JP5136439B2 - 多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物及びシリコン含有膜並びにパターン形成方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、回路基板における半導体素子等の高集積化が進むにつれて、露光工程において光マスクのパターンを正確にレジスト膜に転写することが困難となり、例えば、基板に対する微細加工プロセスにおいて、レジスト膜中に形成される光の定在波の影響により、形成されるパターンの寸法に誤差(狂い)が生じることがある。このような定在波の影響を軽減するために、レジスト膜と基板表面との間に反射防止膜が形成されている。
また、近年のレジストパターンの微細化に伴い、得られる加工用下層膜へのレジスト材料の染み込み量の抑制が、これまで以上に重要となってきている。
しかしながら、これまでに提案されている加工用下層膜を形成するための樹脂組成物においては、得られる加工用下層膜へのレジスト材料の染み込み量の抑制は、未だ十分とはいえず、更なる向上が求められている。更には、裾引き等のないレジストパターンを安定して形成可能な加工用下層膜を得ることができる樹脂組成物が求められている。
[1](A)テトラアルコキシシラン由来の構造単位(a1)、及びヘキサアルコキシジシラン由来の構造単位(a2)を含有しており、前記構造単位(a1)の含有割合を100モル%とした場合に、前記構造単位(a2)の含有割合が10〜30モル%であるポリシロキサンと、
(B)有機溶媒と、を含有することを特徴とする多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
[2]前記(A)ポリシロキサンのゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、500〜15000である前記[1]に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
[3]前記(A)ポリシロキサンが、更に、下記一般式(1)で表される構造単位を有する前記[1]又は[2]に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
[4]前記(A)ポリシロキサンが、更に、下記一般式(2)で表される構造単位を有する前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
[5]前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を用いて得られることを特徴とするシリコン含有膜。
[6](1)前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を被加工基板上に塗布してシリコン含有膜を形成する工程と、
(2)得られた前記シリコン含有膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程と、
(3)得られた前記レジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して前記レジスト被膜を露光する工程と、
(4)露光した前記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
(5)前記レジストパターンをマスクとして、前記シリコン含有膜及び前記被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する工程と、を備えることを特徴とするパターン形成方法。
[1]多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物
本発明の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物(以下、単に「シリコン含有膜形成用組成物」ともいう。)は、(A)ポリシロキサン〔以下、「ポリシロキサン(A)」という。〕と、(B)有機溶媒〔以下、「有機溶媒(B)」という。〕と、を含有する。
前記ポリシロキサン(A)は、テトラアルコキシシラン由来の構造単位(a1)、及びヘキサアルコキシジシラン由来の構造単位(a2)を含有するものである。
前記構造単位(a1)を与えるテトラアルコキシシランにおいて、Si原子に結合する4つのアルコキシル基は、全て同一であってもよいし、全て又は一部が異なっていてもよい。このアルコキシル基の炭素数は、1〜8であることが好ましい。
具体的なテトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラクロロシラン、テトラアセトキシシラン、テトライソシアナートシラン、テトラキス(ブトキシエトキシエトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(エトキシエトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン、テトラキス(2−メタクリロキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシプロポキシ)シラン、テトラキス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、テトラキス(トリクロロシリルエトキシ)シラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン等が挙げられる。
これらのなかでも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシランが好ましい。
尚、これらのテトラアルコキシシランは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的なヘキサアルコキシジシランとしては、例えば、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェニキシジシラン等が挙げられる。これらのなかでも、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシランが好ましい。
尚、これらのヘキサアルコキシジシランは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記R1が−OR2である場合における、R2の炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
また、一般式(i)におけるR5及びR6については、それぞれ、前記一般式(1)におけるR1及びR2の説明をそのまま適用することができる。
これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、一般式(2)におけるnは1〜4の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。
