以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について]
図1に基づき説明する。図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について]
図2及び図4に基づき説明する。図2はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について]
図1及び図2に基づき説明する。前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[施錠装置の構成について]
図1及び図4に基づき説明する。前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について]
図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。図3は遊技領域の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に遊技板5aから構成されている。遊技盤5(遊技板5a)の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5(遊技板5a)の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。また、遊技盤5(遊技板5a)の略中央部には、後述するセンター役物91が取付けられて、遊技板5aの後方に位置する演出表示装置115を視認可能とする開口部124を形成するための開口部(図示外)が形成されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の所定位置に風車(規制手段)92が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
また、センター役物91の後方には、抽選結果を演出表示する演出表示装置115が設けられている。演出表示装置115は、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報を表示可能な適宜の表示装置が用いられる。本実施の形態では、演出表示装置115として液晶表示装置が用いられている。
一方、遊技領域37におけるセンター役物91の下方には、普通図柄始動口(ゲート手段)96が配置されており、この普通図柄始動口96に遊技球が入球すると、普通抽選を行うとともに、普通図柄を変動表示させるようになっている。また、センター役物91の右側には、普通抽選で当たりとなった場合に開閉動作する普通電動役物(可動部材)81を有し、該普通電動役物81による開放動作があったときにのみ遊技球の入賞が可能になる第2の特別図柄始動口(第2の始動口)82が配設されている。そして、この第2の特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、大当たり抽選が行われるとともに、第2の特別図柄の変動が行われる。
また、上記普通図柄始動口96の左側には、上記普通電動役物81による開放動作にかかわらず常に遊技球を受け入れ可能な第1の特別図柄始動口(第1の始動口)93が配設されている。そして後述するが、この第1の特別図柄始動口93に遊技球が入賞した場合は、大当たり抽選が行われるとともに、第1の特別図柄の変動が行われる。
また、上記普通図柄始動口96の右側であり、上記第2の特別図柄始動口82の下側にはアタッカ装置98が配設されている。このアタッカ装置98は、開閉部材99の下端部分を軸として開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより下部側大入賞口83を開閉させる。さらに、遊技領域37の最も下方となる位置には、遊技領域37を流下した遊技球が排出される球アウト口90が設けられている。
また、センター役物91の斜め左下には、普通抽選による結果を示唆する普通図柄表示器として機能する三つのLED84と、普通抽選の保留状態を示す普通保留球ランプとして機能する四つのLED85と、第1の特別図柄始動口93への遊技球の入球に応じた特別抽選の保留状態を示す特別保留球ランプとして機能する一つのLED87とが設けられている。このうち、上記普通保留球ランプは、普通抽選において保留回数分(最大4回)だけLED85が点灯するようになっており、上記特別保留球ランプは、第1の特別図柄始動口93への遊技球の入球に応じた特別抽選において保留回数分(最大1回)だけLED87が点灯するようになっている。なお、この実施の形態では、第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球に応じた特別抽選に対する保留機能は搭載されていない。
また、センター役物91の左上部には、第1の特別図柄始動口93への始動入賞を契機とした大当たり抽選における抽選結果を表示する第1の特別図柄表示器として機能する四つのLED86と、第2の特別図柄始動口82への始動入賞を契機とした大当たり抽選における抽選結果を表示する第2の特別図柄表示器として機能する四つのLED88と、が設けられている。このうち、上記第1の特別図柄表示器では、第1の特別図柄始動口93への始動入賞を契機として四つのLED86をいろいろなパターンで点滅させることにより、第1の特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、四つのLED86の点灯・消灯表示パターンによって、確定した特別図柄を停止状態で表示することで、抽選結果情報がLED86の点灯・消灯によって報知される。これに対し、上記第2の特別図柄表示器では、例えば第2の特別図柄始動口82への始動入賞を契機として四つのLED88をいろいろなパターンで点滅させることにより、第2の特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、四つのLED88の点灯・消灯表示パターンによって、確定した特別図柄を停止状態で表示することで、抽選結果情報がLED86の点灯・消灯によって報知される。なお、LED86、88の点灯・消灯による特別図柄の変動表示及び停止表示の制御は、遊技盤5の後側に設けられた制御装置を通じて行われる。
また、センター役物91の右上部には、上記特別抽選において当たりとなった場合に可動片142が動作することによって遊技球が進入可能となる機械抽選装置が設けられている。この機械抽選装置は、上記可動片142が動作したときにのみ開放される大入賞口141を有し、その内部領域には、上記大入賞口141に入賞した遊技球を特定領域(図示略)と一般領域(図示略)とのいずれかに振り分ける回転式振分装置(定動作装置)294と、上記大入賞口141に入賞した遊技球を上記回転式振分装置294へと案内する内部流下経路340とが設けられている。
ここで、上記回転式振分装置294は、図11にその拡大図を示すように、円板状の形状からなり、上記特定領域へと通じる通路343と、上記一般領域へと通じる通路344と、を外周の切欠部として有している。そして後述するが、それら2つの通路343、344を予め定められた回転動作スケジュールに基づいて例えば時計回りにて回転により変位させることで、上記大入賞口141に入賞した遊技球を上記内部流下経路340を通じて特定領域と一般領域とのいずれかに振り分けるようにしている。そしてこの結果、上記特定領域に遊技球が振り分けられたときは、適宜のセンサ(図示略)によって遊技球が検出されて、遊技者に有利な特典としての特別遊技状態(大当たり遊技状態)が発生する。一方、上記一般領域に遊技球が振り分けられたときは、遊技者に有利な特典としての特別遊技状態(大当たり遊技状態)は発生しない。なお、この実施の形態にかかる回転式振分装置294は、モータの駆動制御を通じて回転する構造となっている。この駆動制御にかかる態様については後述する。
また、上記可動片142は、図12(a)及び(b)にその動作態様を示すように、上蓋143及び中枠145によって摺動可能に挟持されて後述の駆動制御手段(図示略)によって前後方向に摺動することで、当該機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入を可能ならしめる構造となっている。
より具体的には、可動片142は、図13にその内部構造を示すように、ソレノイド161のプランジャー162の運動によってリンクアーム163をリンク軸164を回転軸として回動させる構造となっている。リンクアーム163はリンク機構によって可動片142を前後に摺動させる。このように、プランジャー162の往復運動が可動片142の往復運動に変換され、突出状態(閉鎖状態)から引込状態(開放状態)に変位させることが可能になっている。なお、プランジャー162は通電していない状態で下に下がっており、リンクアーム163を介して可動片142を突出状態に保っている。上記ソレノイド161は、中枠145と、受止部144とによって上下方向に挟持されており、リンク軸164は受止部144に嵌設される。ソレノイド161の後方側にはソレノイド支持部148が接合される。また、大入賞口141に入賞した遊技球が内部流下経路340を流下する途中には遊技球検出手段147が設けられており、この遊技球検出手段147により大入賞口141に遊技球が入賞したことが検出される。
また、センター役物91の下部には、図3及び図14に示されるように、上面で遊技球を転動させることができるステージ20が設けられている。このステージ20は、遊技領域37に開口しているワープ流入口63とワープ通路(図示略)を介して連通されており、該ワープ通路を介して供給される遊技球を特定出口24と普通出口25とのいずれかに振り分ける部分である。
すなわち、このステージ20は、全体が透光性を有するプラスティックで一体的に成形されており、遊技者側には仕切板40が立設されている。また、その中央部には、外周壁41で囲われた複合転動振分装置21が形成されており、その外縁部にはステージ左余地42及び右キャノピー43が形成されている。ステージ20の左奥方に複合転動振分装置21の外縁部に接続する進入路45(図16参照)が形成されている。進入路45の上流側端部はワープ出口44に接続しており、このワープ出口44が、上記ワープ通路(図示略)を介して上記ワープ流入口63と連通されている。
ここで、上記複合転動振分装置21は、中央部に1個の特定出口24と2個の普通出口25とを有している。そしてこのうち、上記特定出口24は、当該特定出口24に振り分けられた遊技球を、上記ステージ20の前下方に形成された流出部62のうちの上記普通図柄始動口96に対して直上となる位置に流出させる部分であり、これによって上記普通図柄始動口96を通過する確率を極めて高くするようにしている。これに対し、上記普通出口25は、当該普通出口25に振り分けられた遊技球を、上記ステージ20の前下方に形成された流出部62のうちの上記普通図柄始動口96に対して直上とならない位置に流出させる部分であり、上記特定出口24に対するハズレ出口とも言えるものである。
また、遊技盤5の後側には、図5及び図10に示すように、演出表示装置115にかかる表示制御を行う制御装置や、普通電動役物81や可動片142等の動作にかかる駆動制御を行う制御装置(駆動制御手段)や、普通抽選や特別抽選などの遊技進行にかかる処理を行う制御装置や、遊技球の払い出しにかかる制御を行う制御装置、等々が収納される制御基板ボックス117、130、132、198が装着されている。なお、遊技球の払い出しにかかる制御を行う制御装置とは、遊技球を払い出すべき数量を示すデータなどが記憶されているRAMを備え、上記下部側大入賞口83に遊技球が入球したときなどに該RAMに記憶されているデータに基づいて上記払出モータ172を作動制御するものである。
