上記(1)の積み重ね方式は、正負の極板およびセパレータの位置精度を確保するのが難しく、位置がずれると正負の電極間で短絡するおそれがある。短絡を防ぐために精密に位置決め行うものとすると、それがタクトタイム(極板群1個当りの生産速度。)を遅くする原因となり、極板群ひいては電池の生産性が低下するという問題がある。
また、上記(2)の巻回方式は、極板群の巻回数が多いと極板群と電池ケースの角部との間がデットスペースとなり、電気容量が少なくなるという問題がある。
上記(3)のジグザグスタック方式は、上記(1)の積み重ね方式に比べ正負の極板及びセパレータの位置精度を高めることができ、タクトタイムも短縮することができ、上記(2)の巻回方式に比べデッドスペースを低減し電気容量を増大させることができるという利点がある。
しかし、従来のジグザグスタック方式は、特許文献1に記載のものにあっては、連続状のセパレータを一対のローラで挟み、この一対のローラを水平方向に往復移動させることによりセパレータをジグザグ折りし、一対のローラが一往復する都度正負の極板を交互にセパレータ上に乗せるものであるから、タクトタイムが遅く、生産性を高めることが難しい。
また、特許文献2に記載のものにあっては、一定間隔で夫々保持された硬い正極板と負極板とで連続状のセパレータをジグザク状に挟みこんで極板群を形成しようというものであるから、セパレータに大きなテンション(負荷)が作用してセパレータが破断しやすくなり、また、極板が薄く柔らかい場合は製造が困難であるという問題がある。特許文献3に記載のものにあっては、鋸歯状の雌型に連続状のセパレータを乗せ、雌型の各溝に向かって一つの溝に合致する形を有した雄型を順に挿入することによってジグザグ状のセパレータを形成し、次にセパレータの各谷溝に正極板と負極板を交互に挿入し、最後にセパレータを正負の極板ごとジグザグ方向に押圧して扁平にすることにより極板群を製造しようというものであるから、タクトタイムが長く、生産性を高めることが難しい。
そして、特許文献4に記載のものにあっては、連続状のセパレータを連続状の正極板と負極板とで挟んだものを鋸歯状の雌雄型でジグザグ状にプレスし、このジグザグ状の重畳体をプレスすることにより極板群を製造しようというものであるから、極板群のジグザグ折りが細かくなり、電気容量が小さくなるという問題がある。また、正極板同士、負極板同士が接触する箇所が生じするので、正極板と負極板に発電に関与しない無駄な部分が生じるという問題もある。
そこで、本発明は上記事情を考慮してなされたもので、比較的薄くて柔らかい極板を使用した電気容量の大きい極板群を短いタクトタイムで製造することができる方法及び装置を提供することを目的とする。また、角形電池に適した極板群を短いタクトタイムで製造することができる方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造方法において、複数枚のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を水平方向にジグザグ状に配列し、このガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の上段の列と下段の列との間に上記セパレータの連続体(3)を挿入し、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で垂直方向に交差させることによって、上記連続体(3)を上下に波打つようにジグザグ折りしつつ、このジグザグ折りされた連続体(3)の各谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)を交互に挿入し、上記連続体(3)の各谷溝(3a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を抜去し、しかる後に、上記連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にすることを特徴とする角形電池用極板群(2)の製造方法である。
また、請求項2に係る発明は、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造方法において、複数枚のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)を水平方向にジグザグ状に配列し、このガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)の上段の列と下段の列との間に、上記負極板の連続体(24)を二条のセパレータの連続体(3,3)で挟んだ重畳体(23)を挿入し、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)を列同士間で垂直方向に交差させることによって、上記重畳体(23)を上下に波打つようにジグザグ折りしつつ、このジグザグ折りされた重畳体(23)の各谷溝(23a)内に上記正極板(4)を挿入し、上記重畳体(23)の各谷溝(23a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)を抜去し、しかる後に、上記重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にすることを特徴とする角形電池用極板群(22)の製造方法である。
請求項3に記載されるように、請求項1又は2に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された上記正極板(4)と上記負極板(5)の双方又は上記正極板(4)を上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の長さ方向で押圧してもよい。
請求項4に記載されるように、請求項1乃至請求項3に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を交差側先端に傾斜する傾斜板に形成してもよい。
請求項5に記載されるように、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の下向きの開口を有した谷溝(3a,23a)内に挿入する上記正極板(4)又は上記負極板(5)を垂直に起立した状態で水平方向に並べておくようにしてもよい。
請求項6に記載されるように、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の交差側先端に回転自在なローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)を取り付けてもよい。
請求項7に記載されるように、請求項6に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で交差させる際に、上記ローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)の表面から上記連続体(3)又は上記重畳体(23)に向けて空気を吐出するようにしてもよい。
