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JP5072485B2 - ステアリングロック装置 - Google Patents

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JP5072485B2
JP5072485B2 JP2007217539A JP2007217539A JP5072485B2 JP 5072485 B2 JP5072485 B2 JP 5072485B2 JP 2007217539 A JP2007217539 A JP 2007217539A JP 2007217539 A JP2007217539 A JP 2007217539A JP 5072485 B2 JP5072485 B2 JP 5072485B2
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Description

本発明は、盗難防止を目的として自動車等のステアリングをロックするためのステアリングロック装置に関するものである。
この種のステアリングロック装置は、自動車のステアリング操作に伴って回動するステアリングシャフトに配設される。そして、運転者が自動車のエンジンを停止するために、キーをLOCK位置に回動させてキーを引き抜くと、進退可能なロックボルトが進出してステアリングシャフトに設けた係合凹部に係合することにより、ステアリングシャフトの回動が規制されてステアリングがロックされる。一方、運転者がエンジンを始動するために、キーをLOCK位置からACC位置に回動させると、前記係合凹部から前記ロックボルトが後退して係合が解除されることにより、ステアリングシャフトの回動規制が解除されてステアリングがアンロックされる。
しかし、このステアリングロック装置は、ロックボルトがスプリングによって進出方向に付勢されているにも拘わらず、盗難等を目的としてハウジングに対してハンマーなどで強い衝撃を加えたりすると、ロックボルトがスプリングの付勢力に抗して後退するように作動することがある。また、このステアリングロック装置は、キーをLOCK位置に回動させても、キーをシリンダから引き抜くまでアンロック状態を維持するためのロックリンクを備えている。そのため、シリンダに不正なダミーキーを挿入した状態で、ロックボルトがスプリングの付勢力に抗して後退するように負荷を加えると、ロックリンクにロックボルトが係合することにより、ロックボルトがアンロック状態に維持されるという問題がある。
このような不正解錠を防止できるようにしたステアリングロック装置の先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2000−203387号公報
この特許文献では、ロックボルトにピンをスプリングによって付勢した状態で配設し、シリンダのキー挿入方向先端に配設した回転部材にピンが係合する係合溝を設けている。そして、正規キーまたはダミーキーを差し込んだ状態で、ロックボルトに後退する負荷を加えてもピンが係合溝に当接することにより、ロックボルトがアンロック状態に維持されることを防止している。
しかしながら、この特許文献のステアリングロック装置では、ピンを係合溝に付勢した状態で摺動させるため、耐久性および信頼性の面に問題がある。特に、この特許文献では、回転部材に前記係合溝を構成するカム溝を設け、このカム溝の縁にピンを当接させることにより、ロックボルトを進退移動させる連動機構としても兼用している。そのため、ピンには過大な負荷が加わるため、磨耗によってピンに変形が生じ易く、作動不良などの不具合が発生する可能性が高い。そして、作動不良が生じるとロックボルトを進退動作できなくなる。この場合、進出方向に付勢されたロックボルトによってステアリングがロック状態で動作不可能になる可能性が高い。
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成にて不正なロック解除を防止でき、耐久性および信頼性に優れたステアリングロック装置を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明のステアリングロック装置は、ハウジング内に回転可能に収納されキーによって回動されるシリンダと、該シリンダと一体的に回動するカム部材と、ステアリングシャフトに係合してステアリングシャフトの回転を阻止する突出位置方向にスプリングによって付勢され、前記カム部材の回動に応じてステアリングシャフトとの係合が解除される退避位置まで移動するロック部材と、前記シリンダへのキーの挿入に応じて前記ロック部材に設けられた係止受部に係合可能な状態となり、前記ロック部材が退避位置に移動すると前記係止受部に係合して前記ロック部材を退避位置に保持するロックリンクとを備えたステアリングロック装置において、ステアリングロック装置に対する衝撃によって衝撃加速度が入力されると、前記ハウジング内を移動して前記ロックリンクの移動を阻止し、前記ロック部材の係止受部と前記ロックリンクとの係合を阻止するカウンタウェイトを設けた構成としている。
