本発明の好ましい一実施例のクロノグラフ時計1は、図3に示したように、腕時計の形態で、中心軸線C1のまわりで回転され現在時刻を表示する時針11,分針12及び秒針13を備えると共に、中心軸線C2のまわりで回転されるクロノグラフ秒針14及び中心軸線C3のまわりで回転されるクロノグラフ分針15を備える。
例えば、D1方向に二段引出した状態で巻真16を回すことにより時刻表示針11,12,13を回転し得、巻真16をD1方向に一段引出した状態で巻真16を回すことにより窓を介して表示される日車の日付17を変更し得る。クロノグラフ時計1の通常の時刻表示にかかわる動作は、通常の電子時計と同じであり、当業者に周知であるので、以下では、通常運針に係る構造や機能や動作については、記載を省略する。
クロノグラフ時計1では、クロノグラフ指針14,15は、電気的に駆動制御され機械的に帰零制御される。
クロノグラフ時計1では、スタート/ストップボタン18をA1方向に押すことにより、クロノグラフ時計1によるクロノグラフ動作の開始、停止が指示される。より詳しくは、クロノグラフ動作の開始/停止とは、クロノグラフ指針14,15の運針の開始/停止を指し、後述のようにこれに関連して電気的な駆動系の動作及びクロノグラフ指針の電気的な位置情報の保持が行われる。但し、場合によっては、クロノグラフ指針の電気的な位置情報は保持していなくてもよい。
クロノグラフ時計1では、また、リセットボタン19をB1方向に押すことにより、クロノグラフ時計1によるクロノグラフ動作のリセットすなわち初期状態への復帰(帰零)が指示される。より詳しくは、クロノグラフ動作のリセットとは、クロノグラフ指針14,15の初期位置への強制的な復帰(帰零)、並びにクロノグラフ指針14,15の運針の停止及びクロノグラフ指針の電気的な位置情報のリセットを指す。
まず、クロノグラフ時計1のスタート、運針及び帰零にかかわる機械的な構造5及び動作について、主として、図2の(a)及び(b)に基づいて説明する。なお、クロノグラフ時計1のスタート、運針及び帰零にかかわる機械的な構造5は、図1のブロック図の左側部分にも、簡単に示されている。
クロノグラフ時計1は、通常運針用モータ(図示せず)とは別にクロノグラフ指針運針用モータ35を備え、該クロノグラフ指針運針用モータ35は、回転駆動された際、クロノグラフ指針運針用輪列36を介して、クロノグラフ指針14,15を運針させる。
クロノグラフ時計1は、クロノグラフ秒針14のあるクロノグラフ秒真21に取付けられたクロノグラフ秒カム22及びクロノグラフ分針15のあるクロノグラフ分真23に取付けられたクロノグラフ分カム24を備える。
クロノグラフ時計1は、また、復針伝達第一レバー(以下では、「復針伝達レバーB」ともいう)25、復針伝達第二レバー(以下では、「復針伝達レバーA」ともいう)26及び復針レバー27を備えると共に、停止レバー28を備える。
復針伝達第一レバー25は、基準位置J1(図2の(b)の実線)と帰零位置J2(図2の(a)の実線で(b)の点線)との間で回動可能であり、位置決めピン25aが係合する溝を備えたばね状位置決め部材29と係合して、基準位置J1又は帰零動作位置J2に位置決めされる。復針伝達第二レバー26は、長穴26aで復針伝達第一レバー25のピン25bに係合している。復針伝達第一レバー25が基準位置J1から帰零位置J2に移動され位置設定されると、復針伝達第二レバー26が基準位置K1(図2の(b)の実線)から帰零位置K2(図2の(a)の実線で(b)の点線)に移動される。一方、復針伝達第二レバー26が帰零位置K2から基準位置K1に移動され位置設定されると、復針伝達第一レバー25が帰零位置J2から基準位置J1に移動され位置決めされる。復針レバー27は、長穴27aで復針伝達第二レバー26のピン26bに係合し、復針伝達第二レバー26の基準位置K1又は帰零位置K2への位置設定に応じて、基準位置M1(図2の(b)の実線)又は帰零位置M2(図2の(a)の実線で(b)の点線)に位置決めされる。復針レバー27が帰零位置M2に設定されると、復針レバー27は、秒ハンマー部27bでクロノグラフ秒カム22を叩いてクロノグラフ秒針14を初期位置に帰零させると共に、分ハンマー部27cでクロノグラフ分カム24を叩いてクロノグラフ分針15を初期位置に帰零させる。
