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JP5148909B2 - 口唇化粧料 - Google Patents

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JP5148909B2 JP2007090869A JP2007090869A JP5148909B2 JP 5148909 B2 JP5148909 B2 JP 5148909B2 JP 2007090869 A JP2007090869 A JP 2007090869A JP 2007090869 A JP2007090869 A JP 2007090869A JP 5148909 B2 JP5148909 B2 JP 5148909B2
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Description

本発明は、フィッシャートロプシュワックスとメチル多分岐型トリイソステアリン酸モノ(ジ)グリセリルとフェニルシリコーンとを配合する化粧膜のツヤ感及びツヤの持続性に優れ、唇のふっくらとした立体感が得られ、経時安定性が良好である口唇化粧料に関する。
従来、口唇化粧料は、固形油、半固形油、液体油、及び着色顔料、光輝性顔料、体質粉体の種類や配合量を変えることにより、官能や質感、色調、形状を保持し、経時安定性を向上させるための検討がなされてきた。最近の市場では、口唇化粧料に求められる品質の中でも特にツヤ感と唇のふっくらとした立体感があげられ、これらを向上させるために研究されてきている。
例えば、粉体を用いた技術では、ゴニオクロマティック着色剤と特定の反射粒子を含むことによって光学的に適用部位の容量を大きくする(例えば、唇をふっくらさせる等)ものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、フェニルシリコーンやポリブテンに代表される屈折率の高い油剤を用い、ツヤ感を付与する技術も多く検討されている。例えば、高粘度のフェニルシリコーンオイルと特有の分子量の不揮発性炭化水素オイルを含むことによって、光沢を得てさらにその光沢を保持する技術(例えば、特許文献2)や、ポリブテンとデキストリン脂肪酸エステル/12−ヒドロキシステアリン酸とを含有することにより、著しくツヤを向上させた技術がある(例えば、特許文献3)。
更に、エチレンプロピレンコポリマーと特定構造のイソステアリン酸とグリセリン/ジグリセリンと、煙霧状シリカとを配合することにより軽いのびとツヤ感の両面を向上させた技術がある。(例えば、特許文献4)
一方で、特に口唇化粧料によく使用されるスティック状の固形化粧料においては、形状を保持することは、最低限確保しなければならない品質であるが、硬くなりすぎても化粧料としては、品質を保証したものとは言えないものである。そこで、フィッシャートロプシュワックスとマイクロクリスタリンワックスの配合比を特定することによって保型性及び使用感を満足させた技術がある(例えば、特許文献5)。
口唇化粧料には、必須成分のほかに、要求される品質に合うように、それらの有効成分を配合するが、従来の技術では、有効成分の効果を十分に活かすことができない場合があった。例えば、ツヤ感を得るために高屈折率の油剤を配合する場合、フェニルシリコーンのような透明性は高いがさらさらとした油剤を、動きの激しい口唇に保持し、そのツヤ感を維持するのは困難であった。そこで、塗布膜を保持する成分が必要になるが、このような成分は高屈折率の油剤と混ぜると濁るものが多いため、結局有効成分の効果を十分に活かすことはできなかった。
また、従来の技術に挙げられた課題に加え、ここ最近、油性固形化粧料の使用感に対する要求品質が変化し、硬さを感じるツルツルとした軽い使用感よりも、ソフトな肌あたりで密着感を感じ、オイルの口唇化粧料のようなツヤ感や透明感、それに付随して得られる唇のふっくらとした立体感が好まれるようになってきた。
特開2004−131484号公報 特開2004−262919号公報 特開2002−3340号公報 特開2006−69933号公報 特開2002−348204号公報
しかしながら、従来のワックスと油剤の組み合わせにより成型された固形口唇化粧料では、ワックスの結晶性が高いため、室温時と高温時の硬度に大きな差があり、硬さを感じる固形口唇化粧料となっていた。また形状を保持させるために必要なワックスの配合量では、ワックスの結晶性が高い為に硬度は維持できる一方、透明感は下がってしまう。さらに、硬さを感じることを低減させるために、ワックスの配合量を極力少量配合とすることが考えられるが、この手法では、ソフトな肌あたりを得られる反面、連続使用により折れや、形状保持の不良、経時で発汗が発生するなどの経時安定性において満足のいく固形口唇化粧料を得ることができなかった。
したがって、化粧膜の十分なツヤ感、ツヤの持続性、唇のふっくらとした立体感に優れ、経時安定性が良好である口唇化粧料の開発が望まれていた。