本発明のステアリングロック装置によれば、キー穴にダミーキーを挿入した状態でロック部材に後退する力が作用しても、カウンタウェイトがロック部材とともに後退し、ロックリンクに係合してロックリンクの移動を阻止して、ロック部材の係止受部とロックリンクとの係合を阻止するため、ロック部材がアンロック位置になって、この状態を維持することを防止できる。また、従来のステアリングロック装置に対してカウンタウェイトを設けるだけの簡単な構成にて不正解錠を防止することができるため、ステアリングロック装置の耐久性および信頼性を損なうこともない。
また、前記ロック部材には、前記ロックリンクに設けられた係止部を前記ロック部材の係止受部に導くように移動させる案内面を設け、前記カウンタウェイトによる移動規制によって移動不能となった前記ロックリンクに前記ロック部材の案内面が当接することにより前記ロック部材の退避位置側への移動を阻止するように構成してもよい。このようにすれば、ロック部材が衝撃によって退避位置に後退しようとする一瞬だけ、カウンタウェイトによってロックリンクの作動を阻止すればよく、盗難防止効果を高めることができる。
さらに、前記カウンタウェイトは、前記ロック部材の作動方向と同じ方向に移動可能に配置してもよい。このようにすれば、衝撃によってロック部材だけを選択的に作動させることは不可能であり、これにより盗難防止効果を高めることができる。
本発明のステアリングロック装置では、カウンタウェイトのロックリンクに対する移動規制によってロック部材の係止受部とロックリンクとの係合を阻止するため、不正なロック解除を簡単に防止できる。また、不正解錠を防止するためのカウンタウェイトは、ロックボルトの進退駆動部分ではなく、別系統で独立して設けた専用部品であるため、信頼性および耐久性を維持したまま盗難防止性を向上できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1(A)は、本発明の実施形態に係るステアリングロック装置を示す。このステアリングロック装置は、大略、ハウジング10の内部に、シリンダ錠23と、カム部材42と、ロックボルト54とを配設するとともに、自動車内の各機器への通電をオンオフさせるイグニッションスイッチ65に対してシリンダ錠23の回動を伝える連動部材68と、前記ロックボルト54の進退移動を規制するロックリンク35と、ロックリンク35の移動を規制するカウンタウェイト73とを配設したものである。
前記ハウジング10は、図1(A)中水平方向に延びるロック部材配設部11と、垂直方向に延びるスイッチ部材配設部12とを備えたL字形状をなす中空状のものである。これら配設部11,12の交差部には、水平方向に延びる突板部13が設けられている。この突板部13には、スイッチ部材配設部12の軸心に位置するように軸受部14が設けられている。また、突板部13とスイッチ部材配設部12の内周面との間には、後述するカム部材42と連動部材68とを連結するための連結空間部15が設けられている。また、連結空間部15の下方側の突板部13の端部には、後述するカム部材42を回転可能に保持するカム保持部13aがロック部材配設部11の軸心に位置するように突板部13に一体的に設けられている。そして、このハウジング10の角部16には、ロック部材配設部11の延び方向に沿って貫通し、ロックボルト54を進退可能に挿通する挿通孔17が設けられている。さらに、ロック部材配設部11における挿通孔17の内面側には、後述するスライダ57を当接させることによりロックボルト54の進出を停止するためのストッパ部18が設けられている。さらに、ロック部材配設部11の側方には、後述するカウンタウェイト73を水平方向に移動可能に収納する収納部19が設けられ、ロック部材配設部11と収納部19とは水平方向に延びる溝状の作動孔20によって連通している。なお、本実施形態のハウジング10の角部16は、装着する自動車のステアリングシャフト(図示せず)の傾斜角度に従う傾斜部21を有する形状とされている。
前記シリンダ錠23は、ロック部材配設部11の一端に装着する筒状のホルダ24と、該ホルダ24の内部に回動可能に配設するシリンダ28と、該シリンダ28の内部に配設する複数のタンブラ32とを備えている。
