JP5121426B2 - 半導電性共重合ポリイミドベルト、その製造方法及び中間転写ベルト - Google Patents
半導電性共重合ポリイミドベルト、その製造方法及び中間転写ベルト Download PDFInfo
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Description
前記ポリイミド樹脂を、
15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分、又は、
15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルと85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルを含むビフェニルテトラカルボン酸ジエステル成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分
から得られる樹脂とする、半導電性共重合ポリイミドベルトとすることで、上記の目的を達成できることを見出した。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
前記ポリイミド樹脂が、15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分から得られる半導電性共重合ポリイミドベルト。
前記ポリイミド樹脂が、15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルと85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルを含むビフェニルテトラカルボン酸ジエステル成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分から得られる半導電性共重合ポリイミドベルト。
(引張破断強さ:σb)/(引張降伏強さ:σy)≧1.1
を満たす項1〜4のいずれかに記載の半導電性共重合ポリイミドベルト。
(1)重力加速度の0.5〜10倍の遠心加速度で回転する円筒金型の内周面に、該カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物を塗布する工程、
(2)該円筒金型を重力加速度の0.5〜10倍の遠心加速度で回転させたまま100〜140℃の温度で加熱して、自己支持性の皮膜を形成する工程、及び
(3)該皮膜を円筒金型の内周面に付着した状態のまま300℃以上の温度で加熱してイミド化する工程、
を含むこと特徴とする製造方法。
(1)重力加速度の0.5〜10倍の遠心加速度で回転する円筒金型の内周面に、該カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物を塗布する工程、
(2)該円筒金型を重力加速度の0.5〜10倍の遠心加速度で回転させたまま100〜140℃の温度で加熱して、自己支持性の皮膜を形成する工程、及び
(3)該皮膜を円筒金型の内周面に付着した状態のまま300℃以上の温度で加熱してイミド化する工程、
を含むこと特徴とする製造方法。
本発明は、ポリイミド樹脂を70〜80重量%及びカーボンブラックを30〜20重量%含み、表面抵抗率が1×108〜1×1014Ω/□である半導電性共重合ポリイミドベルトであって、前記ポリイミド樹脂が、
15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分から得られる半導電性共重合ポリイミドベルト、または、
前記ポリイミド樹脂が、15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルと85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルを含むビフェニルテトラカルボン酸ジエステル成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分から得られる半導電性共重合ポリイミドベルト
に関する。
本発明で用いるポリイミド樹脂としては、
15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分から得られるポリイミド樹脂(1)、または、
15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルと85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルを含むビフェニルテトラカルボン酸ジエステル成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分から得られるポリイミド樹脂(2)
であれば特に限定されるものではない。
前述のようにナイロン塩型モノマー溶液中では、ビフェニルテトラカルボン酸ジエステル成分と芳香族ジアミン成分が実質的モノマー状態で存在するため上記の有機極性溶媒に極めて溶解しやすく、使用する溶媒の量を極力低減できるというメリットがある。
本発明で使用するカーボンブラックは、特に限定されるものではなく、例えば、カーボンブラック粒子表面にポリマーをグラフト化させたり、絶縁材を被覆したりすることで導電特性を制御したカーボンブラックでもよく、また、カーボンブラック粒子表面に酸化処理を施したカーボンブラック等であってもよい。これらの中でも、オイルファーネス法のカーボンブラックは、燃料を燃やした1400℃以上の高温ガス中で炭化水素を還元雰囲気で熱分解してつくるため、粒子内部や表面の酸素含有量や不純物が著しく少なく、結晶子が発達するため好ましい。さらに、オイルファーネス法で製造されたカーボンブラックを、さらに酸化処理により揮発分含有量2〜5重量%に調整(より好ましくは2.5〜5重量%)されたものが好ましい。
