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JP5173217B2 - 薄板打抜き加工方法及び打抜き加工装置 - Google Patents

薄板打抜き加工方法及び打抜き加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、薄板打抜き加工方法及び打抜き加工装置に係り、更に詳しくは、金属或いは樹脂材料からなる薄板、例えば板厚0.l5mm前後の薄板をバリが発生しないように打抜き加工する薄板打抜き加工方法及び打抜き加工装置に関するものである。
電池の外装缶や内蔵部品、例えば電極或いはセンターピンなどの部品は、金属或いは樹脂材料からなる薄板から打抜き、湾曲及びせん断などの加工工程を経て製造されている。そして、この加工工程に使用される各種の薄板打抜き加工装置が開発されている(例えば、下記特許文献1、2参照)。
例えば下記特許文献1には薄板を打抜きせん断する加工装置が開示されている。なお、図9は下記特許文献1に開示されている加工装置を用いた薄板打抜きの概要を示したものである。
この薄板打抜き加工装置50は、図9に示すように、遊挿孔51Aが設けられた下型51と、食い込み孔52Aが設けられた上型52と、下型51の遊挿孔51A内で上下動される下パンチ54及び上型52の食い込み孔52A内で上下動される上パンチ53とを有し、これらの上下型51、52及び上下パンチ53、54は不図示の駆動機構に連結されて、これらの駆動機構によって上下動されるようになっている。
ここで、上述の加工装置を用いて薄板のせん断を行う方法の一例を以下に説明する。
先ず、下型51上に薄板55が載置されて位置決め固定される。そして、この位置決め固定された薄板55の下方から下パンチ54が上昇して、薄板55の一部分が繋がった状態で半抜き加工される(図9(a)参照)。次いで、上パンチ53が下降して、半抜き加工された部分が他の薄板55と同一平面上に戻される(図9(b)参照)。その後、例えば下パンチ54が上昇することによって薄板55が打抜かれる。
また図10は下記特許文献2に記載された電池の電極板裁断加工用金型の加工プロセスを示したものである。この裁断加工用金型は、上型60と下型64とを有し、上型60には、切れ刃61、外側ストリッパ62及び内側ストリッパ63が設けられ、下型64にはアンビル65及びリフタ66が設けられた構成となっている。
図10(a)〜図10(e)を参照して、この裁断加工用金型を用いた電極板の裁断を説明する。
先ず、上型60が上昇されて、下型64の上に帯状の正極板材料Pが送り込まれて位置決め固定される(図10(a)参照)。次いで、上型60が降下されて、外側ストリッパ62と内側ストリッパ63とにより下型64のアンビル65及びリフタ66の上面に正極板材料Pが押付けられて平面状に保持される。その後、鋭利な楔状の切れ刃61が降下されて正極板材料Pに当接し、この正極板材料Pに切れ刃61とアンビル65とで挟まれた状態で所定の力が加えられることで正極板Pが裁断される(図10(b)参照)。
その後、開孔された正極板材料Pは外側ストリッパ62と切れ刃61とでアンビル65に対して押さえ付けられた状態で保持され、裁断された正極板Pは内側ストリッパ63とリフタ66で挟まれて平らな状態に保持され、この状態から正極板Pがリフタ66の力で押し上げられて切れ刃61の内径部分に所定距離押し込まれる。この押し込み範囲は0.05〜3mmの範囲に設定されている(図10(c)参照)。その後、外側ストリッパ62は移動させないで切れ刃61のみが上昇され、この切れ刃61の上昇は正極板Pが切れ刃61の先端部に位置するまで行われる(図10(d)参照)。最後に、外側ストリッパ62、内側ストリッパ63及び切れ刃61の全てが上昇されて正極板Pが取出される(図10(e)参照)。
上述の裁断加工用金型を使用すると、裁断された正極板Pは、一旦切れ刃61の内径部分に押し込まれた後に切れ刃61を上昇させるので、切れ刃61の内側が正極板Pの切断面と平行な方向に所定距離一往復されるので、切れ刃61の内側表面と正極板Pの切断面に摩擦力が働き、切断面の付近に発生するバリが脱落され、あるいは小さく短縮される。
