JP5196320B2 - 高圧ポンプ - Google Patents
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Description
このような高圧ポンプでは、吐出量を調節する調量弁部に故障等が生じると、燃料レール内の燃料圧力が高圧となり、インジェクタを適切に動作させることが困難になることがある。
このため、特許文献1では、燃料レール内の燃料圧力がこのような高圧となるときに開弁するリリーフ弁を高圧ポンプ内に設けている。
(1)エンジンを停止した場合における燃料レール内の燃料圧力の上昇による不具合
イグニッションOFFなどによりエンジンを停止すると、エンジン冷却水の循環がなくなる。このため、エンジンルームの温度は、エンジン停止直後から一定の期間上昇し、その後、下降する。これにより、燃料レール内の圧力も、エンジン停止直後から一定の期間上昇し、その後、下降する。このような燃料レール内の圧力の上昇は、インジェクタから気筒内へ燃料漏れを生じさせることにつながる。この結果、次回のエンジン始動時に、気筒内へ漏れ出した燃料蒸気が点火前の未燃焼成分として大気中へ排出されてしまうおそれがある。
エンジンの運転中にアクセルペダルの踏み込みを中断すると、インジェクタからの燃料噴射が停止するとともに、高圧ポンプから燃料レールへの燃料の供給が停止する。このとき、燃料レール内の圧力は維持される。その後、再びアクセルペダルが踏み込まれると、インジェクタへの通電を制御したとしても、インジェクタから気筒内への燃料噴射量が大きくなってしまうことがある。このような必要以上の燃料噴射は、燃費の悪化や加速移行時のショックにつながるおそれがある。
(3)高温再始動時における燃料レール内の燃料圧力の下降による不具合
エンジン停止後、例えば数十分というような時間が経過した後にエンジンを再始動する高温再始動時に、燃料レール内の燃料圧力が蒸気圧近くまで下降すると、ベーパが発生し、始動性能が悪化するおそれがある。
(4)アイドリングストップ後の再始動時における燃料レール内の燃料圧力の下降による不具合
ハイブリッドシステムなどにおけるアイドリングストップ後の再始動時にも、燃料レール内の燃料圧力が下降しすぎると、インジェクタから噴射される燃料の微粒化が悪化することで再始動性能が悪化するおそれがある。
第1弁体は、第1弁体よりも吐出通路側のリターン通路と第1弁体よりも加圧室側のリターン通路とを連通する内側通路を内部に有している。この第1弁体の内側通路に設けられる第2弁体は、第2弁座に離座および着座することで流体通路を開閉する。第2付勢手段は、吐出通路の燃料圧力が第2圧力未満のとき第2弁体が第2弁座へ着座するように、第2弁体を閉弁方向へ付勢している。
また、エンジンの運転中にアクセルペダルの踏み込みを中断する燃料噴射停止時に燃料レールの燃料圧力を低下させることで、再加速におけるインジェクタから気筒内への燃料噴射量を適正にし、燃費の悪化や加速移行時のショックを抑制することができる。
燃料レール内の燃料圧力が低下して定残圧より小さくなると、第2弁体が第2弁座へ着座することで、第1弁体内の内側通路を閉塞する。このため、エンジン停止時および燃料噴射停止時のベーパの発生を抑制し、高温再始動時における始動性能を向上することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の高圧ポンプを図1−図7示す。高圧ポンプ10は、例えば直噴型のガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンのインジェクタに燃料を供給する燃料供給ポンプである。
図2に示すように、高圧ポンプ10は、ハウジング本体11を中心に構成されている。このハウジング本体11は、例えばマルテンサイト系のステンレスなどで形成されている。ハウジング本体11の一方向(図中では上方)に、カバー12が取り付けられている。これにより、ハウジング本体11とカバー12との間に燃料室13が形成される。燃料室13の反対側には、プランジャ部30が構成されている。また、燃料室13とプランジャ部30の配列方向に直交する方向に、調量弁部50、吐出弁部70および圧力調整部101が構成されている。燃料室13には、燃料ポンプによって燃料タンクから燃料が供給される(燃料ポンプおよび燃料タンクは不図示)。燃料室13に供給された燃料は、調量弁部50を経由し、ハウジング本体11の中央付近の加圧室14を経由して、吐出弁部70からインジェクタが接続される燃料レール(不図示)へ圧送される。