前記ホルダ24には、その内周面にシリンダ28から径方向外側に突出したタンブラ32を挿入係止する係止溝25が設けられている。また、ホルダ24には、後述するロックリンク35を揺動可能に配設するためのロックリンク配設部26が設けられている。このロックリンク配設部26には、後述するロックリンク35の軸部36をシリンダ28の回転軸方向に対して直行する方向に移動可能に保持する保持溝26aが設けられている。さらに、図1(B)に示すように、このホルダ24において、ハウジング10の外側に露出される正面側には、LOCK位置、ACC位置、ON位置およびSTART位置の順番で時計回りの所定位置に表記27a〜27dが刻設されている。
前記シリンダ28は、その回転軸に沿って延びるキー穴29と、回転軸に対して直交方向に延びるように並設した複数のタンブラ挿通孔(図示せず)とを設けたものである。このシリンダ28において、キー穴29の開口端と逆側に位置する端部には、ホルダ24の端部に位置決めするための鍔部30が設けられている。また、この鍔部30からカム装着部31が突設されている。このカム装着部31は、後述するカム部材42の装着孔44の形状と同一形状をなす。
前記タンブラ32は、図示しないスプリングと一緒にタンブラ挿通孔内に配設され、その中央に機械的構造体からなるキー79を貫通させる貫通孔(図示せず)を設けたものである。そして、キー79をシリンダ28のキー穴29に差し込むと、キー山がタンブラ32の貫通孔の縁を押圧することにより、各タンブラ32をスプリングの付勢力に抗してシリンダ28内に後退することにより、ホルダ24の係止溝25との係止が解除される。その結果、キー79を回動操作することにより、シリンダ28をLOCK位置からSTART位置の範囲で回動可能とする。
また、本実施形態のシリンダ錠23には、キー穴29にキー79が差し込まれることによりスライド駆動されるキー検知部材33が配設されている。このキー検知部材33は、シリンダ28において回転軸に偏った位置から外周部近傍へ移動し、ホルダ24のロックリンク配設部26に配設されたロックリンク35を作動させるものである。
このロックリンク35は、ロックリンク配設部26に揺動可能に軸着され、キー穴29にキー79が差し込まれると、後退(アンロック)状態のロックボルト54をスライダ57を介して進出不能に係止するものである。具体的には、このロックリンク35は、中央部に保持溝26aに移動可能に保持される軸部36と、一端部にキー検知部材33のスライド軌跡に位置する当接部37と、他端部38にシリンダ28の回転軸方向に対しておよそ直交する方向に突出する係止部39と、を備えている。また、当接部37の近傍には、キー検知部材33の非当接時にロックボルト54の係止を解除するための付勢手段として係止解除スプリング40が配設されている。
前記カム部材42は、シリンダ28のカム装着部31に装着されることにより、該シリンダ28と一体的にLOCK位置からSTART位置の範囲で回動されるものであり、ロック部材配設部11内において突板部13のカム保持部13aによって回転可能に保持されている。このカム部材42は、図2に示すように、大略、装着部43と、カム部47と、連動用作動部50とを備えている。
前記装着部43は、カム装着部31に外嵌することによりシリンダ28に対して回転不可能な状態に装着するもので、長円形状をなす長円孔部と一対の円弧状溝部とを有する装着孔44を備えている。この装着孔44において軸方向の中間部分は閉塞されている。そして、この装着部43には、シリンダ28との間に配設するカム付勢スプリング45を装着孔44の一端から挿入して位置決めする。また、逆側は、ハウジング10のカム保持部13aに外嵌するため円筒状に形成されている。
前記カム部47は、ハウジング10への装着状態で、ロック部材配設部11の下部に位置するように設けられたものである。このカム部47は、カム部材42の回転軸方向に沿ってロックボルト54の進出方向と逆側、即ち、シリンダ28の側に位置する端面に、第1カム面48と第2カム面49とを設けたものである。第1カム面48は、シリンダ28の回動に連動するカム部材42のLOCK位置からACC位置間にかけて延び、進出状態のロックボルト54をスライダ57を介して後退させるものである。第2カム面49は、カム部材42のACC位置からSTART位置間にかけて延び、スライダ57を介してロックボルト54の後退位置を保持するものである。
前記連動用作動部50は、ハウジング10への装着状態で、突板部13の連結空間部15に位置するように、カム部47に対して反対側に設けられたものである。この連動用作動部50には、その先端面外周縁にカサ歯車部51が設けられている。