特開平7−195130号公報(図6、図7、段落〔0039〕〜〔0046〕) 特開2002−126828号公報(図1、段落〔0024〕〜〔0032〕)
ところで、複雑な曲げを有する部品を製造するときには、通常、素材となる薄板を略一箇所に位置決めして集中して一連の加工を行うマルチフォーミング方式の加工方法が用いられている。この方法を用いると完成品にバリ等の引っ掛かりの要因が生じないため、特にセンターピン等の製造には好ましい。しかしながら、このマルチフォーミング加工は、所定形状の展開部材に対して、周囲から所定のパンチを打込み加工するので、加工スピードが遅く、例えば70spm前後となる。このため、近年の加工コストを考慮するとコスト高になり、また、装置自体も複雑・高価になる。
これに対し、マルチフォーミング方式よりも短時間で大量の加工が可能な製造コストの低い加工方法として、順送り方式が知られている。この順送り方式とは、一連の製造ラインを直列配置してこの製造ライン中にフープ状の母材を搬送させて加工がなされるものである。しかしながら、この順送り方式を用いると、フープ状母材のキャリア部と加工製品部との間の接続部分を切断する際にバリが残ってしまう恐れがある。
上記特許文献1に示されている打抜き加工装置によれば、薄板は半抜き加工された後に逆方向に戻されるので、角部のバリ発生が抑制される。しかしながら、この加工装置は薄板になると僅かな押込み量、例えば板厚0.15mmの薄板においてその押込み量が0.05mm程度でも内部割れが発生しまうことがある(図9(c)参照)。特に、硬材の薄板、例えばステンレス材からなる薄板は、このような内部割れが発生し易い。このような内部割れが発生すると、部品加工の不良率を高める恐れがある。
そして、順送り方式における母材のキャリア部と加工製品部との結合部に上記特許文献1に開示された加工装置を使用すると、この加工装置の構造上、上下型の開孔の径が上下パンチの径よりも大きくなるので、下パンチと下型に設けられた孔との間に隙間ができて、バリの発生を回避することが困難になっている。また、上述した内部割れが生じることでこの結合部が工程の途中で切断されて加工製品部がキャリア部から離脱し易くなる。特に加工製品部を所定の形状に曲げ加工される工程が含まれる場合は、この工程で切断されてしまい、以後の工程を継続できなくなり、不良率の発生が多くなる。
また、上記特許文献2に示されている電極板裁断用金型は、電極板が裁断された後も正極板がストリッパとリフタとで挟まれた状態で切れ刃の内側が上下に移動されるようになっており、その移動距離が所定の範囲、すなわち0.05〜3mmの範囲に設定されなければならないため、この移動距離の調節が面倒になる。
例えば、その移動距離が増大されると裁断スピードが低下してしまい、また、移動距離が少なくなるとバリを押し潰す効果が減少してしまうので、薄板の肉厚及び材質などを考慮して最適な移動距離に設定する必要があるため、その調節が面倒になる。また、一方でその移動距離が0.05mmより小さくなると、電極板を切れ刃の内側で保持することが不安定になり、また、3mmより大きくなると、電極板の厚さに比べて不必要に大きくなって変形などの支障を招くことになる。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、極薄板、例えば板厚0.l5mm前後の薄板をバリが発生しないようにして打抜き加工することができる薄板打抜き加工方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、面倒な調節作業が不要であり且つ簡単な構成で極薄板をバリが発生しないように打抜くことができる薄板打抜き加工装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る薄板打抜き加工方法は、以下の(a)〜(c)に示す工程を有することを特徴とする薄板打抜き加工方法。
(a)ダイ22に被加工部材である薄板を位置決め固定する工程、
