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JP5119508B2 - Pm燃焼用酸化触媒、これを用いたディーゼル機関排ガスの浄化方法、フィルター及び浄化装置 - Google Patents

Pm燃焼用酸化触媒、これを用いたディーゼル機関排ガスの浄化方法、フィルター及び浄化装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車用をはじめとしたディーゼル機関等からの排ガス中に含有され、炭素質の煤等からなる粒子状物質(PMという。)の燃焼温度を低減させる触媒、並びにこれを用いたディーゼル機関排ガスの浄化方法、フィルター及び浄化装置に関するものである。
近年、ディーゼル車から排出されるNOX、PMは環境汚染や人体への影響が懸念されることから、より一層の低減が求められるようになっており、年々その規制は強化される傾向にある。ガソリン機関では三元触媒など排ガス処理技術の進歩はめざましいものがあるが、ディーゼル機関では、排ガス中の酸素量が多いこと、PMや硫黄酸化物を多く含むため、これらガソリン機関で利用されているこれらの技術を応用できないことは広く知られたところである。
このため、ディーゼル機関ではガソリン機関とは異なった排ガスの浄化方法を検討、導入することによって、排ガス浄化技術を確立してきた。例えば、排ガスの処理部分に対して、コーディライトや炭化ケイ素(SiC)を用いたフィルター(DPF)を配置してPMの除去を行う方法や、ディーゼル機関内の燃焼効率の向上技術の開発といったことが主として挙げられる。
ところで、上記技術の中で排ガス中のPMを除去する際には、排ガスから「濾しとった」あとのPMの処理が重要となる。主として利用されている方法は、周期的にフィルターそのものを加熱することによって、フィルター内に滞留しているPM成分を燃焼除去することが挙げられる。概説すると、フィルターの外部から電熱ヒータ等を使用し、強制的にフィルターの温度を上げてPM成分を燃焼する機構を供えた装置であり、PMの焼却燃焼といった観点では優れた機構といえる。
この機構において、フィルターを含むディーゼル機関排ガス浄化装置の耐熱仕様度低減によるコストの削減、フィルター加熱コストの削減などを図るべく、燃焼用の触媒をフィルター中に担持することによってディーゼル機関排ガス中のPMの主成分であるカーボンの燃焼開始温度を低減させることが検討されている。
例えば、検討・開示されている内容について列挙すると、触媒に白金族およびアルカリ土類金属を表面に形成させることで燃焼開始温度を低下させること(特許文献1)、触媒成分として貴金属と酸素保存成分を含むものを使用すること(特許文献2)、低温において二酸化窒素を捕捉する効果を持った触媒を担持させること(特許文献3)、酸化スズや酸化タンタルに白金族を担持すること(特許文献4)、排気中の一酸化窒素と酸素を選択的に反応させた後にそこで生成した二酸化窒素を用いてPM成分を燃焼させる仕組みを用いること(特許文献5)などが挙げられる。
また、PM燃焼を助けるような効果を有する触媒としては、酸化リチウムなどの触媒活性物質上を通過させるもの(特許文献6)、VやWの酸化物とパラジウムを触媒成分として使用するもの(特許文献7)、酸化触媒にペロブスカイト複合酸化物を使用するもの(特許文献8)等がある。
さらに、MnやCeを使用するような触媒に関しては、セリウムもしくはジルコニウム化合物の担体に触媒成分としてMn等を担持することで酸化触媒として使用する方法(特許文献9)、金、銀、銅、鉄、亜鉛、マンガン、セリウムおよび白金族元素といった数多くの成分からの一種もしくは二種以上の組み合わせによって酸化触媒を構成させるもの(特許文献10)、および耐火性担体に対してMnを担持することによってPMを燃焼させる方法(特許文献11)がある。
特開昭60−235620号公報 特表2004−509740号公報 特表2005−514551号公報 特許3131630号公報 特開2002−339728号公報 特開昭59−049825号公報 特開2005−046836号公報 特公平06−029542号公報 特開平10−151348号公報 特開2005−009454号公報 特開2003−062432号公報