本発明は、15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分との略等モル量とを、有機極性溶媒中で反応して重量平均分子量が25000以下のポリイミド前駆体溶液を製造し、該ポリイミド前駆体溶液に、カーボンブラックを均一分散させてポリイミド前駆体溶液組成物を調製し、該カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物を回転成形法にて管状物に成形し、該成形体を加熱処理してイミド化する半導電性共重合ポリイミドベルトの製造方法、
15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステル及び85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルを含むビフェニルテトラカルボン酸ジエステル成分と2種の芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン成分との略等モル量とを、有機極性溶媒に溶解してナイロン塩型モノマー溶液を調製し、該ナイロン塩型モノマー溶液に、カーボンブラックを分散させてポリイミド前駆体溶液組成物を調製し、該カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物を回転成形法にて管状物に成形し、該成形体を加熱処理してイミド化する半導電性共重合ポリイミドベルトの製造方法であって、
(1)重力加速度の0.5〜10倍程度の遠心加速度で回転する円筒金型の内周面に該カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物を均一な厚さで塗布する工程、
(2)該円筒金型を重力加速度の0.5〜10倍の遠心加速度で回転させたまま100〜140℃の温度で加熱して、自己支持性の皮膜を形成する工程、及び
(3)該皮膜を円筒金型の内周面に付着した状態のまま300℃以上の温度で加熱してイミド化する工程、
を含むこと特徴とする半導電性共重合ポリイミドベルトの製造方法に関する。
ここで、rは円筒金型の半径(m)、ωは角速度(rad/s)、nは1秒間での回転数(60秒間の回転数がr.p.m.)を示す。比較する重力加速度(g)は、9.8 (m/s2)である。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
全ビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分に対して、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物30モル%と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物70モル%、全芳香族ジアミン成分に対して、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20モル%とp−フェニレンジアミン80モル%とを、NMP溶液中で合成したポリイミド前駆体溶液(重量平均分子量32,000)を5kg用意した。この溶液は粘度5.3Pa・s(30℃)、固形分濃度18.5重量%であった。
前記液体原料Aを、外径324mm、内径300mm、長さ500mmの円筒金型内周面にスプレー法にて塗布し、重量加速度の9.0倍の遠心加速度(約231.7r.p.m.)で回転させながら、長さ500mmの円筒金型内周面に長さ480mmの均一な展開膜を得た。塗布の厚さは、不揮発分濃度から算出し、ポリイミド樹脂ベルトの厚さが90μmになるように決定した。その後も重量加速度の9.0倍の遠心加速度(約231.7r.p.m.)で回転させたまま、30分間かけて120℃に昇温し、その後120℃で90分間保持して溶媒を揮発させた。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
全ビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分に対して、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物20モル%と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物80モル%、全芳香族ジアミン成分に対して、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル50モル%とp−フェニレンジアミン50モル%とを、NMP溶液中で合成したポリイミド前駆体溶液(重量平均分子量 20,000)を5kg用意した。この溶液は粘度10Pa・s(30℃)、固形分濃度30重量%であった。
前記液体原料Bを、外径324mm、内径300mm、長さ500mmの円筒金型内周面にスプレー法にて塗布し、重量加速度の5倍の遠心加速度(約172.7r.p.m.)で回転させながら、長さ500mmの円筒金型内周面に長さ480mmの均一な展開膜を得た。塗布の厚さは、不揮発分濃度から算出し、ポリイミド樹脂ベルトの厚さが90μmになるように決定した。その後も重量加速度の5.0倍の遠心加速度(約172.7r.p.m.)で回転させたまま、30分間かけて120℃に昇温し、その後120℃で80分間保持して溶媒を揮発させた。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
NMP溶液とメタノールの混合溶媒(NMP:メタノール=100:22(重量比))に2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物50モル%と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物50モル%を投入し、酸無水物がアルコールと反応して開環して、芳香環上の隣接する炭素上にそれぞれエステル基とカルボキシル基を有するジエステル(ハーフエステル)を合成した後、この溶液に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル50モル%とp−フェニレンジアミン50モル%とを投入し、50℃で3時間攪拌した後、過剰なメタノールは60℃で1時間かけて取り除くことでナイロン塩型モノマー溶液を5kg用意した。この溶液は粘度0.2Pa・s(30℃)、固形分濃度40.0重量%であった。
