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JP5126487B2 - Ipmモータ及びその製造方法と電動パワーステアリング装置 - Google Patents

Ipmモータ及びその製造方法と電動パワーステアリング装置 Download PDF

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JP5126487B2 JP2007184036A JP2007184036A JP5126487B2 JP 5126487 B2 JP5126487 B2 JP 5126487B2 JP 2007184036 A JP2007184036 A JP 2007184036A JP 2007184036 A JP2007184036 A JP 2007184036A JP 5126487 B2 JP5126487 B2 JP 5126487B2
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Description

本発明は、ロータヨークの軸方向に延びた複数の磁石埋込孔内に、それぞれ帯板状の永久磁石を固定して備えたIPM(Interior Permanent Magnet)モータ及びその製造方法と、このIPMモータを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
この種の従来のIPMモータとして、永久磁石と磁石埋込孔との間の隙間にスペーサを弾性変形させた状態で配置することで、永久磁石を磁石埋込孔内に固定したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−120829号公報(段落[0021]、第1図)
ところが、上述した従来のIPMモータでは、スペーサが非磁性体であるため、磁束の貫通方向(永久磁石の板厚方向)にエアギャップが存在しているのと同じ状態であり、磁束を有効利用することができない。即ち、パーミアンス係数が低下(磁気抵抗が増大)し、永久磁石の動作点における磁束密度が小さくなるため、出力トルクの向上を図ることができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、出力トルクの向上を図ることが可能なIPMモータ及びその製造方法と、このIPMモータを備えた電動パワーステアリング装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るIPMモータ(10)は、ロータヨーク(21)に形成された複数の磁石埋込孔(23)の内部に、断面が長方形である帯板状の永久磁石(30)を固定して備え、各永久磁石(30)の外側面のうち1対の幅広外側面(31,32)を磁束が貫通するように各永久磁石(30)が着磁されたIPMモータ(10)において、各磁石埋込孔(23)には、各永久磁石(30)の一方の幅広外側面(31)全体が面当接した幅広内側面(24)と、各永久磁石(30)の他方の幅広外側面(32)に対して対向配置されかつ傾斜した傾斜内側面(25)とが形成され、永久磁石(30)の他方の幅広外側面(32)と磁石埋込孔(23)の傾斜内側面(25)との間には、他方の幅広外側面(32)全体と傾斜内側面(25)とに面当接した断面が楔形である磁性体の角柱スペーサ(40)が挿入されたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のIPMモータ(10)において、幅広内側面(24)を幅広外側面(31,32)より幅広にして、永久磁石(30)の外側面のうち1対の幅狭外側面(33,33)と、それら1対の幅狭外側面(33,33)と対向する磁石埋込孔(23)の内側面(26,26)との間に、磁束の通過を規制するためのクリアランス(28,28)を設けたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のIPMモータ(10)において、幅広内側面(24)の幅方向の中央を幅広外側面(31,32)と同じ幅で陥没させて、永久磁石(30)の板厚方向の一端部が凹凸係合する位置決凹部(29)を形成したところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のIPMモータ(10)において、角柱スペーサ(40)のうち、永久磁石(30)の他方の幅広外側面(32)と磁石埋込孔(23)の傾斜内側面(25)との間隔が最も広がった側の側面である楔基端側面(43)と、その楔基端側面(43)に対向した各磁石埋込孔(23)の内側面(26)との間に、角柱スペーサ(40)の移動を規制するためのスペーサ移動禁止部材(45)が配置されたところに特徴を有する。
請求項5の発明に係る電動パワーステアリング装置(100)は、請求項1乃至4の何れかに記載のIPMモータ(10)を、車両(110)の転舵輪(101,101)を転舵する際のハンドル操作に必要な操舵力を補助するための動力源として備えたところに特徴を有する。
請求項6の発明に係るIPMモータ(10)の製造方法は、複数の円形鋼板(21A)を積層してロータヨーク(21)を構成すると共に、各円形鋼板(21A)に打ち抜き形成したプレス孔(23A)を円形鋼板(21A)の間で連通させてロータヨーク(21)に複数の磁石埋込孔(23)を形成し、それら各磁石埋込孔(23)の内部に、断面が長方形である帯板状の永久磁石(30)を固定して備えたIPMモータ(10)の製造方法であって、各磁石埋込孔(23)の断面形状を、長方形の一辺を斜辺とした台形にしておき、各磁石埋込孔(23)のうち斜辺との対向辺に相当する幅広内側面(24)に、永久磁石(30)を当接させた状態にしてから、その永久磁石(30)と各磁石埋込孔(23)のうち斜辺に相当する傾斜内側面(25)との間に三角柱構造の角柱スペーサ(40)を挿入して、その角柱スペーサ(40)を永久磁石(30)と傾斜内側面(25)とに面当接させると共に、円形鋼板(21A)からプレス孔(23A)を打ち抜く際に、各磁石埋込孔(23)の断面形状である台形を斜辺を含む直角三角形と四角形とに分けて打ち抜くことで、直角三角形の鋼板ピース(40A)を形成し、それら鋼板ピース(40A)を積層して角柱スペーサ(40)を形成するところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、IPMモータは、帯板状の永久磁石を磁石埋込孔の内部に配置した状態で、永久磁石における他方の幅広外側面と磁石埋込孔における傾斜内側面との間の隙間に、磁性体の角柱スペーサを挿入し、その隙間内で角柱スペーサを挿入方向と直交する方向に移動させる。具体的には、永久磁石と磁石埋込孔の傾斜内側面との間隔の広い側から狭い側へと角柱スペーサを移動させる。すると、永久磁石における他方の幅広外側面全体と磁石埋込孔の傾斜内側面とに角柱スペーサが面当接して、永久磁石の一方の幅広外側面の全体が磁石埋込孔における幅広内側面に面当接すると共に、永久磁石における他方の幅広外側面と磁石埋込孔における傾斜内側面との間の隙間が、磁性体の角柱スペーサによって塞がれる。これにより、永久磁石に寸法誤差があっても、磁束が貫通する方向(即ち、1対の幅広外側面と直交する方向)における永久磁石と磁石埋込孔との間のエアギャップを無くすことができ、磁束を有効利用することができる。従って、IPMモータを大型化することなく出力トルクの向上を図ることができる。
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、永久磁石の外側面のうち1対の幅狭外側面の側方に、磁束の通過を規制するクリアランスがそれぞれ形成されているから、隣り合った永久磁石の間に磁束が延びたり、永久磁石における1対の幅広外側面間にループ状に磁束が延びるといった、所謂、磁束漏れを防止することができる。これにより、出力トルクの向上を図ることができる。
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、1対の幅狭外側面と直交する方向への永久磁石の移動が禁止され、確実にクリアランスを維持することができる。
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、IPMモータの動作中に、角柱スペーサが移動することに伴う永久磁石のがたつきやエアギャップの形成を防止することができる。
[請求項5の発明]
請求項5の電動パワーステアリング装置によれば、アシストトルクの向上を図ることができ、より大型な車両への搭載が可能となる。
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、ロータヨークを構成する円形鋼板に、それらを積層した状態で磁石埋込孔となるプレス孔を打ち抜いたときに、円形鋼板から打ち抜かれた鋼板ピースを積層して角柱スペーサが形成されるから、円形鋼板を無駄なく有効利用することができ、材料コストを抑えることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態のIPMモータ10は、例えばブラシレスモータであってステータコア11の中心にロータ20を備える。ステータコア11は、円筒体の内周面から複数(例えば12本)のティース13を内側に突出させた構造をなし、各ティース13には電線14が巻回されている。
図3に示すように、ロータ20は、例えば、複数の円板状の珪素鋼板21A(本発明の「円形鋼板」に相当する)を積層してなる円柱状のロータヨーク21の中心をロータシャフト22が貫通した構造になっている。図2に示すように、ロータヨーク21には、その外周縁に沿って界磁用の複数の永久磁石30が環状に並べて埋設されている。具体的には、ロータヨーク21の外周縁に沿って複数の磁石埋込孔23がロータ20の軸方向に延びており(図3参照)、それら磁石埋込孔23に帯板状の永久磁石30がそれぞれ挿入されている。なお、本実施形態では、複数の磁石埋込孔23は、ロータヨーク21の周方向を例えば10等配するように配置されている。
図2に示すように永久磁石30は、ロータ20の軸方向から見た断面が長方形となっている。即ち、長方形における1対の長辺に相当する1対の幅広外側面31,32と、長方形における1対の短辺に相当する1対の幅狭外側面33,33とを有し、1対の幅広外側面31,32がロータ20の径方向に対して直交するように配置されている。また、永久磁石30は、1対の幅広外側面31,32を磁束が貫通(永久磁石30の板厚方向に磁束が貫通)するように着磁されている。そして、これら幅広外側面31,32のうちの一方、具体的には、ロータ20の径方向外側に配置された幅広外側面31が、以下に詳説する磁石埋込孔23の内面に面当接した状態で、磁石埋込孔23の内側に固定されている。
図4には、磁石埋込孔23をロータ20の軸方向から見た平面形状が示されている。同図に示すように、磁石埋込孔23は、ロータ20の径方向における外側に配置されて上述の如く永久磁石30における一方の幅広外側面31の全面が面当接した幅広内側面24と、ロータ20の径方向における内側に配置されて、永久磁石の幅広外側面32と対向配置された傾斜内側面25とを備えている。幅広内側面24は、ロータ20の径方向に直交した平坦面で構成される一方、傾斜内側面25は、幅広内側面24に対して所定角度θ1で傾斜した平坦面で構成されている。
これら幅広内側面24と傾斜内側面25との両端部間は、前記幅広内側面24に直角に交差した1対の幅狭内側面26,26によって連結されている。即ち、幅狭内側面26,26のうち、一方の幅狭内側面26は傾斜内側面25と交差して鋭角を形成し、他方の幅狭内側面26は傾斜内側面25と交差して鈍角を形成する。
上述した永久磁石30と磁石埋込孔23とは、図6(A)に示すように永久磁石30を磁石埋込孔23に挿入して永久磁石30における一方の幅広外側面31を、磁石埋込孔23の幅広内側面24に面当接させた状態で、永久磁石30における他方の幅広外側面32と磁石埋込孔23の傾斜内側面25との間に、隙間27が生じる大きさになっている。隙間27は、ロータ20の周方向における一方から他方(1対の幅狭内側面26,26の一方から他方)に向かうに従って狭まった楔形をなしている。そして、この隙間27に、本発明に係る角柱スペーサ40が挿入嵌合されている。
図5(A)に示すように、角柱スペーサ40は、ロータヨーク21と同様に複数の珪素鋼板を積層してなり、本実施形態では、例えば三角柱状をなしている。同図(B)に示すように、角柱スペーサ40をロータ20の軸方向から見た平面形状は、三辺の長さが全て異なる直角三角形をなしており、その直角三角形の斜辺に相当する当接傾斜面41と、長辺に相当する当接幅広面42とがなす角度θ2が、磁石埋込孔23における幅広内側面24と傾斜内側面25とがなす角度θ1(図4(A)参照)と同一角度となっている。
そして、図6(C)に示すように、角柱スペーサ40の当接幅広面42が永久磁石30における他方の幅広外側面32の全面に面当接すると共に、角柱スペーサ40の当接傾斜面41の全面が磁石埋込孔23の傾斜内側面25と面当接している。これにより、永久磁石30のうち、ロータ20の径方向外側に配置された一方の幅広外側面31が、磁石埋込孔23の幅広内側面24に押し付けられると共に、永久磁石30のうち、ロータ20の径方向内側に配置された他方の幅広外側面32と磁石埋込孔23の傾斜内側面25との間の隙間27が、磁性体の角柱スペーサ40によって塞がれる。なお、この状態で当接傾斜面41と傾斜内側面25とが接着剤で固着されて、角柱スペーサ40の前記隙間27内での移動が禁止される。これにより、IPMモータ10の動作中に、角柱スペーサ40が移動することに伴う永久磁石30のがたつきやエアギャップの形成を防止することができ、トルクリップルや出力トルクの低下を防ぐことができる。
なお、IPMモータ10の動作中、即ち、ロータ20の回転中は、永久磁石30と角柱スペーサ40とに遠心力がかかり、この遠心力によっても、永久磁石30を幅広内側面24に押し付けることができる。
図6(C)に示すように、永久磁石30の幅狭外側面33,33と、磁石埋込孔23の幅狭内側面26,26との間には、それぞれクリアランス(空隙)28,28が形成されている。このクリアランス28,28によって、周方向で隣り合った永久磁石30,30間に磁束が延びたり、永久磁石30における幅広外側面31,32間にループ状に磁束が延びるといった、所謂、磁束漏れを防止することができる。
上記クリアランス28,28を維持するために、磁石埋込孔23の幅広内側面24には位置決凹部29が形成されている。図4(A)に強調して示すように、位置決凹部29は、幅広内側面24の幅方向の中央を、永久磁石30の幅広外側面31,32と同じ幅でかつ、永久磁石30の板厚より小さく段付き状に陥没させてなる。この位置決凹部29に、永久磁石30の板厚方向の一方側(幅広外側面31側)が嵌め込まれると、位置決凹部29の両側部に形成された両段差部29A,29Aに、永久磁石30の幅狭外側面33,33が突き当たって(図6(C)参照)、永久磁石30の長手方向への移動が禁止される。即ち、永久磁石30の幅狭外側面33,33と磁石埋込孔23の幅狭内側面26,26との間に、それぞれクリアランス28,28が形成された状態で、永久磁石30が位置決めされる。これにより、IPMモータ10の動作中に永久磁石30が磁石埋込孔23の内側で移動することが禁止され、確実にクリアランス28,28を維持することができる。なお、実際の位置決凹部29は、僅かに陥没しているだけであり、磁石埋込孔23の断面形状は、長方形の一辺を斜辺とした台形状と見なすことができる。
ところで、磁石埋込孔23は、ロータヨーク21を構成する各珪素鋼板21A(図2参照)を板厚方向に打ち抜いて形成した断面台形のプレス孔23A(図4(B)参照)を、珪素鋼板21Aの積層状態でその積層方向に連通させて形成されている。
各プレス孔23Aは、複数の打ち抜き工程に分けて打ち抜かれている。具体的には、珪素鋼板21Aにおける径方向外寄りの部位23A1を長方形状(正確には、扁平な凸形状)に打ち抜く第1工程と、径方向内寄りの部位23A2を、磁石埋込孔23の断面形状である台形の斜辺を含む直角三角形に打ち抜く第2工程と、その他残りの部位23A3を打ち抜く第3工程とに分けて打ち抜かれている。そして、径方向内寄りの部位23A2を打ち抜いた際に発生した直角三角形の鋼板ピース40Aを複数積層することで、本実施形態に係る角柱スペーサ40が形成されている(図5(A)参照)。これにより、珪素鋼板21Aを有効利用することができ、材料コストを抑えることができる。
また、図5に示すように、各鋼板ピース40Aには、鋼板ピース40Aの一部を板厚方向に押圧して係止突起40A1が形成されており、その係止突起40A1の裏側に形成された係止凹部(図示せず)に他の鋼板ピース40Aの係止突起40A1を押し込むことで、複数の鋼板ピース40Aが積層状態に保持されている。つまり、積層状態を保持するための別部品や接着剤を使用することなく、図5(A)に示すように複数の鋼板ピース40Aを積層状態に保持することができる。
以上が本実施形態におけるIPMモータ10の構造に関する説明であり、以下、ロータヨーク21に対する永久磁石30の組み付け方法について説明する。
まず、ロータヨーク21の軸方向の一端から磁石埋込孔23に永久磁石30を挿入し、幅広内側面24の位置決凹部29に嵌め込む(図6(A)参照)。その状態で、永久磁石30における他方の幅広外側面32と磁石埋込孔23の傾斜内側面25との間に形成された隙間27に、ロータヨーク21の軸方向から角柱スペーサ40を挿入する。このとき、図6(B)に示すように、永久磁石30の幅広外側面32と磁石埋込孔23の傾斜内側面25との間隔が広い側(図6(B)における左側)に、角柱スペーサ40を片寄せながら挿入することで、角柱スペーサ40の挿入作業をスムーズに行うことができる。そして、角柱スペーサ40を挿入したら、その角柱スペーサ40を挿入方向と直交する方向、詳細には、幅広外側面32と傾斜内側面25との間隔が広い側から狭い側(図6(B)における右方向)へと移動させる。
角柱スペーサ40を移動させていくと、先端部(当接傾斜面41と当接幅広面42とが交差した角部)が永久磁石30のエッジ部と傾斜内側面25との間に食い込む。そして、角柱スペーサ40の当接幅広面42が永久磁石30の他方の幅広外側面32と面当接しかつ、角柱スペーサ40の当接傾斜面41が磁石埋込孔23の傾斜内側面25に面当接して、角柱スペーサ40が行き詰まる(図6(C)参照)。すると、永久磁石30における一方の幅広外側面31が、磁石埋込孔23の幅広内側面24に面当接した状態で押し付けられ、幅広外側面32と傾斜内側面25との間に形成された隙間27が、角柱スペーサ40によって塞がる。この状態で、角柱スペーサ40の当接傾斜面41と、磁石埋込孔23の傾斜内側面25とのうちの少なくとも一方に予め塗布した接着剤によって、当接傾斜面41と傾斜内側面25とが固着される。これにより、磁束が貫通する方向(幅広外側面31,32と直交する方向)において永久磁石30と磁石埋込孔23との間のエアギャップを無くした状態で、永久磁石30が磁石埋込孔23の内部に固定される。以上でロータ20が完成であり、このロータ20を、図1に示すようにステータ11内に挿入すると共に、ロータシャフト22を図示しないベアリングにて軸支して、IPMモータ10が完成する。
このように、本実施形態のIPMモータ10において、永久磁石30を磁石埋込孔23内に固定する際には、永久磁石30を磁石埋込孔23の幅広内側面24に面当接させた状態で、永久磁石30における他方の幅広外側面32と磁石埋込孔23における傾斜内側面25との間の隙間27に磁性体の角柱スペーサ40を挿入し、その隙間27内で角柱スペーサ40を挿入方向と直交する方向に移動させる。具体的には、永久磁石30と磁石埋込孔23における傾斜内側面25との間隔の広い側から狭い側へと角柱スペーサ40を移動させる。すると、永久磁石30の幅広外側面32の全面に角柱スペーサ40の当接幅広面42が面当接しかつ、磁石埋込孔23における傾斜内側面25に角柱スペーサ40の当接傾斜面41が面当接して、永久磁石30の幅広外側面31が磁石埋込孔23における幅広内側面24に押し付けられる。また、永久磁石30と傾斜内側面25との間の隙間27が、磁性体の角柱スペーサ40によって塞がれる。これにより、永久磁石30に寸法誤差があっても、磁束が貫通する方向(1対の幅広外側面31,32と直交する方向)において永久磁石30と磁石埋込孔23との間のエアギャップを無くすことができる。よって、IPMモータ10を大型化することなく出力トルクの向上を図ることができる。
また、永久磁石と磁石埋込孔との間の隙間に弾性体のスペーサを弾性変形させた状態で配置することで、永久磁石を磁石埋込孔内に固定する従来のIPMモータでは、スペーサを変形させつつ隙間に挿入しなければならないので作業性が悪いが、本実施形態のIPMモータ10では、角柱スペーサ40を、永久磁石30と磁石埋込孔23との間の隙間27に挿入してから、隙間27内で挿入方向と直交する方向に移動させることで永久磁石30を固定することができるから、従来に比べて作業性が向上する。
次に、このIPMモータ10を使用した電動パワーステアリング装置100について説明する。図7に示すように、この電動パワーステアリング装置100は、車両110に備えた1対の転舵輪101,101の間に差し渡された転舵輪間シャフト102と、その転舵輪間シャフト102の外側を覆ったシャフトケース103とを備えている。転舵輪間シャフト102の両端は、タイロッド102T,102Tを介して各転舵輪101,101に連結され、シャフトケース103は、車両110の本体に固定されている。また、転舵輪間シャフト102の中間部分にはラック(図示せず)が形成され、シャフトケース103の中間部を側方から貫通したピニオン(図示せず)がこのラックに噛合している。
ピニオンの上端部にはインターミディエートシャフト105(以下、「インタミシャフト105」という)が連結され、そのインタミシャフト105の上端部にはステアリングシャフト106が連結され、さらにそのステアリングシャフト106の上端部にはハンドル107が連結されている。そして、インタミシャフト105とステアリングシャフト106との連結部分に、減速機構108を介してモータ10のロータ20が連結されている。また、ステアリングシャフト106には、舵角センサ111とトルクセンサ112とが取り付けられ、ハンドル107の操舵角θsを検出すると共に、ステアリングシャフト106にかかる操舵抵抗Tf(負荷トルク)を検出している。さらに、転舵輪101の近傍には、転舵輪101の回転に基づいて車速Vを検出するための車速センサ113が設けられている。そして、操舵制御装置114が、舵角センサ111、トルクセンサ112及び車速センサ113の検出信号に基づいた運転状況に応じてモータ10を駆動し、これにより運転者によるハンドル操作をモータ10で補助して転舵輪101,101を転舵することができる。
本実施形態の電動パワーステアリング装置100によれば、上述したIPMモータ10をハンドル107の操舵力を補助するための動力源として備えたので、電動パワーステアリング装置100のアシストトルクの向上を図ることができ、より大型な車両への搭載が可能となる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、ロータヨーク21の外周縁に沿って10個の永久磁石30が埋設されていたが、ロータヨーク21における永久磁石30の配置や数はこれに限るものではない。例えば、図8(A)に示すように、4つの永久磁石30を互いに直角になるように配置した構造でもよい。また、図8(B)に示すように、2つの永久磁石30,30をV字形に配置して1つの磁極とし、その磁極をロータ20の周方向に複数、均等配置した構造でもよい。
(2)上記実施形態において、角柱スペーサ40は三角柱状をなし、当接傾斜面41と当接幅広面42とが交差した角部が尖っていたが、当接傾斜面41が磁石埋込孔23の傾斜内側面25と面当接しかつ当接幅広面42が永久磁石30の幅広外側面32に面当接する前に、当接傾斜面41と当接幅広面42とが交差した角部が磁石埋込孔23の幅狭内側面26に突き当たることを防止するために、図9に示すように、当接傾斜面41と当接幅広面42とが交差した角部を無くして、角柱スペーサ40を断面台形としてもよい。
(3)図10に示すように、角柱スペーサ40のうち、永久磁石30の幅広外側面32と磁石埋込孔23の傾斜内側面25との間隔が最も広がった側の側面である楔基端側面43と磁石埋込孔23の幅狭内側面26との間に、本発明に係るスペーサ移動禁止部材45を配置して角柱スペーサ40の移動を禁止してもよい。これにより、IPMモータ10の動作中に、角柱スペーサ40が移動することに伴う永久磁石30のがたつきやエアギャップの発生を防止することができる。なお、スペーサ移動禁止部材45は、楔基端側面43と幅狭内側面26との間に、流動状態で流し込まれて固化した樹脂でもよいし、楔基端側面43と幅狭内側面26との間で圧縮変形した弾性部材でもよい。
(4)上記実施形態の永久磁石30の断面は長方形であったが、扁平な断面形状であれば長方形に限定されない。例えば、永久磁石30の断面を台形にしてもよい。
(5)前記実施形態では、ロータ20は、珪素鋼板を積層して構成されていたが、鉄板を積層して構成してもよい。
(6)珪素鋼板21Aのプレス孔23Aを1回の打ち抜き工程で形成し、その際に発生した鋼板ピースを、直角三角形となるように成形(剪断等)した後で積層して角柱スペーサ40を形成してもよい。
(7)磁石埋込孔23における永久磁石30と角柱スペーサ40の配置を、前記実施形態とは逆にしてもよい。即ち、図11に示すように、磁石埋込孔23のうち、ロータヨーク21の径方向外側に角柱スペーサ40が配置され、径方向内側に永久磁石30が配置されて、永久磁石30が径方向内側の幅広内側面24に押し付けられた構成でもよい。
本発明の一実施形態に係るIPMモータの平断面図 ロータの平断面図 ロータの部分側断面図 (A)磁石埋込孔の平面図、(B)珪素鋼板のプレス孔及び珪素鋼板から打ち抜かれた鋼板ピースの平面図 (A)角柱スペーサの斜視図、(B)角柱スペーサの平面図 永久磁石及び角柱スペーサの組み付け過程におけるロータの平面図 電動パワーステアリング装置の概念図 変形例(1)のロータの平断面図 変形例(2)の角柱スペーサの平断面図 変形例(3)に係るロータの部分拡大断面図 変形例(7)に係るロータの部分拡大断面図
符号の説明
10 IPMモータ
21 ロータヨーク
21A 珪素鋼板(円形鋼板)
23 磁石埋込孔
23A プレス孔
24 幅広内側面
25 傾斜内側面
26,26 幅狭内側面
28,28 クリアランス
29 位置決凹部
30 永久磁石
31,32 幅広外側面
33,33 幅狭外側面
40 角柱スペーサ
40A 鋼板ピース
43 楔基端側面
45 スペーサ移動禁止部材
100 電動パワーステアリング装置
107 ハンドル

Claims (6)

  1. ロータヨークに形成された複数の磁石埋込孔の内部に、断面が長方形である帯板状の永久磁石を固定して備え、前記各永久磁石の外側面のうち1対の幅広外側面を磁束が貫通するように前記各永久磁石が着磁されたIPMモータにおいて、
    前記各磁石埋込孔には、前記各永久磁石の一方の幅広外側面全体が面当接した幅広内側面と、前記各永久磁石の他方の幅広外側面に対して対向配置されかつ傾斜した傾斜内側面とが形成され、
    前記永久磁石の前記他方の幅広外側面と前記磁石埋込孔の前記傾斜内側面との間には、前記他方の幅広外側面全体と前記傾斜内側面とに面当接した断面が楔形である磁性体の角柱スペーサが挿入されたことを特徴とするIPMモータ。
  2. 前記幅広内側面を前記幅広外側面より幅広にして、前記永久磁石の外側面のうち1対の幅狭外側面と、それら1対の幅狭外側面と対向する前記磁石埋込孔の内側面との間に、磁束の通過を規制するためのクリアランスを設けたことを特徴とする請求項1に記載のIPMモータ。
  3. 前記幅広内側面の幅方向の中央を前記幅広外側面と同じ幅で陥没させて、前記永久磁石の板厚方向の一端部が凹凸係合する位置決凹部を形成したことを特徴とする請求項2に記載のIPMモータ。
  4. 前記角柱スペーサのうち、前記永久磁石の前記他方の幅広外側面と前記磁石埋込孔の前記傾斜内側面との間隔が最も広がった側の側面である楔基端側面と、その楔基端側面に対向した前記各磁石埋込孔の内側面との間に、前記角柱スペーサの移動を規制するためのスペーサ移動禁止部材が配置されたことを特徴とする請求項2又は3に記載のIPMモータ。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のIPMモータを、車両の転舵輪を転舵する際のハンドル操作に必要な操舵力を補助するための動力源として備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 複数の円形鋼板を積層してロータヨークを構成すると共に、前記各円形鋼板に打ち抜き形成したプレス孔を前記円形鋼板の間で連通させて前記ロータヨークに複数の磁石埋込孔を形成し、それら各磁石埋込孔の内部に、断面が長方形である帯板状の永久磁石を固定して備えたIPMモータの製造方法であって、
    前記各磁石埋込孔の断面形状を、長方形の一辺を斜辺とした台形にしておき、前記各磁石埋込孔のうち前記斜辺との対向辺に相当する幅広内側面に、前記永久磁石を当接させた状態にしてから、その永久磁石と前記各磁石埋込孔のうち前記斜辺に相当する傾斜内側面との間に三角柱構造の角柱スペーサを挿入して、その角柱スペーサを前記永久磁石と前記傾斜内側面とに面当接させると共に、
    前記円形鋼板から前記プレス孔を打ち抜く際に、前記各磁石埋込孔の断面形状である前記台形を前記斜辺を含む直角三角形と長方形とに分けて打ち抜くことで、前記直角三角形の鋼板ピースを形成し、それら鋼板ピースを積層して前記角柱スペーサを形成することを特徴とするIPMモータの製造方法。
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