以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステム10の概略を示す図である。マスコンテンツデリバリシステムとは、各放送局のチャンネルの放送波の周波数帯域の一部を利用して、番組およびCM(Commercial Message)とは異なるコンテンツデータを送信するためのシステムである。
図1を参照して、マスコンテンツデリバリシステム10は、新聞社100A、企業・商店・個人100B、および、コンテンツ供給者100Cなどのコンテンツ供給者100、ならびに、アグリゲータ200、ならびに、A放送局300A、B放送局300B、および、C放送局300Cなどの放送局300、ならびに、コンシューマ400を含む。
A放送局300A、B放送局300B、および、C放送局300Cは、重複する放送エリア(たとえば、1つの都道府県を概ねカバーするエリア(たとえば、広島県)、都道府県の一部をカバーするエリア、または、複数の都道府県(都道府県の一部を含む)を概ねカバーするエリア(近畿地方))を有する。
なお、本実施の形態においては、当該エリアの放送局300は、A放送局300A、B放送局300B、および、C放送局300Cの3局であることとするが、これに限定されず、何局であってもよい。
コンテンツ提供者100は、放送波で配信したいコンテンツデータをアグリゲータ200に受渡す。たとえば、新聞社100Aは、新聞の紙面の電子化された新聞データをコンテンツデータとして受け渡す。企業・商店・個人100Bは、従来、新聞に折り込まれていたチラシの紙面の電子化されたチラシデータをコンテンツデータとして受渡す。コンテンツ提供者100Cは、映像データ、音楽データ、地域情報を示すデータ、または、ゲームプログラムのデータなどをコンテンツデータとして受渡す。
なお、企業・商店・個人100Bは、商品の購入時に特典を受けることが可能なクーポンのデータをコンテンツデータとしてアグリゲータ200に受渡すようにしてもよい。
本実施の形態において、コンテンツデータは、SWF(FLASH形式),WMV(Windows(登録商標) Media Video),AVI(Audio Video Interleave),JPG(Joint Photographic Experts Group),H.264,mpeg(Moving Picture Experts Group),mp3(MPEG Audio Layer-3),pdf(Portable Document Format),ppt(PowerPoint形式),WAV(RIFF(Resource Interchange File Format)Waveform Audio Format),xls(Excel形式),doc(Word形式)などの拡張子を有する、ドキュメント、映像または音楽などのいずれのデータ形式であってもよく、上記した具体例に限定されるものではない。
アグリゲータ200は、コンテンツ提供者100から受取った新聞、チラシ、映像または音楽等のコンテンツデータを、A放送局300A、B放送局300B、および、C放送局300Cに受渡す。
A放送局300A、B放送局300B、および、C放送局300Cは、それぞれ、アグリゲータ200から受取ったコンテンツデータを、自局の番組およびCMのデータとともに放送信号に含めて放送する。
コンシューマ400は、A放送局300A、B放送局300B、および、C放送局300Cのいずれかから受信した放送信号に含まれるデータに基づく番組およびCM、ならびに、コンテンツデータで示されるコンテンツ(たとえば、新聞およびチラシ、ならびに、映像および音楽)を、テレビ受像機410の表示部415およびスピーカで視聴する。また、コンテンツデータとして地域情報を示すデータが含まれている場合は、コンシューマ400は、地域情報をテレビ受像機410の表示部で視聴し、ゲームプログラムのデータが含まれている場合は、テレビ受像機410でゲームプログラムを実行する。
配信料は、新聞社100A、企業・商店・個人100B、および、コンテンツ提供者100Cなどのコンテンツ提供者100からアグリゲータ200を介して、A放送局300A、B放送局300B、C放送局300Cなどの放送局300に支払われる。
配信料は、アグリゲータ200に設置されるコンピュータによって、コンテンツ提供者100から受取ったコンテンツデータの量に応じて、コンテンツ提供者100ごとに集計され、複数の放送局300のそれぞれに分配される。
コンシューマ400は、新聞を視聴する場合は、新聞購読料を新聞社100Aに支払う。また、コンシューマ400は、有料コンテンツを利用する場合は、有料コンテンツ購入料をコンテンツ提供者100Cに支払う。なお、ここでは、新聞購読料および有料コンテンツ購入料が、それぞれ、コンシューマ400から、直接、新聞社100Aおよびコンテンツ提供者100Cに支払われるようにしたが、これに限定されず、新聞購読料および有料コンテンツ購入料が、それぞれ、コンシューマ400から、アグリゲータ200などの第3者を介して、新聞社100Aおよびコンテンツ提供者100Cに支払われるようにしてもよい。
なお、新聞には、従来と同様、企業・商店・個人100Bから、直接的に、または、広告代理店または印刷会社を介して間接的に、新聞社100Aに広告データが受け渡されることによって、当該広告データに基づく広告が掲載される。新聞社100Aは、この広告の掲載の対価として、広告データの供給者から、広告料を受取る。
また、CMは、企業・商店・個人100Bから、直接的に、または、広告代理店等を介して間接的に、放送局300に受け渡されるCMデータに基づいて、放送局300から、番組の合間に放送され、コンシューマ400にテレビ受像機410で視聴される。放送局300は、CMを放送する対価として、企業・商店・個人100Bから、CM放映料を受取る。
このようなコンテンツデリバリシステム10によって、新聞社100A、企業・商店・個人100Bおよびコンテンツ提供者100Cなどのコンテンツ提供者100は、A放送局300A、B放送局300B、および、C放送局300Cの放送エリアに、新聞、チラシ、映像および音楽などのコンテンツデータを配信することができる。
A放送局300A、B放送局300B、および、C放送局300Cなどの放送局300は、そのようなコンテンツデータの配信の対価として、配信料を得ることができる。
新聞社100Aおよび有料コンテンツのコンテンツ供給者100Cは、それぞれ、新聞およびコンテンツデータの配信の対価として、新聞購読料および有料コンテンツ購入料を得ることができる。
コンシューマ400は、テレビ受像機410で、新聞およびチラシ、ならびに、映像および音楽などのコンテンツを視聴することができる。
図2は、この実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステム10の構成の概略を示すブロック図である。図2を参照して、コンテンツ供給者100には、コンテンツデータをアグリゲータ200に供給するために用いられるコンテンツ供給コンピュータ110が備えられる。
アグリゲータ200には、コンテンツ供給者100からネットワーク500を介してコンテンツデータを収集するためのコンテンツ収集サーバ210と、コンテンツデータの配信のスケジュールなどを管理するための配信管理サーバ220と、通信プロトコルの変換を行なうためのプロトコル変換サーバ230と、コンテンツデータのカプセル化を行なうためのIPカプセル化装置240と、配信するデータを各放送局に分配するための配信データ分配装置250とが備えられる。ネットワーク500は、たとえば、インターネット通信網または専用回線などである。
なお、ここでは、アグリゲータ200に備えられるコンピュータが、コンテンツ収集サーバ210、配信管理サーバ220、プロトコル変換サーバ230、IPカプセル化装置240、および、配信データ分配装置250の5台で構成されることとしたが、これに限定されず、これらのコンピュータの機能を、1台のコンピュータに含めるようにしてもよいし、本実施の形態と異なる割振りで複数のコンピュータに含めるようにしてもよい。
放送局300には、番組およびCMの放送を多重化装置(MUX(multiplexer))320に供給するための既設の放送供給設備310と、番組およびCMとアグリゲータ200からのコンテンツデータを多重化するための多重化装置320と、多重化されたデータを暗号化するための暗号化装置330と、暗号化された放送信号をアンテナ390から放送するための送信装置340とが備えられる。
コンシューマ400には、アンテナ490から放送信号を受信して表示するためのテレビ受像機410が備えられる。
図3は、この実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステム10の送信側のアグリゲータ200のシステムのコンテンツデータの送信のための機能の概略を示す機能ブロック図である。
図3を参照して、コンテンツ収集サーバ210は、コンテンツ収集部211と、コンテンツ登録部212と、コンテンツ記憶部213とを含む。
