JP5075860B2 - 樹脂粒子、その製造方法及びその用途 - Google Patents
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Description
上記公報の樹脂粒子では、塗布性、脱落防止性、光学特性の観点で十分ではなかった。
また、外用剤の用途でも、優れた塗布性及び分散性を与える樹脂粒子の提供が望まれていた。
かくして本発明によれば、水性媒体中で、ビニル系単量体100重量部と、エーテル基と水酸基又はエステル基と水酸基とを含有する脂肪族(メタ)アクリレート系単量体0.1〜20重量部と、重合開始剤とを含む単量体混合物を重合させることにより樹脂粒子を得ることからなり、
前記脂肪族(メタ)アクリレート系単量体が、下記式
CH 2 =CR-COO[(C 2 H 4 O) m -(C 3 H 6 O) n ]-H (式1)
(式中、RはH又はCH 3 、mは1〜50、nは1〜50)又は
CH 2 =CR-COOCH 2 CH 2 O[CO(CH 2 ) 5 O] p -H (式2)
(式中、RはH又はCH 3 、pは1〜50)で表される化合物から選択されることを特徴とする樹脂粒子の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、上記樹脂粒子の製造方法により得られ、21以上の濡れ性値を有することを特徴とする樹脂粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記樹脂粒子とバインダーとを含む塗布組成物から得られた塗布物が提供される。
更に、本発明によれば、上記樹脂粒子を含む外用剤が提供される。
更にまた、塗布組成物は高い分散性で樹脂粒子が分散しているため、この塗布組成物から得られる塗布物中の樹脂粒子の分散性も高いという特徴がある。そのため、例えば、光学フィルムにおいては優れた光拡散性が得られる。
また、外用剤は、上記樹脂粒子を含むことで、塗布性及び分散性が優れている。更に、上記樹脂粒子を外用剤に含ませることにより、親水性が強く、水系媒体への分散性に優れた外用剤を得ることができる。このような外用剤は、滑らかでべとつき感がなく、特に水系液状外用剤中での再分散性にも優れている。
この脂肪族(メタ)アクリレート系単量体を使用すれば、得られる樹脂粒子表面に親水部位が出やすく、少量添加で親水性の高い粒子が得られる。また、水性媒体中で、単量体混合物の油滴を安定して存在させることができるので、得られる樹脂粒子の単分散性を向上できる。
CH2=CR-COO[(C2H4O)m-(C3H6O)n]-H (式1)
(式中、RはH又はCH3、mは1〜50、nは1〜50)又は
CH2=CR-COOCH2CH2O[CO(CH2)5O]p-H (式2)
(式中、RはH又はCH3、pは1〜50)の化合物から選択できる。
式2の化合物において、pが50より大きい場合、重合安定性が低下して合着粒子が発生することがあり、好ましくない。好ましいpの範囲は1〜30である。
水性媒体としては、特に限定されず、水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール)との混合媒体が挙げられる。水性媒体は、以下で説明するビニル系単量体100重量部に対して、100〜1000重量部の範囲で使用することが好ましく、200〜500重量部の範囲で使用することがより好ましい。
上記ビニル系単量体は単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂粒子は、必要に応じて、公知の塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔料、マイカ粉顔料、染料、有機溶剤等を含んでいてもよい。
懸濁重合及び乳化重合は、特に限定されず、公知の条件で単量体混合物を懸濁又は乳化させ、次いで重合させることにより行うことができる。また、脂肪族(メタ)アクリレート系単量体は、ビニル系単量体に溶解させてもよく、水性媒体に分散させてもよい。また、公知の懸濁安定剤又は乳化剤を使用してもよい。
重合温度は、ビニル系単量体、重合開始剤の種類に応じて、適宜選択できる。重合温度は、40〜100℃が好ましく、より好ましくは50〜90℃である。
シード重合も、特に限定されず、公知の条件で製造されたシード粒子を用いて行うことができる。
例えば、シード粒子としては、スチレン系、スチレン・ブタジエン系、(メタ)アクリル酸エステル系、酢酸ビニル系、スチレン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合体等の重合体からなる粒子が挙げられる。シード粒子は、平均粒子径0.1〜10μmの粒子が好ましい。シード粒子は、特に限定されず、公知の方法により製造できる。例えば、ソープフリー乳化重合又は分散重合法等を用いて製造できる。