(b)互いに摺動可能に当接された可動パンチと加圧パンチであって、前記可動パンチは前記加圧パンチ側の面の端縁から鋭角に尖った刃先部を備え、前記加圧パンチは前記可動パンチ側の面の端縁から鋭角に尖った刃先部を備たものを用い、前記薄板を介して前記ダイと対向する面に前記可動パンチの前記鋭角に尖った刃先部を打ち込んで前記ダイとの間で前記薄板を半抜きする工程、
(c)前記半抜きされた薄板に前記可動パンチの前記鋭角に尖った刃先部を当接させた状態で前記可動パンチの一側面側から前記加圧パンチの前記鋭角に尖った刃先部を前記薄板の半抜き箇所に押し当てて打抜く工程。
前記第2の態様に係る薄板打抜き加工方法は、前記第1の態様に係る薄板打抜き加工方法において、前記(b)の工程前に前記薄板の前記可動パンチが打ち込まれる面に切欠き溝を形成し、前記(b)の工程において前記切欠き溝を設けた箇所に前記可動パンチを打ち込んで半抜きすることを特徴とする。
前記第3の態様に係る薄板打抜き加工方法は、前記第2の態様に係る薄板打抜き加工方法において、前記切欠き溝はV字状に形成され、その底部の角度が60°〜120°の範囲内であることを特徴とする。
また、本発明の第4の態様に係る薄板打抜き加工装置は、ダイが設けられた第1型と、前記ダイと協働して薄板を打抜く加圧パンチ及びストリッパが設けられた第2型とを有し、前記第1、第2型の少なくとも一方が駆動機構に連結されて前記ダイと前記加圧パンチとの間で被加工部材である前記薄板を打抜く薄板打抜き加工装置において、
前記第2型には前記ストリッパに前記薄板を半抜きする可動パンチが設けられ、前記可動パンチは前記加圧パンチ側の面の端縁から鋭角に尖った刃先部を備え、前記加圧パンチは前記可動パンチ側の面の端縁から鋭角に尖った刃先部を備え、前記可動パンチと前記加圧パンチとは互いに対向する面が摺動可能に当接されており、前記駆動機構により前記可動パンチを作動させて前記可動パンチの前記鋭角に尖った刃先部と前記ダイとで前記薄板を半抜きした後に、前記加圧パンチを前記駆動機構で作動させて前記加圧パンチの前記鋭角に尖った刃先部を前記薄板の半抜き個所に押し当てて前記半抜き箇所を打抜くことを特徴とする。

また、本発明の第5の態様に係る薄板打抜き加工装置は、前記第4の態様に係る薄板打抜き加工装置において、前記可動パンチの前記加圧パンチ側の面と前記ダイの外面とが同一直線上に位置されていることを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えることにより、以下に示す優れた効果を奏する。すなわち、本発明の第1の態様に係る薄板打抜き加工方法によれば、薄板は、先ず可動パンチの鋭角に尖った刃先部で半抜きされるので、この半抜きにより、可動パンチが打ち込まれた箇所の上下角部に適度なダレが形成される。その後、この半抜きされた箇所が加圧パンチの鋭角に尖った刃先部で打抜かれるが、この時点では既に製品側に適度なダレが形成されており、このダレが形成された箇所が加圧パンチの鋭角に尖った刃先部により打ち抜かれるので、製品のせん断された断面にはバリが発生しなくなる。しかも、可動パンチと加圧パンチとは、互いに対向する面が摺動可能に当接されるので、いずれかのパンチに高負荷が掛っても互いに支持されて折曲することがなく、正確な半抜き加工あるいは打抜き加工ができるようになる。
また、本発明の第2及び第3の態様に係る薄板打抜き加工方法によれば、薄板に予め切欠き溝を形成しておくことにより、この溝内に可動パンチを押し込んだときに、可動パンチに加わる押し退け抵抗負荷が軽減される。この負荷軽減により、半抜き及び抜き落とし加工が容易になる。また、可動パンチの負荷が軽減されるので可動パンチの刃先の刃毀れ等が低減される。さらに、薄板に切り溝を設けても、所定の機械的強度は維持できるので、従来技術のように加工の途中で製品がキャリア部から外れることがない。しかも、可動パンチと加圧パンチとは、互いに対向する面が摺動可能に当接されるので、いずれかのパンチに高負荷が掛っても互いに支持されて折曲することがなく、正確な半抜き加工あるいは打抜き加工ができるようになる。
本発明の第4の態様に係る薄板打抜き加工装置によれば、可動パンチを設け、この可動パンチとダイとで薄板を半抜きすることにより、薄板に適度なダレをつけることが可能になり、その結果、加圧パンチによる打抜きの際にバリを発生させることを防止できる。また、複雑な機構を設ける必要もないので、装置自体も安価に製造することができる。
