JP5130153B2 - 嵩高性構造体の製造方法 - Google Patents
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例えば、食材類には水不溶性の親水性高分子が多量に含まれているケースが多い。該当分野では、食材を、いったん水系分散体の状態で種々の調味料や添加剤と混合して調理した後に、長期保存の効く乾燥体として加工し、製品とするケースが非常に多い。
しかし、単純に、例えば混錬しながら乾燥させただけでは、得られる乾燥体は、水やお湯に再度分散させても極めて分散性の悪い、高密度構造体となってしまう。これは、表面張力の大きな水媒体中で膨潤した水不溶性の親水性高分子が、乾燥の際の水の気散時に互いに融着し合い、緻密な固体構造を形成してしまうことに起因する。このような現象は、水不溶性の親水性高分子の水系分散体が、ゲルに近い柔軟な状態にあるか、あるいは少なくとも表面に極めて微細な繊維を含む分散体である場合に起こり得る。
[1](1)水不溶性の親水性高分子0.02重量%以上20重量%以下、大気圧下での沸点範囲が50℃以上200℃以下の油性化合物0.2重量%以上20重量%以下、及び水70重量%以上99.5重量%以下を含む水系分散液を得る工程であって、該油性化合物が水相に分散したエマルジョンであって該親水性高分子を含有する水系分散液を調整する調製工程、
(2)水系分散液を構成する水の一部を脱水することによって、油性化合物の濃度を該水系分散液より増加させた濃縮組成物を得る脱水工程、
(3)濃縮組成物を加熱することによって、該濃縮組成物から油性化合物および水の一部を蒸発させて除去する乾燥工程、
の3つの工程を含む親水性高分子からなる嵩高性構造体の製造方法。
[2]水系分散液が、水不溶性の親水性高分子0.02重量%以上5.0重量%以下、大気圧下での沸点範囲が50℃以上200℃以下の油性化合物0.4重量%以上10重量%以下、及び水70重量%以上99.5重量%以下を含む水系分散液である上記1に記載の嵩高性構造体の製造方法。
[3]水系分散液が、界面活性剤および水溶性高分子からなる群から選択される少なくとも一種を0.001重量%以上1重量%以下含む水系分散液である上記1または2のいずれかに記載の嵩高性構造体の製造方法。
[4]水不溶性の親水性高分子が、水不溶性の多糖類である上記1〜3のいずれかに記載の嵩高性構造体の製造方法。
[6]セルロースがミクロフィブリル化セルロースである上記5に記載の嵩高性構造体の製造方法。
[7]脱水工程において、水系分散液を構成する水の一部を回転式脱水機で脱水する上記1〜6のいずれかに記載の嵩高性構造体の製造方法。
[8]脱水工程において、水系分散液を構成する水の一部を抄紙機で脱水する上記1〜6のいずれかに記載の嵩高性構造体の製造方法。
[9]水系分散液が、ミクロフィブリル化セルロース0.05重量%以上1.0重量%以下、大気圧下での沸点範囲が50℃以上200℃以下である油性化合物0.5重量%以上5重量%以下、及び水80重量%以上99.5重量%以下を含む水系分散液であって、脱水工程において、該水系分散液を構成する水の一部を抄紙機で脱水してシート状構造体を形成させる上記8に記載の嵩高性構造体の製造方法。
[11]油性化合物が炭素数5〜炭素数9の範囲であり一価かつ一級のアルコールの中から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む、上記1〜9のいずれかに記載の嵩高性構造体の製造方法。
[12]油性化合物が、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノールの中から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む、上記11に記載の嵩高性構造体の製造方法。
[13]ミクロフィブリル化セルロースの数平均繊維径が2nm以上300nm以下の範囲にある上記6〜12のいずれかに記載の嵩高性構造体の製造方法。
[14]ミクロフィブリル化セルロースの原料が、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、コットン由来パルプ、麻由来パルプ、バガス由来パルプ、ケナフ由来パルプ,及び竹由来パルプからなる群から選択された少なくとも一種のパルプである上記6〜13のいずれかに記載の嵩高性構造体の製造方法。
