JP5168113B2 - トナー及び該トナーを用いた現像剤、該トナー又は現像剤用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
なお、本出願人は先に、画像形成装置に用いるトナーの結着樹脂として、炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコールを2価のアルコール成分中に70モル%以上含有するアルコール成分と、マレイン酸変性ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなるポリエステル樹脂を用いることを提案した(特許文献7)。これにより、低温定着性、耐オフセット性、臭気発生の低減、保存性が向上する。しかし、超高速システムにおいては、前記特性と、現像ローラー等への汚染の両立が十分ではなく課題を残していた。
即ち、本発明は、超高速システムにも対応可能なレベルで低温定着性と、耐オフセット性(耐ホットオフセット性、耐コールドオフセット性)及び耐熱保存性を両立するとともに、臭気の発生も低減でき、さらに、超高速システムにおいて現像ローラー等への防汚染性に優れ、かつ生産性に優れたトナー及び該トナーを用いた現像剤とこれらを用いた画像形成方法並びにプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
<SP値の測定>
溶融した状態の各試料2.1gを所定のリングに流し込んだ後、室温まで冷却後、JIS B7410に基づき、下記の条件で測定を行う。
測定機:環球式自動軟化点試験器(ASP−MGK2、株式会社メイテック製)
昇温速度:5℃/min
昇温開始温度:40℃
測定溶剤:グリセリン
本発明の画像形成方法によれば、上記トナーあるいは現像剤を用いて現像するため、超高速画像形成システムにおいても品質の高い安定した画像が形成される。
本発明のプロセスカートリッジによれば、上記トナーあるいは現像剤を装填した現像手段からトナーが供給されるため、超高速画像形成システムにおいてもオフセット現象など異常画像の発生がなく安定した画像を出力することができる。また、交換を短時間に行うことができるなど取扱性にも優れている。
具体的には、一般式(1)中に示すR1及びR2は、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアルキレン基を表す。また、R3及びR4は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基などのアルキル基を表す。x及びyは特に好ましくは2〜6である。
なお、前記その誘導体とは、無水マレイン酸、マレイン酸エステル等のマレイン酸誘導体を指す。
即ち、トナーの結着樹脂として、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を併用することによって、各々の樹脂による効果が相乗的に作用し、本発明の効果が最適に発揮される。以下、本発明を更に詳細に説明する。
ポリエステル樹脂(A)は、アルコール成分とカルボン酸成分とを好ましくはエステル化触媒の存在下で縮重合させて得られる。ここで、アルコール成分としては、主要組成分である2価のアルコール成分(2価のアルコール化合物)のほか、3価以上のアルコール成分(3価以上のアルコール化合物)が含まれていてもよい。そして、2価のアルコール成分中、炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコールを70モル%以上含むことが好適である。
また、カルボン酸成分としては、共役ジエンを有するロジンとマレイン酸もしくはその誘導体との反応生成物であるマレイン酸変性ロジンを含み、他の2価または3価以上のカルボン酸化合物を含有していてもよい。
また、2価の脂肪族アルコールを使用したポリエステルは、柔軟な骨格のため、ガラス転移温度が低く、保存性に関しては十分な効果が得られなかったが、本発明のマレイン酸変性ロジン、つまり芳香族骨格を有する特定の変性ロジンとの併用により、縮重合反応の反応性が高まってガラス転移温度を高くできるため、ロジンを使用しているにも関わらず、保存性を改良することができた。更に、従来の2価の脂肪族アルコールを用いて得られるポリエステル樹脂は、定着性に優れているものの、水分を吸収しやすく、トナーとした場合に環境によりトナーの帯電特性が影響を受けて画像濃度が変動し、環境安定性に劣る欠点を有しているが、本発明では、2価の脂肪族アルコールとマレイン酸変性ロジンとを組み合わせることにより、トナーの定着性を確保した上で、環境安定性を改良することが可能となった。
ポリエステル樹脂(A)におけるアルコール成分としては、前述のように、主要組成分である2価のアルコール成分(2価のアルコール化合物)と、必要に応じて3価以上のアルコール成分(3価以上のアルコール化合物)を用いることができる。
前記炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコールとしては、限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオールが好ましく、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールが特に好ましい。
上記炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコール含有量は、定着性及び環境安定性の観点から、2価のアルコール成分中、70モル%以上であり、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、実質的に100モル%が更に好ましい。
前記アルコール成分中、炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコール成分の含有量は、50〜100モル%が好ましく、60〜100モル%がより好ましく、70〜100モル%が更に好ましく、80〜100モル%が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A)におけるカルボン酸成分として、共役ジエンを有するロジンとマレイン酸もしくはその誘導体との反応生成物であるマレイン酸変性ロジンと、必要に応じて3価以上の他のカルボン酸成分を用いることができる。
