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JP5201913B2 - 反射防止構造体及びそれを備えた光学装置 - Google Patents

反射防止構造体及びそれを備えた光学装置 Download PDF

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Description

本発明は反射防止構造体及びそれを備えた光学装置に関する。
近年、光の反射を抑制する反射防止処理が表面に施された種々の光学素子が提案されている。反射防止処理としては、例えば、屈折率の比較的低い膜(低屈折率膜)や、低屈折率膜と屈折率の比較的高い膜(高屈折率膜)とを交互に積層してなる多層膜等からなる反射防止膜を表面に形成する処理が挙げられる(例えば、特許文献1等)。
しかしながら、このような低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、形成に際して蒸着法やスパッタリング法等の煩雑な工程を要する。このため、生産性が低く、生産コストが高いという問題がある。また、低屈折率膜や多層膜からなる反射防止膜は、波長依存性及び入射角依存性が比較的大きいという問題もある。
このような問題に鑑み、入射角依存性及び波長依存性の比較的小さな反射防止処理として、例えば、光学素子表面に入射光の波長以下ピッチで微小凹凸部を規則的に形成する処理が提案されている(例えば、非特許文献1等)。この処理を行うことによって、素子界面における急激な屈折率変化が抑制され、素子界面において緩やかに屈折率が変化することとなる。このため、光学素子表面における反射が低減され、光学素子内への高い光入射率を実現することができる。
特開2001−127852号公報 特表2001−517319号公報 ダニエル H.ラグイン(Daniel H. Raguin) G. マイケル モリス(G. Michael Morris)著、「アナリシス オブ アンチリフレクション ストラクチャード サーフェイス ウィズ コンティニュアス ワン ディメンジョナル サーフェイス プロフィールズ (Analysis of antireflection−structured surfaces with continuous one−dimensional surface profiles)」、アプライド・オプティクス(Applied Optics)、第32巻 第14号(Vol.32,No.14)、P.2582−2598、1993年
しかしながら、光学素子表面に入射光の波長以下ピッチで微小凹凸部を規則的に形成した場合であっても、十分に高い反射抑制効果が得られない場合がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い反射防止抑制効果を有する反射防止構造体を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究の結果、微小凹凸部を滑面(例えば、平滑面)に形成した場合に入射角によっては十分に光の反射が抑制されないこと、具体的には、比較的入射角が大きい光の反射が十分に抑制されないこと(つまり、反射率は入射角依存性を有すること)を見出し、微小凹凸部を粗面に形成することを見出した。さらに、本発明者は、これに基づいて微小凹凸部を粗面に形成するものの未だ十分に入射角依存性が低減されない場合があることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、粗面に微小凹凸部を形成する構成においては、微小凹凸部は、その中心軸が必ずしも粗面(詳しくは、粗面の接平面)の法線方向に延びるわけではなく、該粗面に対して種々の角度で傾斜した状態となる。
ところで、反射抑制効果の観点から、微小凹凸部はアスペクト比が大きいことが好ましい。ところが、上述の如く、微小凹凸部の中心軸が粗面の接平面に対して傾斜した構成においては、アスペクト比が十分大きくても、微小凹凸部の該粗面の接平面からの法線方向への高さ(即ち、該粗面の接平面から微小凹凸部の頂点までの該接平面の法線方向への距離)が低いと、該粗面の接平面の法線方向から入射する光に対して、反射抑制効果を十分に発揮することができない。
そこで、本発明は、粗面の粗さ形状の接平面の傾斜角度を規定することによって、微小凹凸部の該接平面からの法線方向への高さを確保するようにしたものである。
