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JP5112557B2 - 質量分析システム - Google Patents

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Description

本発明は、微量成分を分析できる質量分析計に関し、特に多数の成分を含む試料に対して、各成分を高スループットでタンデム質量分析できる質量分析計や液体クロマトグラフ/質量分析装置に関するものである。
生体から抽出したタンパク質を網羅的に解析するプロテオーム解析や血液などの体液に存在する低分子化合物の高スループット分析においては、分析対象成分が多く含まれるため、試料成分の分離分析が可能である液体クロマトグラフ/質量分析器(LC/MS)がしばしば用いられる。そして、質量分析器においては、液体クロマトグラフなどで分離された溶出液をイオン源に導入し、試料成分由来の気体状イオンを生成するとともに、それらを真空装置内に導入して質量分析(MS)、及び、タンデム質量分析(MS/MS)される。そして、試料成分の同定がタンデム質量分析データの解析により行われるとともに、質量分析結果又はタンデム質量分析結果より、試料成分の定量が実施される。このような分析に用いる生体試料では、分析対象となる成分の種類が非常に多いうえ、各成分の濃度が何桁も異なる点が特徴的である。一般的には、タンデム質量分析におけるプレカーサーイオンの選定において、イオン強度の高いものから優先順位を付けて分析を実施するデータ依存分析が利用されている。しかしながら、タンデム質量分析の対象となるイオンが生成される時間は、液体クロマトグラフ(LC)の分離時間幅により制限される。そのため、全ての検出イオンに対してタンデム質量分析を実施することが、質量分析器の分析スループットが有限であるため、困難な場合がある。現状では、イオン強度の高い(濃度の高い)成分に対しては、データ依存分析における優先順位が高く、タンデム質量分析データの取得が比較的容易である。一方、優先順位が低い微弱な成分は、質量分析スペクトルではイオン検出されているにも関わらず、タンデム質量分析の対象とならないことがある。さらに、タンデム質量分析の対象となっても、解析が可能な程度に高いS/N比のデータが取得できないことがある。
さて、上記のようにタンデム質量分析において高い分析スループットが要求される質量分析器には、四重極−飛行時間型質量分析計のほか、四重極イオントラップ質量分析計や四重極イオントラップ−飛行時間型質量分析計、四重極イオントラップ−フーリエ変換質量分析計などが採用される。これらのうち、四重極イオントラップが用いられている質量分析計では、空間電荷効果を考慮する必要がある。
四重極イオントラップでは、イオン源から導入される(多種類の)イオンを空間的に一定時間(アキュミュレーション時間)取り込むと同時に捕捉し、質量分析することができる。さらに、プレカーサーイオンだけを単離(アイソレーション)し、衝突誘起解離法(CID)、赤外線多光子解離法(IRMPD)、電子捕獲解離法(ECD)、電子移動解離法(ETD)などの解離方法により、複数種の解離イオン(フラグメントイオン)を生成させることができる。このフラグメントイオンの質量分析により、タンデム質量分析データが取得される。
米国特許第6987261号明細書 米国特許第6177668号明細書 米国特許公開2003/071206号 米国特許第5572022号明細書 米国特許公開2003/022211号 米国特許公開2005−0127290号 特開2005−353304号公報 特開2006−316462号公報 特開2006−234782号公報
イオンが継続的に生成される場合、アキュミュレーション時間が長いと、四重極イオントラップ内に多量のイオンが導入される。そして、一定量以上のイオンが四重極イオントラップ内に導入された場合に、空間電荷効果が発生し、イオンの捕捉効率が低減する。図2に、全イオン量に対するアキュミュレーション時間依存性を示す。アキュミュレーション時間が20ミリ秒以下に設定される場合には、全イオン量がアキュミュレーション時間に比例している。しかし、アキュミュレーション時間が20ミリ秒以上では、全イオン量が殆ど増加しない。これは、導入されるイオン量が空間電荷効果により四重極イオントラップに捕捉可能なイオン量を超え、イオンの捕捉効率が低減したためである。別の例として、図3に、特定のイオンのピーク面積に対するアキュミュレーション時間依存性を示す。この例では、アキュミュレーション時間が10ミリ秒を超えると、空間電荷効果によりイオンが解離し、イオン強度が低減している。このように、四重極イオントラップにおいて空間電荷効果が生じると、分析感度やデータの定量性に課題が発生する。
空間電荷効果の発生を回避するためには、四重極イオントラップに導入されるイオンの量に上限を設け、アキュミュレーション時間を制御することが有効である。そして、イオンの量は、質量スペクトルにおける全イオン量又はイオンピーク面積の和で評価することが現実的である。しかし、高い強度のイオンに混在する微量イオンをプレカーサーイオンに選定する場合には、四重極イオントラップに捕捉されるプレカーサーイオンの量が微量となり、S/N比の低いタンデム質量分析データしか得られないことがある。データのS/N比を改善するためには、データ取得における繰り返し分析回数又は積算回数を増加させる必要があり、分析スループットが低減する結果となる。
一方、四重極イオントラップとイオン源との間に四重極フィルター(Qフィルター)を設置し、四重極イオントラップに導入されるイオンのm/z範囲を制限することにより、アキュミュレーション時間を延ばすことができ、多量のプレカーサーイオンを四重極イオントラップに導入することが原理的に可能である。その結果、微量成分のタンデム質量分析においても分析スループットの低減を抑制することができる。
また、Qフィルターと四重極イオントラップとの間に別のイオントラップ(プレトラップ)を設置することにより、分析スループットを向上させることが可能である。すなわち、四重極イオントラップでアキュミュレーションをしていない時間帯に、Qフィルターを透過するイオンをプレトラップで捕捉する。そして、四重極イオントラップでアキュミュレーションが可能なタイミングに、プレトラップでアキュミュレーションされたイオンを四重極イオントラップに移動させることにより、生成イオンの有効利用を行うことができる。
さらに、プレカーサーイオンのCIDは四重極イオントラップの内部で実現することが可能だが、このCIDを四重極イオントラップの下流側に設置された衝突セルなどのデバイスで実施することもできる。この場合、四重極イオントラップからプレカーサーイオンだけを下流側に排出するが、複数回の解離反応により多種類のフラグメントイオンを検出できるなどが期待される。