最初にプランジャ部30について説明する。
プランジャ部30は、プランジャ31、プランジャ支持部32、オイルシール33、ロアシート34、リフター35、および、プランジャスプリング36等を備えている。
上述のハウジング本体11は、内部にシリンダ15を形成している。シリンダ15は、プランジャ31を軸方向へ往復移動可能に支持している。シリンダ15の一端側に加圧室14が形成されている。ハウジング本体11のシリンダ15側の端部には、プランジャ支持部32が配置されており、シリンダ15と共にプランジャ31を往復移動可能に支持している。プランジャ支持部32は、内部に、加圧室14からエンジンへの燃料漏れを防止する燃料シール37を有している。また、プランジャ支持部32は、加圧室14とは反対側の端部に、エンジン内から加圧室14へのオイルの浸入を防止するオイルシール33を有している。
加圧室14とは反対側のプランジャ31の端部にはロアシート34が取り付けられている。ロアシート34とハウジング本体11との間には、プランジャスプリング36が配置されている。
ロアシート34は、有底円筒状のリフター35の底部の内壁と当接している。リフター35の下方にはカムシャフトに取り付けられたカム(カムシャフトおよびカムはいずれも不図示)が当接している。カムシャフトの回転によりカムプロフィールに応じてリフター35が軸方向に往復移動する。これに伴い、プランジャ31が軸方向に往復移動する。プランジャスプリング36は、プランジャ31の戻しバネであり、リフター35をカム面に当接させる方向へ付勢している。
調量弁部50は、ハウジング本体11に形成される筒部17、筒部17の開口を覆う弁部カバー52、コネクタ53、および、コネクタハウジング54等を備えている。
筒部17は、略円筒状に形成され、内部に燃料流路18、および、この燃料流路18と燃料室13とを連通する連通路16を形成している。筒部17と弁部カバー52と間にはゴムシール55が設けられており、燃料流路18からの燃料漏れを防止している。燃料流路18には、略円筒状のシートボデー56が配置されている。シートボデー56の外周と筒部17の内壁との間は、ゴムシール57によってシールされている。これにより、シートボデー56の内部を燃料が通過する。
シートボデー56の内部には、吸入弁58が配置されている。吸入弁58は、円板状の底部59と円筒状の壁部60とで構成されている。底部59と壁部60とによって形成される内部空間には、スプリング61が収容されている。スプリング61は、一端を吸入弁58よりも加圧室14側に配置される係止部62に係止されている。係止部62は、シートボデー56の内壁に取り付けられたスナップリング63により、ハウジング本体11に係止されている。
吸入弁58の底部59には、ニードル64が当接している。ニードル64は、弁部カバー52を貫通し、コネクタ53の内部まで延びている。コネクタ53は、コイル65と、このコイル65へ通電するための端子51とを有している。コイル65の内周側には、所定位置に保持される固定コア66、可動コア68およびスプリング67が配置されている。ニードル64は、可動コア68に溶接固定され、一体となっている。スプリング67は、一端を固定コア66に係止され、他端を可動コア68に係止され、可動コア68を固定コア66から離間する方向へ付勢している。
一方、調量弁部50に通電が行われないと、磁気吸引力は発生せず、スプリング67の付勢力によって、可動コア68およびニードル64が固定コア66から離間する方向へ移動する。ニードル64は、吸入弁58を加圧室14側へ移動する。これにより、吸入弁58の底部59は座部69から離座することで、燃料流路18と加圧室14とが連通する。
なお、燃料室13、連通路16、および、燃料流路18は、特許請求の範囲に記載の燃料通路に相当する。
吐出弁部70は、図1に示すように、吐出弁ニードル71、スプリング72、係止部73、および、吐出口74等を備えている。吐出弁ニードル71、スプリング72、および、係止部73は、ハウジング本体11に形成された円筒状の吐出通路19内に収容されている。
