JP5057807B2 - アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂を含む位相差フィルム - Google Patents
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Description
IPSモ−ドは、他のモ−ドと異なり、電界の印加が基板にほぼ平行に行われることからIPS(In− Plane Switching)モ−ドと呼ばれる。IPSモ−ドの液晶表示装置は、非駆動状態において液晶分子が基板面に対して略平行なホモジニアス配向を有するため、光は液晶層を、その偏光面をほとんど変化させること無く通過し、その結果、基板の上下に偏光板を配置することにより非駆動状態でほぼ完全な黒表示が可能である。
例えば、特許文献6には、VAモ−ド液晶表示装置において、負の複屈折性を有するポリマ−であるポリスチレンを利用して基板面に対して垂直な方向に高い屈折率を有する位相差フイルム(ネガティブAプレ−ト)を作製し、光学補償を行うことが記載されている
また、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリサルファン、ポリエ−テルサルフォンに代表されるような正の固有複屈折を有する樹脂を液晶セル基板に使用した液晶表示装置(特許文献7)においては、ガラスを基板に使用したものとは異なり、基板自体が光学異方性を有するため、これを光学補償する必要が生じる。具体的には、このような基板は、基板面と垂直な方向の屈折率より、基板面と平行な面内の方向に大きな屈折率を持つので、表示装置の表示面に対して垂直な方向に屈折率の高いフィルムを用いることが有効となる。
しかしながら、この方法では単一のフィルムの処理工程だけでなく、熱収縮フィルムの接着工程や剥離工程が入るので生産性に問題がある。つまり、正の複屈折性の材料を用いる場合は、生産性に劣るという欠点があった。
さらに、本発明は、このような位相差フイルムを利用して、各種の液晶表示装置における表示の安定性を向上させることを目的とする。
1.アクリル系樹脂の説明
本発明において、アクリル系樹脂とはアクリル系単量体を50質量%以上含む樹脂をいう。ここで、アクリル系単量体とは、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体をいう。
これらの中でも、メタクリル酸メチルの単独重合体またはメタクリル酸メチルと他の単量体との共重合体が好ましい。
これらは一種または二種以上組み合わせて使用することもできる。
メタクリル酸メチルに、アクリル酸アルキルエステル類を共重合させる場合のアクリル酸アルキルエステル類の共重合割合は、耐熱分解性の観点から0.1質量%以上であることが好ましく、耐熱性の観点から15質量%以下であることが好ましい。0.2質量%以上14質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以上12質量%以下であることがとりわけ好ましい。
このような耐熱アクリル系樹脂の製造には、特公昭63−1964等に記載されている方法等を用いることができる。
また、本発明においてはアイソタクチックポリメタクリル酸エステルとシンジオタクチックポリメタクリル酸エステルを同時に用いることもできる。
溶液重合を行う場合には、単量体の混合物をトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調製した溶液を用いることができる。塊状重合により重合させる場合には、通常行われるように加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
特に、90℃以上の高温下で重合を行う場合には、溶液重合が一般的であるので、10時間半減期温度が80℃以上で、かつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤等が好ましい。具体的には1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパ−オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ−オキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。
これらの開始剤は、0.005〜5wt%の範囲で用いられることが好ましい。
これらの分子量調節剤は、アクリル系樹脂の重合度が好ましい範囲内に制御されるような濃度範囲で添加される。
本発明におけるスチレン系樹脂とは、スチレン系単量体を50質量%以上含む樹脂をいう。ここで、スチレン系単量体とは、その構造中にスチレン骨格を有する単量体をいう。
また、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体は、アクリル系樹脂との相溶性が高いため、透明性が高く、使用中に相分離を起こして透明性が低下することがないフィルムを得られることからも好ましい。このような観点からは、特に、アクリル系樹脂としてメタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体を用いる場合に好ましい。
