JP5057436B2 - サスペンション装置 - Google Patents
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Description
(1)ゴムブッシュにおけるサスペンションアームへの圧縮荷重が作用した際に圧縮される領域にすぐり(空間部)を形成し、バネ定数に非線形特性を持たせる(例えば、特許文献1参照)。
(2)非線形特性を有するゴムブッシュの剛性を確実に切り替えるため、すぐりを形成するとともに内筒をすぐり側へ偏芯して配置する(例えば、特許文献2参照)。
(3)サスペンション装置支持用のサブフレームのマウントブッシュにおいて、騒音、振動特性を向上するため、非線形特性を持たせるとともに、その変曲点(バネ定数が切り替わる変位)を内向き入力と外向き入力とで異ならせる(例えば、特許文献3参照)。
上述した問題点に鑑み、本発明の課題は、コンプライアンスステアによって車両姿勢が前下がりとなるロールモードを得られるサスペンション装置を提供することである。
請求項1の発明は、車両の前輪を回転可能に支持する車輪ハブ支持体と、車体側支持部及び前記車輪ハブ支持体に対してそれぞれ揺動可能に接続されたサスペンションアームと、一方の端部を前記サスペンションアームと前記車輪ハブ支持体との接続箇所よりも車両前方側において前記車輪ハブ支持体に接続されるとともに、他方の端部をステアリングギアボックスに接続されたタイロッドと、前記サスペンションアームと前記車体側支持部又は前記車輪ハブ支持体との接続部の少なくとも一方に設けられ、前記サスペンションアームに作用する引張力及び圧縮力に応じて変形する弾性体を有する弾性体ブッシュとを備えるサスペンション装置において、前記弾性体ブッシュの前記サスペンションアームの引張力及び圧縮力に対するバネ定数は、前記引張力が前記前輪の接地荷重に起因する初期引張力よりも大きい領域で前記引張力が前記初期引張力よりも小さい領域よりも増加する非線形特性を有し、前記バネ定数が局所的に変化する変曲点における引張力が前記初期引張力とほぼ一致することを特徴とするサスペンション装置である。
前記弾性体ブッシュの前記弾性体は、前記サスペンションアームに引張力が作用した際に圧縮される部分の圧縮方向における厚みを、前記サスペンションアームに圧縮力が作用した際に圧縮される部分の圧縮方向における厚みよりも薄くしたこと
を特徴とするサスペンション装置である。
(1)前輪用サスペンションの弾性体ブッシュのサスペンションアームの引張力及び圧縮力に対するバネ定数を、引張力が車輪の接地荷重に起因する初期引張力よりも大きい領域で引張力が初期引張力よりも小さい領域よりも増加する非線形特性を有するようにしたことによって、車輪からの横力(コーナリングフォース)によってサスペンションアームの引張力が減少し、又は、サスペンションアームが圧縮される旋回外輪側では弾性体ブッシュのバネ定数が低い状態となることから、弾性体ブッシュがたわむことによりトーアウト側へ実舵角が切り戻されるコンプライアンスステアが増大する。一方、サスペンションアームの引張力が初期引張力よりもさらに増加する旋回内輪側では、弾性体ブッシュのバネ定数が高くなることから、弾性体ブッシュがたわんでトーイン側に実舵角が切り戻されるコンプライアンスステアが抑制される。
この結果、旋回内輪においては、旋回外輪よりもタイヤのスリップアングルが相対的に増加し、これに応じてコーナリングフォースも増大する。このため、内輪側サスペンションにおけるジャッキダウン効果が増大するとともに、外輪側サスペンションにおけるジャッキアップ効果が抑制され、車両を前下がりとするピッチング方向の挙動を伴うロールモードとなり、良好なロール感を得ることができる。
また、タイロッドを車軸よりも前方に配置した場合には、アッカーマンジオメトリの設定が難しくパラレルステア傾向となり、大転舵時に内外輪とも内向きコーナリングフォースが強く発生してステアリングの巻き込み現象が生じやすい。しかし、本発明によれば、内外輪にトーアウト方向の変化を生じさせることによって、パラレルステア特性からアッカーマンステア特性に近づけ、巻き込み現象を緩和することができる。これによって、タイヤの偏磨耗も改善することができる。