[16]得られる嵩高性構造体が10s/100cc以上4000s/100cc以下の透気抵抗度を有するシート状の高空孔率構造体である上記8〜15のいずれかに記載の嵩高性構造体の製造方法。
[17]得られる嵩高性構造体が20s/100cc以上1000s/100cc以下の透気抵抗度を有するシート状の高空孔率構造体である上記16に記載の嵩高性構造体の製造方法。
具体的には、(1)水不溶性の親水性高分子0.02重量%以上20重量%以下、大気圧下での沸点範囲が50℃以上200℃以下の油性化合物0.2重量%以上20重量%以下、及び水70重量%以上99.5重量%以下を含む水系分散液を得る工程であって、該油性化合物が水相に分散したエマルジョンであって該親水性高分子を含有する水系分散液を調整する調製工程、(2)水系分散液を構成する水の一部を脱水することによって、油性化合物の濃度を該水系分散液より増加させた濃縮組成物を得る脱水工程、(3)濃縮組成物を加熱することによって、該濃縮組成物から油性化合物および水の一部を蒸発させて除去する乾燥工程、の3つの工程である。
次に、3つの工程の詳細について説明する。本発明は、水不溶性の親水性高分子を含有する水系分散液を脱水濃縮し、乾燥させることにより、嵩高性構造体を得るものである。該水系分散液は、0.02重量%以上20重量%以下の水不溶性の親水性高分子を含有し、0.2重量%以上20重量%以下の大気圧下での沸点範囲が50℃以上200℃以下である油性化合物がエマルジョンとして、70重量%以上99%以下の水から成る水相に分散した水系分散液であることが必要である。
ここで合成高分子の場合には、分子鎖の主鎖または側鎖に、水酸(OH)基、−(CH2CH2O)n−基、−(CHCH3CH2O)n−基、及びカルボキシル(COO−Mt+(Mt+;金属カチオン)あるいはCOOH)基のうちの少なくともいずれか一つの親水性基を有することが好ましい。これらは共重合体の一部として組み込まれていても構わない。
例えば、叩解処理工程においては、原料繊維を0.5重量%以上4重量%以下、好ましくは0.8重量%以上3重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以上2.5重量%以下の固形分濃度となるように水に分散させ、まずビーターやディスクレファイナー(ダブルディスクレファイナー)のような叩解装置でフィブリル化を高度に促進させる。ディスクレファイナーを用いる場合には、ディスク間のクリアランスを極力狭く(例えば0.1mm以下)設定して、処理を行うと、極めて高度な叩解(フィブリル化)が進行するので、高圧ホモジナイザー等による微細化処理の条件を緩和でき、有効な場合がある。
また、セルロースがゲル状態のセルロースである場合にも本発明は好適に高空孔率の嵩高性構造体を与える。ゲル状態のセルロースとしては、例えば、セルロースの銅アンモニア溶液を水や各種水溶液、有機溶媒等の凝固浴中で構造化させた状態のもの、セルロースのビスコースレーヨン原液を酸性水溶液中で構造化させたもの、セルロースのN−メチルモルホリン−N−オキシド溶液を水や各種水溶液、有機溶媒等の凝固浴中で構造化させた状態のもの、さらには、特許文献(国際公開1999−28350号パンフレット)に記載されている微細なセルロース粒子から成る水性ゲル等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
これは、該水系分散液中に含有される水不溶性の親水性高分子が、油性化合物から成るエマルジョンと相互作用し、安定化させる性質を有することに起因する。
その作用はコロイド科学の分野で保護コロイドとして知られている(非特許文献;川口正美著,「高分子の界面・コロイド科学」1999年,コロナ社,p170)が、水不溶性の親水性高分子の場合にも同様の効果が発現することが報告されている(非特許文献;H.Ono, Y.Shimaya, T.Hongo and C. Yamane, ” New Aqueous Dispersion of Cellulose Sub-micron Particles: Preparation and Properties of Transparent Cellulose HydroGel (TCG)” Trans.Matr.Soc.Jpn., 26, 569 (2001))。