また、一般式(ii)におけるR8及びnについては、それぞれ、前記一般式(2)におけるR3及びnの説明をそのまま適用することができる。
これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、一般式(iii)におけるR11については、前記一般式(3)におけるR9の説明をそのまま適用することができる。
これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記更に他の構造単位としては、例えば、N−3−(トリエトキシシリル)プロピルメチルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピルベンジルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピルベンゾイルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピルビニルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピルシアノメチルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−3−メルカプトプロピル−1−スルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピルベンジルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−C−(2−シアノフェニル)メチルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−3,3−ジメチルブチルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−2−オキソ−2−フェニルエチルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−2−(2,5−ジオキソイミダゾリン−4−イル)エチルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−C−ベンゾオキサゾール−2−イルスルホンアミド、N−3−(トリエトキシシリル)プロピル−C−ベンゾオキサゾール−2−イルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルベンジルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルベンゾイルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルメチルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルエチルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチル−n−ブチルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチル−iso−ブチルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルオクチルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルビニルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルアリルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチル−2−フェニルエチルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチル−3−アミノプロピルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチル−2−シアノエチルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチル−3−ニトロフェニルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチル−4−ニトロフェニルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピルベンジルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピルベンゾイルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピルビニルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピルシアノメチルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−3−メルカプトプロピル−1−スルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピルベンジルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−C−(2−シアノフェニル)メチルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−3,3−ジメチルブチルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−2−オキソ−2−フェニルエチルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−2−(2,5−ジオキソイミダゾリン−4−イル)エチルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−C−ベンゾオキサゾール−2−イルスルホンアミド、N−3−(トリメトキシシリル)プロピル−C−ベンゾオキサゾール−2−イルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチルベンジルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチルベンゾイルスルホンアミド、N−2−(トリエトキシシリル)エチルメチルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチルエチルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−n−ブチルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−iso−ブチルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチルオクチルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチルビニルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチルアリルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−2−フェニルエチルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−3−アミノプロピルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−2−シアノエチルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−3−ニトロフェニルスルホンアミド、N−2−(トリメトキシシリル)エチル−4−ニトロフェニルスルホンアミド、
