触部25と光軸Oのなす角度は、必ずしも30°でなくとも良い。
さらに、この斜面の接触部25の外周部に非接触部27を有している。この非接触部27は、光軸Oと垂直な面に形成されている。すなわち、非接触部27は、輪帯状の平面である。
本実施の形態では、光学基材21として、PC(ポリカーボネート)樹脂(ユピゼータEP5000:三菱ガス化学(株)社製)の熱可塑性樹脂を用いた。
光学基材22は、両凸形状をなしている。この光学基材22は、貼り合わせ面23と反貼り合わせ面24とを有している。貼り合わせ面23は、その近似曲率半径R2aがR2a=13mmの非球面形状を有している。
また、反貼り合わせ面24は、その近似曲率半径R2bがR2b=80mmの非球面形状を有している。この光学基材22は、中心肉厚tがt=5mm、外径DがD=φ20mmのプラスチック成形レンズである。
この光学基材22は、貼り合わせ面23の光学有効径D(図4参照)よりも外側に、貼り合わせ時に他方の光学基材21と接触しない非接触部26を有している。この非接触部26は、光軸Oと垂直な面に形成されている。すなわち、非接触部26は、輪帯状の平面である。ただし、非接触部26は、必ずしも平面でなくとも良く、また、光軸Oと垂直な面なくとも良い。
また、非接触部26の外周部に斜面の接触部25を有している。この接触部25は、貼り合わせ時に他方の光学基材21と接触する部分である。本実施の形態では、この接触部25は、光軸Oに対して30°の斜面に形成され、かつ、光軸Oを含み光軸Oに平行な断面に関し、後述する非接触部27とのなす角が180度未満となるように形成されている。
すなわち、接触部25と光軸Oのなす角度と、接触部25と光軸Oのなす角度と、は「等しい」。このように、接触部25と接触部25は、互いに嵌合する形状に形成されている。また、非接触部26と接触部25の接線は、後述する非接触部27と接触部25の接線よりも短い。さらに、非接触部26と接触部25の接線は、非接触部26と接触部25の接線よりも短い。
ただし、接触部25と光軸Oのなす角度は、必ずしも30°でなくとも良く、接触部25と接触部25は、互いに嵌合する形状であればよい。また、上記「等しい」との記載は、数学的に等しいのではなく、設計誤差として許容できる範囲内で略等しいことも含むものとする。(他の実施の形態も同様である)。
さらに、この斜面の接触部25の外周部に非接触部27を有している。この非接触部27は、光軸Oと垂直な面に形成されている。すなわち、非接触部27は、輪帯状の平面である。ただし、非接触部27は、必ずしも平面でなくとも良く、また、光軸Oと垂直な面でなくとも良い。
また、接触部25と非接触部27の接線は、接触部25と非接触部27の接線よりも短い。
本実施の形態では、光学基材22として、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂(ゼオネックス480R:日本ゼオン(株)社製)の熱可塑性樹脂を用いた。
上述した通り、接触部25と接触部25は、嵌合する形状に形成されており、かつ、非接触部26と接触部25の接線は、非接触部26と接触部25の接線よりも短い。こうして、図4に示すように、光学基材21と光学基材22とが接触部25,25で接触した時点で、貼り合わせ面23と貼り合わせ面23との間に閉空間5が形成される。後述するように、この閉空間5は少なくとも紫外線硬化型樹脂1によって充填される。そして、紫外線硬化型樹脂1によりレンズ層としての樹脂層2が形成される。また、この紫外線硬化型樹脂1が閉空間5から押し出されて余剰樹脂3となる。
さらに、上述した通り、接触部25と接触部25は、嵌合する形状に形成されており、かつ、接触部25と非接触部27の接線は、接触部25と非接触部27の接線よりも短い。従って、光学基材21、22の夫々の接触部25,25の外周には、樹脂溜まり部28が形成されている。