停止レバー28は、ばね部28a、係合腕部28b及び係止腕部28cを備え、帰零時の訂正制御位置ないし規正位置E2(図2の(a)の実線で(b)の点線)と訂正制御解除位置ないし規正解除位置E1(図2の(b)の実線)との間でピン28dのまわりで回動可能である。停止レバー28の係止腕部28cは、該停止レバー28が規正位置E2にある状態SE2ではクロノグラフ運針用モータ35のロータ歯車35aにつながるクロノグラフ運針用輪列36のいずれかの車36aに対して係合して輪列36の回転を規正し、停止レバー28が規正解除位置E1にある状態SE1では、輪列36の車36aから離されて、モータ35のロータ歯車35a及び輪列36の回転を許容する。ばね部28aにおいて規正位置E2に向かう方向の偏倚力を受けている停止レバー28は、復針伝達第一レバー25が帰零位置J2から基準位置J1に回動変位される際に、係合腕部28bにおいて復針伝達第一レバー25の腕部25dと係合して帰零時の規正位置E2から規正解除位置E1に回動変位される。一方、復針第一レバー25が基準位置J1から帰零位置J2に移動されると、該復針第一レバー25の腕部25dと係合腕部28bとの係合が解除されるので停止レバー28はばね部28aのばね力により規正解除位置E1から規正位置E2に戻される。
クロノグラフ時計1が、図2の(a)に示した帰零(リセット)状態S2にある際に、スタート/ストップボタン18がA1方向に押圧されると、復針伝達第二レバー26が突起部26cでA1方向に押されて位置K2から位置K1に変位されると共に、復針伝達第一レバー25が位置J2から位置J1に変位され、復針レバー27が位置M2から位置M1に変位される。これにより、ハンマー部27b,27cによるハートカム22,24及びクロノグラフ指針14,15の回転規制(帰零制御)が解除される。また、復針伝達第一レバー25の位置J2から位置J1への回動に応じて、該復針伝達第一レバー25の腕部25dに腕部28bで係合した停止レバー28が規正位置E2から規正解除位置E1に回動され、停止レバー28の係止腕部28cがクロノグラフ輪列36から離脱して輪列36の回転規正(停止制御)を解除する。これにより、機械的制御機構5が状態S1に戻され、クロノグラフ指針14,15が回転可能になる。
一方、クロノグラフ時計1が、図2の(b)に示したスタート状態ないし運針状態S1にある際に、リセットボタン19がB1方向に押圧されると、復針伝達第一レバー25が突起部25cでB1方向に押されて復針伝達第一レバー25が位置J1から位置J2に変位される。復針伝達第一レバー25が位置J1から位置J2に変位されると、一方では、該レバー25に係合した復針伝達第二レバー26が位置K1から位置K2に移動され、該レバー26に係合した復針レバー27が位置M1から位置M2に移動して、秒ハンマー27b及び分ハンマー27cが秒ハートカム22及び分ハートカム24を叩いてクロノグラフ秒針14及びクロノグラフ分針15を帰零させ、他方では、停止レバー28に対する腕部25dの係止が解除され停止レバー28が位置E1から位置E2に回動されて、腕部28cでクロノグラフ輪列36に係合して、輪列36を規正する。
クロノグラフ時計1について、図2の(a)及び(b)に示した機械的構造5に関連する範囲で電気的な側面について言えば、次のとおりである。
クロノグラフ時計1が、図2の(a)に示したリセット状態S2にある際に、スタート/ストップボタン18がA1方向に押圧されると、該スタート/ストップボタン18はその奥端の近傍においてA2方向の偏倚力を及ぼすスタート/ストップスイッチバネ33を押して、接点部34を閉じさせ、該接点部34を介して、スタート信号Pa(図1)を発生させる。なお、クロノグラフ時計1が、図2の(b)に示したスタート状態S1にある際に、スタート/ストップボタン18がA1方向に押圧されると、該スタート/ストップボタン18はスタート/ストップスイッチバネ33を押して、接点部34を閉じさせ、該接点部34を介して、ストップ(停止)信号Pb(図1)を発生させる。
一方、クロノグラフ時計1が、図2の(b)に示したスタート状態(又はストップ状態)S1にある際に、リセットボタン19がB1方向に押圧されると、該リセットボタン19はその奥端の近傍においてB2方向の偏倚力を及ぼすリセットスイッチバネ31を押して、接点部32を閉じさせ、該接点部32を介して、リセット信号Qa(図1)を発生させる。
以上のような動作のうち、以下では、図2の(a)の帰零状態S2において、スタート/ストップボタン18がA1方向に押圧された際のスタート動作の開始及び進行を中心に、より詳しく説明する。
即ち、スタート/ストップボタン18のA1方向押圧に伴い、一方では、スイッチ接点34を介して電気的な駆動開始信号Paが出されてこれによりモータ35の回転駆動が行われ、他方では、復針伝達第二レバー26の回動に伴う復針レバー27の回動により機械的な帰零制御状態が解除されると共に、該復針伝達第二レバー26及び復針伝達第一レバー25の回動に伴う停止レバー28の回動により輪列36の係止(停止制御状態)が解除されて、運針が機械的に許容される(機械的な規正が解除される)。