請求項8に記載されるように、請求項6に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)及び上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の少なくとも一方の上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の接する表面に摩擦低減材層を形成しておくようにしてもよい。
また、請求項9に係る発明は、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造装置において、水平方向にジグザグ状に配列され、上段の列と下段の列との間に上記セパレータの連続体(3)が挿入されると、上記列同士間で垂直方向に交差して上記連続体(3)を上下に波打つようにジグザグ折りするとともに、このジグザグ折りされた連続体(3)の各谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)を交互に挿入する複数枚のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)と、上記連続体(3)の各谷溝(3a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を抜去するときに谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)の少なくとも何れか一方を保持する保持極保持手段(15)と、上記連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段(18)とを備えたことを特徴とする角形電池用極板群の製造装置である。
また、請求項10に係る発明は、正負の極板間(4,5)にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造装置において、水平方向にジグザグ状に配列され、上段の列と下段の列との間に、二条のセパレータの連続体(3,3)で上記負極板の連続体(24)を挟んだ重畳体(23)が挿入されると、上記列同士間で垂直方向に交差して上記重畳体(23)を上下に波打つようにジグザグ折りするとともに、このジグザグ折りされた重畳体(23)の各谷溝(23a)内に上記正極板(4)を挿入する複数枚のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)と、上記重畳体(23)の各谷溝(3a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)を抜去するときに谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)の少なくとも何れか一方を保持する保持極保持手段(15)と、上記重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段(18)とを備えたことを特徴とする角形電池用極板群の製造装置である。
請求項11に記載されるように、請求項9又は10に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された上記正極板(4)と上記負極板(5)の双方又は上記正極板(4)を上記ガイド板の長さ方向で押圧するストッパ(16,17)を備えたものとすることができる。
請求項12に記載されるように、請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)を交差側先端に傾斜する傾斜板に形成することができる。
請求項13に記載されるように、請求項9乃至請求項12のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の下向きの開口を有した谷溝(3a,23a)内に挿入する上記正極板(4)又は上記負極板(5)の少なくとも何れか一方を垂直に起立した状態で水平方向に並べておく極板保持手段(15)が設けられたものとすることができる。
請求項14に記載されるように、請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の交差側先端に回転可能なローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)を取り付けてもよい。
請求項15に記載されるように、請求項14に記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で交差させる際に、上記ローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)の表面から上記連続体又は上記重畳体に向けて空気を吐出する吐出孔が上記ローラに設けられたものとすることができる。
請求項16に記載されるように、請求項14に記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)及び上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の少なくとも一方の上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の接する表面に摩擦低減材層が形成されたものとすることができる。
請求項1に係る発明によれば、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造方法において、複数枚のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を水平方向にジグザグ状に配列し、このガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の上段の列と下段の列との間に上記セパレータの連続体(3)を挿入し、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で垂直方向に交差させることによって、上記連続体(3)を上下に波打つようにジグザグ折りしつつ、このジグザグ折りされた連続体(3)の各谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)を交互に挿入し、上記連続体(3)の各谷溝(3a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を抜去し、しかる後に、上記連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にすることを特徴とする角形電池用極板群(2)の製造方法であるから、一つの極板群(2)に必要な個数の谷溝(3a)をセパレータの連続体(3)に同時に形成することができ、従ってタクトタイムを大幅に短縮することができる。