コンテンツ収集部211は、コンテンツ提供者100のコンテンツ供給コンピュータ110からネットワーク500を介してコンテンツデータを受信することによって、コンテンツデータを収集する。
コンテンツ登録部212は、コンテンツ収集部211で収集されたコンテンツデータをコンテンツ記憶部213に登録する。
コンテンツ記憶部213は、コンテンツ登録部212によって登録されたコンテンツデータを記憶する。
配信管理サーバ220は、コンテンツ取得部221と、配信スケジューラ登録部222と、配信時刻判定部223と、コンテンツ配信部224とを含む。
コンテンツ取得部221は、コンテンツ収集サーバ210のコンテンツ記憶部213からコンテンツデータを取得する。
配信スケジューラ登録部222は、コンテンツ取得部221によって取得されたコンテンツデータの配信時刻を登録する。配信時刻とは、当該コンテンツデータの配信を開始する時刻および終了する時刻である。配信時刻は、たとえば、コンテンツデータがコンテンツ収集サーバ210のコンテンツ記憶部213に登録されるときに、ともに登録され、コンテンツ取得部221によってコンテンツデータが取得されるときに、ともに取得される。
図4は、この実施の形態におけるコンテンツデータの配信スケジュールの一例を示す図である。図4を参照して、この配信スケジュールにおいては、6時までは、コンテンツデータについては、同じタイミングで同じものを配信する。具体的には、番組A1、番組B1および番組C1が開始するタイミングで、コンテンツ1の配信を開始する。番組C1が終了し、番組C2が開始するタイミングで、コンテンツ1の配信を終了し、コンテンツ2の配信を開始する。番組A1および番組B1が終了し、番組A2および番組B2が開始するタイミングで、コンテンツ2の配信を終了し、コンテンツ3の配信を開始する。
番組A2、番組B2および番組C2が継続しているタイミングで、コンテンツ3の配信を終了し、コンテンツ4の配信を開始する。番組A2および番組C2が終了し、番組A3および番組C3が開始するするタイミングで、コンテンツ4の配信を終了する。
6時以降は、たとえば、各放送局が異なるコンテンツデータを、20分ごとに変更しならが配信する。たとえば、番組の内容に適応したコンテンツデータを配信する。
具体的には、A放送局では、番組A3が開始するタイミングで番組A3の内容に適応したコンテンツ5の配信を開始し、それから、20分ごとに、番組A3の内容に適応したコンテンツ6,7を配信する。
B放送局では、番組B2が継続している6時のタイミングで、番組B2の内容に適応したコンテンツ8の配信を開始し、それから、20分が経過した番組B2が終了して番組B3が開始するタイミングで、番組B3の内容に適応したコンテンツ9の配信を開始し、それから20分後に、番組B3の内容に適応したコンテンツ10の配信を開始する。
C放送局では、番組C3が開始するタイミングで番組C3の内容に適応したコンテンツ11の配信を開始し、それから、20分ごとに、番組C3の内容に適応したコンテンツ12,13を配信する。
なお、コンテンツ1からコンテンツ13までは、それぞれ、配信開始から配信終了までの間に繰返し送信される。
このように、各放送局は、それぞれ独自に別々の番組を放送するが、コンテンツデータについては、時間帯によって、同じタイミングで同じものを配信するようにしたり、まったく異なるタイミングで別のものを配信したりする。夜間など視聴率が低い時間帯は、各放送局が同じコンテンツデータを配信し、昼間やゴールデンタイムなど視聴率が高い時間帯は、各放送局が独自のコンテンツデータを配信することが好ましい。
たとえば、各放送局の独自のコンテンツデータ(番組の内容に適応したコンテンツデータ)としては、歌番組であれば、歌手に関するPV(promotion video)データなどのデータ、映画番組であれば、新しい映画の予告編の映像データや放映映画館情報のデータなどのデータが考えられる。
図3に戻って、配信時刻判定部223は、コンテンツデータの配信を開始する時刻または終了する時刻になったか否かを判定する。
コンテンツ配信部224は、配信時刻判定部223によってコンテンツデータの配信を開始する時刻になったと判定された場合、コンテンツ取得部221によって取得された当該コンテンツデータの配信を開始するために、当該コンテンツデータをプロトコル変換サーバ230に供給する。
また、コンテンツ配信部224は、配信時刻判定部223によってコンテンツデータの配信を終了する時刻になったと判定された場合、プロトコル変換サーバ230に供給している当該コンテンツデータの供給を終了する。
プロトコル変換サーバ230は、固定長分割処理部231と、誤り訂正処理部232と、通信プロトコル変換部233とを含む。
固定長分割処理部231は、配信管理サーバ220からのコンテンツデータを、固定長のTS(Transport Stream)パケットとして処理するために後段の処理で付加されるデータを考慮した固定データ長の部分コンテンツデータに分割する。
誤り訂正処理部232は、固定長分割処理部231で分割された部分コンテンツデータに対して、伝送路上の特性等による送出エラーを補正するためのFEC(Forward Error Correction)データを付加する。これにより、受信電界強度の変動、受信電波チャンネルの変更に対して補正処理を実施し、一定量のデータ受信を担保することで、コンテンツデータの復元率を向上させることができる。
通信プロトコル変換部233は、誤り訂正処理部232で処理されたパケットデータを、片方向伝送路のみでデータ配信を行うことが可能な通信プロトコルであるFLUTE(File Delivery over Unidirectional Transport)形式に変換する。
FLUTE形式のパケットには、元のコンテンツデータのサイズを示す情報および各パケットデータの順番を示す情報が付加される。これにより、受信側で、全パケットデータが受信されたか判断することができ、また、全パケットデータが受信されていない場合には、何番目のパケットデータが受信されていないか判断でき、本実施の形態においては、コンテンツデータが繰返し送信されるので、受信されていないパケットデータを再取得することができるため、コンテンツデータを復元することができる。
IPカプセル化装置240は、送信帯域制御部241と、UDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)パケット付加部242と、ヘッダ圧縮部243、識別ID付与部244と、IPカプセル化部245と、MPEG−2TS変換部246とを含む。
送信帯域制御部241は、放送波の既存領域(映像/音声/データ放送/EPG(Electronic Program Guide)等)に影響を与えない様に、プロトコル変換サーバ230で処理されたパケットデータの伝送速度を一定量(たとえば、100kbps)に規制する。
UDP/IPパケット付加部242は、送信帯域制御部241で処理されたパケットデータにUDPヘッダとIPヘッダとを付加する。
ヘッダ圧縮部243は、ROHC(Robust Header Compression)アルゴリズムに従って、UDP/IPパケット付加部242で付加されたUDPヘッダおよびIPヘッダを圧縮する。
識別ID付与部244は、ヘッダ圧縮部243で処理されたパケットデータに識別IDを付与する。この識別IDは、このパケットデータに含まれるのがコンテンツデータの一部であることを示すIDである。
IPカプセル化部245は、ULE(Unidirectional Lightweight Encapsulation)に従って、識別ID付与部244で処理されたパケットデータに、ヘッダ情報として、フラグおよびパケットサイズの情報を付加するとともに、誤り検出(CRC(Cyclic Redundancy Check))コ−ドを付加し、データカプセル化を行なう。
MPEG−2TS変換部246は、IPカプセル化部245で処理されたパケットデータに対して、受信制御のための識別ID(PID)およびTSヘッダー情報を付加し、MPEG−2TS形式のパケットデータを生成する。
配信データ分配装置250は、送出局設定部251を含む。送出局設定部251は、送出対象の放送局(複数局または単局)300の設定を予め受付けて、設定された放送局300の多重化装置320に対して、MPEG−2TS変換部246で生成されたパケットデータを送出する。
図5は、この実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステムの送信側の放送局300のシステムのコンテンツデータの配信のための機能の概略を示す機能ブロック図である。図5を参照して、多重化装置320は、配信階層制御部321と、TS多重化部322とを含む。