また、この実施の形態にかかる特別遊技状態とは、上記アタッカ装置98(開閉部材99)による開閉動作を通じて上記下部側大入賞口83への遊技球の入球が可能となる状態であり、この下部側大入賞口83への遊技球の入球が適宜のセンサにより検出されることで、遊技者に多量の遊技球が払い出されることとなる。より具体的には、特別遊技とは、最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当たり遊技」と称されている。遊技者は、大当たり遊技の間に遊技球を下部側大入賞口83に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当たり遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
[遊技領域および画像表示領域の位置、大きさ、範囲について]
図1〜図4に基づき説明する。本実施形態のパチンコ機1では、前面枠4が本体枠3に対して装着されると、前面枠4は正面視で本体枠3の少なくとも3分の2以上を占める。そして、前面枠4の略中央に形成された透明板50を介して、当該透明板50と略同一の円形かつ大きさを有する遊技領域37が視認可能となる。なお、遊技盤5が有する正方形状の遊技板5aに対して略内接円をなすように外レール76を配置することで、正方形状の遊技板5aに対して最大限に広い円形状の遊技領域37を確保しており、ここでは遊技領域37は遊技板5aの少なくとも4分の3以上の面積を有している。
また、遊技盤5の後方に設けられて正面視で遊技領域37の略中央部に位置する演出表示装置115は、横長長方形状の画像表示領域を有しており、この画像表示領域は遊技盤5に形成された開口部124を介して視認可能となっている。この演出表示装置115は各種画像や図柄を用いた演出を行うために、より広い画像表示領域を有する大型液晶ディスプレイとして実装されている。具体的には、演出表示装置115の画像表示領域の横幅は、遊技盤5の横幅に対してほぼ3分の2の大きさを有し、演出表示装置115の画像表示領域の縦幅は、遊技盤5の縦幅に対してほぼ2分の1の大きさを有する。そして、演出表示装置115の画像表示領域は、遊技領域37の少なくとも3分の1以上の面積を有していることから、演出表示装置115の画像表示領域は遊技領域37において大きな割合を占める演出領域である。
また、上記回転式振分装置294は、演出表示装置115の画像表示領域の一の角部(ここでは、右上の角部)と、当該角部を形成する長辺の一部と、当該角部を形成する短辺の一部と、を含む領域を隠蔽するように、演出表示装置115と一部が重なるように配置されている。そして、この回転式振分装置294では、上記画像表示領域と重複する部分において後述する遊技球を用いた役物動作が実行される構造となっている。このように回転式振分装置294は、その一部は演出表示装置115と重ねて配置されつつ、その一部は遊技領域37の外側に配置されるため、当該回転式振分装置294が大型の役物であっても遊技盤5に適切に取り付けることができる。さらに、回転式振分装置294による遊技球を用いた役物動作が実行される部分は遊技領域37の内部に配置されるため、回転式振分装置294による役物動作の視認性を確保して本来の役割を実行させることができる。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について]
図8及び図9に基づき説明する。図8はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について]
図8及び図9に基づき説明する。本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図4及び図5に基づき説明する。本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着されている。
[後カバー体の構成について]
図5及び図6に基づき説明する。図6はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された上述の制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、このような後カバー体210によって、遊技盤5後面の制御基板ボックス132などを覆うようにしている。ただし、制御基板ボックス132のうちの検査用コネクタ218と接続される部分は、後カバー体210によって覆われることなく露出されている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]
図2及び図7に基づき説明する。図7は、図6に示すパチンコ機の斜視図から後ろカバー及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インターフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インターフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と遊技球の払い出しにかかる制御を行う制御装置との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と同制御装置との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技領域に設けられる各部材の具体的構成について]
図3に示されるように、この実施の形態にかかる遊技領域37は、センター役物91に対して右側に位置する右遊技領域37aと、センター役物91に対して左側に位置する左遊技領域37bと、を遊技球が打ち分け可能となるように有している。なお、この実施の形態では、遊技者によって操作ハンドル32が操作されたとき、上記遊技領域37には60秒間に98個の遊技球が打ち込まれる。
ここで、上記左遊技領域37bには、多数の障害釘が、該左遊技領域37bに打ち分けられた遊技球の多くが上記風車(規制手段)92まで案内される配列をもって設けられている。そして、上記風車92は、同左遊技領域37bに打ち分けられた遊技球の流下方向を変化させてそれら遊技球を上記第1の特別図柄始動口93へと通じる流下経路(第1の特別図柄始動口93側からの当たりルート)と、上記普通図柄始動口96へと通じる流下経路(普通図柄始動口96側からの当たりルート)とのいずれかに振り分ける部材として設けられている。なお上述の通り、上記風車92による振り分け先となる上記普通図柄始動口96及び上記第1の特別図柄始動口93はいずれも、遊技領域37を流下する遊技球に対して常に開放された通過口、あるいは受入口として構成されている。
次に、上記風車(規制手段)92によって振り分けられる上記2つの当たりルートについて詳述する。なお上述の通り、この実施の形態では、遊技球の検出や普通抽選、特別抽選などの各種処理については、上記遊技盤5の背後に設けられる適宜の制御装置によって行われる。
<第1の特別図柄始動口93側からの当たりルート>
すなわち、上記風車92によって振り分けられた遊技球が上記第1の特別図柄始動口93に入球したときはまず、適宜のセンサによって当該入球があったことが検出される。次いで、該検出に応じた第1の特別抽選を保留状態とする処理が行われる(ただし、最大で1回分)。そして次に、上記保留状態が解除されて第1の特別抽選の実行が開始されるとともに、この結果が上記可動片142の動作契機となる当たり(始動当たり)であるか否かについての判断処理が行われる。ただし、この実施の形態にかかる当該判断処理では、上記始動当たりが必ず当選されるようになっている。したがって、この判断処理が行われた後は、上記始動当たりの当選に応じて上記機械抽選装置の内部領域の遊技球の進入が可能となるように上記可動片142の駆動制御が行われる(第1の駆動制御手段)。そして、該駆動制御によって上記内部領域に遊技球が進入したときは、該進入した遊技球が上記特定領域に受け入れられるか否かについての抽選処理が上記回転式振分装置294によって行われることとなる。
<普通図柄始動口96側からの当たりルート>
一方、上記風車92によって振り分けられた遊技球が上記普通図柄始動口96を通過したときはまず、適宜のセンサによって当該通過のあったことが検出される。次いで、該検出に応じた普通抽選を保留状態とする処理が行われる(ただし、最大で4回分)。そして次に、上記保留状態が解除されて普通抽選の実行が開始されるとともに、この結果が上記普通電動役物(可動部材)81の動作契機となる当たり(ゲート当たり)であるか否かについての判断処理が行われる。この実施の形態にかかる当該判断処理では、上記ゲート当たりの当たり確率は「1/240」に設定されており、その当否の結果は上記演出表示装置115を通じて遊技者に示唆されるようになっている。したがって、この判断処理では、上記ゲート当たりは当選されないことが多く、通常は、上記普通電動役物81が開閉動作されることなく、次の普通抽選などの処理が行われることとなる。
これに対し、上記判断処理において、上記ゲート当たりが当選されたときは、上記ゲート当たりの当選に応じて上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能となるように上記普通電動役物81の駆動制御が行われる。なお、この駆動制御は、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために十分なだけの時間(例えば、60秒間に98個の遊技球が打ち込まれる上記条件のもとで、「60/98」秒よりも長い時間)を要して行われる。ただし、この実施の形態にかかる第2の特別図柄始動口82は、右遊技領域37aに打ち分けられた遊技球のみが入球可能となる位置に設けられている。したがってこの場合、遊技者は、上記操作ハンドル32を操作することで、左遊技領域37bに打ち分けている遊技球を上記右遊技領域37aに打ち分けることで、上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球を狙うこととなる。そしてこの結果、上記右遊技領域37aに打ち分けられた遊技球が上記第2の特別図柄始動口82に入球したときは、適宜のセンサによって当該入球があったことが検出される。次いで、該検出に応じた第2の特別抽選の実行が開始されるとともに、この結果が上記可動片142の動作契機となる当たり(始動当たり)であるか否かについての判断処理が行われる。そして上述の通り、この実施の形態にかかる当該判断処理では、上記始動当たりが必ず当選されることから、この判断処理が行われた後は、上記始動当たりの当選に応じて上記機械抽選装置の内部領域の遊技球の進入が可能となるように上記可動片142の駆動制御が行われる(第2の駆動制御手段)。そして、該駆動制御によって上記内部領域に遊技球が進入したときは、該進入した遊技球が上記特定領域に受け入れられるか否かについての抽選処理が上記回転式振分装置294によって行われることとなる。
このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記風車(規制手段)92によって振り分けられる2つの当たりルートのいずれを経ても、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入、さらには該進入した遊技球が上記特定領域へと通じる流下経路343に振り分けられることを期待することが可能である。すなわち、この抽選処理にて上記特定領域343に遊技球が受け入れられたときには、遊技者に有利な特典としての特別遊技状態が発生するようになる。なお、このような構成から明らかなように、この実施の形態では、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片142の駆動制御が実行される回数を、上記第2の特別図柄始動口82でなく、上記ゲート当たりの有無にかからわず遊技球を常に受け入れ可能な第1の特別図柄始動口93によって稼ぐようにしている。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記回転式振分装置294による回転態様を変化させることなく、上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球が上記特定領域に振り分けられる確率を、第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートを経たときと普通図柄始動口96側からの当たりルートを経たときとで異ならしめるようにしている。