ところが、ほとんどの従来技術は白金をはじめとした白金族元素や貴金属を併用して使用しており、コスト面での改善が問題となっている。これに加えて、排ガス中のPMの燃焼開始温度がまだ高いという問題もある。
そこで、本発明の解決すべき技術的課題としては、より安価で提供でき、かつさらに低温でPMを燃焼させ得る触媒、及びそれを用いた浄化装置並びにそれを用いた排ガス浄化方法の提供とする。
上記課題を解決する手段として、従来技術において必須であった白金族元素や貴金属の使用を一切要せず且つPMの燃焼開始温度を従来技術よりも大幅に低下せしめる触媒を提供すべく取り組んだ結果、本発明者らが到達した発明は、
(1)PM燃焼用酸化触媒として遷移金属とCeとの複合酸化物を使用すること
(2)さらにその効果を高めるため、アルカリ金属を含有させること
(3)上記遷移金属がSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znの少なくとも一種であること、好ましくはMnまたはFeであること
(4)Ce/(Ce+遷移金属)のモル比を1.0未満、遷移金属としてMnを選択した場合には0.1より大で1.0未満、好ましくは0.2以上0.9未満、Feを選択した場合には0.5より大で1.0未満とすること
(5)上記遷移金属とCeとが固溶体を形成していること
(6)アルカリ金属が好ましくはK、Rb、Csの少なくとも一種であること
(7)上記複合酸化物において前記アルカリ金属/(遷移金属+Ce)のモル比が1未満、好ましくは0.05以上0.8未満であること
(8)上記の組成物を使用することによってPM酸化開始温度を低減させるディーゼル機関排ガスの浄化方法
(9)上記の組成物を用いたことを特徴とするディーゼル機関排ガスのフィルター及びそれを用いた浄化装置
が挙げられる。
本発明に係る触媒を使用することによりPM燃焼開始温度の低減をはかることができ、かつ貴金属を使用することなく汎用性の高い元素で構成されているため、触媒、フィルターおよび浄化装置において低コスト化がはかれるとともに、酸化物により構成されているため経時的な触媒性能劣化の小さいことが期待される触媒を得ることができる。
以下に本発明についてさらに詳細に説明する。
はじめに本発明に係る触媒はMn、Feをはじめとする遷移金属およびCeを含むことを特徴とする。複合酸化物中においてCeとMn、Feをはじめとする遷移金属とは、混合したのみの混合物形態ではなく、酸化セリウムに対して遷移金属が固溶した状態にあることがより好ましい。この中に含まれる遷移金属とは周期律表の3族から12族までの元素を表す。とりわけ4周期にある遷移元素(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn)が好ましく、なかでもMn、Feの元素を使用することがさらに好適である。
また、遷移金属とCeの構成モル比としては、Ce/(遷移金属+Ce)が1未満が好ましい。Ce/(遷移金属+Ce)が1の場合は、CeO2単独で存在することになり、本発明の意図とは離れてしまう。また、本発明者が同様の製法で作成したCeO2では、本発明に示すような燃焼開始温度低減効果を有する触媒粉末は得られなかった。極端にCe/(遷移金属+Ce)が0に近い場合には、複合酸化物中において遷移金属とCeが完全な固溶体を形成できず、燃焼開始温度低減効果が小さくなるため好ましくない。また、Mn、Feに関して発明者が独自に検討した方法によれば、元素により上記モル比の好ましい範囲は異なり、Mnの場合では0.1より大で1.0未満、好ましくは0.2以上0.9未満の範囲、Feを選択する場合においては0.5より大で1.0未満の範囲が好ましいことがわかった。
また、複合酸化物はその組成中にアルカリ金属を含んだ方がカーボン(模擬PM)の燃焼開始温度がより低くなる傾向があり好ましい。このときに添加するアルカリ金属元素の量としては、モル比でアルカリ金属/(遷移金属+Ce)が1未満の範囲が好ましく、より好ましくは0.8未満の範囲である。下限値に関しては0.05である。特にアルカリ金属の中でも、K、Rb、Cs等の少なくとも一種を添加することにより、より燃焼開始温度低減の効果が得られるため好適である。