配信階層制御部321は、携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービスの地上デジタルテレビジョン放送(以下「ワンセグ放送」または「ワンセグ」という)用の1セグメントの帯域(A階層)、または、通常の地上デジタルテレビジョン放送(以下「フルセグ放送」または「12セグメント放送」という)用の12セグメントの帯域(B階層)のどちらを使用して、アグリゲータ200から供給されたコンテンツデータの一部をそれぞれ含むパケットデータの配信を行なうかの設定を行なう。
TS多重化部322は、配信階層制御部321での設定に従って、放送供給設備310から供給される、ワンセグ放送の番組およびCM、または、フルセグ放送の番組およびCMのいずれかに、アグリゲータ200から供給されたコンテンツデータの一部を含むMPEG−2TSのパケットデータを多重化させる。
また、TS多重化部322は、ワンセグ放送およびフルセグ放送、ならびに、放送供給設備310から供給される、データ放送およびEPGを多重化する。
図6は、この実施の形態における1チャンネル分の地上デジタルテレビ放送の伝送帯域の利用区分を示す図である。図6を参照して、コンテンツデータを含むパケットデータを多重化しない場合、つまり、従来の場合、地上デジタルテレビ放送の1チャンネル分の伝送帯域には、フルセグ放送の番組およびCMの映像および音声、ならびに、ワンセグ放送の番組およびCMの映像および音声、ならびに、データ放送、ならびに、EPGデータが含まれる。
コンテンツデータを含むパケットデータを多重化する場合、地上デジタルテレビ放送の1チャンネル分の伝送帯域には、フルセグ放送の番組およびCMの映像および音声、ならびに、ワンセグ放送の番組およびCMの映像および音声、ならびに、データ放送、ならびに、EPGのデータに加えて、コンテンツデータの一部をそれぞれ含むMPEG−2TSのパケットデータが含まれる。
また、ここでは、従来のフルセグ放送の番組およびCMの映像および音声のための伝送帯域の一部が、コンテンツデータの一部をそれぞれ含むMPEG−2TSのパケットデータのために用いられる。ただし、従来のフルセグ放送の番組およびCMの映像および音声の品質を損なわない程度の帯域幅が、コンテンツデータの配信のために用いられる。つまり、コンテンツデータの配信は、そのような帯域幅で送信可能なビットレートに制限される。
図5に戻って、暗号化装置330は、MULTI2暗号化部331を含む。MULTI2暗号化部331は、地上デジタル放送で採用されている暗号方式であるMULTI2に従って、多重化装置320で多重化されたデータについて、暗号化する。
送信装置340は、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)変調部341と、電力増幅部342とを含む。
OFDM変調部341は、暗号化装置330で暗号化されたデータに対して、放送電波で送信するための変調処理を行なう。
電力増幅部342は、OFDM変調部341で変調された放送信号の電力を増幅して、アンテナ390から放送波として送出する。
図7は、この実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステムの受信側のテレビ受像機410のコンテンツデータの受信蓄積のための機能の概略を示す機能ブロック図である。
図7を参照して、テレビ受像機410は、放送波受信部411と、OFDM復調部412と、MULTI2復号部413と、多重化データ分離部414と、表示部415と、識別ID判定部421と、IPカプセル化復号部422と、UDP/IPパケット除去部423と、FLUTE復号部431と、誤り訂正復元部432と、分割ファイル結合処理部433と、送信元ファイル生成部434と、コンテンツ蓄積部435と、コンテンツ出力指示受付部441と、コンテンツ読出部442と、TV(Television)放送復号再生部451とを含む。
放送波受信部411は、アンテナ490から放送波として入力された放送信号を受信する。
OFDM復調部412は、放送波受信部411で受信されたOFDM変調された放送信号を復調する。
MULTI2復号部413は、MULTI2に従って、OFDM復調部412で復調されたデータを復号する。
多重化データ分離部414は、MULTI2復号部413で復号された多重化されたTS情報から、地上デジタルテレビ放送関連のMPEG−2TSのパケットデータ(ワンセグ放送およびフルセグ放送の映像・音声、データ放送、および、EPGデータ)と、コンテンツデータを含むMPEG−2TSのパケットデータとを、それぞれの識別ID(PID)に基づいて分離する。
識別ID判定部421は、多重化データ分離部414で分離されたMPEG−2TSのパケットデータのうち、コンテンツデータの配信用に予め指定されたPIDが付加されているパケットデータのみ、IPカプセル化復号部422に転送する。
IPカプセル化復号部422は、識別ID判定部421から転送されたカプセル化されたパケットデータから、ヘッダ情報、および、誤り検出コードを除去する。
UDP/IPパケット除去部423は、IPカプセル化復号部422で処理されたパケットデータから、識別IDおよびUDP/IPヘッダを除去する。
FLUTE復号部431は、UDP/IPパケット除去部423で処理されたパケットデータからFLUTE形式に変換するために付加されたデータを除去する。
誤り訂正復元部432は、FLUTE復号部431で処理されたパケットデータからFECデータを除去して、コンテンツデータが分割された部分コンテンツデータを得る。また、誤り訂正復元部432は、受信に失敗した部分コンテンツデータがある場合、当該部分コンテンツデータが含まれていたパケットデータ以外の一定容量以上の他のパケットデータのFECデータから、受信に失敗した部分コンテンツデータを復元する。このように、受信に成功した場合だけでなく、受信に失敗した場合であっても、部分コンテンツデータを復元することができる。
なお、本実施の形態においては、複数の放送局から同報通信でコンテンツデータが送信されているので、あるコンテンツデータを受信中に他のチャンネルの放送局に切替えられた場合、誤り訂正復元部432は、1つのチャンネルの放送局から受信されたパケットデータに含まれるFECデータだけでなく、他のチャンネルの放送局から受信されたパケットデータに含まれるFECデータも用いて、受信に失敗した部分コンテンツデータを復元する。
このような仕組によって、コンテンツデータの受信中に、チャンネルが切替えられない場合だけでなく、チャンネルが切替えられた場合であっても、コンテンツデータの到達率を高くすることができる。
分割ファイル結合処理部433は、誤り訂正復元部432で得られた部分コンテンツデータを、FLUTE形式のパケットデータに含まれていた順番を示す情報に基づいて、連結する。
送信元ファイル生成部434は、分割ファイル結合処理部433で連結されたデータを、元のコンテンツデータと同じファイル形式、名称および容量等のファイルに復元する。そして、送信元ファイル生成部434は、復元されたコンテンツデータのファイルをコンテンツ蓄積部435に記憶させる。
ここで、あるコンテンツデータの最初の一部が受信されてから、最後の一部が受信されるまでの間に、コンテンツデータを受信中であることを示す表示灯を点灯させるようにしてもよい。また、あるコンテンツデータの最後の一部が受信されたときに、表示部415またはその他の表示デバイスに、コンテンツデータの受信が完了したことを示すメッセージを表示するようにしてもよい。
コンテンツ出力指示受付部441は、ユーザからコンテンツデータを再生出力する指示を、リモコンまたは操作パネルから受付ける。
コンテンツ読出部442は、コンテンツ出力指示受付部441で受付けられた指示に応じて、コンテンツ蓄積部435からコンテンツデータを読出し、当該コンテンツデータで示されるコンテンツを表示部415およびスピーカで再生させるよう制御する。
TV放送復号再生部451は、多重化データ分離部414で分離された地上デジタルテレビ放送関連のMPEG−2TSのパケットデータに基づいて、ワンセグ放送の番組およびCMの映像および音声、フルセグ放送の番組およびCMの映像および音声、データ放送の内容、または、EPGなどの、地上デジタルテレビ放送関連の情報を復号して、復号した地上デジタルテレビ放送関連の情報を表示部415およびスピーカで再生させるよう制御する。
なお、図8で後述する視聴選択表示処理が実行されることによって、コンテンツ読出部442およびTV放送復号再生部451は、コンテンツおよび地上デジタルテレビ放送関連の情報を、排他的に、表示部415およびスピーカで再生させるように制御する。
表示部415は、表示デバイスで構成される。表示デバイスは、ここでは、LCD(Liquid Crystal Display)であることとするが、これに限定されず、PDP(Plasma Display Panel)であってもよいし、有機EL(electro-luminescence)または無機ELなどのELディスプレイであってもよいし、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイであってもよい。