ここで、クロノグラフ時計1が適正に動作し、計時が正確に行われるためには、機械的な規正解除が完了した後でモータの回転駆動が行われる必要がある。このクロノグラフ時計1では、構造の複雑化及びこれに要するコストの増加を避けつつ、機械的な規正解除が完了した後で電気的な駆動が行われることを確実に行わせるようにしている。以下では、この点を中心に詳しく説明する。
次に、クロノグラフ時計1の電気的駆動機構6の概要を、図2の機械的構造5を参照しつつ、主として図1のブロック図に基づいて説明する。
クロノグラフ時計1のクロノグラフ運針用モータ35の回転は、発振回路41及び分周回路42を介して与えられるクロックパルスに基づいて駆動制御されるクロノグラフ指針運針用モータ35の駆動制御用集積回路50によって、制御される。
モータ駆動制御用集積回路50は、基本駆動制御部51と、遅延制御部52と、駆動パルス発生回路53と、モータ駆動回路54と、帰零制御部55とを有する。ここで、クロノグラフ指針運針用モータ35の駆動手段は、モータ駆動回路54からなり、クロノグラフ指針運針用モータ35の駆動制御手段は、駆動パルス発生回路53と、基本駆動制御部51と、遅延制御部52と、帰零制御部55とからなる。なお、モータ駆動制御用集積回路50は、更に、クロノグラフ秒をカウントし該クロノグラフ秒情報を保持するクロノグラフ秒カウンタ57、及びクロノグラフ分をカウントし該クロノグラフ分情報を保持するクロノグラフ分カウンタ58を有する。クロノグラフ時をカウントし該クロノグラフ時情報を保持するクロノグラフ時カウンタが更に設けられていてもよい。
基本駆動制御部51は、クロノグラフ時計1が帰零(リセット)状態S2にある際におけるスタート/ストップボタン18の押下げに応じて接点部34を介して与えられるスタート信号ないし作動信号Paを受取ると、チャタリング防止用の短い期間をおいて、駆動制御信号Pdを発する。以下では、後述の図4等に関連して特に断わらない限り、スタート信号Paの送信時点と駆動制御信号Pdの送信時点とは、実質的に同一であるとする。駆動制御信号Pdは、図4に示したように、クロノグラフ動作が行われている期間の間は高レベルに保たれる信号からなる。基本駆動制御部51は、また、クロノグラフ時計1がスタート状態S1にある際におけるスタート/ストップボタン18の押下げに応じて接点部34を介して与えられるストップ(停止)信号Pbを受取る(又は接点部34からのスタート信号ないし作動信号Paの送出が停止される)と、駆動制御信号Pdの送信を停止する。
基本駆動制御部52からの駆動制御信号Pdはクロノグラフ秒カウンタ57にも与えられ、クロノグラフ秒カウンタ57は、駆動制御信号Pdが高レベルに保たれている間、分周回路42から与えられるクロックパルスを受取ってクロノグラフ秒をカウントすると共に、該駆動制御信号Pdに基づいてクロノグラフとしての計時を開始した時点t0を始点として該時点から周期T毎にクロノグラフタイミングパルスPhを発する。このパルスPhの周期Tは、クロノグラフ時計1の計時精度に対応し、例えば、1/100秒(即ち、10ms)である。
遅延制御部52は、基本駆動制御部51からの駆動制御信号Pdによって作動状態に設定されると共に該作動状態になったあとクロノグラフ秒カウンタ57からの最初のタイミングパルスPhを受信すると、時間αTの遅延時間の後、遅延制御信号Pgを発する。この遅延制御信号Pgは、図4に示したように、遅延条件を満たすと高レベルに設定されて、駆動パルス発生回路53による駆動パルスGの発生を可能にする。
駆動パルス発生回路53は、駆動制御信号Pd、遅延制御信号Pg及びタイミングパルスPhを受けており、次の二つのうちのいずれかの条件が満たされた場合に、所定パルス幅の主駆動パルスGをモータ駆動回路54に与える。モータ駆動回路54は、該主駆動パルスGに応じた駆動エネルギのモータ駆動パルスUをクロノグラフ指針運針用モータ35に与えて、該モータ35を回転駆動する。
(1)駆動制御信号Pdが高レベルに設定されていて、且つ遅延制御信号Pgが低レベルから高レベルに変った時点、及び
(2)駆動制御信号Pd及び遅延制御信号Pgが高レベルに保たれていて、タイミングパルスPhを受信した時点。
一方、基本駆動制御部51が停止信号Pbを受けると、該駆動制御部51は、駆動制御信号Pdの送出を停止して(所望ならば、駆動停止信号Pfを与えてもよい)、駆動パルス発生回路53からの駆動パルスGの送出が停止され、モータ駆動回路54によるモータ駆動パルスUの送出が停止され、クロノグラフ指針運針用モータ35の回転駆動が停止されて、該モータ35のロータないし出力軸の回転が停止し、クロノグラフ指針運針用輪列36を介するクロノグラフ指針14,15の運針が停止される。