[遷移金属−Ce系触媒粉末の作成]
ここでは、複合酸化物中においてCeと遷移金属の主としてMn又はFeとの固溶体を形成させた場合について記載するが、本発明の技術的範囲はこれらの特定の記載に限定されないことはもちろんである。
参考例1
硝酸マンガン(II)6水和物 Mn(NO326H2O(純度99.9%、株式会社高純度化学研究所製)0.01ymolと硝酸セリウム(III)6水和物Ce(NO3)36H2O(純度99.9%、株式会社高純度化学研究所製)0.01(1−y)mol(このときのyはMn/(Mn+Ce)のモル比を表す。参考例1においてはy=0.25とした。)を水15mLに溶解させる。激しく撹拌しながら、28%アンモニア水を滴下(15mL)し共沈させる。
得られた物質を蒸発乾固し、90℃の乾燥器で一晩乾燥させる。そうして得られた乾燥品粉末を空気中450℃(昇温速度300℃/h)で5時間焼成し、MnとCeを主成分とする複合酸化物の触媒粉末を作成した。
[本発明における評価方法]
(1)燃焼開始温度の測定
TG−DTA装置を使用して、模擬PM粒子としてカーボンブラックの燃焼開始温度の測定を行った。なおここで、TGはThermogravimetry(熱重量)、DTAはDifferential Thermal Analysis(示差熱)を指す。以下の全ての参考例、実施例及び比較例(ただし比較例1を除く)において混合割合は、複合酸化物触媒(比較例においては単独酸化物の場合を含む。)と模擬PM(カーボンブラック)の質量比が4:1になるように調整した。このときTG測定装置としてはリガク製TG−DTA装置Thermoplus TG8120を使用して測定した。装置内に流通させるガスの流量は、20vol.%O2と残部をN2とした混合ガス中で、昇温速度は10℃/分となるように調整後、測定を実施した。なお、燃焼開始温度は、TG曲線において、重量減少が始まる前の接線と重量減少率(角度)が最大となる点での接線との交点を燃焼開始温度として算出する。算出の方法を図5に示した。
(2)模擬PM(カーボンブラック)
三菱化学製カーボンブラック(平均粒径2.09μm)を模擬PMとして使用した。
(3)組成の分析
組成分析は堀場製作所製蛍光X線分析装置 MESA-500Wを使用して行った。
(4)XRD測定
結晶性の解析は粉末X線回折法を使用した。その際に使用した装置は島津製作所製のX線回折装置XD-D1を使用し、Cu-Kα線を使用して、管電圧30kV、管電流30mAにて2θ=10〜70°の角度をスキャンスピード2°/分の速度でスキャンすることにより回折を行った。
(5)比表面積の測定
比表面積の測定はBET法を用いて行い、日本ベル株式会社製のBelsorpMINIを使用して測定した。
得られた触媒粉末は組成分析の結果、モル比Ce/(Mn+Ce)=0.75の粒子になっており、図1に示すX線回折パターンを有するものだった。これをJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)パターンに当てはめるとMn酸化物に由来するピークは確認されず、大部分を占めるCe酸化物のピークのみが観察されたので、複合酸化物においてMnはCeの中に取り込まれた、いわゆる固溶体の形態をしているものと推測される。
また得られた粒子のBET値は80.1m2/gであり、TG(熱重量、Thermogravimetry)による燃焼開始温度は表1に示すように334℃と算出された。得られたTG曲線を図3に示す。
Figure 0005119508
参考例2〜5
複合酸化物中のCe/(Mn+Ce)のモル比を表1(表1及び後述の表2中において遷移金属をMで示す。)に記載のとおり変化させた以外は参考例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
参考例6〜11
硝酸マンガン(II)6水和物を硝酸鉄9水和物に変更し、FeとCeの割合を種々変化させた以外は参考例1と同様にして、FeとCeからなる複合酸化物粉末を作成した。その結果を表1に示す。