詳しくは、本発明は、所定の波長以上の光の反射を抑制する反射防止構造体を対象としている。そして、この反射防止構造体は、上記所定の波長よりも大きな表面粗さの粗さ形状を有する表面に形成され且つ上記所定の波長以下の周期で規則的に配列された複数の微小凹凸部を備え、上記表面は、上記粗さ形状の接平面の法線ベクトルと該表面の基準面の法線ベクトルとのなす角の大きさが62度以下となるように構成されているものとする。
尚、本明細書において「粗さ形状」とは、表面の形状から微小凹凸部を高周波成分としてカットオフした形状のことをいう。また、「基準面」とは、微小凹凸部及び粗さ形状を高周波成分としてカットオフして得られる面のことをいう。
また、別の本発明に係る光学装置は、上記反射防止構造体を備えているものとする。
本発明によれば、反射光等の不要光の発生が十分に抑制された反射防止構造体を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、本発明を実施した拡散板を例に挙げて本発明に係る反射防止構造体の形態について説明する。しかし、本発明に係る反射防止構造体は、下記形態に限定されるものではなく、例えば、表示装置をはじめ、撮像装置、照明装置、プロジェクタ等の種々の光学機器の構成部材等であってもよい。
図1は本実施形態に係る拡散板1の斜視図である。
図2は拡散板1の部分断面図である。
本実施形態に係る拡散板1は平面視略矩形状の面材であり、光を拡散透過させるもの(詳細には、以下に説明する微小凹凸部11によって反射が抑制される光を少なくとも拡散透過させるもの)である。本実施形態に係る拡散板1は、例えばディスプレイ等の前面に配置され、ディスプレイ表面における光の反射(外光の映り込み等)を抑制するものである。尚、拡散板1の材質は特に限定されるものではないが、樹脂製又はガラス製であってもよい。また、微粒子等が分散混入されていてもよい。
本実施形態において、拡散板1の表面10には、図2,3に示すように、入射光20の波長以下の周期P(好ましくは、入射光20のうち最も短い波長λを拡散板材料の屈折率nで除した値以下の周期、つまりP≦λ/n)で規則的に配列された複数の微小凹凸部11が形成されている(以下、この微小凹凸部11が複数形成された反射防止構造のことを「SWS」と称することがある)。このため、拡散板1の表面10と空気層との間の急激な屈折率変化が抑制され、微小凹凸部11が形成された表面10の表層部において屈折率がなだらかに変化することとなる。従って、図2,3に示すように、微小凹凸部11を形成することによって拡散板1の表面10における反射が効果的に抑制される。
微小凹凸部11は、表面10と空気層との間の界面における屈折率変化をなだらかにする機能を有するものである限りにおいて特にその形状は限定されるものではなく、例えば、略円錐状(頂部が面取り又はR面取りされていてもよい)の凹部又は凸部、角錐台状(稜部が面取り又はR面取りされていてもよい)の凹部又は凸部、線条(断面形状が、三角形状、台形状、矩形状等(稜部が面取り又はR面取りされていてもよい))の凹部又は凸部であってもよい。
微小凹凸部11は、その高さHが表面10の各部で相互に異なるように形成されていてもよいが、作成容易性の観点から、高さHが相互に略同一となるように形成されていることが好ましい。ここで、微小凹凸部11の高さHとは、微小凹凸部11における、表面10の基準面12の法線方向において最も離れた2点間の距離で定義され、微小凹凸部11が錐体状の場合、図2に示すように、錐体の頂点から最も低い部分までの距離で定義される。
さらに、例えば、微小凹凸部11が錐体状の凹部や錐体状の凸部であるような場合には、複数の微小凹凸部11は、その錐体の底部中心と頂部とを結んでなる中心軸が相互に略平行となるように形成されていることが好ましい。この場合、射出成形による拡散板1の作製が容易となる。また、例えば、微小凹凸部11が断面三角形状の線条凹部又は線条凸部であるような場合には、複数の微小凹凸部11は、横断面における底部中心と頂部とを結んでなる中心軸が、各部(例えば、1mm四方の大きさの各部)において相互に略平行となるように形成されていることが好ましい。
以上のように、表面10には複数の微小凹凸部11が形成されているため、表面10における光の反射が抑制される。しかしながら、微小凹凸部11が滑面上に形成されている場合には、表面10における正反射を十分に抑制することができない。
