JP5057614B2 - Bi添加用材料および溶鋼へのBi添加方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Bi添加用材料および溶鋼へのBi添加方法に係わり、環境に優しく被削性に優れたPbレス快削鋼の安価な製造方法に関するものである。特にステンレス鋼においてBiの溶解性を著しく促進させると共にBiの蒸発を抑制して製品歩留を大幅に向上させるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高快削性を要求される分野においては、Pb快削鋼が広く使用されてきた。例えば、近年、Mnを低減し、MnSの比率を下げて耐食性を上げると同時に、Pb,Te,Se等の快削元素を添加した高機能快削ステンレス鋼が提案・実用化されいる(例えば、特開平10−237603)。しかしながら、これらPb等の毒性の強い快削元素は、近年の環境問題から、規制される動きが強くなっており、製造ができなくなりつつある。
【0003】
一方、Pbと同じような特性を示すBiは希少元素であるが、毒性が低く、また、耐腐食性も高い。そのため、Bi含有鋼は、環境調和型の高機能快削鋼として有望視されている(例えば、特公平5−45661公報)。しなかながら、Biは溶鋼に難溶解であり、蒸気圧も高い。ステンレス溶鋼に対しては特に難溶解を示す。そのため、高い機能を持ちつつも、溶鋼中でのBiの沈降,鋳片でのBiの偏析,Biの溶鋼添加時の蒸発により製品歩留まりが悪く、製品のコストが高くなることから、あまり実用化されていない。実用鋼においても、Biが溶鋼中に沈降するため、作業性が著しく悪く、安価な連続鋳造は適用されておらず、造塊法により製造されている。
【0004】
そのため、従来、環境に優しいBiを含有した快削鋼の安価製造方法は提案されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のようなBi含有鋼の従来の製造技術の欠点を解消するためになされたものであって、溶鋼中のBiの沈降,鋳片中のBiの偏析,Biの溶鋼添加時のBiの蒸発を抑制するようにBi添加用材料と溶鋼への添加方法を考案し、Pbレスの環境に優しいBi含有鋼(特にステンレス鋼)を安価に提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは、溶鋼に難溶解を示すBiに対して、FeとBiの両方に親和性が強いCu,Sn等との複合のBi添加用材料を考案し、そのBi添加用材料を溶鋼に添加することで、Biの溶解反応を著しく促進させ、また、蒸気圧を低減させることで、Bi含有鋼の製造性を大幅に向上できることを見出し、本発明をなしたのである。
【0007】
すなわち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1) 質量%で、Biを5〜70%含有し、かつCu,Sn,Ag,Mg,Niの1種以上の元素を合計で20%以上含有し、残部が不可避的不純物若しくはFe及び不可避的不純物からなる合金であることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料である。
(2) 質量%で、Biを5〜70%含有し、かつCu,Sn,Ag,Mg,Niの1種以上の元素を合計で20%以上含有し、残部が不可避的不純物若しくはFe及び不可避的不純物からなる混合物であることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料である。
(3)さらに、Ca系酸化物、Na系酸化物、K系酸化物、Mo、N、Cr、Ti、Nb、Zr、V、Ta、S、P、Te、In、Sb、Zn、Si、Ca、Mn、Mg、C、B、REM、Agから1種以上を含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の溶鋼へのBi添加用材料。
(4) 前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のBi添加用材料の周囲が被覆材で覆われていることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料である。
(5) 前記(4)記載の被覆材がCu、炭素鋼,ステンレス鋼,Alのいずれかであることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料である。
(6) Bi単体の周囲がCuの被膜材で覆われていることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料である。
(7) 前記(1)〜(6)記載のBi添加用材料がワイヤーであることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料である。
(8) 前記(1)〜(6)記載のBi添加用材料が粒状塊であることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料である。
(9) 前記(1)〜(8)記載のいずれかのBi添加用材料を溶鋼中に添加することを特徴とする溶鋼へのBi添加方法である。