この樹脂溜まり部28は、2つの光学基材21,22の非接触部27、27同士が離間することで形成されている。また、余剰樹脂3は、樹脂層2と接触部25,25で分断されている。このため、余剰樹脂3が、樹脂層2に影響を与えることを防止できる。
なお、本実施の形態は樹脂溜まり部28を構成する面として、光軸Oと垂直な面に形成された非接触部27、27を有している。この際、余剰樹脂3が非接触部27、27と接触する界面は光軸○と垂直な面を形成する。このように垂直の面を形成している場合、樹脂の収縮・膨張によって余剰樹脂3と、非接触部27、27との間(界面)に働く応力は、光軸○と垂直な方向にかかる応力となり、光軸○と平行な方向には応力がかからない。
そのため、樹脂の収縮・膨張による力が直接非接触部27、27には働かないため余剰樹脂3は非接触部27、27から剥離し難くなる。これによって接合光学素子20が温湿度変化等の環境変化によって剥離することをさらに防止できる。
次に、貼り合わせ方法について説明する。
光学基材21の貼り合わせ面23に、不図示の供給装置によりエネルギー硬化型樹脂としての紫外線硬化型樹脂1を所望量吐出する。次いで、光学基材21に光学基材22を接近移動させる。
このとき、光学基材21及び光学基材22の光学有効径Dよりも外側にある接触部25,25が互いに嵌合するまで紫外線硬化型樹脂1を押延する。この接触部25,25は、嵌合することで樹脂層2が所望の樹脂厚となるように加工されている。
また、この接触部25,25は、光軸Oに対する同軸度が高精度に加工されている。このため、光学基材21の光軸Oと光学基材22の光軸Oとは、光学基材21及び光学基材22の嵌合部が互いに嵌合することで一致する。
さらに、紫外線硬化型樹脂1の吐出量は、少なくとも閉空間5を充填するのに充分必要な量とした。すなわち、光学基材21と光学基材22とが接触部25、25で嵌合し、レンズ層としての樹脂層2の厚さと2つの光学基材21、22の光軸方向の位置が決まった状態で充分必要な量とした。
このときの閉空間5の容積は、設計段階で正確に計算することができる。しかし、紫外線硬化型樹脂1の吐出量のバラツキにより、設計段階で計算した閉空間5の容積よりも多い量の樹脂が、閉空間5に吐出された場合、閉空間5から余剰樹脂3が樹脂溜まり部28に押し出される状態となる。
この状態を保持したまま、光学基材21の下方から光学基材21を通して紫外線ランプ4により紫外線を照射する。例えば、30±2mW/cmのほぼ均一な照度分布で、紫外線が100秒照射される。この照射により、樹脂層2及び余剰樹脂3が硬化される。
なお、本実施の形態では、光学基材21と樹脂の密着性、および、樹脂と光学基材22との密着性を上げる処理を行った。すなわち、光学基材21と光学基材22を貼り合わせる前に、光学基材21、22の夫々の貼り合わせ面23,23を紫外線オゾン処理による親水処理を行った。さらに、その後、シランカップリング処理を行った。
さらに、図4に示すように、2つの光学基材21,22を貼り合わせてできた接合光学素子20は、中心樹脂厚tがt=0.5mm、樹脂層2の有効径D(D=φ15mm)における樹脂厚tがt=0.25mmであった。樹脂溜まり部28の厚さtはt=0.5mmであった。
本実施の形態では、射出成形法により成形されるプラスチック成形レンズを光学基材21,22として用いたため、接触部25,25や非接触部27、27の形状自由度が高くなる。また、接触部25,25を斜面としたため、光軸Oと垂直方向の位置決めも光軸○方向の位置決めと同時に行うことができる。
さらに、樹脂溜まり部28において余剰樹脂3が非接触部27、27の間を埋めるようにして強固に固着されているため、温湿度変化による光軸Oと略垂直方向のズレに対し、より強い構造となる。これにより、温湿度変化等による環境耐性が更に高くなると共に、線膨張率差の大きな基材同士でも良好な環境耐性を得ることができる。
[実施の形態3]