前記マレイン酸変性ロジンは、例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸、及びレポピマール酸を主成分とするロジンに、マレイン酸又は無水マレイン酸を付加反応させて得られる。具体的には、ロジンの主成分の中で共役二重結合を有するレポピマール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸と、マレイン酸又はマレイン酸誘導体(無水マレイン酸やマレイン酸エステル等)とを加熱下でディールス−アルダー(Diels−Alder)反応させて得ることができる。
ここで、前記マレイン変性度は、下記数式(I)により算出することができる。
<SP値の測定>
溶融した状態の各試料2.1gを所定のリングに流し込んだ後、室温まで冷却後、JIS B7410に基づき、下記の条件で測定を行う。
測定機:環球式自動軟化点試験器(ASP−MGK2、株式会社メイテック製)
昇温速度:5℃/min
昇温開始温度:40℃
測定溶剤:グリセリン
本明細書では、上記のような酸、これらの酸の無水物、又は酸のアルキルエステルを、総称してカルボン酸化合物(カルボン酸成分)と呼ぶ。
前記ポリエステル樹脂(A)のアルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、エステル化触媒の存在下で行うことが好ましい。
前記エステル化触媒の例としては、p−トルエンスルホン酸等のルイス酸類、チタン化合物、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は両者を併用して用いられる。本発明においては、チタン化合物及び/又はSn−C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。
前記チタン化合物としては、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
他の好ましいチタン化合物の具体例としては、テトラ−n−ブチルチタネート〔Ti(C4H9O)4〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(C3H7O)4〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C18H37O)4〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C14H29O)4〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C8H17O)4〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C8H17O)2(OHC8H16O)2〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C14H29O)2(C8H17O)2〕等が挙げられる。これらの中ではテトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましい。これらは、例えば、ハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることができ、又は、ニッソー社等の市販品としても入手できる。
チタン化合物と錫(II)化合物を併用する場合、チタン化合物と錫(II)化合物の総存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01質量部〜1.0質量部が好ましく、0.1質量部〜0.7質量部がより好ましい。
前記アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、前記エステル化触媒の存在下、不活性ガス雰囲気中にて、180℃〜250℃の温度で行うことができる。
本発明に用いられるトナーの結着樹脂は、上述したポリエステル樹脂(A)に加え、更にポリエステル樹脂(B)を併用することで初めて、各々の樹脂による効果が相乗的に作用し、本発明の効果が最適に発揮される。ここで、ポリエステル樹脂(B)は、前述の一般式(1)で表されるビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分と、カルボン酸成分との縮重合により得られる。
前記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール類などが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂(B)のアルコール成分としては、本発明の目的及び作用効果が損なわれない範囲で、上記一般式(1)の化合物以外に、必要により他の2価又は3価以上のアルコール成分が含有されていてもよいが、一般式(1)の化合物の含有量は、2価のアルコール成分中80モル%以上が好ましい。
前記ポリエステル樹脂(B)のカルボン酸成分としては、特に制限はなく、ポリエステル樹脂(A)に使用されるような前述したカルボン酸化合物を目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリエステル樹脂(B)のアルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、ポリエステル樹脂(A)に使用されるような前述したエステル化触媒の存在下で行うことが好ましい。
これに対して、結着樹脂として、1分子中に脂肪族多価アルコール骨格とビスフェノール骨格の両方を備えた樹脂を用いるだけでは、前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)とを含有する結着樹脂を用いることによる本発明の作用効果を得ることはできない。
前記ポリエステル樹脂(A)、前記ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度は、定着性、耐熱保存性及び耐久性の観点から、45℃〜75℃が好ましく、50℃〜70℃がより好ましい。
前記ポリエステル樹脂(B)の軟化点は、定着性、保存性、及び耐久性の観点から、90〜160℃が好ましく、95〜155℃がより好ましく、100〜150℃が更に好ましい。
(着色剤)