前記液体原料Cを、外径324mm、内径300mm、長さ500mmの円筒金型内周面にスプレー法にて塗布し、重量加速度の1倍の遠心加速度(約77.2r.p.m.)で回転させながら、長さ500mmの円筒金型内周面に長さ480mmの均一な展開膜を得た。塗布の厚さは、不揮発分濃度から算出し、ポリイミド樹脂ベルトの厚さが90μmになるように決定した。その後も重量加速度の1.0倍の遠心加速度(約77.2r.p.m.)で回転させたまま、30分間かけて120℃に昇温し、その後120℃で60分間保持して溶媒を揮発させた。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
全ビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分に対して、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物20モル%と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物80モル%、全芳香族ジアミン成分に対して、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル80モル%とp−フェニレンジアミン20モル%とを、NMP溶液中で合成したポリイミド前駆体溶液(重量平均分子量 22,000)を5kg用意した。この溶液は粘度10Pa・s(30℃)、固形分濃度28重量%であった。
上記液体原料Dを用いた以外は実施例1と同様にして、カーボンブラック充填ポリイミドシームレスベルト(平均膜厚:90μm)を作製した。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとを、NMP溶液中で合成したポリイミド前駆体溶液(重量平均分子量 33,000)を5kg用意した。この溶液は粘度5.0Pa・s(30℃)、固形分濃度18.0重量%であった。
前記液体原料Eを、外径324mm、内径300mm、長さ500mmの円筒金型内周面にノズル式の吐出装置にて指定量を投入した。次に、重力加速度の100倍の遠心加速度(約772.3r.p.m.)で、投入した液体原料を内周面に均一な塗膜厚みに流延させた。遠心加速度が小さいと液体原料の流動が充分に行われず、円筒金型への投入した部位の塗膜厚みが大きいままで成形されてしまう。そのため、遠心力を利用した回転成形法では、大きな遠心加速度で液体原料を円筒金型の内周面に均一に流延させることが最小限必要となる。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物100モル%とp−フェニレンジアミン100モル%とを、NMP溶液中で合成したポリイミド前駆体溶液(重量平均分子量 30,000程度)を5kg用意した。この溶液は粘度5Pa・s(30℃)、固形分濃度18.5重量%であった。
前記液体原料Fを、外径324mm、内径300mm、長さ500mmの円筒金型内周面にノズル式の吐出装置にて指定量を投入した。次に、重力加速度の30倍の遠心加速度(約423r.p.m.)で、投入した液体原料を内周面に均一な塗膜厚みに流延させた。その後、比較例1と同様の方法でポリイミド転化を完了し、カーボンブラック充填ポリイミドシームレスベルト(平均膜厚:90μm)を作製した。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物100モル%及び、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル100モル%とを、NMP溶液中で合成したポリイミド前駆体溶液(重量平均分子量 30,000程度)を5kg用意した。この溶液は粘度5Pa・s(30℃)、固形分濃度18.5重量%であった。
前記液体原料Gを、外径324mm、内径300mm、長さ500mmの円筒金型内周面にスプレー法にて塗布し、重力加速度の11倍の遠心加速度(約256.1r.p.m.)で、液体原料を内周面に均一な塗膜厚みに流延させた。その後も重量加速度の11倍の遠心加速度(約256.1r.p.m.)で回転させたまま、30分間かけて120℃に昇温し、その後120℃で90分間保持して溶媒を揮発させた。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物100モル%及び、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル100モル%とを、NMP溶液中で合成したポリイミド前駆体溶液(重量平均分子量 20,000程度)を5kg用意した。この溶液は粘度1.4Pa・s(30℃)、固形分濃度19.5重量%であった。
上記液体原料Hを用いた以外は実施例2と同様にして、カーボンブラック充填ポリイミドシームレスベルト(平均膜厚:90μm)を作製した。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
NMP溶液とメタノールの混合溶媒(NMP:メタノール=100:22(重量比))に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物100モル%を投入し、酸無水物がアルコールと反応して開環して、芳香環上の隣接する炭素上にそれぞれエステル基とカルボキシル基を有するジエステル(ハーフエステル)を合成した後、この溶液に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル50モル%とp−フェニレンジアミン50モル%とを投入し、50℃で3時間攪拌した後、過剰なメタノールは60℃で1時間かけて取り除くことでナイロン塩型モノマー溶液を5kg用意した。この溶液は粘度0.2Pa・s(30℃)、固形分濃度40.0重量%であった。