尚、前記ポリシロキサン(A)は、これらの更に他の構造単位を1種のみ含有していてもよいし、2種以上を含有していてもよい。
また、前記構造単位(a3)の含有割合は、前記構造単位(a1)を100モル%とした場合に、0〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは2〜8モル%、更に好ましくは4〜6モル%である。この構造単位(a3)が0〜10モル%である場合、レジストパターン形状が良好であるため好ましい。
更に、前記構造単位(a4)の含有割合は、前記構造単位(a1)を100モル%とした場合に、0〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは1〜5モル%、更に好ましくは3〜4モル%である。この構造単位(a4)が0〜10モル%である場合、レジストパターン密着性が良好、且つ耐酸素アッシング性が良好であるため好ましい。
また、前記構造単位(a5)の含有割合は、前記構造単位(a1)を100モル%とした場合に、5〜60モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜55モル%、更に好ましくは20〜50モル%である。この構造単位(a5)が5〜60モル%である場合、塗布性良好、且つ保存安定性良好であるため好ましい。
尚、このような各構造単位の含有割合は、例えば、29Si−NMRスペクトルの解析結果や、後述の重量平均分子量から推定することができる。
尚、ポリシロキサン(A)を調製する際においては、(1)出発原料である各化合物の混合物を加水分解縮合反応させてもよいし、(2)各化合物の加水分解物及びその縮合物のうちの少なくとも一方や、選択された化合物の混合物の加水分解物及びその縮合物のうちの少なくとも一方を用いて、加水分解縮合反応又は縮合反応させてもよい。
前記金属キレート化合物としては、例えば、例えば、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−iso−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−iso−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−tert−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、
また、前記無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等が挙げられる。
また、前記無機塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応副生成物の除去処理の方法としては、加水分解物又はその縮合物の反応が進行しない方法であれば特に限定されず、例えば、反応副生成物の沸点が前記有機溶媒の沸点より低いものである場合には、減圧によって留去することができる。
前記溶媒(B)としては、例えば、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、iso−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;
これらの溶媒(B)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(3−1)酸発生化合物
本発明のシリコン含有膜形成用組成物には、前記ポリシロキサン及び溶媒以外に、紫外光の照射及び/又は加熱により酸を発生する酸発生化合物(以下、単に「酸発生剤」ともいう。)が含まれていてもよい。
このような酸発生剤を含有する場合には、レジストを露光することにより、又は露光後に加熱することにより、シリコン含有膜中に酸が発生し、該シリコン含有膜とレジスト膜との界面に酸が供給される。その結果、レジスト膜のアルカリ現像処理において、解像度及び再現性に優れたレジストパターンを形成することができる。
前記酸発生剤としては、加熱処理を行うことによって酸を発生する化合物(以下「潜在性熱酸発生剤」ともいう。)及び紫外光照射処理を行うことによって酸を発生する化合物(以下「潜在性光酸発生剤」ともいう。)が挙げられる。
この潜在性熱酸発生剤としては、例えば、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。
前記スルホニウム塩の具体例としては、4−アセトフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート等のアルキルスルホニウム塩;ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート等のベンジルスルホニウム塩;
更に、前記以外の熱酸発生剤として、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノンを挙げることもできる。
この光酸発生剤としては、例えば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
尚、これらの酸発生剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のシリコン含有膜形成用組成物には、形成される塗膜の均一性及び保存安定性の向上を図るため、β−ジケトンが含まれていてもよい。
前記β−ジケトンとしては、例えば、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオン等が挙げられる。これらのβ−ジケトンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のシリコン含有膜形成用組成物には、更に、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤等の成分が含まれていてもよい。
