JP5086645B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
例えば、航空機用空気入りタイヤにおいては、異常時のオーバーロード離着陸時の際には、トレッドゴムに加えられる大きな歪みと荷重とにより、トレッドゴムの発熱量が極めて大きくなり、更正面間における接着剥離故障の懸念がある。また、通常時においては、Taxi走行中のタイトターン等の際の大変形によるチッピング(リブ端でのゴム欠け)の懸念があり、更に、着陸時においては、激しいスリップ、着陸開始からの長時間にわたるトレッドゴムの滑走路面に対するスリップ、引っ掻きによるトレッドゴムの早期摩耗、などの問題がある。
一方、リニアモータカー用空気入りタイヤにおいては、リニアモータカーの緊急着陸時におけるトレッドゴムの大きな歪と荷重により、タイヤの発熱量が非常に大きく、伝熱係数が小さいトレッドゴムとベルトとの間の接着剥離故障やブローアウトと呼ばれる加硫戻りによるゴムの破壊故障が発生するおそれがある。また、通常の離着陸時においても離陸あるいは着陸開始からの比較的長時間にわたるトレッドゴムの軌道路面に対するスリップによるトレッドゴムの局所的な早期摩耗も問題となっている。荷重に比較してタイヤの接地面積が小さいため、タイヤに所定の高荷重が負荷される結果、トレッドゴムの発熱量が著しく、時にスタンディングウエーブが発生する。
しかしながら、高速高荷重用空気入りタイヤにおいては、さらなる長寿命及び耐高荷重性が要求されており、耐摩耗性と、発熱耐久性、耐チッピング性などの諸性能との両立が望まれているが、前記の特許文献記載の手法では、この両立に限界がある。また、タイヤの長寿命化に伴い、ゴムの劣化による耐摩耗性の経時変化が少ないことも重要であるが、その点に関する考慮が不十分である。
すなわち、本発明は、
(1)一対のビード部内にそれぞれ埋設した1個以上のビードコア相互間にわたり、各ビード部に連なる一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部にトロイド状をなして連なるトレッド部とを補強するカーカスと、トレッド部にトレッドゴムとを備える空気入りタイヤにおいて、前記トレッドゴムが、(A)共役ジエン重合体ゴムと、重量平均分子量が1×104〜10×104で、トランス含有量が、70%以上である結晶性トランスポリブタジエンゴム2〜20質量%を含むゴム成分と、その100質量部に対して、(B)一般式(I)
M1/pO3S−S−(CH2)n−S−SO3M1/p ・・・(I)
(式中、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケル及びコバルトの中から選ばれる金属、pは該金属の価数を示し、nは3〜10の整数を示す。)
で表される結晶水を含有していてもよい有機チオスルフェート化合物0.5〜2質量部を含むゴム組成物で形成されてなることを特徴とする空気入りタイヤ、
(2)ゴム組成物における(A)ゴム成分が、共役ジエン重合体ゴムとして、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム50〜98質量%、及び重量平均分子量が4×105以上でシス含有量が95%以上であるシスポリブタジエンゴム0〜48質量%を含む上記(1)に記載の空気入りタイヤ、
(3)(B)成分の有機チオスルフェート化合物が、1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物である上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ、
(4)ゴム組成物が、(A)ゴム成分100質量部に対して、さらに(C)窒素吸着法比表面積(N2SA)が140〜160m2/g、DBP吸油量が130〜160mL/100gであり、かつ発生水素量が1500〜2500ppmであるカーボンブラック40〜55質量部を含む上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ、及び
(5)航空機用タイヤである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
を提供するものである。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例の左半断面図であり、図2は、本発明の空気入りバイアスタイヤの一例の左半断面図である。