スチレン−メタクリル酸共重合体の場合、共重合体中のメタクリル酸の共重合体割合は0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましい範囲は0.1〜40質量%であり、さらに好ましい範囲は0.1〜30質量%である。共重合体中のメタクリル酸の共重合体割合が0.1質量%以上であると耐熱性に優れ、50質量%以下の範囲であれば透明性に優れるので好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体の場合、共重合体中の無水マレイン酸の共重合体割合は0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましい範囲は0.1〜40質量%であり、さらに好ましい範囲は0.1質量%〜30質量%である。共重合体中の無水マレイン酸含量が0.1質量%以上であると耐熱性に優れ、50質量%以下の範囲であれば透明性に優れるので好ましい。
スチレン系樹脂は、公知のアニオン、塊状、懸濁、乳化または溶液重合方法により得ることができる。また、スチレン系樹脂においては、共役ジエンやスチレン系単量体のベンゼン環の不飽和二重結合が水素添加されていてもよい。水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
本発明の位相差フィルムは、アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂を含む樹脂組成物を用いて製造される。このときのアクリル系樹脂の割合は、光弾性係数、耐熱性、レタデ−ション制御の観点から、アクリル系樹脂とスチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、アクリル系樹脂を0.1〜99.9質量部含有することが好ましく、1〜90質量部であることがさらに好ましく、5〜85質量部であることがとりわけ好ましい。
また、その他の樹脂成分の割合は、アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂の合計量100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。
これら添加剤は、アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂の合計量100質量部に対して0.01質量部以上50質量部以下添加することが好ましい。
ただし、紫外線吸収剤を多量に添加すると、樹脂組成物の光弾性係数の絶対値が大きくなるため好ましくない。したがって、紫外線吸収剤の添加量は、アクリル系樹脂とスチレン系樹脂の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2質量部であり、とりわけ好ましくは0.1〜1.5質量部以下である。
なお、紫外線吸収剤の含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)によりプロトンNMRを測定し、ピ−クシグナルの積分値の比から求める方法や、または良溶媒を用い樹脂から抽出後、ガスクロマトグラフ(GC)で測定する方法等により定量できる。
このときの添加量は、紫外線吸収効果と光学特性、機械特性、耐熱性の低下とのバランスから、アクリル系樹脂とスチレン系樹脂の合計100質量部に対して、0.1質量〜5質量部であることが好ましい。
なお、偏光板保護フイルムとしての機能を兼ねる場合、本発明の位相差フィルムは偏光膜等(例えば、ヨウ素や染料で染色されたポリビニルアルコ−ルの延伸フィルムなど)に直接貼り付ければよい。
紫外線吸収剤の融点(Tm)は、他の添加剤と同様に、80℃以上であることが、成形加工性に優れるため好ましい。さらに好ましいくは融点(Tm)が130℃以上であり、とりわけ好ましくは融点(Tm)が160℃以上である。
また、紫外線吸収剤を23℃〜260℃まで20℃/minの速度で昇温した場合の質量減少率は、他の添加剤と同様に、50%以下であることが、成形加工性に優れるため好ましい。さらに好ましい範囲は質量減少率が15%以下であり、とりわけ好ましい範囲は質量減少率が2%以下である。
C=Δn/σ Δn=n1−n2
(式中、C:光弾性係数、σ:伸張応力[Pa]、Δn:応力付加時の平面方向の複屈折、n1:伸張方向と平行な方向に偏光面を有する光に対する屈折率、n2:伸張方向と垂直な方向に偏光面を有する光に対する屈折率)
本発明の位相差フィルムの成形方法は、特に制限されるものではなく、射出成形、シ−ト成形、ブロ−成形、インジェクションブロ−成形、インフレ−ション成形、押出成形、発泡成形、キャスト成形等、公知の方法でフィルムに成形することが可能であり、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法も用いることができる。中でも、押出成形、キャスト成形が好ましく用いられる。このとき例えば、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸フィルムを押出成形することができる。押出成形により成形品を得る場合は、事前に各種樹脂成分、添加剤等を溶融混練した材料を用いることもできれば、押出成形時に溶融混練を経て成形することもできる。また、各種樹脂成分に共通な溶媒、例えばクロロホルム、二塩化メチレン等の溶媒を用いて、各種樹脂成分を溶解後、キャスト乾燥固化することにより未延伸フィルムをキャスト成形することもできる。