前記コロイド状シリカは、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30mμ、好ましくは10〜20mμ、固形分濃度が10〜40質量%程度のものである。このような、コロイド状シリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾル、イソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業(株)製、オスカル等が挙げられる。これらのコロイド状シリカは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記コロイド状アルミナとしては、例えば、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、同100、同200;川研ファインケミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132等が挙げられる。これらのコロイド状アルミナは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、含フッ素界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のシリコン含有膜形成用組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、(1)前記ポリシロキサン(A)と、前記溶媒(B)と、必要に応じて前記他の添加剤と、を混合することにより得ることができる。
また、本発明のシリコン含有膜形成用組成物において、樹脂分の固形分濃度は特に限定されないが、1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。
本発明のシリコン含有膜は、レジスト膜や他のレジスト下層膜との密着性が高く、レジスト現像液及びレジストを除去するための酸素アッシングに対して耐性を有し、Si含有量が多く、レジスト材料の染み込み量が少なく、再現性の高いレジストパターンが得られる。そのため、多層レジストプロセスにおいて好適に用いることができる。また、多層レジストプロセスのなかでも、90nmよりも微細な領域(ArF、液侵露光でのArF、F2、EUV、ナノインプリント)での多層レジストプロセスを用いたパターン形成において、特に好適に用いることができる。
このシリコン含有膜は、前述の本発明のシリコン含有膜形成用組成物を用いることにより得ることができる。具体的には、例えば、レジスト被膜や他の下層膜(反射防止膜)等の表面に塗布することにより、シリコン含有膜形成用組成物の塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理することにより、或いは、潜在性光酸発生剤を含有する場合には、紫外光の照射及び加熱処理を行うことにより、硬化させ、シリコン含有膜(レジスト下層膜)を形成することができる。
シリコン含有膜形成用組成物を塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法等を利用することができる。
また、形成される塗膜の加熱温度は、通常50〜450℃であり、加熱処理後の膜厚は、通常10〜200nmである。
本発明のパターン形成方法は、(1)多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を被加工基板上に塗布してシリコン含有膜を形成する工程〔以下、単に「工程(1)」という。〕と、(2)得られた前記シリコン含有膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程〔以下、単に「工程(2)」という。〕と、(3)得られた前記レジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して前記レジスト被膜を露光する工程〔以下、単に「工程(3)」という。〕と、(4)露光した前記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程〔以下、単に「工程(4)」という。〕と、(5)前記レジストパターンをマスク(エッチングマスク)として、前記シリコン含有膜及び前記被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する工程〔以下、単に「工程(5)」という。〕と、を備える。
本発明のパターン形成方法によれば、ドライエッチングプロセスにおいて、被加工基板にレジストパターンを再現性よく忠実に転写することができる。
前記工程(1)では、前述のシリコン含有膜形成用組成物を用いて、被加工基板上にシリコン含有膜を形成する。これにより、被加工基板上にシリコン含有膜が形成されたシリコン含有膜付き基板を得ることができる。
このレジスト下層膜は、レジストパターン形成において、シリコン含有膜及び/又はレジスト被膜が有する機能を更に補ったり、これらが有していない機能を得るために、必要とされる所定の機能(例えば、反射防止機能、塗布膜平坦性、CF4等のフッ素系ガスに対する高エッチング耐性)が付与された膜のことである。
この露光に用いられる放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等が挙げられる。
また、塗膜を加熱する際の温度は、特に限定されないが、90〜550℃であることが好ましく、より好ましくは90〜450℃、更に好ましくは90〜300℃である。
前記工程(2)では、レジスト組成物を用いて、工程(1)にて得られたシリコン含有膜上にレジスト被膜を形成する。
この工程(2)にて用いられるレジスト組成物としては、例えば、光酸発生剤を含有するポジ型又はネガ型の化学増幅型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤とからなるネガ型レジスト組成物等を好適例として挙げることができる。
また、レジスト組成物としては、孔径0.2μm程度のフィルターを用いてろ過したものを好適に用いることができる。尚、本発明のパターン形成方法においては、このようなレジスト組成物として、市販品のレジスト組成物をそのまま使用することもできる。
プレベークする際の温度は、使用するレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、30〜200℃であることが好ましく、より好ましくは50〜150℃である。
前記工程(3)では、工程(2)において得られたレジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射してレジスト被膜を露光する。
また、露光する方法についても特に制限はなく、従来公知のパターン形成において行われる方法に準じて行うことができる。