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましい。このような帯電制御剤としては、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化されたチタニア微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子が好適に挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
本発明のトナーの製造方法としては、従来公知の混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等を用いることができるが、生産性の観点から、本発明の効果を発揮するのは混練・粉砕法であることが好ましい。
前記分級の工程では、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中にて分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
〈測定機〉:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
〈アパチャー径〉:100μm
〈解析ソフト〉:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
〈電解液〉:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
〈分散液〉:エマルゲン109P(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
〈分散条件〉:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させる。
〈測定条件〉:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から質量平均粒径を求める。
本発明の現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。
前記現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年のPODに対応可能な超高速プリントシステム等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、試料として1gの各ポリエステル系結着樹脂を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーに より1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて、試料として0.01〜0.02gの各ポリエステル系結着樹脂をアルミニウムパンに 計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
(1)試料の調製
ロジン10gを、170℃にて2時間ホットプレートで溶融した。その後、開封状態で温度25℃、相対湿度50%の環境下で1時間自然冷却させ、コーヒーミル(National MK−61M)で10秒間粉砕し、試料を調製した。
(2)測定
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
JIS K0070の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
JIS K0070の方法に基づき測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量分布を測定した。まず、各ポリエステル系結着樹脂30mgにテトラヒドロフラン10mLを 加え、ボールミルで1時間混合後、ポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター「FP−200」(住友電気工業株式会社製)で濾過して不溶解成分を除き、試料 溶液を調製した。
次に、溶離液としてテトラヒドロフランを毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させ、試料溶液100μLを注入して測定を行った。な お、分析カラムには「GMHLX+G3000HXL」(東ソー株式会社製)を使用し、分子量の検量線は数種類の単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製の 2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス社製の2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成した。
次に、分子量が500以下の低分子量成分の含有量(%)は、RI(屈折率)検出器により得られたチャート面積における該当領域の面積の割合として算出した。
溶融した状態の各試料2.1gを所定のリングに流し込んだ後、室温まで冷却後、JIS B7410に基づき、下記の条件で測定を行った。
・測定機:環球式自動軟化点試験器(ASP−MGK2、株式会社メイテック製)
・昇温速度:5℃/min
・昇温開始温度:40℃
・測定溶剤:グリセリン
前記ロジンのマレイン酸変性度は、下記数式(I)により算出した。
<SP値の測定>
溶融した状態の各試料2.1gを所定のリングに流し込んだ後、室温まで冷却後、JIS B7410に基づき、下記の条件で測定を行う。
測定機:環球式自動軟化点試験器(ASP−MGK2、株式会社メイテック製)
昇温速度:5℃/min
昇温開始温度:40℃
測定溶剤:グリセリン
飽和SP値とは、マレイン酸もしくはその誘導体とロジンの反応を、得られるマレイン酸変性ロジンのSP値が飽和値に達するまで反応させたときのSP値を意味 する。なお、ロジン1モルの分子量は、酸価をx(mgKOH/g)とすると、ロジン1gに対して水酸化カリウム(分子量:56.1)がxmg(x×10-3g)反応していることになるから、次式、分子量=(56100÷x)で算出することができる。