また、本発明の第5の態様に係る薄板打抜き加工装置によれば、可動パンチの加圧パンチに対向する面とダイの外面とが同一直線上に位置しているので、正確な位置で薄板を打抜き加工することができる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための薄板打抜き加工方法及び打抜き加工装置を例示するものであって、本発明をこの薄板打抜き加工方法及び打抜き加工装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
先ず、図1及び図2を参照して本発明の一実施形態に係る薄板打抜き加工装置を説明する。なお、図1は薄板打抜き加工装置の一部縦断面図、図2は図1のX部分の拡大断面図である。なお、図1は打抜き加工装置を略中央部から左右に分断した左側の断面を示しており、不図示の右側には左側と同じ構造の部材が存在している。
薄板打抜き加工装置10は、図1に示すように、第1型および第2型としての上型11と下型20とを有し、下型20は不図示の基台に固定され、上型11は不図示の駆動機構に連結されている。以下にはこれらの上下型の構成について詳述する。
上型11は、上型ベースプレート12と、ストリッパ17とを有し、ストリッパ17はガイドボルト13とコイルスプリング16とによって支持されて、上型ベースプレート12に対して上下動自在に結合されている。この上下動自在な結合は、上型ベースプレート12にガイドボルト13が遊嵌される大きさの貫通孔12aが縦方向に形成されて、この貫通孔12aにガイドボルト13が挿通され、このガイドボルト13の端部にストリッパ17が固定されていることにより実現されている。また、ベースプレート12とストリッパ17とを繋ぐガイドボルト13には伸張したコイルスプリング16が挿通されている。この構成により、上型ベースプレート12が不図示の駆動機構により降下されると、ストリッパ17が降下して、下型20に押し当たり、更に上型ベースプレート12が降下されると、ストリッパ17がコイルスプリング16の付勢力に抗して上昇されることでストリッパ17に所定の弾性力が付与される。このストリッパ17への弾性付与によって、このストリッパ17に装着された可動パンチ19が所定の弾性力で被加工材となる薄板へ押し当てられる。
上型ベースプレート12は、その裏面側に加圧パンチ15が下方へ垂下した状態でパンチホルダ14によって固定されている。この加圧パンチ15は、上方に取付け部15、下方に刃先部15を有する所定肉厚の鋼材からなる板状体で形成されている。
次に、図2を参照して加圧パンチ15を説明する。この加圧パンチ15は、垂下された状態において、内側に位置する平坦面、詳しくは第1垂直面15と、第1垂直面15に対向する外側の第2垂直面15とを有し、刃先部15は第1垂直面15の下方先端から第2垂直面15に向けて鋭角の傾斜面15が形成されて先端部が楔状をした刃先15となっている。この刃先15は角度が約60°であり、その幅長は被加工部材の切断部(例えば図5の結合部32)の幅長と同じあるいは僅かに長くなっている。第1垂直面15は、後述する可動パンチ19の第1垂直面19に当接するようにパンチホルダ14に位置決め固定されている。この加圧パンチ15は、ストリッパ17の底プレート18の遊嵌孔18aに挿通されて、ストリッパ17に設けた貫通孔17a内で第1垂直面15が可動パンチ19の第1垂直面19に摺動自在に接触される。
可動パンチ19は、図2に示すように、上方に取付け部19及び下方に刃先部19を有する所定肉厚の板状体からなり、鋼材で形成されている。すなわち、この可動パンチ19は、内側に位置する平坦面、詳しくは第1垂直面19と、第1垂直面19に対向する外側の第2垂直面19とを有し、刃先部19は、第1垂直面19の下方先端から第2垂直面19に向けて鋭角の傾斜面19を有する楔状をなし、先端部が刃先19となっている。この可動パンチ19は、先端部の刃先19がストリッパ17の下端面から所定長さHだけ下方へ突出させてストリッパ17の底プレート18に固定されている。
