[go: up one dir, main page]

JP5177195B2 - 回転機の制御装置 - Google Patents

回転機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5177195B2
JP5177195B2 JP2010210481A JP2010210481A JP5177195B2 JP 5177195 B2 JP5177195 B2 JP 5177195B2 JP 2010210481 A JP2010210481 A JP 2010210481A JP 2010210481 A JP2010210481 A JP 2010210481A JP 5177195 B2 JP5177195 B2 JP 5177195B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control amount
operation state
rotating machine
predicted
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010210481A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012070469A (ja
Inventor
彰宏 井村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010210481A priority Critical patent/JP5177195B2/ja
Priority to US13/238,309 priority patent/US8441220B2/en
Publication of JP2012070469A publication Critical patent/JP2012070469A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5177195B2 publication Critical patent/JP5177195B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/13Observer control, e.g. using Luenberger observers or Kalman filters
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/0003Control strategies in general, e.g. linear type, e.g. P, PI, PID, using robust control
    • H02P21/0017Model reference adaptation, e.g. MRAS or MRAC, useful for control or parameter estimation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Description

本発明は、回転機の端子と互いに相違する複数の電位を有する箇所との間を選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御するものであって、前記電力変換回路の操作状態を設定した場合についての前記回転機の制御量を予測する予測手段と、前記予測される制御量と該制御量の指令値とに基づき前記電力変換回路の実際の操作状態を決定し、該決定された操作状態となるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備える回転機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、インバータの操作状態を様々に設定した場合についての3相電動機を流れる電流をそれぞれ予測し、予測される電流と指令電流との偏差を最小化することのできる操作状態にてインバータを操作するいわゆるモデル予測制御を行うものが提案されている。ここで、電流の予測値は、電流の検出値を初期値として用いることで予測される。これによれば、インバータの出力電圧に基づき予測される電流の挙動を最適化するようにインバータを操作するため、過渡時における指令電流への追従性を良好なものとすることができる。このため、モデル予測制御は、車載主機としてのモータジェネレータの制御装置等、過渡追従特性として特に高い性能が要求される用途にとっては、有用性が高いと考えられる。
一方、上記インバータのスイッチング状態を切り替えると、一般に、3相電動機を流れる電流にリンギングが生じることが知られている。そしてこのリンギングが生じている期間において検出された電流を用いる場合には、制御性が低下するおそれがある。そこで従来は、例えば下記特許文献2に見られるように、3相電動機を流れる電流を、上記リンギングが収まるタイミングを待って検出することも提案されている。
特開2008−228419号公報 特開2010−74902号公報
ところで、上記モデル予測制御においては、その予測演算に要する時間を確保する観点や、操作状態の更新周期を短くすることで制御精度を高めることができることなどから、上記リンギングが収まるタイミングを待って検出することが困難となるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、モデル予測制御を行うものにあって、スイッチング状態の切り替えに起因した制御性の低下を好適に抑制することのできる新たな回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、回転機の端子と互いに相違する複数の電位を有する箇所との間を選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御するものであって、前記電力変換回路の操作状態を設定した場合についての前記回転機の制御量を予測する予測手段と、前記予測される制御量と該制御量の指令値とに基づき前記電力変換回路の実際の操作状態を決定し、該決定された操作状態となるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備える回転機の制御装置において、前記予測手段は、前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかの検出値を初期値として前記操作手段による実際の操作状態の決定に際しての入力パラメータとなる前記制御量を予測するものであって且つ、前記電力変換回路の実際の操作状態を変更してから所定の長さを有する期間にわたって、前記初期値として、前記いずれかの検出値に代えて、前記操作状態の変更前における前記検出値に基づき予測された前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかを用い、前記所定の長さを有する期間は、前記操作状態の変更に伴って前記制御量または前記制御量を算出可能な物理量に生じるリンギングが十分に低減されると想定される時間に設定されることを特徴とする。
上記発明では、操作状態を変更してから所定の長さを有する期間にわたって、制御量の予測のための初期値として、操作状態の変更前における検出値に基づき予測された量を用いる。このため、操作状態の変更に伴って制御量や制御量を算出可能な物理量にリンギングが生じたとしても、その影響を受けることなく制御量を予測することができる。このため、予測精度を向上させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予測手段は、前記所定の長さを有する期間にわたって、前記実際の操作状態の決定に際しての入力パラメータを予測する処理において予測算出された前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかを前記初期値として用いることを特徴とする。