なお、リセットボタン19の押圧によりスイッチバネ31が押下げられて接点部32が閉じた場合、リセット信号Qaが帰零制御部55に与えられる。帰零制御部55は、接点部32からのリセット信号Qaを受取ると、駆動パルス発生回路53に駆動停止信号Pfを与える。その結果、駆動パルス発生回路53は、駆動パルスGの発生を停止して、モータ駆動回路54によるモータ駆動パルスUの送出を停止させる。従って、クロノグラフ指針運針用モータ35の回転駆動が停止され、クロノグラフ指針14,15の運針が停止される。なお、帰零制御部55は、リセット信号Qaの受信に応じて、クロノグラフ秒カウンタ57及びクロノグラフ分カウンタ58の内容をゼロにリセットする。
次に、図1のクロノグラフ時計1について、主として遅延制御部52の遅延制御動作を、図4のタイムチャートに基づいて、具体的に説明する。
クロノグラフ時計1が、リセット状態S2にある状況で、時点t0において、スタート/ストップボタン18がA1方向に押込まれるとする。スタート/ストップボタン18の押下げに伴い、接点部34が閉じられて、該接点部34を介してスタート信号Paが出る。このスタート信号Paは、該スタート/ストップボタン18の押下げに伴う接点部34の閉成が継続される時点txまで継続される。
スタート信号Paが基本駆動制御部51に与えられると、該基本駆動制御部51は、チャタリングの影響を避けるに必要な短い時間の後、時点t0において、低レベルから高レベルに変わる駆動制御信号Pdを発する。
一方、遅延制御部52は、リセット状態S2の後の最初のタイミングパルスPhを時点(t0+T)に受けると、該パルスPhの受信時点(t0+T)からαTだけの遅延時間をおいた時点[t0+(1+α)T]において低レベルから高レベルに変る遅延制御信号Pgを発し、該信号Pgに基づいて駆動パルス発生回路53に主駆動パルスGを発生させ、実際上、時点[t0+(1+α)T]において、モータ駆動回路54にモータ駆動パルスUを発生させる。
すなわち、この遅延制御がない従来の場合、U(従来)として最下段に示したように、時点(t0+T)においてモータ駆動パルスU(従来)が出されていたのに対して、このクロノグラフ時計1では、当該時点(t0+T)よりも、時間αTだけ遅延した時点において、モータ駆動パルスUがモータ駆動回路54から出るように、遅延制御部52が駆動パルス発生回路53を遅延制御する。
ここで、停止レバー28は、図4の最上段に示したように、時点t0から時間(β+γ)Tだけ経過した時点まで輪列36を規正している。すなわち、スタート/ストップボタン18が押されて、接点34が閉じられ駆動制御信号Pdが高レベルになる時点t0から、時間βTだけ経過するまでは、機械系である停止レバー28の規正解除は生じない。一方、機械的機構5に不可避のバラツキにより、規正解除のタイミングがバラツキ、該規正解除は、時点(t0+βT)から時点[t0+(β+γ)T]までの時間γTの間に生じる。
ところが、図4の最下段に示したように、従来のモータ駆動パルスU(従来)が出るタイミング(t0+T)は、上記の時点(t0+βT)と時点[t0+(β+γ)T]との間に含まれ、(t0+βT)≦(t0+T)≦[t0+(β+γ)T]すなわちβ≦1≦(β+γ)である。すなわち、従来のようなタイミングで最初のモータ駆動パルスU(従来)が出されると、該パルスU(従来)が出る時点では、停止レバー28による輪列36の規正が未だ解除されていない虞れがあり、該規正が解除されていない場合には、クロノグラフ指針14等の運針は行われず、表示が実際の時間からズレるのを避け難くなる。
これに対して、遅延制御部52によって遅延制御されたモータ駆動パルスUが出る時点[t0+(1+α)T]は、図4において下から二番目の段に示したように、停止レバー28による規正解除の可能性のある期間の終期(最大限のばらつき)[t0+(β+γ)T]よりも後である。即ち、(1+α)T≧(β+γ)Tである(換言すれば、α≧(β+γ−1)である)。従って、モータ駆動パルスUが出されると、該モータ駆動パルスUによってモータ35が確実に回転駆動され、指針14,15が確実に運針され得る。
一方、二回目以降のモータ駆動パルスUは、停止レバー28の規正解除後になり、これらの時点では遅延制御信号Pgは高レベルに保たれたままであって主駆動パルスGの発生を妨げないので、従来どおり、計時周期Tの時点(t0+2T),(t0+3T),(t0+4T),・・・において出力される。
次に、以上の如く構成されたクロノグラフ時計1の動作を、図1から図4を参照しつつ、主として図5に示したフローチャートに基づいて、説明する。このフローチャートは、図1のクロノグラフ時計1のうち、主として、集積回路50の基本駆動制御部51及び遅延制御部52の動作を、該動作に対応するプログラムの処理の流れとして示したものである。