また、セパレータはガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で交差させることによりジグザグ折りするので、それだけ深い谷溝(3a)が形成され、従って正極板(4)と負極板(5)を大きくして電気容量の大きい極板群(2)とすることができる。また、正極板(4)と負極板(5)が薄く柔らかいものであっても、セパレータの谷溝(3a)内に円滑に挿入することができる。また、セパレータの連続体(3)は上下に波打つようにジグザグ折りするので、上方に開口した谷溝(3a)内に挿入された正極板(4)又は負極板(5)は谷溝(3a)の底へと自重で落下する。したがって、正極板(4)又は負極板(5)をセパレータに対して簡易に装着することができ、かつ精度良く位置決めすることができるとともに、それだけセパレータを有効に利用することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造方法において、複数枚のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を水平方向にジグザグ状に配列し、このガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の上段の列と下段の列との間に、上記負極板の連続体(24)を二条のセパレータの連続体(3,3)で挟んだ重畳体(23)を挿入し、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で垂直方向に交差させることによって、上記重畳体(23)を上下に波打つようにジグザグ折りしつつ、このジグザグ折りされた重畳体(23)の各谷溝(23a)内に上記正極板(4)を挿入し、上記重畳体(23)の各谷溝(23a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を抜去し、しかる後に、上記重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にすることを特徴とする角形電池用極板群(22)の製造方法であるから、一つの極板群(22)に必要な個数の谷溝(23a)を重畳体(23)に同時に形成することができ、従ってタクトタイムを大幅に短縮することができる。また、重畳体(23)はガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で交差させることによりジグザグ折りするので、それだけ深い谷溝(23a)が形成され、従って正極板(4)を大きくして電気容量の大きい極板群(22)とすることができる。また、重畳体(23)は上下に波打つようにジグザグ折りするので、上方に開口した谷溝(23a)内に挿入された正極板(4)は谷溝(23a)の底へと自重で落下する。したがって、正極板(4)をセパレータ及び負極板(5)に対して簡易に装着することができ、かつ精度良く位置決めすることができるとともに、それだけセパレータ及び負極板(5)を有効に利用することができる。
また、請求項1に係る発明におけるよりも少ない枚数のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)によって、請求項1に係る発明と同じ層数の極板群を形成することができ、あるいは、請求項1に係る発明におけると同じ枚数のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を用いることにより、請求項1に係る発明に比し倍の層数の極板群を形成することができる。
請求項3に記載されるように、請求項1又は2に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された上記正極板(4)と上記負極板(5)の双方又は上記正極板(4)を上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の長さ方向で押圧した場合は、連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された正極板(4)又は負極板(5)をガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の長さ方向で正確に位置決めすることができる。
請求項4に記載されるように、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を交差側先端に傾斜する傾斜板に形成した場合は、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を挿入し易くするとともに、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を抜去し易くすることができ、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができる。
請求項5に記載されるように、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の下向きの開口を有した谷溝(3a,23a)内に挿入する上記正極板(4)又は上記負極板(5)を垂直に起立した状態で水平方向に並べておくようにした場合は、正極板(4)又は負極板(5)を下向きの開口を有した谷溝(3a,23a)内に位置精度良く挿入することができる。
請求項6に記載されるように、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の交差側先端に回転自在なローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)を取り付けた場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力を緩和し、連続体(3)又は重畳体(23)の破断を防止することができる。
請求項7に記載されるように、請求項6に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で交差させる際に、上記ローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)の表面から上記連続体(3)又は上記重畳体(23)に向けて空気を吐出するようにした場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)とガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)との間の摩擦を軽減して連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力を更に緩和し、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができ、また、連続体(3)又は重畳体(23)の破断をより適正に防止することができる。