また、前記カム部47と前記連動用作動部50との間には、スライダ57が侵入可能な隙間部52が設けられている。
前記ロックボルト54は、カム部材42の回転軸方向に沿って移動可能に配設されるもので、ハウジング10の挿通孔17に進退可能に装着されている。ロックボルト54とハウジング10のカム保持部13aとの間には、ロックボルト54を進出方向に付勢するロックボルト付勢スプリング46が配設されている。そして、本実施形態では、このロックボルト54の後端部に略L字形状に突出するスライダ連結部55を設け、このスライダ連結部55に、カム部材42の回動に連動させるための別体のスライダ57を配設し、このロックボルト54とスライダ57とでロック部材を構成している。
前記スライダ57は、ロック部材配設部11内において、カム部材42のカム部47とロック部材配設部11の内周面との間を、カム部材42の回転軸方向に沿ってスライド可能に装着されるものである。このスライダ57の前端部には、ロックボルト54のスライダ連結部55に連結されるL字形状の連結部58が設けられている。この連結部58は、ハウジング10のストッパ部18に当接することにより、ロックボルト54の進出を停止させるストッパの役割もなす。また、スライダ57の後端部には、連結部58がストッパ部18に当接した状態で、その先端面がカム部47の第1カム面48に摺接するように、回転軸に向けて突出する摺動部59が設けられている。この摺動部59は、カム部材42において、隙間部52の間隔より小さい幅寸法(図1(A)では奥行き)で形成されている。また、スライダ57には、摺動部59からロックリンク35の側に向けて突出するロック部60が設けられている。このロック部60は、ロックリンク35において係止部39の上側に位置し、ロック部60の端部にはスライダ57の移動方向とおよそ直交する方向に向けてロックリンク35側に突出してロックリンク35の係止部39を係止する係止受部61が形成されている。この係止受部61は、図4に示すように、ロックボルト54が挿通孔17内に完全に後退したアンロック位置で、ロックリンク35の係止部39に係合する構成としている。また、ロック部60のロックリンク35側の端部には、先細り方向に傾斜してロックリンク35の係止部39を係止受部61まで案内する案内面62が設けられている。この案内面62は、図3に示すように、シリンダ28にキーを挿入した状態で、ロックリンク35の他端部38が当接するものであり、ロックボルト54およびスライダ57の後退によってロックリンク35の他端部38が案内面62に沿って反時計周り方向に移動し、ロックリンク35の係止部39が係止受部61に係合できる位置まで移動可能となるように構成したものである。
前記イグニッションスイッチ65は、シリンダ28の回転位置を検出する検出手段であり、ハウジング10においてスイッチ部材配設部12の開口端に、イグニッションリッド66を介して配設されている。言い換えれば、スイッチ部材配設部12の開口端にイグニッションリッド66を配設し、その外側にイグニッションスイッチ65を配設している。このイグニッションスイッチ65は、シリンダ28の回動をカム部材42および連動部材68を介して検出することにより、シリンダ28の回動位置に従って、LOCK位置ではエンジンおよび全ての機器を停止し、ACC位置ではエンジンを停止するとともにオーディオなどの一部の負荷部品のみを動作させ、ON位置では全ての負荷部品を動作可能とするとともにエンジンが駆動している場合にはその駆動状態を維持させ、START位置ではエンジンを始動させるように電気回路を切り換えるものである。そして、このイグニッションスイッチ65の内部には、リターンスプリング(図示せず)が配設され、このリターンスプリングの付勢力によって連動部材68、カム部材42およびシリンダ28をSTART位置からON位置に復帰させる。
前記連動部材68は、カム部材42の回動に連動して回動させることにより、シリンダ28の回動位置をイグニッションスイッチ65に伝達するものである。また、イグニッションスイッチ65のリターンスプリングによる復帰させる付勢力をカム部材42を介してシリンダ28に伝達するものである。具体的には、この連動部材68は、その上端にイグニッションリッド66を貫通してイグニッションスイッチ65に連結される連結軸69が設けられている。また、この連動部材68の下端には、ハウジング10の軸受部14に回転可能に支持される軸部70が突設されている。この軸部70の上側には、円板状をなすように径方向外向きに突出し、連結空間部15に位置してカム部材42のカサ歯車部51に噛み合う同様のカサ歯車部71が設けられている。