この可動パンチ19は、その刃先19の突出した長さHが被加工部材の薄板を半抜きする長さに設定され、また、刃先19の幅長は被加工部材の切断部(例えば図5の結合部32)の幅長と略同じ長さなっている。また、この可動パンチ19の第1垂直面19は、加圧パンチ15の第1垂直面15に当接されている。
下型20は、下型ベースプレート21の上面にダイ22がダイホルダ23によって固定されている。ダイ22は、取付け部22と、この取付け部22の上端に設けた刃先部22とを有し、鋼材で形成されている。このダイ22は、縦断面が長方形状をなした板状体からなり、取付け部22がダイホルダ23に設けた取付け孔23aに装着されている。また、このダイ22は、内側に位置する第1垂直面22と、外側に位置する第2垂直面22とを有し、刃先部22は、第1垂直面22の上方先端から第2垂直面22に向けて鋭角に切断された傾斜面22を有する楔状をなし、その先端部が刃先22となっている。刃先22の幅長は被加工部材の切断部(例えば図5の結合部32)の幅長と略同じ長さになっている。
上下型11、20の組み立て時には、可動パンチ19の第1垂直面19が加圧パンチ15の第1垂直面15に摺動接触するように組み立てられる。このように可動パンチ19の第1垂直面19が加圧パンチ15の第1垂直面15に摺動接触することにより、薄板打抜き加工装置10使用時に可動パンチ19が降下して被加工部材に押し当てられることで可動パンチ19に高負荷がかかり、加圧パンチ15側へ押動されても、加圧パンチ15に接触して支持されているので、可動パンチ19が移動することがなく、正確に被加工部材を半抜きすることができる。また、可動パンチ19の刃先19の破損も防止できる。また、可動パンチ19とダイ22とは、可動パンチ19の第1垂直面19とダイ22の外面22とが同一直線上に位置するように組み立てられる。この組み立てにより、被加工部材がダイ22により位置決めされて可動パンチ19で半抜きされた後に、加圧パンチ15により打抜きがなされるので、加圧パンチ15による打抜きが正確に行えるようになる。この薄板打抜き加工装置10の使用方法は、以下の工程で説明する。
この薄板打抜き加工装置10は、被加工部材としての薄板を順送りして加工する方式、いわゆる順送り方式を採用した生産ラインに設置されて使用される。
以下、図1〜図8を参照して、加工部品の一例として電池の内蔵部品の1つであるセンターピンを製造する工程における薄板打抜き加工装置10の使用方法を説明する。なお、図3は図1の薄板打抜き加工装置が使用される加工工程を示すフローチャート、図4は電池にセンターピンを挿入する状態を示す概略斜視図、図5はフープ材の加工工程を示す図、図6〜図8は加工工程における薄板の加工状況を説明する説明図である。
このセンターピンPは、電池Cの正極板と負極板とがセパレータを介して巻き軸を用いて巻回された電極体Sの巻き軸を取り去った跡に配置されるものである。
センターピンPの加工工程は、図3に示すように、被加工部材となる薄板、詳しくはフープ材から所定の部品を形成する展開枠を打抜く展開枠打抜き工程I、フープ材(hoop material)30のキャリア部30、30と展開枠31との結合部32に切欠き溝を形成する溝形成工程II、展開枠31を所定形状に湾曲加工する製品加工工程III、及び結合部32をせん断する打抜き工程IVを有している。この工程において、薄板打抜き加工装置10は打抜き工程IVで使用される。
以下、図5を参照してこの加工工程の詳細を説明する。先ず、展開枠の打抜き工程Iにおいて、不図示のプレス装置を使用して所定の幅長及び板厚(例えば0.15mm)を有するフープ材30からセンターピンPを形成する展開枠31が打抜かれる。この打抜きによって、フープ材30は、打抜き部30cと、上下のキャリア部30、30と、展開枠31とを有し、各キャリア部30、30展開枠31とは結合部32で結合されたものとなる(図5(a)参照)。なお、図5では展開枠31がセンターピンPを形成する部分となっている。

次の溝形成工程IIでは、各結合部32、32の所定位置に切欠き溝32、32が形成される。なお、各切欠き溝32、32は、同じ構造を有しているので、以下では一方の切欠き溝32についてのみ説明する。また、この切欠き溝32は、図5(c)では結合部32の裏面(さらに詳しくは結合部32と展開枠31との連結部分)に形成される。