図8は、この実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステムの受信側のテレビ受像機410で実行される視聴選択表示処理の流れを示すフローチャートである。図8を参照して、ステップS101で、まず、テレビ受像機410の制御部は、リモコンまたは操作パネルがユーザによって操作されることによって、地上デジタルテレビ放送関連の情報を視聴することが選択されたか否かを判断する。
地上デジタルテレビ放送関連の情報を視聴することが選択されたと判断した場合(ステップS101でYESと判断した場合)、ステップS110で、制御部は、地上デジタルテレビ放送関連の情報を視聴するためのテレビ視聴処理を実行する。その後、制御部は、この視聴選択表示処理を終了して、実行する処理を、この処理の呼出元の処理に戻す。
地上デジタルテレビ放送関連の情報を視聴することが選択されていないと判断した場合(ステップS101でNOと判断した場合)、ステップS102で、制御部は、配信されてコンテンツ蓄積部435に記憶されているコンテンツデータで示されるコンテンツを視聴することが選択されたか否かを判断する。
コンテンツを視聴することが選択されたと判断した場合(ステップS102でYESと判断した場合)、ステップS121で、制御部は、コンテンツ蓄積部435に蓄積されているコンテンツのリストを表示部415に表示させるよう制御する。
そして、ステップS122で、リモコンまたは操作パネルがユーザによって操作されることによって、リストのうちからコンテンツが選択されたか否かを判断する。コンテンツが選択されていないと判断した場合(ステップS122でNOと判断した場合)、制御部は、ステップS122の処理を繰返す。
一方、コンテンツが選択されたと判断した場合(ステップS122でYESと判断した場合)、ステップS123で、制御部は、選択されたコンテンツの配信地域IDで示される地域に設置地域IDで示される地域が含まれるか否かを判断する。
配信地域IDは、コンテンツ供給者100がコンテンツデータをアグリゲータ200に供給するときに、コンテンツ供給者100によって指定される当該コンテンツデータを配信したい地域を示すIDであり、たとえば、郵便番号またはエリアの経度緯度情報などの地域を特定可能な情報が用いられ、コンテンツデータに添付されて配信される。
設置地域IDは、テレビ受像機100がコンシューマ400によって設置されるときに設定されるIDであり、テレビ受像機100の設置された地域を示すIDであり、配信地域IDと同様の地域を特定可能な情報が用いられる。
選択されたコンテンツの配信地域IDの地域に設置地域IDの地域が含まれると判断した場合(ステップS123でYESと判断した場合)、ステップS124で、制御部は、選択されたコンテンツが有料コンテンツであるか否かを判断する。有料コンテンツには、映像データ、音楽データおよびアプリケーションプログラムデータだけでなく、新聞も含まれる。
有料コンテンツであると判断した場合(ステップS124でYESと判断した場合)、ステップS125で、制御部は、当該有料コンテンツの料金の決済が済んでいるか否かを判断する。
有料コンテンツの料金決済の技術としては、たとえば、DRM(Digital Rights Management)の技術を用いることができる。具体的には、コンシューマ400に備えられるテレビ受像機410または他のコンピュータが用いられて、配信された有料コンテンツの料金のインターネットを介して、アグリゲータ200に備えられる決済用サーバとの間で、決済が行なわれる。そして、決済が終了したことに基づいてアグリゲータ200の決済用サーバから発行される復号キーであるDRMチケットをテレビ受像機410の記憶部に記憶させておく。ステップS125においては、そのDRMチケットが記憶されているか否かを判断することによって、料金決済が済んでいるか否かを判断するようにする。
また、アグリゲータ200の決済用サーバによって、決済された料金が、有料コンテンツごとに集計され、決済の結果、アグリゲータ200の銀行口座に入金された料金を、有料コンテンツを提供したコンテンツ供給者100の銀行口座に振替える処理が、決済用サーバから銀行のサーバに要求されることによって、集計された料金が、有料コンテンツを提供したコンテンツ供給者100に支払われる。
有料コンテンツでないと判断した場合(ステップS124でNOと判断した場合)、および、有料コンテンツであって料金の決済が済んでいると判断した場合(ステップS125でYESと判断した場合)、ステップS126で、制御部は、選択されたコンテンツを表示するよう、コンテンツ蓄積部435から当該コンテンツのコンテンツデータを読出して、当該コンテンツデータに基づいてコンテンツを表示部415およびスピーカで再生するよう制御する。有料コンテンツである場合には、記憶部に記憶された復号キーであるDRMチケットで有料コンテンツを復号することによってコンテンツが再生可能となる。
また、選択されたコンテンツの配信地域IDの地域に設置地域IDの地域が含まれないと判断した場合(ステップS123でNOと判断した場合)、ステップS127で、制御部は、選択されたコンテンツの配信地域でない旨を表示部415に表示するよう制御する。
また、有料コンテンツの料金の決済が済んでいないと判断した場合(ステップS125でNOと判断した場合)、ステップS128で、制御部は、選択されたコンテンツを視聴するための料金の決済が済んでいない旨を表示部415に表示するよう制御する。
コンテンツを視聴することが選択されていないと判断した場合(ステップS102でNOと判断した場合)、および、ステップS126からステップS128までのそれぞれの後、制御部は、この視聴選択表示処理を終了して、実行する処理を、この処理の呼出元の処理に戻す。
このような視聴選択表示処理が実行されることによって、地上デジタルテレビ放送関連の情報と、配信され蓄積されたコンテンツとを、排他的に、表示部415およびスピーカで再生させるように制御することができる。
また、コンテンツデータに添付された配信地域IDで示される地域にテレビ受像機410の設置地域IDで示される地域が含まれる場合に、コンテンツが再生されるので、さらに地域のニーズに合ったコンテンツデータの提供を行なうことができる。たとえば、配信地域IDで示される地域が東京23区で、設置地域IDで示される地域が渋谷区のある町である場合、東京23区に渋谷区が含まれるので、コンテンツが再生される。
図9は、この実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステム10および従来の方法で得られる定量的な効果の比較を示す表である。図9を参照して、この表のデータは、広島県福山市の世帯数および人口に基づいて作成されている。
2009年4月末現在の福山市の世帯数は、185,105世帯、人口は、男が225,325人、女が238,882人で、合計、464,207人である。
それぞれのメディアによって内容がユーザに到達する度合であるリーチについては、インターネットが100,882世帯(=全世帯数×ブロードバンド普及率54%)、折込チラシが186,900部、タウン誌が35,000部、街頭配布フリーペーパが100,000部、ポスティングフリーペーパが120,000部、TVCMが185,105軒(=全世帯数×普及率100%)、マスコンテンツデリバリが185,105軒(=TVCMのリーチ)である。
それぞれのメディアによって内容をユーザに到達させるリーチ方法については、インターネットは回線契約者のpullで(つまり、要求に応じて)配信され、折込チラシは新聞折込で配達され、タウン誌は書店やコンビニエンスストアで販売され、街頭配布フリーペーパはコンビニエンスストアやスーパなどに設置され、ポスティングフリーペーパはポスティング配布され、TVCMはテレビで放送され、マスコンテンツデリバリはテレビ放送波が利用され配信される。
それぞれのメディアによって内容をユーザに到達させる時間については、インターネットはタイムリ、折込チラシは日刊、タウン誌は月刊、街頭配布フリーペーパは月刊、ポスティングフリーペーパは月刊、TVCMはタイムリ、マスコンテンツデリバリはタイムリまたは所定期間ごとを選択可能である。
それぞれのメディアによって内容をユーザに到達させるための企業コストについては、インターネットはコンテンツ制作費+サーバ等運営費、折込チラシは折込料(504,630円)+印刷代+デザイン代、タウン誌は4C1P(フルカラー1頁)で220,000円、街頭配布フリーペーパは4C1Pで725,000円、ポスティングフリーペーパは4C1Pで1,200,000円、TVCMは放映料+制作料、マスコンテンツデリバリは送信料+制作料が必要である。
それぞれのメディアによってユーザが内容を得るためのユーザコストについては、インターネットは通信費+利用料(たとえば5,000円/月)、折込チラシは新聞の朝刊の購読費(たとえば3,070円/月)、タウン誌は、たとえば390円、街頭配布フリーペーパは無料、ポスティングフリーペーパは無料、TVCMは無料、マスコンテンツデリバリは無料である。