図1において、空気入りラジアルタイヤ1Rは、一対のビード部(片側のみ示す)2と、各ビード部2に連なる一対のサイドウォール部(片側のみ示す)3と、両サイドウォール部3にトロイド状をなして連なるトレッド部4とを有し、ビード部2内に埋設した1個のビードコア7相互間にわたり2プライ以上、図示例は6プライのラジアル配列コードのゴム被覆になるラジアルカーカス8がビード部2、サイドウォール部3及びトレッド部4を補強する。ラジアルカーカス8のプライコードは6,6ナイロンコードなどの有機繊維コードが適合する。
ラジアルカーカス8は、ビードコア7周りをタイヤ内側から外側に巻上げる巻上げ部を有する、いわゆるターンアッププライ8Uと、ターンアッププライ8Uを巻上げ部も含め外包みするダウンプライ8Dとを有する構成とするのが適合し、図示例では4プライのターンアッププライ8Uと、2プライのダウンプライ8D との構成になる。ダウンプライ8Dの終端部はビードコア7のタイヤ半径方向内側に位置させる。
ビード部2内に埋設した複数個、図示例は3個のビードコア5相互間にわたり多数プライのクロスバイアス配列コードのゴム被覆になるバイアスカーカス6がビード部2、サイドウォール部3及びトレッド部4を補強する。ビードコア5は、タイヤ1Bの内側から外側へ向かってそれぞれ独立にインナービードコア5I、メディアムビードコア5M、アウタービードコア5Oからなり、いわゆるトリプルビードコアタイプである。ただしダブルビードコアタイプのタイヤも可とする。
バイアスカーカス6は、インナービードコア5Iを巻上げる複数プライ(図では1本の実線で示す、以下同じ)のインナープライ6I、メディアムビードコア5Mを巻上げる複数プライのメディアムプライ6M、アウタービードコア5Oを巻上げる複数プライのアウタープライ6O及びこれらのカーカスを外側から包み込む複数プライのダウンプライ6Dを有する。ただしメディアム部材を有せず2個のビードコア5相互間にわたり延びるバイアスカーカス6を有するタイヤも含む。ダウンプライ6Dの終端部はインナービードコア5Iのタイヤ半径方向内側まで延びるのが良い。バイアスカーカス6のプライコードには6ナイロンコードや6,6ナイロンコードなどの有機繊維コードが適合する。
本発明の空気入りタイヤにおける前記トレッドゴムを形成するゴム組成物は、(A)共役ジエン重合体ゴムと、結晶性トランスポリブタジエンゴムを含むゴム成分と、(B)有機チオスルフェート化合物を含むと共に、好ましくは(C)カーボンブラックを含む。
当該シスポリブタジエンゴムのシス含有量が95%以上であれば、トレッドゴムの耐摩耗性が良好である。好ましいシス含有量は97%以上である。なお、このシス含有量は、赤外分光光度計を用いて測定し、MORERO法に従って測定することができる。当該シスポリブタジエンゴムは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、天然ゴムやポリイソプレンゴムに特に制限はなく、従来公知のものの中から適宜選択することができる。重量平均分子量4×105以上でシス含有量が95%以上であることがより好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定されるポリスチレン換算の値である。
本発明においては、この結晶性トランスポリブタジエンゴムは、空気入りタイヤにおける高シビアリティー領域での耐摩耗性向上と低発熱化、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、及び製造時作業性(低粘度化)の高度両立化を図るために使用される。なお、耐シェブロンカット性とは、例えば航空機用空気入りタイヤの場合、機体のランディング時に、滑走路に横断する向きに形成されている排水用ランウエイグルーブの縁により受ける、松かさ状ないしササクレ状のカット傷、いわゆるシェブロンカットの発生を抑制する性能のことをいう。
航空機用空気入りタイヤでは、着陸時に高温に達するために、高温域での耐摩耗性確保が重要である。結晶性トランスポリブタジエンゴムによる耐摩耗性向上効果は、高温域でも持続し、熱劣化による耐摩耗性の経時変化も少ないことにより、高速高荷重用タイヤに特に好適である。
当該結晶性トランスポリブタジエンゴムは、重量平均分子量が、1×104〜10×104の範囲にあることを要する。この重量平均分子量が1×104以上であれば、耐摩耗性の向上効果が良好に発揮され、10×104以下であれば、ゴム組成物は適度の粘度を有し、製造時作業性が良好となる。
当該結晶性トランスポリブタジエンゴムは、トランス含有量が70%以上であることを要し、70%未満では結晶性が損なわれ、液状となりやすく、使用時の取扱い性が困難となり、得られる空気入りタイヤは、耐シェブロンカット性や耐チッピング性が低下する。トランス含有量を70%以上とすることにより、ブタジエンのトランス1,4結合に基づく結晶化が起こり、低分子量であるにも関わらず粉体状である。このため、計量、配合等のハンドリング性が良好であり、取扱いが極めて容易である。なかでも、トランス含有量が90%以上のものは、結晶性が良好であり、高温高湿条件下においても粉末がべとつかず、ハンドリング性に特に優れている。なお、トランス含有量は、赤外分光光度計を用いて測定し、MORERO法に従って測定することができる。