さらに、一回のイオン捕捉(アキュミュレーション)で複数のプレカーサーイオンを順次排出することができると、複数のプレカーサーイオンに対するタンデム質量分析を実施することができる。このことにより、分析スループットを向上させることが可能である。
本発明が解決しようとする課題は、四重極イオントラップを用いた質量分析器において、様々な共存成分に混在する微量な試料成分の分析に対し、分析スループットを向上させる点である。
本発明の質量分析計は、四重極イオントラップの上流側にQフィルターが設置されるとともに、プレカーサーイオンに対して、四重極イオントラップのイオン捕捉時間を最大化できるようにQフィルターのフィルター領域を決定し、質量分析データ情報に基づいてアキュミュレーション時間を決定することを主要な特徴とする。
本発明の更なる特徴は、上記のQフィルターとイオントラップとの間に別のイオントラップ(プレトラップ)が設置され、別のイオントラップのアキュミュレーション時間を最大化できるようにQフィルターのフィルター領域を決定し、質量分析データ情報に基づいてアキュミュレーション時間を決定することを主要な特徴とする。
本発明の質量分析計は、多量成分に混在する微量成分のタンデム質量分析において、分析スループット向上、及び、S/N比の向上という利点がある。
本発明装置の一実施例のブロック図。 全イオン量に対するアキュミュレーション時間依存性を示す図。 特定イオンのピーク面積に対するアキュミュレーション時間依存性を示す図。 本発明装置の一実施例におけるイオンの動きの模式図。 質量スペクトルにおけるQフィルターのフィルター範囲を示す図。 質量スペクトルにおけるQフィルターのフィルター範囲を示す図。 Qフィルターのフィルター範囲決定方法の例を示すフローチャート。 Qフィルターのフィルター範囲決定方法の例を示すフローチャート。 本発明装置の別の実施例のブロック図。 本発明装置の別の実施例におけるイオンの動きの模式図。 本発明装置のさらに別の実施例のブロック図。 本発明装置のさらに別の実施例におけるイオンの動きの模式図。 本発明装置のさらに別の実施例のブロック図。 本発明装置のさらに別の実施例におけるイオンの動きの模式図。 本発明装置のさらに別の実施例におけるイオンの動きの模式図。 本発明装置のさらに別の実施例における各部の動作シーケンスを示す図。 本発明装置のさらに別の実施例における各部の動作シーケンスを示す図。 本発明装置のさらに別の実施例におけるイオンの動きの模式図。 本発明装置のさらに別の実施例における質量スペクトルに対するQフィルターのフィルター範囲を示す図。 本発明装置のさらに別の実施例における質量スペクトルに対するQフィルターのフィルター範囲を示す図。 フィルター範囲とイオン透過率曲線の関係を示す模式図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明では、微量成分のタンデム質量分析に対し、四重極イオントラップにプレカーサーイオンを多くアキュミュレーションするという目的を、空間電荷効果を回避するシステム制御を実施することにより実現した。
図1は、本発明による質量分析装置の一実施例のブロック図である。また、図4は、電源や制御部は図示していないが、装置におけるイオンの動きを示した模式図である。イオン源11で生成されるイオンは、真空装置内に設置されたQフィルター12を通り、四重極イオントラップ13に導入される。四重極イオントラップ13は、四本のロッド電極から構成されるリニアイオントラップでも、リング電極と一対のキャップ電極から構成される三次元四重極イオントラップでも構わない。イオントラップ13から排出されたイオンは検出器14で検出される。Qフィルター12の電源15及び四重極イオントラップ13の電源16は、制御部17によって制御される。
図4(a)に示した質量分析データの取得では、制御部17によりQフィルターの電源15が制御され、m/z(質量電荷比)に殆ど依存せずに大抵のイオンがQフィルター12を透過できる。そして、これらのイオンが四重極イオントラップ13にアキュミュレーションされるように、四重極イオントラップの電源16が制御部17により制御され、高周波電圧が四重極イオントラップ13に印加される。四重極イオントラップ13では、空間電荷効果が発生しないイオン総量の最大値を予め実験的に求めておくことができる。そのため、その最大値又は上限を超えないように、四重極イオントラップの電源16が制御部17により制御され、イオンのアキュミュレーションが必要な時間だけ実行される。アキュミュレーション終了後には、四重極イオントラップ13にはイオンがm/zに応じて排出されるように電源16が動作し、排出イオンは検出部14で検出されることにより、質量スペクトルが取得される。
次に、図4(b)から図4(d)に示すタンデム質量分析データの取得においては、得られた質量スペクトルに基づき、タンデム質量分析を実施するプレカーサーイオンを制御部で選定するとともに、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心や四重極イオントラップにおけるアキュミュレーション時間を決定する。ここで、Qフィルターは単純なもので構わないが、イオン透過率はほぼ100%を実現することが望ましい。図21に、3通りのフィルター範囲に対するイオン透過率曲線を模式的に示す。図21から分かるように、フィルター範囲が広く設定されると、イオン透過範囲におけるイオン透過率はほぼ100%を実現する。ところが、フィルター範囲が狭く設定されると、イオン透過率はフィルター範囲で一定ではなくなるうえ、最大のイオン透過率は100%より低くなる傾向がある。従って、イオン透過率をほぼ100%とするためには、フィルター範囲は数Daと狭く設定するより、数十Da程度に広く設定するのが現実的である。そして、アキュミュレーション時間が最大となるように、制御部はQフィルターの電源を制御して、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心を設定する。その結果、プレカーサーイオンのm/zとフィルター範囲の中心は必ずしも一致しないが、プレカーサーイオンを含むイオン群(A)などがQフィルターを通って、四重極イオントラップでアキュミュレーションされる。このように、制御部によりQフィルターと四重極イオントラップは制御され、タンデム質量分析に向けたアキュミュレーションが実行される。