すなわち、上記回転式振分装置294は、図15(a)に示される基準回転角度(基準位置)を有しており、上記可動片142の駆動制御が行われないときには当該基準回転角度にて停止している。そして、上記可動片142の駆動制御が行われたときに当該基準回転角度から時計回りにて一周だけ回転動作するようになっている。なお、この実施の形態にかかる回転式振分装置294は、2秒間強の時間を要して一周する。また、この実施の形態にかかる基準回転角度とは、より具体的には、図15(a)に示されるように、上記特定領域へと通じる流下経路343が上記内部流下経路340と接続されず、且つ、当該回転式振分装置294が回転(動作)したときに上記一般領域へと通じる流下経路344のほうが先に上記内部流下経路340と接続される位置である。
このような構成では、上記回転式振分装置294が基準回転角度にあるときに上記可動片142の駆動制御が行われると、当該回転式振分装置294はまず、上記内部流下経路340に対して上記一般領域へと通じる流下経路344が接続される動作を開始するようになる(前半動作)。この前半動作では、図15(d)に併せて示すように、上記可動片142の駆動制御があったときから第1の時間t1が経過するまでは、上記回転式振分装置294の第1の外周壁294aを上記内部流下経路340に対して位置させる。そして、上記第1の時間t1が経過した後は、図15(b)に併せて示すように、一般領域へと通じる流下経路344を上記内部流下経路340に対して位置させる。これにより、上記可動片142の駆動制御があったときから第1の時間t1が経過するまでに上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は、上記回転式振分装置294の第1の外周壁294aと当接されるかたちで上記内部流下経路340にて停留されるようになる。そして、上記第1の時間t1において、上記一般領域へと通じる流下経路344と上記内部流下経路340とが接続されると、上記内部流下経路340にて停留されていた遊技球が上記流下経路344に案内され、ひいては一般領域に受け入れられるようになる。
ただし、上記可動片142の駆動制御があったときから1秒が経過すると、このような流下経路344と内部流下経路340との接続は解除される。したがって、上記回転式振分装置294は次に、上記内部流下経路340に対して上記特定領域へと通じる流下経路343が接続される動作を開始することとなる(後半動作)。この後半動作でも、図15(d)に併せて示すように、当該後半動作が開始されてから第2の時間t2が経過するまでは、上記回転式振分装置294の第2の外周壁294bを上記内部流下経路340に対して位置させる。そして、上記第2の時間t2が経過した後は、図15(c)に併せて示すように、特定領域へと通じる流下経路343を上記内部流下経路340に対して位置させる。これにより、上記後半動作が開始されてから上記第2の時間t2が経過するまでに上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は、上記回転式振分装置294の第2の外周壁294bと当接されるかたちで上記内部流下経路340にて停留されるようになる。そして、上記第2の時間t2において、上記特定領域へと通じる流下経路343と上記内部流下経路340とが接続されると、上記内部流下経路340にて停留されていた遊技球が上記流下経路343に案内され、ひいては特定領域に受け入れられるようになる。なお、回転式振分装置294は、この後半動作が行われた後は、図15(a)に示される基準回転角度まで回転した時点で停止する。
そして、上記回転式振分装置294によるこのような回転動作態様に対し、第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートを経て行われる上記可動片142の駆動制御では、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第1の開放時間が「99/100」の確率にて0.5秒となり、「1/100」の確率にて1.8秒となるようにしている。また、第2の特別図柄始動口82側からの当たりルートを経て行われる上記可動片142の駆動制御では、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第2の開放時間が必ず1.8秒となるようにしている。
すなわち、この実施の形態にかかる始動当たりは、0.5秒の開放期間が対応付けられた短当たりと、1.8秒の開放期間が対応付けられた長当たりとを当選種として有しており、上記第1の特別図柄始動口93に遊技球が受け入れられたときに当選される上記始動当たりについては、上記短当たりの当たり分配率を「99/100」、上記長当たりの当たり分配率を「1/100」に設定している。また併せて、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が受け入れられたときに当選される上記始動当たりについては、上記短当たりの当たり分配率を「0/100」、上記長当たりの当たり分配率を「100/100」に設定することで、上述の駆動制御態様を実現するようにしている。
このような駆動制御態様では、上記回転式振分装置294による回転態様と相まって、上記短当たり(0.5秒開放)が当選されたことに応じて上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は、上記内部流下経路340にて停留された後、上記第1の時間t1が経過した時点で上記一般領域に受け入れられることとなる。一方、上記長当たり(1.8秒開放)が当選されたことに応じて上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は、その進入タイミングによっては、上記特定領域に受け入れられることとなる。すなわち、上記前半動作が行われている期間中に進入した遊技球は一般領域に受け入れられるものの、上記後半動作が行われている期間中(特定のタイミング)に進入した遊技球は特定領域に受け入れられる。これにより、上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球が上記特定領域に振り分けられる確率が、第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートを経たときと普通図柄始動口96側からの当たりルートを経たときとで大きく異なるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
ただし、上記回転式振分装置294によるこのような遊技球の振分態様では、0.5秒の開放期間が対応付けられた上記短当たりが当選された時点で、該当選に応じた補助遊技では上記特定領域に遊技球が振り分けられないことが確定してしまう。したがって、遊技者は、上記可動片142の駆動制御によって開放された内部領域に遊技球を進入させようとすることすら行わなくなり、遊技の興趣の低下が避けられない。
そこで、この実施の形態では、上記回転式振分装置294は、上記可動片142の一動作期間(短当たりのときは0.5秒、長当たりのときは1.8秒)内に上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときは、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記特定領域に必ず振り分けるようにした。すなわち、この実施の形態にかかる内部流下経路340は、最大2個の遊技球を停留可能であり、3個目以降の遊技球については上記回転式振分装置294に供給することなく、図示しない排出口から排出させる構造となっている。そしてこの上で、上記一般領域へと通じる流下経路344は、上記一般領域へと通じる流下経路344と上記内部流下経路340とが接続される期間(第1の時間t1から1秒までの期間)内に1つの遊技球のみが振り分け可能となるように構成されている。これにより、上記短当たりが当選されたときの0.5秒の開放期間内に上記機械抽選装置の内部領域に2つの遊技球が進入したときは、一方の遊技球が上記一般領域へと通じる流下経路344に振り分けられ、他方の遊技球が上記特定領域へと通じる流下経路343に振り分けられるようになる。したがって、上記短当たりが当選された場合(風車92によって上記第1の特別図柄始動口93側に遊技球が振り分けられた場合)であっても、特典付与への期待を持てるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
しかも、この実施の形態では、上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときは、それら遊技球のうちの少なくとも1つが上記特定領域に必ず振り分けられる構成において、上記第1の特別図柄始動口93に遊技球が受け入れられたことに応じて上記始動当たりが当選されたときに上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第1の開放時間の期待値を「(60/98)×2」秒未満(60秒間に98個の遊技球が打ち込まれる条件のもとで計算上2個の遊技球が打ち込まれない時間)に設定するようにしている。また、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が受け入れられたことに応じて上記始動当たりが当選されたときに上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第2の開放時間の期待値を「(60/98)×2」秒以上(60秒間に98個の遊技球が打ち込まれる条件のもとで計算上2個の遊技球が打ち込まれる時間)に設定するようにしている。
すなわち上述の通り、この実施の形態では、上記可動片142の一動作期間内に上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときは、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記特定領域に必ず振り分けることで、上記第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートでも特典付与への期待を持てるようにしたものの、上記第1の特別図柄始動口93とは、上記ゲート当たりの有無にかからわず常に遊技球を受け入れ可能な始動率(入球率)の高い受入口として設けられたものである。したがって、このような第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートにて上記特定領域に簡単に遊技球が受け入れられるようにしてしまうと、特典付与の際に遊技者に多量の賞球が払い出されるように上記出玉率を設定することが困難となってしまう。この点、この実施の形態では、第1の特別図柄始動口93に遊技球が入球されたことに応じて始動当たりが当選されたときは、上記機械抽選装置の内部領域に計算上2個の遊技球が入球されない時間(第1の開放時間の期待値)だけ上記可動片142の駆動制御を行うようにした。これにより、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときの期待度を上述の如く高く設定しつつも、特典付与の際には遊技者に多量の賞球を払い出されるように上記出玉率を設定することができるようになる。また、第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されたことに応じて始動当たりが当選されたときは、上記機械抽選装置の内部領域に計算上2個の遊技球が入球される時間(第2の開放時間の期待値)だけ上記可動片142の駆動制御を行うようにした。すなわちこの場合、当該駆動制御が行われたときにはほぼ確実に遊技球が上記特定領域に振り分けられるようになることから、遊技の興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、この実施の形態において、上記第1の開放時間の期待値は0.513秒であり、上記第2の開放時間の期待値は1.8秒である。また、短当たりでは計算上2個の遊技球が入らないものの、遊技領域37に設けられている障害釘などをうまく利用して遊技球を打ち込むようにすれば、0.5秒の開放期間内に2個の遊技球を上記内部領域に進入させることは可能である。