この結果、旋回内輪においては旋回外輪よりもタイヤのスリップアングルが相対的に増加し、これに応じてコーナリングフォースも増大する。このため、内輪側サスペンションにおけるジャッキダウン効果が増大するとともに、外輪側サスペンションにおけるジャッキアップ効果が抑制され、車両を前下がりとするピッチング方向の挙動を伴うロールモードとなり、良好なロール感を得ることができる。
この結果、旋回外輪においては旋回内輪よりもタイヤのスリップアングルが相対的に増加し、これに応じてコーナリングフォースも増大する。このため、外輪側サスペンションにおけるジャッキアップ効果が増大するとともに、内輪側サスペンションにおけるジャッキダウン効果が抑制され、車両を後ろ上がり(前下がり)とするピッチング方向の挙動を伴うロールモードとなり、良好なロール感を得ることができる。
実施例1において、車両は例えば乗用車等の自動車であって、サスペンション装置は、前輪用のマクファーソンストラット式のものである。
図1は、サスペンション装置を車体床下側の前方側から見た状態を示す外観斜視図である。
図2は、サスペンション装置を車体床下側の車幅方向中央部側から見た状態を示す外観斜視図である。
図3は、サスペンション装置を車両前方側から見た状態を示す模式的正面図である。
フロントクロスメンバ2は、車体1のメインフレーム下部に装着され、車幅方向に延在する梁状の部材であって、サスペンション装置を構成する各部材が装着される基部となるものである。
ストラットアッシー20は、コイルスプリング及びショックアブソーバをアセンブリ化したものであって、上端部は車体に固定され、下端部はハウジング10の上端部に固定されている。ストラットアッシー20は、前輪の転舵時にハウジング10とともに転舵軸回りに回転し、また、サスペンション装置のストロークに応じて伸縮する。
ロワアーム30は、車体側においては、車両の前後方向に離間して配置された2箇所の接続部において車体1等に接続され、サスペンション装置のストロークに応じて、この2箇所の接続部を結んだ直線である揺動中心軸回りに揺動(回転)する。ロワアーム30の前側の接続部はフロントクロスメンバ2の側端部に接続され、後側の接続部は、フロントクロスメンバ2を介さず車体1に接続されている。
ロワアーム30はほぼL字状に屈曲して形成されており、前後の車体等との接続部にはそれぞれゴムブッシュが設けられている。このうち、前側のゴムブッシュ100については、後に詳しく説明する。
ロワアーム30には、前後のゴムブッシュの外筒がそれぞれ圧入される円筒部32,33がそれぞれ設けられている。前側の円筒部32は、その軸方向を車両の前後方向とほぼ一致させて配置されている。前側ゴムブッシュ100は、外筒をこの円筒部32に圧入されるとともに、その内筒内に挿入されるボルトによってフロントクロスメンバ2に接続されている。後側の円筒部33は、その軸方向がほぼ上下方向に配置されている。
また、ロワアーム30は、図3に示すように、車両の静止時に車両の前方側から見たときに、車輪側(車幅方向外側)の端部が車体側(車幅方向内側)の端部よりも低くなるように下反角をつけて配置されている。
ステアリングギアボックス51は、ステアリングホイールに接続された図示しないステアリングシャフトの回転運動を車幅方向の直進運動に変換するラックアンドピニオン機構を備えている。
タイロッド52は、ステアリングギアボックス51とハウジング10の前端部とを接続し、図示しないステアリングラックの動きをハウジング10に伝達し、ハウジング10の操向を行うロッド状の部材である。タイロッド52は、その車幅方向外側の端部であるタイロッドエンドに設けられたボールジョイントを介して、ハウジング10の前端部に接続されている。なお、タイロッド52は、その中間部にボールジョイントと例えばポリアセタール等の弾性材料によって形成されたボールシートとを備え、主にボールシートの弾性変形により、圧縮荷重又は引張荷重が作用した場合には、わずかに伸縮するようになっている。
フロントブレーキ60は、例えば車輪とともに回転するロータ、及び、このロータをブレーキパッドで挟持するキャリパを有するベンチレーテッドディスクブレーキである。
ドライブシャフト70は、図示しないディファレンシャルギアからハウジング10に装着された図示しないホイールハブに駆動力を伝達するものであり、その両端部には等速ジョイントが設けられ屈曲可能となっている。