本発明の位相差フィルムは、フィルム面に対して垂直な方向の屈折率が高いことが好ましい。すなわち、その厚み方向のレタデ−ション(Rth)が、負の値であることが好ましい。これは、例えば、前述のようにIPSモ−ドの液晶表示装置では、液晶分子が基板面に対して略平行なホモジニアス配向を有するために、その光学補償にフィルム面に対して垂直な方向に屈折率の高いフィルムを用いることが有効となるためである。
Re=(nx−ny)×d、
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d
Nz=(nx−nz)/|(nx−ny)|
(式中、nx:フイルム面内において屈折率が最大となる方向(遅相軸方向)をxとした場合のx方向の主屈折率、ny:フイルム面内においてx方向に垂直な方向(進相軸方向)をyとした場合のy方向の主屈折率、nz:フイルム厚み方向の主屈折率、d:フイルムの厚み(nm)である。)
このような関係を満足する位相差フイルムは、ネガティブAプレ−トと呼ばれ、偏光板や、偏光板と液晶セルの間に配置される構成部材の位相差値に起因して生じる液晶パネル(液晶表示装置)の黒表示における斜め方向の光漏れを、小さくするために用いられる。
本発明の位相差フイルムは、高い機械強度を有するので、各種光学素子用の保護フィルムとして用いることもできる。特に、本発明の位相差フイルムは、光学的に異方性を持っているため、偏光板保護フイルムとして好適に用いることができる。以下に、本発明の位相差フイルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合について説明する。
通常、保護フィルムは、偏光フィルムの保護を目的としているので、トリアセチルセルロ−ス系フィルムのような光学的に等方性を持つフィルムが用いられている。
これに対し、本発明においては、一方の面に本発明の光学的に異方性を持つ位相差フィルムを保護フイルムとして積層し、他方の面に光学的に等方性を持つ保護フィルムを積層する。これにより、一方の面の保護フィルムが位相差フィルムを兼ねるので、通常は偏光板の保護フィルムの上に貼り付けられるポリカ−ボネ−ト樹脂やシクロオレフィン系の樹脂などからなる位相差フィルムを省き、偏光板の薄肉化と生産性の向上を図ることができる。
また、保護フィルムの上に別の位相差フィルムを接着する工程がないので生産性に優れる。
ここで、アクリル系樹脂の定義は、前述のとおりである。
メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、他のメタリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和酸類等が挙げられる。これらは一種または二種以上組み合わせて使用することもできる。
メタクリル酸メチルにアクリル酸アルキルエステル類を共重合させる場合のアクリル酸アルキルエステル類の使用量は、耐熱分解性の観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、耐熱性の観点から15質量%以下であることが好ましい。0.2〜14質量%であることがさらに好ましく、1〜12質量%であることがとりわけ好ましい。
アクリル酸アルキルエステル類としては、アクリル酸メチル及びアクリル酸エチルが、少量メタクリル酸メチルと共重合させるだけでも前述の成形加工時の流動性の改良効果が著しく得られるため好ましい。
溶液重合を行う場合には、単量体の混合物をトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調整した溶液を用いることができる。塊状重合により重合させる場合には、通常行われるように加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
特に、90℃以上の高温下で重合を行わせる場合には、溶液重合が一般的であるので、10時間半減期温度が80℃以上でかつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤などが好ましい。具体的には1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパ−オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ−オキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。これらの開始剤は、例えば、0.005〜5質量%の範囲で用いることができる。