図5は、貼り合わせる2つの光学基材31,32の断面図であり、図6は、2つの光学基材31,32を貼り合わせてできた接合光学素子30の断面図である。
光学基材31は、第2の実施の形態と同様に凹メニスカス形状をなしている。この光学基材31は、貼り合わせ面33と反貼り合わせ面34とを有している。貼り合わせ面33は、その近似曲率半径R1aがR1a=12mmの非球面形状を有している。また、反貼り合わせ面34は、その近似曲率半径R1bがR1b=20mmの非球面形状を有している。
ここで、貼り合わせ面とは、樹脂によって貼り合わせられる光学面のことをいい、反貼り合わせ面とは、貼り合わせ面と光学基材を挟んで対向する光学面のことを言う。(他の実施の形態も同様である。)
この光学基材31は、中心肉厚tがt=1mm、外径DがD=φ20mmのプラスチック成形レンズである。
この光学基材31は、貼り合わせ面33の光学有効径D(図6参照)よりも外側に、貼り合わせ時に他方の光学基材32と接触する接触部36を有している。この接触部36は、光軸Oと垂直な面に形成されている。すなわち、接触部36は、輪帯状の平面である。ただし、接触部36は、必ずしも平面でなくとも良く、また、光軸Oと垂直な面なくとも良い。
この接触部36の外周に、段差部35を介して非接触部37が形成されている。段差部35は、光軸Oと平行な面に形成されている。すなわち、段差部35は、中心軸が光軸Oである円筒状の面である。また、非接触部37は、輪帯状の平面である。
ただし、非接触部37は、必ずしも平面でなくとも良く、また、光軸Oと垂直な面でなくとも良い。
本実施の形態では、光学基材31として、PC(ポリカーボネート)樹脂(ユピゼータEP5000:三菱ガス化学(株)社製)の熱可塑性樹脂を用いた。
光学基材32は、両凸形状をなしている。この光学基材32は、貼り合わせ面33と反貼り合わせ面34とを有している。貼り合わせ面33は、その近似曲率半径R2aがR2a=13mmの非球面形状を有している。
また、反貼り合わせ面34は、その近似曲率半径R2bがR2b=80mmの非球面形状を有している。この光学基材32は、中心肉厚tがt=5mm、外径DがD=φ20mmのプラスチック成形レンズである。
この光学基材32は、貼り合わせ面33の光学有効径D(図6参照)よりも外側に、貼り合わせ時に他方の光学基材31と接触する接触部36を有している。この接触部36は、光軸Oと垂直な面に形成されている。すなわち、接触部36は、輪帯状の平面である。
ただし、接触部36は、必ずしも平面でなくとも良く、また、光軸Oと垂直な面でなくとも良い。この接触部36の外周に、段差部35を介して非接触部37が形成されている。
段差部35は、光軸Oと平行な面に形成されている。すなわち、段差部35は、中心軸が光軸Oである円筒状の面である。また、非接触部37は、輪帯状の平面である。ただし、非接触部37は、必ずしも平面でなくとも良く、また、光軸Oと垂直な面でなくとも良い。
ここで、光軸Oの方向に関し、段差部35の厚さは、段差部35の厚さよりも薄い。
また、段差部35と非接触部37の接線は、接触部36と段差部35の接線と「等しい」。また、上述の通り、段差部35および段差部35は、共に、中心軸が光軸Oである円筒状の面である。従って、段差部35は、光学基材31の段差部35と接触することによって、嵌合する。
また、前述した通り、光軸Oの方向に関し、段差部35の厚さは、段差部35の厚さよりも薄く、かつ、段差部35と段差部35は嵌合する。従って、非接触部37と非接触部37との間に樹脂溜まり部38が形成される。
本実施の形態では、光学基材22として、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂(ゼオネックス480R:日本ゼオン(株)社製)の熱可塑性樹脂を用いた。