サポートプレート80は、ゴムブッシュ100の下部を支持する部材である。
ゴムブッシュ100は、ロワアーム30の前側の円筒部32に圧入されて使用されるものであって、外筒110、内筒120、ゴム部130を備えている。
外筒110は、例えば金属等のゴム部130よりも硬度が高い硬質材料によって円筒状に形成され、ロワアーム30の円筒部32に圧入され固定される部分である。
内筒120は、硬質材料によって形成され、外筒110の内径側に挿入される部材である。内筒120には、ゴムブッシュ100をフロントクロスメンバ2に固定するボルトが挿入されるボルト孔121が形成されている。このボルト孔121は、外筒110に対してほぼ同心に配置される。
また、外筒110の内周面と対向する内筒120の外周面部には、外筒110側へ張り出して形成された張出部122が設けられている。張出部122は、ボルト孔121の中心軸から見て、ボールジョイント31とは反対側の方向に設けられている。また、張出部122が外筒110の内周面と最も近接する突端部においては、その表面は平面又は緩い曲率をもった凸面として形成されている。
ここで、ゴム部130のゴムブッシュ100の径方向における厚みは、上述した内筒120の張出部122が設けられた領域(ロワアーム30に引張荷重が作用した際に圧縮される領域)においては他の部分(ロワアーム30に圧縮荷重が作用した際に圧縮される領域等)よりも薄くなっている。
図5において、横軸はロワアーム30の引張又は圧縮方向における外筒110に対する内筒120の変位を示しており、右側が引張側(旋回内輪側)、左側が圧縮側(旋回外輪側)を示している。
一方、縦軸はロワアーム30の引張又は圧縮方向における荷重を示しており、上側が引張荷重、下側が圧縮荷重を示している。
以下、このときにロワアーム30に負荷される引張荷重を初期引張荷重と称し、この初期引張荷重が負荷された際の内筒120の外筒110に対する位置を初期位置と称して説明する。
なお、本明細書等において、「変曲点」とは、バネ定数特性を示す曲線の傾きが局所的に変化している箇所を指すものとし、このような変曲点は、例えば特性曲線を線形近似して得られた直線の交点や、あるいはバネ定数を変位又は荷重で二階微分した際のピーク位置に基づいて求めることができる。
実施例1のゴムブッシュ100においては、上述した変曲点における引張荷重を、初期引張荷重とほぼ一致させている。そして、この初期引張荷重よりも引張荷重が大きい領域(旋回内輪側で用いられる領域)では、他の領域(旋回外輪側で用いられる領域)よりもバネ定数が大きくなっている。
比較例1のサスペンション装置は、実施例1のサスペンション装置のゴムブッシュ100に代えて、以下説明するゴムブッシュを備えている。
図6は、比較例1のゴムブッシュのバネ特性を示すグラフである。
比較例1のゴムブッシュは、引張荷重、圧縮荷重の増加に応じてバネ定数が増加する非線形特性を有し、さらに、圧縮荷重に対するバネ定数が引張荷重に対するバネ定数よりも大きく設定されている。しかし、初期引張荷重の近傍の荷重範囲においては変曲点は存在せず、その結果、初期引張荷重の前後ではバネ定数はほぼ一定となっている。
このため、車両が直進状態から操舵が開始された直後の旋回初期においては、旋回外輪側と旋回内輪側とでゴムブッシュのバネ定数はほぼ同じとなる。
旋回時において、外輪側ではコーナリングフォースによってゴムブッシュ100が変形し、ロワアーム30が押し込まれると、その前方側に配置されたタイロッド52との横方向変位量の差によるトーアウト方向(舵角切り戻し方向)へのトー変化が発生するが、実施例1においては、旋回外輪側におけるゴムブッシュ100のバネ定数が内輪側よりも相対的に低いことから、このようなトーアウト傾向はより強くなる。
この結果、車両を前下がりとするピッチング方向の挙動を伴うロールモードとなり、良好なロール感を得ることができる。
また、タイロッドを車軸よりも前方に配置した場合には、アッカーマンジオメトリの設定が難しくパラレルステア傾向となり、大転舵時に内外輪とも内向きコーナリングフォースが強く発生してステアリングの巻き込み現象が生じやすい。しかし、本発明によれば、内外輪にトーアウト方向の変化を生じさせて巻き込み現象を緩和することができる。これによって、タイヤの偏磨耗も改善することができる。
