JP5188895B2 - メタノール合成反応器およびメタノール合成方法 - Google Patents
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Description
CO+2H2→CH3OH+ΔH ・・式1
CO2+3H2→CH3OH+H2O+ΔH ・・式2
CO+H2O→H2+CO2+ΔH ・・式3
一般に、メタノール合成反応は、上式1の反応が支配的であり、式1のΔH(反応熱)は標準状態で−90.8kJmol−1であり、大きな発熱反応である。ここで、反応熱が大きく、また高温になるほど平衡転化率が小さくなることから、反応器の設計にあたっては、反応熱を適切に除去し、触媒の温度制御を十分考慮する必要がある。また,除熱の方法がプロセスのエネルギー効率に関わりをもってくるので,様々な方式が考えられている。
(i)断熱クエンチ式反応器…竪型円筒状の加圧容器に触媒を多段に充填し、H2、CO、CO2を主成分とする合成ガスを上部より供給する。触媒層で反応が進行して発生する熱により温度が上昇するので、触媒層間に低音の合成ガス(クエンチガス)を導人して触媒層の温度制御が行われる。
(ii)管型反応器…竪型の熱交換器の管内に触媒を充填し、シェル側にボイラ水を入れて反応熱を水蒸気として回収する。
(iii)管型二重管式反応器…竪型の熱交換器に二重管を用い、内管と外管の間の円周部に触媒を充填し、内管中に合成ガスを通過させ、外管の外側(シェル側)にボイラ水を入れて反応熱を水蒸気として回収するもの。
(iv)ラジアルフロー熱交換式反応器…反応ガスをラジアルフローとし、触媒層内に軸方向に多数の伝熱管を設け、反応熱を高圧高温の水蒸気として回収するもの。
(i)従前の技術においては、発熱反応により生じた熱が系外に取り出されるが、いずれの方式も生成するメタノールの露点以上の冷却温度である。そのため、平衡転化率を超える転化率でのメタノール合成が不可能である、また転化率が平衡転化率に近づくと反応速度が低下し、反応器の効率が低下するという問題があった。
(ii)また、触媒層入口付近では、原料ガス中の濃度が高く反応速度が高いことから十分に反応が進むが、触媒層出口付近では、原料ガスの濃度が低く反応速度が十分でないことから反応が十分に進まないという問題点があった。
(iii)一方、冷却管の伝熱面積は触媒層入口と出口で同じであり、そのために触媒層は上下に温度勾配がつくことから、ガス条件(ガス組成、反応圧力、反応温度)に最適となる構造(伝熱面積など)の設計が難しい。また、一般に冷却管は反応器の上部と下部で固定されるが、熱応力による負荷のため冷却管の破損を招く原因になることから、反応器の実用機規模へのスケールアップが難しい。
(iv)さらに、メタノール合成においては、いわゆる側流式反応器を用いることができるが、触媒充填層の圧損や圧縮機動力が大きく、触媒の温度制御が困難であるという課題があった。
(v)また、各反応管の間に凝縮部や凝縮液の抜出し部を有し、凝縮後のガスが再度触媒層に戻る構造をとった場合にあっては、耐圧容器である反応器の構造が複雑となることから製造コストが高くなるという課題があった。その際、触媒層へ導入するガスの再加熱が必要となり、エネルギー効率の低下につながり、冷却水のユーティリティ量が大きくなる。
(vi)一般に、触媒充填部は単管式となっている。ガス流速を固定して設計する場合、ガス流量の増大に応じて反応管の管径を大きくする必要があり、圧力容器の場合、反応管径を大きくすると、それに応じて必要肉厚も大きくなり、製造コストの増大を招く。こうした理由から、反応器の実用機規模へのスケールアップが難しいという課題があった。