ちなみに、上記右遊技領域37aであって、上記第2の特別図柄始動口82の上側には、2つの通過口88、89が縦方向に並ぶように設けられている。
ここで、上記2つの通過口88、89のうちの上側に位置する通過口88は、上記普通図柄始動口96と同等の機能を有するものであり、該通過口88を遊技球が通過したときは上記普通電動役物81の動作契機となるゲート当たりについての普通抽選が行われる。すなわち、例えば上記特典が付与された後の所定期間を、上記普通電動役物81が動作するときの動作時間が延長される遊技状態(いわゆる時短状態)に制御するようにした場合、上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率は高くなる。ただしこの際、左遊技領域37bに設けられる普通図柄始動口96と、右遊技領域37aに設けられる第2の特別図柄始動口82との間で遊技球をその都度左右に打ち分けるようにしなければならず、遊技が煩雑なものとなってしまう。この点、上記右遊技領域37aにもう1つの普通図柄始動口として機能する通過口88を設けるようにした上記構成では、上記時短状態に移行した後は、上記右遊技領域37aに遊技球を常に打ち分けるようにするだけで、上記普通抽選が行われるとともに上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されるようになり、遊技が簡易なものとなる。
また上述の通り、このような時短状態では、上記通過口88に遊技球が通過した時点で、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されること、該入球に応じた第2の特別抽選にて始動当たりが当選されること、該当選に応じた補助遊技にて上記内部領域に進入した遊技球が上記特定領域に受け入れられること、がいずれもほぼ確定される。そして、このような構成のもとで、上記通過口88を通過した遊技球が通過するように上記通過口89を設けるようにしたため、例えば該通過口89を遊技球が通過したことを適宜のセンサにて検出するようにすれば、該検出のあった時点(第2の始動抽選や、補助遊技が行われるよりも前の段階)で、上記特定領域343に遊技球がほぼ確実に(極めて高い確率にて)振り分けられる旨を上記演出表示装置115に表示することが可能となる。
以上説明したように、この実施の形態にかかる遊技機によれば、以下のような多くの優れた効果が得られるようになる。なお、以下に列記する効果(1)〜(14)は、この実施の形態にかかる遊技機によって得られる効果の一例である。
(1)第2の特別図柄始動口(低始動率始動口)82に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、上記第2の駆動制御手段による上記可動片142の駆動制御態様と上記回転式振分装置294による遊技球の振分態様とが相まって、上記機械抽選装置の内部領域に入球した遊技球は極めて高い確率で上記特定領域(流下経路343)に受け入れられるようになる。すなわち、このような極めて高い確率(当たり確率)で上記特定領域に遊技球が受け入れられる抽選処理(回転式振分装置294による振分け)を、第1の特別図柄始動口(高始動率始動口)93に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときに行われる抽選処理(回転式振分装置294による振分け)とは別の当たり確率をもった抽選処理として行うようにしたことで、遊技の興趣の低下が好適に抑制されるようになる。
(2)機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片142の駆動制御が実行される回数を、上記第2の特別図柄始動口82でなく、上記普通電動役物81の動作にかかわらず常に受け入れ可能な第1の特別図柄始動口93によって稼ぐようにしている。すなわち、第1の特別図柄始動口93に遊技球が入球されたときは、上記第1の駆動制御手段による上記可動片142の駆動制御態様と上記回転式振分装置294による遊技球の振分態様とが相まって、上記第2の駆動制御手段による場合よりも低い確率で上記特定領域に遊技球が受け入れられる抽選処理(回転式振分装置294による振分け)が行われることとなる。したがって、第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときの期待度を上述の如く高く設定しつつも、特典付与の際には遊技者に多量の賞球を払い出すことができるようになる。また併せて、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるための上記可動片142の駆動制御頻度(回転式振分装置294による振分けの頻度)も上記第1の特別図柄始動口93によって好適に維持することができるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
(3)上記特定領域には、上記内部領域に進入した遊技球のうち、上記可動片142の駆動制御があったときから所定時間(上記第1の開放時間の期待値よりも長い時間であり、上記実施の形態では1秒)が経過したにもかかわらず上記一般領域と上記特定領域とのいずれにも未だ振り分けられていない遊技球のみが振り分けられるようにした。すなわちこの場合、第1の特別図柄始動口93に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、上記機械抽選装置の内部領域に入球した遊技球は極めて高い確率で上記一般領域に受け入れられるようになる。すなわち、このような極めて高い確率で上記一般領域に遊技球が受け入れられる当たりルートと上記特定領域に遊技球がほぼ受け入れられる当たりルートとをもった遊技を提供するようにしたことで、単調な抽選処理のみが淡々と行われることによって遊技の興趣が低下するようなことがより確実に回避されるようになる。また、第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートをこのように低い当たり確率としたことで、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片142の駆動制御が実行される回数を第1の特別図柄始動口93によって稼ぐにあたり、特典付与の際に遊技者に払い出される賞球量に大きな影響が及ぼされるようなことが回避されるようになる。
(4)上記第1の駆動制御手段は、上記第1の開放時間として複数の開放時間(0.5秒、1.8秒)を予め用意しており、上記可動片142の駆動制御に際し、それら開放時間のうちのいずれか1つを選択するとともに、該選択した開放時間だけ上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片142の駆動制御を行うようにした。すなわちこの場合、第1の特別図柄始動口に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、可動片142の駆動制御にかかる制御態様(開放時間)がその都度異なるようになることから、遊技の幅が広がり、これによって遊技の興趣の向上が期待できるようになる。
(5)上記第1の駆動制御手段によって予め用意される上記複数の開放時間には、上記所定時間(上記第1の開放時間の期待値よりも長い時間であり、上記実施の形態では1秒)以上の長さをもった開放時間(1.8秒)を含むようにした。このため、第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートであっても、このような開放時間(長当たり:1.8秒)が選択された場合には、上記回転式振分装置294による遊技球の振分態様と相まって、上記機械抽選装置の内部領域に入球した遊技球は極めて高い確率で上記特定領域に受け入れられるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
(6)上記第2の駆動制御手段は、上記第2の開放時間として上記所定時間(上記第1の開放時間の期待値よりも長い時間であり、上記実施の形態では1秒)以上の長さをもった開放時間(長当たり:1.8秒)のみを予め用意しており、該用意された開放時間だけ上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片142の駆動制御を行うようにした。すなわちこの場合、第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、上記所定時間よりも必ず長い時間だけ上記機械抽選装置の内部領域への入球が可能となる。このため、第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、上記回転式振分装置294による遊技球の振分態様と相まって、上記機械抽選装置の内部領域に入球した遊技球はほぼ確実に上記特定領域に受け入れられるようになり、これによって遊技の興趣の向上が期待できるようになる。
(7)上記機械抽選装置は、可動片142の駆動制御があったときから予め定められた一定の動作を開始する回転式振分装置294、及び機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球を上記回転式振分装置294へと流下させる内部流下経路340を有して構成されるものとした。そしてこの上で、上記回転式振分装置294が、内部流下経路340に対して上記一般領域へと通じる流下経路344が接続される動作であって上記可動片142の駆動制御があったときから上記所定時間が経過するまでの期間中に行われる前半動作と、内部流下経路340に対して上記特定領域へと通じる流下経路343が接続される動作であって上記可動片142の駆動制御があったときから上記所定時間が経過した後の期間中に行われる後半動作と、を上記可動片142の駆動制御があったときから予め定められた一定の動作として順次開始するようにした。これにより、上記内部領域に進入した遊技球のうち、上記可動片142の駆動制御があったときから上記所定時間が経過するまでに進入した遊技球は、上記回転式振分装置294による前半動作によって上記一般領域に受け入れられるようになる。これに対し、上記可動片142の駆動制御があったときから上記所定時間が経過した後に進入した遊技球は、上記回転式振分装置294による後半動作によって上記特定領域に受け入れられるようになる。すなわち、上記所定時間が経過したにもかからわらず上記一般領域と上記特定領域とのいずれにも未だ振り分けられていない遊技球のみを上記特定領域に必ず振り分けることができるようになる。
(8)上記前半動作の実行期間中に上記機械抽選装置の内部領域に複数の遊技球が進入したとき、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記後半動作が行われるまで上記内部流下経路340にて停留させることとした。すなわちこの場合、該停留された遊技球は、上記機械抽選装置の内部領域に上記所定期間が経過する前に入球したものでありながら、上記所定期間が経過したにもかかわらず上記一般領域と上記特定領域とのいずれにも未だ振り分けられていない遊技球となって、上記回転式振分装置294による後半動作を通じて上記特定領域に振り分けられることとなる。したがって、上記第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートであっても、遊技者は、上記第1の開放期間中に複数の遊技球を上記機械抽選装置の内部領域に進入させるようにすることで、特典付与への期待をもって遊技を行うことができるようになる。