図4は入射角45度で入射する光の反射光強度を表すグラフである。
図4に示すように滑面上に微小凹凸部11を形成した場合は、出射角が約45度である反射光、すなわち正反射が観測される。このように、微小凹凸部11が形成されている表面10が滑面である場合は、入射光20の正反射を十分に抑制することができない。
それに対して、入射光20の波長よりも大きな表面粗さの粗面に微小凹凸部11を形成した場合は、正反射が実質的に観測されない。
ここで、本実施形態では、微小凹凸部11は、入射光20の波長よりも大きな表面粗さの粗面である表面10に形成されている。詳細には、表面10は、ISO4287:1997(JIS B0601:2001に対応する)で規定される最大高さ粗さRzで入射光20の波長よりも大きな表面粗さに形成されている。従って、本実施形態における拡散板1では、表面10における正反射もまた十分に抑制される。但し、この正反射の発生を抑制する効果は、表面10の表面粗さがあまりに大きすぎると低下する傾向にある。表面10の表面粗さRzの好適な範囲は100μm以下である。より好ましくは50μmであり、さらに好ましくは30μmである。
また、図5に示すように、滑面に微小凹凸部11(SWS)を形成した場合には、比較的大きな入射角の光に対しては十分な反射抑制効果を付与することができない。すなわち、反射率が入射角に依存することとなる。それに対して、本実施形態では、微小凹凸部11(SWS)が形成された表面10が、表面10への入射光の波長よりも大きな表面粗さに形成されているため、図5に示すように、反射率の入射角依存性が小さく、比較的大きな入射角の光に対しても高い反射抑制効果が得られる。
図6は表面10の粗さ形状(言い換えれば、表面10の微小凹凸部11を含めた形状から高周波成分として微小凹凸部11をカットオフした形状)の接平面13の法線ベクトルNと表面10の基準面12の法線ベクトルNとのなす角θ(図7参照)と、反射率との相関を表すグラフである。
図6に示すように、なす角θが0度(すなわち、滑面)である場合は、微小凹凸部11が形成されていた場合であっても、例えば50度を超えるような大きな入射角、さらには70度を超えるような大きな入射角の場合は、入射角の増大と共に反射率が増大する傾向にある。それに対して、なす角θが0度から大きくなるにつれて反射率の入射角依存性が低減され、大きな入射角の光に対しても高い反射抑制効果が得られるようになる。
具体的に、なす角θが5度以下である部分が占める単位面積(例えば、1mm四方)当たりの割合が80%未満であることが好ましい。言い換えれば、なす角θが5度以上である部分が占める単位面積当たりの割合が20%以上であることが好ましい。この場合、入射角が89度の光の反射率を滑面に微小凹凸部11を形成する場合と比較して約3割低減することができる。また、なす角θが10度以下である部分が占める単位面積当たりの割合が90%未満であることが好ましい。言い換えれば、なす角θが10度以上である部分が占める単位面積当たりの割合が10%以上であることが好ましい。この場合も、入射角が89度の光の反射率を滑面に微小凹凸部11を形成する場合と比較して約3割低減することができる。
より好ましくは、なす角θが5度以下である部分が占める単位面積当たりの割合が50%未満であることが好ましい。言い換えれば、なす角θが5度以上である部分が占める単位面積当たりの割合が50%以上であることが好ましい。また、なす角θが10度以下である部分が占める単位面積当たりの割合が80%未満であることが好ましい。言い換えれば、なす角θが10度以上である部分が占める単位面積当たりの割合が20%以上であることが好ましい。この場合、入射角が89度の光の反射率を滑面に微小凹凸部11を形成する場合と比較して約5割低減することができる。
さらに好ましくは、なす角θが5度以下である部分が占める単位面積当たりの割合が30%未満であることが好ましい。言い換えれば、なす角θが5度以上である部分が占める単位面積当たりの割合が70%以上であることが好ましい。また、なす角θが10度以下である部分が占める単位面積当たりの割合が50%未満であることが好ましい。言い換えれば、なす角θが10度以上である部分が占める単位面積当たりの割合が50%以上であることが好ましい。この場合、入射角が89度の光の反射率を滑面に微小凹凸部11を形成する場合と比較して約7割低減することができる。
次に、なす角θの平均値θaveの好ましい範囲について説明する。