前記工程(4)では、工程(3)において露光したレジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する。
前記工程(5)では、工程(4)にて形成したレジストパターンをマスク(エッチングマスク)として、シリコン含有膜及び被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する。尚、レジスト下層膜が形成された被加工基板を用いた場合には、シリコン含有膜及び被加工基板と共にレジスト下層膜もドライエッチングする。
また、ドライエッチング時のソースガスとしては、被エッチ膜の元素組成にもよるが、O2、CO、CO2等の酸素原子を含むガス、He、N2、Ar等の不活性ガス、Cl2、BCl4等の塩素系ガス、H2、NH4のガス等を使用することができる。尚、これらのガスは混合して用いることもできる。
後述の各合成例においては、下記構造の単量体を用いて、重合体の合成を行った。
化合物(a1−1);テトラメトキシシラン
化合物(a2−1);ヘキサメトキシジシラン
化合物(a3−1);フェニルトリメトキシシラン
化合物(a4−1);3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート
化合物(a5−1);メチルトリメトキシシラン
シュウ酸0.45gを水21.6gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、テトラメトキシシラン〔前記式(a1−1)〕9.13g、ヘキサメトキシジシラン〔前記式(a2−1)〕2.42g、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート〔前記式(a4−1)〕0.50g、メチルトリメトキシシラン〔前記式(a5−1)〕3.81g、及び1−エトキシ−2−プロパノール53.5gを入れたフラスコに、冷却管と、調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して樹脂溶液47gを得た。この樹脂溶液中における固形分(ポリシロキサン)を重合体(A−1)とする。
得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は、焼成法により測定した結果、16.4%であった。また、固形分の重量平均分子量(Mw)は1800であった。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド1.82gを水5.47gに加熱溶解させて、テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液を調製した。その後、調製したテトラアンモニウムヒドロキシド水溶液7.29g、水2.27g、及びメタノール20gを入れたフラスコに、冷却管と、テトラメトキシシラン〔前記式(a1−1)〕9.13g、ヘキサメトキシジシラン〔前記式(a2−1)〕2.42g、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート〔前記式(a4−1)〕0.50g、メチルトリメトキシシラン〔前記式(a5−1)〕3.81g、及びメタノール25gを入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、モノマーメタノール溶液をゆっくり滴下し、60℃で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷した。
その後、無水マレイン酸2.50gを、水9.18g及びメタノール9.18gに溶解して別途調製したマレイン酸メタノール溶液21gに対し、上述のように放冷した反応溶液を滴下し、30分間攪拌した。次いで、4−メチル−2−ペンテノン25gを添加してからエバポレーターにセットし、反応溶媒及び反応により生成したメタノールを除去して4−メチル−2−ペンテノン樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を分液ロートへ移してから、水40gを添加して1回目の水洗を行い、水20gを添加して2回目の水洗を行なった。その後、分液ロートよりフラスコへ移した4−メチル−2−ペンテノン樹脂溶液に、1−エトキシ−2−プロパノール25gを添加してからエバポレーターにセットし、4−メチル−2−ペンテノンを除去して樹脂溶液28gを得た。この樹脂溶液中における固形分(ポリシロキサン)を重合体(A−2)とする。得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は、焼成法により測定した結果、15.6%であった。また、固形分の重量平均分子量(Mw)は4800であった。
表1に示す各単量体を、表1に示す配合量で用いた以外は、合成例2と同様の手法にて、重合体(A−3)を合成した。
表1に示す各単量体を、表1に示す配合量で用いた以外は、合成例2と同様の手法にて、重合体(A−4)を合成した。
表1に示す各単量体を、表1に示す配合量で用いた以外は、合成例2と同様の手法にて、重合体(AR−1)を合成した。
表1に示す各単量体を、表1に示す配合量で用いた以外は、合成例1と同様の手法にて、重合体(AR−2)を合成した。
表1に示す各単量体を、表1に示す配合量で用いた以外は、合成例1と同様の手法にて、重合体(AR−3)を合成した。
前述の各合成例で得られた重合体(A)[重合体(A−1)〜(A−4)、及び(AR−1)〜(AR−3)]、溶媒(B)[溶媒(B−1)〜(B−2)]、及び酸発生剤(C)[酸発生剤(C−1)]を用いて、下記のように、実施例1〜5及び比較例1〜3の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を調製した。
表2に示すように、合成例1で得られた重合体(A−1)15.06部を、溶媒(B−1)75.33部、及び溶媒(B−2)12.52部に溶解させた後、この溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、実施例1の多層レジストプロセス用シリコン含有層膜形成用組成物を得た。
尚、表2における溶媒(B)の詳細は以下の通りである。
(B−1):1−プロポキシ−2−プロパノール
(B−2):1−エトキシ−2−プロパノール
表2に示す割合で各成分を用いる以外は実施例1と同じ要領にて、実施例2〜5及び比較例1〜3の多層レジストプロセス用シリコン含有層膜形成用組成物を得た。
尚、表2における酸発生剤(C)の詳細は以下の通りである。
(C−1):トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
前述のようにして得られた実施例1〜5及び比較例1〜3の各シリコン含有膜形成用組成物について、以下の各種評価を行った。それらの結果を表3に示す。