前記カウンタウェイト73は、ロックリンク35の他端部38の下側に位置し、ロックボルト54およびスライダ57の作動方向に沿って移動可能にハウジング10の収納部19に収納されている。このカウンタウェイト73は、収納部19内に収納されたカウンタウェイト用スプリング74によって前方側(ロックボルト54進出側)に付勢されている。カウンタウェイト73には、ロックリンク35側に突出してハウジング10の作動孔20を貫通しロック部材配設部11内に進入する阻止部75が設けられている。このカウンタウェイト73は、ハウジング10に対してハンマーなどで強い衝撃が加えられると、その衝撃加速度によってカウンタウェイト73に慣性力が作用し、カウンタウェイト用スプリング74の付勢力に抗して、阻止部75がロックリンク35の他端部38に干渉しない非係合位置から、ロックリンク35の他端部38の移動軌道上に位置する係合位置まで移動するものである。なお、衝撃加速度によるカウンタウェイト73の移動速度および移動量は、カウンタウェイト73の重量およびカウンタウェイト用スプリング74の付勢力をそれぞれ増減することにより調整が可能である。また、収納部19の開口端には、蓋部材76がワンウェイネジ77によって固定され、カウンタウェイト73の外部からの取り外しが阻止されている。ワンウェイネジ77とは、ネジの頭部が締める方向にしか回すことができないような形状を有しており、緩める方向に回らず、一度締めたら取り外すことができないネジのことをいう。
次に、前記構成のステアリングロック装置の動作について説明する。
まず、シリンダ28がLOCK位置にあり、キー穴29にキー79が挿入されていない状態では、ステアリングロック装置は、図1(A)に示すロック状態になっている。このステアリングシャフトのロック状態では、スライダ57の摺動部59は、カム部材42の隙間部52に位置している。これにより、スライダ57は、連結部58がストッパ部18に当接するまでスライド可能である。そのため、ロックボルト付勢スプリング46の付勢力でロックボルト54が進出し、連動してスライダ57の連結部58がストッパ部18に当接した状態に位置している。その結果、ロックボルト54の先端がハウジング10の挿通孔17から外部に突出し、図示しないステアリングシャフトの係合凹部に係合している。
このLOCK状態で、運転者がキー穴29に正規キー79を差し込むと、図3に示すように、キー検知部材33がシリンダ28において径方向外向きに動作することにより、ロックリンク35の当接部37が係止解除スプリング40の付勢力に抗して移動する。これによって、ロックリンク35の他端部38が軸部36を回転中心として時計周り方向に移動して他端部38がスライダ57の案内面62に当接した状態となる。また、タンブラ32がシリンダ28内に没入し、シリンダ28がホルダ24に対して回動可能な状態になる。この状態で、シリンダ28を時計回りに回動させると、カム部材42が一体的に時計回りに回動する。
そして、シリンダ28をさらに回転させると、第1カム面48に摺動部59が摺接することにより、スライダ57がカム部47の後端面側に移動される。その結果、図4に示すように、ロックボルト54が一体的に後向きに移動することにより、ハウジング10内に後退される。また、このロックボルト54の後退により、ロックリンク35の他端部38が案内面62に沿って当接部37を支点として係止解除スプリング40の付勢力に抗して反時計周り方向に移動する。そして、正規キー79をACC位置まで回動させると、案内面62による他端部38の案内が解除され、係止解除スプリング40の付勢力により他端部38が時計周り方向に移動してスライダ57の係止受部61がロックリンク35の係止部39に係合し、正規キー79がキー穴29から抜かれるまでアンロック状態を維持する。
一方、シリンダ28の回動によりカム部材42が回動されると、カサ歯車部51,71の噛み合いにより連動部材68がカム部材42とは異なる回転軸方向で回動する。
このようにしてシリンダ28をACC位置まで回動させ、その後に、シリンダ28を更にON位置まで回動させると、カム部材42および連動部材68が回動する一方、ロックボルト54は後退移動することなく、その位置を維持する。そして、イグニッションスイッチ65は、連動部材68の回動により、正規キー79によるシリンダ28のON位置を検出し、自動車のメインマイコンに出力する。
更にシリンダ28をSTART位置まで回動させると、同様に、カム部材42および連動部材68が回動する一方、ロックボルト54は後退移動することなく、その位置を維持する。そして、イグニッションスイッチ65は、連動部材68の回動により、正規キー79によるシリンダ28のSTART位置を検出し、自動車のメインマイコンに出力する。そして、この回動状態では、イグニッションスイッチ65の内部に配設されたリターンスプリングが収縮される。