図8は平均値θaveと反射率との相関を表すグラフである。
図8に示すように、平均値θaveが大きくなるにつれて入射角依存性が低下し、入射角が比較的大きな光に対しても高い反射抑制効果が得られるようになる。具体的に、平均値θaveが5度以上であることが好ましい。この場合、入射角が89度の光の反射率を滑面に微小凹凸部11を形成する場合と比較して約3割低減することができる。より好ましくは、平均値θaveが10度以上である。この場合、入射角が89度の光の反射率を滑面に微小凹凸部11を形成する場合と比較して約5割低減することができる。さらに好ましくは、平均値θaveが15度以上である。この場合、入射角が89度の光の反射率を滑面に微小凹凸部11を形成する場合と比較して約3割低減することができる。
また、なす角θの分布のピーク(最も頻度が高いなす角θの値)が0度よりも大きいことが好ましく、2度以上、さらには5度以上であることが好ましい。
尚、製造上の観点からは、表面10の接平面13の法線ベクトルNと表面10の基準面12の法線ベクトルNとのなす角θの大きさが90度より大きい領域が存在しないことが好ましい。言い換えれば、表面10は、その粗さ形状がなす角θ≦90度である面により実質的に構成されていることが好ましい。図9のように、なす角θが90度よりも大きな領域が存在する場合は、凹部17に面した表面10の部分に微小凹凸部11を形成するのが困難になるからである。
また、微小凹凸部11は入射光20のすべてに対して反射抑制効果を発揮するようなものである必要は必ずしもない。例えば、入射光20の波長が、紫外光、近紫外光、可視光、近赤外光、赤外光を含む広い波長範囲にわたるものの、可視光域の400nm以上700nm以下の波長の光の反射のみを抑制すればよい。この場合、図2,3の微小凹凸部11の周期Pについて、一般的な拡散板の樹脂材料の屈折率nが1.5程度であることから、周期(P≦λ/n)は280nm以下であることが好ましい。一方、微小凹凸部11の高さHは、入射光波長の0.4倍以上(H≧0.4λ)であることが好ましく、700nmの0.4倍以上、すなわち280nm以上であることが好ましい。
また、高い反射抑制効果を実現する観点から、微小凹凸部11の高さH(図1の仮想の錐形状の高さ)が0.4λ(例えば可視光域の場合、280nm)以上であることだけでなく、図3に示す微小凹凸部11の中心高さH1(粗さ形状の接平面13から微小凹凸分の頂点までの基準面12の法線方向への高さ)が0.4λ(例えば可視光域の場合、280nm)以上であることが好ましい。
さらには、基準面12に対して傾斜して入射する光に対しても高い反射抑制効果を実現する(例えば、微小凹凸部の高さを280nm以上にする)という観点から、図3に示す微小凹凸部11の斜面高さH2(微小凹凸部の頂点から粗さ形状の接平面13に垂直方向に下ろした高さ(粗さ形状の接平面13から微小凹凸分の頂点までの該接平面13の法線方向への高さ))が0.4λ(例えば可視光域の場合、280nm)以上であることが好ましい。
詳しくは、微小凹凸部11が形成される拡散板1の表面が粗面である構成においては、微小凹凸部11は、その中心軸が該粗面、即ち、粗さ形状の接平面13に対して様々な角度で傾斜した状態となる。ここで、微小凹凸部11のアスペクト比は大きい方が好ましいが、粗さ形状の接平面13に直交する方向から入射する光に対しては、アスペクト比だけでなく、粗さ形状の接平面13から微小凹凸部11の頂点までの該接平面13の法線方向への距離、即ち、斜面高さH2が重要となる。
一方、上記のような非常に微細な形状を有する構造体を形成する方法としては、電子ビーム描画法やフォトリソグラフィ法などの作製方法がある。かかる作製方法では、電子ビームもしくは光を照射することによりレジストが微細加工されるが、反射防止構造体のように周期が非常小さい場合、レジストの微細パターン高さを大きくしすぎると現像時にレジストの微細パターンと現像液との間に作用する表面張力が増大して、微細パターンが倒れてしまう面倒れを起こす虞がある。反射防止構造体(即ち、微小凹凸部11)の周期程度(280nm以下)のレジストパターンが面倒れを発生しない高さとして、アスペクト比(微小凹凸部の周期Pに対する高さHの比、すなわちH/P)が3以下であることが好ましい。