(9)第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートにて上記可動片142の駆動制御を行うときは、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第1の開放時間の期待値が「(60/98)×2」秒未満(60秒間に98個の遊技球が打ち込まれる条件のもとで計算上2個の遊技球が打ち込まれない時間)に設定するようにしている(第1の駆動制御手段)。また、普通図柄始動口96側からの当たりルートにて上記可動片142の駆動制御を行うときは、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第2の開放時間の期待値が「(60/98)×2」秒以上(60秒間に98個の遊技球が打ち込まれる条件のもとで計算上2個の遊技球が打ち込まれない時間)となるようにした(第2の駆動制御手段)。またさらに、上記回転式振分装置294は、このような可動片142の駆動制御態様を利用して、上記内部領域に進入した遊技球のうち、第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートにて進入した遊技球についてはその多くを上記一般領域に振り分ける一方で、普通図柄始動口96側からの当たりルートにて進入した遊技球についてはその多くを上記特定領域に振り分けるようにした(前半動作、後半動作)。すなわちこの場合、回転式振分装置294が予め定められた動作スケジュール(前半動作、後半動作)に沿って動作するだけのものでありながらも、第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートと、普通図柄始動口96側からの当たりルートとで、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入したときに期待できる当たり確率(特定領域に遊技球が受け入れられる確率)を大きく異ならしめることができるようになる。そしてこの上で、上記風車92が、左遊技領域37bに打ち分けられた遊技球の流下方向を変化させて、上述のように全く異なる遊技性を有する第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートと、普通図柄始動口96側からの当たりルートとのいずれかに振り分けて遊技者に遊技を行わせるようにしたため、遊技者に飽きが生じ難くなり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
(10)上記回転式振分装置294を、機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球のうち、該内部領域に特定のタイミング(上記後半動作が行われている期間内のいずれかのタイミング)にて進入した遊技球を上記特定領域に振り分けるものとした上で、上記第1の特別図柄始動口93及び第2の特別図柄始動口82のうちの上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときに限っては、上記可動片142が動作するときの動作期間(1.8秒開放)内に上記特定のタイミング(駆動制御があってから1秒経過後から2秒経過するまで)が必ず含まれるように上記可動片142の駆動制御を行うようにした。すなわちこの場合、上記特定領域に遊技球が入球され得ないようなかたちで補助遊技(内部領域の開放)が行われることがなくなり、これによって補助遊技(内部領域の開放)が行われたときの特典付与への期待度を高くすることができるようになる。すなわち、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、遊技者は、上記特定のタイミングを狙って上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させるだけで遊技者に有利な特典が付与されるようになる。これにより、遊技球を狙い撃ちすることによって上記特定領域に遊技球が入球され易くするなどといった、補助遊技を採用する遊技機として内在される独自の遊技性を利用した遊技を提供することができるようになる。
(11)第1の特別図柄始動口93に遊技球が入球されたときは、可動片142が動作するときの動作期間内に上記特定のタイミングが必ずしも含まれないように上記可動片142の駆動制御が行われることから、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されたときよりも低い確率で上記特定領域に遊技球が受け入れられる抽選処理(回転式振分装置294による振り分け)が行われることとなる。したがって、第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときの期待度を上述の如く高く設定しつつも、特典付与の際には遊技者に多量の賞球を払い出されるように上記出玉率を設定することができるようになる。また併せて、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるための上記可動片の駆動制御頻度(回転式振分装置294による振り分けの頻度)も上記第1の特別図柄始動口93によって好適に維持することができるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
(12)可動片142が動作するときの動作期間内に上記特定のタイミングが含まれる第1の動作態様(長当たり時の動作態様)と、可動片142が動作するときの動作期間内に上記特定のタイミングが含まれない第2の動作態様(短当たり時の動作態様)とを予め区別して用意することとした。すなわち、可動片142が動作するときの動作期間内に上記特定のタイミングが含まれるか否かを上記可動片142の動作態様の種類との間で予め対応付けることとしたため、上記可動片142が動作するときの動作期間内に上記特定のタイミングを含ませるときの駆動制御や、上記特定のタイミングを含ませないときの駆動制御が簡易なものとなり、ひいては各種状況に合わせた上記可動片142の駆動制御を迅速に行うことができるようになる。
(13)第1の特別図柄始動口93側からの当たりルートにて上記可動片142の駆動制御を行うときは、上記機械抽選装置の内部領域に計算上2個の遊技球が入球されない時間だけ上記可動片142の駆動制御を行うとともに(第1の駆動制御手段)、第2の特別図柄始動口82側からの当たりルートにて上記可動片142の駆動制御を行うときは、上記機械抽選装置の内部領域に計算上2個の遊技球が入球される時間だけ上記可動片142の駆動制御を行うようにした(第2の駆動制御手段)。これに対し、上記回転式振分装置294は、上記可動片142の一動作期間内に上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときは、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記特定領域に必ず振り分けるようにしたため、普通図柄始動口96側からの当たりルートにて上記可動片142の駆動制御が行われるときの特典付与への期待度が極めて高くなり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。すなわちこの場合、可動片142の一動作期間中に上記機械抽選装置の内部領域に最初に進入した遊技球と、その次に進入した遊技球とでは、上記特定領域に受け入れられる確率が大幅に異なるようになる。
(14)上記回転式振分装置294が、内部流下経路340に対して上記一般領域へと通じる流下経路344が接続される動作であって上記可動片142の駆動制御があったときから計算上2個の遊技球が打ち込まれる時間(「(60/98)×2」秒)が経過するまでの期間中に行われる前半動作と、内部流下経路340に対して上記特定領域へと通じる流下経路343が接続される動作であって上記可動片142の駆動制御があったときから計算上2個の遊技球が打ち込まれる時間(「(60/98)×2」秒)が経過した後の期間中に行われる後半動作と、を上記可動片142の駆動制御があったときから予め定められた一定の動作として順次開始するようにした。これにより、上記内部領域に進入した遊技球のうち、上記可動片142の駆動制御があったときから計算上2個の遊技球が打ち込まれる時間(「(60/98)×2」秒)が経過するまでに進入した遊技球(計算上1個目の遊技球)は、上記回転式振分装置294による前半動作によって上記一般領域に受け入れられるようになる。これに対し、上記回転式振分装置294の駆動制御があったときから計算上2個の遊技球が打ち込まれる時間(「(60/98)×2」秒)が経過した後に進入した遊技球(計算上2個目の遊技球)は、上記回転式振分装置294による後半動作によって上記特定領域に受け入れられるようになる。これにより、可動片142の一動作期間内に上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したとき、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記特定領域に計算上は振り分けることができるようになる。ただし、このような構成だけでは、上記可動片142の駆動制御があったときから計算上2個の遊技球が打ち込まれる時間(「(60/98)×2」秒)が経過するまでの期間中に2個の遊技球が入球してしまったとき、それらの遊技球のうちの少なくとも1つを上記特定領域に振り分けることができない。そこで、上記実施の形態ではさらに、上記前半動作の実行期間中に上記機械抽選装置の内部領域に複数の遊技球が進入したとき、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記後半動作が行われるまで上記内部流下経路340にて停留させるようにした。これにより、可動片142の一動作期間内に上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したとき、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記特定領域に必ず振り分けることができるようになる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
・上記実施の形態にかかる回転式振分装置294は、上記可動片142の一動作期間内に2個以上の遊技球が上記内部領域に進入したときと、上記特定のタイミング(上記後半動作が行われている期間内のいずれかのタイミング)にて進入したときとのいずれかの条件が満たされたときに、該進入した遊技球を上記特定領域に振り分けるようにした。ただし、上記可動片142の一動作期間内に2個以上の遊技球が上記内部領域に進入したときのみ、該進入した遊技球を上記特定領域に振り分けるようにしてもよい。また逆に、上記特定のタイミング(上記後半動作が行われている期間内のいずれかのタイミング)にて進入したときのみ、該進入した遊技球を上記特定領域に振り分けるようにしてもよい。
・上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球したとき、該入球に応じた第2の特別抽選をするようにしてもよい。すなわちこの場合、第2の特別抽選の保留が解除される都度、長当たりが当選されることとなり、これによって同保留数に応じた分だけ特典の付与が保留されたかのような印象を遊技者に与えることができるようになる。しかも、特典付与の後の遊技状態が所定の確率にて時短状態とされる遊技機にあって、上記第2の特別抽選を保留するようにした場合には、上記特典付与の後に時短状態に移行されなかったとしても、上記保留の状態とされている第2の特別抽選が行われることで(消化されることで)、ほぼ確実に特典が再度付与されることから、こうして特典が再度付与された後に時短状態に移行(復活)することが期待できるようになる。
・一般領域は複数形成されていてもよい。
・上記第1の特別抽選、及び上記第2の特別抽選による抽選結果に上記補助遊技が行われることなく特典が付与される当選種としての大当たりが含まれていてもよい。
・上記内部流下経路340にて停留される遊技球の最大個数は2個でなくてもよく、適宜変更してもよい。例えば、上記内部流下経路340にて停留される遊技球の最大個数を1個にしてもよい。すなわちこの場合、上記前半動作の実行期間中に入球した遊技球は一般領域に振り分けられるか、上記回転式振分装置294に供給されることなく上記排出口(図示略)を通じて上記内部領域から排出されることとなる。