こうして、図6に示すように、光学基材31と光学基材32とが接触部36,36で接触した時点で、貼り合わせ面33と貼り合わせ面33との間に閉空間5が形成される。この閉空間5に、後述する紫外線硬化型樹脂1が充填されてレンズ層としての樹脂層2が形成される。
また、この紫外線硬化型樹脂1が閉空間5から押し出されて余剰樹脂3となる。
さらに、光学基材31、32の夫々の接触部36,36及び段差部35、35の外周には、樹脂溜まり部38が形成されている。この樹脂溜まり部38は、夫々の非接触部37、37によって、2つの光学基材31,32の面同士が離間することで形成されている。
さらに、この樹脂溜まり部38は、光学基材31,32の夫々の外周部全周にわたって輪帯状に形成されている。そして、この樹脂溜まり部38に、閉空間5から押し出された余剰樹脂3が付着する。
この余剰樹脂3は、樹脂層2と接触部36,36で分断されている。このため、余剰樹脂3が樹脂層2に影響を与えることを防止できる。
次に、貼り合わせ方法について説明する。
光学基材31の貼り合わせ面33に、不図示の供給装置によりエネルギー硬化型樹脂としての紫外線硬化型樹脂1を所望量吐出する。次いで、光学基材31に光学基材32を接近移動させる。
このとき、光学基材31の光学有効径Dよりも外側にある接触部36と、光学基材32の光学有効径よりも外側にある接触部36とが、互いに接触するまで紫外線硬化型樹脂1を押延する。これらの接触部36、36等は、接触することでレンズ層としての樹脂層2が所望の中心樹脂厚tとなるように加工されている。
また、これら接触部36、36と段差部35、35は、貼り合わせ面33,33の光軸Oに対する同軸度が高精度に加工されている。このため、光学基材31の光軸Oと光学基材32の光軸Oとは、接触部36、36と段差部35、35とが夫々互いに接触することで位置決めされる。
さらに、紫外線硬化型樹脂1の吐出量は、光学基材31、32が接触部36、36及び段差部35、35で夫々接触した状態で、閉空間5に充填されるのに充分必要な量とした。この状態で、樹脂層2の厚さと2つの光学基材31、32の光軸O方向の位置が決定される。
なお、閉空間5の容積は、設計段階で正確に計算することができる。しかし、紫外線硬化型樹脂1の吐出量のバラツキにより、設計段階で計算した閉空間5の容積よりも多い量の樹脂が、閉空間5に吐出された場合、閉空間5から余剰樹脂3が樹脂溜まり部38に押し出される状態となる。
この状態を保持したまま、光学基材31の下方から光学基材31を通して紫外線ランプ4により紫外線を照射する。例えば、30±2mW/cmのほぼ均一な照度分布で、紫外線が100秒照射される。この照射により、樹脂層2及び余剰樹脂3を硬化させる。
なお、光学基材31と樹脂の密着性、及び、樹脂と光学基材32との密着性を上げるため、光学基材31と光学基材32を貼り合わせる前に、光学基材31、32の夫々の貼り合わせ面33,33に対して、紫外線オゾン処理による親水処理を行った。その後、シランカップリング処理を行った。
図6に示すように、2つの光学基材31,32を貼り合わせてできた接合光学素子30は、中心樹脂厚tがt=0.5mm、樹脂層2の有効径D(D=φ15mm)における樹脂厚tがt=0.25mmであった。また、樹脂溜まり部38の厚さtはt=0.5mmであった。
本実施の形態によれば、接触部36、36を光軸Oと垂直な面としたため、貼り合わせ時に光学基材31、32間の光軸方向の貼り合わせ精度を向上させることができる。すなわち、クサビ形に貼り合わせられてしまうことがなくなる。
また、接触部(36、36)及び段差部(35、35)の接触面積が大きいため、より閉空間5から余剰樹脂3の影響を遮断することが出来、光学基材31,32の夫々の貼り合わせ面33,33の面形状が悪化することを防止できる。
[実施の形態4]
図7は、貼り合わせる2つの光学基材41,42の断面図であり、図8は、2つの光学基材41,42を貼り合わせてできた接合光学素子40の断面図である。