請求項8に記載されるように、請求項6に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)及び上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の少なくとも一方の上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の接する表面に摩擦低減材層を形成しておくものとした場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)とガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)との間の摩擦を軽減して連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力をさらに緩和し、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができ、また、連続体(3)又は重畳体(23)の破断をより適正に防止することができる。
また、請求項9に係る発明は、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造装置において、水平方向にジグザグ状に配列され、上段の列と下段の列との間に上記セパレータの連続体(3)が挿入されると、上記列同士間で垂直方向に交差して上記連続体(3)を上下に波打つようにジグザグ折りするとともに、このジグザグ折りされた連続体(3)の各谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)を交互に挿入する複数枚のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)と、上記連続体(3)の各谷溝(3a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を抜去するときに谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)の少なくとも何れか一方を保持する保持極保持手段(15)と、上記連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段(18)とを備えたことを特徴とするものであるから、一つの極板群(2)に必要な個数の谷溝(3a)をセパレータの連続体(3)に同時に形成することができ、従ってタクトタイムを大幅に短縮することができる。また、セパレータはガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で交差させることによりジグザグ折りするので、それだけ深い谷溝(3a)が形成され、従って正極板(4)と負極板(5)を大きくして電気容量の大きい極板群(2)とすることができる。また、正極板(4)と負極板(5)が薄く柔らかいものであっても、セパレータの谷溝(3a)内に円滑に挿入することができる。また、セパレータの連続体(3)は上下に波打つようにジグザグ折りするので、上方に開口した谷溝(3a)内に挿入された正極板(4)又は負極板(5)は谷溝(3a)の底へと自重で落下する。したがって、正極板(4)又は負極板(5)をセパレータに対して簡易に装着することができ、かつ精度良く位置決めすることができるとともに、それだけセパレータを有効に利用することができる。
また、請求項10に係る発明は、正負の極板間(4,5)にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造装置において、水平方向にジグザグ状に配列され、上段の列と下段の列との間に、二条のセパレータの連続体(3,3)で上記負極板の連続体(24)を挟んだ重畳体(23)が挿入されると、上記列同士間で垂直方向に交差して上記重畳体(23)を上下に波打つようにジグザグ折りするとともに、このジグザグ折りされた重畳体(23)の各谷溝(23a)内に上記正極板(4)を挿入する複数枚のガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)と、上記重畳体(23)の各谷溝(3a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)を抜去するときに谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)の少なくとも何れか一方を保持する保持極保持手段(15)と、上記重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段(18)とを備えたことを特徴とするものであるから、一つの極板群(2)に必要な個数の谷溝(3a)をセパレータの連続体(3)に同時に形成することができ、従ってタクトタイムを大幅に短縮することができる。また、セパレータはガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で交差させることによりジグザグ折りするので、それだけ深い谷溝(3a)が形成され、従って正極板(4)と負極板(5)を大きくして電気容量の大きい極板群(2)とすることができる。また、正極板(4)と負極板(5)が薄く柔らかいものであっても、セパレータの谷溝(3a)内に円滑に挿入することができる。また、セパレータの連続体(3)は上下に波打つようにジグザグ折りするので、上方に開口した谷溝(3a)内に挿入された正極板(4)又は負極板(5)は谷溝(3a)の底へと自重で落下する。したがって、正極板(4)又は負極板(5)をセパレータに対して簡易に装着することができ、かつ精度良く位置決めすることができるとともに、それだけセパレータを有効に利用することができる。
請求項11に記載されるように、請求項9又は10に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された上記正極板(4)と上記負極板(5)の双方又は上記正極板(4)を上記ガイド板の長さ方向で押圧するストッパ(16,17)を備えたものとする場合は、連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された正極板(4)又は負極板(5)をガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の長さ方向で正確に位置決めすることができる。
