JP5193903B2 - カバーレイフィルム、フレキシブルプリント配線板および光トランシーバ - Google Patents
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Description
(1)耐熱プラスチックフィルム表面の銅箔配線回路上に、アンダーコート層、金属粉を含む導電ペーストを塗布したシールド層、オーバーコート層を順次設け、銅箔配線回路のグランドパターンとシールド層とが適宜の間隔でアンダーコート層を貫通して電気的に接続しているフレキシブルプリント配線板(特許文献1)。
(2)カバーレイフィルムの片面に金属薄膜層と金属フィラーを含む導電性接着剤層とを順次設けた電磁波シールドフィルムを、プリント回路のうちグランド回路の一部を除いて絶縁する絶縁層が設けられた基体フィルム上に、導電性接着剤層が絶縁層およびグランド回路の一部と接着するように載置したフレキシブルプリント配線板(特許文献2)。
(i)金属粉を含むシールド層は、多くの異種材料界面を有しているため脆く、フレキシブル配線板の屈曲繰り返しに対し、十分な強度を有していない。
(ii)グランドパターンの一部を除く銅箔配線回路とシールド層との絶縁を保つためにアンダーコート層が必要であり、フレキシブルプリント配線板が厚くなる。
(iii)グランドパターンの一部とシールド層とを電気的に接続するために、アンダーコート層の一部に透孔を形成する必要があり、透孔の加工に手間がかかる。
(i)金属フィラーを含む導電性接着剤層は、多くの異種材料界面を有しているため脆く、フレキシブル配線板の屈曲繰り返しに対し、十分な強度を有していない。
(ii)グランド回路の一部を除くプリント回路と導電性接着剤層との絶縁を保つために絶縁層が必要であり、フレキシブルプリント配線板が厚くなる。
(iii)グランド回路の一部と導電性接着剤層とを電気的に接続するために、絶縁層の一部に貫通孔を形成する必要があり、貫通孔の加工に手間がかかる。
前記電磁波シールド層の表面抵抗は、0.01〜5Ωであることが好ましく、前記第1の抵抗層の表面抵抗は、前記電磁波シールド層の表面抵抗の2〜100倍であることが好ましい。
前記カバーレイフィルム本体の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。
前記第2の抵抗層は、前記配線導体と対向している領域(I)および前記配線導体と対向していない領域(II)を有することが好ましい。
本発明の光トランシーバは、光サブアセンブリと、回路基板と、前記光サブアセンブリと前記回路基板とを接続する本発明のフレキシブルプリント配線板とを具備することを特徴とする。
本発明のフレキシブルプリント配線板は、電磁波シールド機能および伝導ノイズ抑制機能を有し、屈曲性に優れ、薄肉化が可能であり、かつ電磁波シールド層をグランド回路に接続させる必要がない。さらには、配線導体上を絶縁層(電磁波シールド機能のない、通常のカバーレイフィルム等)で絶縁隔置する必要がないため、部材を低減でき、また工程を省力化できる。
本発明の光トランシーバは、フレキシブルプリント配線板において内外からの電磁波ノイズがシールドされ、また、フレキシブルプリント配線板の配線導体を流れる高周波の伝導ノイズが抑制された電源線路等が得られ、該線路からのクロストークによる信号劣化を減じるものとなり、かつバイパスコンデンサ等の部品を削除でき、光モジュールの小型化が可能である。
図1は、本発明のカバーレイフィルムの一例を示す断面図である。カバーレイフィルム11は、第2の絶縁性樹脂層27、欠落部21が複数形成された電磁波シールド層22、第1の抵抗層23、第1の絶縁性樹脂層26、欠落部24が形成された第2の抵抗層25を順に有するカバーレイフィルム本体20と、カバーレイフィルム本体20の第2の抵抗層25側の面に設けられた絶縁性接着剤層30とを有する。
電磁波シールド層22の表面抵抗は、0.01〜5Ωが好ましく、0.01〜1Ωがより好ましい。電磁波シールド層22の透過減衰特性は、−10dB以下が好ましく、−40dB以下がより好ましい。透過減衰特性は、例えば、ASTM D4935に準拠した、シールド効果を平面波で測定する同軸管タイプシールド効果測定システム(キーコム社製)を用いて測定することがでる。