・上記可動片142の駆動制御があったときとは、上記特別抽選にて始動当たりが当選されたときであってもよいし、上記可動片142の駆動制御が実際に開始されたときであってもよい。
・上記回転式振分装置294の回転速度は、必ずしも一定の速度にて1周するものでなくてもよい。また、上記回転式振分装置294は、1周以上回転するものであってもよいし、1週も回転しないものであってもよい。上記回転式振分装置294は、要は、基準回転角度を有し、上記可動片142の駆動制御があったときから常に同じ動作を行うものであればよい。
・上記機械抽選装置内にて遊技球を振り分ける抽選機構は、必ずしも回転によって動作するものでなくてもよく、例えばシーソのような動きをすることで遊技球を振り分けるものであってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(技術的思想1)
遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤と、
可動片を有し、該可動片が動作したときにのみ内部領域への遊技球の進入が可能となる機械抽選装置と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口と、
前記始動口に遊技球が入球されたとき、前記可動片の動作契機となる始動当たりについての抽選処理を行う始動抽選手段と、
前記始動抽選手段により前記始動当たりが当選されたとき、前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように前記可動片の駆動制御を行う駆動制御手段と、を備え、
前記機械抽選装置の内部領域には、該内部領域に進入した遊技球を一般領域と特定領域とのいずれかに振り分ける抽選機構が設けられてなり、該抽選機構により前記特定領域に遊技球が振り分けられたとき、遊技者に特典が付与される遊技機において、
前記始動口への遊技球の入球確率が高くなるように動作可能な可動部材と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球に対して常に開放された通過口を有するゲート手段と、
前記ゲート手段を遊技球が通過したとき、前記可動部材の動作契機となるゲート当たりについての抽選処理を行うゲート抽選手段と、
を備え、
前記始動口は、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球を、前記可動部材の動作にかかわらず常に受け入れ可能な高始動率始動口、及び
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球を、前記ゲート当たりに応じた前記可動部材の動作があったときにのみ受け入れ可能な低始動率始動口、
を有して構成されるものであり、
前記駆動制御手段は、
前記高始動率始動口に遊技球が入球されたことに応じて前記始動当たりが当選されたときに前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第1の開放時間の期待値が所定時間未満となるように前記可動片の駆動制御を行う第1の駆動制御手段、及び
前記低始動率始動口に遊技球が入球されたことに応じて前記始動当たりが当選されたときに前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第2の開放時間の期待値が前記所定時間以上となるように前記可動片の駆動制御を行う第2の駆動制御手段、
を有するものであり、
前記抽選機構は、
前記可動片の駆動制御があったときから前記所定時間が経過したにもかかわらず前記一般領域と前記特定領域とのいずれにも未だ振り分けられていない遊技球があるときは、該遊技球を前記特定領域に必ず振り分けるようにした
ことを特徴とする遊技機。
このような構成では、低始動率始動口に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、上記第2の駆動制御手段による上記可動片の駆動制御態様と上記抽選機構による遊技球の振分態様とが相まって、上記機械抽選装置の内部領域に入球した遊技球は極めて高い確率で上記特定領域に受け入れられるようになる。すなわち、このような極めて高い確率(当たり確率)で上記特定領域に遊技球が受け入れられる抽選処理(抽選機構による振分け)を、高始動率始動口に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときに行われる抽選処理(抽選機構による振分け)とは別の当たり確率をもった抽選処理として行うようにしたことで、遊技の興趣の低下が好適に抑制されるようになる。
しかも、上記構成では、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片の駆動制御が実行される回数を、上記低始動率始動口でなく、上記可動部材の動作にかかわらず常に受け入れ可能な高始動率始動口によって稼ぐようにしている。すなわち、高始動率始動口に遊技球が入球されたときは、上記第1の駆動制御手段による上記可動片の駆動制御態様と上記抽選機構による遊技球の振分態様とが相まって、上記第2の駆動制御手段による場合よりも低い確率で上記特定領域に遊技球が受け入れられる抽選処理(抽選機構による振分け)が行われることとなる。したがって、低始動率始動口に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときの期待度を上述の如く高く設定しつつも、特典付与の際には遊技者に多量の賞球を払い出すことができるようになる。また併せて、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるための上記可動片の駆動制御頻度(抽選機構による振分けの頻度)も上記高始動率始動口によって好適に維持することができるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
なお、上記第1の開放時間の期待値とは、高始動率始動口に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときに上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第1の開放時間として期待しうる時間を平均化した値である。より具体的には、上記第1の開放時間としてT1、T2、・・・、Tnが用意されているとき、それらの選択確率がそれぞれP1、P2、・・・Pnであるとき、(T1×P1)+(T2×P2)+・・・+(Tn×Pn)の値をいう。
また、上記第2の開放時間の期待値も同様、低始動率始動口に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときに上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第2の開放時間として期待しうる時間を平均化した値であり、より具体的には、上記第2の開放時間としてt1、t2、・・・、tnが用意されているとき、それらの選択確率がそれぞれp1、p2、・・・pnであるとき、(t1×p1)+(t2×p2)+・・・+(tn×pn)の値をいう。
(技術的思想2)
前記特定領域には、前記内部領域に進入した遊技球のうち、前記可動片の駆動制御があったときから前記所定時間が経過したにもかかわらず前記一般領域と前記特定領域とのいずれにも未だ振り分けられていない遊技球のみが振り分けられる
技術的思想1に記載の遊技機。
上記構成では、高始動率始動口に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、上記第1の駆動制御手段による上記可動片の駆動制御態様と上記抽選機構による遊技球の振分態様とが相まって、上記機械抽選装置の内部領域に入球した遊技球は極めて高い確率で上記一般領域に受け入れられるようになる。すなわち、このような極めて高い確率で上記一般領域に遊技球が受け入れられる抽選処理(抽選機構による振分け)と上記特定領域に遊技球が受け入れられる抽選処理(抽選機構による振分け)とを行うようにしたことで、単調な抽選処理のみが淡々と行われることによって遊技の興趣が低下するようなことがより確実に回避されるようになる。また、高始動率始動口側からの当たりルート(高始動率始動口に遊技球を入球させた後、内部領域に進入した遊技球を特定領域に入球させる当たりルート)をこのように低い当たり確率としたことで、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片の駆動制御が実行される回数を高始動率始動口によって稼ぐにあたり、特典付与の際に遊技者に払い出される賞球量に大きな影響が及ぼされるようなことが回避されるようになる。
(技術的思想3)
前記第1の駆動制御手段は、前記第1の開放時間として複数の開放時間を予め用意しており、前記可動片の駆動制御に際し、それら開放時間のうちのいずれか1つを選択するとともに、該選択した開放時間だけ前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように前記可動片の駆動制御を行うものである
技術的思想1または2に記載の遊技機。
上記構成では、上記第1の駆動制御手段が、上記第1の開放時間として複数の開放時間を予め用意しており、上記可動片の駆動制御に際し、それら開放時間のうちのいずれか1つを選択するとともに、該選択した開放時間だけ上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片の駆動制御を行うようにした。すなわちこの場合、高始動率始動口に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、可動片の駆動制御にかかる制御態様(開放時間)がその都度異なるようになることから、遊技の幅が広がり、これによって遊技の興趣の向上が期待できるようになる。なおこの場合、上記第1の開放時間の期待値は、上記予め用意されている複数の開放時間とそれらの選択確率とを各々積算した値の和となる。
(技術的思想4)
前記第1の駆動制御手段によって予め用意される前記複数の開放時間には、前記所定時間以上の長さをもった開放時間が含まれる
技術的思想3に記載の遊技機。
上記構成では、上記第1の駆動制御手段によって用意される上記複数の開放時間に上記所定時間以上の長さをもった開放時間を含むようにした。このため、高始動率始動口側からの当たりルートであっても、このような開放時間が選択された場合には、上記抽選機構による遊技球の振分態様と相まって、上記機械抽選装置の内部領域に入球した遊技球は極めて高い確率で上記特定領域に受け入れられるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。ただし、上記所定時間以上の長さをもった開放時間が選択される確率については、上記第1の開放時間の期待値が上記所定時間未満である条件が満たされる程度に低い確率として設定することとなる。
(技術的思想5)
前記第2の駆動制御手段は、前記第2の開放時間として前記所定時間以上の長さをもった開放時間のみを予め用意しており、該用意された開放時間だけ前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように前記可動片の駆動制御を行うものである
技術的思想1〜4のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成では、上記第2の駆動制御手段が、上記第2の開放時間として上記所定時間以上の長さをもった開放時間のみを予め用意しており、該用意された開放時間だけ上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片の駆動制御を行うようにした。すなわちこの場合、低始動率始動口に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、上記所定時間よりも必ず長い時間だけ上記機械抽選装置の内部領域への入球が可能となる。このため、低始動率始動口に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、抽選機構による遊技球の振分態様と相まって、上記機械抽選装置の内部領域に入球した遊技球はほぼ確実に上記特定領域に受け入れられるようになり、これによって遊技の興趣の向上が期待できるようになる。