請求項12に記載されるように、請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f)を交差側先端に傾斜する傾斜板に形成した場合は、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を挿入し易くするとともに、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内から上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を抜去し易くすることができ、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができる。
請求項13に記載されるように、請求項9乃至請求項12のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の下向きの開口を有した谷溝(3a,23a)内に挿入する上記正極板(4)又は上記負極板(5)の少なくとも何れか一方を垂直に起立した状態で水平方向に並べておく極板保持手段(15)が設けられたものとしているので、ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を抜去し易くすることができ、タクトタイムをさらに短縮することができる。
請求項14に記載されるように、請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の交差側先端に回転可能なローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)を取り付けた場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力を緩和し、連続体(3)又は重畳体(23)の破断を防止することができる。
請求項15に記載されるように、請求項14に記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)を列同士間で交差させる際に、上記ローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)の表面から上記連続体又は上記重畳体に向けて空気を吐出する吐出孔が上記ローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)に設けられたものとする場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)とガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)との間の摩擦を軽減して連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力を更に緩和し、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができ、また、連続体(3)又は重畳体(23)の破断をより適正に防止することができる。
請求項16に記載されるように、請求項14に記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ローラ(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)及び上記ガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)の少なくとも一方の上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の接する表面に摩擦低減材層が形成されたものとする場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)とガイド板(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j)との間の摩擦を軽減して連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力をさらに緩和し、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができ、また、連続体(3)又は重畳体(23)の破断をより適正に防止することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<実施の形態1>
図1において、符号1はリチウムイオン二次電池の角形ケースを示し、符号2はこの角形ケース1内に収納された極板群を示す。角形ケース1の所定箇所には、図示しない正極端子と負極端子が設けられている。また、角形ケース1内には、有機溶媒にリチウム塩を配合してなる電解液が充填されている。
極板群2は、図2に示すように、セパレータのジグザグ折りされた連続体3と、この連続体3の各谷溝3a内に交互に挿入された正極板4と負極板5とを具備する積層体として構成される。正極板4と負極板5は、各々の間にセパレータが介在するように交互に重ね合わせられ、セパレータ3と共に扁平に畳まれた状態になっている。正極板4と負極板5にはセパレータ3から互いに反対側に突出するリード部4a,5aが設けられ、各極のリード部4a,5aは夫々束ねられて上記図示しない正極端子と負極端子にそれぞれ接続される。
正極板4は、アルミニウム箔等のシート状金属箔の両面にリチウム遷移金属複合酸化物等の正極活物質を塗布することにより形成される。負極板5は、銅箔等のシート状金属箔の両面に炭素材料等の負極活物質を塗布することにより形成される。セパレータの連続体3は、ポリオレフィン系樹脂等の合成樹脂からなる微細な孔が形成された多孔膜により作られる。
次に、上記極板群の製造装置について、図3乃至図8に基づいて説明する。
図3に示すように、この極板群2の製造装置は、水平方向ジグザグ状に配列された複数枚のガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jを有し、このガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの上段の列と下段の列との間にセパレータの連続体3が挿入されると、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jが列同士間で垂直方向に交差してセパレータの連続体3を上下に波打つようにジグザグ折りするとともに、このジグザグ折りされたセパレータの連続体3の各谷溝3a(図2参照)内に正極板4と負極板5を交互に挿入する複数枚のガイド板と、セパレータの連続体3の各谷溝3a内からガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jを抜去するときに各谷溝3a(図2参照)内に正極板4または負極板5の少なくとも何れか一方を保持する極板保持手段(15)と、セパレータの連続体3をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段(18)とを具備する。
ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jは、セパレータの一条の連続体3に対して供給される正負の極板4,5の枚数と同じ枚数又はそれ以上の枚数用意される。そして、基台7上に水平方向に上段と下段の二列で各々水平状態に配列され、かつ列間でジグザクになるよう配列される。図4(A)(B)(C)に示すように、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jは、列同士間で水平方向に移動して交差する側の先端(以下、交差側先端という。)に緩やかに傾斜する傾斜板に形成されている。
各ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの交差側先端には、セパレータの連続体3を円滑にジグザグ折りすることができるように、回転自在なローラ6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jが取り付けられている。すなわち、これらのローラ6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jは、それぞれ各ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの幅とほぼ同じ長さを有し、その両端が各ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの先端近傍に固着した図示しない支持アームにより回転可能に取り付けられている。なお、各ローラ6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jは、セパレータの連続体3を円滑に案内することができるならば、円筒形でなくとも半円筒形であってもよいし、回転しない丸棒であってもよい。
各ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの各ローラ6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jには、セパレータの連続体3をジグザグ折りする際にこの連続体3に向けて空気を吐出する多数の微小な吐出孔(図示せず)が必要に応じて形成される。これらの吐出孔は円形、溝形等所望の形状及び配列で形成される。これらの吐出孔からの空気の吐出により、連続体3とガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jとの間の摩擦が軽減され、セパレータの連続体3のジグザグ折りが更に円滑化される。
また、各ローラ6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jの表面には、必要に応じて摩擦低減材層(図示せず)が形成される。摩擦低減材層は、フッ素樹脂等を塗工することにより形成される。これにより、各ローラ6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jとセパレータの連続体3との間の摩擦が低減し、セパレータの連続体3のジグザグ折りが円滑化される。さらに、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの上面にも必要に応じて上記摩擦低減材層が形成されるようにしてもよい。
ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの上段の列と下段の列との間にセパレータの連続体3が挿入されると、列同士間で交差させてセパレータの連続体3を上下に波打つようにジグザグ折りするための駆動部を備える。この駆動部は、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jを列ごとのそれぞれ支持した図示しないフレームと上記基台7との間に介装されるボールネジとボールネジを回転させるモータ等、あるいはピストン・シリンダ装置により構成される。これらボールネジ、モータ等あるいはピストン・シリンダ装置を用いた駆動部は通常の送り手段であるから図示を省略する。
上記基台7上には、図7(B)(C)に示すように、ジグザグ折りされるセパレータの連続体を水平方向で受け止める定盤11が移動可能に設置される。また、定盤11の近傍には、図7(B)及び図8(B)に示すように、セパレータの連続体3の始端を把持するクランプ12が設けられる。定盤11の前方にはセパレータの連続体3を巻き取った図示しないロールが設けられる。ロールは連続体3の繰り出し方向になるべく負荷がかからないようにし、ジグザグ折りする箇所の連続体3に生じる張力を低減するようになっている。
ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jは、ジグザグ折りしつつセパレータの連続体3の各谷溝3a内に正極板4と負極板5を交互に挿入する。
ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jは上下の各列に対応してまとめられ、上下段のものが夫々一体で移動しうるように上下段ごとに連結フレーム25,26で支持され、図示しないボールネジ等の駆動部により垂直方向に移動可能である。
また、上段のガイド板13a,13c,13e,13g,13iの各近傍において正極板4を把持するクランプ14を具備する。各クランプ14は、図4(A)(B)(C)に示すように、上段のガイド板13a,13c,13e,13g,13iが案内する各正極板4を把持する。そして、各クランプ14は、図5(A)(B)(C)に示すように、ガイド板13a,13c,13e,13g,13iと共にセパレータ側に降下し、ガイド板13a,13c,13e,13g,13iが正極板4と共に各谷溝3a内に入ると、正極板4を解放する。解放された正極板4は各々ガイド板13a,13c,13e,13g,13iに案内されて落下し、各々の下端がセパレータの谷溝3aの底に到達する。
このように、上方に開口した谷溝3a内に挿入された正極板4は谷溝3aの底へと自重で落下して停止する。したがって、正極板4はセパレータに対して簡易に装着され、かつ精度良く位置決めされる。
さらに、下段のガイド板13b,13d,13f,13h,13jに案内される負極板5を下方から支える極板保持手段15,15を有する。極板保持手段15,15は夫々水平なレール状に形成され、図3及び図4(A)(B)(C)に示すように、セパレータの両側から食み出た負極板5の下縁に当接する。極板保持手段15,15は、図5(B)に示すように、上下段のガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jが交差する際に同期的に上昇し、その後図6(B)、図7(B)、図8(B)に示すように、その上昇した位置に止まって負極板5を支持し続ける。
このように、負極板5は極板保持手段15,15によって垂直に起立した状態で水平方向に並べられるので、負極板5はセパレータの下向きの谷溝3a内に位置精度良く挿入されることになる。