吐出弁ニードル71は、有底筒状に形成され、内部に内部通路75を形成している。また、吐出弁ニードル71は、吐出弁ニードル71の外部から内部通路75へ燃料を流通させる内部通路76を、軸方向と直交する方向に形成している。
吐出弁ニードル71は、加圧室14側の端部に吐出弁シート78を形成している。吐出弁シート78は、吐出通路19を形成するハウジング本体11の内壁の円錐面に形成された吐出用弁座79に着座および離座可能である。
係止部73は、筒状に形成され、吐出弁ニードル71の吐出口74側で、吐出通路19に圧入等により固定されている。係止部73は、内径が大きい薄肉部731と、内径の小さい厚肉部732とから構成され、薄肉部731と厚肉部732とによって内側に段差部733が形成されている。係止部73の薄肉部731は、吐出弁ニードル71を軸方向へ往復移動可能に支持している。吐出弁ニードル71は、段差部733へ当接することで、軸方向の可動範囲を制限されている。スプリング72は、一端を係止部73の段差部733に係止され、他端を吐出弁ニードル71の内部に形成された段差部77に係止され、吐出弁ニードル71を係止部73から離間する方向へ付勢している。
一方、加圧室14の燃料圧力が上昇し、吐出弁ニードル71の加圧室14側の端部が加圧室14側の燃料から受ける力(F1)が、スプリング72の付勢力(F2)と吐出弁ニードル71の吐出口74側の面が吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料から受ける力(F3)との和よりも大きいとき、吐出弁ニードル71の吐出弁シート78が吐出用弁座79から離座することで、加圧室14と吐出通路19とが連通する。このため、吐出通路19へ流入した燃料は、吐出弁ニードル71の内部通路76、75、および、係止部73の内側を経由して吐出口74から吐出される。これにより、吐出弁部70は、加圧室14において加圧された燃料の吐出を断続する逆止弁として機能する。
圧力調整部101は、図1、図3−図5に示すように、リリーフ弁80および定残圧弁90から構成される圧力調整弁100を備えている。
圧力調整部101には、リターン通路20が形成されている。リターン通路20は、一方を吐出用弁座79よりも吐出口74側の吐出通路19と連通し、他方を加圧室14と連通している。リターン通路20は、吐出通路19側から順に形成された第1リターン通路21、第2リターン通路22、第3リターン通路23、および、第3リターン通路23と加圧室14と連通する第4リターン通路24から構成されている。各リターン通路21、22、23、24は円筒状に形成されている。また、第2リターン通路22は第1リターン通路21より径が大きく形成され、第3リターン通路23は、第2リターン通路22より径が大きく形成されている。第1リターン通路21と第2リターン通路22との間の円錐面にはリリーフ用弁座85が設けられている。
リリーフ弁ニードル82、リリーフ用スプリング83、リリーフ用ストッパ84、および、リリーフ用弁座85は、それぞれ特許請求の範囲に記載の第1弁体、第1付勢手段、係止部、および、第1弁座に相当する。
筒部86の径外方向の外壁には、軸方向に延びる面取り部861が形成されている。面取り部861は、筒部86の径外方向の外壁に2か所形成され、筒部86と第2リターン通路22を形成するハウジング本体11の内壁との間に燃料を流通させている。また、フランジ部88の径外方向の外壁には、軸方向に延びる面取り部881が形成され、フランジ部88と第3リターン通路23を形成するハウジング本体11の内壁との間に燃料を流通させている。
リリーフ弁ニードル82の第1内側通路822には、オリフィス81が設けられ、通路断面積を小さくしている。この通路断面積を設定することで、第1リターン通路21から内側通路821を経由して、第3リターン通路23へ流れる燃料の流量が調節される。
定残圧弁ボール91、定残圧用弁座98、および、定残圧用スプリング93は、それぞれ特許請求の範囲に記載の第2弁体、第2弁座、および、第2付勢手段に相当する。
定残圧弁ボール91は、球状に形成され、定残圧用弁座98に着座および離座可能である。定残圧弁ボール91の定残圧用弁座98とは反対側に設置される略円柱状のボール保持部92は、外径を第2内側通路823の内径より僅かに小さく形成され、第2内側通路823を軸方向へ往復移動可能である。ボール保持部92は、定残圧弁ボール91側の凹曲面に形成された端部により、定残圧弁ボール91の揺動を抑制している。また、ボール保持部92は、加圧室側の燃料圧力を、定残圧弁ボール91とは反対側の平面状に形成された端部に受ける。