上記発明では、予測手段が予測算出した値を初期値として流用することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記予測手段は、前記操作手段による実際の操作状態の決定に際しての入力パラメータとなる前記制御量の予測値を予測する第1予測手段と、前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかの検出値および前記操作手段によって用いられることが既に決定された操作状態を入力として前記第1予測手段による予測に用いる初期値を予測する第2予測手段とを備えるものであり、前記第2予測手段は、前記所定の長さを有する期間にわたって、前記いずれかの検出値に代えて、前記第2予測手段が前記操作状態の今回の更新タイミングにおける値として予測した前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかを前記初期値として用いることを特徴とする。
制御量を高精度に予測する上では、操作状態の更新タイミングに極力近似した時点での予測処理の初期値(制御量又は制御量を算出可能な物理量)を得ることが望まれる。ただし、制御量の予測を実際に操作がなされる時点よりも前に行う必要があるため、この時点又はこの時点に極力近似した時点での初期値を検出によって求めることは不可能又は困難である。この点、上記発明では、第2予測手段を備えることで、第1予測手段の予測に用いられる初期値を極力適切な値とすることができる。このため、モデル予測制御による制御量の予測を高精度に行うことができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記操作手段は、前記電力変換回路の操作状態を制御周期毎に更新するものであり、前記第1予測手段は、前記第2予測手段による予測値を初期値として用いて、予測された制御量に基づく操作状態の更新タイミングから1制御周期経過時の制御量を予測する手段を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記第2予測手段は、前記操作状態の更新タイミングのうちの前回のタイミングに同期して検出された前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかの値を初期値として、前記前回の更新タイミングにおいて採用された操作状態に基づき、前記前回の更新タイミングから1制御周期経過時の制御量および該制御量を算出可能な物理量を予測することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記制御量は、前記回転機のトルク、前記回転機の磁束、および前記回転機を流れる電流の少なくとも1つであることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記電力変換回路は、直流電源の正極および負極のそれぞれと前記回転機の端子とを選択的に接続するスイッチング素子を備えることを特徴とする。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 インバータの操作状態を表現する電圧ベクトルを示す図。 上記実施形態にかかる規範スイッチング遷移を示す図。 同実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す流れ図。 上記モデル予測制御における電流の予測処理の手順を示す流れ図。 上記モデル予測制御における電圧ベクトルの変更検討処理の手順を示す流れ図。 上記実施形態にかかる電流検出禁止処理の手順を示す流れ図。 同実施形態における禁止期間と電流の応答時間との関係を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかるシステム構成図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる回転機の制御装置を車載主機としての回転機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。モータジェネレータ10は、3相の永久磁石同期モータである。また、モータジェネレータ10は、突極性を有する回転機(突極機)である。詳しくは、モータジェネレータ10は、埋め込み磁石同期モータ(IPMSM)である。モータジェネレータ10は、車載主機であり、その回転軸は、駆動輪に機械的に連結されている。
モータジェネレータ10は、インバータIVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。インバータIVは、スイッチング素子Sup,Sunの直列接続体と、スイッチング素子Svp,Svnの直列接続体と、スイッチング素子Swp,Swnの直列接続体とを備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnとして、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが逆並列に接続されている。
本実施形態では、モータジェネレータ10やインバータIVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まずモータジェネレータ10の回転角度(電気角θ)を検出する回転角度センサ14を備えている。また、モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwを検出する電流センサ16を備えている。更に、インバータIVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ18を備えている。
上記各種センサの検出値は、図示しないインターフェースを介して低電圧システムを構成する制御装置20に取り込まれる。制御装置20では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータIVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータIVのスイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnを操作する信号が、操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnである。
以下では、制御装置20によって行なわれる処理について、「1.モデル予測制御を用いた制御量の制御」、「2.制御量の予測のための初期値の取得方法」の順に説明する。
「1.モデル予測制御を用いた制御量の制御」
上記制御装置20は、モータジェネレータ10のトルクを要求トルクTrに制御すべく、インバータIVを操作する。詳しくは、要求トルクTrを実現するための指令電流となるようにインバータIVを操作する。すなわち、本実施形態では、モータジェネレータ10のトルクが最終的な制御量となるものであるが、トルクを制御すべく、モータジェネレータ10を流れる電流を直接の制御量としてこれを指令電流に制御する。特に、本実施形態では、モータジェネレータ10を流れる電流を指令電流に制御すべく、インバータIVの操作状態を仮設定した場合についてのモータジェネレータ10を流れる電流を予測し、予測電流と指令電流との差に基づきインバータIVの実際の操作状態を決定するモデル予測制御を行う。