図5(c)は、図5(b)の結合部の裏面を示し、図5(d)は図5(b)のA−A線の断面を示した断面図である。結合部32には、不図示のカッタ機構を使用して底部の角度が60〜120°となる逆三角形状の切欠き溝32が形成される。この角度は、加圧パンチ15及び可動パンチ19の刃先角度との関係で設定されるものであり、加圧パンチ15及び可動パンチ19のそれぞれの刃先角度を60°としたときは120°が好ましい。この角度に設定すると、それぞれのパンチ15、19の打ち込み時に、各パンチ15、19の刃先が容易に切欠き溝32の底部に突き当たり、しかも、刃先15及び19によって結合部32を押し退けるようにして凹部を形成する量、いわゆる押し退け量が軽減される。その結果、刃先15及び19の寿命及び耐久性の向上を図ることができる。また、この切欠き溝32の深さはフープ材30の機械的強度が低下しない程度の深さとすると好ましい。そして、切欠き溝32は結合部32の一面にのみ形成するので、結合部32の機械的強度が低下し、従来技術のように加工の途中でキャリア部30、30から外れることがない。
製品加工工程IIIでは、不図示の加工装置によって、展開枠31が湾曲されてセンターピン形状に加工される(図5(b)参照)。
そして、打抜き工程IVでは、薄板打抜き加工装置10により結合部32が打抜きせん断される。詳しくは、先ず、展開枠31が打ち抜かれたフープ材30のキャリア部30、30が下型20の上に位置決め固定される。この位置決め固定は、図6(a)に示すように、下型20のダイ22の刃先22が切欠き溝32の底部の真下に位置する個所に位置決め固定される。次いで、この位置決め固定後に、上型11が不図示の駆動機構によって作動されて降下する。この上型11の降下により、可動パンチ19の刃先19が切欠き溝32の底部へ突き刺さり、この可動パンチ19による結合部32の押圧力によってダイ22の刃先22も結合部32に突き刺さり、半抜きがなされる(図6(b)及び図6(c)参照)。このとき、ダイ22及び可動パンチ19の各刃先19、22が板厚の略2/3まで突き刺さる。この半抜きにより、展開枠31は上下の隅部に所定角度のダレが形成される(図8参照)。
結合部32に予め切欠き溝32を形成し、この箇所を半抜きすることにより、可動パンチ19に加わる負荷が軽減される。すなわち、切欠き溝32に可動パンチ19の刃先19が打ち込まれると、可動パンチ19の傾斜面19が切欠き溝32の側面に突き当たり、この側面を圧縮するが、この圧縮量が予め切欠き溝32を形成しておくことにより図6(c)の斜線に示すように少なくなる。なお、切欠き溝32を設けないと、図6(d)の斜線に示すように圧縮量が大きくなる。この斜線部の面積は、可動パンチ19の食い付き抵抗部となる。したがって、この食い付き抵抗が少なくなれば可動パンチ19による半抜きが容易になり、その耐久性が向上することになる。この半抜きがスムーズになることにより、バリの発生を抑制する効果が発揮される。また、加圧パンチ19への負荷も少なくなる。
次いで、不図示の駆動機構が作動されて加圧パンチ15が下降する。この加圧パンチ15は、可動パンチ19の第1垂直面19を摺動しながら降下して、刃先15が展開枠31の上方のダレ部に当接される。この当接された状態から、加圧パンチ15が更に降下されると、可動パンチ19及びダイ22によって半抜きされた箇所がせん断される。したがってこのせん断された断面にはバリがない状態となる。
このような構成の薄板打抜き加工装置10によると、外部及び内面側にもバリがないセンターピンPを作成することができる。したがって、このセンターピンPを電池の組み立て時に電極体Sへ挿入しても、電極体Sに引っ掛かってこの電極体Sが損傷する恐れもなくなる。勿論、この装置を使用することにより、従来技術で行われている2次加工、例えばバレル処理などは不要になる。さらには、本発明の薄板打抜き加工装置10を順送り方式の生産ラインに設置して使用することにより、マルチフォーミング方式を採用した加工装置に比べて安値な装置で生産性を向上させることが可能になる。