電磁波シールド層22の形態としては、金属蒸着膜、金属箔、導電性樹脂もしくは導電性高分子からなるフィルム、塗膜等が挙げられ、屈曲性、薄肉化、耐久性、導電性の点から、金属蒸着膜が特に好ましい。
金属蒸着膜の厚さは、表面抵抗値、耐屈曲特性の点から、50〜200nmが好ましい。
欠落部21の形状としては、棒状、円形状、カギ状、渦巻状等が挙げられる。
欠落部21の最大開口長は、対象とする電磁波ノイズの波長λの1/4以下が好ましい。
欠落部21の1つあたりの面積は、電磁波シールド機能の点から、0.1〜40mm2が好ましく、0.25〜20mm2がより好ましい。
欠落部21は、電磁波ノイズをムラなくシールドできるように、カバーレイフィルム本体20の全面にわたって所定のピッチで繰り返し形成されていることが好ましい。
欠落部21の合計面積は、電磁波シールド層22の面積(100%)のうち、10〜50%が好ましい。欠落部21の合計面積が10%未満では、第1の抵抗層23による電磁波ノイズの十分な損失が図れない。欠落部21の合計面積が50%を超えると、電磁波シールド機能の向上のため、電磁波シールド層22を厚くする必要がある。
第1の抵抗層23は、電磁波シールド層22より高い表面抵抗を有する層である。第1の抵抗層23の表面抵抗は、電磁波シールド層22の表面抵抗の2〜100倍が好ましい。
第1の抵抗層23の材料としては、金属、導電性セラミックス等が挙げられる。材料の固有抵抗が低い場合は、第1の抵抗層23を薄くすることで、表面抵抗を高く調整できるが、厚さのコントロールが難しくなるため、第1の抵抗層23の材料としては、比較的高い固有抵抗を有する材料が好ましい。
強磁性金属としては、鉄、カルボニル鉄、鉄合金(Fe−Ni、Fe−Co、Fe−Cr、Fe−Si、Fe−Al、Fe−Cr−Si、Fe−Cr−Al、Fe−Al−Si、Fe−Pt等)、コバルト、ニッケル、これらの合金等が挙げられる。
常磁性金属としては、金、銀、銅、錫、鉛、タングステン、ケイ素、アルミニウム、チタン、クロム、タンタル、モリブデン、それらの合金、アモルファス合金、強磁性金属との合金等が挙げられる。
金属としては、酸化に対して抵抗力のある点から、ニッケル、鉄クロム合金、タングステン、クロム、タンタルが好ましく、実用的には、ニッケル、ニッケルクロム合金、鉄クロム合金、タングステン、クロム、タンタルがより好ましく、ニッケルまたはニッケル合金が特に好ましい。
導電性セラミックスは、物理的蒸着法における反応性ガスとして、窒素、炭素、ケイ素、ホウ素、リンおよび硫黄からなる群から選ばれる1種以上の元素を含むガスを用いることによって容易に得られる。
第1の抵抗層23の厚さは、5〜50nmが好ましい。
第1の抵抗層23は、電磁波シールド層22と対向している領域(I)および電磁波シールド層22と対向していない領域(II)を有することが好ましい。
第2の抵抗層25は、後述するフレキシブルプリント配線板本体の配線導体に、電磁波シールド層22を介することなく対向させる必要があるため、電磁波シールド層22と絶縁性接着剤層30との間に存在させる。
第2の抵抗層25は、配線導体より高い表面抵抗を有する層である。第2の抵抗層25の表面抵抗は、配線導体の表面抵抗の2〜100倍が好ましい。
第2の抵抗層25の材料としては、第1の抵抗層23の材料と同様のものが挙げられる。
第2の抵抗層25の厚さは、5〜50nmが好ましい。
第2の抵抗層25には、欠落部24が形成されていることが好ましい。欠落部24は、後述する高速信号線路(配線導体)に第2の抵抗層25を対向させないようにためのものである。
第2の抵抗層25は、後述する高速信号線路以外の他の線路(配線導体)と対向している領域(I)および他の線路と対向していない領域(II)を有することが好ましい。
第1の絶縁性樹脂層26は、電磁波シールド層22、第1の抵抗層23および第2の抵抗層25を形成する際の下地となる基材である。また、第1の絶縁性樹脂層26は、電磁波シールド層22と第2の抵抗層25とを離間させるための層である。電磁波シールド層22と第2の抵抗層25とが接触すると、第2の抵抗層25の表面抵抗が部分的に低くなり、第2の抵抗層25による伝導ノイズ抑制機能が十分に発揮されない場合がある。