詳しくは、電流センサ16によって検出された相電流iu,iv,iwは、dq変換部22において、回転座標系の実電流id,iqに変換される。また、回転角度センサ14によって検出される電気角θは、速度算出部23の入力となり、これにより、回転速度(電気角速度ω)が算出される。一方、指令電流設定部24は、要求トルクTrを入力とし、dq座標系での指令電流idr,iqrを出力する。ここでは、最小の電流で最大のトルクを生成できる指令電流idr,iqrを設定する。これら指令電流idr,iqr、実電流id,iq、および電気角θは、モデル予測制御部30の入力となる。モデル予測制御部30では、これら入力パラメータに基づき、インバータIVの操作状態を規定する電圧ベクトルViを決定し、操作部26に入力する。操作部26では、入力された電圧ベクトルViに基づき、上記操作信号を生成してインバータIVに出力する。
ここで、インバータIVの操作状態を表現する電圧ベクトルは、図2に示す8つの電圧ベクトルとなる。例えば、低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnがオン状態となる操作状態(図中、「下」と表記)を表現する電圧ベクトルが電圧ベクトルV0であり、高電位側のスイッチング素子Sup,Svp,Swpがオン状態となる操作状態(図中、「上」と表記)を表現する電圧ベクトルが電圧ベクトルV7である。これら電圧ベクトルV0,V7は、モータジェネレータ10の全相を短絡させるものであり、インバータIVからモータジェネレータ10に印加される電圧がゼロとなるものであるため、ゼロ電圧ベクトルと呼ばれている。これに対し、残りの6つの電圧ベクトルV1〜V6は、上側アーム及び下側アームの双方にオン状態となるスイッチング素子が存在する操作状態によって規定されるものであり、有効電圧ベクトルと呼ばれている。なお、ゼロ電圧ベクトルV0,V7を原点として有効電圧ベクトルV1〜V6を固定2次元座標系に変換したものが図2(b)である。図示されるように、電圧ベクトルV1、V3,V5のそれぞれがU相、V相、W相の正側にそれぞれ対応している。
次に、モデル予測制御部30の処理の詳細について説明する。先の図1に示す操作状態設定部31では、インバータIVの操作状態を設定する。ここでは、先の図2に示した電圧ベクトルV0〜V7をインバータIVの操作状態として設定する。dq変換部32では、操作状態設定部31によって設定された電圧ベクトルをdq変換することで、dq座標系の電圧ベクトルVdq=(vd,vq)を算出する。こうした変換を行うべく、操作状態設定部31における電圧ベクトルV0〜V7を、例えば、先の図2において、「上」を「VDC/2」として且つ「下」を「−VDC/2」とすることで表現すればよい。この場合、例えば、電圧ベクトルV0は、(−VDC/2、−VDC/2、−VDC/2)となり、電圧ベクトルV1は、(VDC/2、−VDC/2、−VDC/2)となる。
予測部33では、電圧ベクトル(vd、vq)と、実電流id,iqと、電気角速度ωとに基づき、インバータIVの操作状態を操作状態設定部31によって設定される状態とした場合の電流id,iqを予測する。ここでは、下記(c1)、(c2)にて表現される電圧方程式を、電流の微分項について解いた下記の状態方程式(式(c3)、(c4))を離散化し、1ステップ先の電流を予測する。
vd=(R+pLd)id −ωLqiq …(c1)
vq=ωLdid (R+pLq)iq +ωφ …(c2)
pid
=−(R/Ld)id +ω(Lq/Ld)iq +vd/Ld …(c3)
piq
=−ω(Ld/Lq)id−(Rd/Lq)iq+vq/Lq−ωφ/Lq…(c4)
ちなみに、上記の式(c1)、(c2)において、抵抗R、微分演算子p、d軸インダクタンスLd,q軸インダクタンスLq及び電機子鎖交磁束定数φを用いた。
一方、操作状態決定部34では、予測部33によって予測された電流ide,iqeと、指令電流idr,iqrとを入力として、インバータIVの操作状態を決定する。この決定処理の1つでは、評価関数Jを用いる。すなわち、操作状態設定部31によって設定された操作状態のそれぞれを評価関数Jによって評価し、評価のもっとも高かった操作状態を選択する。この評価関数Jとして、本実施形態では、評価が低いほど値が大きくなるものを採用する。具体的には、評価関数Jを、指令電流ベクトルIdqr=(idr,iqr)と、予測電流ベクトルIdqe=(ide,iqe)との差の内積値に基づき算出する。これは、指令電流ベクトルIdqrと予測電流ベクトルIdqeとの各成分の偏差が正、負の双方の値となりうることに鑑み、値が大きいほど評価が低いことを表現するための一手法である。これにより、指令電流ベクトルIdqrと予測電流ベクトルIdqeとの各成分の差が大きいほど、評価が低くなる評価関数Jを構築することができる。
上記評価関数Jを用いるなら、都度の制御周期Tcにおいて、予測電流ベクトルIdqeと指令電流ベクトルIdqrとの差が最も小さくなる操作状態を選択することができる一方、局所的なタイムスケールにおける最適解が選択されることに起因して、スイッチング状態の切り替え頻度が大きくなるおそれがある。
そこで本発明者は、今回の制御周期Tcにおける操作状態の決定に際し、平均電圧ベクトルVaを参照することを考えた。ここで、平均電圧ベクトルVaとは、インバータIVの出力電圧のうち電気角周波数を有する基本波成分のことである。すなわち、インバータIVは、1電気角周期よりも短い時間間隔でスイッチング状態を切り替えることで、その出力電圧が、電気角周波数成分を有する正弦波形状の電圧を模擬したものとなっている。インバータIVの模擬する上記正弦波形状の電圧が平均電圧ベクトルVaである。ちなみに、この平均電圧ベクトルVaのノルムは、変調率や電圧利用率と比例関係にある物理量である。ここで、変調率は、インバータIVの出力電圧についての基本波成分のフーリエ係数のことである。なお、このフーリエ係数の算出に際しては、基本波の振幅中心とインバータIVの出力電圧の変動幅の中央値とを一致させる。
上記平均電圧ベクトルVaは、モータジェネレータ10を流れる実際の電流を指令電流idr,iqrとするうえで適切なものであると考えられる。このため、平均電圧ベクトルVaを参照するなら、予測期間を伸長させることなく制御周期Tcよりも長いタイムスケールにおける最適な操作状態の選択をモデル予測制御によって実現することができるとの考えに基づき、平均電圧ベクトルVaを利用する。詳しくは、本実施形態では、平均電圧ベクトルVaを利用して、図3に示す三角波比較PWM制御のスイッチング状態の切替パターンを規範として、スイッチング状態の切り替えを行う。
図3は、本実施形態におけるモデル予測制御によって優先される操作状態の推移を示す。図示されるように、電流誤差が許容範囲から外れる(誤差ベクトルedqのノルムが閾値ethよりも大きくなる)点P1において、平均電圧ベクトルVaとのなす角度の小さい一対の有効電圧ベクトルのうちの一方(図では、V3)が選択される。その後、点P2において一対の有効電圧ベクトルのうちの他方(図では、V4)が選択される。そして、電流誤差が許容範囲から再度外れる(誤差ベクトルedqのノルムが閾値ethよりも大きくなる)点P3において、ゼロ電圧ベクトル(図では、V7)が選択される。これにより、三角波比較PWM処理と同様、ゼロ電圧ベクトルにて表現される操作状態とされる期間を長くすることができ、スイッチング状態の切り替え数を低減することができる。
図4に、本実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置20によって、制御周期Tcで繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、制御周期Tc毎に訪れる更新タイミングのうち次回の更新タイミングにおける操作状態を表現する電圧ベクトルV(n+1)として、現在(今回)の操作状態を表現する電圧ベクトルV(n)を仮設定する。続くステップS12においては、次回の更新タイミングにおいて電圧ベクトルV(n+1)にて表現される操作状態が採用された場合のそれから1制御周期Tc先の予測電流ベクトルIdqe(n+2)を予測する処理を行なう。
図5に、この処理の詳細を示す。