それぞれのメディアのターゲットについては、インターネットはリテラシ(利用できる能力)が高め、折込チラシは新聞購読層、タウン誌は20〜30代の男女、街頭配布フリーペーパは20〜30代の男女、ポスティングフリーペーパは主婦層、TVCMは番組および時間帯により異なるターゲット、マスコンテンツデリバリはオールターゲットである。
図10は、この実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステム10および従来の方法で得られる定性的な効果の比較を示す表である。
図10を参照して、それぞれのメディアの特徴等については、TVCMは、TV視聴者に対して情報(主に商品等)を認知させることが可能であり、紙媒体(チラシ・雑誌)は、特定の地域に限定して情報を展開することに優れており、インターネット(パソコンおよび携帯電話)は、情報を均一かつ広範囲な地域に展開することに優れており、デジタルサイネージは、特定の場所に設置することで、その場所を訪れる人等に情報を認知させることが可能であり、マスコンテンツデリバリは、特定の地域全体に情報を展開することが他のメディアに比較して非常に優れている。
それぞれのメディアの情報配信の形式については、TVCMはPUSH型(要求がなくても配信)、紙媒体(チラシ・雑誌)はPULL型(要求に応じて配信)、インターネット(パソコンおよび携帯電話)はPULL型、デジタルサイネージはPUSH型、マスコンテンツデリバリは、PUSH型である。
それぞれのメディアの到達度のうち到達度合については、TVCMは、家庭の視聴者への到達度は高めであり、紙媒体(チラシ)は、個別家庭へ到達し、紙媒体(雑誌)は、購買層に依存し、インターネット(パソコンおよび携帯電話)は、利用者の検索次第で様々な(広範囲かつ詳細な)情報を入手可能であり、デジタルサイネージは、サイネージ画面の視聴度合に依存し、マスコンテンツデリバリは、自動的に配信され全世帯に配信可能である。
それぞれのメディアの到達度のうち影響要素については、TVCMは、放映時間帯のうちCMは数秒であり、紙媒体(チラシ)は、新聞購読契約が必要であり、紙媒体(雑誌)は、記事広告としての掲載であり雑誌の価格に影響され、インターネット(パソコンおよび携帯電話)は、検索サイトに関する知識等が必要であり、デジタルサイネージは、設置ロケーションやコンテンツ内容に影響され、マスコンテンツデリバリは、放送波の空き帯域で送信する必要がある。
それぞれのメディアの地域性のうち配信単位については、TVCMは、チャンネルごとの放送波の到達圏域であり、紙媒体(チラシ・雑誌)は、市区町村や地区(町名)単位であり、インターネット(パソコン)は、地域指定は不可であり、インターネット(携帯電話)は、一部情報のみ複数県単位の配信が可能であり、デジタルサイネージは、設置場所ごとであり、マスコンテンツデリバリは、地区町村や地区(町名)単位ごとに配信可能である。
それぞれのメディアの地域性のうち配信制御については、TVCMは不可であり、紙媒体(チラシ・雑誌)は可能であり、インターネット(パソコン)は不可であり、インターネット(携帯電話)は不可であり、デジタルサイネージは可能であり、マスコンテンツデリバリは可能である。
それぞれのメディアの品質のうち視認性については、TVCMは、放映秒数に制約があり視聴者の認知次第であり、紙媒体(チラシ・雑誌)は、1商品の情報量には(紙面次第で)制約があり、インターネット(パソコン)は、動画等も利用可能であり、インターネット(携帯電話)は、画面サイズによる表示制約があり、デジタルサイネージは、動画等も利用可能であり、マスコンテンツデリバリは、動画等も利用可能である。
それぞれのメディアの品質のうちクリエイティブ性については、TVCMは、映像および音声のみであり、紙媒体(チラシ・雑誌)は、誌面上の表現のみであり、インターネット(パソコン)は、表現力に多様性があり、インターネット(携帯電話)は、パソコンとほぼ同様であるが一部制約があり、デジタルサイネージは、表現力に多様性があり、マスコンテンツデリバリは、表現力に多様性がある。
それぞれのメディアの品質のうち操作性については、TVCMは、TV操作のみであり、紙媒体(チラシ・雑誌)は、特に操作は必要なく、インターネット(パソコン)は、ITリテラシが必要であり、インターネット(携帯電話)は、一定の操作知識も必要であり、デジタルサイネージは、特に操作は必要なく(非接触型ICカードや非接触型ICチップ搭載機器との連携等の場合は操作あり)、マスコンテンツデリバリは、簡易なTV操作のみである。
それぞれのメディアの費用のうちインフラ設備については、TVCMは、放送設備が高額であり、紙媒体(チラシ・雑誌)は、印刷設備が高額であり、インターネット(パソコンおよび携帯電話)は、通信設備が高額であり、マスコンテンツデリバリは、既存設備を活用するため追加投資は不要である。
それぞれのメディアの費用のうち情報機器については、TVCMは、各種機器は高額であり、インターネット(パソコンおよび携帯電話)は、PCおよびサーバ等のみであるので比較的安価であり、デジタルサイネージは、ディスプレイ等の映像設備が高額であり、マスコンテンツデリバリは、配信追加設備のみであるので比較的安価である。
それぞれのメディアの費用のうち広告作成コストについては、TVCMは、企画次第で変動し、紙媒体(チラシ・雑誌)は、1枚当り数円程度であり、インターネット(パソコンおよび携帯電話)は、企画次第で変動し、デジタルサイネージは、企画次第で変動し、マスコンテンツデリバリは、比較的安価に制作可能である。
それぞれのメディアの費用のうち情報取得コストについては、TVCMは、民間放送でのCM受信は無料であり、紙媒体(チラシ・雑誌)は、新聞購読料等が必要であり、インターネット(パソコン)は、回線契約やISP(Internet Services Provider)利用料が必要であり、インターネット(携帯電話)は、回線契約やパケット代が必要であり、デジタルサイネージは、コンテンツ閲覧は無料であり、マスコンテンツデリバリは、データ受信は無料である。
それぞれのメディアの省資源については、TVCMは、電子情報のみであるので紙およびインク等を消費せず、紙媒体(チラシ・雑誌)は、紙およびインク等を大量に消費し、インターネット(パソコンおよび携帯電話)は、電子情報のみであるので紙およびインク等を消費せず、デジタルサイネージは、電子情報のみであるので紙およびインク等を消費せず、マスコンテンツデリバリは、電子情報のみであるので紙およびインク等を消費しない。
それぞれのメディアの情報発信者の評価順位については、TVCMは2位であり、紙媒体(チラシ・雑誌)は1位であり、インターネット(パソコン)は3位であり、インターネット(携帯電話)は4位であり、デジタルサイネージおよびマスコンテンツデリバリはT.B.D.(to be determined、未定)である。
それぞれのメディアの情報受信者の評価順位については、TVCMは4位であり、紙媒体(チラシ・雑誌)は1位であり、インターネット(パソコン)は2位であり、インターネット(携帯電話)は3位であり、デジタルサイネージおよびマスコンテンツデリバリはT.B.D.(to be determined、未定)である。
以上の各項目に関する比較結果を総合的に評価(優、良、可、不可の4段階で評価)すると、メディアの資質として、TVCMは可であり、紙媒体(チラシ・雑誌)は可から良であり、インターネット(パソコン)は可であり、インターネット(携帯電話)は可であり、デジタルサイネージは、可から良であり、マスコンテンツデリバリは、優である。
以上説明したように、本実施の形態のマスコンテンツデリバリシステム10によれば、コンテンツ提供者100、コンテンツアグリゲータ200および放送局300に備えられる機器で構成される送信側システムによって、コンテンツ収集サーバ210および配信管理サーバ220で、フルセグ放送の番組およびCMの映像および音声、ならびに、ワンセグ放送の番組およびCMの映像および音声、ならびに、データ放送、ならびに、EPGデータなどの地上デジタルテレビ放送関連のMPEG−2TS形式の放送データの放送とともに複数のコンシューマ400に配信するための複数のコンテンツデータが管理され、プロトコル変換サーバ230、IPカプセル化装置240および配信データ分配装置250で、管理されている複数のコンテンツデータが、放送データと同じ形式のMPEG−2TS形式の変換データに変換され、多重化装置320、暗号化装置330および送信装置340で、外部から供給される放送データと、変換された変換データとが多重化されて多重化データが生成され、生成された多重化データが送信可能化されて放送信号とされ当該放送信号が当該チャンネルで放送される。