クロノグラフ時計1では、最初の処理ステップZ01において、クロノグラフ動作の開始(スタート)が指示されたか否かをチェックする。このスタートチェックステップZ01は、スタート/ストップボタン18のA1方向押圧によるスイッチバネ33のA1方向変位によって接点部34が閉成され接触して接点部34から作動信号ないしスタート信号Paが集積回路50の基本駆動制御部51に与えられたか否かがチェックされることに対応する。
スタート信号Paが出されていない場合、ステップZ02においてリセット(帰零)指示が出されたか否かをチェックする。このリセットチェックステップZ02は、リセット(帰零)ボタン19のB1方向押圧によるスイッチバネ31のB1方向変位によって接点部32が閉成されて接点部32からリセット信号Qaが集積回路50の帰零制御部55に与えられたか否かがチェックされることに対応する。リセット信号Qaが出されていない場合、最初の処理ステップZ01に戻る。リセット信号Qaが出されている場合、ステップZ03においてクロノグラフ秒カウンタ57及びクロノグラフ分カウンタ58の内容をゼロに戻すカウントリセット処理をした後、最初の処理ステップZ01に戻る。
スタートチェックステップZ01において、クロノグラフ動作の開始指示(スタート信号Pa)を確認した場合、ステップZ04において、クロノグラフ動作の計時周期T(この例では、例えば、1/100秒すなわち10ms(ミリ秒))に相当する時間が経過したかどうかをチェックする。計時周期Tに達するとステップZ11に移る。これは、クロノグラフ秒カウンタ57において、クロノグラフ動作の開始時点t0以降の時間が計時され、計時周期Tに相当する時間に達すると、タイミングパルスPhが出されることに対応する。
時間Tが経過した場合、ステップZ11において、スタート信号Paを受けた後初めての計時タイミング(この例では、時点(t0+T))であるか否かがチェックされる。初めてである場合、ステップZ12において、所定の遅延時間αTだけ待つ。この待ち時間ないし遅延時間αTは、例えば、分周回路42からの所望のクロック信号に基づいて計時する。
これらのステップZ11及びZ12は、「遅延制御部52が、基本駆動制御部51からの駆動制御信号Pdによって作動状態に設定されると共に該作動状態になったあとクロノグラフ秒カウンタ57からの最初のタイミングパルスPhを受信すると、時間αTの遅延時間の後、遅延制御信号Pgを発する」ことに対応する。
次に、ステップZ13において、時点[t0+(1+α)T]において高レベルに変化する遅延制御信号Pgを遅延制御部52から出し、該信号Pgに基づいて、駆動パルス発生回路53及びモータ駆動回路54から、順次、駆動パルスG及びモータ駆動パルスUを出して、モータ35を駆動する。すなわち、リセット状態S2にあったクロノグラフ時計1において、スタート/ストップボタン18の押圧により時点t0においてスタート信号Paが初めて出された場合には、当該時点t0に高レベルになる駆動制御信号Pdに応じて、時点[t0+(1+α)T]において高レベルになる遅延制御信号Pgが出され、モータ駆動パルスUが、最初の計時時点(t0+T)よりも時間αTだけ遅延して出される。その結果、停止レバー28による規正の解除のタイミングに個体差がある場合でも、モータ駆動パルスUの送信が、停止レバー28による輪列36の規正の解除が完了する時点よりも確実に後に行われ得る。
一方、ステップZ11において、初回ではない旨の判定を受けると、ステップZ13に至って、モータ35の駆動が行われる。即ち、二回目以降の時点t0+2T,t0+3T,t0+4T,・・・においては、遅延制御信号Pgが高レベルに保たれるので、遅延制御部52が関与することなく、駆動パルス発生回路53及びモータ駆動回路54の下でモータ駆動パルスUが出されて、モータ35が回転駆動される(ステップZ13)。
ステップZ13において各回の運針駆動が行われると、ステップZ06において、クロノグラフのリセット指示(リセット信号Qa)が出たか否かがチェックされる。ステップZ06自体は、ステップZ02と同じである。
リセット指示が出ていない場合、ステップZ07において、クロノグラフの停止(ストップ)指示(停止信号Pb)が出たか否かがチェックされる。
ストップ指示が出ていない場合、ステップZ04に戻って、時点t0+nT(nは2以上の整数)に至ったかどうかがチェックされ、時点t0+nTに達するごとに、ステップZ11,Z13においてクロノグラフ指針14,15の運針駆動を行う。
なお、ステップZ04において、計時周期に達していない場合、通常は、計時周期に達するまでステップZ06,Z07を通ってステップZ04に戻ることが繰返される。