この一連の処理では、まずステップS12aにおいて、電気角θ(n)を検出し、前回の制御周期Tcで決定された電圧ベクトルV(n)を出力するとともに、電流id(n),iq(n)を取得する。続くステップS12bにおいては、1制御周期先における電流(ide(n+1),iqe(n+1))を予測する。これは、上記ステップS12aによって出力された電圧ベクトルV(n)によって、1制御周期先の電流がどうなるかを予測する処理である。ここでは、上記の式(c3)、(c4)にて表現されたモデルを前進差分法にて制御周期Tcで離散化したものを用いて、電流ide(n+1)、iqe(n+1)を算出する。この際、電流の初期値として、上記ステップS12aにおいて取得された電流id(n),iq(n)を用いるとともに、dq軸上の電圧ベクトルとして、固定座標系上の電圧ベクトルV(n)を、「θ(n)+ωTc/2」によってdq変換したものを用いる。ちなみに、このdq変換は、前進差分法によるものと相違するが、これは前進差分法による離散化誤差を抑制するための設定である。
続くステップS12cでは、次回の更新タイミングにおける電圧ベクトルV(n+1)を設定した場合について、2制御周期先の電流を予測する処理を行う。すなわち、上記ステップS12bと同様にして予測電流ide(n+2)、iqe(n+2)を算出する。ただし、ここでは、電流の初期値として、上記ステップS12bにおいて算出された予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を用いるとともに、dq軸上の電圧ベクトルとして、固定座標系上の電圧ベクトルV(n+1)を、「θ(n)+3ωTc/2」によってdq変換したものを用いる。ステップS12cの処理が完了する場合、先の図4の処理に戻る。
図4のステップS14では、指令電流ベクトルIdqrから予測電流ベクトルIdqe(n+2)を減算した誤差ベクトルedqを算出する。続くステップS16では、平均電圧ベクトルVaを算出する。ここでは、上記の式(c1)、(c2)において微分演算子pを除去したものに、指令電流ベクトルIdqrを入力することで平均電圧ベクトルVaを算出する。すなわち、スイッチング状態の切り替えによる電流のリプルを除けばモータジェネレータ10に流れる平均的な電流が指令電流idr,iqrであることに鑑み、モータジェネレータ10に指令電流idr,iqrが定常的に流れる場合にこれに印加される電圧として平均電圧ベクトルVaを算出する。
続くステップS18では、電流の誤差が許容範囲内にあるか否か(誤差ベクトルedqのノルム|edq|が閾値eth以下であるか否か)を判断する。ここで閾値ethは、モータジェネレータ10の状態量(電流の振幅、電気角速度ω等)によって可変設定することが望ましい。そして、許容範囲内にあると判断される場合、ステップS20において、指令電流ベクトルIdqrのノルム|Idqr|と予測電流ベクトルIdqeのノルム|Idqe|との大小関係が反転したか否かを判断する。この処理は、先の図3の点P2となるタイミングを判断するためのものである。そして、反転した場合には、状態遷移許可フラグFを「1」とする。ただし、状態遷移許可フラグFを「1」とする条件には、現在の電圧ベクトルV(n)が、平均電圧ベクトルVaとのなす角度の小さい一対の有効電圧ベクトルのうちのいずれか一方である旨の条件をさらに加える。すなわち、状態遷移許可フラグFは、現在の電圧ベクトルV(n)が、上記いずれか一方である旨の条件と上記反転した旨の条件との論理積が真である場合に「1」とされる。
上記ステップS18において否定判断される場合や、ステップS20において肯定判断される場合には、ステップS22に移行し、次回の更新タイミングにおける電圧ベクトルV(n+1)の変更を検討する処理を行なう。これに対し、ステップS22の処理が完了する場合や、ステップS20において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図6に、上記ステップS22の処理の詳細を示す。
この一連の処理では、まずステップS30において、状態遷移許可フラグFが「1」であるか否かを判断する。そして状態遷移許可フラグFが「1」であると判断される場合、ステップS32において、平均電圧ベクトルVaとのなす角度が小さい一対の有効電圧ベクトルのうち現在の電圧ベクトルV(n)ではないもの(図中、実線)にて表現される操作状態の優先度が最も高いとして、これを検討対象とする。
これに対し、ステップS30において否定判断される場合、ステップS34において、現在の電圧ベクトルV(n)が有効電圧ベクトルであるか否かを判断する。この処理は、先の図3における点P1において特定の有効電圧ベクトルを優先するためのものである。すなわち、ステップS34において否定判断される場合、ステップS36において、平均電圧ベクトルVaとのなす角度が小さい一対の有効電圧ベクトルのうちの現在の電圧ベクトルV(n)からのスイッチング状態の切り替え相数が「1」以下となる方にて表現される操作状態の優先度が最も高いとして、これを検討対象とする。例えば一対の有効電圧ベクトルが有効電圧ベクトルV3、V4であって且つ現在の電圧ベクトルがゼロ電圧ベクトルV0である場合、有効電圧ベクトルV3への切り替え相数は「1」である一方、有効電圧ベクトルV4への切り替え相数は「2」であるため、有効電圧ベクトルV3が検討対象とされる。
これに対し、ステップS34において肯定判断される場合、ステップS38において、平均電圧ベクトルVaとのなす角度がA(≦20°)以下となる有効電圧ベクトルViが存在することと、現在の電圧ベクトルV(n)へ切り替える直前における電圧ベクトルが有効電圧ベクトルであることとの論理和が真であるか否かを判断する。ここで、第2の条件は、先の図3の点P3においてゼロ電圧ベクトルを優先するためのものである。また、第1の条件は、平均電圧ベクトルVaとのなす角度が小さい有効電圧ベクトルViがある場合、平均電圧ベクトルVaを生成する上で有効電圧ベクトルViはほとんど寄与しないことに鑑みてゼロ電圧ベクトルを優先するためのものである。上記論理和が真である場合、ステップS40において、現在の電圧ベクトルV(n)からのスイッチング状態の切り替え相数が「1」以下となるゼロ電圧ベクトルにて表現される操作状態の優先度が最も高いとして、これを検討対象とする。例えば、現在の電圧ベクトルV(n)がV4である場合、ゼロ電圧ベクトルV7にて表現される操作状態が検討対象とされ、現在の電圧ベクトルV(n)がV3である場合、ゼロ電圧ベクトルV0にて表現される操作状態が検討対象とされる。
上記ステップS32、S36,S40の処理が完了する場合、ステップS42に移行する。ステップS42においては、検討対象とされた電圧ベクトルにて表現される操作状態を仮に設定した場合についての予測電流ベクトルIdqe(n+2)を算出し、これについての誤差ベクトルedqのノルム|edq|が閾値eth以下であるか否かを判断する。そして、閾値eth以下であると判断される場合、ステップS46において検討対象とされた電圧ベクトルを採用する。
これに対し、ステップS42や上記ステップS38において否定判断される場合には、ステップS44において、現在の電圧ベクトルV(n)からのスイッチング状態の切り替え相数が「1」以下となるもの全てのうち、評価関数Jによる評価が最も高いものを採用する。例えば現在の電圧ベクトルV(n)が有効電圧ベクトルV3である場合、有効電圧ベクトルV2,V3,V4とゼロ電圧ベクトルV0とのうちの評価関数Jによる評価が最も高いものを採用する。
なお、上記ステップS46,S44の処理が完了する場合、この一連の処理を一旦終了する。ちなみに、この一連の処理を一旦終了するに際しては、状態遷移許可フラグFを初期化(「0」)する。
「2.制御量の予測のための初期値の取得方法」