(vii)さらに、図7に示すような方法を実用化する場合にあっては、触媒充填層への原料ガスの導入に際し、ガスの偏流を起せば反応率の低下を招き、触媒充填層にホットスポットを生じる可能性があることから、均一なガスの流れを確保できる反応器の構造が課題となっていた。また、触媒充填層内での精製したメタノールと冷却管の接触効率が上げ、反応器内部での凝縮効果を向上させる構成も重要な課題であった。
(viii)図8に示すような方法を実用化する場合にあっては、触媒充填層を有する反応管を複数直列に接続した形をとるため、触媒の充填や抜出しが煩雑になるという課題があった。
(a)原料ガスを触媒と均一にかつ所定の滞留時間を有して接触させることによって、小さな空間において実質的に触媒反応に必要な空筒速度を確保する。このとき、冷却層との間についても、均一にかつ所定の滞留時間を有して接触させることができることから、反応生成物たるメタノールを含むガス(以下「反応ガス」という)と冷却管の接触効率および凝縮効果を高めることができる。
(b)発熱反応によって上昇する原料ガスの温度を、冷却層との熱交換により最適反応温度範囲内に維持することによって、高い反応効率を確保する。
(c)反応によって生成されたメタノールを、複数の冷却層によって、効率よく冷却し凝縮させることによって、凝縮液として高い回収効率を確保する。
(d)触媒充填層の上流から複数の冷却層によって順次メタノールを回収することによって、平衡転化率を超える高い転化率を確保することができる。つまり、下流の触媒充填層での合成反応においては、反応の主成分であるH2やCOの分圧が徐々に低下し、各層における転化率の絶対値は低下するが、上流から中間での反応生成物の分離・抜出しを行わない合成反応と比較すると、反応率が大きく上昇するとの知見を得たものである。
こうした構成によって、原料ガスからメタノールを作製するプロセスにおいて、ワンパスで平衡転化率を超える高い転化率を確保し、原料ガスを循環せずとも高いメタノール収率を得ることができるメタノール合成反応器を提供することが可能となる。
本装置の1つの実施態様として、第1構成例の概略全体構成を、図1に示す。正面からの断面を図1(A)に、上からの断面を図1(B)に示す。本装置1の外周から順に、ガス導入部2、第1ガス整流層3、触媒充填層4で構成され、触媒充填層4内には、同心円状に冷却層5が配置される。冷却層5は、円筒多孔板5bで仕切られた二重管式の冷却管5aが配置される。触媒充填層4の中心部は、第2ガス整流層6で仕切られ、排出ガス供出部7が設けられている。つまり、図1(A)に示すように、本装置1の内部最外周部には、ガス導入部2があり、原料ガス入口2aから導入された原料ガスが、ガス導入部2を介して外周全体から、本装置1の軸方向Mに対し垂直方向に流れる。ガス導人部2と触媒充填層4の間には第1ガス整流層3を有する。第1ガス整流層3で均一に分散された原料ガスは、軸方向Mに対し垂直方向に触媒充填層4に導入される。触媒充填層4にはメタノール合成触媒が充填されている。また、触媒充填層4には、周囲を円筒多孔板5bで仕切られた複数の冷却管5aから構成される冷却層5が複数設けられている。冷却層5は、図1(B)に示すように同心円状に複数(2層)配設されている。触媒充填層4に導入された原料ガスは、反応してメタノールを含む反応ガスとなり、冷却層5を通過するとき、冷却管5aの外表面に接触した生成メタノールの一部は凝縮する。反応ガスは、冷却層5において凝縮したメタノールを分離して、第2ガス整流層6および排出ガス供出部7を介して供出される。冷却層5において凝縮したメタノールは、重力により冷却管5a下部に滴下し、凝縮液溜部8に一時貯留される。凝縮液溜部8に貯留された凝縮液は、凝縮液抜出部9から本装置1の系外の貯留タンク等と接続され、一定量ずつあるいは一定時間ごとに供出される。