すなわち、少なくとも感光体と、感光体の表面を帯電する帯電手段、帯電された感光体表面に露光を行い静電潜像を形成する露光手段、形成された静電潜像にトナー又は該トナーとキャリアを含む現像剤を使用して現像する現像手段、現像されたトナー像を記録媒体に転写させる転写手段、転写後に感光体表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段から選択される一つの手段と、が一体化した画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジに使用されるトナー又は現像剤として搭載(装填)することができる。
(合成例1)
〈ロジンの精製〉
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した2,000mL容の蒸留フラスコに1,000gのトールロジンを加え、1kPaの減圧下で蒸留を行い、195℃〜250℃での留出分を主留分として採取した。以下、精製に供したトールロジンを未精製ロジン、主留分として採取したロジンを精製ロジンとする。
各ロジン20gをコーヒーミル(National MK−61M)で5秒間粉砕し、目開き1mmの篩いを通したものをヘッドスペース用バイアル(20mL)に0.5g測りとった。ヘッドスペースガスをサンプリングして、未精製ロジン及び精製ロジン中の不純物を、以下のようにして、ヘッドスペースGC−MS法により分析した。結果を表1に示す。
〔A〕:ヘッドスペースサンプラー(Agilent社製、HP7694)
・サンプル温度:200℃
・ループ温度:200℃
・トランスファーライン温度:200℃
・サンプル加熱平衡時間:30min
・バイヤル加圧ガス:ヘリウム(He)
・バイヤル加圧時間:0.3min
・ループ充填時間:0.03min
・ループ平衡時間:0.3min
・注入時間:1min
・分析カラム:DB−1(60m−320μm−5μm)
・キャリア:ヘリウム(He)
・流量条件:1mL/min
・注入口温度:210℃
・カラムヘッド圧:34.2kPa
・注入モード:split
・スプリット比:10:1
・オーブン温度条件:45℃(3min)−10℃/min−280℃(15min)
・イオン化法:EI(電子衝撃)法
・インターフェイス温度:280℃
・イオン源温度:230℃
・四重極温度:150℃
・検出モード:Scan 29〜350m/s
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した1,000mL容のフラスコ内に、未精製ロジン(SP値:77.0℃)332g(1モル)、及び無水マレイン酸98g(1モル)を加え、160℃から230℃に8時間かけて昇温し、230℃にてSP値が上がらなくなったことを確認した後に、5.3kPaの減圧下で未反応の無水マレイン酸及び低沸点物の留去を行い、マレイン酸変性ロジンを得た。得られたマレイン酸変性ロジンのSP値、即ち未精製ロジンを使用したマレイン酸変性ロジンの飽和SP値は116℃であった。
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した1,000mL容のフラスコ内に、精製ロジン(SP値:76.8℃)338g(1モル)、及び無水マレイン酸98g(1モル)を加え、160℃から230℃に8時間かけて昇温し、230℃にてSP値が上がらなくなったことを確認した後に、5.3kPaの減圧下で未反応の無水マレイン酸及び低沸点物の留去を行い、マレイン酸変性ロジンを得た。得られたマレイン酸変性ロジンのSP値、即ち精製ロジンを使用したマレイン酸変性ロジンの飽和SP値は116℃であった。
〈マレイン酸変性ロジンAの合成〉
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した10L容のフラスコ内に、精製ロジン(SP値:76.8℃)6,084g(18モル)、及び無水マレイン酸1234.8g(12.6モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、更に5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、マレイン酸変性ロジンAを得た。得られたマレイン酸変性ロジンAのSP値は116℃、マレイン変性度は100であった。
〈マレイン酸変性ロジンBの合成〉
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した10L容のフラスコ内に、精製ロジン(SP値:76.8℃)6,084g(18モル)、及び無水マレイン酸882g(9モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、更に5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、マレイン酸変性ロジンBを得た。得られたマレイン酸変性ロジンBのSP値は106.2℃、マレイン変性度は75であった。
〈マレイン酸変性ロジンCの合成〉
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した10L容のフラスコ内に、精製ロジン(SP値:76.8℃)6,084g(18モル)、及び無水マレイン酸529g(5.4モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、更に5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、マレイン酸変性ロジンCを得た。得られたマレイン酸変性ロジンCのSP値は96.4℃、マレイン変性度は50であった。
〈マレイン酸変性ロジンDの合成〉
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した10L容のフラスコ内に、精製ロジン(SP値:76.8℃)6,084g(18モル)、及び無水マレイン酸352.8g(3.6モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、更に5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、マレイン酸変性ロジンDを得た。得られたマレイン酸変性ロジンDのSP値は88.6℃、マレイン変性度は30であった。
〈マレイン酸変性ロジンEの合成〉