第1の絶縁性樹脂層26は、樹脂またはゴム弾性体からなる層である。第1の絶縁性樹脂層26の表面抵抗は、1×106Ω以上が好ましい。
フィルムの材料としては、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
フィルムの厚さは、可とう性の点から、3〜25μmが好ましい。
第2の絶縁性樹脂層27は、外部の接触から電磁波シールド層22や第1の抵抗層23を保護するための層である。
第2の絶縁性樹脂層27は、樹脂またはゴム弾性体からなる層である。第2の絶縁性樹脂層27の表面抵抗は、1×106Ω以上が好ましい。
第2の絶縁性樹脂層27としては、フィルムからなる層、塗料を塗布して形成された塗膜等が挙げられる。
フィルムの材料としては、第1の絶縁性樹脂層26の材料と同様のものが挙げられる。
第2の絶縁性樹脂層27の厚さは、可とう性の点から、3〜25μmが好ましい。
第3の絶縁性樹脂層28は、電磁波シールド層22や第1の抵抗層23を形成する際の下地となる基材である。
第3の絶縁性樹脂層28は、樹脂またはゴム弾性体からなる層である。第3の絶縁性樹脂層28の表面抵抗は、1×106Ω以上が好ましい。
第3の絶縁性樹脂層28としては、フィルムからなる層が好ましい。
フィルムの材料としては、第1の絶縁性樹脂層26の材料と同様のものが挙げられる。
第3の絶縁性樹脂層28の厚さは、可とう性の点から、3〜25μmが好ましい。
カバーレイフィルム本体20の厚さは、屈曲性の点から、10〜50μmが好ましい。カバーレイフィルム本体20の厚さが10μm以上であれば、カバーレイフィルム11〜14が十分な強度を有し、絶縁信頼性が高くなる。カバーレイフィルム本体20の厚さが50μm以下であれば、フレキシブルプリント配線板の屈曲性が良好となり、繰り返しの折り曲げによっても配線導体にクラックが生じにくく、断線しにくい。
絶縁性接着剤層30は、カバーレイフィルム本体20をフレキシブルプリント配線板に貼着させるものである。
絶縁性接着剤としては、エポキシ樹脂に可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシル変性ニトリルゴム等)を含有させた半硬化状態のものが好ましい。該絶縁性接着剤は、熱プレス等の加熱により流動状態となり、再活性化することにより接着性を発現する。
絶縁性接着剤中には、絶縁性接着剤が流動して第2の抵抗層25とフレキシブルプリント配線板の配線導体とが接触することを防ぐために、粒径が1〜10μm程度のスペーサー粒子を含むことも可能であり、該粒子が、流動性調整あるいは難燃性等の別の機能を有していても構わない。
電磁波シールド層22をフレキシブルプリント配線板のグランド回路に接続させなくてもよい理由としては、下記のことが考えられる。
グランド回路に接続していない電磁波シールド層22はアンテナとして働き、電磁波ノイズは電磁波シールド層22内を高周波電流となって流れ、その縁端部から再度放出される。再放出時には、電磁波シールド層22の縁端部に電磁界の変動が生まれ、そのうち磁界変動に伴う渦電流が第1の抵抗層23に流れて、熱損失するため、電磁波ノイズのエネルギーが減衰するものと考えられる。
第2の抵抗層25は、配線導体内を流れる高周波の伝導ノイズを熱損失させる。すなわち、上述した理由(1)と同様に、配線導体に伝導ノイズ流れると、配線導体の縁端部に電磁界の変動が生まれ、そのうち磁界変動に伴う渦電流が第2の抵抗層25に流れて、熱損失するため、伝導ノイズのエネルギーが減衰するものと考えられる。
また、第2の抵抗層25の面積を配線導体の面積より大きくし、該第2の抵抗層25が、配線導体と対向している領域(I)および配線導体と対向していない領域(II)を有すようにする、すなわちカバーレイフィルム11〜14を上面から見た際に、配線導体の縁端部が第2の抵抗層25の内部に存在するようにして、縁端部からの渦電流が効率よく第2の抵抗層25に流れるようにすることが好ましい。