(技術的思想6)
前記抽選機構は、
前記可動片の駆動制御があったときから予め定められた一定の動作を開始する定動作装置、及び
前記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球を前記定動作装置へと流下させる内部流下経路、
を有し、前記定動作装置が、
前記内部流下経路に対して前記一般領域へと通じる流下経路が接続される動作であって前記可動片の駆動制御があったときから前記所定時間が経過するまでの期間中に行われる前半動作と、
前記内部流下経路に対して前記特定領域へと通じる流下経路が接続される動作であって前記可動片の駆動制御があったときから前記所定時間が経過した後の期間中に行われる後半動作と、
を前記可動片の駆動制御があったときから予め定められた一定の動作として順次開始することで、前記内部領域に進入した遊技球のうち、前記可動片の駆動制御があったときから前記所定時間が経過したにもかかわらず前記一般領域と前記特定領域とのいずれにも未だ振り分けられていない遊技球のみを前記特定領域に必ず振り分けるものである
技術的思想2〜5のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成では、上記抽選機構が、可動片の駆動制御があったときから予め定められた一定の動作を開始する定動作装置、及び機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球を上記定動作装置へと流下させる内部流下経路を有して構成されるものとした。そしてこの上で、上記定動作装置が、内部流下経路に対して上記一般領域へと通じる流下経路が接続される動作であって上記可動片の駆動制御があったときから上記所定時間が経過するまでの期間中に行われる前半動作と、内部流下経路に対して上記特定領域へと通じる流下経路が接続される動作であって上記可動片の駆動制御があったときから上記所定時間が経過した後の期間中に行われる後半動作と、を上記可動片の駆動制御があったときから予め定められた一定の動作として順次開始するようにした。これにより、上記内部領域に進入した遊技球のうち、上記可動片の駆動制御があったときから上記所定時間が経過するまでに進入した遊技球は、上記定動作装置による前半動作によって上記一般領域に受け入れられるようになる。これに対し、上記可動片の駆動制御があったときから上記所定時間が経過した後に進入した遊技球は、上記定動作装置による後半動作によって上記特定領域に受け入れられるようになる。すなわち、上記所定時間が経過したにもかからわらず上記一般領域と上記特定領域とのいずれにも未だ振り分けられていない遊技球のみを上記特定領域に必ず振り分けることができるようになる。
しかも、上記構成では、上記定動作装置が予め定められた動作スケジュール(前半動作、後半動作)に沿って動作するだけで、上記所定時間が経過したにもかからわらず上記一般領域と上記特定領域とのいずれにも未だ振り分けられていない遊技球のみを上記特定領域に必ず振り分ける、といった特殊な振り分け態様を実現するようにしている。すなわち、上記所定時間が経過したときに未だ振り分けられていない遊技球があるか否かの判断処理等を行うことなく、このような特殊な振り分け態様を簡易に実現することができる。
(技術的思想7)
前記定動作装置は、前記前半動作の実行期間中に前記機械抽選装置の内部領域に複数の遊技球が進入したとき、それら遊技球のうちの少なくとも1つを前記後半動作が行われるまで前記内部流下経路にて停留させる停留部を有するものである
技術的思想6に記載の遊技機。
上記構成では、上記前半動作の実行期間中に上記機械抽選装置の内部領域に複数の遊技球が進入したとき、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記後半動作が行われるまで上記内部流下経路にて停留させることとした。すなわちこの場合、該停留された遊技球は、上記機械抽選装置の内部領域に上記所定期間が経過する前に入球したものでありながら、上記所定期間が経過したにもかかわらず上記一般領域と上記特定領域とのいずれにも未だ振り分けられていない遊技球となって、上記定動作装置による後半動作を通じて上記特定領域に振り分けられることとなる。したがって、上記高始動率始動口側からの当たりルート(高始動率始動口に遊技球を入球させた後、内部領域に進入した遊技球を特定領域に入球させる当たりルート)であっても、遊技者は、上記第1の開放期間中に複数の遊技球を上記機械抽選装置の内部領域に進入させるようにすることで、特典付与への期待をもって遊技を行うことができるようになる。
なお、上記技術的思想1〜7のいずれか1つに記載の遊技機は、以下の構成1〜3のいずれか1つを適宜に組み合わせたものであってもよい。なお、以下の構成1〜3は、上記実施形態及び別例から把握できるものであり、単独でも成立するものである。
[構成1]
遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤と、
可動片を有し、該可動片が動作したときにのみ内部領域への遊技球の進入が可能となる機械抽選装置と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口と、
前記始動口に遊技球が入球されたとき、前記可動片の動作契機となる始動当たりについての抽選処理を行う始動抽選手段と、
前記始動抽選手段により前記始動当たりが当選されたとき、前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように前記可動片の駆動制御を行う駆動制御手段と、を備え、
前記機械抽選装置の内部領域には、該内部領域に進入した遊技球を一般領域と特定領域とのいずれかに振り分ける抽選機構が設けられてなり、該抽選機構により前記特定領域に遊技球が振り分けられたとき、遊技者に特典が付与される遊技機において、
前記始動口への遊技球の入球確率が高くなるように動作可能な可動部材と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球に対して常に開放された通過口を有するゲート手段と、
前記ゲート手段を遊技球が通過したとき、前記可動部材の動作契機となるゲート当たりについての抽選処理を行うゲート抽選手段と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球の流下方向に変化を与える規制手段と、
を備え、
前記遊技領域は、遊技球を打ち分け可能な右遊技領域と左遊技領域とを有するものであり、
前記始動口は、
前記左遊技領域に打ち分けられた遊技球を、前記ゲート当たりに応じた前記可動部材の動作にかかわらず常に受け入れ可能な高始動率始動口、
前記右遊技領域に打ち分けられた遊技球を、前記ゲート当たりに応じた前記可動部材の動作があったときにのみ受け入れ可能な低始動率始動口、
を有して構成されるものであり、
前記駆動制御手段は、
前記高始動率始動口に遊技球が入球されたことに応じて前記始動当たりが当選されたときに前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第1の開放時間の期待値が所定時間未満となるように前記可動片の駆動制御を行う第1の駆動制御手段、及び
前記低始動率始動口に遊技球が入球されたことに応じて前記始動当たりが当選されたときに前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第2の開放時間の期待値が前記所定時間以上となるように前記可動片の駆動制御を行う第2の駆動制御手段、
を有するものであり、
前記抽選機構は、
前記可動片の駆動制御があったときから予め定められた一定の動作を開始する定動作装置、及び
前記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球を前記定動作装置へと流下させる内部流下経路、
を有し、前記定動作装置が、
前記内部流下経路に対して前記一般領域へと通じる流下経路が接続される動作であって前記可動片の駆動制御があったときから前記所定時間が経過するまでの期間中に行われる前半動作と、
前記内部流下経路に対して前記特定領域へと通じる流下経路が接続される動作であって前記可動片の駆動制御があったときから前記所定時間が経過した後の期間中に行われる後半動作と、
を前記可動片の駆動制御があったときから予め定められた一定の動作として順次開始することで、前記内部領域に進入した遊技球を前記一般領域と前記特定領域とのいずれかに振り分けるものであり、
前記規制手段は、
前記左遊技領域に打ち分けられた遊技球の流下方向を変化させてそれら遊技球を前記高始動率始動口へと通じる流下経路と、前記ゲート手段へと通じる流下経路とのいずれかに振り分けるようにした
ことを特徴とする遊技機。
このような構成では、左遊技領域に打ち分けられた遊技球を、上記ゲート当たりに応じた上記可動部材の動作にかかわらず常に受け入れ可能な高始動率始動口と、右遊技領域に打ち分けられた遊技球を、上記ゲート当たりに応じた上記可動部材の動作があったときにのみ受け入れ可能な低始動率始動口とを有するようにしたことで、遊技者は、
・左遊技領域に打ち分けられた遊技球を上記高始動率始動口に入球させた後、機械抽選装置の内部領域に別の遊技球を進入させ、さらに該進入した遊技球を特定領域に入球させるルート(高始動率始動口側からの当たりルート)。
・左遊技領域に打ち分けられた遊技球がゲート手段を通過した後、右遊技領域に打ち分けられた遊技球を低始動率始動口に入球させ、その後、機械抽選装置の内部領域に別の遊技球を進入させ、さらに該進入した遊技球を特定領域に入球させるルート(ゲート手段側からの当たりルート)。
といった、2つのルートを通じて遊技者に有利な特典の付与を期待することができるようになる。
また、上記駆動制御手段は、高始動率始動口側からの当たりルートにて上記可動片の駆動制御を行うときは、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第1の開放時間の期待値が所定時間未満となるようにするとともに(第1の駆動制御手段)、ゲート手段側からの当たりルートにて上記可動片の駆動制御を行うときは、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第2の開放時間の期待値が上記所定時間以上となるようにした(第2の駆動制御手段)。またさらに、上記抽選機構は、このような可動片の駆動制御態様を利用して、上記内部領域に進入した遊技球のうち、高始動率始動口側からの当たりルートにて進入した遊技球についてはその多くを上記一般領域に振り分ける一方で、ゲート手段側からの当たりルートにて進入した遊技球についてはその多くを上記特定領域に振り分けるようにした(定動作装置による前半動作、後半動作)。すなわちこの場合、定動作装置が予め定められた動作スケジュール(前半動作、後半動作)に沿って動作するだけのものでありながらも、高始動率始動口側からの当たりルートと、ゲート手段側からの当たりルートとで、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入したときに期待できる当たり確率(特定領域に遊技球が受け入れられる確率)を大きく異ならしめることができるようになる。
そしてこの上で、上記規制手段が、左遊技領域に打ち分けられた遊技球の流下方向を変化させて、上述のように全く異なる遊技性を有する高始動率始動口側からの当たりルートと、ゲート手段側からの当たりルートとのいずれかに振り分けて遊技者に遊技を行わせるようにしたため、遊技者に飽きが生じ難くなり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
[構成2]
遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤と、