また、マスコンテンツデリバリシステム10の受信側システムであるコンシューマ400に備えられるテレビ受像機410によって、送信側システムから送信されてきた放送信号が受信されて、多重化データに復元され、復元された多重化データから放送データと変換データとが分離され、分離された変換データからコンテンツデータが復号され、復号されたコンテンツデータが蓄積され、蓄積されたコンテンツデータで示されるコンテンツを再生するための処理が実行される。
このように、送信される放送信号の一部としてコンテンツデータが送信される。その結果、マスコンテンツデリバリシステム10によって、放送波を利用して、より簡易にコンテンツデータを送信することができる。
前述した実施の形態においては、送信側システムの複数の放送局がそれぞれのチャンネルで放送信号を送信して、テレビ受像機410は、複数のチャンネルのいずれかで送信側システムから送信されてきた放送信号を受信するとして説明した。しかし、このように、送信側システムの1つの放送局が当該チャンネルで放送信号を送信して、テレビ受像機410は、当該チャンネルで送信側システムから送信されてきた放送信号を受信するようにしてもよい。
また、多重化装置320、暗号化装置330および送信装置340は、放送データを送信するための複数のチャンネルのそれぞれごとに設けられる。また、テレビ受像機410によって、複数のチャンネルのいずれかで送信側システムから送信されてきた放送信号が受信されて、多重化データに復元される。
このように、複数のチャンネルのいずれでも同じコンテンツデータが受信側システムに送信される。その結果、マスコンテンツデリバリシステム10の送信側システムによって、高い到達率でコンテンツデータを送信することができる。
さらにまた、放送信号に含まれるコンテンツデータが、複数のチャンネルについて送信装置340で同報通信で送信できるように、配信データ分配装置250から多重化装置320に、変換データが受渡され、多重化装置320から暗号化装置330および送信装置340に、多重化データが受渡され、複数のチャンネルの送信装置340は、それぞれ、コンテンツデータを同報通信で送信するように放送信号を放送する。
このように、いずれのチャンネルでも同じタイミングで同じコンテンツデータが受信側システムのテレビ受像機410に送信される。その結果、マスコンテンツデリバリシステム10の送信側システムによって、より高い到達率でコンテンツデータを送信することができる。
さらにまた、多重化装置320によって、コンテンツデータが、所定時間の間、繰返し放送データに多重化され、テレビ受像機410によって、チャンネルを切替える操作が受付けられ、放送信号を受信中にチャンネルを切替える操作が受付けられた場合、切替え前のコンテンツデータの一部が受信されていなかったときには、テレビ受像機410の誤り訂正復元部432で、切替え後に受信される当該一部を取得する処理が実行される。
このように、テレビ受像機410によって、放送信号を受信中にチャンネルを切替える操作が受付けられた場合、切替え前のコンテンツデータの一部が受信されていなかったときには、放送信号に繰返し多重化されているコンテンツデータから、切替え後に受信される当該一部を取得する処理が実行される。その結果、テレビ受像機410によって、より確実にコンテンツデータを受信することができる。
さらにまた、プロトコル変換サーバ230によって、コンテンツデータが分割され、パケットデータである変換データに変換されるとともに、変換データに元のコンテンツデータのサイズを示す情報およびそれぞれのパケットデータの順番を示す情報が付加される、テレビ受像機410によって、受信されていない順番の変換データが取得され、変換データに付加された順番に基づいて変換データが連結されることによってコンテンツデータが復号される。その結果、テレビ受像機410によって、さらに確実にコンテンツデータを受信することができる。
また、多重化装置320によって、コンテンツデータの変換データであることをテレビ受像機410で識別可能にするための受信制御のための識別ID(PID)が含められて多重化される。
このように、テレビ受像機410によって、多重化データからコンテンツデータの変換データが分離されるときに、コンテンツデータの変換データであることを、テレビ受像機410に確実に識別させることができる。
また、テレビ受像機410によって、多重化データに含まれコンテンツデータの変換データであることを識別可能にするための受信制御のための識別ID(PID)に基づいて、変換データが識別されて分離される。
このように、テレビ受像機410によって、多重化データからコンテンツデータの変換データが分離されるときに、コンテンツデータの変換データであることを、確実に識別することができる。
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1−1) 前述した実施の形態で説明した内容は、次のような発明として捉えることができる。番組およびコマーシャルメッセージを放送する放送波を利用してコンテンツを配信するマスコンテンツデリバリシステムであって、複数の放送局に対して同一のコンテンツを供給するコンテンツ供給手段と、視聴者に所有され、前記放送局から放送される番組およびコマーシャルメッセージと前記コンテンツとを受信して放映する受信放映手段とを備え、前記複数の放送局の各々には、前記コンテンツ供給手段から供給されたコンテンツを前記番組およびコマーシャルメッセージとともに放送波を利用して配信する配信手段が備えられ、前記コンテンツは、蓄積型コンテンツであり、前記受信放映手段は、受信した番組およびコマーシャルメッセージから前記コンテンツを分離する分離手段と、該分離手段により分離されたコンテンツを一旦蓄積するコンテンツ蓄積手段と、該コンテンツ蓄積手段により蓄積されたコンテンツを再生するコンテンツ再生手段とを含む、マスコンテンツデリバリシステム。
この発明に従えば、それぞれの放送局から送信される放送波の一部としてコンテンツが送信される。また、複数の放送局のいずれでも同じコンテンツが送信される。その結果、放送波を利用して、より簡易にコンテンツを送信することができる。
たとえば、前述した実施の形態において説明したように、マスコンテンツデリバリシステム10は、番組およびCMを放送する放送波を利用してコンテンツデータを配信する。コンテンツ供給者100のコンテンツ供給コンピュータ110によって、アグリゲータ200のシステムを介して複数の放送局300に対して同一のコンテンツデータが供給される。コンシューマ400に所有されるテレビ受像機410によって、放送局300から放送される番組およびCMとコンテンツデータとが受信され放映される。複数の放送局300の各々のシステムによって、コンテンツ供給者100のコンテンツ供給コンピュータ110から供給されたコンテンツデータが番組およびCMとともに放送波を利用して配信される。コンテンツデータは、送られてくるごとに逐次利用するストリーミング型のコンテンツデータではなく、一旦蓄積してから利用する蓄積型のコンテンツデータである。テレビ受像機410によって、受信した番組およびCMからコンテンツデータが分離され、分離されたコンテンツデータが、一旦、コンテンツ蓄積部435に蓄積され、蓄積されたコンテンツデータが再生される。
(1−2) 好ましくは、上述した(1−1)で説明した発明は、さらに、次のように構成されると捉えてもよい。マスコンテンツデリバリシステムは、前記コンテンツの供給者から当該コンテンツを配信することに対する配信対価を集計する配信対価集計手段と、該配信対価集計手段によって集計された前記配信対価を複数の前記放送局に分配する対価分配部とをさらに備える。
この発明に従えば、コンテンツの配信に対する対価をコンテンツ供給者から集金して、放送局に分配することができる。その結果、コンテンツの配信に対するインセンティブを放送局に与えることができる。
たとえば、前述した実施の形態の図1において説明したように、コンテンツデータの配信料は、アグリゲータ200に設置されるコンピュータによって、コンテンツ提供者100から受取ったコンテンツデータの量に応じて、コンテンツ提供者100ごとに集計され、複数の放送局300のそれぞれに分配される。
(1−3) 好ましくは、上述した(1−1)で説明した発明は、さらに、次のように構成されると捉えてもよい。マスコンテンツデリバリシステムは、前記視聴者に所有され、前記蓄積手段に蓄積された前記コンテンツのうち利用するために利用対価が必要な有料コンテンツを利用する場合に、当該有料コンテンツを供給する者との当該利用対価の決済を実行するための決済手段をさらに備え、前記コンテンツ再生手段は、再生対象が前記有料コンテンツである場合、当該有料コンテンツを利用するための前記利用対価の決済が前記決済手段によって実行されたことを条件として、当該有料コンテンツを再生し、マスコンテンツデリバリシステムは、前記決済手段によって決済された前記利用対価を前記有料コンテンツごとに集計する利用対価集計手段と、該利用対価集計手段によって前記有料コンテンツごとに集計された前記利用対価を、当該有料コンテンツを提供した供給者に支払う利用対価支払手段とをさらに備える。