実施例2のサスペンション装置は、実施例1のサスペンション装置において、ロワアーム30の前側ブッシュとして上述したゴムブッシュ100に代えて単純円筒形状の内筒を有するゴムブッシュを備え、また、タイロッド52に代えて以下説明するタイロッド200を備えたものである。
図7は、タイロッド200のステアリングギアボックス51との接続部の拡大断面図である。
タイロッド200は、ロッド部210、ボール部220、ソケット部230、ボールシート240等を備えている。
ボール部220は、ロッド部210のステアリングギアボックス51側(車幅方向内側)の端部に設けられた球状の部分であって、ロッド部210と一体に形成されている。
ソケット部230は、ボール部220が挿入されて保持されるカップ状の部材であって、そのステアリングギアボックス51側の端部には、ステアリングギアボックス51側との接続に用いられるボルト部231が突き出している。
ボールシート240の内面は、ボール部220の外周面に適合した曲率を有する凹面状に形成され、これらの間には不可避的に設定される微小な隙間のみが設けられている。
ボールシート240の外面は、その大部分においてソケット部230の内面と当接しているが、ボールシート240のステアリングギアボックス51側(ボルト部231側)の端面には、ボール部220側へ奥まって形成された凹部241が設けられている。
この凹部241が形成されていることによって、ボールシート240のステアリングギアボックス51側の端面とソケット部230の対向する内面との間には、空隙Sが形成されている。
これらのボール部220、ソケット部230、ボールシート240は、本発明の弾性体ジョイントを構成する。
図8において、横軸はタイロッド200の引張又は圧縮方向におけるロッド210に対するソケット230の変位を示しており、右側が引張側(旋回外輪側)、左側が圧縮側(旋回内輪側)を示している。
一方、縦軸はタイロッド200の引張又は圧縮方向における荷重を示しており、上側が引張荷重、下側が圧縮荷重を示している。
以下、このときにタイロッド200に負荷される圧縮荷重を初期圧縮荷重と称し、この初期圧縮荷重が負荷された際のロッド210のソケット部230に対する位置を初期位置と称して説明する。
実施例2のボールシート230においては、上述した変曲点における圧縮荷重を、初期圧縮荷重とほぼ一致させている。そして、この初期圧縮荷重よりも圧縮荷重が大きい領域(旋回内輪側で用いられる領域)では、他の領域(旋回外輪側で用いられる領域)よりもバネ定数が大きくなっている。
比較例2のサスペンション装置は、実施例2のサスペンション装置のタイロッド200に代えて以下説明するタイロッド200Aを備えている。
図9は、比較例2のサスペンション装置におけるタイロッド200Aの断面図である。
タイロッド200Aは、実施例2のタイロッド200におけるボールシート240に代えて、ステアリングギアボックス51側の端面がソケット230の内面と当接したボールシート240Aを備えている。
このようなタイロッド200Aにおいては、図8に示すような初期圧縮力近傍に変曲点を有する非線形特性を持たないことから、初期圧縮力近傍の荷重範囲におけるバネ定数(剛性)はほぼ一定となる。このため、旋回内輪側での圧縮力増加量と旋回外輪側での圧縮力減少(引張力増加)量とが同等の場合には、タイロッドの伸縮量もほぼ同等になる。
この結果、車両を前下がりとするピッチング方向の挙動を伴うロールモードとなり、良好なロール感を得ることができる。
また、内外輪にトーアウト方向の変化を生じさせてタイロッドを車軸よりも前方に配置していることによって生ずる巻き込み現象を緩和し、タイヤの偏磨耗も改善することができる。
実施例3のサスペンション装置は、実施例1のサスペンション装置のタイロッド52に代えて、実施例2のサスペンション装置のタイロッド200を備えたものである。
実施例3のサスペンション装置によれば、実施例1と同様の効果、及び、実施例2と同様の効果の相乗作用によって、車両の頭下げを伴うロールモードをより確実に得ることができる。
実施例4のサスペンション装置は、例えば乗用車等の自動車の後輪用サスペンションとして用いられるデュアルリンク(パラレルリンク)ストラット式サスペンションである。
図10は、サスペンション装置を上方から見た状態を示す模式的平面図である。