アキュミュレーション終了後には、四重極イオントラップでプレカーサーイオン以外のイオンを除去するためのアイソレーションが高周波電界の印加により実施される。さらに、プレカーサーイオンの運動を別の高周波電界により励起させ、残留ガスとの衝突によるプレカーサーイオンの解離(衝突誘起解離、CID)を実現させる。生成されるフラグメントイオンに対し、m/zに応じて検出部に排出されるように電源が動作し、排出イオンが検出部で順次検出されることにより、タンデム質量分析スペクトルが取得される。これらの処理が、イオン群A,B,C,…に対して順次実行される。
Qフィルターにおけるフィルター範囲の決め方について、図5に示す質量スペクトルを用いて説明する。選定されたプレカーサーイオンは図中○で示し、Qフィルターにおけるフィルター範囲は点線及び矢印で示す。図に示されるように、多数のイオンが検出される場合には、Qフィルターにおけるフィルター範囲に複数のイオンが含まれることがしばしばある。そのため、フィルター範囲の幅は、イオン透過率がほぼ100%である条件下で、できるだけ狭い値に固定することが望ましい。
図5(a)では、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心(二点破線)がプレカーサーイオンにほぼ一致する例が示される。すなわち、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心が、プレカーサーイオンの中心に装置設定において最も近く設定されている。一方、図5(b)では、Qフィルターにおけるフィルター範囲の幅は同一だが、中心は最適化がなされている。すなわち、フィルター範囲における全イオン量あるいはピーク面積の和が、図5(a)の場合と比較して図5(b)では、約1/3に低減している。その結果、アキュミュレーション時間を約3倍も増大させることができ、一回のアキュミュレーションにおいて捕捉されるプレカーサーイオンの数が約3倍増加する結果となる。これは、タンデム質量分析データにおけるS/N比が顕著に増加することを意味する。また、図5(a)で複数回繰り返し分析を実施して積算したデータに対し、図5(b)では積算回数を1/3に低減させても同等のS/N比のタンデム質量分析データを取得することができる。このことは、分析スループットの向上を意味する。
Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心を図5(a)のようにプレカーサーイオンにほぼ一致させるか、図5(b)のように最適化するかは、装置の制御PC等における画面上でユーザーが選択できると便利である。Qフィルターにおけるフィルター範囲の幅が10Da以下のように比較的狭く設定される場合は、フィルター範囲の境界領域においてイオン透過率が100%から著しく低減することがある(図21参照)。このような場合には、図5(a)のようにフィルター範囲の中心をプレカーサーイオンにほぼ一致させるモードを選択することが無難である。そのため、Qフィルターにおけるフィルター範囲の幅を変更すると、自動的にモードが選択されると便利である。すなわち、イオン透過率がほぼ100%であるフィルター範囲よりも狭いフィルター範囲をユーザーが指定する場合には、フィルター範囲の中心とプレカーサーイオンとが一致するモードが自動的に選定される。一方、それ以外の場合には、フィルター範囲がプレカーサーイオンに対して最適化されるモード、すなわちプレカーサーイオンのm/zを含み全イオン量あるいはピーク面積の和が極小となるようにフィルター範囲を決定するモードが自動的に選定されるように装置を設定しておく。
Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心がプレカーサーイオンにほぼ一致させるか、最適化されているかは、以下のようなデータ取得を実施することにより確認することができる。すなわち、図6(a)に示すように、先ずQフィルター範囲に他のイオンが検出されないプレカーサーイオンに対してタンデム質量分析を実施する。次に、プレカーサーイオンの強度はほぼ同一だが、Qフィルター範囲に別の高い強度のイオンが検出されるように、サンプルを調整してイオン生成を行う。そして、先のプレカーサーイオンに対してタンデム質量分析を実施する。図6(b)に示すように、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心が最適化されていれば、アキュミュレーション時間やデータ積算回数は先のデータとほぼ一致するはずである。一方、図6(c)に示すように、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心がプレカーサーイオンにほぼ一致していれば、アキュミュレーション時間は減少するはずである。すなわち、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心が最適化されていれば、そうでない場合に比較して、同一のプレカーサーイオンに対するアキュミュレーション時間が同等か長くなる。
図7は、Qフィルターにおけるフィルター範囲の決定方法の一例を示すフローチャートである。これは、一種類のプレカーサーイオンが選定された場合の例である。
まず、Qフィルターにおけるイオン透過領域の幅をD、イオン透過領域の設定きざみ幅をΔMとし、N≦D/(2ΔM)を満たす最大の整数Nを算出する(S11)。次に、質量分析データMS1を取得し(S12)、プレカーサーイオンのm/z=Mを決定する(S13)。次に、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心をきざみ幅ΔMで変更し、対応するフィルター範囲の全イオン量T(i)を計算する(S14〜S16)。このきざみ幅ΔMは細かすぎると計算量が増加するだけなので、質量分析スペクトルにおけるピーク幅を目安に設定されることが望ましい。実質的には0.1から0.5Da程度の値で充分である。
次に、全イオン量T(i)が最低となるiに対するQフィルターの動作条件を決定する(S17)。この工程で、全イオン量T(i)が最低となるiに対応してフィルター範囲の中心が決められるが、複数箇所で同一の最低値をとる場合には、iの絶対値が小さいものを選択することが望ましい。図21に示すように、フィルター範囲の中心部において、イオン透過率が最大になると考えられるからである。実質的には、全イオン量T(i)の最低値に対し、30%程度高いT(i)の値を持つiに対応して、フィルター範囲の中心を決定しても構わない。最終的なアイソレーションの幅によっては、特にプレカーサーイオンに同位体ピークを含む場合に、フィルター範囲の中心部にプレカーサーイオンがある方が望ましい場合がある。少なくとも、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心がプレカーサーイオンに一致する場合に比較して、T(i)の値が低く設定されれば本発明の効果は有効である。