すなわち、乾燥工程に到る際に、水不溶性の親水性高分子が水に比べ、表面張力の低い油性化合物に取り囲まれることは、乾燥時に高分子間の融着を防御し、高空孔率の嵩高性構造体を形成する原動力となる。そうした環境を作るために、油性化合物と水から成るエマルジョンが一定割合で含まれることが本発明の必須条件となる。
特に、炭素数6〜炭素数14の範囲の炭化水素の中で上述した条件を満足する油性化合物を用いると好適に本発明の嵩高性構造体を得ることができる。このような油性化合物として、具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ウンデカンやそれらの異性体(例えば、イソヘキサン、イソオクタン、イソデカン)に代表される鎖状飽和炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘキセンのような環状炭化水素類、ジイソブチレンやシクロヘキセンのような鎖状または環状の不飽和炭化水素類、及びベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
また、一級のアルコールではないが、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、シクロヘプタノール、4−ヘプタノール、1−メチルシクロヘキサノール、1−エチニルシクロペンタノール、2−オクタノール、(S)−2−オクタノール、シクロオクタノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニルシクロヘキサノール、1−オクチン−3−オール等の炭素数5〜炭素数9の範囲である一価のアルコールも油性化合物として好適に使用できる。
これらの油性化合物の中で、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノールの中から選ばれる少なくとも一つを用いた場合には、エマルジョンの油滴サイズが極めて微小となるため、高空孔率かつ微細な多孔質構造を有する嵩高性構造体を得ることができるので本発明の製造工程で使用する油性化合物として特に好ましい。
また、水系分散液中の水の組成が99.5重量%を超えると、配合組成としてエマルジョンの含有量が低減され、濃縮組成物中の油性化合物濃度が低くなってしまい、高空孔率の構造体が得られ難くなるため、やはり好ましくない。
後述するように、高空孔率で均一なシート状の嵩高性構造体を製造する場合には、抄紙機、すなわち傾斜ワイヤー式抄紙機、長網式抄紙機、円網式抄紙機のような脱水機能のある製膜装置を用いると好適に欠陥の少ないシート状の嵩高性構造体を得ることができる。抄紙機は連続式であってもバッチ式であっても目的に応じて使い分ければよい。特に、抄紙機を用いた場合のシート状の高空孔率を有する嵩高性構造体の製造方法の詳細については後述する。
Pr=(1−W×0.94/(D×d))×100 (1)
ここで、膜厚(d)は、一つのシート状サンプルについて膜厚計により測定された5点以上の測定値の平均値を意味する。ここで、膜厚計は、空孔率の高いシート状サンプルを潰さずに評価できる観点から、面接触型のタイプ(例えば、Mitutoyo(株)製面接触型膜厚計(Code No.547−401))を使用する。また、Dはその固体のバルク密度(文献値等)を使用するが、複数の固体成分の混合物である場合は、各成分のバルク密度に対し、各重量組成にて平均化した値とする。
次に、本発明の製造方法により高空孔率を有するシート状の嵩高性構造体を得る技術について説明する。シート状の嵩高性構造体は、各種フィルター、各種機能紙、各種蓄電デバイス用のセパレータ、吸収材料、医療材料用の支持体、機能膜等、多くの分野で利用されている。
特に、シート状の嵩高性構造体を製造するにおいては、脱水工程に抄紙機を使用するのが好ましい。抄紙機としては、たとえば傾斜ワイヤー型抄紙機、長網式抄紙機、円網式抄紙機等を使用することができる。
ここで、透気抵抗度の測定には、ガーレー式デンソメータ((株)東洋精機製、型式G−B2C)を用いて100mlの空気の透過時間(単位;s/100ml)の測定を室温で行う。一つのシート状嵩高性構造体サンプルに対して種々の異なる位置について5点の測定を行い、その平均値を透気抵抗度とした。