このSTART位置にシリンダ28を回動させた状態で、運転者が正規キー79から手を離すと、イグニッションスイッチ65が内蔵したリターンスプリングの収縮規制が解除される。そのため、このリターンスプリングの付勢力によって連動部材68が逆向きに回動される。これにより、カム部材42が連動して回動し、シリンダ28を一体的に反時計回りに回動させ、ON位置に自動復帰される。
一方、ON位置のシリンダ28をACC位置に回動させると、カム部材42および連動部材68が前記とは逆向きに回動する一方、ロックボルト54は進出移動することなく、その位置を維持する。そして、イグニッションスイッチ65は、連動部材68の回動により、正規キー79によるシリンダ28のACC位置を検出し、自動車のメインマイコンに出力する。
更にシリンダ28をLOCK位置まで回動させると、連動してカム部材42および連動部材68が回動する。この際、ロックボルト54は、スライダ57を介してロックリンク35に係止されているため、ロックボルト付勢スプリング46の付勢力および第1カム面48の傾斜に拘わらず、進出移動することなく、アンロック位置を保持する。
そして、運転者が正規キー79をキー穴29から引き抜くと、図1(A)に示すように、正規キー79によるキー検知部材33の押圧が解除されることにより、係止解除スプリング40の付勢力でロックリンク35が回動する。これにより、ロックリンク35とスライダ57との係合が解除されることにより、ロックボルト付勢スプリング46の付勢力によってスライダ57と一緒にロックボルト54が進出し、ステアリングシャフトの係合凹部に係合する。
なお、正規キー79以外のダミーキー79’をキー穴29に挿入した場合には、図3において、シリンダ28に対してタンブラ32が没入せず、シリンダ28が回動不可能な状態を維持する点でのみ相違する。即ち、キー検知部材33は、シリンダ28において径方向外向きに動作することにより、ロックリンク35が係止解除スプリング40の付勢力に抗して移動する。
この状態で、従来と同様に、ハウジング10に対してハンマーなどで強い衝撃を加え、衝撃による衝撃加速度によってロックボルト54およびスライダ57に後退する方向に慣性力が作用した場合、ロックボルト54およびスライダ57はロックボルト付勢スプリング46の付勢力に抗して後退する。しかし、このとき、カウンタウェイト73にも同様に衝撃による衝撃加速度によって後退する方向に慣性力が作用し、図5(A)、(B)に示すように、カウンタウェイト73はカウンタウェイト用スプリング74の付勢力に抗して非係合位置から阻止部75がロックリンク35の他端部38に係合する係合位置まで後退する。これにより、ロックリンク35の反時計周り方向の回動が阻止され、移動不能となったロックリンク35の他端部38にスライダ57の案内面62が当接することでロックボルト54およびスライダ57の後退が阻止され、ロックボルト54のアンロック位置側への移動が阻止される。このように、ロックボルト54の後退が阻止されているため、スライダ57の係止受部61にロックリンク35の係止部39が係合することはなく、ロックボルト54がロックリンク35によってアンロック位置に保持されることはない。
そして、ロックボルト54、スライダ57およびカウンタウェイト73に作用する慣性力がカウンタウェイト73によるロックリンク35の移動規制によって受け止められた後は、各スプリング46、74の付勢力によってロックボルト54、スライダ57およびカウンタウェイト73がそれぞれ前方側に移動して、図3の状態(タンブラ32は突出している)に復帰する。
このように、本発明のステアリングロック装置では、キー穴29にダミーキー79’を挿入した状態でロックボルト54に後退する力が作用しても、カウンタウェイト73がロックボルト54とともに後退し、ロックリンク35に係合してロックリンク35の移動を阻止して、スライダ57の係止受部61とロックリンク35との係合を阻止するため、ロックボルト54がアンロック位置になって、この状態を維持することを防止できる。また、従来のステアリングロック装置に対してカウンタウェイト73を設けるだけの簡単な構成にて不正解錠を防止することができるため、ステアリングロック装置の耐久性および信頼性を損なうこともない。また、本実施形態のステアリングロック装置においては、カウンタウェイト73を取り外しても、通常のステアリングロック装置の機能を何ら損なうことがないため、共通の部品を利用してカウンタウェイト有り、無しの2種類のステアリングロック装置を構成することが可能であり、部品の共通化を図ることが可能である。