上記液体原料Iを用いた以外は実施例3と同様にしてカーボンブラック充填ポリイミドシームレスベルト(平均膜厚:90μm)を作製しようとしたところ、120℃の加熱処理中に円筒金型内周面の塗膜に無数のクラックが入りはじめ、最終的に粉状に破損してしまった。
(カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の作製)
全ビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物100モル%、全芳香族ジアミン成分に対して、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル50モル%とp−フェニレンジアミン50モル%とを、NMP溶液中で合成したポリイミド前駆体溶液(重量平均分子量 22,000)を5kg用意した。この溶液は粘度1.8Pa・s(30℃)、固形分濃度19.5重量%であった。
上記液体原料Jを用いた以外は実施例1と同様にしてカーボンブラック充填ポリイミドシームレスベルト(平均膜厚:90μm)を作製しようとしたところ、高温加熱炉に投入し、120分間かけて320℃に昇温し、320℃で60分間高温加熱した後、室温まで冷却したところ粉状に破損してしまっていた。
(1)窒素吸着表面積
窒素吸着表面積は、JIS K6217(低温窒素吸着法)に準拠して測定した。或いは、市販カーボンの特性データを参照した。
DBP吸収量は、JIS K6217に準拠して測定した。或いは、市販カーボンの特性データを参照した。
揮発分含有量は、JIS K6221に準拠して、該カーボンブラックを950℃で7分間加熱した時の減量を測定し、加熱前のカーボンブラック重量に対する減量をパーセント表示(重量%)した。
pH値は、ASTM D1512に準拠した値とした。
80℃で24時間乾燥したカーボンブラック5gを円筒状のガラス濾紙に入れ、溶媒としてモノクロルベンゼンを180cc用いソックスレー抽出を48時間行う。この抽出液を濃縮し、液体クロマトグラムにより抽出量を定量し、カーボンブラック重量で割り含有量とした。液体クロマトグラム分析計は、(株)島津製作所製 LC−6A フローコントローラ (株)島津製作所製 SCL−6A 検出器 ミリポアー社製 Watera 490E型 注入量 5μlで実施した。
溶液中でのカーボンブラックの粒度は、HORIBA社製LA−920型レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した値である。
カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物の固形分濃度は、次のように算出された値である。試料を金属カップ等の耐熱性容器で精秤し、この時の試料の重量をA(g)とする。試料を入れた耐熱性容器を電気オーブンに入れて、120℃×15分、180℃×15分、260℃×30分、及び300℃×30分で順次昇温しながら加熱、乾燥し、得られる固形分の重量(固形分重量)をB(g)とする。同一試料について5個のサンプルのA及びBの値を測定し(n=5)、次式にあてはめて固形分濃度を求めた。その5個のサンプルの平均値を、固形分濃度として採用した。
固形分濃度(%)=B/A×100
重量平均分子量は、GPC法(溶媒:NMP、ポリエチレンオキサイド換算)により測定した値である。
得られた半導電性ベルトを長さ400mmにカットしたものをサンプルとして、三菱化学(株)製の抵抗測定器“ハイレスタIP・URプロ−ブ”を使って、幅方向に等ピッチで3カ所と縦(周)方向に4カ所の合計12ヶ所について各々測定し、全体の平均値で示した。電圧100V印加の下10秒経過後に測定した。
各例で得られたベルトを幅5mm、長さ100mmにカットし、これを試験片として一軸引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ)にて、引張スパン40mm、ひずみ速度50mm/分で測定した。記録されたS―Sカーブ曲線から降伏強さ及び破断強さを読み取った。
得られた各カーボンブラック充填ポリイミドシームレスベルトを幅350mmにカットし、図1に示すような直径30mmの2本のローラー(3)に35Nの張力で張架した状態で、キーエンス(株)製のレーザ変位計(製品番号:タイプKL080)(2)でベルトの幅方向にベルト表面の変位量を読み取った。そして、図2に示すように、最大値から最小値を差分した値を幅方向の平面度とした。
Rheometrics社製Rheometrics Solids Analyzer RSAIIを用いて、各実施例および比較例で得られたベルトを幅6mm、長さ27mmにカットし、これを試験片として評価した。測定条件は昇温速度;2℃/分、温度範囲;60〜400℃、周波数;10Hz、動的ひずみ:0.02%で行った。
10℃、30%RHの環境下で図3に示す通電システムにて評価した。実施例および比較例で得られたベルト(1)を、電圧印加ローラー(5)により5.0kV(通電電流約55〜80μA)の印加電圧で、50時間運転して後の表面抵抗率の変動を測定した。その後、印加電圧なしで走行速度を280mm/sで空転耐久評価を実施し、連続300時間を耐久性クリアとした。
実施例1〜4及び比較例1〜4で製造された半導電性ベルトについて、S−S曲線、平面度、ガラス転移点の評価を行った。その結果を表3に示す。
2 レーザ変位計
3 ローラー
4 レーザ変位計の走査方向
5 電圧印加ローラー
6 走行方向
Claims (9)
- ポリイミド樹脂を70〜80重量%及びカーボンブラックを30〜20重量%含み、表面抵抗率が1×108〜1×1014Ω/□である半導電性共重合ポリイミドベルトであって、