シリコンウェハの表面に、スピンコーターを用いて、回転数2000rpm、20秒間の条件でシリコン含有膜形成用組成物を塗布し、その後250℃のホットプレート上で60秒間乾燥させることによりシリコン含有膜を形成した。得られたシリコン含有膜について、光学式膜厚計(KLA−Tencor社製、「UV−1280SE」)を用いて50点の位置で膜厚を測定し、その平均膜厚(初期膜厚=T0)を求めた。
更に、温度23℃で3ヶ月間保存した後のシリコン含有膜形成用組成物を用いて、前記と同様にしてシリコン含有膜を形成して膜厚を測定し、その平均膜厚(貯蔵後膜厚=T)を求めた。
そして、初期膜厚T0と貯蔵後膜厚Tとの差(T−T0)を求め、平均膜厚T0に対するその差の大きさの割合〔(T−T0)/T0〕を膜厚変化率として算出し、その値が5%以下である場合を「○」、5%を超える場合を「×」として評価した。
シリコンウェハ上に、下層膜形成用組成物(商品名「NFC HM8005」、JSR(株)製)をスピンコーターによって塗布し、250℃のホットプレート上で60秒間乾燥させることにより、膜厚が300nmの下層膜を形成した。
その後、この下層膜上に、多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物をスピンコーターによって塗布し、250℃のホットプレート上で60秒間焼成することによりシリコン含有膜を形成した。
次いで、前記シリコン含有膜上にレジスト材料「AIM5056JN」〔JSR(株)製〕を塗布し、90℃で60秒間乾燥させた。このときのレジストの膜厚は120nmに制御した。その後、ArFエキシマレーザー照射装置「S306C」〔(株)ニコン製〕を用い、32mJ/cm2の条件で照射した後、基板を115℃で60秒間加熱した。次いで、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で30秒間現像処理し、80nmのライン・アンド・スペースパターンのレジストパターンを形成した。
前記のようにして基板上に形成されたレジストパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、該レジストパターンの現像剥離が生じていない場合を「○」とし、現像剥離が生じている場合を「×」として評価した。
前記(2)と同様の手法で形成したレジストパターンをSEMで観察し、レーザーが照射された箇所にレジストの膜残りが生じておらず、光マスクの80nmのライン・アンド・スペースのパターンが忠実に再現されている場合を「○」とし、忠実に再現性されていない場合を「×」として評価した。
シリコンウェハ上に、多層レジストプロセス用シリコン含有層膜形成用組成物をスピンコート法にて塗布し、200℃で60秒間焼成して、膜厚45nmのシリコン含有層膜を形成した。その後、シリコン含有膜(レジスト下層膜)上に、レジスト(JSR製、「AIM5056JN」)を塗布し、100℃で1分間乾燥させ、得られたレジストの膜厚を膜厚計(大日本スクリーン社製、商品名「VM2010」)にて測定した。次いで、ノンパターンの石英製マスクを通してArF線照射を行った。その後、115℃で90秒間焼成した後、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で1分間現像した。現像後のレジストの膜厚を前記膜厚計にて測定した。
そして、露光前のレジストの膜厚と、露光・現像後のレジストの膜厚との差を染み込み耐性として算出し、その値が10Å以下である場合を「○」、10Åを超える場合を「×」として評価した。
シリコンウェハの表面に、スピンコーターを用いて、回転数2000rpm、20秒間の条件で多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を塗布し、その後、250℃のホットプレート上で60秒間乾燥させることによりシリコン含有膜を形成した。
次いで、シリコン含有膜を2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で30秒間浸漬した。
そして、現像液に浸漬する前のシリコン含有膜の膜厚と、浸漬した後のシリコン含有膜の膜厚とを比較し、その差を算出した。両者の差が1nm以下である場合は、良好なシリコン含有膜であり、評価を「○」とした。一方、この差が1nmを超える場合を「×」とした。
シリコンウェハの表面に、スピンコーターを用いて、回転数2000rpm、20秒間の条件で多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を塗布し、その後、250℃のホットプレート上で60秒間乾燥させることによりシリコン含有膜を形成した。
シリコン含有膜を、エッチング装置「EXAM」(神鋼精機社製)を用いて、300Wで15秒間酸素アッシング処理を行い、処理前のシリコン含有膜の膜厚と処理後のシリコン含有膜の膜厚との差を算出した。両者の差が5nm以下である場合は、良好なシリコン含有膜であり、評価を「○」とした。一方、この差が5nmを超える場合を「×」とした。
Claims (6)
- (A)テトラアルコキシシラン由来の構造単位(a1)、及びヘキサアルコキシジシラン由来の構造単位(a2)を含有しており、前記構造単位(a1)の含有割合を100モル%とした場合に、前記構造単位(a2)の含有割合が10〜30モル%であるポリシロキサンと、
(B)有機溶媒と、を含有することを特徴とする多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。 - 前記(A)ポリシロキサンのゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、500〜15000である請求項1に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を用いて得られることを特徴とするシリコン含有膜。
- (1)請求項1乃至4のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を被加工基板上に塗布してシリコン含有膜を形成する工程と、
(2)得られた前記シリコン含有膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程と、
(3)得られた前記レジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して前記レジスト被膜を露光する工程と、
(4)露光した前記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
(5)前記レジストパターンをマスクとして、前記シリコン含有膜及び前記被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する工程と、を備えることを特徴とするパターン形成方法。
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