また、本発明の製造方法および装置は、円筒缶のような円形切り口のバリ抑制にも応用が可能である。すなわち、円筒缶を深絞り加工にて加工する際、円筒缶の円形状開口部において耳部ができるが、耳部と円筒缶本体の間を上記と同様の加工方法にて、耳部を切り取ることが可能である。このとき、耳部と円筒缶の間に切欠き溝をつけて切断することが好ましい。そして、加圧パンチ15、可動パンチ19、ダイ22等を、加工する円筒缶の円形の打抜き加工部分の形状にあわせた形状とした打抜き加工装置を用いる。
図1は本発明の実施形態に係る薄板打抜き加工装置の一部縦断面図である。 図2は図1のX部分の拡大断面図である。 図3は図1の薄板打抜き加工装置が使用される加工工程のフローチャートである。 図4は電池にセンターピンを挿入する状態を示す概略斜視図である。 図5はフープ材の加工工程を示す図である。 図6は打抜き工程における被加工部材の加工状態を説明する説明図である。 図7は図6の後の打抜き工程における被加工部材の加工状態を説明する説明図である。 図8は被加工部材の加工状態を説明する説明図である。 図9は従来技術の薄板打抜き装置の概略断面図である。 図10は他の従来技術の電池の電極板裁断加工用金型の加工プロセスを説明する断面図である。
符号の説明
10 薄板打抜き加工装置
11 上型
12 上型ベースプレート
15 加圧パンチ
17 ストリッパ
18 (ストリッパ)底プレート
19 可動パンチ
20 下型
21 下型プレート
22 ダイ
23 ダイホルダ

Claims (5)

  1. 以下の(a)〜(c)に示す工程を有することを特徴とする薄板打抜き加工方法。
    (a)ダイ22に被加工部材である薄板を位置決め固定する工程、
    (b)互いに摺動可能に当接された可動パンチと加圧パンチであって、前記可動パンチは前記加圧パンチ側の面の端縁から鋭角に尖った刃先部を備え、前記加圧パンチは前記可動パンチ側の面の端縁から鋭角に尖った刃先部を備たものを用い、前記薄板を介して前記ダイと対向する面に前記可動パンチの前記鋭角に尖った刃先部を打ち込んで前記ダイとの間で前記薄板を半抜きする工程、
    (c)前記半抜きされた薄板に前記可動パンチの前記鋭角に尖った刃先部を当接させた状態で前記可動パンチの一側面側から前記加圧パンチの前記鋭角に尖った刃先部を前記薄板の半抜き箇所に押し当てて打抜く工程。
  2. 前記(b)の工程前に前記薄板の前記可動パンチが打ち込まれる面に切欠き溝を形成し、前記(b)の工程において前記切欠き溝を設けた箇所に前記可動パンチを打ち込んで半抜きすることを特徴とする請求項1に記載の薄板打抜き加工方法。
  3. 前記切欠き溝はV字状に形成され、その底部の角度が60°〜120°の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の薄板打抜き加工方法。
  4. ダイが設けられた第1型と、前記ダイと協働して薄板を打抜く加圧パンチ及びストリッパが設けられた第2型とを有し、前記第1、第2型の少なくとも一方が駆動機構に連結されて前記ダイと前記加圧パンチとの間で被加工部材である前記薄板を打抜く薄板打抜き加工装置において、
    前記第2型には前記ストリッパに前記薄板を半抜きする可動パンチが設けられ、前記可動パンチは前記加圧パンチ側の面の端縁から鋭角に尖った刃先部を備え、前記加圧パンチは前記可動パンチ側の面の端縁から鋭角に尖った刃先部を備え、前記可動パンチと前記加圧パンチとは互いに対向する面が摺動可能に当接されており、前記駆動機構により前記可動パンチを作動させて前記可動パンチの前記鋭角に尖った刃先部と前記ダイとで前記薄板を半抜きした後に、前記加圧パンチを前記駆動機構で作動させて前記加圧パンチの前記鋭角に尖った刃先部を前記薄板の半抜き個所に押し当てて前記半抜き箇所を打抜くことを特徴とする薄板打抜き加工装置。
  5. 前記可動パンチの前記加圧パンチ側の面と前記ダイの外面とが同一直線上に位置されていることを特徴とする請求項4に記載の薄板打抜き加工装置。
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