シード粒子の分散液への添加後、シード粒子へ単量体混合物を吸収させる。この吸収は、通常、シード粒子を含む水性エマルジョンを、室温(約20℃)で1〜12時間攪拌することで行うことができる。また、水性エマルジョンを30〜50℃程度に加温することにより吸収を促進してもよい。
重合温度は、重合性単量体、重合開始剤の種類に応じて、適宜選択できる。重合温度は、40〜100℃が好ましく、より好ましくは50〜90℃である。重合反応は、シード粒子に単量体混合物が完全に吸収された後に、昇温して行うのが好ましい。重合完了後、必要に応じて樹脂粒子を遠心分離して水性媒体を除去し、水及び溶剤で洗浄した後、乾燥、単離される。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、二種以上併用されてもよい。界面活性剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
また、本発明の樹脂粒子は、上記脂肪族(メタ)アクリレート系単量体を使用しているため、粒子表面に親水部位(OH基)が出やすい。そのため、脂肪族(メタ)アクリレート系単量体を少量添加することで、より親水性の高い粒子が得られる。特に、以下の実施例の欄で測定法が記載された濡れ性値が、21以上の樹脂粒子を得ることができる。
更に、上記脂肪族(メタ)アクリレート系単量体由来の成分が粒子表面に存在するために、これが立体反発を引き起こして、樹脂粒子の媒体中での分散性を向上できる。
バインダーとしては、特に限定されず、公知のバインダーをいずれも使用できる。例えば、アクリル系バインダー(三菱レイヨン社製:商品名ダイヤナールLR−102、ダイヤナールBR−106)等が挙げられる。樹脂粒子は、使用する用途により適宜調整されるが、バインダー100重量部に対して、0.1〜1000重量部の範囲で使用できる。
塗布組成物には、硬化剤、着色剤、帯電防止剤、レベリング剤等の他の添加剤が含まれていてもよい。
外用剤全量に対する樹脂粒子の含有量が0.1重量%を下回ると、樹脂粒子の含有による明確な効果が認められないことがある。また、樹脂粒子の含有量が50重量%を上回ると、含有量の増加に見合った顕著な効果が認められないことがあるため、生産コスト上好ましくない。
化粧料としては、上記樹脂粒子の含有により、上記効果を奏するものであれば特に限定されず、例えばプレシェーブローション、ボディローション、化粧水、クリーム、乳液、ボディシャンプー、制汗剤等の液系のものや、石鹸、スクラブ洗顔料等の洗浄用化粧品、パック類、ひげ剃り用クリーム、おしろい類、ファンデーション、口紅、リップクリーム、頬紅、眉目化粧品、マニキュア化粧品、洗髪用化粧品、染毛料、整髪料、芳香性化粧品、歯磨き、浴用剤、日焼け止め製品、サンタン製品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー用のものが挙げられる。
外用医薬品としては、皮膚に適用するものであれば特に制限されず、例えば、医薬用クリーム、軟膏、医薬用乳剤、医薬用ローション等が挙げられる。
(シード粒子の平均粒子径)
粒子0.1gと0.1%ノニオン性界面活性剤溶液10mlを試験管に投入し、ヤマト科学社製タッチミキサー(TOUCHMIXER MT−31)で2秒間混合する。この後、試験管を市販の超音波洗浄器であるヴェルボクリーア社製ULTRASONIC CLEANER VS−150を用いて10分間予備分散させる。予備分散させたものをベックマンコールター社製LS230型にて超音波を照射しながら測定した。そのときの光学モデルは作製した粒子の屈折率にあわせる。
平均粒子径及びCV値は、Coulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、Xμmサイズのアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、樹脂粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けのISOTON II(ベックマンコールター社:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く撹拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にコールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製:測定装置)本体にアパチャーサイズXμmをセットし、Current、Gain、Polarityをアパチャーサイズに合わせた所定の条件で測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く撹拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。体積加重の平均径(体積%モードの算術平均径:体積メジアン径)を樹脂粒子の平均粒子径(X)として算出する。