以上の観点より、アスペクト比を3以下としつつ、可視光域を対象として傾斜高さH2≧280[nm]を満たすためには、前述の如くピッチP≦280[nm]とすると、粗さ形状の接平面13の法線ベクトルNと表面10の基準面12の法線ベクトルNとのなす角θの大きさは62度(詳しくは、61.34度)以下であることが好ましい。言い換えれば、なす角θの大きさを62度以下とすることによって、微小凹凸部11のアスペクト比を3以下として面倒れを防止しつつ、傾斜高さH2を、反射を抑制しようとする光である可視光の最小波長の0.4倍以上に確保して高い反射抑制効果を実現することができる。このとき、微小凹凸部11の中心軸は基準面12の法線方向に延びている。
尚、微小凹凸部11の中心軸が基準面12の法線方向に延びていない構成の場合、粗さ形状の接平面13の法線ベクトルNと微小凹凸部11の中心軸のなす角(90度以下の方の角)が28度(詳しくは、28.66度)よりも大きくすることによって、微小凹凸部11のアスペクト比を3以下として面倒れを防止しつつ、傾斜高さH2を、反射を抑制しようとする光である可視光の最小波長の0.4倍以上に確保して高い反射抑制効果を実現することができる。
また、上記のような形状を有する拡散板1を成形により作製する場合、成形の難易を考慮すると、微小凹凸部11のアスペクト比は2以下であることが好ましい。そこで、アスペクト比を2以下としつつ、可視光域を対象として傾斜高さH2≧280[nm]を満たすためには、前述の如くピッチP≦280[nm]とすると、粗さ形状の接平面13の法線ベクトルNと表面10の基準面12の法線ベクトルNとのなす角θの大きさは47度(詳しくは、46.94度)以下であることが好ましい。言い換えれば、なす角θの大きさを47度以下とすることによって、微小凹凸部11のアスペクト比を2以下として成形を容易にしつつ、傾斜高さH2を、反射を抑制しようとする光である可視光の最小波長の0.4倍以上に確保して高い反射抑制効果を実現することができる。このとき、微小凹凸部11の中心軸は基準面12の法線方向に延びている。
尚、微小凹凸部11の中心軸が基準面12の法線方向に延びていない構成の場合、粗さ形状の接平面13の法線ベクトルNと微小凹凸部11の中心軸のなす角(90度以下の方の角)が43度(詳しくは、43.06度)よりも大きくすることによって、微小凹凸部11のアスペクト比を2以下として成形を容易にしつつ、傾斜高さH2を、反射を抑制しようとする光である可視光の最小波長の0.4倍以上に確保して高い反射抑制効果を実現することができる。
したがって、本実施形態によれば、粗さ形状の接平面13の法線ベクトルNと表面10の基準面12の法線ベクトルNとのなす角θの大きさを62度以下とすることによって、面倒れを防止しつつ高い反射抑制効果を実現することができる。
さらに好ましくは、粗さ形状の接平面13の法線ベクトルNと表面10の基準面12の法線ベクトルNとのなす角θの大きさを47度以下とすることによって、成形を容易にしつつ高い反射抑制効果を実現することができる。
また、粗さ形状の接平面13の法線ベクトルNと表面10の基準面12の法線ベクトルNとのなす角θの平均値θaveを5度以上とすることによって、入射角が比較的大きな光の反射率を滑面に微小凹凸部11を形成する構成と比較して抑制することができる。また、該平均値θaveは10度以上、さらには15度以上とすることがより好ましい。
さらに、粗さ形状の接平面13の法線ベクトルNと表面10の基準面12の法線ベクトルNとのなす角θが5度以下である部分が単位面積(例えば、1mm四方)当たりに占める割合を80%未満とすることによって、入射角が比較的大きな光の反射率を滑面に微小凹凸部11を形成する構成と比較して抑制することができる。また、なす角θは10度以下である部分が単位面積当たりに占める割合を90%未満とすることがより好ましい。
さらにまた、粗さ形状の接平面13の法線ベクトルNと表面10の基準面12の法線ベクトルNとのなす角θの大きさが90度より大きい領域が存在しないように表面10を形成することによって、該表面10に微小凹凸部11を形成し易くすることができる。
また、微小凹凸部11をそれぞれの中心軸が互いに平行となるように形成することによって、射出成形による拡散板1の作製を容易にすることができる。
以上、ここでは、光透過性の拡散板1を例に挙げて説明したが、本発明に係る反射防止構造体は光透過性のものに限定されるものではなく、例えば、光吸収性のもの、所謂黒体であってもよい。