ここで、スタートステップZ01の後、ステップZ07においてストップ指示(停止信号Pb)が出るまで、ステップZ04,Z11,Z13においてクロノグラフ指針14,15を運針させると共にその後ステップZ06,Z07を「No」で抜けることを繰返すことにより、クロノグラフ指針14,15の運針を行わせる通常のクロノグラフ運針動作が行われる。
一方、ステップZ07においてストップ指示が出たこと(接点部34からの停止信号Pbの送出)を駆動制御部51で検出するとステップZ08に入り、該ステップZ08において、クロノグラフ指針14,15の運針を停止させるストップ処理(駆動パルス発生回路53に対する制御信号Pdの送信の停止又は駆動停止信号Pfの送信)を行ない、その後、ステップZ01に戻る。
また、ステップZ06においてリセット指示が出たこと(接点部32からのリセット信号Qaの送出)を検出すると、帰零制御部55は、駆動停止信号Pfを駆動パルス発生回路53に与える点でステップZ08と同様なクロノグラフ運針停止ステップZ09に入り、該運針停止ステップZ09においてクロノグラフ指針14,15の運針を停止させるストップ処理を行なう。帰零制御部55は、次に、ステップZ03と同様なカウントリセットステップZ03aにおいてクロノグラフ秒カウンタ57及びクロノグラフ分カウンタ58の内容をゼロに戻すカウントリセット処理をした後、最初の処理ステップZ01に戻る。
以上のようにして、モータ駆動パルスUの発生を帰零解除後の最初の一回目だけ遅らせる場合、遅延量が比較的大きいときには、遅延して出されたモータ駆動パルスUと遅延なくして次に出されるモータ駆動パルスUとの間隔が計時周期Tと比較して極端に短くなることが生じ得る。そのような場合には、針の運針挙動が不自然になる場合もあり得る。
従って、このような不具合を避けるべく、モータ駆動パルスUの発生を帰零解除後の最初の一回目だけ遅らせる代わりに、図6から図8の変形例に示したように、該モータ駆動パルスUの発生を複数回に亙って遅らせると共に該遅延量を徐々に小さくしてもよい。
すなわち、時点t0においてスタート信号Pa及び駆動制御信号Pdが出されてクロノグラフ計時が開始されるとすると、この変形例のクロノグラフ時計1Aでは、遅延制御部52Aが、図7のタイムチャートに示したように、時点[(t0+T)+δ1・T](但し、α=δ1),[(t0+2T)+δ2・T],[(t0+3T)+δ3・T]において、低レベルから高レベルに変る遅延制御信号PgAを発する。ここで、各時点[(t0+T)+δ1・T],[(t0+2T)+δ2・T],[(t0+3T)+δ3・T]は、図7の最下段に示した従来のモータ駆動パルスU(従来)が出されていたタイミング(t0+T),(t0+2T),(t0+3T)と比較して、δ1・T,δ2・T,δ3・Tだけ遅い。なお、時点[(t0+T)+δ1・T],[(t0+2T)+δ2・T]において出される遅延制御信号PgAは、次の遅延制御信号PgAが適切なタイミングで出され得るように比較的狭いパルス幅のパルスからなる。一方、最後の時点[(t0+3T)+δ3・T]において低レベルから高レベルに移った遅延制御信号PgAは、それ以降、高レベルに保たれることは、図4に示した遅延制御信号Pgと同様である。
この例では、例えば、T=10ms,δ1・T=6ms,δ2・T=4ms,δ3・T=2msであって、δ1>δ2>δ3であって遅延時間δ1・T,δ2・T,δ3・Tが2msずつ短くなって、三回のパルスの遅延の後、四回目のモータ駆動パルスUは、従来のモータ駆動パルスU(従来)と同じタイミングで出される。
次に、以上の如く構成された変形例のクロノグラフ時計1Aの動作について、図1、図4及び図5のクロノグラフ時計1との相違点について図8に示したフローチャートに基づいて、説明する。
このクロノグラフ時計1Aでは、図8のフローチャートからわかるように、クロノグラフ動作の開始によりステップZ01をYesで抜けた直後のモータ駆動パルスUの発生のタイミングを、複数回のモータ駆動パルスUについて、制御する。
そのために、ステップZ20において、遅延制御すべきモータ駆動パルスUの発生回数nを指定する。計時周期Tに達するごとに(ステップZ04)、遅延制御の回数が所定回数nに達したか否かをチェックする(ステップZ21)。遅延制御の回数が所定回数nに達していない場合、該回数に応じた待ち時間δj・T(但し、j=(n−i+1),i>0)だけ遅延させ(ステップZ22)、遅延回数を更新し(ステップZ24)、遅延制御信号PgAを発する。これに基づいて、所定のタイミングで、駆動パルス発生回路53A及びモータ駆動回路54を介してモータ駆動パルスUを発生させる。