(10)前記(9)記載の溶鋼中への添加を連続鋳造のタンディッシュ、又はインゴット鋳造の注入流に添加することを特徴とする溶鋼へのBi添加方法である。
(11)前記(9)または前記(10)記載の溶鋼がステンレス鋼であることを特徴とする溶鋼へのBi添加方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、請求項1,2記載の本発明の限定理由について述べる。
Biを溶鋼へ添加する時のBiの蒸気圧を低減し、且つ、溶鋼への溶解性を向上させるには、Bi添加用材料としてFeとBiの両方に親和性のある元素とBiの合金および混合物で溶鋼へ添加することが有効である。種々検討した結果、Cu,Sn,Ag,Mg,Niが効果のある元素であった。この中で、Cu,Sn,Agは鋼中で被削性に効果のある低融点のBi系介在物も生成することから、被削性向上の観点からも有効である。また、Cu,Agは抗菌性の観点からも有効である。
【0009】
ここで、Bi添加用材料中において質量%でBiを5〜70%,Cu,Sn,Ag,Mg,Niの1種以上の元素を合計で20%以上含有していれば、明確な効果が得られた。Bi含有量が5%未満では、必要なBi添加量を得るためのBi添加用材料の添加量が多くなりすぎるので好ましくない。また、Bi含有量を70%以下とすれば、添加用材料の蒸気圧を下げることができ、溶湯への添加時に蒸発・爆発しにくくなるのでBi添加歩留を高めることができるので好ましい。より好ましくは、Bi添加用材料中のBiの重量比が5〜30%,Cu,Sn,Ag,Mg,Niの1種以上が50%以上であれば、その効果は著しい。Bi添加用材料の形態としては、上記組成を有する合金としても混合物としても良いが、混合物よりも合金として添加した方がその効果は大きい。
【0010】
Bi添加用材料中のBi、Cu、Sn、Ag、Mg、Ni以外の含有元素としては、不可避不純物として混入した元素、およびBi添加用材料中のBi含有量を希釈して適正化するために積極的に添加した元素とを含む。不可避的不純物あるいは積極的に添加する元素としては、Ca,Na,K系酸化物等のBi添加用材料を添加する際の潤滑効果のあるものや,Mo,N,Cr,Ti,Nb,Zr,V,Ta等の耐食性向上元素,S,P,Te,In,Sb,Zn等の被削性向上元素,Si,Ti,Ca,Mn,Mg,C等の脱酸元素,B,Ca,REM等の熱間加工性向上元素,Ag等の抗菌性元素、鋼製品の主成分であるFeも含まれることをいう。溶湯へのBi添加用材料の添加量を極力少なくする、あるいは溶湯への意図しない不純物の含有量を少なくする観点からは、Bi添加用材料中のBi、Cu、Sn、Ag、Mg、Ni以外の含有元素は不可避不純物のみとするとより好適である。
【0011】
次に、請求項3〜6記載の本発明の限定理由について述べる。
Bi添加物用材料を溶鋼へ添加するとき、溶鋼湯面で溶解するとBiの蒸発が激しく歩留が悪くなる。Biの蒸発を抑制するため、請求項1,2記載のBi添加用材料およびBi単体の周囲を被覆材で覆い、溶鋼湯面より下方の溶鋼中で溶解するようにBi添加用材料を調整する。この時、被覆材の材質がCu、炭素鋼,ステンレス鋼、Alのいずれであるとその効果が特に大きい。請求項5に記載のBi単体の周囲がCuの被覆材で覆われたBi添加用材料においては、Cu被覆材によってBiの蒸発を防止し、かつBiとCuとが請求項2に記載の混合物として作用する。このため、請求項5に記載の発明において、BiとCuとの含有量は請求項2に記載の範囲とすると好ましい。また、溶鋼へのBi添加の作業性を考えると、被膜したBi添加用材料の形状は、ワイヤーおよび粒状塊が好ましい。
【0012】
次に、請求項7〜8記載の本発明の限定理由について述べる。
Feをベースとした溶鋼の温度は約1600℃前後であり、また、Biは溶鋼に対して難溶解性を示す。そのため、本発明のBi添加用材料を、Feベースの溶鋼へ添加することで発明の効果が発揮される。そのため、本発明のBi添加用材料を溶鋼へ添加することに限定した。
【0013】
また、Bi添加用材料を溶鋼へ添加する場合、取鍋等の製鋼の前工程で添加すると比較的、均一に溶解するが、連続鋳造のタンディッシュ,または、インゴット鋳造の注入流に添加する場合、Biが溶解せずに鋳片でBiが偏析する可能性がある。しかしながら、本発明のBi添加用材料でタンディッシュや注入流に添加すると比較的、容易に均一に溶解した鋳片を得やすい。そのため、本発明のBi添加用材料を連続鋳造のタンディッシュやインゴット鋳造の注入流に添加することに限定した。もちろん、本発明のBi添加用材料を取鍋等の製鋼の前工程で添加しても良い。
【0014】
次に、請求項9記載の本発明の限定理由について述べる。
Crを含有するステンレス鋼では特に、Biが難溶解を示し、前記課題が大きくなる。そのため、Crを含有するステンレス鋼では、本発明の効果が特に大きい。尚、ステンレス鋼の中でもNiを殆ど含有しないフェライト系ステンレス鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼で、その効果は特に大きい。
【0015】
【実施例】
【0016】
【表1】