透気抵抗度は、例えば用いるエマルジョンを形成する油性化合物の種類や組成により制御することができる。例えば、前述した、1−ペンタノールや1−ヘキサノール、1−ヘプタノール等の油性化合物は粒子径が1μm以下の微細な油滴から成るエマルジョンを形成し易く、そのような場合には、微細なネットワークから成る通気性の高い(透気抵抗度の小さな)シート状嵩高性構造体を得ることができる。条件によっては、10s/100cc以上4000s/100cc以下の透気抵抗度を有するシート状の高空孔率構造体が得られる。
こうしたシート状多層構造体の製造に使用する支持体は、高空孔率かつ通水性のある不織布、あるいは多孔質膜であることが好ましい。具体的には、セルロース製、ポリエチレンテレフタレート製、6,6−ナイロン製、6−ナイロン製、ポリビニルアルコール製、各種ポリウレタン製の不織布、あるいはセルロース製、ポリエチレンテレフタレート製、6,6−ナイロン製、6−ナイロン製、ポリビニルアルコール製、各種ポリウレタン製の多孔質膜を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
不織布を構成する繊維の数平均繊維径が2μm以下であるマイクロウェッブと呼ばれる不織布や微多孔膜を用いると、それ自体が本発明における、ミクロフィブリル化セルロースの水系分散液から抄紙機で製膜する際の濾布の機能を有するため、抄紙の際に上述したようなワイヤーや濾布を使用することなく、一体化した多層構造を有する高空孔率構造体を製造することができる。3層以上の構造体を製造するためには2層以上の多層構造をもつ支持体を使用すればよい。また、支持体上で2層以上の本発明の多段抄紙を行って3層以上の構造体としてもよい。
このような条件下では、例えば嵩高性構造体の窒素ガス吸着に基づく比表面積(BET法比表面積)は著しく大きな値を示し、10m2/g以上、好適な場合には60m2/g以上、さらには100m2/g以上の値を示す成形体を得ることもできる。
本発明の製造方法によって製造された嵩高性構造体は、あらゆる分野で要求されるあらゆる形状の高空孔率の嵩高性構造体として利用することができる。例えば、乾燥品食材、飲料品の乾燥濃縮物、生活製品、各種工業用乾燥原料、各種フィルター、各種機能紙、各種蓄電デバイス用のセパレータ、吸収材料、医療材料用の支持体、機能膜等を挙げることができ、また、エポキシ樹脂等の各種の樹脂と複合化させることにより、半導体デバイスや配線基板用の基板、低線膨張率材料の基材等としても適用できるが、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
セルロース原料としてアバカパルプ(日本紙パルプ商事(株))を使用し、該パルプを固形分10重量%となるように水中に浸漬させて130℃、4時間のオートクレーブ処理をした後、得られた膨潤パルプを何度も水洗し、水を含浸した状態の膨潤パルプを得た。該膨潤パルプを固形分1.5重量%となるように水中に分散させて水分散体(400L)とし、ディスクレファイナー装置として相川鉄工(株)製SDR14型ラボリファイナー(加圧型DISK式)を用い、ディスク間のクリアランスを1mmとして400Lの該水分散体に対して、10分間叩解処理を進めた後、引き続いてクリアランスをほとんどゼロに近いレベルにまで低減させた条件下で叩解処理を続けた。経時的にサンプリングを行い、サンプリングスラリーに対して、JIS P 8121で定義されるパルプのカナダ標準ろ水度試験方法(以下、CSF法)のCSF値を評価したところ、CSF値は経時的に減少していき、一旦、ゼロ近くとなった後、さらに叩解処理を続けると、増大していく傾向が確認された。クリアランスをゼロ近くとしてから10分間、上記条件で叩解処理を続け、CSF値で106ml↑の叩解スラリーを得た。得られた叩解スラリーを、そのまま高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社(伊)製NS3015H)を用いて操作圧力100MPa下で5回の微細化処理を実施し、ミクロフィブリル化セルロースの水分散体(固形分濃度:1.5重量%)、M1を得た。
該水系分散液に対しミクロフィブリル化セルロースを大気圧下25℃における濾過で99%以上濾別する能力を有するPET/ナイロン混紡製の平織物(敷島カンバス社製、NT20、大気下25℃での水透過量:0.03ml/cm2・s)を、以下で使用する角型金属製ワイヤーのサイズ(25cm×25cm)に揃えて裁断したものを濾布として、バッチ式抄紙機(熊谷理機工業社製、自動角型シートマシーン)を用いて抄紙(脱水)を行った。同抄紙機に組み込まれている角形金属製ワイヤー(25cm×25cm,80メッシュ)上に上述したPET製織物を設置し、その上から抄紙用分散液440gを抄紙機へ注入し、サクション(減圧装置)大気圧に対する減圧度を4KPaとして抄紙を実施した。