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した10L容のフラスコ内に、未精製ロジン(SP値:77.0℃)5,976g(18モル)、及び無水マレイン酸352.8g(3.6モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、250℃にて2時間反応させた後、更に5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、マレイン酸変性ロジンEを得た。得られたマレイン酸変性ロジンEのSP値は88.7℃、マレイン変性度は30であった。
〈マレイン酸変性ロジンFの合成〉
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した10L容のフラスコ内に、未精製ロジン(SP値:77.0℃)5,976g(18モル)、及び無水マレイン酸352.8g(3.6モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、250℃にて2時間反応させた後、更に5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、マレイン酸変性ロジンFを得た。得られたマレイン酸変性ロジンFのSP値は83.8℃、マレイン変性度は17であった。
〈ポリエステル系結着樹脂A1〜A4の合成〉
表2に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で10時間縮重合反応させた後、230℃、8kPaにて1時間反応を行った。220℃まで冷却した後、下記表2に示す無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧(101.3kPa)で反応させた後に、220℃、20kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステル系結着樹脂A1〜A4を合成した。
なお、ポリエステル系結着樹脂A1〜A4において、炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコールの含有量は、2価のアルコール成分中100モル%であり、アルコール成分中100モル%であった。
〈ポリエステル系結着樹脂A5〜A6の合成〉
表2に示すアルコール成分、マレイン酸変性ロジンを含むカルボン酸成分、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で10時間縮重合反応させた後、230℃、8kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステル系結着樹脂A5〜A6を合成した。
なお、ポリエステル系結着樹脂A5において、炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコールの含有量は、2価のアルコール成分中74モル%であった。ポリエステル系結着樹脂A6において、炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコールの含有量は、2価のアルコール成分中69モル%であった。
〈ポリエステル樹脂B1〜B7の合成〉
下記表3に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で10時間縮重合反応させた後、230℃、8kPaにて1時間反応を行った。220℃まで冷却した後、下記表3に示す無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧(101.3kPa)で反応させた後に、220℃、20kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行ってポリエステル樹脂B1〜B7を得た。各樹脂の軟化点、ガラス転移温度、及び酸価については、結果を下記表3に示した。
〈トナーの作製〉
下記表4に示す結着樹脂、離型剤、及び着色剤の種類及び処方量の組合せを、へンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM10B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で100℃〜130℃の温度で溶融、混練した。
得られた混練物は室温まで冷却後、ハンマーミルにて200μm〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、質量平均粒径が8.2±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で、質量平均粒径が9.0±0.2μm、4μm以下の微粉量が10個数%以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子を得た。次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0質量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、トナー1〜16をそれぞれ製造した。
下記組成のコート材を10分間スターラーで分散してコート液を調製し、このコート液と、芯材(Cu−Znフェライト粒子、質量平均径=80μm)5,000質量部を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で280℃、2時間焼成して、キャリアを作製した。
〔コート材組成〕
・トルエン:450質量部
・シリコーン樹脂(SR2400、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、不揮発分50質量%):450質量部
・アミノシラン(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製):10質量部
・カーボンブラック:10質量部
作製したトナー1〜16を各5質量%と、上記作製したキャリア95質量%を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し帯電させ、二成分現像剤1〜18を作製した。