図5(A)(B)中、二点鎖線で示すように、上下段のガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jは正負の各極板4,5をセパレータの連続体3の各谷溝3a内に挿入した後、直ちにセパレータの連続体3の谷溝3aから上下方向に夫々離脱するようになっている。
図3及び図5(A)に示すように、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの長さ方向の両側にはセパレータの連続体3の各谷溝3a内に挿入された正極板4と負極板5をガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの長さ方向で押圧するストッパ16,17が必要に応じて設けられる。各ストッパ16,17は図示しないピストン・シリンダ装置によりガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの長さ方向で往復移動可能であり、一方のストッパ16は一方の列のガイド板13a,13c,13e,13g,13iによりセパレータの上向きに開口した各谷溝3a内に挿入されてセパレータの側縁から突出したすべての正極板4の側縁に当接し、他方のストッパ17は他方の列のガイド板13b,13d,13f,13h,13jによりセパレータの下向きに開口した各谷溝3a内に挿入されてセパレータの反対側の側縁から突出したすべての負極板5の側縁に当接するようになっている。このストッパ16,17により、セパレータの連続体3の各谷溝3a内に挿入された正極板4と負極板5はガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの長さ方向で正確に位置決めされることになる。
上記ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jは、ガイド板抜去手段により、図5(A)(B)(C)に示すように、セパレータの連続体3の各谷溝3a内から抜去可能である。ガイド板抜去手段は、図示しないが例えばピストン・シリンダ装置(あるいはボールネジとボールネジを回転させるモータ等でもよい)により構成される。このピストン・シリンダ装置がガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの連結フレーム25,26と基台7との間に介装され、このピストン・シリンダ装置の伸縮動作に伴い、図5(A),(B),(C)に示すようにガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jがセパレータの連続体3の各谷溝3a外へ離脱したり、あるいは図3及び図4(A),(B),(C)に示す位置に復帰したりする。
図7(A),(B),(C)に示すように、プレス手段は上記基台7上で水平方向に移動可能なプッシャー18として構成される。このプッシャー18はセパレータの連続体3をジグザグ方向で押圧し扁平にする。これにより、セパレータは正極板4と負極板5を挟んだ状態で図2に示した極板群2の厚さ程度まで扁平にされる。
なお、図7(A),(B),(C)に示すように、セパレータの連続体3の各谷溝3a内からガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jを抜去する際に、上記プッシャー18で連続体3をジグザグ方向で軽く押圧するようにしてもよい。これにより、ジグザグ状に屈曲したセパレータの連続体3がガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの抜去に伴い崩れないようにすることができる。
上記極板群2は上記構成の製造装置により次のような手順で製造される。
(1) 図3及び図4(A)(B)(C)に示すように、ジグザグ状に配列されたガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの上段の列と下段の列との間にセパレータの連続体3が挿入され、この連続体3の先端がクランプ12により把持される。連続体3はこの連続体3を巻き取った図示しないロールから繰り出され、小さい張力で上下端のガイド板13a,13j間に略水平に張られる。
(2) 図4(A)(B)中、矢印で示す垂直方向にガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの列が相対移動し、図5(A)(B)(C)に示すように、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jが列同士間で垂直方向に交差する。これにより、セパレータの連続体3がジグザグ折りされ、一つの極板群2に必要な個数の谷溝3aがセパレータの連続体3に同時に形成されることとなり、極板群2の製造に必要なタクトタイムが大幅に短縮される。また、セパレータはガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jを列同士間で交差させることによりジグザグ折りされるので、それだけ深い谷溝3aが形成され、大きい正極板4と負極板4の挿入が可能になり、電気容量の大きい極板群2の製造が可能になる。
各ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの交差側先端には、それぞれ回転自在なローラ6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jが取り付けられていることから、セパレータの連続体3はその張力が緩和され、円滑にジグザグ折りされる。
また、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jを列同士間で交差させる際に、ローラ6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jの表面からセパレータの連続体3に向けて吐出孔から空気が吐出される。これにより、セパレータの連続体3がジグザグ折りされる際に連続体3とガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jとの間の摩擦が軽減され、連続体3にかかる張力が更に緩和される。その結果、セパレータの連続体3のジグザグ折りに必要な時間が短縮され、また、連続体3の破断がより適正に防止される。
(3) 図4(A)(B)中、矢印で示す垂直方向にガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの列が移動する際、上段の列のガイド板13a,13c,13e,13g,13iには予め正極板4がそれぞれ当てられ、クランプ14によって垂直状態に把持されている。下段の列のガイド板13b,13d,13f,13h,13jには予め負極板5がそれぞれ当てられ、水平な極板保持手段15の上に垂直状態で乗せられている。これにより、図5(A)(B)(C)に示すように、ジグザグ折りされた連続体3の各谷溝3a内に正極板4と負極板5が交互に挿入される。