以上において、ステップZ20,Z21,Z22及びZ24が遅延制御部52Aが行うべき機能である。なお、ステップZ20の初期設定が、時点t0において駆動制御部51からの駆動制御信号Pdが高レベルになったことが遅延制御部52Aに伝えられた際に、行われる。一方、ステップZ04において時点t0のあと計時周期Tが経過し時点(t0+T)に達したことをクロノグラフ秒カウンタ57からのタイミングパルスPhによって知らされると、遅延制御部52Aは、ステップZ21以降の遅延制御処理に入ることになる。
以上のような遅延制御の期間が、スタートパルスPaの発生後、数回(i=n,(n−1),・・・,1のn回)の計時周期Tの間続く点を除いて、クロノグラフ時計1Aについての図8のフローチャートは、クロノグラフ時計1についての図5のフローチャートと同じである。
また、図1、図4及び図5に示した実施例のクロノグラフ時計1のように、モータ駆動パルスUの発生を帰零解除後の最初の一回目だけ遅らせる場合、個体によっては、停止レバー28の規正解除のタイミングが通常よりも相当遅れていることもあり得、特に、遅延制御の時間αTを極力小さい範囲で抑えようとすると、該時点(t0+T+αT)よりも後で規正解除される場合を無視し難くなる。従って、このような場合も良品として動作し得るようにすることも有益である。
このような観点に立って、帰零解除後の最初の一回目の所定時間遅延したモータ駆動パルスUを一発だけ出す代わりに、図9から図11の変形例に示したように、該一発目のモータ駆動パルスUによってはモータ35の回転が生じなかった場合に、最初のモータ駆動パルスUと同じモータ駆動パルスUを、モータ35の回転が検出されるまで(但し、所定の時間の範囲内で)、繰返しモータ35に与えるようにしてもよい。
すなわち、図9から図11の変形例のクロノグラフ時計1Bでは、図9のブロック図に示したように、クロノグラフ計時開始時点t0を基準にして計時周期TよりもαTだけっ遅延した時点(t0+T+αT)に出されたモータ駆動パルスUによってモータ35の回転が生じたか否かを検出し、回転が検出されなかった場合に非回転検出信号Vを発する回転検出回路56を更に有し、遅延制御部52Bは、該回転検出回路56から非回転検出信号Vを受けた場合、時点(t0+T+αT)よりもα1・Tだけ後の該時点(t0+T+αT+α1・T)が所定の時点(t0+mT)(例えば、m=2)よりも前であれば、駆動パルス発生回路53Bをしてモーター駆動回路54から再度モータ駆動パルスUを出させてモータ35を回転駆動させるように構成されている。
なお、回転検出回路56は、更に、例えば、運針開始時点t0ではなくて一旦運針を開始した後においてモータ35がモータ駆動パルスUを受けて回転していたにもかかわらず回転しなくなった場合に、非回転検出に基づく駆動制御信号Peを駆動パルス発生回路53Bに与えて、幅広の補正駆動信号をモータ駆動回路54から出させるようにも構成されるけれども、それ自体は、例えば、特開2003−4872号公報から公知であるので、その説明は省略する。
遅延制御部52B及び回転検出部55の動作を、図10のタイムチャートに基づいて説明すると、次のとおりである。
すなわち、時点t0においてスタート信号Paに基づいて駆動制御信号Pdが高レベルに設定されてクロノグラフ計時が開始されるとすると、この変形例のクロノグラフ時計1Bでは、遅延制御部52Bが、図10のタイムチャートに示したように、時点(t0+T+αT)において、高レベルになるパルス状の遅延制御信号PgBを発する。この遅延制御信号PgBに基づいて、モータ駆動パルスUが時点(t0+T+αT)においてモータ35に与えられる。このモータ駆動パルスUによって、モータ35の回転が生じれば、クロノグラフ時計1についての図4のタイムチャートで示したのと同様な動作になる(但し、遅延制御信号PgBは、二回目のタイミングパルスPhを受けて高レベルに設定され、それ以降高レベルを保つ)。
ところが、図10のタイムチャートにおいて、最上段の停止レバー28の規正解除のタイミングで示したように、特定の個体の規正解除のタイミングが最も遅い時点[t0+(β+γ)T]の近傍にあり且つ該時点[t0+(β+γ)T]が最初のモータ駆動パルスUの出るタイミング(t0+T+αT)よりも遅いような事態(図10に示した事態)が生じた場合、最初のモータ駆動パルスUによっては、モータ35の回転は生じない。従って、回転検出回路56から非回転検出信号Vが出されて、遅延制御部52Bに与えられる。遅延制御部52Bが非回転検出信号Vを受ける時点が所定の時点t+mT(例えば、時点(t0+2T))よりも前である場合には、遅延制御部52Bが時点(t0+T+αT+α1・T)において高レベルになる駆動制御信号PgBを駆動パルス発生回路53Bに再度与えて、モータ駆動回路54からの最初と同相のモータ駆動パルスUによるモータ35の回転駆動を行わせる。ここで、モータ35は、一回のモータ駆動パルスにより有効に回転駆動される毎に半回転されるロータを備えた通常の時計用モータである。