次に、後に乗せた濾布を剥がして湿紙/濾布の2層の状態とし、湿紙面をドラム面に接触させるようにし、表面温度が130℃に設定された熊谷理機工業社製ドラムドライヤーに貼り付けて約120秒間乾燥させた。得られた3層体からセルロースのシート状構造物を剥離させて、白色の均一なセルロースからなる嵩高性構造体S1を得た。
S1の物性等は表2に示した通りであった。ここで、ミクロフィブリル化セルロースから成る本サンプルの空孔率の算出に当たって、前述した式(1)におけるセルロースの固体密度(D)として、1.5g/cm3を用いた。S1は、75.7%と高い空孔率を保有したシートであった。S1の表面の10000倍の倍率でのSEM画像を図1に示した。
実施例1で使用したミクロフィブリル化セルロースの水分散体M1を用い、表1に示した組成の抄紙用水系分散液を、実施例1と同じ要領で調製した。但し、油性化合物は、予め、表1にある2つの油性化合物を混合溶解しておいたものを配合した。
抄紙用分散液440gを用い、実施例1と同様の条件にて抄紙を行った。抄紙後、得られた湿紙を直ちに、実施例1の要領でプレス処理を行った後、被せた濾布を剥がし、やはり実施例1の要領で湿紙を乾燥させ、均一な白色のシート状サンプルS2を得た(実施例2)。
さらに、実施例2と全く同じ条件で抄紙を行い、得られた濾布上に乗った湿潤状態の湿紙上にさらに同じ濾布をかぶせたものを、そのままの状態で室温(18℃)で2時間、静置した後に、実施例1や実施例2と同じ要領でプレス処理、乾燥処理を行い、均一な白色のシート状サンプルS3を得た(実施例3)。
S2およびS3の物性等を表2に示した。S2はS1よりも若干透気抵抗度の低いシートであった。また、S3はS2よりもさらに透気抵抗度が低くなっており、これらの結果から、油性化合物の組成や抄紙後の経時的な湿紙内部のエマルジョンの構造変化に支配されるエマルジョンの状態がシート状の嵩高性構造体の物性に影響を及ぼしていることが示唆された。
上述したミクロフィブリル化セルロースの水分散体M1を用い、表1に示した組成の抄紙用分散液を、実施例1と同じ要領で調製した。但し、油性化合物は、予め、表1にある2つの油性化合物を混合溶解しておいたものを配合した。
抄紙用分散液440gを用い、実施例1と同様の条件にて抄紙を行った。抄紙後、得られた湿紙を直ちに、実施例1の要領でプレス処理を行った後、被せた濾布を剥がし、やはり実施例1の要領で湿紙を乾燥させ、均一な白色のシート状サンプルS4を得た(実施例4)。
S4の物性等を表2に示した。S4はS3よりもさらに透気抵抗度が低く空孔率も大幅に増大したシートであった。散乱式粒度分布測定による結果から、抄紙用分散液中のエマルジョンの油滴径はおよそ0.2μmであり、湿紙中のミクロフィブリル化セルロースのネットワークの中に微細に分散した油滴により、乾燥後も微細なネットワーク構造が保たれ、高通気性のシート状嵩高性構造体となっていることが示唆された。
上述したミクロフィブリル化セルロースの水分散体M1を用い、表1に示した組成の抄紙用水系分散液を調製すべく、まず、表1に示した各3つの成分組成が各々2倍の濃度である組成とし、家庭用ミキサーで4分間、乳化、分散を行い、プレ分散液として調製した。但し、ポリビニルアルコール系樹脂として、末端基をアルキル修飾した、クラレケミカル(株)製MP−203(登録商標)を5wt%の水溶液としてから適量、混合した。次に、該プレ分散液を、各成分が表1の濃度となるように2倍にイオン交換水で希釈し、アズワン(株)製のラボラトリーハイパワーミキサーPM−203を用いて室温、200rpmで10分間分散して抄紙用水系分散液とした。
該抄紙用水系分散液350gを用いて、実施例1と同様の抄紙、プレス処理、乾燥の各工程を経て、白色の均一性の高いシート状サンプルS5を得た。S5の物性等を表2に示した。S5は高空孔率であり、かつ通気性にも優れたシート状構造体であることが確認された。図3には、10000倍の倍率で撮影したS5の表面のSEM写真を示した。乳化安定化剤を用いることで、乳化安定化剤未使用で作製したS1−S4のサンプルに対し、著しく透気抵抗度を低減でき、通気性に富み、微細かつ均一な孔が空いた嵩高性のシートとなっていることが図1と図3の表面のSEM画像の比較からも判明した。