光学基材41は、凹メニスカス形状をなしている。この光学基材41は、貼り合わせ面43と反貼り合わせ面44とを有している。貼り合わせ面43は、その近似曲率半径R1aがR1a=12mmの非球面形状を有している。
ここで、貼り合わせ面とは、樹脂によって貼り合わせられる光学面のことをいい、反貼り合わせ面とは、貼り合わせ面と光学基材を挟んで対向する光学面のことを言う。(他の実施の形態も同様である。)
また、反貼り合わせ面44は、その近似曲率半径R1bがR1b=20mmの非球面形状を有している。この光学基材41は、中心肉厚tがt=1mm、外径DがD=φ24mmのプラスチック成形レンズである。
光学基材41は、貼り合わせ面43の光学有効径D(図8参照)よりも外側に(貼り合わせ面43と平面47の接線)に、第1の接触部45を有している。この第1の接触部45は、貼り合わせ時に他方の光学基材42と線接触することで、レンズ層としての樹脂層2(図8参照)の厚さ方向の位置を決める。また、第1の接触部45の外周部は、光軸Oに対して垂直方向に延びる平面47が連続して形成されている。すわなち、平面47は、輪帯状の平面である。
ただし、非接触部47は、必ずしも平面でなくとも良く、また、光軸Oと垂直な面なくとも良い。
この平面47の外周部は、光軸O方向に延びる第2の接触部46が連続して形成されている。すなわち、第2の接触部46は、中心軸が光軸Oであって、半径D/2の円筒状の面である。なお、Dは、D=17mmである。ただし、第2の接触部46は、必ずしも、円筒状でなくとも良い。この第2の接触部46は、光軸Oに対して垂直方向の位置を決める役目をなしている。
さらに、第2の接触部46の外周部には、傾斜面48が形成されている。
また、傾斜面48の外周部には、端面41aが形成されている。傾斜面48は、光軸Oを含み光軸Oに平行な断面に関し、端面41aとのなす角度が180度未満となるように形成されている。また、第2の接触部46と傾斜面48の接線は、端面41aと傾斜面48の接線よりも短い。
端面41aは、光軸Oに垂直な面に形成されている。すなわち、端面41aは、輪帯状の平面である。ただし、端面41aは、必ずしも平面でなくとも良く、また、光軸Oと垂直な面でなくとも良い。
本実施の形態では、光学基材41として、PC(ポリカーボネート)樹脂(ユピゼータEP5000:三菱ガス化学(株)社製)の熱可塑性樹脂を用いた。
光学基材42は、両凸形状をなしている。この光学基材42は、貼り合わせ面43と反貼り合わせ面44とを有している。また、光学基材42は、貼り合わせ面43と反貼り合わせ面44との間に、中心軸が光軸Oであり円筒状の外周面42aを有している。ただし、外周面42aは、必ずしも、円筒状でなくとも良い。
貼り合わせ面43は、その近似曲率半径R2aがR2a=13mmの非球面形状を有している。
また、反貼り合わせ面44は、その近似曲率半径R2bがR2b=80mmの非球面形状を有している。この光学基材42は、中心肉厚tがt=5mm、外径DがD=φ17mmのガラス成形レンズである。
こうして、図8に示すように、2つの光学基材41,42を貼り合わせた状態にする。
ここで、光学基材42の外径と、第2の接触面46を規定する円筒状の面の直径と、は共にDであり「等しい」。すなわち、外周面42aと貼り合わせ面43の接線は、第2の接触部46と傾斜面48の接線と「等しい」ため、外周面42aと第2の接触部46は嵌合する。
外周面42aを第2の接触部46に嵌合した際に、貼り合わせ面43は曲面であるのに対し、貼り合わせ面43の対向面は、平面47である。従って、光学基材41の第1及び第2の接触部45、46と、光学基材42の貼り合わせ面43との間には、第1の樹脂溜まり部49が形成されている。
また、傾斜面48は、光軸Oを含み光軸Oに平行な断面に関し、端面41aとのなす角度が180度未満となるように形成され、かつ、第2の接触部46と傾斜面48の接線は、端面41aと傾斜面48の接線よりも短い。従って、光学基材41の傾斜面48と、光学基材42の外周面42aとの間には、第2の樹脂溜まり部49が形成されている。