ボール保持部92の径外方向の外壁には、軸方向に延びる面取り部921が形成されている。面取り部921は、ボール保持部92の径外方向の外壁に3か所形成されており、ボール保持部92と第2内側通路823を形成するリリーフ弁ニードル82の内壁との摺動摩擦を低減している。
定残圧用ストッパ94は、第2内側通路823に圧入等により固定されている。定残圧用ストッパ94は、軸方向に内部通路99を形成し、内側通路821と第3リターン通路23とを連通している。
一方、吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が高圧となり、リリーフ弁ニードル82の吐出口74側の端部が吐出口74側の燃料から受ける力(F4)が、リリーフ用スプリング83の付勢力(F5)とリリーフ弁ニードル82の加圧室14側の面が加圧室14側の燃料から受ける力(F6)との和よりも大きくなると、リリーフ用弁シート89がリリーフ用弁座85から離座することで、吐出通路19と加圧室14とが連通する。このため、吐出弁部70から加圧室14へ燃料が流入する。
そして、吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が定残圧より小さくなり、定残圧弁ボール91の吐出口74側の端部が吐出口74側の燃料から受ける力(F7)が、定残圧用スプリング93の付勢力(F8)とボール保持部92の加圧室14側の面が加圧室14側の燃料から受ける力(F9)との和より小さくなると、定残圧弁ボール91が定残圧用弁座98に着座することで、内側通路821が閉塞され、吐出用弁座79よりも吐出口74側の吐出通路19と加圧室14とが遮断される。
(1)吸入行程
プランジャ31が図2の下方へ移動するとき、コイル65への通電は停止される。そのため、吸入弁58は、可動コア68およびニードル64を付勢するスプリング67の付勢力によって、加圧室14側へ移動している。このため、吸入弁58は、シートボデー56の座部69から離座することで、燃料室13と加圧室14とが連通する。このとき、加圧室14の圧力は低下するので、燃料室13の燃料は、加圧室14へ吸入される。
プランジャ31が下死点から上死点に向かって上昇をはじめると、加圧室14の燃料が排出され、その動圧を受けて、吸入弁58に、シートボデー56の座部69に着座する方向の力が加わる。しかし、コイル65に通電していないとき、スプリング67の付勢力によって、ニードル64が加圧室14側へ移動している。このため、吸入弁58は、ニードル64によって加圧室14側へ移動したまま、シートボデー56の座部69から離座した状態となる。この結果、加圧室14の燃料は、上述の吸入行程とは逆に、プランジャ31の上昇によって燃料室13へ戻される。
戻し行程の途中でコイル65に通電されると、コイル65に発生した磁界により、固定コア66、コネクタハウジング54、弁部カバー52および可動コア68によって形成される磁気回路に磁束が流れ、固定コア66と可動コア68との間に磁気吸引力が発生する。そして、固定コア66と可動コア68との間の磁気吸引力がスプリング67の付勢力よりも大きくなると、可動コア68は固定コア66側へ移動する。そのため、可動コア68と一体のニードル64も、固定コア66側へ移動する。ニードル64が固定コア66側へ移動すると、吸入弁58とニードル64とが離間する。この結果、吸入弁58は、スプリング61の付勢力および加圧室14から排出された燃料の動圧を受けて、瞬時にシートボデー56の座部69へ着座する。
吸入弁58が座部69に着座することで、燃料室13と加圧室14との間が遮断される。これにより、加圧室14から燃料室13への燃料の戻し行程は終了する。したがって、この遮断のタイミングを調整することにより、加圧室14から燃料室13へ戻される燃料の量が調整され、同時に、加圧室14で加圧される燃料の量が決定されることになる。
なお、加圧室14の燃料の圧力が所定値まで上昇したとき、コイル65への通電は停止される。加圧室14の燃料の圧力が上昇すると、加圧室14側の燃料の圧力によって、吸入弁58は、シートボデー56の座部69に着座したままとなるためである。