本装置1は、メタノール合成反応の使用条件(圧力)に耐えうる金属製の圧力容器であり、縦型円筒状の容器である。一般に、胴部が炭素鋼またはステンレス(SUS)製の耐圧容器を用いることができる。原料ガス入口2aの内側には邪魔板を設置し、ガスを分散させる機能を有することができる。また、原料ガス入口2aの設置箇所および個数は特に指定されるものではない。本装置1は、上述するようにワンパスで平衡転化率を超える高い転化率を得られることから、従来の反応条件よりも低圧力で、従来と同程度のメタノール収率を得ることができるために、原料ガスの圧縮に必要な動力を削減できる。また、原料ガスを循環せずとも高いメタノール収率を得ることができるため、従来オフガスの循環に必要であった循環ポンプ等の設備を省略することででき、設備の簡素化、低廉化、省スペース化を図ることができる。従って、バイオマス等を原料とする比較的小規模(数百kg/日〜数トン/日の生産規模)なメタノール製造プラントに好適に用いることができる。
上記の説明においては、本装置1の内部最外周部に設けたガス導入部2から中心部の排出ガス供出部7へとガスが流れる場合について説明したが、逆に、中心部から原料ガスを導入し、外周部へと流し供出する構成を用いることも可能である。その場合において、本装置1の構造および各部位の機能については、上記と同様である。特に、第1ガス整流層3および第2ガス整流層6を有することによって、両者の互換性を持たせることが可能となる。
次に、本装置を用いたメタノール合成プロセスを詳述する。本装置において、導入される原料ガスが反応して反応ガスとして供出されるとともに、反応によって合成されたメタノールが凝縮液として抜出される。つまり、原料ガスを反応器軸方向に対して垂直方向に導入し、触媒充填層のメタノール合成反応により生成したメタノールを含むガスの一部を冷却層内の冷却管上で凝縮させ、凝縮したメタノールを反応器系外へ抜出すとともに、メタノールの抜出しによる原料ガスの分圧を向上させると同時に、前記冷却層による原料ガスを冷却によって、後段の触媒充填層でのメタノール合成反応を促進させることを特徴とする。以下、図1の第1構成例に基づいて説明する。
水素および一酸化炭素(CO)あるいは二酸化炭素(CO2)を主成分とする原料ガスが、ガス導入部2を介して本装置1に導入される。このとき、原料ガスは、180〜300℃(望ましくは190〜230℃)および1〜15MPa(望ましくは2〜8MPa)に整えられて導入される。望ましく水素10〜80℃、一酸化炭素5〜40%、二酸化炭素5〜30%を含むガスである。
導入された原料ガスは、第1ガス整流層3で均一に分散され、軸方向Mに対し垂直方向に触媒充填層4に導入される。図1のように本装置1の外周全体から中心に向けて整流し流通させることによって、その均一性を高めることができる。
均一に分散され、触媒充填層4に導入された原料ガスは、既述の反応式1〜3により反応し、メタノールを含む反応ガスとなる。既述のように、一般的な銅−亜鉛系の固形メタノール合成触媒を用いる場合、反応温度を200〜230℃に保つことで、触媒充填層4での反応率を最大化できる。また、原料ガスの均一化によって、ワンパスで平衡転化率を超える高い転化率を確保することができる。
反応ガスは、触媒充填層4から冷却層5に移送され、冷却層5を構成する冷却管5aによって冷却され、反応ガス中のメタノールが冷却管5aの表面において凝縮する。冷却管5aは、内部に低温の冷却媒体が流通可能な二重管式の構成が好まし。冷却温度は、具体的には、メタノールの露点より低い温度であって、触媒充填層4の適正温度範囲である170〜250℃(望ましくは190〜250℃)に保たれる。
冷却層5において凝縮したメタノール成分を分離した反応ガスは、次の触媒充填層4に導入され、さらに合成反応によって新たなメタノールを含む反応ガスを形成し、次の冷却層5に導入され、上記(4)および(5)を繰り返す。最後段の冷却層5を流通した反応ガスは、第2ガス整流層6および排出ガス供出部7を介して、本装置1の系外に供出される。供出された反応ガスは、発電あるいは燃料利用するするガス化および再度メタノール製造システムに用いることができる。