本実施の形態では、光学基材42として、光学硝材S−BAL42((株)オハラ製)を用いた。また、光学基材42の外周面42aは、光軸Oに対する同軸度が高精度に加工されている。
ここで、上述した通り、貼り合わせ面43は、その近似曲率半径R1aがR1a=12mmであり、かつ、貼り合わせ面43は、その近似曲率半径R2aがR2a=13mmである。すなわち、貼り合わせ面43の近似曲率半径の方が、貼り合わせ面43の近似曲率半径よりも小さい。
こうして、2つの光学基材41,42の間には、その貼り合わせ面43と貼り合わせ面43との間に閉空間5が形成される。後述するように、この閉空間5は少なくとも紫外線硬化型樹脂1によって充填される。そして、紫外線硬化型樹脂1によりレンズ層としての樹脂層2が形成される。
また、この紫外線硬化型樹脂1が閉空間5から押し出されて余剰樹脂3となる。
さらに、第1の樹脂溜まり部49及び第2の樹脂溜まり部49は、光学基材41の平面47と光学基材42の貼り合わせ面43、及び光学基材41の傾斜面48と光学基材42の外周面42aが離間することで夫々形成されている。
この第1と第2の樹脂溜まり部49、49は、光学基材41,42の夫々の外周部全周にわたって輪帯状に形成されている。そして、これら第1と第2の樹脂溜まり部49、49に、閉空間5から押し出された余剰樹脂3が付着する。
この第1と第2の樹脂溜まり部49、49の余剰樹脂3は、樹脂層2とは、第1の接触部45と第2の接触部46で夫々分断されている。このため、余剰樹脂3が、樹脂層2に影響を与えることを防止できる。
次に、貼り合わせ方法について説明する。
光学基材41の貼り合わせ面43に、不図示の供給装置によりエネルギー硬化型樹脂としての紫外線硬化型樹脂1を所望量吐出する。次いで、光学基材41に光学基材42を接近移動させる。
このとき、光学基材41の光学面有効面よりも外側にある第1の接触部45が、光学基材42の貼り合わせ面43に線接触する。さらに、光学基材41の第2の接触部46が光学基材42の外周面42aに嵌合するまで樹脂を押延する。
第1の接触部45が光学基材42の貼り合わせ面43に線接触することで、樹脂層2は所望の樹脂厚となる。また、第2の接触部46は貼り合わせ面43の光軸Oに対する同軸度が高精度に加工されている。
このため、光学基材41の光軸Oと光学基材42の光軸Oとは、光学基材41の第1及び第2の接触部45,46と、光学基材42の貼り合わせ面43及び外周面42aとによって位置決めされる。
さらに、紫外線硬化型樹脂1の吐出量は、2つの光学基材41、42が、樹脂層2の厚さと光軸O方向の位置が決まった状態で、少なくとも閉空間5に充填されるのに充分必要な量とした。
このとき、吐出量のバラツキにより、設計段階で計算した閉空間5の容積よりも多い量の樹脂が、閉空間5に吐出された場合、充填された紫外線硬化型樹脂1が、閉空間5から第1の樹脂溜まり部49に余剰樹脂3として押し出される。また、吐出量のバラツキにより、閉空間5と第1の樹脂溜まり部49を足した容積よりも多い量の樹脂が、閉空間5に吐出された場合、充填された紫外線硬化型樹脂1が、閉空間5から第1の樹脂溜まり部49及び第2の樹脂溜まり部49に余剰樹脂3として押し出される。
この状態を保持したまま、光学基材41の下方から光学基材41を通して紫外線ランプ4により紫外線を照射する。例えば、30±2mW/cmのほぼ均一な照度分布で、紫外線が100秒照射される。この照射により、樹脂層2および余剰樹脂3を硬化させる。
なお、光学基材41と樹脂、及び樹脂と光学基材42の密着性を上げるため、光学基材41と光学基材42を貼り合わせる前に、光学基材41の貼り合わせ面43は紫外線オゾン処理による親水処理を行った後、シランカップリング処理を行った。また、光学基材42の貼り合わせ面43に対してはシランカップリング処理を行った。