当該結晶性トランスポリブタジエンゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(A)ゴム成分中の当該結晶性トランスポリブタジエンゴムの含有量は、2〜20質量%の範囲にあることを要す。この含有量が上記範囲にあれば、空気入りタイヤにおける高シビアリティー領域での耐摩耗性向上と低発熱化、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、及び製造時作業性(低粘度化)の高度両立化を図ることができる。好ましい含有量は2〜15質量%である。
当該結晶性トランスポリブタジエンゴムの製造方法に特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、溶媒中でブタジエンモノマーを、ニッケルボロアシレート、トリブチルアルミニウム、トリフェニルホスファイト、トリフルオロ酢酸の4元系触媒を用いて重合する方法などを挙げることができる。
M1/pO3S−S−(CH2)n−S−SO3M1/p ・・・(I)
で表される結晶水を含有していてもよい化合物である。
一般式(I)において、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケル及びコバルトの中から選ばれる金属、pは該金属の価数を示し、nは3〜10の整数を示す。
この有機チオスルフェート化合物は、加硫剤として作用し、これを含むゴム加硫物の網目構造が、通常の硫黄加硫物に比べて耐熱性が高いことにより、高温域耐摩耗性及び熱劣化後の耐摩耗性を向上させる効果が極めて高い。特に、前記の結晶性トランスポリブタジエンと併用することにより、摩耗時ゴム表面温度が常温領域から、高温領域までの全領域において、新品時から劣化後までの耐摩耗性の確保が達成される。
前記一般式(I)において、Mで表される金属としては、入手容易性と前記効果を考慮するとカリウム及びナトリウムが好適である。また、nとしては、前記効果及び分子内環化反応を抑制する観点から、3〜10の整数、好ましくは3〜6の整数である。
一般式(I)で表される結晶水を含有していてもよい有機チオスルフェート化合物としては、ナトリウム塩一水和物、ナトリウム塩二水和物などが挙げられ、効果及び経済性の観点から、チオ硫酸ナトリウム誘導体、例えば1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物が最も好ましい。
本発明においては、当該(B)成分の有機チオスルフェート化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、効果及び経済性のバランスの観点から、前述の(A)ゴム成分100質量部に対して、0.5〜2質量部の範囲で選定される。
また、前記発生水素量とは、カーボンブラック加熱時に発生する水素の量であり、以下のようにして、測定することができる。カーボンブラック約0.1gをアルゴンガス気流中で加熱し、発生するガスをガスクロマトグラムにて分析、定量する。測定は、10℃/minの昇温条件で行い、キャリアガスとしてアルゴンガスを流入させ(流入量50ml/min)、加熱炉が400℃になった際に、カーボンブラックから発生したガスをアルゴンガスと共にガスクロマトグラムに導き定量する。この測定を400〜1200℃の間で200℃毎に行い、各温度のピーク面積を算出し、各温度での測定値の和を発生した水素量とし、カーボンブラック1g当たりから発生する水素量を発生水素量(ppm)とする。
当該(C)成分のカーボンブラックは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、耐摩耗性及び低発熱性の観点から、前記(A)ゴム成分100質量部に対して、40〜55質量部の範囲が好ましい。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0質量部である。
当該ゴム組成物は、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて、各成分を混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、高速高荷重用空気入りタイヤ用途として、タイヤトレッドに用いられる。