次に、上記最低となる全イオン量T(i)に基づき、アキュミュレーション時間などのイオントラップ動作条件を決定する(S18)。アキュミュレーション時間は、イオントラップに導入されるイオン量の上限値に対し、フィルター範囲に対応するT(i)の比率を求め、それと質量分析スペクトルのデータ取得におけるアキュミュレーション時間との積などにより求めることができる。続いて、決定した動作条件に従い、Qフィルターやイオントラップの電源を制御し、タンデムMSデータを取得する(S19)。
タンデム質量分析では、プレカーサーイオンの選定において、イオン強度の高いものから特定数だけ優先順位を付けて分析を実施するデータ依存分析がしばしば利用されている。もちろん、タンデム質量分析を実施する必要のないイオンが分かれば、そのイオンをプレカーサーイオンに選定しないように設定することも可能である。また、検出されれば優先的にタンデム質量分析を実施したいイオンが分かれば、そのイオンをプレカーサーイオンに優先的に選定するように設定することも可能である。このようにプレカーサーイオンの選定における優先順位付けは、分析開始前に設定しておくことが便利である。
その場合のQフィルターにおけるフィルター範囲の決定方法の例を図8のフローチャートに示す。ステップ21からステップ29は、図7のステップ11からステップ19に対応する。ただし、ステップ23においては、複数種類のプレカーサーイオンを決定している。また、プレカーサーイオンが複数あることにより、ステップ24からステップ29の処理をプレカーサーイオンの数だけ反復するようになっている(S30,S31)。つまり、最初に質量分析データ(質量スペクトル)を取得し(S22)、検出ピークの中からプレカーサーイオンとして選定されるピークの優先順位付けが行われる(S23)。このプレカーサーイオン候補の数Kは予め指定することができ、K種類のプレカーサーイオンに対してタンデム質量分析が実施されると、一連のタンデム質量分析は終了し、質量スペクトルが取得される。
なお、図7や8に示す例では、各プレカーサーイオンに対してデータ取得を1回ずつ実施しているが、同一のプレカーサーイオンに対してデータ取得を複数回実施するプロセスを含んでいても構わない。
図9は、本発明による質量分析装置の他の実施例のブロック図である。また、図10は、電源や制御部は図示していないが、装置におけるイオンの動きを示した模式図である。本実施例は、四重極イオントラップ13の下流側に飛行時間型質量分析計などの質量分析計18が結合したハイブリッド型質量分析器の例である。この例では、質量分析計18に飛行時間型質量分析計を使用しているが、フーリエ変換質量分析計や磁場型(二重収束型)質量分析計など他の質量分析計を用いても同様の効果がある。
イオン源11で生成されるイオンは、真空装置内に設置されたQフィルター12を通り、四重極イオントラップ13に導入される。図10(a)に示した質量分析データの取得では、制御部17によりQフィルター12及び四重極イオントラップ13の電源15,16が制御され、m/zに殆ど依存せずに大抵のイオンがQフィルター12及び四重極イオントラップ13を透過する。そして、これらのイオンは飛行時間型質量分析計18において質量分析され、検出器出力は一定時間積算平均されて質量分析データ(質量スペクトル)が取得される。なお、質量分析データの取得においては、四重極イオントラップ13で先述のようにアキュミュレーションを実施しても構わない。この場合は、四重極イオントラップにアキュミュレーションされるように四重極イオントラップ13の電源16が制御部17により制御される。四重極イオントラップ13では空間電荷効果が発生しないように、四重極イオントラップの電源16が制御部17により制御され、イオンのアキュミュレーションが短時間だけ実行される。アキュミュレーション終了後には、イオンは飛行時間型質量分析計18に移動され、先述のように質量分析される。
次に、図10(b)から図10(d)に示すタンデム質量分析データの取得においては、得られた質量スペクトルに基づき、タンデム質量分析を実施するプレカーサーイオンを制御部17で選定するとともに、プレカーサーイオンに対するアキュミュレーション時間が最大となるようにQフィルター12におけるフィルター範囲の中心を決定し、最大のアキュミュレーション時間を決定する。そして、制御部17によりQフィルター12と四重極イオントラップ13は制御され、タンデム質量分析に向けたアキュミュレーションが実行される。
その結果、図10(b)に示すように、最初のプレカーサーイオンのm/zとフィルター範囲の中心は必ずしも一致しないが、プレカーサーイオンを含むイオン群(A)などがQフィルターを通って、四重極イオントラップでアキュミュレーションされる。アキュミュレーション終了後には、四重極イオントラップでプレカーサーイオン以外のイオンを除去するためのアイソレーションが高周波電界の印加により実施される。そして、アイソレーションされたプレカーサーイオンは下流側に設置された衝突セルに導入され、CIDにより解離され、フラグメントイオンは飛行時間型質量分析計に移動され、質量分析を実施することにより、タンデム質量分析スペクトルが取得される。
なお、CIDによるフラグメントイオンの生成は、四重極イオントラップでも行うことができる。この場合、四重極イオントラップにおいて、プレカーサーイオンの運動を高周波電界により励起させ、残留ガスとの衝突によるプレカーサーイオンの解離を実現させる。生成されるフラグメントイオンを飛行時間型質量分析計に移動させ、質量分析を実施することにより、タンデム質量分析スペクトルが取得される。CIDを四重極イオントラップにおいて実施する場合は、衝突セルでCIDを実施する場合に比較して、多少時間が余計に掛かるが、フラグメントイオンの種類が多少異なる。そのため、CIDを衝突セルで実施するか四重極イオントラップで実施するかの選択は、分析目的に応じて判断することが望ましい。
複数のタンデム質量分析を続けて行う場合には、図10(c)に示されるように、四重極イオントラップからイオンが下流側に排出され次第、二番目のプレカーサーイオンを含むイオン群(B)などがQフィルターを通って、四重極イオントラップでアキュミュレーションされる。この時のQフィルターにおけるフィルター範囲の中心やアキュミュレーション時間は、制御部において既に決められており、イオン群(A)と同様にタンデム質量分析が実施される。図10(d)に示されるように、三番目のプレカーサーイオンに対するアキュミュレーションも同様に行われる。