このように、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jを列同士間で交差させることにより連続体3をジグザグ折りしつつ、各谷溝3a内に正極板4と負極板5を交互に挿入することで、連続体3のジグザグ折りと正負の極板4,5の挿入とを同時に行うことができ、タクトタイムをさらに短縮することができる。
(4) 図5(A)(B)中、二点鎖線で示すように、上下段のガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jは極板4,5をセパレータの谷溝3a内に挿入した後に直ちに元の位置へと後退する。
上段のガイド板13a,13c,13e,13g,13iが後退する際に、クランプ14が正極板4を解放し、そのため正極板4はその自重により上向きに開口した各谷溝3a内に残留する。
また、下段のガイド板13b,13d,13f,13h,13jが後退する際は、極板保持手段15,15が図5(B)に示す上昇位置に止まって負極板5の下縁に当接した状態を維持する。このため、下段のガイド板13b,13d,13f,13h,13jは空状態で後退し、負極板5はセパレータの下向きに開口した谷溝3a内に残留する。
(5) 図5(A)に示すように、極板4,5を乗せたガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jがセパレータの谷溝3a内に侵入すると、各ストッパ16,17がガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの長さ方向に進出する。そして、一方のストッパ16が上段の列のガイド板13a,13c,13e,13g,13iによりセパレータの各谷溝3a内に挿入されてセパレータの側縁から突出したすべての正極板4の側縁に当接する。また、下段のストッパ17が他方の列のガイド板13b,13d,13f,13h,13jによりセパレータの各谷溝3a内に挿入されてセパレータの反対側の側縁から突出したすべての負極板5の側縁に当接する。これにより、セパレータの連続体3の各谷溝3a内に挿入された正極板4と負極板5が、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの長さ方向で正確に位置決めされる。
(6) 図6(A)(B)(C)に示すように、セパレータのジグザグ状連続体3の各谷溝3a内からガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jが抜き取られる。その際、プッシャー18により連続体3がジグザグ方向で軽く押圧される。これにより、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jの抜去に伴うジグザグ状の連続体3の崩れが防止される。
また、ガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13jがセパレータから抜き取られる結果、正極板4がその自重により谷溝3aを更に落下し、その下端が底に当たって停止する。これにより、正極板4の位置決めが正確に行われる。さらに、ジグザグ折りされたセパレータも保持部材15上に落下する結果、負極板5も谷溝3a内により深く挿入されることになる。
(7) 図7(A)(B)(C)に示すように、プッシャー18がセパレータの連続体3をジグザグ方向に強く押圧する。これにより、セパレータはジグザグ状の屈曲部に折り目が付けられて更に扁平になり、この扁平なセパレータと正負の極板4,5とが交互に重なった扁平な積層体が形成される。
(8) セパレータの先端がクランプ12から解放され、後端が後続の連続体3から切断されることにより、図2に示す極板群2が完成する。この極板群2が図1に示すように電池のケース1内に収納される。
<実施の形態2>
図9に示すように、この実施の形態2に係る極板群22は、ジグザグ折りされた連続状の重畳体23と、この重畳体23の各谷溝23a内に挿入された正極板4とを具備する扁平な積層体として構成される。重畳体23は二条のセパレータの連続体3,3で負極板の連続体24を挟んでなる積層体である。このため、重畳体23の各谷溝23a内に挿入された正極板4はセパレータを介して負極板24と対峙することになる。正極板4と負極板24とには互いに逆向きにセパレータから突出するリード部4a,24aが設けられ、各極のリード部4a,24aはそれぞれ束ねられて電池ケース1(図1参照)の図示しない正極端子と負極端子にそれぞれ接続される。
図10に示すように、この極板群22を製造する装置は実施の形態1におけるものと同様にジグザグ状に配列された複数枚のガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13fその他を有する構成であるが、このガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13fの上段の列と下段の列との間には、上記連続状の重畳体23が挿入されるようになっている。また、すべてのガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13fは正極板4のみを重畳体23の谷溝23a内に搬送するようになっている。これらの点を除き、実施の形態1と同様な装置により同様な手順で極板群22が製造される。
この実施の形態2では、重畳体23に正極板4のみを挿入する谷溝23aを形成すればよいので、実施の形態1の極板群2と同様な性能の極板群22を製造するとすれば、重畳体23のジグザグ回数は実施の形態1の場合に比べ半数で足り、したがってガイド板13a,13b,13c,13d,13e,13fの個数も略半数に減らし、ひいてはタクトタイムをさらに短縮することができる。その他、図9及び図10において実施の形態1の場合と同じ構成および作用効果についてはその説明を省略する。
また、図9及び図10において実施の形態1の場合と同じ部分については同一符号を用いて示すこととし重複した説明を省略する。
なお、本発明は上記実施の形態1及び2に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。例えば、上記実施の形態1,2ではリチウムイオン二次電池として説明したが、本発明はリチウムイオン電池以外の電池や、一次電池等にも適用可能である。また、上記実施の形態1及び2ではガイド板を列同士間で交差させる際に双方の列を移動させるものとしたが、一方の列のガイド板を停止させて他方の列のガイド板を移動させるようにしても同様なジグザグ折りを行うことができる。そのように構成すれば、ガイド板の列を移動させる駆動部を少なくすることができ、コストダウンが可能になる。また、ガイド板や極板案内板等の個数は増減自在であり、上記実施の形態1及び2に限定されるものではない。