本発明の空気入りタイヤは高速高荷重用タイヤであり、前述のゴム組成物を、トレッド部に用いたものであって、通常の方法で製造することができる。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階でタイヤトレッドに加工され、タイヤ成型機上で通常の方法により貼り付け成型され、生タイヤが成型される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、高シビアリティー領域での耐摩耗性と、発熱耐久性、耐チッピング性などの諸特性の両立化を図ることができ、航空機用やリニアモータカー用タイヤなどの高速高荷重用タイヤ、特に航空機用タイヤとして好適に用いられる。
なお、各例における諸特性は、以下に示す方法に従って測定した。
(1)結晶性トランスポリブタジエンゴム及びシスポリブタジエンゴムの重量平均分子量
重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法[GPC:東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製GMH−XL(2本直列)]により行い、示差屈折率(RI)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行った。
(2)ポリブタジエンゴムのトランス含有量、シス含有量
赤外分光光度計にて、MORERO法で計算して求めた。
(3)カーボンブラックの性状
(a)N2SA
JIS K 6217−2:2001に準拠して測定した。
(b)DBP吸油量
JIS K 6217−4:2001に準拠して測定した。
(c)発生水素量
明細書本文記載の方法に従って測定した。なお、発生するガスのガスクロマトグラムにより分析は、島津製作所製「GC−9A」を使用して行った。
(4)ゴム組成物の粘度
JIS K 6300−1:2001に準拠し、L型ロータを用い、130℃にてムーニー粘度[ML1+4/130℃]を測定し、実施例1の値を100として指数化した。ムーニー粘度の値が小さい程、加工性が高いことを示す。
(5)耐シェブロンカット性(M300)
ゲージ2mmシートを145℃で30分間加硫し、JIS−3号ダンベルに打ち抜いたサンプルを、JIS K 6251:2004に従い300%伸び引張応力(M300)を測定し、実施例1を100として指数表示し、航空気タイヤトレッドゴムの耐シェブロンカット性の指標とした。数値が大きいほど耐シェブロンカット性に優れる。
(6)発熱性(レジリエンス)
JIS K 6255−1996に準じて行ったトリプソ式反発弾性試験から、下記式により、実施例1を100として指数表示した。
発熱性指数={供試試験片の反発弾性率/実施例1の試験片の反発弾性率}×100
発熱性指数が大きいほど、発熱性が優れる、すなわち発熱量が小さいことを示す。
(7)耐摩耗性(ランボーン)
JIS K 6264−1993ランボーン摩耗試験により、下記式により算出し、実施例1を100として指数表示した。
耐摩耗性指数=(実施例1の摩耗量/供試サンプルの摩耗量)×100
耐摩耗性指数が大きいほど、耐摩耗性が優れることを示す。
(8)タイヤ性能
(a)オーバーロードドラム耐久
各例で試作したタイヤをリムに組付けたリム組立体を、ドラム上で508kNの負荷をかけて、48.3km/hの速度で366秒間走行させた。17秒間停止させた後、速度0km/hから1.5727m/s2で加速し、105.06m/s離陸する条件でテストを実施し、トレッドに故障が生じるか否かを評価した。
(b)チッピング
上記(a)のテスト後、チッピング(リブ端でのゴム欠け)の有無を目視にて評価した。
温度計、攪拌装置、加硫装置、注入注出口を備えたステンレス製反応装置を窒素ガスにて置換し、これに、4086gのブタジエン/ヘキサン溶液(23.7質量%ブタジエン)、25mLのヘキサンに溶解させた12.0mLのニッケルボロアシレート(以下、NiOBと称する、0.84mol/Lヘキサン溶液:1.0mmol phgm:モノマー100gに対する添加量)、49mLのトリブチルアルミニウム(以下、TIBALと称する、0.62mol/Lヘキサン溶液:3.0mmol phgm)、25mLのヘキサンに溶解させた2.64mLの原液のトリフェニルホスファイト(以下、TPPと称する、1.0mmol phgm)、25mLのヘキサンに溶解させた15.6mLのトリフルオロ酢酸(以下、TFAと称する、20mmol phgm)を注入した。その後、80℃にて6時間重合させ、この溶液を過剰のイソプロパノールと老化防止剤の入った容器に注入し、重合を停止し再沈した。さらに、これをろ過し、50℃にて真空乾燥し、結晶性トランスポリブタジエン−1を得た。前記の触媒モル比はNiOB/TIBAL/TPP/TFA=1/3/1/20であった。得られたトランスポリブタジエン−1のトランス結合含有量は92%、重量平均分子量3.2×104であった。