かかる実情において、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、フィッシャートロプシュワックスと、特定のメチル多分岐型イソステアリン酸モノ(ジ)グリセリルとを組み合わせることにより、固形状にしても透明感のある組成物が得られ、フェニルシリコーンと組み合わせることにより、立体性を感じるツヤ感が得られ、それを保持することができる口唇化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(c);
(a)フィッシャートロプシュワックス
(b)下記化学式(1)に示すイソステアリン酸と、グリセリンおよび/またはジグリセリンとのエステル化合物
(c)フェニルシリコーン
を配合した口唇化粧料を提供するものである。
本発明の口唇化粧料は、化粧膜のツヤ感及びツヤの持続性に優れ、唇のふっくらとした立体感が得られ、経時安定性が良好なものである。
本発明において用いられる、成分(a)のフィッシャートロプシュワックスとは、フィッシャー・トロプシュ合成により得られた炭化水素ワックスで、分子量が300〜1000の範囲にあるものを好ましく用いることができる。また、その融点は、特に75〜110℃のものが経時安定性の観点より好ましい。このようなフィッシャートロプシュワックスの市販品としては、CIREBELLE108、CIREBELLE109(以上、CIREBELLE社製)、FNP−0090、FNP−0080(以上、日本精鑞社製)等が例示できる。
本発明の口唇化粧料において、成分(a)はその1種又は2以上を配合することができ、その配合量は特に限定されないが、0.1〜20質量%(以下、単に「%」と示す)が好ましく、特に、2〜15%がより好ましい。この範囲で配合すると、経時安定性が良好で、化粧膜のツヤ感、ツヤの持続性、唇のふっくらとした立体感に優れるものとなる。
本発明の口唇化粧料における成分(b)は下記化学式(1)に示すイソステアリン酸と、グリセリンおよび/またはジグリセリンとのエステル化合物である。下記化学式(1)に示すイソステアリン酸は側鎖を有するα−オレフィンを出発物質とするアルドール縮合反応で合成されるものが挙げられるが、(1)に示される構造を有するものであれば合成方法は限定されるものではない。
例えば、無触媒または触媒存在下、常圧溶剤還流もしくは減圧下において脱水反応をすることによりエステル化反応を行い、エステル化反応終了後、必要に応じて、反応混合物を脱色剤により脱色、脱臭精製するか、真空蒸留による精製を行うことによって得ることができる。
エステル化の度合いは特に限定されないが、トリエステルである、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリルが経時安定性の観点から特に好ましい。
市販品としては、前記化学式(1)に示すイソステアリン酸と、グリセリンのトリエステルであるサラコス3318、前記化学式(1)に示すイソステアリン酸と、ジグリセリンのトリエステルであるコスモール43N(以上、日清オイリオグループ社製)等があげられる。
本発明の口唇化粧料において、成分(b)はその1種又は2以上を配合することができ、その配合量は特に限定されないが、0.1〜50%が好ましく、特に1〜30%がより好ましい。この範囲で含有させると、ツヤ感に優れ、経時安定性も良好になる。
本発明に用いられる成分(c)のフェニルシリコーンは、ジメチルポリシロキサンのメチル基が一部、フェニル基に置換されたものをいう。分子量やフェニル基の数に特に限定されないが、屈折率が1.45を超えるものであることが好ましく、例えばINCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)でフェニルメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリフェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン等が挙げられる。市販品としては、KF−53、KF−54、KF−56(以上、信越化学工業社製)のほか、PH−1555、FZ−3156(以上、東レ・ダウコーニング社製)が挙げられる。これらの中でも、特に屈折率が1.5を超えるジフェニルジメチコンであるKF−54やトリメチルペンタフェニルトリシロキサンであるPH−1555、FZ−3156がより好ましい。これらを配合することにより、唇に高いツヤ感を付与することができる。
本発明の口唇化粧料において、成分(c)はその1種又は2以上を配合することができ、その配合量は特に限定されないが、0.1〜10%が好ましく、0.5〜5%がより好ましい。この範囲で含有すると、経時安定性が良好で、化粧膜のツヤ感、ツヤの持続性、唇のふっくらとした立体感に優れるものとなる。
本発明の口唇化粧料には、上記の成分(a)〜(c)以外で、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲において、モイスチャー効果を付与するための油性成分、感触調整や着色等を付与するための粉体、顔料分散性や化粧持ち効果を付与するための界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等の通常化粧料に配合される他の成分を配合することができる。