図5〜8は、本発明のフレキシブルプリント配線板の各例を示す断面図である。フレキシブルプリント配線板41〜44は、絶縁性フィルム51の一方の表面に高速信号線路52(配線導体)および他の線路53が形成され、他方の表面にグランド層54が形成されたフレキシブルプリント配線板本体50と、フレキシブルプリント配線板本体50の配線導体側の表面に絶縁性接着剤層30によって貼着されたカバーレイフィルム11〜14とを有する。
フレキシブルプリント配線板41〜44の端部は、ハンダ接続、コネクター接続、部品搭載等のため、カバーレイフィルム11〜14に覆われていない。該端部以外は折り曲げられる部位であって、通常、折り曲げ外径1〜3mmで180度ほど折り曲げられる。
フレキシブルプリント配線板本体50は、絶縁性フィルム51の一方の表面に高速信号線路52を有し、他方の表面にグランド層54を有するマイクロストリップ構造等となっている。高速信号線路52は、第2の抵抗層25が欠落した欠落部24に位置するように設けられ、第2の抵抗層25とは対向していない。
銅張積層板としては、絶縁性フィルムの少なくとも片面側に銅箔を接着剤で貼り合わせた2〜3層構造の片面または両面基板;銅箔上にフィルムを形成する樹脂溶液等をキャストした2層構造の片面基板等が挙げられる。
銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられ、屈曲性の点から、圧延銅箔が好ましい。銅箔の厚さは、3〜18μmが好ましい。
絶縁性フィルム51の表面抵抗は、1×106Ω以上が好ましい。
絶縁性フィルム51は、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム等がより好ましい。
絶縁性フィルム51の厚さは、5〜50μmが好ましく、屈曲性の点から、6〜25μmがより好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
高速信号線路52は、1GHz以上の高周波信号を伝送する線路である。高周波信号の周波数は、3GHz以上が好ましく、10GHz以上がより好ましく、40GHz以上が特に好ましい。
高速信号線路52は、離間して対向配置されたグランド層54および/またはグランド線路によって、伝送特性のよいマイクロストリップ構造またはコプレーナ構造となる。
他の線路53は、高速信号線路52以外の線路である。他の線路53としては、電源線路、線路形状のグランド線路、高速信号線路52よりも低い周波数の信号を伝送する低速信号線路(バイアス電圧制御用線路、光パワーモニター用制御用線路等。)等が挙げられる。
光トランシーバは、通常、電気信号を受けて光信号に変換する光送信サブアセンブリ(TOSA)および光信号を受けて電気信号に変換する光受信サブアセンブリ(ROSA)と、TOSAへの電気信号を発生させるLDドライバ、ROSAからの電気信号を増幅するリミッタアンプ等を実装した回路基板と、TOSAやROSAと回路基板とを接続するフレキシブルプリント配線板とを具備する。
フレキシブルプリント配線板は、TOSAやROSAと回路基板との間で電気信号を伝送する高速信号線路と、TOSAやROSAに電源供給を行う電源線路等の、高速信号線路以外の他の線路と、グランド層とを有する。
回路基板70側の接続は、回路基板70から突設されたリードピン(図示略)を、フレキシブルプリント配線板40の高速信号線路52および他の線路53の他端に設けられたスルーホール56に挿入し、半田等によって固定することによって行われる。
OSA60としては、TOSA、ROSA、LDおよびPDの両方を備え、上りと下りとで波長の異なる光信号をLD、PDに合分波させる光波長フィルタを備えた光送受信サブアセンブリ等が挙げられる。
回路基板70としては、TOSAへの電気信号を発生させるLDドライバ(図示略)、ROSAからの電気信号を増幅するリミッタアンプ(図示略)等を実装したリジッド基板等が挙げられる。
フレキシブルプリント配線板40としては、上述したフレキシブルプリント配線板41〜44が挙げられる。
また、以上説明した本発明の光トランシーバにあっては、上述した理由(2)から、フレキシブルプリント配線板の配線導体を流れる高周波の伝導ノイズが抑制されたものとなる。