セルロース原料としてコットンリンターパルプ(日本紙パルプ商事(株))を使用し、該パルプを固形分10重量%となるように水中に浸漬させて130℃、4時間のオートクレーブ処理をした後、得られた膨潤パルプを何度も水洗し、水を含浸した状態の膨潤パルプを得た。該膨潤パルプを固形分1.5重量%となるように水中に分散させて実施例1の水分散体M1を調製したのと同じ条件で、新たに水分散体M2を調製した。但し、ディスクレファイナーによる叩解時の条件は、ディスク間のクリアランスを1mmとして400Lのスラリーに対して、20分間叩解処理を進めた後、引き続いてクリアランスをほとんどゼロに近いレベルにまで低減させた条件下でさらに叩解処理を続け、経時的にサンプリングを行い、上述のCSF値が160ml↑のスラリーとして、次工程である高圧ホモジナイザーによる微細化処理(条件は、実施例1と同様)を行い、ミクロフィブリル化セルロースの水分散体(固形分濃度:1.5重量%)、M2を得た。
水系分散液M1から抄紙法によりミクロフィブリル化セルロースの湿紙を製膜し、そのまま(比較例1)および有機溶媒へ置換後(比較例2)、定長乾燥させてシート状構造体を作製し、その物性を実施例と比較した。水分散体M1を、セルロース濃度が0.2重量%となるように水(イオン交換水)で希釈して440gとし、家庭用ミキサーで4分間分散して抄紙用の分散液を得た。該抄紙用分散液を用いて、実施例1と同じ条件で抄紙を行った。得られた濾布上に乗った湿潤状態の湿紙上にさらに同じ濾布をかぶせたものを、上述のシートマシンプレスを用いて0.5MPaの圧力で1分間プレス処理し、湿紙の固形分を約14重量%とした。
得られた、濾布/湿紙/濾布の3層の状態の湿紙をそのまま、表面温度が105℃に設定されたドラムドライヤーに貼り付けて約120秒間乾燥させた後、得られた3層体から濾布を剥離し、半透明のシート状サンプルR1を得た。R1の物性等を表2に示した。R1は通気性が極めて低く、空孔率も60%以下のシートであった(比較例1)。
R2は、空孔率が80%を超え、通気性のあるシートであった。同じM1を原液として用いている実施例5のS5とR2を比較することにより、本発明のエマルジョン水系分散液からの抄紙によって、より高空孔率で通気性に優れるシートが得られることが明らかになった(比較例2)。
次に、ミクロフィブリル化セルロースを有機溶媒中に分散させた分散液からの抄紙結果との比較を行った。水分散体M1を水と完全相溶する疎水性溶媒の一つである、エチルセロソルブ中に加え、さらにイオン交換水で表1に示した組成物を調製し、家庭用ミキサーで4分間分散して抄紙用の分散液を得た。該抄紙用分散液を用いて、実施例1と同じ条件で抄紙を行った。得られた濾布上に乗った湿潤状態の湿紙上にさらに同じ濾布をかぶせたものを、上述のシートマシンプレスを用いて0.5MPaの圧力で1分間プレス処理した。湿紙の固形分を約16重量%であった。3層体から抄紙直後に被せた濾布のみ剥がし、湿紙面をそのまま表面温度が105℃に設定されたドラムドライヤーに貼り付けて約120秒間乾燥させた。得られた2層体からシート状嵩高性構造体を剥離させて、白色でやや透明性のあるシート状サンプルR3を得た。
Claims (17)
- (1)水不溶性の親水性高分子0.02重量%以上20重量%以下、大気圧下での沸点範囲が50℃以上200℃以下の油性化合物0.2重量%以上20重量%以下、及び水70重量%以上99.5重量%以下を含む水系分散液を得る工程であって、該油性化合物が水相に分散したエマルジョンであって該親水性高分子を含有する水系分散液を調整する調製工程、
(2)水系分散液を構成する水の一部を脱水することによって、油性化合物の濃度を該水系分散液より増加させた濃縮組成物を得る脱水工程、
(3)濃縮組成物を加熱することによって、該濃縮組成物から油性化合物および水の一部を蒸発させて除去する乾燥工程、