エンジンを停止したときの燃料レールおよびインジェクタからの燃料漏れ量の関係を図6に示す。時刻T1でエンジンが停止されると、エンジン冷却水が循環しなくなるため、燃料レール内の温度は上昇し、一定期間経過後に下降する。
従来の高圧ポンプを適用したエンジンでは、燃料レール内の燃料圧力は、破線1で示すように、エンジン停止後、燃料レール内の温度の上昇に伴って上昇し、一定期間経過後に下降する。このとき、燃料レールの接続されるインジェクタは、破線3に示すように、エンジン停止直後から燃料漏れを生じ、燃料レール内の燃料圧力の上昇に伴って漏れ量を多くし、一定期間経過後に漏れ量を少なくする。
これに対し、本実施形態の高圧ポンプ10を適用したエンジンでは、定残圧弁の作用によってエンジン停止後に燃料レールの燃料が加圧室へ戻されるので、燃料レール内の燃料圧力は、実線2で示すように、エンジン停止直後から減小する。このとき、インジェクタは、実線4に示すように、エンジン停止直後には微量の燃料漏れを生じるものの、燃料レール内の燃料圧力の減小に伴ってこの漏れ量を少なくする。
時刻T2でアクセルペダルの踏み込みが中断されると、エンジンは、燃料噴射を停止すると共にスロットル開度を小さくする。その後、時刻T3でエンジンはアイドリング状態に移行する。このとき、エンジンはスロットル開度を小さくした状態を維持する。
時刻T2−T3では、インジェクタに印加される駆動パルスは0となる。時刻T3以降、インジェクタの噴射状態をアイドリングに適したものにするため、小さい駆動パルス幅の電圧がインジェクタに印加される。
従来の高圧ポンプを適用したエンジンでは、時刻T2−T3におけるインジェクタからの燃料噴射量が0であるので、燃料レール内の燃料圧力は、破線5で示すように、時刻T2−T3で高圧状態を維持している。この燃料圧力は、時刻T3以降、インジェクタからの燃料噴射によって低下する。時刻T3において、インジェクタの噴孔の開口面積が駆動パルス制御によって小さく開くものの、インジェクタからの燃料噴射量は、燃料レール内の燃料圧力が高圧のため、破線7で示すように、アイドリング運転に必要な噴射量以上の燃料を噴射する。その後、インジェクタからの燃料噴射量は、燃料レール内の燃料圧力の減小に伴って減小する。
これに対し、本実施形態の高圧ポンプ10を適用したエンジンでは、定残圧弁の作用によって燃料レールの燃料が加圧室へ戻されるため、燃料レール内の燃料圧力は、実線6で示すように、時刻T2−T3において減小する。インジェクタからの燃料噴射量は、実線8で示すように、アイドリング運転に必要な噴射量となる。
吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が定残圧以上になると、定残圧弁ボール91が定残圧用弁座98から離座し、リリーフ弁ニードル82の内側通路821が開放する。このため、吐出通路19と加圧室14とが連通し、吐出口74に接続される燃料レールの燃料圧力が低下する。これにより、エンジン停止時および燃料噴射停止時の燃料レールの燃料圧力が低下することで、燃料レールの接続するインジェクタから各気筒への燃料漏れを抑制することができる。さらに、エンジンの運転中にアクセルペダルの踏み込みを中断しているとき、燃料レールの燃料圧力を低下させ、再始動時におけるインジェクタから気筒内への燃料の過剰供給を抑制することができる。
吐出用弁座79よりも吐出口74側の燃料の圧力が定残圧より小さくなるとき、定残圧弁ボール91が定残圧用弁座98に着座し、リリーフ弁ニードル82の内側通路821が閉塞される。このため、吐出通路19と、加圧室14とが遮断される。これにより、エンジン停止時および燃料噴射停止時、燃料レールの燃料圧力を定残圧で維持することで、再始動性を向上することができる。
また、リリーフ弁ニードル82の第1内側通路822には、オリフィス81が設けられ、プランジャ31をシリンダ15内で往復移動させ加圧室14の燃料を加圧する高圧ポンプの作動時において、吐出弁部70から加圧室14への燃料の戻りを抑制している。このため、プランジャ部30のポンプ効率の低下を抑制することができる。
第2実施形態の高圧ポンプを図8に示す。第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態では、第1リターン通路21にフィルタ40が設けられている。フィルタ40は、フィルタ本体41とフィルタカラー42とから構成されている。フィルタ40は、第3リターン通路23のねじ穴26側から挿入され、第1リターン通路21に圧入等により設置される。