次に、実施例及び比較例のトナー1〜16について、以下のようにして粉砕性、防汚染性、定着画像の表面摩擦係数、耐コールドオフセット性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存性を評価した。結果を下記表6に示す。
なお、防汚染性、耐コールドオフセット性、耐ホットオフセット性に関しては、各実施例及び各比較例の現像剤1〜20を画像形成装置に装填して評価を行った。
ここで、画像形成装置としては、二成分現像方式、直接転写方式、加熱ローラ定着方式を採用した超高速デジタルレーザープリンターIPSiO SP9500Pro改造機(株式会社リコー製、印刷速度156枚/分(A4サイズ横))を使用した。
実施例及び比較例において、トナーの製造時に得られる原材料の溶融混練物を、ハンマーミルにて粒径200μm〜300μmに粗粉砕したものを10.00g精秤し、ミル&ミキサー MM−I型(株式会社日立リビングサプライ製)にて30秒間粉砕後、30メッシュ(目開き:500μm)の篩いにかけ、通過しない樹脂の質量(A)gを精秤し、下記数式(II)により、残存率を求めた。この操作を3回行い、平均した残存率の平均値を粉砕性の指標とし、下記の評価基準に従って粉砕性を評価した。残存率の平均値が小さいほど粉砕性に優れる。
〔数式(II)〕
残存率(%)=[(A)/粉砕前のトナー質量(10.00g)]×100
〔評価基準〕
◎:残存率が3%未満
○:残存率が3%以上8%未満
△:残存率が8%以上15%未満(従来のトナー並)
×:残存率が15%以上20%未満
××:残存率が20%以上
耐熱保存性は、針入度試験器(日科エンジニアリング株式会社製)を用いて測定した。具体的には、各トナーを10g計量し、温度20〜25℃、40〜60%RHの環境下で30mlのガラス容器(スクリューバイアル)に入れ、蓋を閉めた。トナーを入れたガラス容器を200回タッピングした後、温度を50℃にセットした恒温槽に48時間放置した後、針入度試験器で針入度を測定し、下記の評価基準により耐熱保存性を評価した。針入度の値が大きいほど、耐熱保存性に優れる。
〔評価基準〕
◎:針入度が30mm以上
○:針入度が20mm〜29mm
△:針入度が15mm〜19mm(従来のトナー並)
×:針入度が8mm〜14mm
××:針入度が7mm以下
各現像剤を超高速デジタルレーザープリンターIPSiO SP9500Proに装填し、厚紙の転写紙(株式会社NBSリコー製、複写印刷用紙<135>)に、トナー付着量0.20±0.1mg/cm2の1cm角ベタ画像を作成し、スコッチ メンディングテープ 810(幅24mm、3M社製)をベタ画像上に添付し、テープ上から重さ1kgの金属ローラ(φ50、SUS製)を10mm/sの速度で転がしながら10往復させた。テープを10mm/sの速度で一定方向に剥がし、テープ剥離前後での画像濃度から下記数式(III)を用いて画像残像率を求め、下記の評価基準により耐コールドオフセット性を評価した。
〔数式(III)〕
画像残存率(%)=(剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度)×100
〔評価基準〕
◎:画像残存率が97%以上
○:画像残存率が92%以上97%未満
△:画像残存率が85%以上92%未満
×:画像残存率が80%以上85%未満(従来のトナー並)
××:画像残存率が80%未満
各現像剤を超高速デジタルレーザープリンターIPSiO SP9500Proに装填し、薄紙の転写紙(株式会社NBSリコー製、複写印刷用紙<55>)に、トナー付着量0.40±0.1mg/cm2の1cm角ベタ画像を作成し、定着ローラ温度を変化させて定着を行い、ホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生しない上限温度を定着上限温度とし、下記基準で耐ホットオフセット性を評価した。
〔評価基準〕
◎:定着上限温度が240℃以上
○:定着上限温度が220℃以上240℃未満
△:定着上限温度が180℃以上220℃未満(従来のトナー並)
×:定着上限温度が180℃未満
各現像剤を超高速デジタルレーザープリンターIPSiO SP9500Pro改造機に装填し、5%画像面積のチャートでの10万枚印刷後に、現像ローラー上の現像剤、トナーを除去し、白紙通紙部の現像ローラーの汚れを目視評価し、現像ローラー防汚染性を評価した。
〔評価基準〕
◎:全く現像ローラーが汚れない
○:目視では殆ど判別できない程の汚れが発生
△:僅かに気になる程度の汚れが発生(従来のトナー並)
×:明らかに問題となり使用が難しい程の汚れが発生
各トナー20gをアルミニウムカップに測り取り、150℃に過熱したホットプレートの上に30分間静置し、トナーから発生する臭気を以下の評価基準に従って評価した。
〔評価基準〕
◎:臭気は全く感じられない
○:臭気はほとんど感じられない
△:臭気が若干感じられるが、実用上問題ない
×:臭気が強く感じられる
本発明のトナー及び現像剤は、超高速画像形成システムにも対応可能なレベルで低温定着性と、耐オフセット性と、耐熱保存性とを両立し、臭気の発生も低減でき、さらに現像ローラー等への防汚染性に特筆した効果を有し、かつ生産性に優れているので、例えば、電子写真方式のプリントオンデマンド(POD)分野に対応可能な超高速プリントシステムなどに好適に用いることができる。
11 感光体
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
16 転写装置
17 クリーニング装置
18 受像媒体
19 定着装置
Claims (16)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナーであって、前記結着樹脂が、主要組成分である2価のアルコール成分中に炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコールを70モル%以上含むアルコール成分と、共役ジエンを有するロジンとマレイン酸もしくはその誘導体との反応生成物であるマレイン酸変性ロジンを含むカルボン酸成分との縮重合により得られるポリエステル樹脂(A)と、下記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分と、カルボン酸成分との縮重合により得られるポリエステル樹脂(B)を含有することを特徴とするトナー。