図11は、サスペンション装置を車両前方側から見た状態を示す模式的正面図(ただし、トレーリングアーム330は図示省略)である。
フロントラテラルアーム(トランスバースリンク)310及びリアラテラルアーム(トランスバースリンク)320は、後輪用のハブベアリングを収容する図示しないハウジングと図示しない車体又はサブフレーム等の車体側構造部材(以下「車体」と総称する)との間にわたして設けられ、上方からみたときにほぼ車幅方向に沿って延在するサスペンションアームである。これらはほぼ並行して車両の前後方向に離間して配置されている。
また、フロントラテラルアーム310及びリアラテラルアーム320は、車両の静止時に車両の前方側から見たときに、車輪側(車幅方向外側)の端部が車体側(車幅方向内側)の端部よりも低くなるように下反角をつけて配置されている。
また、リアラテラルアーム320も、車体側、ハウジング側の端部にそれぞれ車体側ブッシュ321、ハウジング側ブッシュ322を備えている。
フロントラテラルアーム310の車体側ブッシュ311は、上述した実施例1のゴムブッシュ100と同様の構造及び特性を備えている。すなわち、車体側ブッシュ311は、フロントラテラルアーム310への引張荷重、圧縮荷重の増加に応じてバネ定数が増加する非線形特性を有するとともに、引張側においては車輪の接地荷重に起因する初期引張荷重の付近にバネ定数の変曲点を有する。そして、初期引張荷重よりも引張荷重が大きい領域では他の領域よりもバネ定数が大きく設定されている。
一方、フロントラテラルアーム310のハウジング側ブッシュ312、及び、リアラテラルアーム320の車体側ブッシュ321、ハウジング側ブッシュ322には、初期引張荷重付近におけるバネ定数がほぼ一定の一般的なゴムブッシュが適用される。
ストラットアッシー340は、上述した実施例1のストラットアッシー20と同様に、コイルスプリング及びショックアブソーバをアセンブリ化したものであって、上端部は車体に固定され、下端部はハウジングの上端部に固定されている。
なお、このような後輪用サスペンション装置を上述した実施例1乃至実施例3の前輪用サスペンション装置と組み合わせて使用することによって、相乗効果により車両の頭下げ方向のピッチングを伴うロールモードをより確実に得ることができる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)本発明が適用されるサスペンション装置の形式は、各実施例のようなマクファーソンストラット式サスペンションやデュアルリンクストラット式サスペンションに限らず、例えばダブルウィッシュボーン式やマルチリンク式等の他の形式のサスペンション装置にも適用することができる。
(2)サスペンションの弾性体ブッシュやタイロッドの弾性体ジョイントに所望の非線形特性を与える手段は、上述した各実施例に限定されず、適宜変更することができる。例えば、弾性体ブッシュにすぐりを形成したり、中間板(インターリーフ)等の硬質部材を埋設してもよい。また、これら複数の手段を組み合わせて用いてもよい。
(3)各実施例においては、初期引張荷重近傍に変曲点を有する非線形特性の弾性体ブッシュをサスペンションアームと車体側との接続部に設けているが、これに限らず、このようなブッシュをハウジングやスピンドル等の車輪ハブ支持体との接続部に設けたり、車体側との両側に設けてもよい。
2 フロントクロスメンバ
FW 前輪
10 ハウジング
20 ストラットアッシー
30 ロワアーム
31 ボールジョイント
32,33 円筒部
40 スタビライザ
41 リンク
50 ステアリングシステム
51 ステアリングギアボックス
52 タイロッド
60 フロントブレーキ
100 ゴムブッシュ
110 外筒
120 内筒
122 張出部
130 ゴム部
200 タイロッド
210 ロッド部
220 ボール部
230 ソケット部
240 ボールシート
241 凹部
S 空隙
RW 後輪
310 フロントラテラルアーム
311 車体側ブッシュ
312 ハウジング側ブッシュ
320 リアラテラルアーム
321 車体側ブッシュ
322 ハウジング側ブッシュ
330 トレーリングアーム
340 ストラットアッシー
Claims (7)
- 車両の前輪を回転可能に支持する車輪ハブ支持体と、