変動係数(CV値)とは、標準偏差(σ)及び上記平均粒子径(X)から以下の式により算出された値である。
CV値(%)=(σ/X)×100
100mlのガラスビーカー(内径約50mm)に入った蒸留水50mlの液面上に粒子0.1gを散布、展開して浮かせ、長さ30mmの攪拌子を用いてマグネットスターラにて約500rpmで液面に渦や乱れが生じない程度にゆっくりと攪拌しながらメタノールを滴下する。全ての粒子が液に濡れて液中に完全に沈降した時点を終点とし、そのときの添加メタノール量A(ml)を測定する。この添加メタノール量Aを次式に代入して濡れ性値が算出される。
濡れ性値=[(14.49×A)+(50×23.43)]/((A+50)
水の溶解度パラメーター値=23.43
メタノールの溶解度パラメーター値=14.49
メタノール滴下量=Aml
下記の配合により塗料組成物を作製し、72時間静置した後の粒子の沈降状態を観察する。沈降性は、粒子が完全に沈降しているものを×、一部沈降しているものを△、沈降が観察されないものを○とする。
塗料組成物の配合
バインダー樹脂:バイロン200(東洋紡績社製ポリエステル)50重量部
粒子:7重量部
トルエン:100重量部
メチルエチルケトン:20重量部
下記の配合からなる塗料組成物を白黒隠蔽率試験紙上に、ウエット厚100μmでアプリケーターにて塗布し、70℃のオーブン中で乾燥させる。乾燥後の塗膜表面を黒色の布で20回擦り、塗膜を観察する。脱落防止性は、塗膜から脱落して布に付着した白い粒子が多量に観察されるものを×、少量観察されるものを△、観察されないものを○とする。
塗料組成物の配合
バインダー樹脂:アクリル系バインダー(三菱レイヨン社製、LR−102)50重量部粒子:7重量部
トルエン:100重量部
メチルエチルケトン:20重量部
硬化剤:イソシアネート系硬化剤(旭化成ケミカルズ社製、デュラネートTKA−100)15重量部
樹脂粒子100重量部添加に対して、アクリル系バインダー(商品名:三菱レイヨン社製:ダイヤナールLR−102)140重量部を混合した分散溶液に、トルエンとメチルエチルケトンを1:1で混合した溶液を260重量部添加する。これを遠心攪拌機により3分間攪拌する。得られた溶液を3時間放置した後、再び遠心攪拌機により3分間攪拌する。次いで、得られた溶液をPETフィルム上に100μmコーターを用いて塗布する。得られたフィルムを70℃に保った乾燥機にて1時間乾燥することで光拡散フィルムを得る。
得られた光拡散フィルムのムラ(悪い外観)の外観評価を行い、以下の基準で評価する。
◎:目視で感知されるムラは皆無である、極めて優れた外観
○:緩やかなムラが僅かながら確認される程度の、優れた外観
△:多少、所々にムラが確認される
×:全面に細かいムラがはっきりと確認される極めて悪い外観
攪拌機及び温度計を備えた容量1Lの反応容器に、ラウリル硫酸ナトリウム1gを溶解させた水500gを入れ、そこへ第三リン酸カルシウム120gを分散させた。これに予め調製しておいたメタクリル酸メチル300gとエチレングリコールジメタクリレート17gの混合物に、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート(ブレンマー50PEP−300:日本油脂社製、mが約3.5、nが約2.5)3.17gと過酸化ベンゾイル1.0gとアゾビスイソブチロニトリル1.5gとを溶解させた混合液を入れて、T.Kホモミキサーにて攪拌することで液滴径を8μm程度に調製した。次に、反応容器を50℃に加温して攪拌しながら懸濁重合を行い、引き続いて100℃で2時間加温処理を行い、平均粒子径7.8μmの樹脂粒子を得た。
ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレートを63.4g使用したこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径は7.9μmであった。
実施例3
ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレートの替わりにラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(プラクセルFM2D:ダイセル化学社製、pは2)を使用したこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径は7.8μmであった。
実施例4
ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレートの替わりにラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(プラクセルFM2D:ダイセル化学社製)を使用したこと以外は実施例2と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径は7.9μmであった。
(シード粒子の製造)
ポリビニルピロリドン(分子量3万)1.2gと、アニオン界面活性剤(和光純薬社製、商品名「エアロゾールOT」)0.57gと、アゾビスイソブチロニトリル0.14gとをエタノール84gに溶解させた溶液を攪拌しながら、窒素気流下でスチレン14gに投入した。得られた分散液を、70℃に昇温し、その温度を24時間維持してスチレンを重合させることで、平均粒径1.58μm、CV値7.2%の粒径の揃ったシード粒子を得た。
(シード重合)
スチレン22gと、ジビニルベンゼン18gと、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート(ブレンマー50PEP−300:日本油脂社製)8gと過酸化ベンゾイル0.9gとを溶解して、単量体混合物とした。これとは別に、イオン交換水316gにラウリル硫酸ナトリウム0.5gを加えた水溶液に、先の単量体混合物を混合し、T・Kホモミキサーを用いて8000rpmで10分間攪拌後、超音波処理により単量体混合物が微分散したエマルジョンを得た。このエマルジョンを攪拌機及び温度計を備えた容量1Lの反応容器に入れた。この反応容器に、先に製造したシード粒子3.1gをイオン交換水316gと硫酸ナトリウム0.2gとを混合し、均一に分散させた混合液を添加した。更に、混合物を25℃、120rpmで3時間攪拌を行い、シード粒子を膨潤させてスラリーを得た。膨潤終了後に5%ポリビニルアルコール水溶液(ゴーセノールGM−14:日本合成化学社製)150gをスラリーに添加して、120rpmで攪拌しながら窒素気流下、70℃で12時間重合を行うことで、平均粒子径7.9μm、CV値8.1%の粒度分布の揃った粒子を得た。
ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレートの替わりにラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(プラクセルFM2D:ダイセル化学社製)を使用したこと以外は実施例5と同様にして行うことで、平均粒子径7.9μm、CV値8.3%の粒度分布の揃った粒子を得た。
ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレートを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径は7.9μmであった。
比較例2
ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレートを95.1g使用したこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径は7.9μmであった。
比較例3
ラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレートを95.1g使用したこと以外は実施例4と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径は7.9μmであった。
ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレートをポリオキシエチレン−4−ノニル−2−プロペニルフェニルエーテル(第一工業製薬社製、商品名「アクアロンRN−20」)に変えたこと以外は実施例5と同様にして行うことで、平均粒子径7.9μm、CV値8.0%の粒度分布の揃った粒子を得た。
上記実施例及び比較例において、使用した脂肪族(メタ)アクリレート系単量体種及び添加量、得られた樹脂粒子の濡れ性値、沈降性及び脱落防止性、及び樹脂粒子を使用した光拡散フィルムの塗布ムラを表1に示す。
更に、比較例1では乳化剤自体が使用されていないため、濡れ性値、沈降性、脱落防止性及び塗布ムラの全てについて実施例に比べて劣っている。
また、脂肪族(メタ)アクリレート系単量体の添加量が多い比較例2及び3では、塗布ムラ、濡れ性値及び脱落防止性について実施例に比べて劣っている。
更にまた、比較例4で使用されている乳化剤は親水性が高く、末端にOH基があるが、実施例の粒子の方が高い濡れ性値を有していることが分かる。加えて、塗布ムラ、沈降性及び脱落防止性も実施例に比べて劣っている。比較例4の乳化剤は、フェニル基を有しているためであると考えられる。
実施例1で得られた樹脂粒子 3重量部
エタノール 50重量部