[前記一般式(1)中、R1及びR2は、炭素数2〜4のアルキレン基を表す。R3及びR4は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、又は分岐状アルキル基を表す。x及びyは、0以上の整数であり、その和は1〜16である。] - 前記マレイン酸変性ロジンの下記数式(I)で示されるマレイン変性度が、30〜105であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
[前記数(I)中、X1は変性度を算出するマレイン酸変性ロジンのSP値、X2はマレイン酸もしくはその誘導体1モルと、共役ジエンを有するロジン1モルとを230℃で反応させて得られるマレイン酸変性ロジンの飽和SP値、Yは共役ジエンを有するロジンのSP値を表し、各SP値は下記により測定される。]
<SP値の測定>
溶融した状態の各試料2.1gを所定のリングに流し込んだ後、室温まで冷却後、JIS B7410に基づき、下記の条件で測定を行う。
測定機:環球式自動軟化点試験器(ASP−MGK2、株式会社メイテック製)
昇温速度:5℃/min
昇温開始温度:40℃
測定溶剤:グリセリン - 前記ポリエステル樹脂(A)におけるカルボン酸成分中、マレイン酸変性ロジンの含有量が、15〜85重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(A)におけるマレイン酸変性ロジンが、精製された共役ジエンを有するロジンをマレイン酸もしくはその誘導体で変性したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(A)におけるアルコール成分及び/又はカルボン酸成分が、3価以上のアルコール化合物及び/又は3価以上のカルボン酸化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(A)中に含まれる分子量500以下の低分子量成分の含有量が、12%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(A)が、チタン化合物及び/又はSn−C結合を有していない錫(II)化合物の存在下に、炭素数2〜6の2価の脂肪族アルコールを主要組成分である2価のアルコール成分中70モル%以上含むアルコール成分と、共役ジエンを有するロジンとマレイン酸もしくはその誘導体との縮重合により得られたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(B)が、前記一般式(1)で表されるビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物を2価のアルコール成分中80モル%以上含有するアルコール成分と、カルボン酸成分との縮重合により得られたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(B)の軟化点Tm(B)が、90℃以上160℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(A)の酸価が25〜70mgKOH/gであり、且つ、前記ポリエステル樹脂(B)の酸価が1〜25mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(A)と、前記ポリエステル樹脂(B)の重量比〔(B)/(A)〕が、1/9〜6/4であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のトナー。
- 少なくとも請求項1〜11のいずれかに記載のトナーと、磁性粒子からなるキャリアを含むことを特徴とする二成分系の現像剤。
- 少なくとも感光体表面を帯電手段により帯電させる工程と、該感光体表面に露光手段により静電潜像を形成する工程と、該静電潜像に現像手段によりトナーを用いてトナー像として現像する工程と、該現像されたトナー像を転写手段により記録媒体に転写する工程と、該転写されたトナー像を定着手段により定着する工程とを備えた画像形成方法であって、前記用いられるトナーが請求項1〜11のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも感光体表面を帯電手段により帯電させる工程と、該感光体表面に露光手段により静電潜像を形成する工程と、該静電潜像に現像手段によりトナーとキャリアを含む二成分系の現像剤を用いてトナー像として現像する工程と、該現像されたトナー像を転写手段により記録媒体に転写する工程と、該転写されたトナー像を定着手段により定着する工程とを備えた画像形成方法であって、前記用いられる現像剤が請求項12に記載の二成分系の現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも感光体と、感光体の表面を帯電する帯電手段、帯電された感光体表面に露光を行い静電潜像を形成する露光手段、形成された静電潜像にトナーを用いて現像する現像手段、現像されたトナー像を記録媒体に転写させる転写手段、転写後に感光体表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段から選択される一つの手段と、が一体化した画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、前記用いられるトナーが請求項1〜11のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 少なくとも感光体と、感光体の表面を帯電する帯電手段、帯電された感光体表面に露光を行い静電潜像を形成する露光手段、形成された静電潜像にトナーとキャリアを含む二成分系の現像剤を用いて現像する現像手段、現像されたトナー像を記録媒体に転写させる転写手段、転写後に感光体表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段から選択される一つの手段と、が一体化した画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、前記用いられる現像剤が請求項12に記載の二成分系の現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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