また、本実施形態では、スライダ57には、ロックリンク35に設けられた係止部39をスライダ57の係止受部61に導くように移動させる案内面62を設け、カウンタウェイト73による移動規制によって移動不能となったロックリンク35にスライダ57の案内面62が当接することによりロックボルト54およびスライダ57の退避位置側への移動を阻止するようにしているため、ロックボルト54が衝撃によって退避位置に後退しようとする一瞬だけ、カウンタウェイト73によってロックリンク35の作動を阻止すればよく、盗難防止効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、カウンタウェイト73は、ロックボルト54の作動方向と同じ方向に移動可能に配置しているため、衝撃によってロックボルト54だけを選択的に作動させることは不可能であり、これにより盗難防止効果を高めることができる。
なお、本発明のステアリングロック装置は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態では、ロックボルト54に別体のスライダ57を配設したが、このスライダ57の構成をロックボルト54に一体的に設けてもよい。また、前記実施形態では、案内面62を平面の傾斜面としているが、曲面および円弧面状面であってもよい。
さらに、前記実施形態では、スライダ57側に案内面62を設けているが、案内面62をロックリンク35側に設けてもよい。すなわち、ロックリンク35には、ロックリンク35に設けられた係止部39をロック部材の係止受部61に導くように移動させる案内面を設け、カウンタウェイト73による移動規制によって移動不能となったロックリンク35の案内面にロック部材が当接することによりロック部材の退避位置側への移動を阻止するように構成してもよい。このように構成すれば、ロックボルト54が衝撃によって退避位置に後退しようとする一瞬だけ、カウンタウェイト73によってロックリンク35の作動を阻止すればよく、盗難防止効果を高めることができる。
本発明の実施形態のステアリングロック装置を示し、(A)は断面図、(B)は要部正面図である。 カム部材を示す斜視図である。 キーをLOCK位置で差し込んだ状態を示す断面図である。 キーをACC位置まで回動させた状態を示す断面図である。 ダミーキーをLOCK位置で差し込んだ後に衝撃を加えられた状態を示し、(A)は断面図、(B)は要部拡大部である。
符号の説明
10・・・ハウジング、28・・・シリンダ、35・・・ロックリンク、39・・・係止部、42・・・カム部材、46・・・ロックボルト付勢スプリング(スプリング)、54・・・ロックボルト(ロック部材)、57・・・スライダ(ロック部材)、61・・・係止受部、73・・・カウンタウェイト、79・・・キー。

Claims (3)

  1. ハウジング内に回転可能に収納されキーによって回動されるシリンダと、該シリンダと一体的に回動するカム部材と、ステアリングシャフトに係合してステアリングシャフトの回転を阻止する突出位置方向にスプリングによって付勢され、前記カム部材の回動に応じてステアリングシャフトとの係合が解除される退避位置まで移動するロック部材と、前記シリンダへのキーの挿入に応じて前記ロック部材に設けられた係止受部に係合可能な状態となり、前記ロック部材が退避位置に移動すると前記係止受部に係合して前記ロック部材を退避位置に保持するロックリンクとを備えたステアリングロック装置において、ステアリングロック装置に対する衝撃によって衝撃加速度が入力されると、前記ハウジング内を移動して前記ロックリンクの移動を阻止し、前記ロック部材の係止受部と前記ロックリンクとの係合を阻止するカウンタウェイトを設けたことを特徴とするステアリングロック装置。
  2. 前記ロック部材には、前記ロックリンクに設けられた係止部を前記ロック部材の係止受部に導くように移動させる案内面を設け、前記カウンタウェイトによる移動規制によって移動不能となった前記ロックリンクに前記ロック部材の案内面が当接することにより前記ロック部材の退避位置側への移動を阻止するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のステアリングロック装置。
  3. 前記カウンタウェイトは、前記ロック部材の作動方向と同じ方向に移動可能に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のステアリングロック装置。
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