【0017】
(実施例1)
最初に合金としてBi添加用材料を溶鋼へ添加した場合の実施例を示す。すなわち、請求項1,3〜7の実施例について述べる。
【0018】
表1に示す化学成分の供試鋼を100kg真空溶解し、溶鋼温度が1600〜1650℃で、表2に示すような合金のBi添加用材料を溶鋼上方から添加して、3分後に上方から約300gの溶鋼をサンプリングした。その後、残りを鋳型に鋳造した。
【0019】
溶解後、300gサンプリング材や、鋳片の最トップ,最ボトムから切屑を採取し、Bi量のチェック分析を行い、Biの添加歩留や沈降・偏析を評価した。
Biの添加歩留は、Bi添加量と300gサンプル材のチェック分析値より算出した。Biの沈降・偏析は、鋳片のボトムとトップのBiのチェック分析値の比(=ボトムの値/トップの値)より評価した。
【0020】
すなわち、添加歩留が低く、ボトムとトップの分析値の比が高い場合、Biの沈降・偏析・蒸発が著しいため、製造性が悪く製造コストが大幅にアップになることを意味する。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
これらの試験結果を、表3に示す。本発明例1〜4および比較例19〜21は、炭素鋼の溶鋼の上方から種々の合金系のBi添加用材料を添加した場合の結果を示したものである。本発明例では65〜80%と高いBi添加歩留を示し、また、偏析もなくほぼ均一にBiが分布している。一方、比較例では、Bi添加用材料中のBi含有率が高く、15〜25%と低いBi添加歩留に加え、Biが沈降しており、Biの溶解性に劣っている。
【0024】
本発明例5〜18および比較例22〜26は、ステンレス鋼の溶鋼の上方から種々の合金系のBi添加用材料を添加した場合の結果を示したものである。本発明例では、50〜80%と高いBi歩留を示し、また、偏析もなくほぼ均一にBiが分布している。一方、比較例22,23,25,26では、Bi添加用材料中のBi含有率が高く、10〜25%とBi添加歩留が低いばかりか、Biが沈降しており、Biの溶解性に劣っている。また、比較例24では、Bi添加用材料中のBi含有率が低いため、溶鋼中に溶解したBi濃度が0.01%未満と低い。
【0025】
以上のことから、本発明の合金系のBi添加用材料および被膜を施したBi添加用材料および溶鋼への添加方法の優位性が明らかである。
【0026】
(実施例2)
次に混合物としてBi添加用材料を溶鋼へ添加した場合の実施例を示す。すなわち、請求項2,3,4,6,7の実施例について述べる。
【0027】
表1に示す化学成分の供試材を100kg真空溶解し、溶鋼温度が1600〜1650℃で、表4に示すような混合物のBi添加用材料を、表4中に示すような方法で溶鋼へ添加して、3分後に上方から約300gの溶鋼をサンプリングした。その直後、残りを鋳型に鋳造した。
【0028】
溶解後、300gサンプリング材や、鋳片の最トップ,最ボトムから切屑を採取し、Bi量のチェック分析を行い、実施例1と同様の要領で、Biの添加歩留や沈降・偏析を評価した。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
これらの試験結果をまとめて表5に示す。本発明例27〜29および比較例40〜42は、種々の混合物系のBi添加用材料を炭素鋼の溶鋼へ添加した場合の結果を示したものである。本発明例では50〜70%と高いBi添加歩留を示し、また、偏析もなくほぼ均一にBiが分布している。一方、比較例では、Bi添加用材料中のBi含有率が高く、30〜35%と低いBi添加歩留に加え、Biが沈降しており、Biの溶解性に劣っている。
【0032】
本発明例30〜39および比較例43〜46は、種々の混合物系のBi添加用材料をステンレス溶鋼へ添加した場合の結果を示したものである。本発明例では、50〜65%と高いBi歩留を示し、また、偏析もなくほぼ均一にBiが分布している。一方、比較例44〜46では、Bi添加用材料中のBi含有率が高く、20〜25%とBi添加歩留が低いばかりか、Biが沈降しており、Biの溶解性に劣っている。また、比較例40では、Bi添加用材料中のBi含有率が低いため、溶鋼中に溶解したBi濃度が0.01%未満と低い。
【0033】
さらに、Bi添加用材料としてBiを6%、Cuを25%含有し残部がFeおよび不可避不純物からなる混合物をCu被覆したワイヤーを用い、ステンレス鋼E中に製品のBi濃度0.06%となるように添加した。その結果、Bi添加歩留は70%、Bi偏析は1であり、Bi系介在物も見られず良好な成績を得た。
【0034】
以上のことから、本発明の混合物系のBi添加用材料および被膜を施したBi添加用材料および溶鋼への添加方法の優位性が明らかである。ここで、本発明の混合物系のBi添加用材料よりも合金系のBi添加物材料の方が、Biの添加歩留が高く、特にその効果が著しい。
【0035】
(実施例3)
次に、Bi添加用材料を、連続鋳造のタンディッシュおよびインゴット鋳造の注入流に添加した場合の実施例を示す。すなわち、請求項8〜10の実施例について述べる。
【0036】
表1中の鋼Eの成分を実機のAOD・取鍋にて溶製し、連続鋳造およびインゴット鋳造を行った。Bi添加用材料の種類および添加方法を表6に示す。