この6員環構造の酸無水物単位を含む共重合体の第一の単量体成分であるメタクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステルとしてはメタクリル酸メチルが好ましく、第二の単量体成分である芳香族ビニル化合物としては、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン等が挙げられ、好ましくはスチレンである。
また、6員環構造の酸無水物単位を含む共重合体の第三の単位である6員環構造の酸無水物単位は、不飽和カルボン酸単量体及び、必要に応じて不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体と、その他の単量体成分と重合させ、共重合体とした後、かかる共重合体を適当な触媒の存在下あるいは非存在下で加熱し、脱アルコ−ルおよび/または脱水による分子内環化反応を行わせることにより生成することができる。この場合、典型的には共重合体を加熱することにより2単位の不飽和カルボン酸単位のカルボキシル基が脱水されて、あるいは隣接する不飽和カルボン酸単位と不飽和カルボン酸アルキルエステル単位からアルコ−ルの脱離により1単位の6員環構造の酸無水物単位が生成される。
6員環構造の酸無水物単位を生成するための不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等が挙げられる。
6員環構造の酸無水物単位を含む共重合体は、特公平02−26641号公報、特開2006−266543号公報、特開2006−274069号公報、特開2006−274071号公報、特開2006−283013公報、特開2005−162835公報に記載の方法を参照して、組成比を決定し、製造、評価することができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、例えば、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコ−ルを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体の具体例としては、ポリグリコ−ル酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸およびポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコ−ルを主たる構成成分とする重合体の具体例としては、ポリエチレンアジペ−ト、ポリエチレンサクシネ−ト、ポリブチレンアジペ−トおよびポリブチレンサクシネ−トなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエステル系樹脂は、単独ないし2種以上を用いることができる。
ポリ乳酸系樹脂は、L体ないしD体以外の乳酸誘導体モノマ−または、ラクチドと共重合可能な他成分を共重合していてもよく、このような成分としてはジカルボン酸、多価アルコ−ル、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。ポリ乳酸系樹脂は、直接脱水縮合、ラクチドの開環重合等公知の重合法で重合することができる。また必要に応じてポリイソシアネ−ト等の結合剤を用いて、高分子量化することもできる。
ポリ乳酸系樹脂の好ましい質量平均分子量範囲は、機械的性質の観点から質量平均分子量が30,000以上であることが好ましく、加工性の観点から1000,000以下であることがより好ましい。さらに好ましくは50,000〜500,000、最も好ましくは100,000〜280,000である。
このような偏光フィルムは公知の方法を用いて製造することができ、例えば特開2002−174729号公報等に記載されている方法により製造することができる。具体的には以下の通りである。
偏光フィルムを構成する樹脂としては、ポリビニルアルコ−ル系樹脂が好ましく、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られポリビニルアルコ−ル系樹脂が好ましい。ここで、ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニル及びこれと共重合可能な他の単量体の共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルに共重合される他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエ−テル類、不飽和スルホン酸類などが挙げられる。また、ポリビニルアルコ−ル系樹脂のケン化度は、85〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは98〜100モル%である。このポリビニルアルコ−ル系樹脂はさらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマ−ルやポリビニルアセタ−ルなども使用し得る。ポリビニルアルコ−ル系樹脂の重合度は、1000〜10000であることが好ましく、より好ましくは1500〜10000である。