可動片を有し、該可動片が動作したときにのみ内部領域への遊技球の進入が可能となる機械抽選装置と、
前記遊技領域に設けられる可動部材と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球に対して常に開放された通過口を有するゲート手段と、
前記ゲート手段を遊技球が通過したとき、前記可動部材の動作契機となるゲート当たりについての抽選処理を行うゲート抽選手段と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球に対して常に開放された受入口を有する第1の始動口と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球を、前記ゲート当たりに応じた前記可動部材の動作があったときにのみ受け入れ可能な第2の始動口と、
前記第1の始動口及び前記第2の始動口のいずれかに遊技球が入球されたとき、前記可動片の動作契機となる始動当たりについての抽選処理を行う始動抽選手段と、
前記始動抽選手段により前記始動当たりが当選されたとき、前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように前記可動片の駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記機械抽選装置の内部領域にて、該内部領域に進入した遊技球を一般領域と特定領域とのいずれかに振り分ける振分装置と、
前記振分装置により前記特定領域に遊技球が振り分けられたとき、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を備え、
前記振分装置は、
前記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球のうち、該内部領域に特定のタイミングにて進入した遊技球を前記特定領域に振り分けるものであり、
前記駆動制御手段は、
前記第1の始動口及び前記第2の始動口のうちの前記第2の始動口に遊技球が入球されたことに応じて前記始動当たりが当選されたときに限っては、前記可動片が動作するときの動作期間内に前記特定のタイミングが必ず含まれるように前記可動片の駆動制御を行うようにした
ことを特徴とする遊技機。
このような構成では、上記振分装置を、機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球のうち、該内部領域に特定のタイミングにて進入した遊技球を上記特定領域に振り分けるものとした上で、上記駆動制御手段が、第1の始動口及び第2の始動口のうちの上記第2の始動口に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときに限っては、上記可動片が動作するときの動作期間内に上記特定のタイミングが必ず含まれるように上記可動片の駆動制御を行うようにした。すなわちこの場合、上記特定領域に遊技球が入球され得ないようなかたちで補助遊技(内部領域の開放)が行われることがなくなり、これによって補助遊技(内部領域の開放)が行われたときの特典付与への期待度を高くすることができるようになる。
しかも、上記構成では、上記第2の始動口に遊技球が入球されたことに応じて上記始動当たりが当選されたときは、遊技者は、上記特定のタイミングを狙って上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させるだけで遊技者に有利な特典が付与されるようになる。すなわち、遊技球を狙い撃ちすることによって上記特定領域に遊技球が入球され易くするなどといった、補助遊技を採用する遊技機として内在される独自の遊技性を利用した遊技を提供することができるようになる。
しかも、上記構成では、上記第2の始動口については、ゲート当たりに応じた上記可動部材の動作があったときにのみ受け入れ可能な構造を採用することで、その始動率(遊技球の入球率)を低く設定するようにしている。すなわち、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片の駆動制御が実行される回数を、上記第2の始動口でなく、上記可動部材の動作にかかわらず常に受け入れ可能な第1の始動口によって稼ぐようにしている。すなわち、第1の始動口に遊技球が入球されたときは、可動片が動作するときの動作期間内に上記特定のタイミングが必ずしも含まれないように上記可動片の駆動制御が行われることから、上記第2の始動口に遊技球が入球されたときよりも低い確率で上記特定領域に遊技球が受け入れられる抽選処理(振分装置による振り分け)が行われることとなる。したがって、第2の始動口に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときの期待度を上述の如く高く設定しつつも、特典付与の際には遊技者に多量の賞球を払い出されるように上記出玉率を設定することができるようになる。また併せて、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるための上記可動片の駆動制御頻度(振分装置による振り分けの頻度)も上記第1の始動口によって好適に維持することができるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
[構成3]
60秒間にN個の遊技球が順次打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤と、
可動片を有し、該可動片が動作したときにのみ内部領域への遊技球の進入が可能となる機械抽選装置と、
前記遊技領域に設けられる可動部材と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球に対して常に開放された通過口を有するゲート手段と、
前記ゲート手段を遊技球が通過したとき、前記可動部材の動作契機となるゲート当たりについての抽選処理を行うゲート抽選手段と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球に対して常に開放された受入口を有する第1の始動口と、
前記遊技領域に打ち込まれた遊技球を、前記ゲート当たりに応じた前記可動部材の動作があったときにのみ受け入れ可能な第2の始動口と、
前記第1の始動口及び前記第2の始動口のいずれかに遊技球が入球されたとき、前記可動片の動作契機となる始動当たりについての抽選処理を行う始動抽選手段と、
前記始動抽選手段により前記始動当たりが当選されたとき、前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように前記可動片の駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記機械抽選装置の内部領域にて、該内部領域に進入した遊技球を一般領域と特定領域とのいずれかに振り分ける振分装置と、
前記振分装置により前記特定領域に遊技球が振り分けられたとき、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を備え、
前記駆動制御手段は、
前記第1の始動口に遊技球が入球されたことに応じて前記始動当たりが当選されたときに前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第1の開放時間の期待値が「(60/N)×2」秒未満となるように前記可動片の駆動制御を行う第1の駆動制御手段、及び
前記第2の始動口に遊技球が入球されたことに応じて前記始動当たりが当選されたときに前記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる第2の開放時間の期待値が「(60/N)×2」秒以上となるように前記可動片の駆動制御を行う第2の駆動制御手段、
を有するものであり、
前記振分装置は、
前記可動片の一動作期間内に前記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときは、それら遊技球のうちの少なくとも1つを前記特定領域に必ず振り分けるようにした
ことを特徴とする遊技機。
このような構成では、上記ゲート当たりに応じた上記可動部材の動作にかかわらず遊技球を常に受け入れ可能な第1の始動口と、上記ゲート当たりに応じた上記可動部材の動作があったときにのみ遊技球を受け入れ可能な第2の始動口とを有するようにしたことで、遊技者は、
・遊技球を上記第1の始動口に入球させた後、機械抽選装置の内部領域に別の遊技球を進入させ、さらに該進入した遊技球を特定領域に入球させるルート(第1の始動口側からの当たりルート)。
・遊技球がゲート手段を通過した後、別の遊技球を第2の始動口に入球させ、その後、機械抽選装置の内部領域にさらに別の遊技球を進入させ、該進入した遊技球を特定領域に入球させるルート(ゲート手段側からの当たりルート)。
といった、2つのルートを通じて遊技者に有利な特典の付与を期待することができるようになる。
そしてこの上で、上記駆動制御手段は、第1の始動口側からの当たりルートにて上記可動片の駆動制御を行うときは、上記機械抽選装置の内部領域に計算上2個の遊技球が入球されない時間だけ上記可動片の駆動制御を行うとともに(第1の駆動制御手段)、ゲート手段側からの当たりルートにて上記可動片の駆動制御を行うときは、上記機械抽選装置の内部領域に計算上2個の遊技球が入球される時間だけ上記可動片の駆動制御を行うようにした(第2の駆動制御手段)。これに対し、上記振分装置は、上記可動片の一動作期間内に上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときは、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記特定領域に必ず振り分けるようにしたため、ゲート手段側からの当たりルートにて上記可動片の駆動制御が行われるときの特典付与への期待度が極めて高くなり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。すなわちこの場合、可動片の一動作期間中に上記機械抽選装置の内部領域に最初に進入した遊技球と、その次に進入した遊技球とでは、上記特定領域に受け入れられる確率が大幅に異なるようになる。
しかも、上記構成では、上記第2の始動口については、ゲート当たりに応じた上記可動部材の動作があったときにのみ受け入れ可能な構造を採用することで、その始動率(遊技球の入球率)を低く設定するようにしている。すなわち、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片の駆動制御が実行される回数を、上記第2の始動口でなく、上記可動部材の動作にかかわらず常に受け入れ可能な第1の始動口によって稼ぐようにしている。すなわち上述の通り、第1の始動口に遊技球が入球されたときは、上記機械抽選装置の内部領域に計算上2個の遊技球が入球されない時間だけ上記可動片の駆動制御が行われることから、上記第2の始動口に遊技球が入球されたときよりも極めて低い確率で上記特定領域に遊技球が受け入れられる抽選処理(振分装置による振り分け)が行われることとなる。したがって、第2の始動口に遊技球が入球したことに応じて上記始動当たりが当選されたときの期待度を上述の如く高く設定しつつも、特典付与の際には遊技者に多量の賞球を払い出されるように上記出玉率を設定することができるようになる。また併せて、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるための上記可動片の駆動制御頻度(振分装置による振り分けの頻度)も上記第1の始動口によって好適に維持することができるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
また、上記振分装置としては、可動片の一動作期間内に上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときに、それらの少なくとも1つを上記特定領域に振り分ける動作スケジュールに沿って動作するものであればよく、上記内部領域に遊技球が入球する都度、その振り分け態様を異ならしめる必要がない。