製造例2 結晶性トランスポリブタジエン−2の製造
触媒の添加量をNiOB/TIBAL/TPP/TFA=1/3/0.5/10(各々mmol phgm)とし、重合温度を40℃、重合時間を24時間とした以外、前記トランスポリブタジエン−1の製造方法と同様に実施した。得られたトランスポリブタジエン−2のトランス結合含有量は91%、重量平均分子量は14.8×104であった。
表1に示す配合組成のゴム組成物を調製し、ゴム物性を求めた。
次に、各ゴム組成物をトレッドゴムに適用したサイズ:50×20.0 R22 32PRの航空機用ラジアルタイヤを、常法に従って試作し、タイヤ性能を求めた。
これらの結果を表1に示す。
*1:JSR製「BR01」、重量平均分子量5.2×105、シス含有量96%
*2:製造例1で得た結晶性トランスポリブタジエン−1
*3:製造例2で得た結晶性トランスポリブタジエン−2
*4:1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物[フレキシス社製]
*5:ゴム組成物は、その他成分として下記の配合剤を含有する。
ステアリン酸:2質量部、亜鉛華:4質量部、老化防止剤6C:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン」2.0質量部、加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド」1.5質量部
表1から、以下に示すことが分かる。
比較例1は、結晶性トランスポリブタジエンを配合していない例であり、実施例に比べて、耐シェブロンカット性及び耐摩耗性に劣る。比較例2は、結晶性トランスポリブタジエンとして、重量平均分子量が10×104を超えるものを配合した例であり、耐シェブロンカット性、発熱性、耐摩耗性のいずれも、実施例に比べて劣る。比較例3は、結晶性トランスポリブタジエンを、ゴム成分中に20質量%より多く配合した例であり、耐シェブロンカット性及び耐摩耗性が実施例に比べて劣る上、耐チッピング性も悪い。比較例4は、有機スルフェート化合物を配合していない例であり、耐シェブロンカット性及び耐摩耗性が実施例に比べて劣る上、耐チッピング性も悪い。
1B 空気入りバイアスタイヤ
2 ビード部
3 サイドウォール部
4 トレッド部
5、7 ビードコア
6 バイアスカーカス
8 ラジアルカーカス
9 ベルト
10 トレッドゴム
11 サイドウォールゴム
12、13 直状溝
Claims (4)
- 一対のビード部内にそれぞれ埋設した1個以上のビードコア相互間にわたり、各ビード部に連なる一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部にトロイド状をなして連なるトレッド部とを補強するカーカスと、トレッド部にトレッドゴムとを備える空気入りタイヤにおいて、前記トレッドゴムが、(A)共役ジエン重合体ゴムと、重量平均分子量が1×104〜10×104で、トランス含有量が、70%以上である結晶性トランスポリブタジエンゴム2〜20質量%を含むゴム成分と、その100質量部に対して、(B)一般式(I)
M1/pO3S−S−(CH2)n−S−SO3M1/p ・・・(I)
(式中、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケル及びコバルトの中から選ばれる金属、pは該金属の価数を示し、nは3〜10の整数を示す。)
で表される結晶水を含有していてもよい有機チオスルフェート化合物0.5〜2質量部を含むゴム組成物で形成されてなることを特徴とする航空機用空気入りタイヤ。 - ゴム組成物における(A)ゴム成分が、共役ジエン重合体ゴムとして、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム50〜98質量%、及び重量平均分子量が4×105以上でシス含有量が95%以上であるシスポリブタジエンゴム0〜48質量%を含む請求項1に記載の航空機用空気入りタイヤ。
- (B)成分の有機チオスルフェート化合物が、1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物である請求項1又は2に記載の航空機用空気入りタイヤ。
- ゴム組成物が、(A)ゴム成分100質量部に対して、さらに(C)窒素吸着法比表面積(N2SA)が140〜160m2/g、DBP吸油量が130〜160mL/100gであり、かつ発生水素量が1500〜2500ppmであるカーボンブラック40〜55質量部を含む請求項1〜3のいずれかに記載の航空機用空気入りタイヤ。
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