一軸延伸は、二色性色素による染色の前に行ってもよいし、二色性色素による染色と同時に行ってもよいし、二色性色素による染色の後に行ってもよい。一軸延伸を二色性色素による染色後に行う場合、一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。また、複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。
一軸延伸するには、周速の異なるロ−ル間で一軸に延伸してもよいし、熱ロ−ルを用いて一軸に延伸してもよい。また、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤で膨潤した状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用できる。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100質量部あたり0.01〜0.5質量部程度であることが好ましく、ヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり0.5〜10質量部程度であることが好ましい。この水溶液の温度は、20〜40℃程度であることが好ましく、また、この水溶液への浸漬時間は、30〜300秒程度であることが好ましい。
二色性色素として二色性染料を用いる場合は、二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコ−ル系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用できる。この水溶液における二色性染料の含有量は、水100質量部あたり1×10-3〜1×10-2質量部程度であることが好ましい。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を含有していてもよい。この水溶液の温度は、20〜80℃程度であることが好ましく、また、この水溶液への浸漬時間は、30〜300秒程度であることが好ましい。
最終的なフィルム厚は、フィルムの取り扱い易さ、ディスプレイの薄肉化要求の観点から、5〜200μmが好ましく、10〜150μmが更に好ましく、15〜100μmがとりわけ好ましい。
また、本発明の位相差フィルムと偏光フイルムとを貼合した円偏光板は、反射型液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに用いると表示装置の内部反射を低減することができ、有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
本願発明および実施例で用いた評価法をまず説明する。
<1>評価方法
<1−1>レタデ−ション(Re、Rth、Nz)の測定
大塚電子株式会社製のレタデ−ション測定装置「RETS−100」を用いて測定を行った。
<1−2>光弾性係数の測定
5cm×1cmにフィルムを切り出し、チャック間が3cmとなるようにチャッキング後、0.1mm/分のスピ−ドで引張試験を行いながら、レタデ−ション測定装置(RETS−100)を用いてレタデ−ションを測定し、平面方向の複屈折を測定した。
このようにして測定した値を、複屈折(Δn)をy軸、伸張応力(σ)をx軸としてプロットしたグラフを作成し、その初期直線部の傾きを求め、これを光学弾性係数とした。
<1−3>ガラス転移温度の測定(DSC法)
パ−キンエルマ−社製、示差走査熱量計「Pyris1」を用いて測定を行った。
<1−4>光線透過率の測定
日立製作所製、U−3310を用いて分光スペクトルを測定し、380nmにおける透過率を求めた。
<1−5>偏光板の反りの測定
偏光板を200mm×200mmの正方形に裁断し、水平で平坦な台の上にフィルムの中央が台に接するように置き、23℃、50%RHの雰囲気下で72時間静置し、裁断したフィルムの四隅が台から反り上がった高さを平均して算出した。
<1−6>偏光板の高温多湿時の耐久性の測定
60℃、90%RH条件で1000時間保持した前後の偏光度を下式に従って求め、この値を用いて偏光度保持率を算出して耐久性を評価した。
偏光度(%)={〔(H2−H1)/(H2+H1)〕×1/2}×100
ここで、H2は2枚の偏光板の配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定した値(平行透過率)であり、H1は2枚の偏光板の配向方向が互いに直交方向になるように重ね合わせた状態で測定した値(直交透過率)である。偏光度の測定は、島津製作所UV−3150分光光度計を使用した。
偏光度保持率とは、60℃、90%RH条件、1000時間保持試験後の偏光度を試験前の偏光度で除した値に100を掛けた数値である。数値が大きいほど耐久性がよい。
また偏光度の測定は、第1の面と第2の面の面内レタデ−ション(Re)が共に10nm以上である場合には、円偏光の影響が強くなり本発明の評価としては適切ではないので実施しなかった。また、同様の理由から、第1の面又は第2の面のいずれかの面内レタデ−ション(Re)が10nm以下の場合には、2枚の偏光板を重ね合わせる際に、Reが10nm以下の層が内側になるように重ね合わせて評価を行った。
<2−1>メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体(P−1)