上記(4)のように、反応ガス中のメタノールが冷却管5aの表面において凝縮する。凝縮されたメタノールは、微小な液滴から徐々に増大し凝縮液となり、冷却管5aに沿って下部に落下する。本装置1においては、適正な配置の冷却層5によって、効率よくメタノールを凝縮させることができることから、高い回収率を確保することができる。
落下した凝縮液は、冷却管5aの下部に設けられた凝縮液溜部8に貯留される。
貯留された凝縮液は、一定時間ごとに凝縮液抜出部9に設けられたバルブを開閉し、粗メタノールとして本装置1の系外に抜出される。凝縮液の貯留量を監視し、所定量を超えた場合一定量ずつ供出することも可能である。系外に抜出された粗メタノールの一部は、別途精製プロセス等を経由して製品メタノールとして用いられる。
反応器内部で反応生成物(メタノール)を凝縮させ反応系外に分離することによって、上反応式1〜3の化学平衡は移動する。ここでは、化学平衡計算により、化学平衡を移動させることの技術的効果を検証した。
(1)検証条件
原料ガスとして、木質系バイオマスのガス化ガス(ガス化剤:空気および水蒸気)を用いた。ガス組成は、下表1に示す。メタノール合成反応の圧力は4.0MPaとし、触媒充填層においては、反応温度493.15Kで化学平衡値まで反応が進むと仮定した。図1に示す反応器を用い、試算例1は、触媒充填層3層(冷却層2層)を有し、冷却層におけるメタノール凝縮率(生成メタノール量に対する凝縮メタノール量の割合)を0〜50%とした場合である(0%はすなわち化学平衡値)。試算例2は、同様に触媒層2層(冷却層1層)の場合である。
試算例1および2について、このときの反応率(CO転化率=反応器入口のCOの物質量のうち、メタノールに転換する割合)を図4に示す。反応器内部で反応生成物であるメタノールを−部凝縮・抜出すことで、化学平衡値に対して高い反応率が得られることがわかった。また、複数段の冷却層を設置することでより高い収率向上が可能になることがわかった。
図1に示す反応器を用い、反応器内部の温度状態、反応率を実証した。
(1)実験装置
反応器内には水平方向にさや管を挿入し、その中に熱電対を挿入することで反応器内の触媒温度分布を計測した。また、反応器の入口および出口でガス組成をマイクロガスクロマトグラフで計測し、反応率の計測をおこなった。なお、ここでは反応率として、CO転化率を用いた。なお、本実施例ではガス流量が小さく、また反応器からの放熱が大きく、触媒層を一定温度に保つことができないため、反応器胴部の側面から電気ヒータによる加温を行い、放熱分を補う形とした。
原料ガスの組成は、下表2に示すとおりである。メタン発酵において生成するバイオガス(メタン約60%、CO2約40%)のガスを水蒸気改質したガスを模擬した模擬ガスであり、メタンガスボンベ、炭酸ガスボンベを原料に、水蒸気改質装置を用いて生成したガスである。なお、反応率測定のため、メタノール合成反応に寄与しないイナートガスである窒素を添加している。ガス流量は、水蒸気改質装置出口で湿式ガスメータにより計側し、3.5m3N/hrである。生成ガスを往復動式圧縮機にて3MPaまで昇圧し、反応器へ供給する。反応器に導入する前にガスを電気ヒータにより180〜230℃(本実験では194℃)に加温し、反応器に導入した。冷却管での冷却には水を用い、冷却管3本に通水した。冷却水入口温度は5〜40℃、出口温度は10℃〜メタノールの露点温度で制御した。
(3−1)温度分布