また、以上説明した本発明の光トランシーバにあっては、屈曲性に優れ、薄肉化が可能な本発明のフレキシブルプリント配線板を備えたものであるため、小型化が可能である。
透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H9000NAR)を用いてカバーレイフィルムの断面を観察し、各層の5箇所の厚さを測定し、平均した。
石英ガラス上に金を蒸着して形成した、2本の薄膜金属電極(長さ10mm、幅5mm、電極間距離10mm)を用い、該電極上に被測定物を置き、被測定物上から、被測定物の10mm×20mmの領域を50gの荷重で押し付け、1mA以下の測定電流で電極間の抵抗を測定し、この値を持って表面抵抗とした。
カバーレイフィルムの電磁波シールド機能を評価した。図10に示すシステムを用い、スペクトラムアナライザ72を内蔵したトラッキングジェネレータに同軸ケーブルで接続したシールドループアンテナ74(ループ径:8mm、ループ中心からマイクロストリップライン76までの距離:10mm)から発信した電磁波ノイズ(1MHzから2GHz)をライン長55mmのマイクロストリップライン76(Z:50Ω、基板サイズ:50mm×80mm、背面:全面グランド)で受け、カバーレイフィルムでマイクロストリップライン76を覆うか否かの状態で受信特性をスペクトラムアナライザ72で測定した。
高速信号線路52および他の線路53の端部をネットワークアナライザに接続し、各配線導体の伝送特性を測定した。
図11に示すように、スライドする2枚の基板82および基板84にフレキシブルプリント配線板40を固定し、端部電極間の抵抗値をモニタリングした。基板82と基板84との間隔Dが折り曲げ外径(=折り曲げ半径×2)となる。スライド条件は、ストローク40mmで、往復回数は60回/分で行い、初期抵抗値が2倍になった回数を破断回数とした。
図1に示す構造を有するカバーレイフィルム11を以下のように作製した。
80mm×80mm×厚さ12.5μmのポリイミドフィルム(第1の絶縁性樹脂層26)の第1の面に、マグネトロンスパッタ法にてニッケルを物理的に蒸着させ、80mm×80mm×厚さ20nmのニッケル蒸着膜(表面抵抗:20Ω)(第1の抵抗層23)を形成した。
ニッケル蒸着膜の表面に、マグネトロンスパッタ法にてアルミニウムを物理的に蒸着させた後、フォトリソグラフ法により、その中央に、3mm×0.1mmの欠落部21を256箇所形成し、パターン状の欠落部21を有するアルミニウム蒸着膜(表面抵抗:2Ω)(電磁波シールド層22)を形成した。
ポリイミドフィルムの第2の面に、80mm×55mmマスクを被せた。該マスク以外の箇所に、マグネトロンスパッタ法にてニッケルを物理的に蒸着させ、80mm×55mmの欠落部24を有する、80mm×25mm×厚さ20nmのニッケル蒸着膜(表面抵抗:20Ω)(第2の抵抗層25)を形成した。
アルミニウム蒸着膜の表面に、アクリルウレタン塗料を、塗布し、乾燥させて、80mm×80mm×厚さ3μmの第2の絶縁性樹脂層27を形成した。
第2の面側のニッケル蒸着膜およびポリイミドフィルムの表面に、ニトリルゴム変性エポキシ樹脂からなる絶縁性接着剤を、乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、図1に示すカバーレイフィルム11を得た。
図10に示すマイクロストリップ基板に該サンプルの絶縁性接着剤層30側を押し当て、マイクロストリップライン76をカバーレイフィルム11で覆った。シールドループアンテナ74から1MHzから2GHzの掃引された高周波信号を出力し、受信特性を測定した。受信特性を図12に示す。また、マイクロストリップライン76がカバーレイフィルム11で覆われていない状態での受信特性も図12に示す。マイクロストリップライン76がカバーレイフィルム11で覆われていない状態に比べ、マイクロストリップライン76がカバーレイフィルム11で覆われた状態では、受信特性は数dBから最大40dBほど減衰した。