メタクリル酸メチル89.2質量部、アクリル酸メチル5.8質量部、およびキシレン5質量部からなる単量体混合物に、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.0294質量部、およびn−オクチルメルカプタン0.115質量部を添加し、均一に混合した。
この溶液を内容積10リットルの密閉式耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度130℃、平均滞留時間2時間で重合した後、反応器に接続された貯槽に連続的に送り出し、一定条件下で揮発分を除去し、さらにこれを押出機に連続的に溶融状態で移送し、押出機にてメタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体(P−1)のペレットを得た。
得られた共重合体(P−1)のアクリル酸メチルの共重合割合は6.0質量%、ASTM−D1238に準拠して測定した230℃、3.8キログラム荷重のメルトフロ−レ−ト値は1.0g/10分であった。
装置の全てがステンレス鋼で製作されているものを用いて、連続溶液重合を行った。スチレン75.2質量%、メタクリル酸4.8質量%、エチルベンゼン20質量%を調合液とし、重合開始剤として1,1−tert−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを用いた。この調合液を1l/hrの速度で連続して、内容積2lの攪拌機付きの完全混合重合器へ供給し、136℃で重合を行なった。固形分49%を含有する重合液を連続して取り出し、まず230℃に予熱後、230℃に保温され、20Torrに減圧された脱揮器に供給し、平均滞留0.3時間経過後、脱揮器の低部のギヤポンプより連続して排出し、これを押出機に連続的に溶融状態で移送し、押出機にてスチレン/メタクリル酸共重合体(P−2)のペレットを得た。
得られた共重合体(P−2)は無色透明で、このポリマ−の中和滴定による組成分析の結果、スチレンの共重合割合は92質量%、メタクリル酸の共重合割合は8.1質量%であった。ASTM−D1238に準拠して測定した230℃、3.8キログラム荷重のメルトフロ−レ−ト値は5.1g/10分であった。
装置の全てがステンレス鋼で製作されているものを用いて、連続溶液重合を行った。スチレン91.7質量部、無水マレイン酸8.3質量部の比率で合計100質量部を準備した。(ただし、両者は混合しない。)メチルアルコ−ル5質量部、重合開始剤として1,1−tert−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.03質量部をスチレンに混合し、第1調合液とした。この第1調合液を0.95kg/hr.の速度で連続して内容積4Lのジャケット付き完全混合重合機に供給した。
一方、70℃に加熱した無水マレイン酸を、第二調合液として0.10kg/hr.の速度で同一重合機へ供給し、111℃で重合を行った。重合転化率が54%となったところで、重合液を重合機から連続して取り出し、まず230℃に予熱後、230℃に保温し、20torrに減圧された脱揮器に供給し、平均滞留0.3時間経過後、脱揮器の低部のギヤポンプより連続して排出し、これを押出機に連続的に溶融状態で移送し、押出機にてスチレン/無水マレイン酸共重合体(P−3)のペレットを得た。
得られたスチレン/無水マレイン酸共重合体(P−3)は無色透明で、このポリマ−の中和滴定による組成分析の結果、スチレンの共重合割合は85質量%、無水マレイン酸単位の共重合割合は15質量%であった。ASTM−D1238に準拠して測定した230℃、2.16kg荷重のメルトフロ−レ−ト値は2.0g/10分であった。また、その光弾性係数(未延伸)は、4.1×10−12Pa−1であった。
<2−4>ポリスチレン樹脂(P−4)
一般的なポリスチレン樹脂としてPSジャパン株式会社製の標準グレ−ドであるHF77を用意した。
<2−5>脂肪族ポリエステル系樹脂(P−5)
ポリ乳酸(カ−ギルダウ社製4032D)を用いた。
<2−6>紫外線吸収剤(U−1)
ベンゾトリアゾ−ル系化合物(U−1)(旭電化(株)社製、アデカスタブLA−31(融点(Tm):195℃)を用意した。理学電気(株)社製、ThermoPlus TG8120を用いて、23℃から260℃まで20℃/minの速度で昇温した場合の質量減少率を測定したところ、0.03%であった。
表1〜3に示す組成の樹脂組成物を用い、テクノベル製Tダイ装着押し出し機(KZW15TW−25MG−NH型/幅150mmTダイ装着/リップ厚0.5mm)のシリンダ−内樹脂温度、Tダイの温度を表1〜3に示す条件に調整して押し出し成形をすることにより未延伸フィルムを得た。フィルムの流れ(押し出し方向)をMD方向、MD方向に垂直な方向をTD方向とした。
そして、未延伸フィルムを幅が50mmになるように切り出し、表1〜3に示す条件で一軸延伸(チャック間:50mm、チャック移動速度:500mm/分)を引っ張り試験機を用いて行い、一軸延伸フィルムを得た。