の3つの工程を含む親水性高分子からなる嵩高性構造体の製造方法。 - 水系分散液が、水不溶性の親水性高分子0.02重量%以上5.0重量%以下、大気圧下での沸点範囲が50℃以上200℃以下の油性化合物0.4重量%以上10重量%以下、及び水70重量%以上99.5重量%以下を含む水系分散液である請求項1に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 水系分散液が、界面活性剤および水溶性高分子からなる群から選択される少なくとも一種を0.001重量%以上1重量%以下含む水系分散液である請求項1または2のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 水不溶性の親水性高分子が、水不溶性の多糖類である請求項1〜3のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 水不溶性の多糖類がセルロースである請求項4に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- セルロースがミクロフィブリル化セルロースである請求項5に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 脱水工程において、水系分散液を構成する水の一部を回転式脱水機で脱水する請求項1〜6のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 脱水工程において、水系分散液を構成する水の一部を抄紙機で脱水する請求項1〜6のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 水系分散液が、ミクロフィブリル化セルロース0.05重量%以上1.0重量%以下、大気圧下での沸点範囲が50℃以上200℃以下である油性化合物0.5重量%以上5重量%以下、及び水80重量%以上99.5重量%以下を含む水系分散液であって、脱水工程において、該水系分散液を構成する水の一部を抄紙機で脱水してシート状構造体を形成させる請求項8に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 油性化合物が炭素数6〜炭素数14の範囲の炭化水素の中から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 油性化合物が炭素数5〜炭素数9の範囲であり一価かつ一級のアルコールの中から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 油性化合物が、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノールの中から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む、請求項11に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- ミクロフィブリル化セルロースの数平均繊維径が2nm以上300nm以下の範囲にある請求項6〜12のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- ミクロフィブリル化セルロースの原料が、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、コットン由来パルプ、麻由来パルプ、バガス由来パルプ、ケナフ由来パルプ,及び竹由来パルプからなる群から選択された少なくとも一種のパルプである請求項6〜13のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 脱水工程において、抄紙機に通水性のあるシート状の支持体をのせて、水系分散液を構成する水の一部を該支持体上で脱水することによって、該支持体上に親水性高分子からなる嵩高性構造体を積層一体化させる工程を含み、少なくとも2層以上の積層構造を有するシート状の嵩高性構造体を製造する請求項8〜14のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 得られる嵩高性構造体が10s/100cc以上4000s/100cc以下の透気抵抗度を有するシート状の高空孔率構造体である請求項8〜15のいずれか1項に記載の嵩高性構造体の製造方法。
- 得られる嵩高性構造体が20s/100cc以上1000s/100cc以下の透気抵抗度を有するシート状の高空孔率構造体である請求項16に記載の嵩高性構造体の製造方法。
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