この発明に従えば、新聞などの有料コンテンツの提供に対して対価が支払われるので、紙で有料コンテンツが提供されていたときと同様、コンテンツの供給者が対価を得ることを可能とすることができる。
たとえば、前述した実施の形態の図8のステップS124からステップS126までで説明したように、マスコンテンツデリバリシステム10においては、コンシューマ400に所有されるテレビ受像機410またはコンピュータによって、テレビ受像機410のコンテンツ蓄積部435に蓄積されたコンテンツデータのうち有料コンテンツを利用する場合に、有料コンテンツを供給するコンテンツ供給者100との料金の決済が実行される。テレビ受像機410によって、再生対象が有料コンテンツである場合、有料コンテンツを利用するための料金の決済が実行されたことを条件として、有料コンテンツが再生される。アグリゲータ200の決済用サーバによって、決済された料金が有料コンテンツごとに集計され、有料コンテンツごとに集計された料金が、有料コンテンツを提供したコンテンツ提供者100に支払われる。
(1−4) 好ましくは、上述した(1−1)で説明した発明は、さらに、次のように構成されると捉えてもよい。前記配信手段は、前記分離手段と前記コンテンツ蓄積手段と前記コンテンツ再生手段とを含む前記受信放映手段によって前記コンテンツが再生可能である状態、かつ、前記分離手段と前記コンテンツ蓄積手段と前記コンテンツ再生手段とを含まない前記番組およびコマーシャルメッセージを放映する手段によって前記コンテンツが再生できないような状態で、前記コンテンツを配信する。
この発明に従えば、コンテンツを受信蓄積するための構成を備える場合には、コンテンツの再生を可能とすることができ、コンテンツを受信蓄積するための構成を備えない場合には、コンテンツの再生を不能とすることができる。
たとえば、前述した実施の形態の図7で説明したテレビ受像機410の識別ID判定部421からコンテンツ読出部442までの構成を備えるテレビ受像機410では、コンテンツの再生が可能であり、備えないテレビ受像機では、コンテンツの再生は不能である。
(1−5) 好ましくは、上述した(1−1)で説明した発明は、さらに、次のように構成されると捉えてもよい。前記配信手段は、前記コンテンツを、所定時間の間、繰返し、前記番組およびコマーシャルメッセージとともに配信し、前記受信放映手段は、さらに、他の前記放送局の前記番組およびコマーシャルメッセージを受信するようにチャンネルを切替える操作を受付ける操作受付手段と、前記コンテンツを受信中に前記操作受付手段によってチャンネルを切替える操作が受付けられた場合、切替え前のコンテンツの一部が受信されていなかったときには、切替え後に受信される当該一部を取得する処理を実行する再取得処理手段を含む。
この発明に従えば、マスコンテンツデリバリシステムの受信放映手段によって、放送信号を受信中にチャンネルを切替える操作が受付けられた場合、切替え前のコンテンツの一部が受信されていなかったときには、切替え後に受信される当該一部を取得する処理が実行される。その結果、マスコンテンツデリバリシステムの受信放映手段によって、より確実にコンテンツを受信することができる。
たとえば、前述した実施の形態の図7の誤り訂正復元部432の説明において示したように、複数の放送局から同報通信でコンテンツデータが送信されているので、あるコンテンツデータを受信中に他のチャンネルの放送局に切替えられた場合、誤り訂正復元部432は、1つのチャンネルの放送局から受信されたパケットデータに含まれるFECデータだけでなく、他のチャンネルの放送局から受信されたパケットデータに含まれるFECデータも用いて、受信に失敗した部分コンテンツデータを復元する。
(1−6) 好ましくは、上述した(1−1)で説明した発明は、さらに、次のように構成されると捉えてもよい。前記コンテンツは、所定の地域エリアに配信されるローカルコンテンツである。この発明に従えば、地域エリアのニーズに即したコンテンツを配信することができる。
たとえば、地域の商店などのコンテンツ供給者100からのコンテンツデータであるチラシを、当該地域以外に配信しても、あまりメリットがないが、所定の地域エリアに配信すれば、コンテンツ提供者100およびコンシューマ400のいずれのニーズにも合ったコンテンツデータであるチラシを提供することができる。
(2) 各放送局の視聴率を加算したものが、コンテンツデータの配布率となり、それにコンテンツデータの利用率を掛けたものが、コンテンツデータの到達率となるので、前述した実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステムによれば、1つの放送局で配信する場合と比較して、コンテンツデータの到達率を向上させることができる。
(3) このように到達率を向上するために、複数の放送局で同じタイミングで同じコンテンツデータを配信する。このようなことは、従来のデータ放送でも可能なようにも考えられる。しかし、複数の放送局のデータ放送で同じコンテンツデータを配信した場合に、データ放送でのコンテンツデータの表示と、本放送の表示とが同時に表示されるため、コンテンツデータの内容と本放送のスポンサとに競合が生じる惧れがある。このような競合を回避するためには、各放送局の本放送のスポンサに不利益が生じないコンテンツデータを選ばなければならない。多チャンネル化された現状においては、この選定がさらに難しくなる。したがって、本実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステム10によれば、図8で説明したように、蓄積型のコンテンツデータとして、本放送とコンテンツデータとを同時に再生することができないような仕組とした。これによって、本放送のスポンサに不利益が生じないようにすることができる。
(4) 従来のハイビジョン方式に対応していないテレビ受像機では、新聞およびチラシなどの文字の多い情報を表示させた場合、文字が潰れて、文字が読めない。しかし、ハイビジョン方式に対応している地上デジタルテレビ放送のテレビ受像機410は、高解像度であるので、新聞およびチラシなどの文字の多い情報を表示させても、ユーザに判読可能に文字を表示させることができる。
(5) 従来は、行政においても民間においても多チャンネル化の流れが主流であった。しかし、多チャンネル化の影響で放送局のCM収入が減り、放送局や広告代理店などの経営を圧迫するという問題があった。本実施の形態のマスコンテンツデリバリシステムによれば、多チャンネル化された状況であっても、従来のCM収入に加えて、コンテンツデータの配信の対価が加算されるので、放送局の収入源を増やすことができる。
(6) 近年、テレビ、新聞、チラシなどの広告媒体は、広告費が減少しているが、インターネットの広告媒体は、広告費が増加している。本実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステムによれば、新聞、チラシなどのコンテンツ提供者100は、到達率を上昇させることができるので、広告費を増加させることができ、また、テレビの放送局300は、新聞、チラシなどのコンテンツデータの配信の対価を新たな収入源とすることができる。
(7) 前述した実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステム10によれば、従来の地上デジタルテレビ放送の放送設備(送信〜受信)を利用することで、放送内容とは異なる情報を送信側よりpushして受信側に蓄積することができるとともに、番組およびCMを途絶えさせることなく伝達することができる。
(8) 前述した実施の形態におけるマスコンテンツデリバリシステム10によれば、地上デジタルテレビ放送であり、県域放送であるので、コンシューマ400は、自分の県域のコンテンツデータだけを蓄積することができる。このため、地域性の強いコンテンツデータを配信することで、より地域のニーズに合ったコンテンツデータの配信を行なうことができる。
(9) 前述した実施の形態においては、図8のステップS123で説明したように、コンテンツデータに添付された配信地域IDで示される地域に、テレビ受像機410の設置地域IDで示される地域が含まれることを条件として、ステップS126で当該コンテンツデータで示されるコンテンツが再生されるようにした。
しかし、これに限定されず、受信側システム(たとえば、テレビ受像機410)でコンテンツデータが受信されるときに、設置地域IDで示される地域がコンテンツデータに添付された配信地域IDで示される地域に含まれる場合に、当該コンテンツデータをコンテンツ蓄積部435に蓄積するようにしてもよい。
このようにすれば、さらに地域のニーズに合ったコンテンツデータの配信を行なうことができる。
(10) また、テレビ受像機410の機能およびGPS(Global Positioning System)機能を、携帯端末やカーナビゲーションシステムなどの移動可能な装置に含めるようにして、上述の(9)で示したように、コンテンツデータに配信地域IDを添付して当該コンテンツデータを配信するようにして、GPSによって特定される移動に応じて変化する地域が、コンテンツデータに添付された配信地域IDで示される地域に含まれる場合に、当該コンテンツデータをコンテンツ蓄積部435に蓄積するようにしてもよい。