また、参考例6で得られた複合酸化物のX線回折パターンを図2に示す。これを前記JCPDSパターンに当てはめると、Fe酸化物に由来するピークは確認されず、大部分を占めるCe酸化物のピークのみが観察されたので、複合酸化物においてFeはCeの中に取り込まれた、いわゆる固溶体の形態をしているものと推測される。参考例6のカーボンブラックの燃焼挙動を示すTG曲線を図4に示す。
参考例12〜14
参考例1において、Mnに代えてCo、Ni、Cuを使用した以外は同様にして、Co、Ni、CuのそれぞれとCeとからなる複合酸化物を作成した。その結果を表1に示す。
参考例15
炭酸カリウム(K2CO3)を溶液濃度が0.60mol/Lになるよう水に溶解させ調製した。こうして得た溶液を参考例1の方法で作成しておいたMnとCeの複合酸化物(モル比:Ce/(Mn+Ce)=0.75)をるつぼに入れて90℃に加熱しながら、調製した前記0.60mol/Lの炭酸カリウム水溶液を撹拌させてK量でモル比:K/(Mn+Ce)=0.25となる液量を徐々に滴下した。滴下終了後、よく混合し、90℃に設定した乾燥器で一晩乾燥させた。そうして得られたK被着のMn−Ce複合酸化物の乾燥品を空気中450℃(昇温速度300℃/時間)で5時間焼成することによって、Kを含有するMnとCeの複合酸化物を得た。
得られた触媒粉末は組成分析の結果、モル比でCe/(Mn+Ce)=0.75、K/(Mn+Ce)=0.25の粒子であった。TGによる燃焼開始温度は337℃であった。
参考例16〜20
滴下する炭酸カリウム水溶液量を変化させた以外は参考例15と同様の操作を行なって、触媒粒子を合成した。その際の粒子の組成、燃焼特性について表1に示す。
参考例21
0.60mol/Lになるよう調製した炭酸ルビジウム(Rb2CO3)(和光純薬工業株式会社製)を準備し、参考例1の方法にて作成しておいたMnとCeの複合酸化物(モル比:Ce/(Mn+Ce)=0.75)におけるMnとCeの合計に対してRbがモル比でRb/(Mn+Ce)=0.15になるように添加する液量を調整した。その後、参考例1の方法にて作成しておいたMn−Ceの複合酸化物をるつぼに入れ、90℃で加熱しながら、調製した炭酸ルビジウム溶液を徐々に滴下した。全て滴下した後、よく混合し90℃の乾燥器で一晩乾燥させた。空気中450℃(昇温速度300℃/時間)で5時間焼成することによって、Rbを含有するMnとCeの複合酸化物を得た。
得られた触媒粉末は組成分析の結果、モル比でCe/(Mn+Ce)=0.75、Rb/(Mn+Ce)=0.15の粒子であった。BET値は15.17m2/gであり、TGによる燃焼開始温度は302℃であった。得られた粒子のX線回折パターンは図1に示すとおりであり、これをJCPDSパターンに当てはめるとMn酸化物に由来するピークは確認されず、大部分を占めるCe酸化物のピークのみが観察されたので、MnはCeの中に取り込まれた、いわゆる固溶体の形態をしているものと推測される。
また、参考例21のTG曲線を図3に示す。
参考例22〜26
Mn−Ceの複合酸化物に滴下するRb水溶液量をそれぞれ表1に示した物量になるように変化させた以外は参考例21と同様の操作を行なって触媒粒子を合成させた。その際の粒子の組成、燃焼特性について表1に示す。
参考例27
0.60mol/Lになるよう調製した炭酸セシウムを準備し、参考例1の方法にて作成しておいたMnとCeの複合酸化物(モル比: Ce/(Mn+Ce)=0.75)におけるMnとCeの合計に対してCsがモル比でCs/(Mn+Ce)=0.38になるよう添加する液量を調整した。その後、参考例1の方法にて作成しておいたMnとCeの複合酸化物をるつぼに入れ、90℃で加熱・撹拌させながら、調製した炭酸セシウム溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、よく混合し90℃の乾燥器で一晩乾燥させた。空気中450℃(昇温速度300℃/時間)で5時間焼成することによって、Csを含有するMnとCeとの複合酸化物を得た。