先の図5のステップS12aの処理における電流id(n),iq(n)としては、原則、電流センサ16によって検出された電流を採用する。ただし、インバータIVのスイッチング状態の切り替え直後にあっては、各相の電流iu,iv,iwにリンギングノイズが重畳するため、電流の検出精度が低下し、予測電流ide(n+2),iqe(n+2)の予測精度が低下する。そして、これにより、モデル予測制御の制御性が低下するおそれがある。ここで、電流センサ16の出力からリンギングノイズを除去すべくフィルタ処理を施すことは、別の要因によりモデル予測制御の制御性を低下させることにつながる。すなわち、この場合、電流の位相が遅れるため、モデル予測制御の応答性が低下し、ひいては制御性の低下につながる。
そこで本実施形態では、スイッチング状態の切り替えから所定の長さを有する時間に渡って、予測電流ide(n+1),iqe(n+1)の予測のための初期値として、電流センサ16による検出値に代えて、前回のステップS12bによる予測値を用いる。
図7に、先の図5のステップS12aの処理における電流id(n),iq(n)の取得処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS50において、電流検出禁止フラグがオンであるか否かを判断する。そしてステップS50において否定判断される場合、ステップS52において、電圧ベクトルV(n)について、スイッチング状態の切り替えがあるか否かを判断する。この処理は、電流センサ16によって検出される電流にリンギングノイズが重畳することにより、電流値を精度良く検出することができない状況であるか否かを判断するためのものである。そしてステップS52において否定判断される場合、ステップS56において、電圧ベクトルV(n+1)の決定のための電流予測の初期値としての電流id(n),iq(n)として、V(n)出力タイミングにおける検出値を採用する。これにより、先の図5のステップS12aの処理におけるタイミングにおいて電流センサ16によって検出された電流値が用いられることとなる。
一方、ステップS52において肯定判断される場合、ステップS54において、電流検出禁止フラグをオンとする。そしてステップS54の処理が完了する場合や、ステップS50において肯定判断される場合には、ステップS58に移行する。ステップS58においては、電圧ベクトルV(n+1)の決定のための電流予測の初期値としての電流id(n),iq(n)を、電圧ベクトルV(n)の決定のために用いられた予測電流ide(n),iqe(n)とする。
ステップS58の処理が完了する場合、ステップS60において、検出された電流を初期値として用いた電流の予測が禁止される時間を計時するカウンタの計時動作を行う。続くステップS62においては、カウンタが閾値Tth以上であるか否かを判断する。この処理は、検出された電流を初期値として用いた電流の予測の禁止を解除するタイミングを判断するためのものである。ここで、閾値Tthは、スイッチング状態の切り替えに伴って生じるリンギングの影響が十分に低減されると想定される時間に設定される。より望ましくは、リンギングの影響が十分に低減されると想定される時間のうち極力短い時間に設定される。なお、この閾値Tthは、制御周期Tcよりも長い値に設定される。
ステップS62において肯定判断される場合、ステップS64において電流検出禁止フラグをオフとする。なお、ステップS64,S56の処理が完了する場合や、ステップS62において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
こうした処理によれば、リンギングによって予測電流ide(n+1)、iqe(n+1)の精度が低下することを好適に回避することができる。特に、リンギングが十分に減衰するまでの時間は、スイッチング状態の切り替え後に電流が定常値となるまでに要する時間よりも十分に短いことなどから、予測電流ide(n+1)、iqe(n+1)を予測するための初期値として予測電流を用いたとしても、その精度は十分に高いものとなる。これは、図8に例示する電流波形のように、モデル誤差による影響は、定常状態へと移行するにつれて顕著となるものの、スイッチング状態の切り替え直後においては無視し得るためである。
図9に、本実施形態にかかる処理と、スイッチング状態の切り替え直後においても電流の検出値を用いる場合とを対比して示す。なお、図中、電圧ベクトルや、スイッチング状態の切り替えを示すSW変更フラグを、専用の回路による出力信号としているため、ノイズを含んでいるが、ステップ状の変化以外に意味はない。
図示されるように、電流の検出値を常時用いる場合(図9(a))には、スイッチング状態の切替回数が「46700回/s」であるのに対し、本実施形態では、スイッチング状態の切替回数を「36893回/s」に低減することができる。これは、リンギングの影響で精度の悪い予測がなされることに起因する不適切なスイッチングを低減することができたためであると考えられる。ちなみに、指令電流に対する実電流の乖離度合いを本実施形態と同等とするようにキャリア周波数を設定した場合についての三角波比較PWM処理のスイッチング状態の切り替え回数は、「60000回/s」である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)インバータIVの実際の操作状態を変更してから所定の長さを有する期間にわたって、予測電流ide(n+2),iqe(n+2)を予測するための初期値として、検出値に代えて、前回の予測値を用いた。これにより、電流にリンギングが重畳したとしても、その影響を受けることなく電流値を予測することができる。このため、予測精度を向上させることができる。
(2)予測電流ide(n+2),iqe(n+2)の予測に用いる初期値である予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を、電流id(n),iq(n)に基づき予測した。ここで、予測電流ide(n+2),iqe(n+2)の予測に用いる初期値として適切な検出値を用いようとすると、予測によって決定された電圧ベクトルV(n+1)の採用タイミングにおけるものを用いることが要求される。この点、予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を用いることで、物理的に不可能か極めて困難な状況を回避しつつも初期値として極力適切な値とすることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、トルクと磁束とを直接の制御量とし、これらの指令値と予測値とを入力としてインバータIVの操作状態を決定する。
図10に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図10において、先の図1に示した処理に対応する処理については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、トルク/磁束予測部37では、予測電流ide,iqeに基づき、モータジェネレータ10の磁束ベクトルΦとトルクTとを予測する。ここで、磁束ベクトルΦ=(Φd、Φq)は、下記の式(c5)、(c6)にて予測され、トルクTは、下記の式(c7)にて予測される。
Φd=Ld・id+φ …(c5)
Φq=Lq・iq …(c6)
T=P(Φd・iq−Φq・id) …(c7)
ちなみに、上記の式(c7)においては、極対数Pを用いている。
一方、磁束マップ38では、要求トルクTrに基づき、指令磁束ベクトルΦrを設定する。ここで、指令磁束ベクトルΦrは、要求トルクTrを満たすもののうち、例えば最小の電流で最大のトルクが得られる最大トルク制御を実現する等の要求によって設定されるものである。