【0037】
連続鋳造の場合、タンディッシュで、表6に示すワイヤーのBi添加用材料を上方から添加した。そして、鋳造後、定常部の鋳片のチェック分析を行い、Biの添加歩留を計算した。また、Biの溶解性を評価するために、鋳片の横断面を鏡面研磨し、拡大鏡および顕微鏡観察によりBi系介在物のサイズを調査し、直径が5mm以上の巨大な粒状Bi系介在物があるか否かを確認した。直径が5mm以上の粒状Bi系介在物がある時は、Biの溶解性が悪く、Biの沈降・偏析があると評価した。
【0038】
また、インゴット鋳造の場合、その注入流に、表6に示す粒塊状のBi添加用材料を添加した。そして、鋳造後、インゴット鋳片中央部のチェック分析を行い、Biの添加歩留を計算した。また、Biの溶解性を評価するために、インゴット鋳片中央部の横断面を鏡面研磨し、拡大鏡および顕微鏡観察によりBi系介在物のサイズを調査した。直径が5mm以上の粒状Bi系介在物がある時は、Biの溶解性が悪く、Biの沈降・偏析があると評価した。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
これらの試験結果をまとめて表7に示す。本発明例47,48と比較例50は連続鋳造のタンディシュにBi添加用材料を添加した場合の結果を示したものである。本発明例では、Bi添加歩留が60〜70%と高い値を示し、また、偏析もなくほぼ均一にBiが分布している。一方、比較例50では、Bi添加用材料がBi単体であり、Bi添加歩留が30%と低いばかりか、巨大粒状Biが生成しており、Biの溶解性に劣っている。
【0042】
本発明例49と比較例51はインゴット鋳造の注入流にBi添加用材料を添加した場合の結果を示したものである。本発明例では、Biの添加歩留が85%と高い値を示し、また、偏析もなくほぼ均一にBiが分布している。一方、比較例51では、Bi添加用材料がBi単体であり、Bi添加歩留が40%と低いばかりか、巨大粒状Biが生成しており、Biの溶解性に劣っている。
【0043】
以上のことから、本発明のBi添加用材料および連続鋳造のタンディッシュおよびインゴット鋳造の注入流への添加の優位性が明らかである。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、溶鋼に難溶解性を示すBiに対して、溶鋼とBiの両方に親和性が強いCu,Sn等との複合物(合金,混合物)で溶鋼に添加することで、Biの溶解反応を著しく促進でき、Biの沈降,偏析,蒸発を抑制でき、Biを含有する鋼の製造性を大幅に向上できるものである。
Claims (11)
- 質量%で、Biを5〜70%含有し、かつCu,Sn,Ag,Mg,Niの1種以上の元素を合計で20%以上含有し、残部が不可避的不純物若しくはFe及び不可避的不純物からなる合金であることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料。
- 質量%で、Biを5〜70%含有し、かつCu,Sn,Ag,Mg,Niの1種以上の元素を合計で20%以上含有し、残部が不可避的不純物若しくはFe及び不可避的不純物からなる混合物であることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料。
- さらに、Ca系酸化物、Na系酸化物、K系酸化物、Mo、N、Cr、Ti、Nb、Zr、V、Ta、S、P、Te、In、Sb、Zn、Si、Ca、Mn、Mg、C、B、REM、Agから1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶鋼へのBi添加用材料。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のBi添加用材料の周囲が被覆材で覆われていることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料。
- 請求項4記載の被覆材がCu、炭素鋼,ステンレス鋼、Alのいずれかであることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料。
- Bi単体の周囲がCuの被膜材で覆われていることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のBi添加用材料がワイヤーであることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のBi添加用材料が粒状塊であることを特徴とする溶鋼へのBi添加用材料。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載のBi添加用材料を溶鋼中に添加することを特徴とする溶鋼へのBi添加方法。
- 溶鋼中への添加を連続鋳造のタンディッシュ、又はインゴット鋳造の注入流に添加することを特徴とする請求項9記載の溶鋼へのBi添加方法。
- 溶鋼がステンレス鋼であることを特徴とする請求項9または請求項10記載の溶鋼へのBi添加方法。
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