また、ハウジング本体11には、第3リターン通路23と燃料室13とを連通する第5リターン通路25が形成されている。なお、本実施形態では第4リターン通路は形成されていない。
また、第5リターン通路25が第3リターン通路23と燃料室13とを連通することで、リリーフ弁80および定残圧弁は、プランジャ31の往復運動に関わらず、吐出口に接続される燃料レールの燃料圧力を迅速に低下させることができる。
第3実施形態の高圧ポンプを図9に示す。第1、第2実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第3実施形態では、リリーフ弁ニードル82の第1リターン通路21側に形成された凹部43にフィルタ44が設けられている。フィルタ44は、フィルタ本体45とフィルタカラー46とから構成されている。フィルタ40は、凹部43に圧入等により取り付けられる。リリーフ弁ニードル82は、凹部43にフィルタ44を取り付けた後、リターン通路20に設置される。
上述した第1実施形態では、定残圧弁のボール保持部92に面取り部921を形成し、ボール保持部92と第2内側通路823を形成するリリーフ弁ニードル82の内壁との摺動摩擦を低減した。しかし、面取り部921を廃止し、ボール保持部92と第2内側通路823を形成するリリーフ弁ニードル82の内壁との摺動隙間により、内側通路821を流れる流量を調節してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の形態により実施することができる。
Claims (4)
- 往復移動可能なプランジャと、
前記プランジャによって燃料を加圧する加圧室、該加圧室で加圧された高圧燃料を吐出口から吐出する吐出通路、および、該吐出通路と前記加圧室とを連通するリターン通路を有するハウジング本体と、
前記リターン通路の内壁に設けられる第1弁座に着座することで前記リターン通路を閉塞し、前記第1弁座から離座することで前記リターン通路を開放する第1弁体と、
前記吐出通路の燃料圧力が第1圧力未満のとき前記第1弁体が前記第1弁座への着座を保持するように、前記第1弁体を閉弁方向へ付勢する第1付勢手段と、
前記第1弁体よりも前記吐出通路側の前記リターン通路と前記第1弁体よりも前記加圧室側の前記リターン通路とを連通するように前記第1弁体の内部に形成された内側通路に設けられ、前記内側通路を形成する内壁に設けられる第2弁座に着座することで前記内側通路を閉塞し、前記第2弁座から離座することで前記内側通路を開放する第2弁体と、
前記吐出通路の燃料圧力が前記第1圧力よりも小さい第2圧力未満のとき前記第2弁体が前記第2弁座への着座を保持するように、前記第2弁体を閉弁方向へ付勢する第2付勢手段と、
を備え、
前記第1圧力は、前記吐出通路から燃料レールを経由して接続されるインジェクタが適切に動作する燃料圧力より大きい所定圧力に設定され、
前記第2圧力は、前記吐出通路から接続される燃料レール内の燃料圧力が燃料の飽和蒸気圧より大きい所定圧力となるように設定され、
前記プランジャが前記加圧室の燃料を加圧するとき、前記第1弁体および前記第2弁体に対し前記加圧室の燃料圧力が閉弁方向に作用することを特徴とする高圧ポンプ。 - 前記第1弁体は、前記第2弁座よりも前記吐出通路側の前記内側通路にオリフィスを設けていることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
- 前記第1付勢手段は、一端が前記第1弁体の径外方向に設けられるフランジ部に係止され、他端が前記リターン通路に設けられる係止部に係止されることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
- 前記第1弁体は、径外方向の外壁に面取り部を形成し、前記面取り部と前記リターン通路を形成する前記ハウジング本体の内壁との間に燃料を流通させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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