操作状態決定部34aでは、評価関数Jに基づき最終的な操作状態を決定する。ここで、評価関数Jは、予測トルクTeと要求トルクTrとの差と、予測磁束ベクトルΦeと指令磁束ベクトルΦrとの各成分の差とに基づき定量化される。詳しくは、これらの差の2乗のそれぞれに重み係数α、βを乗算したもの同士の和に基づき決定される。ここで、重み係数α、βは、トルクと磁束との大きさが相違することを補償するための手段である。すなわち、例えばトルクの数値の方が磁束の数値よりも大きい場合、重み係数を用いない場合には磁束の誤差は軽視されやすくなる。このため、こうした状況を改善すべく重み係数α、βを用いている。
上記のように、評価関数Jの入力となる予測トルクTeと予測磁束ベクトルΦeとは、電流の検出値を初期値として用いて算出されるものである。すなわち、本実施形態では、トルクや磁束を直接検出するハードウェア手段を備えないため、トルクや磁束を算出可能な物理量である電流に基づきこれら制御量であるトルクや磁束を算出している。詳しくは、次回の更新タイミングn+1におけるインバータIVの操作状態の設定に応じたトルクや磁束の予測処理に際して、次回の更新タイミングn+1における予測電流ide(n+2),iqe(n+2)を用いる。ここで、次回の更新タイミングn+1における電流の予測値(予測電流ide(n+1),iqe(n+1))を初期値として用いる。そして、この予測電流ide(n+1),iqe(n+1)の予測に際して用いる初期値として、スイッチング状態の切り替え直後には、電流の検出値に代えて、前回の予測値を用いる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「禁止期間における初期値の取得手法について」
上記実施形態では、禁止期間においては、既に予測された予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を流用したがこれに限らない。例えば、過去の電流の検出値を記憶しておき、禁止期間となる毎に、これら記憶された検出値に基づき禁止期間において用いる初期値を予測してもよい。
「電流の検出タイミングについて」
電流の検出タイミングとしては、インバータIVの操作状態の更新タイミングに同期したものに限らない。例えば、一対の更新タイミングの中央のタイミングにおいて電流を検出してもよい。この場合であっても、次回の更新タイミングにおける操作状態の設定に伴う電流の予測の初期値を、検出された電流に基づき予測することは有効である。
「予測される制御量のタイミングについて」
インバータIVの操作状態の更新タイミングから1制御周期先のタイミングにおける制御量を予測するものに限らず、例えば今回の更新タイミングから次回の更新タイミングまでの間のタイミングにおける制御量を予測するものであってもよい。
「操作状態の決定手法について」
操作状態の決定手法としては、上記各実施形態において例示したものに限らない。例えば制御量としての電流の予測値と指令値とに基づき操作状態を決定するものにおいても、全ての電圧ベクトルV0〜V7を評価関数Jによって評価することで操作状態を決定するようにしてもよい。
「評価関数について」
評価関数としては、入力パラメータとしての制御量とその指令値との差の各成分の2乗の和(加重平均)にも限らない。例えば制御量とその指令値との差の絶対値の各成分の和(加重平均)であってもよい。要は、入力パラメータとしての制御量とその指令値との差が大きいほど評価が低いことを定量化するものであればよい。
「操作状態の決定に際しての入力パラメータについて」
操作状態の決定に際しての入力パラメータとしては、インバータIVの操作状態についての次の更新タイミング(1制御周期先のタイミング)における制御量の予測値のみを用いるものに限らない。例えば、数制御周期先の更新タイミングにおけるインバータIVの操作による制御量まで順次予測し、これらのいくつか(複数)を用いて1制御周期先の更新タイミングにおける操作状態を決定してもよい。
「電力変換回路について」
回転機の端子と互いに相違する複数の電位を有する箇所との間を選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路としては、インバータIVに限らない。例えば、3つ以上の互いに相違する電位を有する箇所と回転機の各端子との間を選択的に開閉するスイッチング素子を備えるものであってもよい。なお、回転機の各端子に3つ以上の互いに相違する値の電圧を印加するための電力変換回路としては、例えば特開2006−174697号公報に例示されているものがある。
「制御量について」
・指令値と予測値とに基づきインバータIVの操作を決定するために用いる制御量としては、トルクおよび磁束と、電流とのいずれかに限らない。例えば、トルクのみまたは磁束のみであってもよい。また例えば、トルクおよび電流であってもよい。ここで、制御量を電流以外とする場合等において、センサによる直接の検出対象を電流以外としてもよい。
・上記各実施形態では、回転機の究極の制御量(予測対象であるか否かにかかわらず、最終的に所望の量とされることが要求される制御量)を、トルクとしたが、これに限らず、例えば回転速度等としてもよい。
「その他」
・回転機としては、埋め込み磁石同期機に限らず、表面磁石同期機や、界磁巻線型同期機等、任意の同期機であってよい。更に、同期機にも限らず、誘導モータ等、誘導回転機であってもよい。
・回転機のエネルギ源としては、2次電池に限らず、例えば燃料電池であってもよい。
・直流電源としては、高電圧バッテリ12に限らず、例えば高電圧バッテリ12の電圧を昇圧するコンバータの出力端子であってもよい。
10…モータジェネレータ、20…制御装置、IV…インバータ、Swp,Swn…スイッチング素子。

Claims (7)

  1. 回転機の端子と互いに相違する複数の電位を有する箇所との間を選択的に開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御するものであって、前記電力変換回路の操作状態を設定した場合についての前記回転機の制御量を予測する予測手段と、前記予測される制御量と該制御量の指令値とに基づき前記電力変換回路の実際の操作状態を決定し、該決定された操作状態となるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備える回転機の制御装置において、
    前記予測手段は、前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかの検出値を初期値として前記操作手段による実際の操作状態の決定に際しての入力パラメータとなる前記制御量を予測するものであって且つ、前記電力変換回路の実際の操作状態を変更してから所定の長さを有する期間にわたって、前記初期値として、前記いずれかの検出値に代えて、前記操作状態の変更前における前記検出値に基づき予測された前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかを用い
    前記所定の長さを有する期間は、前記操作状態の変更に伴って前記制御量または前記制御量を算出可能な物理量に生じるリンギングが十分に低減されると想定される時間に設定されることを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 前記予測手段は、前記所定の長さを有する期間にわたって、前記実際の操作状態の決定に際しての入力パラメータを予測する処理において予測算出された前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかを前記初期値として用いることを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  3. 前記予測手段は、前記操作手段による実際の操作状態の決定に際しての入力パラメータとなる前記制御量の予測値を予測する第1予測手段と、前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかの検出値および前記操作手段によって用いられることが既に決定された操作状態を入力として前記第1予測手段による予測に用いる初期値を予測する第2予測手段とを備えるものであり、