図11は、本発明による質量分析装置の他の実施例のブロック図である。また、図12は、電源や制御部は図示していないが、装置におけるイオンの動きを示した模式図である。本実施例は、図1に示す実施例に近いが、Qフィルター12と四重極イオントラップ13との間にプレトラップ19が設けられた質量分析器の例を示している。プレトラップ19は四重極イオントラップ13と同一のものであることが理想だが、空間電荷効果を生じることなく四重極イオントラップと同程度のイオンをアキュミュレーションできるものであれば、サイズやポール電極の数が異なる多重極イオントラップであっても構わない。イオン源11には液体クロマトグラフ20から溶出した試料が導入される。
イオン源11で生成されるイオンは、図12(a)に示すように、真空装置内に設置されたQフィルター12を通り、プレトラップ19に導入される。空間電荷効果が発生しないように予め設定された時間だけイオンがプレトラップ19でアキュミュレーションされると、イオン群は四重極イオントラップ13に移動する。そして、図12(b)に示す質量分析データの取得では、四重極イオントラップは、イオンがm/zに応じて排出されるように電源が動作し、排出イオンは検出部で検出されることにより、質量スペクトルが取得される。
次に、タンデム質量分析データの取得においては、得られた質量スペクトルに基づき、タンデム質量分析を実施するプレカーサーイオンを制御部で選定されるとともに、プレカーサーイオンに対するQフィルターにおけるフィルター範囲の中心やプレトラップにおけるアキュミュレーション時間を決定する。そして、図12(c)に示すように、一番目のプレカーサーイオンのタンデム質量分析に向けたアキュミュレーションがプレトラップで実行され、アキュミュレーションが終了すると一番目のプレカーサーイオンを含むイオン群(A)は四重極イオントラップに移動する。そして、図12(d)に示すように、プレトラップでは二番目のプレカーサーイオンを含むイオン群(B)のアキュミュレーションが開始される。一方、四重極イオントラップではイオン群(A)におけるプレカーサーイオン以外のイオンを除去するためのアイソレーションが高周波電界により実施される。さらに、プレカーサーイオンの運動を別の高周波電界により励起させ、残留ガスとの衝突によるプレカーサーイオンの解離(CID)を実現させる。その解離イオンに対し、m/zに応じて検出部に排出されるように電源が動作し、排出イオンが検出部で順次検出されることにより、タンデム質量分析スペクトルが取得される。
このような構成の質量分析器では、複数のプレカーサーイオンに対してタンデム質量分析を連続して実施する場合に、真空装置に連続的に導入されるイオンを有効に利用することができ、分析スループットが向上する傾向がある。特に、四重極イオントラップにおける質量分析に要する時間がアキュミュレーション時間と同等以下の場合に有効である。
図13は、本発明による質量分析装置の他の実施例のブロック図である。また、図14は、電源や制御部は図示していないが、装置におけるイオンの動きを示した模式図である。本実施例は、図9に示す実施例に近いが、Qフィルター12と四重極イオントラップ13との間にプレトラップ19が設けられ、四重極イオントラップ13の下流側に飛行時間型質量分析計などの質量分析計18が結合した質量分析器の例である。イオン源11には液体クロマトグラフ20から溶出した試料が導入される。
イオン源11で生成されるイオンは、真空装置内に設置されたQフィルター12やプレトラップ19、四重極イオントラップ13に導入される。図14(a)に示す質量分析データの取得では、制御部によりQフィルターやプレトラップ及び四重極イオントラップの電源が制御され、m/zに殆ど依存せずに大抵のイオンがQフィルターやプレトラップ、四重極イオントラップ、衝突セルを透過する。そして、これらのイオンは飛行時間型質量分析計(TOF)において質量分析され、検出器出力は一定時間積算平均されて質量分析データ(質量スペクトル)が取得される。なお、質量分析データの取得においては、プレトラップや四重極イオントラップでイオンのアキュミュレーションを実施しても構わない。この場合は、プレトラップ又は四重極イオントラップにアキュミュレーションされるようにプレトラップ又は四重極イオントラップの電源が制御部により制御される。プレトラップ又は四重極イオントラップでは、空間電荷効果が発生しないように電源が制御部により制御され、イオンのアキュミュレーションが短時間だけ実行される。アキュミュレーション終了後には、イオンは飛行時間型質量分析計に移動され、先述のように質量分析される。
次に、タンデム質量分析データの取得においては、得られた質量スペクトルに基づき、タンデム質量分析を実施するプレカーサーイオンを制御部で選定するとともに、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心やプレトラップにおけるアキュミュレーション時間を決定する。そして、図14(b)に示すように、一番目のプレカーサーイオンのタンデム質量分析に向けたアキュミュレーションが実行され、一番目のプレカーサーイオンを含むイオン群(A)のアキュミュレーションが終了すると、イオン群(A)は四重極イオントラップに移動する。そして、図14(c)に示すように、プレトラップでは二番目のプレカーサーイオンを含むイオン群(B)のアキュミュレーションが開始される。一方、四重極イオントラップではイオン群(A)におけるプレカーサーイオン以外のイオンを除去するためのアイソレーションが高周波電界の印加により実施される。そして、アイソレーションされたプレカーサーイオンは下流側に設置された衝突セルに導入され、CIDにより解離され、生成されるフラグメントイオンは飛行時間型質量分析計に移動され、質量分析を実施することにより、タンデム質量分析スペクトルが取得される。
なお、CIDによるフラグメントイオンの生成は、四重極イオントラップでも行うことができる。この場合、四重極イオントラップにおいて、プレカーサーイオンの運動を高周波電界により励起させ、残留ガスとの衝突によるプレカーサーイオンの解離を実現させる。生成されるフラグメントイオンを飛行時間型質量分析計に移動させ、質量分析を実施することにより、タンデム質量分析スペクトルが取得される。CIDを四重極イオントラップにおいて実施する場合は、衝突セルでCIDを実施する場合に比較して、多少時間が余計に掛かるが、フラグメントイオンの種類が多少異なる。そのため、CIDを衝突セルで実施するか四重極イオントラップで実施するかの選択は、分析目的に応じて判断することが望ましい。