この場合、この時点(t0+T+αT+α1・T)は、停止レバー28による規正が解除される最も遅い時点[t0+(β+γ)T]よりも後であるから、モータ駆動パルスUによって、モータ35の回転駆動が行われる。
なお、このように、遅れてモータ35の回転駆動が行われた場合には、次のモータ駆動パルスUの出るタイミングが後にずれざるを得なくなることもある。図10の例では、二回目のモータ駆動パルスUに関わる駆動制御信号が実際上遅れ、遅延制御信号PgBが遅延をもって出力され、これに応じて、二回目のモータ駆動パルスUが遅延して出されている。すなわち、非回転検出信号Vが出されたことにより、モータ駆動パルスUが繰返し出されてモータ35の回転駆動が行われた場合には、必要に応じて、その次のモータ駆動パルスUも遅延させて出すように遅延制御部52Bが動作されることになる。これは、図6〜図8の変形例において行ったのと同様な変形を行えば足りるので、ここでは、説明を省略する。
また、図10のタイムチャートにおいて、最下段のモータ駆動パルスU(従来)のうち、非回転検出及び補正駆動は、前述のように、モータ35の非回転が検出された場合に、機械的な摩擦その他の不具合によって回転し難くなっていると想定して、非回転信号Peを発して、主駆動パルスよりもパルス幅が大きく駆動エネルギの大きい補助駆動パルスによって強制的に回転させる従来の動作を参考のために対比的に示したものである。
次に、以上の如く構成された変形例のクロノグラフ時計1Bの動作について、図1、図4及び図5のクロノグラフ時計1との相違点を中心に、主として図11に示したフローチャートに基づいて、説明する。
即ち、このクロノグラフ時計1Bのフローチャートでは、ステップZ12を所定の待ち時間(遅延)で抜けて、ステップZ13においてモーター駆動回路54からのモータ駆動パルスUによってモータ35を回転駆動する点までは、図5に示したクロノグラフ時計1の動作と同じである。
このクロノグラフ時計1Bの場合、ステップZ31において、回転検出回路56から非回転検出信号Vが出されたか否かがチェックされ、非回転検出信号Vが出されていないときには、図1のクロノグラフ時計1の場合と同様に、ステップZ06に入る。
一方、非回転検出信号Vが出されている場合、ステップZ32に移って、「運針開始後であるか否か」、即ち、「一旦運針されたか否か」がチェックされる。この場合、未だ、運針が開始されていないので、ステップZ32をNoで抜けて、ステップZ33に入る。ステップZ33では、非回転検出の所定時間(例えば、mTで、適正な停止レバー28による規正解除が生じる最も遅いタイミングに相当する時間よりも確実に長い所望の時間が設定される)が経過したか否かがチェックされ、経過していなければ(即ち、未だ停止レバー28により規正されている可能性があると判断されると)、ステップZ06、Z07を経て再度、ステップZ04に戻る。ステップZ04では、(この場合、最初の)計時周期に達したかどうかがチェックされ、このステップZ04をYesで抜け、既に初回ではないのでステップZ11をNoで抜けてステップZ13に入って、再度、モータ駆動パルスUを出させて、モータ35の回転駆動を行う。次に、ステップZ31において、非回転検出を行う。ステップZ33の所定時間が経過するまでは、ステップZ31,Z32,Z33,Z04,Z11,Z13を繰返してモータ駆動パルスUによるモータ35の回転駆動が繰返され、モータ35が回転されると、ステップZ31をNoで抜けて、ステップZ06に入る。
なお、一旦運針が開始された後は、Z31の非回転検出ステップは、劣化等によって摩擦等が増加して回転し難くなっている場合に補正駆動によって強制的な補正駆動(ステップZ34)を行う従来の処理に利用される。
図11に示したフローチャートでは、図10に示したタイムチャートのうち、時点(t0+T+αT+α2・T)における遅延したモータ駆動パルスUの生成については示していないけれども、時点(t0+T+αT+α1・T)における繰返しのモータ駆動パルスUによってモータ35の回転が初めて行われた場合に、その後、ステップZ06,Z07を経た後最初に通るステップZ11においては、ステップZ12と同様な待ちステップを通るような遅延制御を行うようにすれば、図10のタイムチャートに示した処理に対応することになる。なお、通常の時計用モータにおいて、繰返しトライされるモータ駆動パルスUは同相であり、一旦回転駆動された後、次に与えられるモータ駆動信号は逆相である。
本実施例においては、クロノ秒針が6時側、クロノ分針が9時側に配置されたクロノグラフの例を用いて説明したが、針13をクロノ秒針として用いるセンタークロノグラフに適用しても良い。