油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、リンゴ酸ジイソステアリル、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、デカイソステアリン酸ポリグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、ホホバ油、ロジン酸ペンタエリスリット等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
粉体成分としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、酸化ケイ素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればよく、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等を挙げることができる。
モイスチャー効果や感触を調整する目的としては、例えば水溶性高分子、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチンや水性成分等が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー等の合成系のものを挙げることができる。
水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばp−オキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明の口唇化粧料は、目的に応じて種々の剤形、形状、製品形態とすることができる。剤形としては、特に限定されないが、油性型、油中水非乳化型、油中水乳化型等とすることができ、固形状(スティック状、流し込み皿状)、クリーム状、ゲル状等の形状をとることができる。製品形態としては、口紅、リップグロス、リップクリームなどが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜4 スティック状口紅
表1に示す処方のスティック状口紅を製造し、得られた各スティック状口紅について、官能評価により、化粧膜のツヤ感及びツヤの持続性、唇のふっくらとした立体感を評価した。また、高温に口紅を保管し、経時安定性を評価した。その結果もあわせて表1に示す。
*1:CIREBELLE108(CIREBELLE社製)
*2:PERFORMALENE500(Baker Petrolite社製)
*3:サラコス3318(日清オイリオ社製)
*4:PRISORINE2041(ユニケマ社製)
*5:KF−54(信越化学社製)
*6:AEROSIL R976S(AEROSIL社製)
*7:パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩5%処理
*8:ジメチルポリシロキサン3%処理
(製造方法)
A.成分(1)〜(9)を110〜120℃にて加熱溶解後、成分(10)〜(16)を加えて、均一混合する。
B.Aに成分(17)〜(20)を加えて均一に混合する。
C.Bに成分(21)を加えて加熱し、脱泡後、型に流し込み充填し、冷却して成型する。
(評価)
1.官能評価
化粧膜のツヤ感、ツヤの持続性、唇のふっくらとした立体感について、専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚、ツヤの持続性については、各試料を唇に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、3時間後のツヤ感について評価した。
(絶対評価)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(4段階判定基準)
(評点平均値) :(判定)
5点を超える :非常に良好:◎
3.5点を超えて5点以下 :良好 :○
1.5点を超えて3.5点以下:やや不良 :△
1.5点以下 :不良 :×
2.経時安定性
口紅を容器から繰り出して、50℃の恒温槽に、横置きで1週間設置し、1週間後の状態を観察して、変化のないものから折れてしまうものまで、◎〜×の4段階で判定した。
(状態) :(判定)
変化なし :◎
わずかに曲っているが問題ない :○
曲っている :△
かなり曲っている又は折れている :×
表1から明らかなごとく、本発明品のスティック状口紅は、化粧膜のツヤ感及びツヤの持続性に優れ、唇のふっくらとした立体感が得られ、経時安定性も良好であった。
これに対して成分(a)の代わりにポリエチレンワックスを用いた比較例1では、成分(c)のフェニルシリコーンのツヤ感を活かすことができず、特に化粧膜のツヤ感やツヤの持続性、唇のふっくらとした立体感において満足するものが得られなかった。また成分(b)の代わりにメチル多分岐型ではないトリイソステアリン酸グリセリルを配合した比較例2は、比較例1と同様に、化粧膜のツヤ感においても満足するものが得られず、経時安定性についても良いものが得られなかった。成分(c)が配合されていない比較例3、特に化粧膜のツヤ感や唇のふっくらとした立体感で満足するものが得られなかった。成分(c)のフェニルシリコーンの代わりに重質流動イソパラフィンを配合した比較例4は、フェニルシリコーンを配合したときのツヤ感に比べ劣るものであった。