前記ポリイミド樹脂が、15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分と、20〜80モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと80〜20モル%のp−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分から得られる、半導電性共重合ポリイミドベルト。 - ポリイミド樹脂を70〜80重量%及びカーボンブラックを30〜20重量%含み、表面抵抗率が1×108〜1×1014Ω/□である半導電性共重合ポリイミドベルトであって、
前記ポリイミド樹脂が、15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルと85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルを含むビフェニルテトラカルボン酸ジエステル成分と、20〜80モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと80〜20モル%のp−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分から得られる、半導電性共重合ポリイミドベルト。 - 前記カーボンブラックが、オイルファーネス法で製造されたカーボンブラックを酸化処理したものであり、酸化処理後カーボンブラックのpHが2〜5、揮発分含有量が2〜5重量%、窒素吸着比表面積が80〜150m2/g、ジブチルフタレート吸収量が50〜100ml/100g、かつ未分解原料炭化水素の抽出量が10ppm以下である請求項1又は2に記載の半導電性共重合ポリイミドベルト。
- JIS K7113に準じて測定した応力−ひずみ曲線で記録される引張降伏強さ:σyが140MPa以上であり、引張破断強さ:σbとの関係が
(引張破断強さ:σb)/(引張降伏強さ:σy)≧1.1
を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の半導電性共重合ポリイミドベルト。 - ベルト幅方向の平面度が2mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の半導電性共重合ポリイミドベルト。
- ガラス転移点が280℃以上である請求項1〜5のいずれかに記載の半導電性共重合ポリイミドベルト。
- 15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むビフェニルテトラカルボン酸二無水物成分と、20〜80モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと80〜20モル%のp−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分との略等モル量とを、有機極性溶媒中で反応して重量平均分子量が25000以下のポリイミド前駆体溶液を製造し、該ポリイミド前駆体溶液に、カーボンブラックを分散させてポリイミド前駆体溶液組成物を調製し、該カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物を回転成形法にて管状物に成形し、該成形体を加熱処理してイミド化する半導電性共重合ポリイミドベルトの製造方法であって、
(1)重力加速度の0.5〜10倍の遠心加速度で回転する円筒金型の内周面に、該カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物を塗布する工程、
(2)該円筒金型を重力加速度の0.5〜10倍の遠心加速度で回転させたまま100〜140℃の温度で加熱して、自己支持性の皮膜を形成する工程、及び
(3)該皮膜を円筒金型の内周面に付着した状態のまま300℃以上の温度で加熱してイミド化する工程、
を含むこと特徴とする製造方法。 - 15〜50モル%の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステル及び85〜50モル%の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルを含むビフェニルテトラカルボン酸ジエステル成分と、20〜80モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと80〜20モル%のp−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分との略等モル量とを、有機極性溶媒に溶解してナイロン塩型モノマー溶液を調製し、該ナイロン塩型モノマー溶液に、カーボンブラックを分散させてポリイミド前駆体溶液組成物を調製し、該カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物を回転成形法にて管状物に成形し、該成形体を加熱処理してイミド化する半導電性共重合ポリイミドベルトの製造方法であって、
(1)重力加速度の0.5〜10倍の遠心加速度で回転する円筒金型の内周面に、該カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液組成物を塗布する工程、
(2)該円筒金型を重力加速度の0.5〜10倍の遠心加速度で回転させたまま100〜140℃の温度で加熱して、自己支持性の皮膜を形成する工程、及び
(3)該皮膜を円筒金型の内周面に付着した状態のまま300℃以上の温度で加熱してイミド化する工程、
を含むこと特徴とする製造方法。 - 請求項7又は8に記載の製造方法により得られる半導電性共重合ポリイミドベルトからなる電子写真機器の中間転写ベルト。
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