車体側支持部及び前記車輪ハブ支持体に対してそれぞれ揺動可能に接続されたサスペンションアームと、
一方の端部を前記サスペンションアームと前記車輪ハブ支持体との接続箇所よりも車両前方側において前記車輪ハブ支持体に接続されるとともに、他方の端部をステアリングギアボックスに接続されたタイロッドと、
前記サスペンションアームと前記車体側支持部又は前記車輪ハブ支持体との接続部の少なくとも一方に設けられ、前記サスペンションアームに作用する引張力及び圧縮力に応じて変形する弾性体を有する弾性体ブッシュと
を備えるサスペンション装置において、
前記弾性体ブッシュの前記サスペンションアームの引張力及び圧縮力に対するバネ定数は、前記引張力が前記前輪の接地荷重に起因する初期引張力よりも大きい領域で前記引張力が前記初期引張力よりも小さい領域よりも増加する非線形特性を有し、前記バネ定数が局所的に変化する変曲点における引張力が前記初期引張力とほぼ一致すること
を特徴とするサスペンション装置。 - 請求項1に記載のサスペンション装置において、
前記弾性体ブッシュの前記弾性体は、前記サスペンションアームに引張力が作用した際に圧縮される部分の圧縮方向における厚みを、前記サスペンションアームに圧縮力が作用した際に圧縮される部分の圧縮方向における厚みよりも薄くしたこと
を特徴とするサスペンション装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のサスペンション装置において、
前記タイロッドに設けられ、前記タイロッドに作用する圧縮力及び引張力に応じて変形する弾性体を有する弾性体ジョイントを備え、
前記弾性体ジョイントの前記タイロッドの圧縮力及び引張力に対するバネ定数は、前記圧縮力が前記前輪の接地荷重に起因する初期圧縮力よりも大きい領域で前記圧縮力が前記初期圧縮力よりも小さい領域よりも増加する非線形特性を有すること
を特徴とするサスペンション装置。 - 請求項3に記載のサスペンション装置において、
前記弾性体ジョイントの前記弾性体は、無負荷状態では該弾性体の内部又は該弾性体と隣接する部材との間に、前記タイロッドの長手方向に間隔を隔てて対向する面部を有する空隙部を形成し、該対向する面部は前記タイロッドに前記初期圧縮力とほぼ同じ圧縮力が作用したときに前記弾性体の変形により当接すること
を特徴とするサスペンション装置。 - 車両の後輪を回転可能に支持する車輪ハブ支持体と、
一方の端部を前記車輪ハブ支持体に接続され、他方の端部を車体側支持部に対して揺動可能に接続された前側サスペンションアームと、
一方の端部を前記車輪ハブ支持体の前記前側サスペンションアームとの接続部よりも後方側に接続され、他方の端部を車体側支持部の前記前側サスペンションアームとの接続部よりも後方側において車体側支持部に対して揺動可能に接続された後側サスペンションアームと、
前記前側サスペンションアームと前記車体側支持部又は前記車輪ハブ支持体との接続部の少なくとも一方に設けられ、前記前側サスペンションアームに作用する引張力及び圧縮力に応じて変形する弾性体を有する弾性体ブッシュと
を備えるサスペンション装置において、
前記弾性体ブッシュの前記前側サスペンションアームの引張力及び圧縮力に対するバネ定数は、前記引張力が前記後輪の接地荷重に起因する初期引張力よりも大きい領域で前記引張力が前記初期引張力よりも小さい領域よりも増加する非線形特性を有し、前記バネ定数が局所的に変化する変曲点における引張力が前記初期引張力とほぼ一致すること
を特徴とするサスペンション装置。 - 請求項5に記載のサスペンション装置において、
前記弾性体ブッシュの前記弾性体は、前記前側サスペンションアームに引張力が作用した際に圧縮される部分の圧縮方向における厚みを、前記前側サスペンションアームに圧縮力が作用した際に圧縮される部分の圧縮方向における厚みよりも薄くしたこと
を特徴とするサスペンション装置。 - 前輪用として請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のサスペンション装置を備え、
後輪用として請求項5又は請求項6に記載のサスペンション装置を備えること
を特徴とするサスペンション装置。
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