表1の結果より、本発明は成分(a)〜成分(c)を配合することの優位性を確認することができたが、本発明において、成分(c)のフェニルシリコーンの効果を十分引き出せるような組合せである、成分(a)と成分(b)の関係について、本発明の効果に影響する硬度と外観の透明性ついて比較実験を行った。実験用成分とその結果を表2に示した。
(実験用成分)
ワックス成分として、成分(a)のフィッシャートロプシュワックス(CIREBELLE社製CIREBELLE108:融点79〜84℃)と、比較品としてポリエチレンワックス(Baker Petrolite社製PERFORMALENE500:融点83〜92℃)を用いた。
液状油分として成分(b)のメチル多分岐型トリイソステアリン酸グリセリル(日清オイリオ社製サラコス3318)と、比較品としてトリイソステアリン酸グリセリル(ユニケマ社製PRISORINE2041)を用いた。
(製造方法)
ワックス成分10%と、液状油分90%とを110〜120℃にて加熱溶解後、均一に混合して金皿に流し込み、室温まで冷却して成型し試料を得た。
(針入荷重値の測定方法)
各試料を測定温度35℃及び45℃に1時間放置した後、レオメーター(不動工業社製)(プランジャー直径3mm、針入速度6cm/min、針入距離2mm)を用い、測定を行った。
(透明性の測定方法)
あらかじめ文字(文字サイズ14pt)を記載した金皿に各試料を流し込み、読めるかどうかを判断基準とし、読めるものを○、読まないものを×とした。
表2の結果から明らかなように、本発明の成分(a)と成分(b)を用いた実験例1は針入荷重値も高く、透明性も得られ、これらが、表1の結果にも反映されたと考えられる。
実施例7:リップクリーム
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス*9 5
2.オゾケライトワックス 5
3.ポリエチレンワックス*10 5
4.ミツロウ 3
5.カルナウバワックス 3
6.メチル多分岐型イソステアリン酸グリセリル*3 20
7.ワセリン 10
8.フェニルシリコーン*11 5
9.紫外線吸収剤(シア脂) 0.1
10.酸化防止剤(ビタミンE) 0.1
11.トリオクタン酸グリセリル 残量
12.無水ケイ酸*12 0.5
*9:CIREBELLE109(CIREBELLE社製)
*10:PERFORMALENE655(Baker Petrolite社製)
*11:FZ−3156(東レ・ダウコーニング社製)
*12:AEROSIL R972(AEROSIL社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(11)を110〜120℃にて加熱溶解し、均一に混合する。成分(12)を加え、均一に混合する。
B.Aを容器に充填成型して製品とする。
本実施例で得られたリップクリームは、化粧膜のツヤ感、ツヤの持続性に優れ、滑らかな使用感であるとともに、唇のふっくらとした立体感が得られ、経時安定性の良好なものであった。
実施例8:金皿流し込み口紅
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス*13 5
2.エチレン・プロピレンコポリマー*14 3
3.キャンデリラワックス 2
4.メチル多分岐型イソステアリン酸ジグリセリル*15 4
5.リンゴ酸ジイソステアリル 20
6.重質流動イソパラフィン 5
7.イソノナン酸イソトリデシル*16 10
8.フェニルシリコーン*17 5
9.トリオクタン酸グリセリル 残量
10.防腐剤(p−オキシ安息香酸プロピル) 0.1
11.紫外線吸収剤(シア脂) 1
12.無水ケイ酸*18 1
13.赤色202号 1
14.黄色4号 1
15.酸化チタン 2
16.黒色酸化鉄 0.5
*13:FNP−0080(日本精鑞社製)
*14:EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*15:コスモール43N(日清オイリオグループ社製)
*16:クロダモルTN(CRODA社製)
*17:KF−56(信越化学工業社製)
*18:AEROSIL R976S(AEROSIL社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(11)を110〜120℃にて加熱溶解し、均一に混合する。成分(12)〜(16)を加え、均一に混合する。
B.Aを充填成型して製品とする。
本実施例で得られた金皿流し込み口紅は、化粧膜のツヤ感、ツヤの持続性、唇のふっくらとした立体感に優れ、経時安定性の良好なものであった。

Claims (2)

  1. 次の成分(a)〜(c);
    (a)フィッシャートロプシュワックス
    (b)下記化学式(1)に示すイソステアリン酸と、グリセリンおよび/またはジグリセリンとのエステル化合物
    (c)フェニルシリコーン
    を配合し、前記成分(a)の配合量が0.1〜20質量%、成分(b)の配合量が0.1〜50質量%、成分(c)の配合量が0.1〜10質量%であることを特徴とする口唇化粧料。
  2. 口唇化粧料が、固形口唇化粧料であることを条件とする請求項1に記載の口唇化粧料。
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