    前記第2予測手段は、前記所定の長さを有する期間にわたって、前記いずれかの検出値に代えて、前記第2予測手段が前記操作状態の今回の更新タイミングにおける値として予測した前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかを前記初期値として用いることを特徴とする請求項2記載の回転機の制御装置。
  4. 前記操作手段は、前記電力変換回路の操作状態を制御周期毎に更新するものであり、
    前記第1予測手段は、前記第2予測手段による予測値を初期値として用いて、予測された制御量に基づく操作状態の更新タイミングから1制御周期経過時の制御量を予測する手段を備えることを特徴とする請求項3記載の回転機の制御装置。
  5. 前記第2予測手段は、前記操作状態の更新タイミングのうちの前回のタイミングに同期して検出された前記制御量および該制御量を算出可能な物理量のいずれかの値を初期値として、前記前回の更新タイミングにおいて採用された操作状態に基づき、前記前回の更新タイミングから1制御周期経過時の制御量および該制御量を算出可能な物理量を予測することを特徴とする請求項4記載の回転機の制御装置。
  6. 前記制御量は、前記回転機のトルク、前記回転機の磁束、および前記回転機を流れる電流の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  7. 前記電力変換回路は、直流電源の正極および負極のそれぞれと前記回転機の端子とを選択的に接続するスイッチング素子を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
JP2010210481A 2010-09-21 2010-09-21 回転機の制御装置 Expired - Fee Related JP5177195B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010210481A JP5177195B2 (ja) 2010-09-21 2010-09-21 回転機の制御装置
US13/238,309 US8441220B2 (en) 2010-09-21 2011-09-21 Control device for electric rotating machine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010210481A JP5177195B2 (ja) 2010-09-21 2010-09-21 回転機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012070469A JP2012070469A (ja) 2012-04-05
JP5177195B2 true JP5177195B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=45817148

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010210481A Expired - Fee Related JP5177195B2 (ja) 2010-09-21 2010-09-21 回転機の制御装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8441220B2 (ja)
JP (1) JP5177195B2 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5880967B2 (ja) * 2012-09-28 2016-03-09 株式会社デンソー 交流電動機の制御装置
EP2733842B1 (en) * 2012-11-15 2018-07-04 ABB Schweiz AG Controlling an electrical converter
JP5812021B2 (ja) * 2013-02-08 2015-11-11 株式会社デンソー 交流電動機の制御装置
WO2014186765A1 (en) 2013-05-17 2014-11-20 Cirrus Logic, Inc. Single pin control of bipolar junction transistor (bjt)-based power stage
US9735671B2 (en) 2013-05-17 2017-08-15 Cirrus Logic, Inc. Charge pump-based drive circuitry for bipolar junction transistor (BJT)-based power supply
US9354124B2 (en) * 2013-06-17 2016-05-31 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Temperature/voltage detection circuit
US9702763B2 (en) 2013-06-17 2017-07-11 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Thermal sensor
US9504106B2 (en) 2013-07-29 2016-11-22 Cirrus Logic, Inc. Compensating for a reverse recovery time period of a bipolar junction transistor (BJT) in switch-mode operation of a light-emitting diode (LED)-based bulb
US9496855B2 (en) 2013-07-29 2016-11-15 Cirrus Logic, Inc. Two terminal drive of bipolar junction transistor (BJT) of a light emitting diode (LED)-based bulb
US9214862B2 (en) 2014-04-17 2015-12-15 Philips International, B.V. Systems and methods for valley switching in a switching power converter
US9407189B2 (en) * 2014-07-16 2016-08-02 Atieva, Inc. Direct torque control motor controller with torque ripple reduction
US9444384B2 (en) 2014-07-16 2016-09-13 Atieva, Inc. Direct torque control motor controller with transient current limiter
US9431951B2 (en) 2014-07-16 2016-08-30 Atieva, Inc. Direct torque control motor controller with transient current limiter
DE102014213985B4 (de) * 2014-07-17 2024-03-28 Magna powertrain gmbh & co kg Verfahren zum Steuern eines felderregenden Stroms
US9504118B2 (en) 2015-02-17 2016-11-22 Cirrus Logic, Inc. Resistance measurement of a resistor in a bipolar junction transistor (BJT)-based power stage