高速信号線路52および他の線路53の端部をネットワークアナライザに接続し、各配線導体の伝送特性を測定した。結果を図13に示す。第2の抵抗層25の効果により、他の線路53を流れる高周波の伝導ノイズは抑制され、また、欠落部24により、高速信号線路52においては良好な高周波信号の透過特性を示した。
図14に示す構造を有するフレキシブルプリント配線板150を作製した。
まず、厚さ12.5μmのポリイミドフィルム120の表面に、ニトリルゴム変性エポキシ樹脂からなる絶縁性接着剤を、乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、絶縁性接着剤層130を形成し、カバーレイフィルム110を得た。カバーレイフィルム110には接地のための透孔112を形成した。
フレキシブルプリント配線板本体160に、端部電極を除いてカバーレイフィルム110を熱プレスにより貼着した。
ニトリルゴム変性エポキシ樹脂からなる絶縁性接着剤に、平均粒径が10μmのニッケル粒子を5体積%分散させた導電性接着剤を用意した。
アルミニウム蒸着膜174の表面に、導電性接着剤を、乾燥膜厚が12μmになるように塗布し、導電性接着剤層176を形成し、電磁波シールドフィルム170を得た。
該フレキシブルプリント配線板の屈曲性を実施例1と同様に評価した。破断回数は30万回であり、実施例1に比べ劣っていた。
また、電源線路166の端部をネットワークアナライザに接続し、伝送特性を評価したところ、電源線路166を流れる高周波の伝導ノイズは抑制されることはなかった。
12 カバーレイフィルム
13 カバーレイフィルム
14 カバーレイフィルム
20 カバーレイフィルム本体
22 電磁波シールド層
23 第1の抵抗層
25 第2の抵抗層
26 第1の絶縁性樹脂層
27 第2の絶縁性樹脂層
30 絶縁性接着剤層
40 フレキシブルプリント配線板
41 フレキシブルプリント配線板
42 フレキシブルプリント配線板
43 フレキシブルプリント配線板
44 フレキシブルプリント配線板
50 フレキシブルプリント配線板本体
51 絶縁性フィルム
52 高速信号線路(配線導体)
53 他の線路(配線導体)
60 OSA
70 回路基板
Claims (8)
- カバーレイフィルム本体と、
該カバーレイフィルム本体の片面に設けられた絶縁性接着剤層と
を有し、
前記カバーレイフィルム本体が、第1の絶縁性樹脂層と電磁波シールド層と第1の抵抗層と第2の抵抗層とを有し、
前記第2の抵抗層が、前記電磁波シールド層と前記絶縁性接着剤層との間に存在し、かつ前記電磁波シールド層と離間している、カバーレイフィルム。 - 前記第1の抵抗層が、前記電磁波シールド層と対向している領域(I)および前記電磁波シールド層と対向していない領域(II)を有する、請求項1に記載のカバーレイフィルム。
- 前記電磁波シールド層の表面抵抗が、0.01〜5Ωであり、
前記第1の抵抗層の表面抵抗が、前記電磁波シールド層の表面抵抗の2〜100倍である、請求項1または2に記載のカバーレイフィルム。 - 前記カバーレイフィルム本体が、さらに第2の絶縁性樹脂層を有し、
前記第1の絶縁性樹脂層と前記第2の絶縁性樹脂層との間に、前記電磁波シールド層および前記第1の抵抗層が存在する、請求項1〜3のいずれかに記載のカバーレイフィルム。 - 前記カバーレイフィルム本体の厚さが、10〜50μmである、請求項1〜4のいずれかに記載のカバーレイフィルム。
- 絶縁性フィルム上に配線導体が形成されたフレキシブルプリント配線板本体と、
該フレキシブルプリント配線板本体に前記絶縁性接着剤層によって貼着された請求項1〜5のいずれかに記載のカバーレイフィルムと
を有する、フレキシブルプリント配線板。 - 前記第2の抵抗層が、前記配線導体と対向している領域(I)および前記配線導体と対向していない領域(II)を有する、請求項6に記載のフレキシブルプリント配線板。
- 光サブアセンブリと、
回路基板と、
前記光サブアセンブリと前記回路基板とを接続する請求項6または7に記載のフレキシブルプリント配線板と
を具備する光トランシーバ。
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