グリチルリチン酸 0.1重量部
香料 0.5重量部
精製水 46.4重量部
上記の各成分をミキサーにて充分混合して、ボディローションを得た。
(ボディローションの製造例2(比較例))
実施例1で得られた樹脂粒子の代わりに、市販のPMMA樹脂粒子(積水化成品工業社製 テクポリマーMB−8)を用いたこと以外は、同様にして、ボディローションを得た。
(官能試験)
官能試験における評価項目には、塗布時の伸び、均一塗布性、粒子の脱落性、滑らかさを選び、次のような基準で評価した。
○・・・全ての評価項目が良いと評価したパネラーが4人以上
△・・・全ての評価項目が良いと評価したパネラーが2〜3人
×・・・全ての評価項目が良いと評価したパネラーが1人以下
試験の結果、製造例1のボディローションは○と評価され、製造例2のボディローションは×と評価された。
再分散性試験については、ボディローションを40℃で30日間放置した後、手で振り混ぜ、沈降した樹脂粒子全てが均一に分散するまでの振り混ぜた回数により評価した。10回未満で分散した場合は○、10回を超える場合は×とした。
試験の結果、製造例1のボディローションは8回で均一に分散したのに対し、製造例2のボディローションは再分散に30回を要した。
本発明の樹脂粒子を外用剤に使用した処方例を下記する。
(処方例1)
パウダーファンデーションの製造
・配合量
実施例1で得られた樹脂粒子 10.0重量部
赤色酸化鉄 3.0重量部
黄色酸化鉄 2.5重量部
黒色酸化鉄 0.5重量部
酸化チタン 10.0重量部
マイカ 20.0重量部
タルク 44.0重量部
流動パラフィン 5.0重量部
ミリスチン酸オクチルドデシル 2.5重量部
ワセリン 2.5重量部
防腐剤 適量
香料 適量
・製造法
複合粒子、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン、マイカ、タルクをヘンシェルミキサーで混合し、これに流動パラフィン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ワセリン及び防腐剤を混合溶解したものを加えて均一に混合する。これに、香料を加えて混合した後、粉砕して篩いに通す。これを、金皿に圧縮成形してパウダーファンデーションを得る。
化粧乳液の製造
・配合量
実施例1で得られた樹脂粒子 10.0重量部
ステアリン酸 2.5重量部
セチルアルコール 1.5重量部
ワセリン 5.0重量部
流動パラフィン 10.0重量部
ポリエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0重量部
ポリエチレングリコール1500 3.0重量部
トリエタノールアミン 1.0重量部
精製水 64.5重量部
香料 0.5重量部
防腐剤 適量
・製造法
まず、ステアリン酸、セチルアルコール、ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレンモノオレイン酸エステルを加熱溶解して、ここへ複合粒子を添加・混合し、70℃に保温する(油相)。また、精製水にポリエチレングリコール、トリエタノールアミンを加え、加熱溶解し、70℃に保温する(水相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、その後ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後かき混ぜながら30℃まで冷却させることで化粧乳液を得る。
Claims (5)
- 水性媒体中で、ビニル系単量体100重量部と、エーテル基と水酸基又はエステル基と水酸基とを含有する脂肪族(メタ)アクリレート系単量体0.1〜20重量部と、重合開始剤とを含む単量体混合物を重合させることにより樹脂粒子を得ることからなり、
前記脂肪族(メタ)アクリレート系単量体が、下記式
CH 2 =CR-COO[(C 2 H 4 O) m -(C 3 H 6 O) n ]-H (式1)
(式中、RはH又はCH 3 、mは1〜50、nは1〜50)又は
CH 2 =CR-COOCH 2 CH 2 O[CO(CH 2 ) 5 O] p -H (式2)
(式中、RはH又はCH 3 、pは1〜50)で表される化合物から選択されることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法により得られ、21以上の濡れ性値を有することを特徴とする樹脂粒子。
- 請求項2に記載の樹脂粒子とバインダーとを含む塗布組成物から得られた塗布物。
- 請求項2に記載の樹脂粒子を含む外用剤。
- 前記外用剤が、化粧料又は外用医薬品である請求項4に記載の外用剤。
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