複数のタンデム質量分析を続けて行う場合には、図14(c)に示されるように、四重極イオントラップからイオンが下流側に排出され次第、二番目のプレカーサーイオンを含むイオン群(B)などがQフィルターを通って、四重極イオントラップでアキュミュレーションされる。この時のQフィルターにおけるフィルター範囲の中心やアキュミュレーション時間は、制御部において既に決められており、イオン群(A)と同様にタンデム質量分析が実施される。さらに、図14(d)に示されるように、三番目のプレカーサーイオンに対するアキュミュレーションも同様に行われる。
図13や図14に示す構成の質量分析器では、複数のプレカーサーイオンに対してタンデム質量分析を連続して実施する場合に、真空装置に連続的に導入されるイオンを有効に利用することができ、分析スループットが向上する傾向がある。特に、飛行時間型質量分析計における質量分析に要する時間はアキュミュレーション時間に比較して充分に短いので、有効である。
また、質量分析計として飛行時間型質量分析計の代わりに、イオンサイクロトロン共鳴(ICR)質量分析計やオービトラップ質量分析計などのフーリエ変換質量分析計(FTMS)などを用いることも可能である。この場合、質量分析に要する時間をアキュミュレーション時間に比較して長く設定することがある。このような場合には、分析時間が長いフーリエ変換質量分析計などの質量分析計により質量分析データを取得し、同時に別のデータ取得を四重極イオントラップで実施することが効率的である。
図15に示す例では、四重極イオントラップの近傍に検出器が設置されており、四重極イオントラップを質量分析計としても利用し、質量分離されたイオンを検出器の方向に排出することができる。すなわち、図15(a)に示すように、Qフィルターを透過したイオンが四重極イオントラップでアキュミュレーションされる。このアキュミュレーションはプレトラップで実施しても構わない。プレトラップ又は四重極イオントラップでは、空間電荷効果が発生しないように電源が制御部(図示しない)により制御され、イオンのアキュミュレーションが短時間だけ実行される。アキュミュレーション終了後には、図15(b)に示すように、イオンはイオンガイドを透過してフーリエ変換質量分析計に導入され、質量分析が実施される。この質量分析が実施されている間に、一番目のプレカーサーイオンのタンデム質量分析に向けたアキュミュレーションがプレトラップで実行される。このアキュミュレーションにおいては、予め得られている質量分析データに基づき、タンデム質量分析を実施するプレカーサーイオンを制御部で選定するとともに、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心やプレトラップにおけるアキュミュレーション時間を決定する。
そして、図15(c)に示すように、アキュミュレーションが終了すると、イオン群(A)は四重極イオントラップに移動し、プレカーサーイオンがアイソレーションされてCIDなどによる解離が実施される。そして、生成するフラグメントイオンは質量分離され、四重極イオントラップの近傍に設置された検出器で順次検出される。このようにして、一番目のプレカーサーイオンに対するタンデム質量分析が実施される。この時、プレトラップでは、二番目のプレカーサーイオンを含むイオン群(B)のアキュミュレーションが実施される。上記のように質量分析器が制御されると、効率的にデータ取得を実施することができる。そして、図15(d)に示すように、二番目のプレカーサーイオンのタンデム質量分析が始まると、プレトラップでは三番目のプレカーサーイオンを含むイオン群(C)のアキュミュレーションが実施される。
この例では、質量分析データをフーリエ変換質量分析計で取得し、タンデム質量分析データを四重極イオントラップで取得している。しかし、分析目的に応じて、フーリエ変換質量分析計でタンデム質量分析データを取得しても構わない。
図16に、図13や図14に示す構成の質量分析器における、Qフィルターやプレトラップ、四重極イオントラップ、衝突セル、飛行時間型質量分析計の動作シーケンスを模式的に示す。上から下に向かって時間の経過を示すが、プレトラップのアキュミュレーション時間がプレカーサーイオンに依存して変化することが示される。また、各デバイスが高い稼働率で動作しており、プレトラップを設置することによるイオンの有効利用が示される。この例では、タンデム質量分析において、一種類のプレカーサーイオンに対して、イオントラップでアイソレーションが実施さている。
四重極イオントラップを用いたタンデム質量分析では、上記のように一回のアキュミュレーションに対して一種類のイオンのアイソレーションが実施されることが多い。しかし、四重極イオントラップにおいてイオンの出口側に発生する端電界などを利用することにより、特定のm/zのイオンだけをミリ秒程度の時間で下流側に排出することができる。この特徴を利用すると、図17に示すように、Qフィルターを透過して四重極イオントラップにアキュミュレーションされる複数種のプレカーサーイオンに対し、逐次、タンデム質量分析を行うことが可能である。すなわち、四重極イオントラップに捕捉された複数種のプレカーサーイオンを逐次排出し、各プレカーサーイオンを衝突セル及び飛行時間型質量分析計に導入することにより、タンデム質量分析の分析スループットを数倍は向上させることができる。ただ、プレカーサーイオン間のクロストークが発生しないように、ミリ秒程度の時間間隔でプレカーサーイオンの排出を順次行うことが望ましい。勿論、プレカーサーイオンの排出方法が特定m/zのイオンだけを排出する方式と異なり、プレカーサーイオンを中心とする質量範囲において、排出イオンのm/zを走査(スキャン)するような方式を採用しても構わない。さらに、Qフィルターにおけるフィルター範囲全般において、排出イオンのm/zを走査することにより、検出されるイオンを順次排出する方式を採用しても構わない。
また、タンデム質量分析には、CIDの他に、電子捕獲解離(ECD)や電子移動解離(ETD)などのイオン解離技術が利用できる。これらの手法では、CIDの場合と補完的なタンデム質量分析情報が得られるので、CIDと組み合わせて利用されることがある。ただ、イオン解離に要する時間が衝突セルを用いるCIDではミリ秒以下であるのに対し、ECDやETDでは10から数10ミリ秒と長くなることがある。そこで、図18に示すような質量分析器では、CIDは衝突セルで行い、ECDやETDは別の四重極イオントラップ(ECDセル、ETDセル)で行うことができる。そのため、四重極イオントラップにおけるプレカーサーイオンのアキュミュレーションでは、既に得られている質量スペクトルに基づき、Qフィルターにおけるフィルター範囲の中心やプレトラップにおけるアキュミュレーション時間を決定する。