さらに、一軸延伸フィルムを幅が50mmになるように切り出し、表1〜3に示す条件で一軸延伸(チャック間:50mm、チャック移動速度:500mm/分)を引っ張り試験機を用いて行い、実験例1〜17、実施例1〜5、比較例1〜4、の二軸延伸フィルムを得た。
実験例1〜9の位相差フィルムはいずれも、Reを550nmの1/4波長、1/2波長付近に設定したときに、Rthが負の値となった。さらに、これらの位相差フィルムにおいては、その材料の組成や、延伸条件等を制御することによりRthを−382〜−77nmと幅広くコントロールできることが分かる。
このことから、これらの例の位相差フィルムは、IPSモードの液晶表示装置はもちろん、様々な光学補償条件に対応できることが分かる。
さらに、実験例7〜9の位相差フィルムにおいては、紫外線吸収剤の添加により、380nmでの光線透過率が1%程度であった。この値は、偏光板保護フィルムに一般的に要求されるレベルを満たしており、これらの例の位相差フィルムが偏光板保護フィルムとしても有用であることが分かる。
実験例10〜17の位相差フィルムにおいては、延伸条件等を制御することにより面内レタデ−ションReを幅広く(140〜1039nm)変化させたが、いずれの場合においもRthを負の値に設計することができた。また、実験例10〜17の位相差フィルムは、ポリスチレン系樹脂からなる位相差フィルム(比較例4)と比較して小さい光弾性係数の絶対値を有していた。
また、実験例10〜17の位相差フィルムはいずれも、面内レタデ−ション(Re=(nx−ny)×d)が正の値で、かつ、nx−nz(=Nz×Re/d)の絶対値が1.0×10-3以下であるから、ny<nx=nzの関係を満たし、ネガティブAプレートとして用いることができるものであった。このように、これらの例の位相差フィルムにおいては、ネガティブAプレートとして用いることができるように光学特性を設計できることが確認できた。
実施例1〜5の位相差フィルムは、いずれも、厚み方向レタデーション(Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d)が負の値で、かつ、nx−ny(=Re/d)の絶対値が1.0×10-3以下であるから、nx=ny<nzの関係を満たし、ポジティブCプレートとして用いることができるものであった。このように、本発明の位相差フィルムにおいては、ポジティブCプレートとして用いることができるように光学特性を設計できることが確認できた。
(偏光フィルムの製造)
ポリ酢酸ビニルをケン化後(ケン化度98モル%)、成形し、得られたポリビニルアルコールフィルム(厚さ75μm)を水1000質量部、ヨウ素7質量部、ヨウ化カリウム105質量部からなる水溶液に5分間浸漬し、フィルムにヨウ素を吸着させた。次いでこのフィルムを40℃の4質量%ホウ酸水溶液中で、5倍に縦方向一軸延伸をした後、緊張状態のまま乾燥して偏光フィルムを得た。
(比較のための保護フィルムの製造)
i)アクリル系樹脂保護フィルム(参考例1、2)
実験例1〜17、実施例1〜5、比較例1〜4と同様にして、表4に示す樹脂組成物を用い、表4に示す条件で参考例1、2の保護フィルムを製造した。
参考例1、2のフィルムの厚みと面内レタデーションを表4に示す。
ii)トリアセチルセルロース系保護フィルム(参考例3)
従来技術の偏光板保護フィルムの代表例としてトリアセチルセルロース系保護フィルムを以下の様にして製造した。
トリアセチルセルロース21質量部、トリフェニルホスフェート(可塑剤)2質量部およびビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤)1質量部を、メチレンクロライド62質量部、メタノール12質量部およびn−ブタノール2質量部に溶解してドープを調製した。ドープをエンドレスの金属支持体上に流延し、フィルムを支持体上に形成した。フィルム中の有機溶剤の量が60質量%になるまでフィルムを支持体上で乾燥し、フィルムを支持体から剥ぎ取った。
テンターを用いてフィルムの横方向の寸法を固定し、その状態で、フィルム中の有機溶剤の量が15質量%になるまで、3分間、フィルムを両面から乾燥した(一次乾燥)。フィルムを支持体から剥ぎ取ってから、フィルムの一次乾燥が終了するまでの間のフィルムの縦方向の寸法の伸び率は、4.5%であった。さらに、ローラーを用いてフィルム中の有機溶剤の量が0.5質量%になるまで、フィルムを乾燥した(二次乾燥)。得られたフィルムを巻き取り、最後に表面にケン化処理を施して厚さが81μmのトリアセチルセルロースフィルムを作製した。このフィルムの面内レタデーションは6nmであった(表4)。
iii)シクロオレフィン系保護フィルム(参考例4)
従来技術の偏光板保護フィルムの代表例として非晶性ポリオレフィン系樹脂であるシクロオレフィン系樹脂フィルムを以下の様にして製造した。
環状ポリオレフィンとしてエチレンとノルボルネンとの付加重合を行い、エチレン−ノルボルネンランダム共重合体(エチレン含量:65mol%、MFR:30g/10分、数平均分子量:68000)を製造した。ここで得た樹脂100質量部をシクロヘキサン80質量部、トルエン80質量部、キシレン80質量部の混合溶剤に溶解し、流延法により厚さ75μmのフィルムを作製した。このフィルムの面内レタデーションは5nmであった(表4)。