このときの触媒充填層の水平方向の温度分布を図5に示す。冷却層を貫通していないさや管内に挿入した熱電対では、触媒充填層に入るとともに、反応熱により、触媒温度の上昇が見られ、触媒層入口付近近辺で温度が横ばいになっているのがわかる。つまり、それ以降では触媒層内では反応が進行していない。それに対し、冷却層を貫通している箇所では、冷却層からの伝熱により触媒層での温度上昇が若干低く、冷却層内ではガスが冷却されることから、ガス温度の低下が確認された。冷却層後の触媒層においては、再度、触媒温度が上昇しているのがわかる。つまり、冷却層内で反応生成物であるメタノールを分離し、化学平衡が生成物側に移動したことで、後段の触媒層でも反応が促進された。
(3−2)反応率(CO転化率)
反応器の入口および出口で計測したガス組成から算出したCO転化率は64.6%であった。一方、反応器入口ガス組成の触媒層出口温度における平衡転化率は53.7%であり、化学平衡値を超える反応率を達成していることが分かる。このとき、反応器内部で凝縮・回収したメタノール量は、反応により生成したメタノール(ガス流量×入口CO濃度×CO転化率)の51.3%であった。
つぎに、反応速度解析に基づいて反応生成物を分離し化学平衡を移動させることの効果および冷却層を複数段有することの効果を示す。実験により得た反応速度係数を用い、反応速度式から反応器の温度分布およびCO転化率を試算した。
(1)試算条件
原料ガスの供給条件は、下表3に示すとおりである。
触媒充填層の長さを横軸にとったときの反応器内の温度分布およびCO転化率を図6に示す。後段に進むにつれて、原料ガスの分圧が低下するために、反応速度が徐々に低下するが、複数の触媒充填層を経ることで、反応率が大きく上昇することが分かる。なお、既述のように、触媒充填層の数が増えることは、反応器の塔径が大きくなることを意味し、耐圧容器の耐圧部は塔径が大きくなるほど肉厚が大きくなり、反応器の製造コスト増大につながる。従って、試算結果を考慮すると、反応効率と反応器塔径の関係から触媒充填層数は2〜4程度が好ましいといえる。
1a 環状端部
1b 胴部
2 原料ガス導入部
2a 原料ガス入口
3 第1ガス整流層
4 触媒充填層
4a 触媒充填口
4b 触媒抜出口
5 冷却層
5a 冷却管
5b 円筒多孔板
5c 邪魔板
6 第2ガス整流層
7 排出ガス供出部
8 凝縮液溜部
9 凝縮液抜出部
M 本装置の軸方向
Claims (5)
- 反応器胴部に原料ガス導入部、触媒充填層および排出ガス供出部を有し、反応器下部に反応生成物の凝縮液溜部および凝縮液抜出部を有するメタノール合成反応器において、触媒充填層内に同心状に複数の冷却管が配列された冷却層を複数有し、前記冷却管が、その周囲を円筒多孔板で仕切られ、前記反応器本体と一点で接続された二重管式の構成を有するとともに、原料ガスを反応器軸方向に対して垂直方向に流通させることを特徴とするメタノール合成反応器。
- 前記原料ガス導入部と触媒充填層間がガス整流層で仕切られ、整流された原料ガスを前記触媒充填層に導人することを特徴とする請求項1記載のメタノール合成反応器。
- 前記排出ガス供出部と触媒充填層間がガス整流層で仕切られ、整流された排出ガスを供出することを特徴とする請求項1または2記載のメタノール合成反応器。
- 前記触媒充填層内にガスの流れを規制する遮蔽板を配設し、ガスと冷却管との接触効率を高めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のメタノール合成反応器。
- 前記請求項1〜4のいずれかのメタノール合成反応器を用いたメタノール合成方法であって、原料ガスを反応器軸方向に対して垂直方向に導入し、触媒充填層のメタノール合成反応により生成したメタノールを含むガスの一部を冷却層内の冷却管上で凝縮させ、凝縮したメタノールを反応器系外へ抜出すとともに、メタノールの抜出しによる原料ガスの分圧を向上させると同時に、前記冷却層による原料ガスを冷却によって、後段の触媒充填層でのメタノール合成反応を促進させることを特徴とするメタノール合成方法。
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