このようにすれば、ユーザが移動可能な装置を所持して移動した場合であっても、移動先の地域のニーズに合ったコンテンツデータの提供を受けることができる。
また、上述の移動可能な装置に、移動可能な装置に利用の拠点(たとえば、自宅)の地域を示すデフォルト地域IDを設定できるように構成して、デフォルト地域IDで示される地域が、コンテンツデータに添付された配信地域IDで示される地域に含まれる場合にも、当該コンテンツデータをコンテンツ蓄積部435に蓄積するようにしてもよい。
このようにすれば、移動先の地域のニーズに合ったコンテンツデータの提供を受けることができるだけでなく、普段の拠点の地域のニーズに合ったコンテンツデータの提供を受けることができる。
このようにすれば、ユーザの移動中の地域に合ったコンテンツデータの配信を行なうことができる。
(11) 図4で示したようなコンテンツデータの配信予定表をコンテンツデータとして配信するようにして、コンテンツデータの受信の予約ができるようにして、予約時間になったときに、テレビ受像機410がオン状態でないときであっても、コンテンツデータを受信するようにしてもよい。これによって、テレビ受像機410でユーザが番組を視聴していないときであっても、所望のコンテンツデータを受信することができる。
また、受信予約されたコンテンツデータの配信予定時刻が変更になった場合には、予約時間も変更するようにしてもよい。これによって、所望のコンテンツデータを確実に受信することができる。
(12) 前述した実施の形態においては、コンテンツデータのうちの一部がまだ受信されていないときに他のチャンネルに切替えられた場合は、他のチャンネルで送信される当該コンテンツデータの続きの一部を受信するようにした。これによって、チャンネル切替え後に受信される当該一部を取得することができる。
また、前述した実施の形態においては、コンテンツデータが所定時間の間、繰返し送信されるようにするので、チャンネル切替え直後に受信されるはずの当該一部の受信に失敗した場合であっても、次の繰返し送信のタイミングで、当該一部を受信することができる。
(13) コンテンツデータとして、各商店から、商品の種類と量と価格との組合せ(たとえば、(国産牛,100g,300円)、(ニンジン,1本,100円)など)のデータが配信されるようにして、テレビ受像機410で、商品の種類ごとの、各商店の量と価格との組合せの比較表を生成表示するようにしてもよい。これによって、コンシューマ400は、どの商店の商品が安いのかをチェックすることができる。
また、商店では、他の時間の価格よりも安い価格で商品を販売するタイムセールを行なうことがある。このようなタイムセールの情報も、コンテンツデータとして送信することができる。そして、テレビ受像機410が、タイムセールの情報も加味した商品の量と価格との組合せの比較表を生成表示するようにしてもよい。
さらに、テレビ受像機410が、比較の結果に関する情報、たとえば、比較結果の情報および一番安い商品の情報などを、携帯端末で読取り可能な2次元コードで表示するようにしてもよい。これによって、コンシューマ400は、携帯端末で当該2次元コードで示される情報を読込んで、買物の際に、当該情報を携帯端末に表示させて、買物の役に立てることができる。
(14) 前述した実施の形態においては、アグリゲータ200が、各放送局300にコンテンツデータを受渡すようにした。しかし、これに限定されず、幹事局経由で各放送局300にコンテンツデータが受渡されるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、マスコンテンツデリバリシステム10の受信側システムが、テレビ受像機410であることとしたが、これに限定されず、STB(Set Top Box)と、STBで再生されたコンテンツを表示するモニタ(たとえば、従来のテレビ受像機であってもよい)とで構成されるようにしてもよいし、PC(Personal Computer)等のコンピュータで構成されるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態においては、放送時間内にコンテンツデータを配信するようにした。しかし、これに限定されず、放送時間外にコンテンツデータを配信するようにしてもよい。この場合、予め受信予約されたコンテンツデータが配信されるタイミング、または、配信地域IDで示される地域に設置地域IDで示される地域が含まれる場合に、テレビ受像機410を起動させて、配信されたコンテンツデータを蓄積するようにしてもよい。
このようにすれば、放送データが送信されていないため、コンテンツデータの配信のために帯域幅を広く使えるので、より多くのコンテンツデータを送信することができる。
(17) 前述した実施の形態においては、配信地域IDで示される地域に設置地域IDで示される地域が含まれる場合に、コンテンツデータを再生するようにした。
しかし、これに限定されず、テレビ受像機410にコンシューマの嗜好する分野を特定可能な嗜好データを予め記憶しておいて、コンテンツデータを配信するときに当該コンテンツデータの分野を特定可能なデータを添付して送信し、蓄積されたコンテンツデータで示される分野が、嗜好データで示される分野に含まれる場合に、コンテンツデータが再生可能となるようにしてもよい。
また、テレビ受像機410にコンシューマの嗜好する分野を特定可能な嗜好データを予め記憶しておいて、コンテンツデータを配信するときに当該コンテンツデータの分野を特定可能なデータを添付して送信し、受信されたコンテンツデータで示される分野が、嗜好データで示される分野に含まれる場合に、コンテンツデータを蓄積するようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態においては、設置地域IDを予め設定するようにした。これに加えて、たとえば、職場のある地域やよく行く地域などのその地域の情報を知りたいとユーザが思うような地域のIDを設定できるようにしてもよい。
たとえば、登録したい場所の郵便番号や住所などがテレビ受像機410に入力され、テレビ受像機410によって、それらの場所を示す情報に基づいて地域IDが特定され、特定された地域IDがテレビ受像機410に記憶されるようにしてもよい。
また、GPS機能付き携帯電話で登録したい場所で経度緯度情報を取得し、その経度緯度情報が、テレビ受像機410または外部のサーバに送信され、テレビ受像機410に予め記憶されたまたは外部の経度緯度情報と地域IDとの対応関係を示すデータベースに基づいて、当該場所の地域IDが特定され、特定された地域IDがテレビ受像機410に記憶されるようにしてもよい。
これによって、テレビ受像機410の設置地域のコンテンツデータだけでなく、地域の情報を知りたいと思う地域のコンテンツデータを得ることができるので、さらに、マスコンテンツデリバリシステム10によって、さらに有益なコンテンツデータを得ることができる。
(19) 前述した実施の形態においては、各放送局が共通のコンテンツデータを配信する時間帯と、各放送局が独自のコンテンツデータを配信する時間帯とを設けるようにした。この場合に、テレビ受像機410などの受信側システムにおいて、現在受信中のコンテンツデータが、各放送局で共通のコンテンツデータであるか、各放送局で独自のコンテンツデータであるかをインジケータ等で表示するようにしてもよい。
これによって、コンシューマ400は、各放送局で独自のコンテンツデータが配信されているときに、他の放送局のチャンネルに切替えてしまうと受信中のコンテンツデータが最後まで受信できず、そのコンテンツデータが再生不可能になることを認識することができる。
(20) マスコンテンツデリバリシステム10により配信されるコンテンツの種類には、受信側機器の性能によっては受信できないものも含まれている。つまり、すべての受信側機器により受信できるコンテンツに限定されるものではなく、或る高性能な受信側機器によってのみ受信可能なコンテンツも含まれている。
これによって、受信側機器の最低受信性能に拘束されることなく、豊富な種類のコンテンツを配信できる。
(21) 前述した実施の形態においては、マスコンテンツデリバリシステム10の発明として説明した。しかし、これに限定されず、マスコンテンツデリバリシステム10の送信側システムまたは受信側システムの発明として捉えることができる。また、マスコンテンツデリバリシステム10のコンテンツ提供者100、アグリゲータ200、放送局300またはコンシューマ400に備えられる装置群の発明または各装置の発明として捉えることができる。また、図8で説明した視聴選択表示処理によってテレビ受像機400によって実行される方法またはプログラムの発明と捉えることができる。
(22) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。