得られた複合酸化物は組成分析の結果、モル比でCe/(Mn+Ce)=0.75、Cs/(Mn+Ce)=0.38の粒子であった。TGによる燃焼開始温度は296℃であった。得られた粒子のX線回折パターンは図1に示すとおりであり、これをJCPDSパターンに当てはめるとMn酸化物に由来するピークは確認されず、大部分を占めるCe酸化物のピークのみが観察されたので、複合酸化物においてMnはCeの中に取り込まれた、いわゆる固溶体の形態をしているものと推測される。
また、参考例27のTG曲線を図3に示す。
参考例28〜29
Mn−Ceの複合酸化物に滴下するCs水溶液量をそれぞれ表1に示した物量になるように変化させた以外は参考例27と同様の操作を行なって触媒粒子を合成させた。その際の粒子の組成、燃焼特性について表1に示す。
実施例1〜2
0.60mol/Lになるよう調製した炭酸ルビジウムを準備し、参考例6の方法にて作成しておいたFeとCeの複合酸化物(モル比: Ce/(Fe+Ce)=0.95)におけるFeとCeの合計に対してRbがモル比でRb/(Fe+Ce)=0.17、0.34になるよう添加する液量を調整した。その後、参考例6の方法にて作成しておいたFeとCeの複合酸化物をるつぼに入れ、90℃で加熱・撹拌させながら、調製した炭酸ルビジウム溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、よく混合し90℃の乾燥器で一晩乾燥させた。空気中450℃(昇温速度300℃/時間)で5時間焼成することによって、Rbを含有するFeとCeとの複合酸化物を得た。
実施例2で得られたRb/(Fe+Ce)=0.34の粒子は、図2に示すX線回折パターンを有しており、これをJCPDSパターンに当てはめるとFe酸化物に由来するピークは確認されず、大部分を占めるCe酸化物のピークのみが観察されたので、複合酸化物においてFeはCeの中に取り込まれた、いわゆる固溶体の形態をしているものと推測される。実施例2で得られた物質の燃焼状態を示すTG曲線を図4に示した。
実施例3
0.60mol/Lになるよう調製した炭酸セシウムを準備し、参考例6の方法にて作成しておいたFeとCeの複合酸化物(モル比: Ce/(Fe+Ce)=0.95)におけるFeとCeの合計に対してCsがモル比でCs/(Fe+Ce)=0.33になるよう添加する液量を調整した。その後、参考例6の方法にて作成しておいたFeとCeの複合酸化物をるつぼに入れ、90℃で加熱・撹拌させながら、調製した炭酸セシウム溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、よく混合し90℃の乾燥器で一晩乾燥させた。空気中450℃(昇温速度300℃/時間)で5時間焼成することによって、Csを含有するFeとCeとの複合酸化物を得た。その際の粒子の組成、燃焼特性について表1に示す。
実施例4
Fe−Ceの複合酸化物に滴下するCs水溶液量を表1に示した物量になるように変化させた以外は実施例3と同様の操作を行なって触媒粒子を合成させた。その際の粒子の組成、燃焼特性について表1に示す。
得られた複合酸化物は組成分析の結果、モル比でCe/(Fe+Ce)=0.95、Cs/(Fe+Ce)=0.49の粒子であった。TGによる燃焼開始温度は323℃であった。得られた粒子のX線回折パターンは図2に示すとおりであり、これをJCPDSパターンに当てはめるとFe酸化物に由来するピークは確認されず、大部分を占めるCe酸化物のピークのみが観察されたので、複合酸化物においてFeはCeの中に取り込まれた、いわゆる固溶体の形態をしているものと推測される。
また、実施例4のTG曲線を図4に示す。
[比較例1]
カーボンブラックのみの燃焼開始温度測定を行うと、表2に示すように624℃であった。
Figure 0005119508
[比較例2〜4]
触媒粒子として、それぞれMn23、CeO2、Fe23を使用して(これら酸化物の作成方法は、相対する元素を添加しなかった以外は参考例1参考例6と同様である。)、燃焼開始温度測定を行った。燃焼開始温度はMn23の場合(比較例2)が426℃、CeO2の場合(比較例3)が444℃、Fe23の場合(比較例4)が469℃であった。比較例2と比較例3の両比較例のTG曲線を図3に示し、比較例2(破線)と比較例4(実線)の両比較例のTG曲線