US9609701B2 (en) 2015-02-27 2017-03-28 Cirrus Logic, Inc. Switch-mode drive sensing of reverse recovery in bipolar junction transistor (BJT)-based power converters
US9603206B2 (en) 2015-02-27 2017-03-21 Cirrus Logic, Inc. Detection and control mechanism for tail current in a bipolar junction transistor (BJT)-based power stage
CN105490605A (zh) * 2015-12-16 2016-04-13 上海新时达电气股份有限公司 感应电机预测控制模型参数在线调整方法
DE202016008654U1 (de) * 2016-01-26 2018-10-29 András Lelkes Umrichter zum Speisen eines elektrisch erregten Motors
US10840841B2 (en) * 2018-09-27 2020-11-17 Tmeic Corporation Control device for power conversion device, control method, and motor drive system
KR102699008B1 (ko) * 2019-08-30 2024-08-26 현대자동차주식회사 모터 구동 시스템을 이용한 배터리 승온 시스템 및 방법
CN111130419A (zh) * 2020-01-03 2020-05-08 天津大学 基于扩展步长和变作用时间的永磁电机预测磁链控制方法
CN111049458A (zh) * 2020-01-05 2020-04-21 天津大学 一种基于变矢量作用时长的永磁同步电机电流控制方法
JP6885489B1 (ja) * 2020-04-16 2021-06-16 株式会社明電舎 電力変換システムおよび電力変換システムの制御方法
CN114514739A (zh) 2020-07-29 2022-05-17 指纹卡安娜卡敦知识产权有限公司 全局快门光学生物特征传感器的适应性读出
CN112016197B (zh) * 2020-08-18 2021-04-13 浙江大学 一种永磁电机谐波电流的预测方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3221686B2 (ja) 1991-02-28 2001-10-22 松下電器産業株式会社 モータ速度制御用信号発生装置
US6600286B2 (en) * 2000-03-03 2003-07-29 Seiko Epson Corporation Motor control device and motor control method
JP4422875B2 (ja) 2000-08-30 2010-02-24 キヤノン株式会社 モータ駆動装置
JP3867518B2 (ja) 2001-06-06 2007-01-10 株式会社日立製作所 同期電動機のセンサレス制御システム
JP3843391B2 (ja) 2002-01-17 2006-11-08 株式会社日立製作所 同期電動機駆動装置
JP3972124B2 (ja) 2002-07-10 2007-09-05 株式会社日立製作所 同期電動機の速度制御装置
JP2008067556A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Sanyo Electric Co Ltd モータ制御装置
JP2008228419A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Mie Univ モデル予測制御に基づくモータのトルク制御方法
JP4508237B2 (ja) * 2007-12-19 2010-07-21 株式会社デンソー 回転機の制御装置
JP4508236B2 (ja) * 2007-12-19 2010-07-21 株式会社デンソー 回転機の制御装置
JP2010074902A (ja) 2008-09-17 2010-04-02 Ricoh Co Ltd モータ駆動装置の制御方法
JP5391698B2 (ja) * 2009-01-16 2014-01-15 株式会社デンソー 回転機の制御装置及び制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
US8441220B2 (en) 2013-05-14
US20120068641A1 (en) 2012-03-22
JP2012070469A (ja) 2012-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5177195B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5056817B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5152207B2 (ja) 多相回転機の制御装置
JP5146478B2 (ja) 回転機の制御装置
JP4748245B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5387614B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5566635B2 (ja) 回転機の制御装置
JP4811495B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5375693B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5182302B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5413420B2 (ja) 回転機の制御装置
JP2013062950A (ja) 回転機の制御装置
JP5589556B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5391698B2 (ja) 回転機の制御装置及び制御システム
JP2013172613A (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP5447050B2 (ja) 回転機の制御装置
JP5510041B2 (ja) 回転機の制御装置
JP2012147540A (ja) 回転機の制御装置
JP2012253943A (ja) 回転機の制御装置
JP5347671B2 (ja) 回転機の制御装置
JP2011125081A (ja) 回転機の制御装置の製造方法
JP2011259637A (ja) 回転機の制御装置
JP5724733B2 (ja) 回転機の制御装置
JP2017060341A (ja) オープン巻線システムの制御装置
JP5686026B2 (ja) 回転機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121224

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5177195

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160118

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees