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JP5121933B2 - 放電表面処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属粉末もしくは金属合金の粉末を成形した圧粉体、または該圧粉体を加熱処理した成型体を電極として、液中あるいは気中において、電極と被処理材との間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギーにより電極材料を溶融して被処理剤の表面に電極の材料からなる被膜または電極の材料が放電エネルギーにより反応した物質からなる皮膜の形成を行う放電表面処理により、緻密な被膜を形成するための放電表面処理方法に関するものである。
液中放電加工法によって金属材料の表面をコーティングして、耐食性、耐磨耗性を高める技術は、既に公知である。その技術の一例としては、次のようなものがある。例えば、WC(タングステンカーバイド)とCo(コバルト)の粉末を混合して圧縮成形した電極で液中パルス放電を行うことによりこの電極材料をワークに堆積させ、この後、別の電極(例えば、銅電極、グラファイト電極)によって、再溶融放電加工を行い、より高い硬度と高い密着力を得る方法が開示されている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1では、WC−Coの混合圧粉体電極を用いて、ワーク(母材S50C)に液中で放電加工を行い、WC−Coをワークに堆積させ(1次加工)、次いで銅電極のようなそれほど消耗しない電極によって再溶融加工(2次加工)を行う。この結果、1次加工のままでは、堆積組織は硬度(ビッカース硬さHv)もHv=1410程度であり、また空洞も多かったが、2次加工の再溶融加工によって被覆層の空洞が無くなり、硬度もHv=1750と向上している。この方法によって、ワークである鋼材に対しては硬くしかも密着度のよい被覆層が得られる。
ところが、上述の方法では、ワークとして超硬合金のような焼結材料を用いて、その表面に強固な密着力を持った被覆層を形成することは困難である。この点に関し、本発明者らの研究によると、硬質炭化物を形成するTi(チタン)等の材料を電極として、ワークとの間に放電を発生させると、再溶融の過程なしに強固な硬質膜をワークの金属表面に形成できることがわかった。これは、放電により消耗した電極材料と加工液中の成分であるC(炭素)とが反応して、TiC(炭化チタン)が生成することによるものである。
また、TiH(水素化チタン)などの金属の水素化物の圧粉体を電極として、ワークとの間に放電を発生させると、Ti等の材料を使用する場合よりも、速く、そして密着性良く、硬質膜を形成できる技術が開示されている(たとえば特許文献2参照)。更には、TiH等の水素化物に他の金属やセラミックスを混合した圧粉体を電極として、ワークとの間に放電を発生させると硬度、耐磨耗性等様々な性質を有する硬質被膜を素早く形成することができる技術も開示されている。
また、別の技術として、予備焼結により強度の高い表面処理電極が製造できることが開示されている(たとえば特許文献3参照)。すなわち、WC粉末とCo粉末を混合した粉末からなる放電表面処理用電極を製造する場合、WC粉末とCo粉末を混合し圧縮成形してなる圧粉体は、WC粉末とCo粉末とを混合して圧縮成形しただけでもよいが、ワックスを混入した後に圧縮成形すれば圧粉体の成形性が向上する。この場合、ワックスは絶縁性物質であり、電極中に大量に残ると電極の電気抵抗が大きくなって放電性が悪化する。このため、圧粉体電極を真空炉に入れて加熱することでワックスを除去している。
ここで、加熱温度が低すぎるとワックスが除去できず、温度が高すぎるとワックスが煤になって電極の純度を劣化させる。このため、加熱温度は、ワックスが溶融する温度以上かつワックスが分解して煤になる温度以下に保つ必要がある。そして、真空炉中の圧粉体を高周波コイルなどにより加熱することで、機械加工に耐えうる強度を与え、且つ硬化しすぎないように、例えば白墨程度の硬度まで焼成する。この状態は予備焼結状態と呼ばれる。この場合、圧粉体内の炭化物間の接触部においては相互に結合が進むが、比較的焼結温度が低く本焼結に至らない温度のため弱い結合となっている。このように形成された電極を用いて放電表面処理を行なうと、緻密で均質な被膜が形成できることが判明している。
しかしながら、上述の従来技術は、被膜の硬さや密着性、耐磨耗性や被膜形成の迅速性、被膜の緻密性と均質性という点に特徴があるものの、いずれの場合においても膜厚に関しては十分な厚みを得られず、更に改良を要する。
一般的な被膜を厚く盛り上げる技術としては、いわゆる溶接・溶射がある。溶接(ここでは肉盛溶接をいう)は、ワークと溶接棒との間の放電により溶接棒の材料をワークに溶融付着させる方法である。また、溶射は、金属材料を溶かした状態にし、スプレー状にワークに吹きつけ被膜を形成させる方法である。いずれの方法であっても人手による作業であり、熟練を要するため、作業をライン化することが困難であり、コストが高くなるという欠点がある。また、特に溶接は、熱が集中してワークに入る方法であるため、厚みの薄い材料を処理する場合など割れやすい材料では、溶接割れが発生しやすく歩留まりが低いという問題もある。
本発明者らの研究に基づく文献には、放電表面処理においてWC−Co(9:1)電極を用いて3mm程度の厚膜が形成できたことが示されているが(非特許文献1参照)、被膜形成が安定せず再現が困難であること、一見金属光沢があり緻密に見えるが空孔が多く脆い被膜であること、金属片などで強く擦ると除去されてしまうほど弱い状態である、などの問題があり、実用には困難なレベルであった。
その後の研究により、電極材質中に炭化物を形成しないもしくは形成しにくい金属材料を所定量以上混入すると、放電表面処理により緻密な厚膜が形成できることがわかった。すなわち、電極材質中におけるCo(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)などの材料を増やすことで厚膜が形成できることがわかってきており、厚膜として実用に耐えるレベルになってきている(特許文献4参照)。
特開平5−148615号公報 特開平9−192937号公報 特許第3227454号公報 国際公開第04/011696号パンフレット 「放電表面処理(EDC)による厚膜の形成」型技術、後藤昭弘他、(1999)、日刊工業新聞社
前述のように放電表面処理により厚膜を形成する方法について開示されているが、放電表面処理は微細なパルス状の放電を利用してパルスのエネルギーの単位で成膜を行なう方法であるため、被膜材料(電極材料)を完全に溶融させることはなく、パルス状の放電に起因する不連続な部分が残ってしまうという問題がある。例えば、パルス状の放電により被膜材料(電極材料)が溶融した部分の境界での結合強度が弱いという現象や、パルス状の放電により溶融した被膜材料(電極材料)が積み重なる間の部分が空隙として残るという現象などが生じる。したがって、放電表面処理により厚い被膜を緻密に形成するという観点で、まだ改善が必要である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電極と被処理材との間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギーにより電極材料を溶融して被処理剤に被膜の形成を行う放電表面処理において、緻密な厚膜を安定して形成することができる放電表面処理方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる放電表面処理方法は、金属粉末もしくは金属合金の粉末を成形した圧粉体、または該圧粉体を加熱処理した成型体を電極として、液中あるいは気中において、電極と被処理材との間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギーにより電極材料を溶融して被処理剤の表面に電極の材料からなる被膜または電極の材料が放電エネルギーにより反応した物質からなる皮膜の形成を行う放電表面処理において、前記パルス状の放電として、異なるエネルギーを有する2種類以上のパルス状の放電を混合して発生させること、を特徴とする。
本発明によれば、放電表面処理により、緻密な厚い被膜を安定して形成することができる、という効果を奏する。
図1は、圧縮体からなる電極(圧縮体電極)を成形するプロセスを説明するための模式図である。 図2は、圧粉体電極を用いて放電表面処理を行なう放電表面処理装置の要部構成を示す模式図である。 図3−1は、放電表面処理時における放電のパルス条件の一例を示す図であり、放電時の電極と被処理材との間にかかる極間電圧の電圧波形を示す図である。 図3−2は、放電表面処理時における放電のパルス条件の一例を示す図であり、放電時に流れる放電電流の電流波形を示す図である。 図4−1は、放電表面処理時における放電のパルス条件の他の例を示す図であり、放電時の電極と被処理材との間にかかる極間電圧の電圧波形を示す図である。 図4−2は、放電表面処理時における放電のパルス条件の他の例を示す図であり、放電時に流れる放電電流の電流波形を示す図である。 図5−1は、被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図5−2は、被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図5−3は、被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図5−4は、被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図5−5は、被膜の表面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図6−1は、放電パルスのパルス幅teを64μsとして形成した被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図6−2は、放電パルスのパルス幅teを4μsとして形成した被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図7−1は、実施の形態1にかかる放電表面処理方法による被膜形成のメカニズムを説明するための模式図である。 図7−2は、実施の形態1にかかる放電表面処理方法による被膜形成のメカニズムを説明するための模式図である。 図8は、パルス幅teの長いパルス放電を発生させたときの被膜の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した表面画像である。 図9は、パルス幅teの長いパルス放電の発生後に、パルス幅teの短いパルス放電を発生させたときの被膜の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した表面画像である。 図10−1は、放電表面処理時における放電のパルス条件の一例を示す図であり、放電時の電極と被処理材との間にかかる極間電圧の電圧波形を示す図である。 図10−2は、放電表面処理時における放電のパルス条件の一例を示す図であり、放電時に流れる放電電流の電流波形を示す図である。 図11は、被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図12−1は、放電表面処理時における放電のパルス条件の一例を示す図であり、放電時の電極と被処理材との間にかかる極間電圧の電圧波形を示す図である。 図12−2は、放電表面処理時における放電のパルス条件の一例を示す図であり、放電時に流れる放電電流の電流波形を示す図である。 図13−1は、被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図13−2は、被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。 図14は、被膜の断面の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像である。
符号の説明
101 Co合金粉末
102 金型の上パンチ
103 金型の下パンチ
104 金型のダイ
201 電極
202 ワーク(被処理材)
203 加工液
204 放電表面処理用電源
205 放電アーク柱
以下に、本発明にかかる放電表面処理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述により限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
本発明は、金属粉末もしくは金属合金の粉末を成形した圧粉体、または該圧粉体を加熱処理した成型体を電極として、液中あるいは気中において、電極と被処理材との間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギーにより電極材料を溶融して被処理剤の表面に電極の材料からなる被膜または電極の材料が放電エネルギーにより反応した物質からなる皮膜の形成を行う放電表面処理により、緻密な被膜を形成するための放電表面処理方法に関するものである。上述した課題に対して発明者らが研究を重ねた結果、放電表面処理を実施する際に、異なるエネルギーを有するパルス状の放電を混在させることで、形成された被膜における不連続な部分を減らし、緻密化した厚膜が形成できることが明らかとなってきた。
従来の技術では、成膜の際には同一の放電のパルス(放電パルス)を繰り返して使用することが一般的であり、このため被膜の緻密さに限界があった。これは、放電パルスが、電極材料を崩してワーク側に供給する役割と、ワーク側に移行した電極材料を溶融させる役割と、の両方を担う必要があったためである。しかし、放電表面処理を実施する際に、放電パルスのエネルギーを変えることで、電極材料を崩して均一にワーク側に供給する役割を主に担う放電パルスと、ワーク側に供給された電極材料を良く溶融させる役割を主に担う放電パルスと、を混在させて発生させ、緻密な厚い被膜を形成できることが発明者らの研究によりわかってきた。
なお、放電パルスの役割の違いについて述べたが、これは必ずしもその役割だけしか持たないという意味ではなく、電極材料を崩してワーク側に供給する役割の放電パルスでも、ワーク側に移行した電極材料は十分溶融される。また、ワーク側に移行した電極材料を溶融させる役割の放電パルスによっても、電極材料を崩してワーク側に供給される。
また、異なるエネルギーの放電パルスの種類は2種類に限定されるものではなく、エネルギーの異なる2種類以上の放電パルスを混在させることで、上述したように緻密な厚い被膜を形成できる。
パルス状の放電により放電表面処理を実施して被膜を形成する場合、電極材料のワーク側への供給のされ方、および、ワーク側へ供給された電極材料の溶融のされ方により、形成される被膜の状態が様々に変化する。これを決定する2つの主要因が電極の性質と放電の条件である。電極の性質、すなわち、材質および製造条件により決まる電極の特性を一定として、放電条件を変化させたときの被膜への影響について以下において説明する。
電極は、一例として粒径が約1μmのCo(コバルト)合金を成形した後に加熱した、仮焼結状態のものを使用した。ここで、仮焼結状態とは、加熱することにより、粉末を成形した状態よりは強度が増しているが、粉末が溶融して一体化するには至っていない状態である。
図1は、Co合金の粉末を圧縮成形して圧縮体からなる電極(圧縮体電極)を成形するプロセスを説明するための模式図である。圧縮体電極の成形プロセスとしては、金型の上パンチ102、金型の下パンチ103、金型のダイ104で囲まれた空間に、粒径1μm〜2μm程度のCo(コバルト)合金粉末101と、成形性を良くするためのワックス(2重量%〜10重量%)と、を混合した混合物を充填する。続いて、この混合物を約150MPa程度のプレス圧をかけて圧縮形成することにより圧粉体を形成する。そして、この圧粉体を600℃から800℃の範囲で加熱することにより、圧粉体自身の強度を増すと共に、混合したワックスを除去する。ただし、適切な加熱温度は、粉末の材料・粒径・圧縮の際のプレス圧などにより変化する。一般的には500℃から900℃程度の範囲の温度に適切な加熱温度が存在している。ここで、Co合金粉末101における合金の配合比率は、「Cr(クロム)25重量%、Ni(ニッケル)10重量%、W(タングステン)7重量%、残Co(コバルト)」である。
放電表面処理加工に当たっては、この圧粉体が放電電極(圧粉体電極)となる。本材料は、耐蝕性、高温硬さに優れるため、通常これらの性質の必要な部分に溶接などによりコーティング処理がなされる材料であり、耐蝕性、高温硬さを要する際のコーティング処理に好適である。このような機能を要求されず、部品の補修などで厚膜を形成するだけの用途であれば、たとえば、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)などの粉末のみで作製した圧粉体を電極として使用しても厚膜を形成することができる。
そして、電極材料としてエリンガム図においてCrを基準として炭化物を形成しないもしくは形成しにくい金属材料を40体積%以上含んだ圧粉体電極を使用することで、緻密な厚膜を形成することができる。このような金属材料としては、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)などがあげられる。
図2は、上記工程により作製された圧粉体電極を用いて放電表面処理を行なう放電表面処理装置の要部構成を示す模式図である。図2に示すように、放電表面処理装置は、上述した圧粉体からなる放電表面処理用電極である電極201と、加工液203である油と、電極201とワーク202(被処理材)との間に電圧を印加してパルス状の放電(アーク柱205)を発生させるための放電表面処理用電源204と、電極201とワーク202とを加工液203中に浸漬させる、または電極201とワーク202との間に加工液203を供給する加工液供給装置(図示せず)と、を備える。なお、図2においては、放電表面処理用電源204とワーク202との相対位置を制御する駆動装置などの本発明に直接関係のない部材は記載を省略している。
このような電極201を用いて放電表面処理装置によりワーク202表面に被膜を形成するには、電極201とワーク202とを加工液203の中で対向配置し、加工液203中において放電表面処理用電源204から電極201とワーク202との間にパルス状の放電を発生させる。この放電のエネルギーにより電極201とワーク202との間に放電アーク柱205が発生し、電極201の電極材料が崩されて放出され、ワーク202の表面に達する。この際、電極材料の一部は放電のエネルギーにより溶融し、ワーク202の表面に凝固して被膜となり、または放電のエネルギーにより電極材料が反応した物質の被膜がワーク202の表面に形成される。極性は、電極201側がマイナス、ワーク202側がプラスの極性を使用する。
緻密な厚膜を放電表面処理により形成するためには、パルス状の放電による電極材料の極間への供給量およびその後のワーク202への供給量が適切であり、且つ、供給された電極材料がパルス状の放電により溶融されてワーク202の表面に強固に結合することが必要である。
次に、放電表面処理を行う場合の放電のパルス条件について説明する。放電表面処理を行う放電のパルス条件の一例を図3−1および図3−2に示す。図3−1および図3−2は、放電表面処理時における放電のパルス条件の一例を示す図であり、図3−1は、放電時の電極201とワーク202との間にかかる極間電圧の電圧波形を示し、図3−2は、放電時に流れる放電電流の電流波形を示している。
図3−1に示すように時刻t0で両極間に無負荷電圧uiがかけられるが、放電遅れ時間td経過後の時刻t1に両極間に電流が流れ始め、放電が始まる。このときの電圧が放電電圧ueであり、このとき流れる電流がピーク電流値ieである。そして時刻t2で両極間への電圧の供給が停止されると、電流は流れなくなる。この場合の電流波形は、図3−2に示すようにほぼ矩形状の波形とされている。
時刻t2−t1が放電持続時間(パルス幅)teである。この時刻t0〜t2における電圧波形を、休止時間toをおいて繰り返して両極間に印加する。つまり、図3−1に示すように、電極201とワーク202との間に、パルス状の電圧を印加させる。
放電表面処理を行う放電のパルス条件の他の例を図4−1および図4−2に示す。図4−1および図4−2は、放電表面処理時における放電のパルス条件の他の例を示す図であり、図4−1は、放電時の電極201とワーク202との間にかかる極間電圧の電圧波形を示し、図4−2は、放電時に流れる放電電流の電流波形を示している。
このパルス条件における電流波形は、図4−2に示すように略矩形状の波形の先頭近くに高いピークの波形を組み合わせた波形である。電流波形の先頭近くの高いピークの電流部分は、放電パルスの先頭で電極201に大きな衝撃を与え、電極201を崩し、多量の電極材料をワーク202側に供給するための部分である。高いピークに続く低い電流値の電流部分は、ワーク202側に供給された電極材料を溶融するための部分であると考えられる。しかし、必ずしも上記のように役割が完全にはっきり分かれているわけではなく、先頭近くの高いピークの部分の電流でも、ワーク202側に移行した電極材料は溶融される。また、後ろの低い電流値の電流によっても、電極材料が崩され、ワーク202側に供給される。
図5−1〜図5−5は、図4−1および図4−2に示す放電のパルス条件において、パルス幅teを変化させて放電表面処理を行うことにより形成した被膜Fの状態を電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により撮影した画像であり、図5−1〜図5−4は断面の画像、図5−5は表面の画像である。図4−2に示した放電電流の電流波形における先頭近くの高いピークの電流値は30Aとし、これに続く低い電流値を4Aとした。
図5−1、図5−2は、放電パルスのパルス幅teを4μsとして形成した被膜Fの断面を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像であり、図5−1は倍率50倍での画像、図5−2は倍率300倍での画像である。パルス幅teがこのように短い場合には、ワーク202側に電極材料を供給し、溶融させる単位が小さくなるため、被膜F全体はマクロ的には均一に見える。しかしながら、溶融の単位での不連続部分、すなわち、パルス状の放電によりワーク202側に移行した電極材料が溶融した部分の境界での結合状態が弱いと考えられる部分が全体に存在し、被膜強度は弱いものになっている。
そして、放電パルスのパルス幅teを伸ばすに従い、ワーク202側に移行した電極材料が溶融する単位が大きくなり、あるところから全体が均一な被膜ではなく、溶融している部分が柱状に成長した状態の組織になっていく。例えば、図5−3、図5−4は、放電パルスのパルス幅teを64μsとして形成した被膜Fの断面を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像であり、図5−3は倍率50倍での画像、図5−4は倍率300倍での画像である。また、図5−5は、放電パルスのパルス幅teを64μsとして形成した被膜Fの表面を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像であり、倍率300倍での画像である。
これらの断面画像からわかるように、放電パルスのパルス幅teが長くなると、ワーク202側に移行した電極材料の溶融部分が柱状に伸び、柱と柱との間に十分溶融していない粒状の部分あるいは空隙が存在している。パルス幅teが長い場合にこのような状態の組織になる原因は、被膜側に移行した材料が長時間にわたり長いパルスで溶融されることで、図5−5の表面画像のように十分溶融した材料が表面張力により盛り上がり膨らんだ状態で凝固するため、再度近くに放電が発生する場合に、その膨らんだ部分に放電が発生するためであると考えられる。したがって、柱状の組織が形成される場合は、ワーク202側に移行した電極材料が十分に溶融した結合強度の強い部分と、その間に存在して熱が十分に入っていない部分と、が混ざった組織となっている。この組織は溶融している部分は結合強度が強いが、溶融していない部分は結合強度が弱いため、全体としては欠陥のある組織となっている。
図6−1、図6−2は、図3−1および図3−2に示す放電のパルス条件において、パルス幅teを変化させて形成した被膜の断面を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像であり、図6−1は放電パルスのパルス幅teを4μsとした場合の断面画像、図6−2は放電パルスのパルス幅teを64μsとした場合の断面画像である。倍率はともに300倍である。矩形状の電流値は4Aとしている。図6−1、図6−2の画像からわかるように、パルス幅teの短い条件では、先頭部分のパルスの効果が大きく現れ、パルス幅teが長くなるに従い、図4−1、図4−2の矩形波の部分との差は小さくなる。
図3−1、図3−2に示す放電のパルス条件および図4−1、図4−2に示す放電のパルス条件のいずれの場合も、パルス幅teの短い、放電エネルギーの小さいパルスでは、均一ではあるが結合強度の弱い被膜ができる。結合強度が弱い原因は、エネルギーの投入が少なく、十分に被膜材料、すなわちワーク202側に移行した電極材料を溶かしていないためである。一方、パルス幅teの大きい条件では被膜が柱状になり、柱状の部分はしっかり溶融した、結合強度が強固な状態となっており、その間の部分は溶融していない、結合強度が弱い状態になっている。いずれの状態も被膜としては欠陥があり、良い状態ではない。
そこで、本発明においては、均一さと結合強度の強さとを兼ね備えた緻密な厚い被膜を安定して形成することを実現する。
先に説明したように、パルス幅teの短い、エネルギーの小さいパルスでは、均一ではあるが結合強度の弱い被膜が形成される。結合強度が弱い原因は、被膜材料、すなわちワーク202側に移行した電極材料への放電によるエネルギーの投入量が少なく、十分に被膜材料を溶かしていないためである。
一方、パルス幅teの大きい条件で被膜を形成する場合に柱状の組織が形成されるのは、ワーク202側に移行した電極材料が溶融した部分に次の放電が発生しやすい状態になり、溶融した部分の間に存在する放電の発生していない部分に放電が発生しにくくなり、放電の偏在が生じるためである。したがって、柱状の不均一な組織にしないためには放電の偏在を防止することが必要である。放電の偏在を防止できれば、被膜材料をより良く溶融させることができ、強い被膜を形成することができる。
本発明においては、良く溶融した被膜を形成するためのパルス幅teの長い条件のパルス(大パルス)の放電で被膜を形成し、且つ、放電分散用、すなわち放電の偏在を防止するためのパルス幅teの短い条件のパルス(小パルス)の放電により材料の供給を行う。以下、図7−1、図7−2を用いて本発明における放電表面処理方法による被膜形成のメカニズムについて説明する。図7−1および図7−2は、実施の形態1にかかる放電表面処理方法による被膜形成のメカニズムを説明するための模式図である。
図7−1は、被膜形成の途中段階であり、主パルスであるパルス幅teの長いパルスにより、短時間放電を発生させたときの被膜の状態を示している。短時間というのは「放電が連続して発生して、何層にも膜が形成される前」、の意味であり、膜が数層形成される程度以下の時間のことである。図7−1に示すように、被膜には、以下の2つの部分が形成される。第1に、放電のアーク柱の領域中において供給された電極材料が溶融されてできる、主溶融部分(放電痕)である第1の放電痕部分301である。第2に、主溶融部分の周辺に分布する、電極材料が降り注いでいるが主溶融部分のように十分には溶融していない第2の放電痕部分302である。第2の放電痕部分302には、十分には溶融していない粒状の付着物が形成される。
第2の放電痕部分302においても、電極材料が全く溶融せずにそのまま降り注いでいるわけではなく、付着物の粒の大きさは電極を構成する材料の粒径よりは大きくなっているので溶融はしていると考えられる。主溶融部分である第1の放電痕部分301は、十分溶融しているため表面張力により、丸く膨れた形状になる傾向があり、放電が何度か発生すると周辺の十分溶融していない第2の放電痕部分302に比較して十分に凸形状となり、そのまま放電を続けると放電をその場所に誘引しやすい状態になる。
そのような状態に陥る前に、パルス幅teの短いパルス放電を発生させると、図7−2に示すように、パルス幅teの長いパルス放電により形成された凸形状の部分(第1の放電痕部分301)を覆うことができる。この状態になると、図7−1に示す状態において形成された凸形状の部分(第1の放電痕部分301)は見えない状態になる。このため、再度パルス幅teの長いパルス放電を発生させた場合でも主溶融部分である第1の放電痕部分301に放電が偏在することなく、どの部分でも同じ確率で放電が発生しやすい状態になり、より均一に良く溶融された被膜を形成できるようになる。
図8は、パルス幅teの長いパルス放電を発生させたときの被膜の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した表面画像である。図9は、パルス幅teの長いパルス放電の発生後に、パルス幅teの短いパルス放電を発生させたときの被膜の状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した表面画像である。倍率はともに300倍である。
ここで、長いパルス幅teの条件は64μs、休止時間64μsであり、短いパルス幅teの条件は、4μs、休止時間8μsである。図10−1、図10−2に示すように、長いパルス幅teの条件で10秒間放電を発生させ、その後、短いパルス幅teの条件で10秒間放電を発生させた。そして、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電とを周期的に交代させて、放電表面処理による被膜の形成を行った。
その結果、図9からわかるように、パルス幅teの長いパルス放電の後にパルス幅teの短いパルス放電を発生させることで、凸形状の部分を被膜材料(電極材料)により覆い隠すことができている。
以上のように、長いパルス幅teと短いパルス幅teとを混在させた放電のパルス条件を採用し、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電とを交互に繰り返すことで、パルス幅teの長いパルス放電に特徴的な放電の偏在を防止することができ、緻密な被膜を形成することができる。図11は、本実施の形態の方法で形成した被膜Fの断面を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像であり、倍率300倍での画像である。図11から分かるように、本実施の形態の方法で形成した被膜Fは、柱状の部分が存在せず、均一で、溶融部分の多い被膜になっている。
なお、本実施の形態において使用した放電のパルス条件は、図10−1、図10−2に示した電流波形の先頭に高いピークのある条件であるが、必ずしもこの条件に限る訳ではない。図12−1、図12−2に示すように、長いパルス幅teの放電パルスと、短いパルス幅teの放電パルスに図3−1、図3−2の矩形状の電流波形の放電パルスを用いても同様の効果を得ることはできる。また、図3−1、図3−2に示す放電のパルス条件と、図4−1、図4−2に示す放電のパルス条件とを組み合わせて使用しても良い。
ただし、図10−1、図10−2に示した放電のパルス条件の方が、ワーク202への電極材料の供給速度が速いため、処理速度が速くなるという利点がある。また、図10−1、図10−2に示した放電のパルス条件の方が、電極を崩してワーク202側に供給する能力が高いため、電極の強度が高く丈夫な場合でも被膜を形成することができる。図12−1、図12−2に示した放電のパルス条件では、電極の強度が高く丈夫になると十分に電極を崩すことができず、被膜形成が行えなくなることがある。
また、2種類以上の異なるパルスにより異なるエネルギーを有する2種類以上のパルス放電を発生させる場合、長いパルス幅teのパルス放電により形成された十分溶融していない第2の放電痕部分302の未溶融の粒子の粒径は、パルス幅teの短いパルス放電による放電痕(未溶融の粒子)の大きさと同程度以下となるように、長いパルス幅teの放電パルスと短いパルス幅teの放電パルスとを組み合わせることが好ましい。これにより、パルス幅teの短いパルス放電による放電痕(未溶融の粒子)により、凸形状の部分(第1の放電痕部分301)を確実に覆い隠すことができ、パルス幅teの長いパルス放電に特徴的な放電の偏在を防止することができ、緻密な被膜を形成することができる。
また、上記においては、パルス幅teとして4μsと64μsとを使用した場合について説明したが、パルス幅teはこれに限られるわけではない。長いパルス幅teの条件は、例えば50μs以上、500μs以下が好ましい。長いパルス幅teが50μsより小さい場合には、電極材料を崩して均一にワーク202側に供給する役割を十分に果たせない虞がある。長いパルス幅teが500μsより大きい場合には、ワーク202側への電極材料の供給が過剰となり、良く溶融させられない虞がある。
また、短いパルス幅teの条件は、例えば2μs以上、20μs以下が好ましい。短いパルス幅teが2μsより小さい場合には、ワーク202側に供給された電極材料を良く溶融させる役割を十分に果たせない虞がある。短いパルス幅teが20μsより大きい場合には、柱状の組織になるのを十分に防ぐことができない可能性がある。
また、上記においては、パルス幅teの長いパルスを連続して発生する1周期の時間と、パルス幅teの短いパルスを連続して発生する1周期の時間、すなわちパルス幅teの長いパルスとパルス幅teの短いパルスとを交代する周期を10秒としたが、それぞれの周期の時間はこれに限られるわけではなく、放電数発分の時間、から数十秒までの範囲で、上述した効果が得られる。それぞれの周期の時間は、例えば10ms〜20秒が好ましい。それぞれの周期をこのような時間とすることで、上述した効果を確実に得ることができる。
上述したように、本実施の形態にかかる放電表面処理方法によれば、均一さと結合強度の強さとを兼ね備えた緻密な厚い被膜を安定して形成することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電との組み合わせにより、均一で緻密な被膜を形成できることを説明したが、被膜の緻密さがこれらのパルス放電の交代の方法により影響を受けることが発明者らの研究により明らかとなった。
パルス幅teの長いパルスの割合が最適の場合よりも多い場合には、パルス幅teの長いパルスでの放電により形成される被膜表面の凸形状部分をパルス幅teの短いパルスでの放電により十分に覆い隠すことができず、放電の偏在をなくすことが十分にはできないという現象が現れてくる。図13−1、図13−2は、長いパルス幅teの放電の割合を適正な範囲であるところの実施の形態1の時間の倍の割合にして形成した被膜Fの状態を電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像であり、図13−1は被膜Fの断面を撮影した画像、図13−2は被膜Fの表面を撮影した画像である。倍率はともに300倍である。
図13−1から分かるように、全てがパルス幅teの長いパルス放電により形成された被膜よりは均一であり、真っ直ぐに伸びる柱状の組織にはなっていないが、柱状になりかけた様子が見られる。また、図13−2からわかるように、最後にパルス幅teの短いパルス放電で処理を終了しているにもかかわらず、被膜Fの表面にパルス幅teの長いパルス放電により形成された凸形状の部分、すなわち、丸く溶融した部分が見られる。これは、パルス幅teの短いパルス放電の割合が少ないために被膜Fを十分に平坦にできておらず、パルス幅teの長いパルス放電が以前に発生した場所にまだ放電が発生しやすいことを表している。
以上より明らかなように、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電の混合割合には、適切な条件の範囲がある。パルス幅teの長いパルス放電により形成される凸形状部分をパルス幅teの短いパルス放電により形成される被膜が覆い隠す時間だけ、パルス幅teの短いパルス放電を連続させることが好ましい。また、パルス幅teの短いパルス放電の割合が多すぎる場合には、パルス幅teの長いパルス放電により被膜を十分に溶融させることができず、パルス幅teの短いパルス放電のみにより形成される被膜に近い被膜になる。
以上より、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電との最適なパルス条件の切り替えは、パルス幅teの長いパルス放電により形成された凸形状部分(放電痕)がパルス幅teの短いパルス放電によりちょうど隠れたタイミングで再度パルス幅teの長いパルス放電に切り替えることが好ましい。
実施の形態3.
実施の形態2においては、凸形状部分(放電痕)を覆い隠す観点から、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電との切り換えのタイミングについて説明したが、処理を行う面積の観点からパルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電との切り換えを行っても良い。すなわち、放電表面処理による被膜形成面積が大きくなるほど、パルス幅teの長いパルス放電の周期とパルス幅teの短いパルス放電のそれぞれの周期に長い時間をかけてもよい。一方、被膜形成面積が小さい場合には、切り替えのタイミングを早くしなければならない。
被膜形成面積が小さい場合には、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電とのそれぞれの放電パルスの周期が長い、すなわち同じ放電のパルス条件での被膜形成が長く続くと、被膜の堆積速度が速くなるため、パルス幅teの長いパルス放電による被膜とパルス幅teの短いパルス放電による被膜とが混ざりあわずに分離した被膜になる。一方、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電とのそれぞれの放電パルスの周期が短い、すなわち同じ放電のパルス条件での被膜形成が長く続かない場合には、通常大きな問題はない。これは、放電は、連続して近い位置に発生する性質があり、それぞれの放電パルスの周期が短い場合にはパルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電とが混ざり合うためである。放電が発生するとアーク柱の位置にプラズマが生成されるので、その近くに放電が発生しやすくなり、また、放電の発生により崩されて放出された電極材料の粉末が放電の位置周辺に滞在するために次の放電を誘発することが、連続する放電の位置が近くに集まる理由である。
したがって、放電表面処理による被膜形成面積に応じて、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電とを切り替えるタイミングを調整することが、均一で緻密な被膜の形成に有効である。
実施の形態4.
被膜を緻密にするためのパルス放電の組み合わせには、以下のことを考慮すると、より良い条件を選択することができる。パルス幅teの長いパルス放電が発生した場合には、前述のように主溶融部分である第1の放電痕部分301と、その周辺に分布して十分には溶融していない粒状の付着物が堆積した第2の放電痕部分302が形成される。第2の放電痕部分302の粒状の付着物は、その位置に放電が発生すれば溶融させることができる粒である。
しかし、パルス幅teの長いパルス放電により被膜表面にできた凸形状の部分を覆い隠すためのパルス幅teの短いパルス放電による溶融の単位が、パルス幅teの長いパルス放電により十分には溶融していない第2の放電痕部分302に堆積した粒の大きさよりも著しく大きい場合には、図14に示すように、次のパルス幅teの長いパルス放電により十分に溶かすことができず、溶融できていない粒311が残存する場合がありえる。
このような現象を防ぐためには、パルス幅teの短いパルス放電による主溶融部の大きさがパルス幅teの長いパルス放電により十分には溶融していない粒の大きさ程度以下になるように、パルス幅teの長いパルス放電とパルス幅teの短いパルス放電の組み合わせを選択することが好ましい。これにより、図14に示すように溶融できていない粒311が残存することを防止して、均一で緻密な被膜を形成することが可能となる。
以上のように、本発明にかかる放電表面処理方法は、放電表面処理により均一で緻密な被膜を形成する場合に有用である。

Claims (11)

  1. 金属粉末もしくは金属合金の粉末を成形した圧粉体、または該圧粉体を加熱処理した成型体を電極として、液中あるいは気中において、電極と被処理材との間にパルス状の放電を発生させ、そのエネルギーにより電極材料を溶融して被処理剤の表面に電極の材料からなる被膜または電極の材料が放電エネルギーにより反応した物質からなる皮膜の形成を行う放電表面処理において、
    前記パルス状の放電として、異なるエネルギーを有する2種類以上のパルス状の放電を混合して発生させること、
    を特徴とする放電表面処理方法。
  2. 前記金属合金が、エリンガム図においてCrを基準として炭化物を形成しないもしくは形成しにくい金属材料を40体積%以上含むこと、
    を特徴とする請求項1に記載の放電表面処理方法。
  3. 前記炭化物を形成しないもしくは形成しにくい金属材料が、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、W(タングステン)またはMo(モリブデン)であること、
    を特徴とする請求項2に記載の放電表面処理方法。
  4. 前記異なるエネルギーを有する2種類以上のパルス状の放電として、パルス幅の長い条件の第1のパルス状の放電と、前記第1のパルス状の放電よりもパルス幅の短い条件の第2のパルス状の放電と、を発生させること
    を特徴とする請求項1に記載の放電表面処理方法。
  5. パルス幅が50μs以上である前記第1のパルス状の放電と、パルス幅が20μs以下である前記第2のパルス状の放電と、を混合して発生させること、
    を特徴とする請求項4に記載の放電表面処理方法。
  6. 前記第1のパルス状の放電と前記第2のパルス状の放電とを、所定の周期で交代して発生させること、
    を特徴とする請求項4に記載の放電表面処理方法。
  7. 前記周期が、10ms〜20秒の範囲であること、
    を特徴とする請求項6に記載の放電表面処理方法。
  8. 前記周期を、前記皮膜の形成を行う面積に応じて変更すること、
    を特徴とする請求項6に記載の放電表面処理方法。
  9. 前記第1のパルス状の放電により形成された被膜において前記電極材料が溶融されてなる凸形状部分が、前記第2のパルス状の放電により形成された被膜により覆われるまで前記第2のパルス状の放電を連続して発生させること、
    を特徴とする請求項4に記載の放電表面処理方法。
  10. 前記第1のパルス状の放電により形成された被膜において前記電極材料が溶融されてなる凸形状部分の周辺に分布する粒の粒径を、前記第2のパルス状の放電により形成された被膜における粒の粒径以下とすること、
    を特徴とする請求項4に記載の放電表面処理方法。
  11. 前記異なるエネルギーを有する2種類以上のパルス状の放電として、ピーク電流値の異なる2種類以上のパルスを混合して発生させること、
    を特徴とする請求項1に記載の放電表面処理方法。
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