図8に示すように、2枚の光学基材41,42を貼り合わせてできた接合光学素子40は、中心樹脂厚tがt=0.5mmであり、樹脂層2の有効径D(D=φ15mm)における樹脂厚tがt=0.25mmであった。
本実施の形態によれば、樹脂溜まり部を2箇所(第1と第2の樹脂溜まり部49,49)に分割したことにより、それぞれの樹脂溜まり部49,49を小さくすることができる。これにより、樹脂溜まり部49,49の樹脂の硬化収縮量を小さくすることができる。こうして、樹脂溜まり部49,49に発生する応力歪自体を小さくすることができる。
なお、以上説明した各実施の形態で記載した光学基材11,12等の形状・材質、樹脂の種類、貼り合わせ方法等はこれに限定されるものではない。
1 紫外線硬化型樹脂
2 樹脂層
3 余剰樹脂
4 紫外線ランプ
5 閉空間
10 接合光学素子
11 光学基材
11a 外周面
12 光学基材
12a 外周面
13 貼り合わせ面
13 貼り合わせ面
14 反貼り合わせ面
14 反貼り合わせ面
15 接触部
15 接触部
16 面取り部
16 面取り部
18 樹脂溜まり部
20 接合光学素子
21 光学基材
22 光学基材
23 貼り合わせ面
23 貼り合わせ面
24 反貼り合わせ面
24 反貼り合わせ面
25 接触部
25 接触部
26 非接触部
26 非接触部
27 非接触部
27 非接触部
28 樹脂溜まり部
30 接合光学素子
31 光学基材
32 光学基材
33 貼り合わせ面
33 貼り合わせ面
34 反貼り合わせ面
34 反貼り合わせ面
35 段差部
35 段差部
36 接触部
36 接触部
37 非接触部
37 非接触部
38 樹脂溜まり部
40 接合光学素子
41 光学基材
41a 端面
42 光学基材
42a 外周面
43 貼り合わせ面
43 貼り合わせ面
44 反貼り合わせ面
44 反貼り合わせ面
45 第1の接触部
46 第2の接触部
47 平面
48 傾斜面
49 第1の樹脂溜まり部
49 第2の樹脂溜まり部
外径
外径
光学有効径

Claims (4)

  1. 光学有効径よりも外側に接触部を有する少なくとも2つの光学基材と、
    前記2つの光学基材と前記接触部によって閉空間が形成され、
    前記閉空間内を少なくとも充填する、エネルギー硬化型樹脂によるレンズ層と、
    前記接触部の外周において、前記2つの光学基材の面同士が離間することで形成される樹脂溜まり部と、
    前記樹脂溜まり部の少なくとも一部に、前記エネルギー硬化型樹脂による樹脂層と、を備え、
    前記樹脂溜まり部は、前記光学基材の径方向に対して2つ以上に分割されていることを特徴とする接合光学素子。
  2. 前記樹脂溜まり部を構成する少なくとも一つの面が、前記光学基材の光軸と略垂直方向の面であることを特徴とする請求項1項記載の接合光学素子。
  3. 前記樹脂溜まり部は、前記光学基材の外周部全周にわたって輪帯状に形成されていることを特徴とする請求項1項又は2項に記載の接合光学素子。
  4. 光学有効径よりも外側に接触部を有する一方の光学基材の光学面上にエネルギー硬化型樹脂を塗布する工程と、
    光学有効径よりも外側に接触部を有する他方の光学基材により前記エネルギー硬化型樹脂を押延する工程と、
    前記エネルギー硬化型樹脂が接触部の外周まで押し出される工程と、
    前記一方の光学基材の持つ接触部と前記他方の光学基材の持つ接触部を接触させ、閉空間と樹脂溜まり部を形成する工程と、
    エネルギーを照射することにより前記エネルギー硬化型樹脂を硬化する工程と、 を備え、
    前記閉空間と樹脂溜まり部を形成する工程は、前記樹脂溜まり部を前記光学基材の径方向に対して2つ以上に分割して形成する
    ことを特徴とする接合光学素子の製造方法。
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