図18には、タンデム質量分析の様子を示すが、図18(a)の過程で最初にアキュミュレーションされたイオン群(A)は、Q−デフレクターによりECDセルに導入され、図18(b)に示すようにECDが実行される。その間に、二番目にアキュミュレーションされたイオン群(B)は、四重極イオントラップでアイソレーションされ、Q−デフレクターを経て衝突セルに導入される。そして、図18(c)に示すように、CIDによる解離が行われ、生成される解離イオンが質量分析計で質量分析される。一方、イオン群(B)の解離が完了すると、図18(d)に示すように、ECDされたイオン群(A)が衝突セルを透過して質量分析計で質量分析される。同時に、三番目にアキュミュレーションされたイオン群(C)が四重極イオントラップでアイソレーションされる。このようなシーケンスで分析を行うことにより、効率的にECDやCIDによるタンデム質量分析データを取得することができる。プレトラップにおけるイオンのアキュミュレーションについても、図14に示す例と同様である。
さて、図17に示すように、特定のm/zのイオンだけをミリ秒程度の時間で順次下流側に排出することができる四重極イオントラップを用いる場合には、プレカーサーイオンの選定が多少複雑になる。そこで、Qフィルターにおけるフィルター範囲の決め方について、図19に示す質量スペクトルを用いて説明する。
図19に示されるように、多数のイオンが検出される場合には、Qフィルターにおけるフィルター範囲に複数のイオンが含まれることがしばしばある。選定されたプレカーサーイオンは優先順位に従って○△□などで示し、Qフィルターにおけるフィルター範囲は点線及び矢印で示す。四重極イオントラップのアキュミュレーション時間は、フィルター範囲における全イオン量で決定される。そのため、フィルター範囲に含まれるイオンの中で、最も強度の高いイオンをプレカーサーイオンに選定すれば、高いS/N比でタンデム質量分析データが取得される結果になると期待される。しかし、フィルター範囲に含まれるイオンの中で、最も強度の高いイオンに対して、10倍以上も強度が低いイオンをプレカーサーイオンに選定すれば、比較的低いS/N比でタンデム質量分析データが取得されると予想される。そのため、プレカーサーイオンの選定においては、イオン強度の差が10倍以内に収まるようなものだけを選ぶことが一つの目安となる。例えば、図19(a)において、○と△でラベルされたイオンの間に微弱なピークが検出される。このピークに対しては、図19(b)に示すようなフィルター範囲でアキュミュレーションした方が、アキュミュレーション時間が長くなり、同一の積算回数の場合により多くのイオンをタンデム質量分析に用いることができる。
このように、プレカーサーイオンの選定において、Qフィルターにおけるフィルター範囲を制御部で自動的に最適化することにより、微弱イオンに対しても高いS/N比でタンデム質量分析データが取得される。すなわち、複数回のアキュミュレーションを実施するデータ依存解析において、Qフィルター領域に重複する領域があり、その重複領域にプレカーサーイオンが存在する場合には、アキュミュレーション時間がより長く設定されるアキュミュレーションにより、そのプレカーサーイオンのタンデム質量分析を実施することが望ましい。
質量分析器の分析感度が向上することにより、特に生体由来のサンプルを分析する場合に、従来は検出されなかったような微弱な成分が検出されるようになる。このことは、質量スペクトルにおいて巨大な強度のイオンの近傍に微弱な強度のイオンが検出されることを意味し、これらの微弱イオンに対するタンデム質量分析が重要になっている。ところが、図19(a)に示すように、Qフィルターにおけるフィルター範囲を多数のイオンが含まれるような幅で設定すると、○と△でラベルされたイオンの間に存在する微弱なイオンのタンデム質量分析では、特別に積算回数を増加させない限り、充分に高いS/N比でタンデム質量分析データを取得することが困難な場合がある。しかし、積算回数を非常に増加させることは、分析スループットを顕著に低減させる結果となる。
そこで、近傍のm/zに強度の高いイオンが共存するイオンをプレカーサーイオンに選定する場合だけは、図20に示すように、フィルター範囲を自動的に狭く設定することが有効な場合がある。フィルター範囲に強度の高いイオンが含まれないと、アキュミュレーション時間を充分に長く設定できるので、高いS/N比でタンデム質量分析データを取得することができる。この場合、図21に示すようなイオン透過率を予め測定しておき、検出器で検出されるイオン強度に対してイオン透過率の補正を自動的に施すことにより、得られるタンデム質量分析データは他のデータと同様に定量解析を行うことができる。実際の分析においては、実施例1に記載のようにイオン透過率がほぼ100%である広いフィルター範囲を最初に指定しておき、近傍のm/zに強度の高いイオンが存在するイオンがプレカーサーイオンに選定される場合だけ、フィルター範囲を自動的に狭く設定してタンデム質量分析を実施することが望ましい。比較的狭いフィルター範囲が最初に指定されても同様であり、イオン透過率の補正が行われれば問題はない。
以上より、近傍のm/zにはイオン強度が10倍以内のイオンしか存在しない場合は、広いフィルター範囲の設定によりイオン透過率がほぼ100%を実現させるが、イオン強度が10倍以上も高いイオンが含まれる微弱イオンに対しては、特別に狭いフィルター範囲を設定し、タンデム質量分析を実施することが一つの解決策である。したがって、分析スループットが充分に高い質量分析器では、図19(b)に示すようにQフィルターにおけるフィルター範囲を標準的に広く設定するモードと、図20に示すように例外的に狭く設定するモードとを、質量分析データに基づき自動的に切り替えることが望ましい。さらに、Qフィルターにおけるフィルター範囲を例外的に狭く設定して取得されたデータには、その旨の情報が付与され、他のデータと同様に定量解析されることがないように区別されることが望ましい。
11 イオン源
12 Qフィルター
13 イオントラップ
14 検出器
17 制御部
18 質量分析計
19 プレトラップ
20 液体クロマトグラフ

Claims (14)

  1. 試料をイオン化するイオン源と、
    前記イオン源の後段に配置され、所定のフィルター範囲のイオンを透過させる四重極フィルターと、
    前記四重極フィルターの後段に配置されたイオントラップと、
    前記イオントラップの後段に配置されたイオン検出器と、