を図4に示す。
[比較例5]
複合酸化物においてCe/(Mn+Ce)=0.10に変化させた以外は参考例1と同様にして、触媒粒子を調製し、燃焼開始温度測定を行った。燃焼開始温度は412℃であった。
[比較例6]
複合酸化物においてCe/(Fe+Ce)=0.50に変化させた以外は参考例6と同様にして、触媒粒子を調製し、燃焼開始温度測定を行った。燃焼開始温度は401℃であった。
[比較例7〜9]
MnとCeの複合酸化物試料の調製と同様の手順でMn−Prを調製した。すなわち参考例のCe原料の代わりにPr原料として硝酸プラセオジム(III)6水和物(純度99.9%、キシダ化学株式会社製)を使用した。Pr/Mnのモル比をそれぞれ表2のとおり変化させた粒子を作成してそれぞれ燃焼開始温度測定を行った。燃焼開始温度を表2に示す。
参考例と比較例7〜9の比較において、遷移金属とCeの複合酸化物と遷移金属とPrの複合酸化物の比較を行ったときの触媒活性の違いがわかる。この結果より、Ceと遷移金属の複合酸化物を形成させたときの方が、同様にランタノイド元素であるPrを使用した場合に比較してより高い触媒活性を有していることがわかる。
参考例1参考例15以降の比較によって、粒子に対する添加元素の効果がわかる。つまり、K、RbまたはCsが存在しているとカーボン燃焼開始温度の低下効果がより一層高まる可能性が示唆される結果が得られ、特に、参考例21以降に示したRb、Csを選択することによって燃焼開始温度の低減効果がより高まることがわかる。
参考例1〜5あるいは参考例6〜11と比較例2〜4の対比から、Mn、Ce、Feの各酸化物(Mn23、Fe23、CeO2)成分は単独で存在してもどの成分も存在しない比較例1に比べて燃焼開始温度は低下するが、これら成分が複合化することによって、さらにその効果を増すことが可能であることが示される。さらには、XRDパターンにおいて、Mn23あるいはFe23のピークが現れず、複合酸化物においてCeにMnが固溶した状態にあると見られる場合の方が、その効果は顕著となる可能性が高いことが示唆される。
参考例1、21、27に係るMn−Ce系粒子のX線回折パターンを示した図である。 参考例6実施例2、4に係るFe−Ce系粒子のX線回折パターンを示した図である。 参考例1、21、27に係る粒子と比較例2、3に係る粒子のTG曲線を示す図である。 参考例6実施例2、4に係る粒子と比較例2、4に係る粒子のTG曲線を示す図である。 燃焼開始温度の算出方法を示す模式図である。

Claims (8)

  1. アルカリ金属を含有したFeとCeとの複合酸化物からなるPM燃焼用酸化触媒。
  2. 前記複合酸化物においてFeとCeとが固溶体を形成している、請求項1に記載のPM燃焼用酸化触媒。
  3. 前記複合酸化物中におけるCe/(Fe+Ce)のモル比が0.5より大で1.0未満である、請求項1または2に記載のPM燃焼用酸化触媒。
  4. 前記アルカリ金属がK、Rb、Csの少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれかに記載のPM燃焼用酸化触媒。
  5. 前記複合酸化物中において前記アルカリ金属/(Fe+Ce)のモル比が1未満である、請求項1〜4のいずれかに記載のPM燃焼用酸化触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化触媒を用いてPM酸化開始温度を346℃以下に低減させるディーゼル機関排ガスの浄化方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のPM燃焼用酸化触媒を用いたディーゼル機関排ガスのフィルター。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のPM燃焼用酸化触媒を用いたディーゼル機関排ガスの浄化装置。
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