また、ここでは、拡散板1の表面10に直接SWSが形成されている例について説明したが、平滑な面にSWSを形成したシールを貼着又は粘着させることにより表面10を形成してもよい。言い換えれば、拡散板1は一体でなくてもよく、複数の構成部材により構成されているものであってもよい。
また、ここでは、SWSが表面10の全面にわたって形成されている例について説明したが、SWSを表面10の全面にわたって必ずしも設ける必要はなく、必要に応じた箇所のみにSWSを形成してもよい。この場合に、SWSを設けた箇所のみならず、表面10のその他の箇所もSWSを設けた箇所と同等の表面粗さの粗面としても構わず、また、それ以下の表面粗さの滑面としてもよい。さらに、SWSを設けていない箇所には反射率が比較的低い膜と比較的高い膜との多層膜からなるような他の反射防止構造を形成してもよい。また、SWSが形成されている領域内においても、必要に応じてSWSの高さや周期(ピッチ)を調節してもよい。
本発明に係る反射防止構造体は、反射光等の不要光の発生が十分に抑制されたものであるため、撮像装置、照明装置、光走査装置、光ピックアップ装置、ディスプレイ等の種々の光学機器に有用である。
拡散板の斜視図である。 拡散板の部分断面図である。 拡散板の部分断面の拡大図である。 入射角45度で入射する光の反射光強度を表すグラフである。 入射角と反射率の相関を表すグラフである。 なす角θと反射率との相関を表すグラフである。 微小凹凸部を取り除いた粗さ形状を表す断面図である。 平均値θaveと反射率との相関を表すグラフである。 なす角θが90度より大きい場合を説明するための断面図である。
符号の説明
1 拡散板
10 表面
11 微小凹凸部
12 基準面
13 接平面

Claims (9)

  1. 所定の波長以上の光の反射を抑制する反射防止構造体であって、
    上記所定の波長は、400nmであり、
    表面粗さがISO4287:1997で規定される最大高さ粗さRzで上記所定の波長よりも大きな粗さ形状を有する表面に形成され且つ上記所定の波長以下の周期で規則的に配列された複数の微小凹凸部を備え、
    上記微小凹凸部は、その高さが上記所定の波長の0.4倍以上であり、
    上記表面は、上記粗さ形状の接平面の法線ベクトルと該表面の基準面の法線ベクトルとのなす角の大きさが62度以下となるように構成されている反射防止構造体。
  2. 請求項1に記載の反射防止構造体において、
    上記表面は、上記粗さ形状の接平面の法線ベクトルと上記基準面の法線ベクトルとのなす角の大きさが47度以下となるように構成されている反射防止構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体において、
    上記反射が抑制される光を透過させるものである反射防止構造体。
  4. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体において、
    上記各微小凹凸部は、略錐体状の凹部若しくは凸部、又は線条凹部若しくは線条凸部である反射防止構造体。
  5. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体において、
    上記表面は、その表面粗さがISO4287:1997で規定される最大高さ粗さRzで100μmより小さい反射防止構造体。
  6. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体において、
    上記表面は、その表面粗さがISO4287:1997で規定される最大高さ粗さRzで50μmより小さい反射防止構造体。
  7. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体において、
    上記表面は、その表面粗さがISO4287:1997で規定される最大高さ粗さRzで30μmより小さい反射防止構造体。
  8. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体において、
    上記微小凹凸部は、それぞれ錐体状凹部又は錐体状凸部であり、その底部の中心と頂部とを結んでなる中心軸が相互に略平行となるように構成されている反射防止構造体。
  9. 請求項1又は2に記載の反射防止構造体を備えた光学装置。
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