    前記四重極フィルター及びイオントラップを制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記イオン検出器より得られる質量分析データに基づいてタンデム質量分析におけるプレカーサーイオンを選定し、前記プレカーサーイオンのタンデム質量分析の際に、前記四重極フィルターのフィルター範囲に前記プレカーサーイオンが含まれ、かつ、前記フィルター範囲の中心が前記プレカーサーイオンに一致する場合に比較して前記四重極フィルターを透過する全イオン量が減少するように、前記フィルター範囲の中心を設定することを特徴とする質量分析システム。
  2. 請求項1記載の質量分析システムにおいて、前記制御部は、前記四重極フィルターを透過する全イオン量が最小となるように、前記フィルター範囲の中心を設定することを特徴とする質量分析システム。
  3. 請求項1又は2記載の質量分析システムにおいて、前記制御部は、前記質量分析データに基づき前記イオントラップにおけるイオンのアキュミュレーション時間を決定することを特徴とする質量分析システム。
  4. 試料をイオン化するイオン源と、
    前記イオン源の後段に配置され、所定のフィルター範囲のイオンを透過させる四重極フィルターと、
    前記四重極フィルターの後段に配置されたイオントラップと、
    前記イオントラップの後段に配置されたイオン検出器と、
    前記四重極フィルター及びイオントラップを制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記イオン検出器より得られる質量分析データに基づいてタンデム質量分析におけるプレカーサーイオンを選定し、前記プレカーサーイオンのタンデム質量分析の際に、前記四重極フィルターのフィルター範囲に前記プレカーサーイオンが含まれ、かつ、前記フィルター範囲の中心が前記プレカーサーイオンに一致する場合に比較して前記イオントラップにおけるイオンのアキュミュレーション時間が長くなるように、前記フィルター範囲の中心を設定することを特徴とする質量分析システム。
  5. 請求項4記載の質量分析システムにおいて、前記制御部は、前記アキュミュレーション時間が最大となるように、前記フィルター範囲の中心を設定することを特徴とする質量分析システム。
  6. 請求項4又は5記載の質量分析システムにおいて、前記制御部は、前記質量分析データに基いて前記アキュミュレーション時間を決定することを特徴とする質量分析システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の質量分析システムにおいて、前記イオントラップと前記イオン検出器の間に、イオンの質量分離を行う質量分析部を有することを特徴とする質量分析システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の質量分析システムにおいて、前記四重極フィルターと前記イオントラップの間に、イオンの透過あるいはアキュミュレーションを行うプレトラップを有し、前記プレトラップ又は前記イオントラップにおいてイオンのアキュミュレーションが行われることを特徴とする質量分析システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の質量分析システムにおいて、前記制御部は、前記質量分析データに基づいて前記四重極フィルターのフィルター範囲の幅を決定することを特徴とする質量分析システム。
  10. 請求項1又は2記載の質量分析システムにおいて、前記四重極フィルターのフィルター範囲の中心が前記プレカーサーイオンとほぼ一致するモードと、前記四重極フィルターのフィルター範囲の中心を設定するモードを有することを特徴とする質量分析システム。
  11. 試料をイオン化するイオン源と、前記イオン源の後段に配置された四重極フィルターと、前記四重極フィルターの後段に配置されたイオントラップと、前記イオントラップの後段に配置されたイオン検出器と、前記四重極フィルター及びイオントラップを制御する制御部とを有する質量分析システムを用いた試料分析方法において、
    前記制御部は、
    イオンが前記四重極フィルターを透過するように設定して試料の質量分析データを取得する工程、
    前記質量分析データに基づいてタンデム質量分析におけるプレカーサーイオンを選定する工程、
    所定の質量電荷比の範囲のイオンが透過するように前記四重極フィルターのフィルター範囲を設定し、前記フィルター範囲に前記プレカーサーイオンが含まれ、かつ、前記フィルター範囲の中心が前記プレカーサーイオンに一致する場合に比較して前記四重極フィルターを透過する全イオン量が減少するように、前記フィルター範囲の中心を決定する工程、
    前記中心が設定されたフィルター範囲と前記質量分析データに基づいて前記イオントラップのアキュミュレーション時間を決定する工程、
    前記決定された前記四重極フィルターと前記イオントラップの動作条件に従い、前記プレカーサーイオンのタンデム質量分析を行う工程、
    を実行することを特徴とする試料分析方法。
  12. 請求項11記載の試料分析方法において、前記制御部は、前記四重極フィルターを透過する全イオン量が最小となるように、前記フィルター範囲の中心を設定することを特徴とする試料分析方法。
  13. 試料をイオン化するイオン源と、前記イオン源の後段に配置された四重極フィルターと、前記四重極フィルターの後段に配置されたイオントラップと、前記イオントラップの後段に配置されたイオン検出器と、前記四重極フィルター及びイオントラップを制御する制御部とを有する質量分析システムを用いた試料分析方法において、
    前記制御部は、
    イオンが前記四重極フィルターを透過するように設定して試料の質量分析データを取得する工程、
    前記質量分析データに基づいてタンデム質量分析におけるプレカーサーイオンを選定する工程、
    所定の質量電荷比の範囲のイオンが透過するように前記四重極フィルターのフィルター範囲を設定し、前記フィルター範囲に前記プレカーサーイオンが含まれ、かつ、前記フィルター範囲の中心が前記プレカーサーイオンに一致する場合に比較して前記イオントラップにおけるイオンのアキュミュレーション時間が長くなるように、前記フィルター範囲の中心を設定する工程、
    前記中心が設定されたフィルター範囲と前記質量分析データに基づいて前記イオントラップのアキュミュレーション時間を決定する工程、
    前記決定された前記四重極フィルターと前記イオントラップの動作条件に従い、前記プレカーサーイオンのタンデム質量分析を行う工程、
    を実行することを特徴とする試料分析方法。
  14. 請求項13記載の試料分析方法において、前記制御部は、前記アキュミュレーション時間が最大となるように、前記フィルター範囲の中心を決定することを特徴とする試料分析方法。
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