iv)耐熱アクリル系樹脂系保護フィルム(参考例5)
特公昭63−1964号公報に記載の方法に従い、メタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体を得た。
得られたメタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体の組成は、メタクリル酸メチル74質量%、無水マレイン酸10質量%、スチレン16質量%であり、共重合体メルトフローレート値(ASTM−D1238;230℃、3.8kg荷重)は1.5g/10分であった。このメタクリル酸メチル−無水マレイン酸−スチレン共重合体を表4に示す条件で成形・延伸し、参考例5の保護フィルムを製造した。
参考例5のフィルムの厚みと面内レタデーションを表4に示す。
接着剤としてポリビニルアルコール系樹脂の10%水溶液を用いて、偏光フィルムの両面に実験例9、10、実施例4、比較例1の位相差フィルム、参考例1〜5の保護フィルムを表5、6に示す組み合わせで貼り合わせ、偏光板を得た。
表5、6より、保護フィルムとして、本発明の位相差フィルムを用いた偏光板は、反りが少なく、高温多湿時の耐久性にも優れることが確認できた。特に、第1面の保護フィルムとして参考例3のフィルムを用いている点で比較例5と共通している実験例18、19、実施例6の偏光板の反りが比較例5の偏光板の反りより小さいのは、第2の面の保護フィルムとして用いたこれらの例の位相差フィルムが水素結合が可能な官能を有し、水分との相互作用があるためであると考えられる。
また、本発明の位相差フィルムと偏光フイルムとを貼合した偏光板は、反射型液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ用の円偏光板として好適に用いることができる。
Claims (11)
- メタクリル酸メチル/アクリル酸アルキルエステル共重合体であるアクリル系樹脂と、
アクリロニトリルの共重合体割合が1〜40質量%であるスチレン/アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸の共重合体割合が0.1〜50質量%のスチレン/メタクリル酸共重合体、及び無水マレイン酸の共重合体割合が0.1〜50質量%のスチレン/無水マレイン酸共重合体、からなる群より選ばれるいずれかであるスチレン系樹脂との合計量100質量部に対して、前記アクリル系樹脂を0.1〜99.9質量部含み、面内レタデーション(Re)が40nm未満であり、厚み方向レタデーション(Rth)が−20nm以下である位相差フィルム。 - 前記アクリル系樹脂と、前記スチレン系樹脂との合計量100質量部に対して、前記アクリル系樹脂を0.1〜99.9質量部含み、Reが40nm未満で、かつ、nx=ny<nzを満足する請求項1に記載の位相差フィルム。
(式中、nx:フィルム面内において屈折率が最大となる方向(遅相軸方向)をxとした場合のx方向の主屈折率、ny:フィルム面内においてx方向に垂直な方向(進相軸方向)をyとした場合のy方向の主屈折率、nz:フィルム厚み方向の主屈折率である。) - 前記アクリル系樹脂、および前記スチレン系樹脂との合計量100質量部に対して、紫外線吸収剤を0.1〜10質量部含む請求項1又は2項に記載の位相差フィルム。
- 前記アクリル系樹脂が、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体である請求項1〜3いずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 前記位相差フィルムの厚み方向レタデーション(Rth)が−90nm以下である請求項1〜4いずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 前記位相差フィルムが、2軸延伸により作製される請求項1〜5いずれか1項に記載の位相差フィルム。
- IPSモードの液晶表示装置用である請求項1〜6のいずれか一項に記載の位相差フィルム。
- 正の固有複屈折を有する樹脂により形成される液晶セル基板を使用した液晶表示装置用である請求項1〜7のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 偏光フィルムの両面に保護フィルムが貼り合わされてなる偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が、請求項1〜8のいずれか1項に記載された位相差フィルムである偏光板。
- 偏光フィルムの両面に保護フィルムが貼り合わされてなる偏光板であって、該保護フィルムの一方が請求項1〜8のいずれか1項に記載された位相差フィルムであり、他方がアクリル系樹脂を含み、スチレン系樹脂を含まない樹脂組成物を成形して得られるフィルムである請求項9に記載の偏光板。
- 偏光フィルムの両面に保護フィルムが貼り合わされてなる偏光板であって、該保護フィルムの両方が、請求項1〜8のいずれか1項に記載された偏光フィルムである請求項9に記載の偏光板。
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