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JP5048719B2 - 眼鏡レンズ製造方法および製造システム - Google Patents

眼鏡レンズ製造方法および製造システム Download PDF

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Description

本発明は、眼鏡レンズの光学性能や面形状を評価する技術を使用した眼鏡レンズ製造方法および製造システムに関する。
眼鏡レンズの製造、加工は、設計者からの最適化された仕様に沿って行なわれるが、出来上がった眼鏡レンズが仕様通りにできているかどうかを製造後に評価する必要がある。眼鏡レンズの光学性能を測定する方法としてレンズメータにより測定する方法がある。レンズメータでの測定は、レンズ面に垂直に平行光束を投射して度数などを測定する。また、加入度を測定するレンズメータも知られている。これらレンズメータによる測定はスポットでの測定が一般的である。
近年、周辺視野(収差)の最適化が重要視されるようになり、レンズの広い領域に渡った光学性能の評価が求められている。また、設計データに基づいて製造されたレンズが、設計データに対してどの程度誤差があるかを調べることは、製品の品質を管理する上で重要である。また、レンズの形状は、同じ処方に対するものであってもその面形状や材質など多種存在する上、各顧客への個別対応化が進んでいることからレンズ形状は多種多様化している。この個別対応の場合、受注の際に示された処方とそれ以外のパラメータ(例えば、枠入形状、レンズ材質、レンズ肉厚など)によりレンズ形状が決定され、その設計値に基づいてレンズの加工が行なわれ、顧客に納品されるが、検査に要する時間と手間を減らし、レンズ形状の決定から納品までの期間をさらに短くすることが望まれている。
しかしながら、前記レンズメータを使ってレンズの広い範囲について光学性能を測定し設計値との比較を行うには、前述した通りレンズメータによる測定がスポットでの測定であるため、多くのポイントについて測定しなければならず、測定に時間と手間がかかるという問題がある。また、レンズメータで測定される値は度数(屈折力)であるのに対し、設計値は3次元形状データであるため、設計値とレンズメータにより実測された度数とを簡単に比較することはできない。このような比較を行なうには、設計値である3次元形状データにおける各位置の度数をあらかじめ計算しておき、レンズメータで実測した度数と比較するという方法が考えられる。しかし、前述のとおり、個別対応化の進展によりレンズが多種多様化しているため、すべてのレンズについてしかも広い領域について度数をあらかじめ計算しておくことは現実的には困難である。
これに対して、近年、眼鏡レンズの広い領域にわたって光学特性を測定、評価する装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載されているようなレンズの3次元形状を測定する評価装置が知られている。しかしながら、この評価装置では、接触式の3次元測定器を用いるため、測定に時間がかかるという問題点があった。
また、特許文献2、特許文献3に記載の装置のように非接触でレンズの3次元形状や度数分布を測定する装置も知られている。このような装置の場合、レンズの広範囲の光学特性を短時間に測定できるが、測定値と設計値を比較するには、あらかじめ設計値における光学特性を計算しておく必要があるため、多種多様のレンズすべてについて計算しておくことが難しいという問題点があった。
また、眼鏡用プラスチックレンズ成形に使用されるモールドはガラスからなり、その成形面はプラスチックレンズに転写されるので、モールドの成形面はガラスレンズと同様の高い面精度を有している必要がある。したがって、モールドの面形状を測定、評価する必要があるが、モールドを評価する場合にもレンズと同様の問題点があった。
特開2000−186978号公報 特表平10−507825号公報 特開平8−304228号公報
以上のように、特許文献1に記載された評価装置では、測定に時間がかかり、結果としてレンズの製造に時間がかかるという問題点があった。
また、特許文献2、特許文献3に記載された装置では、レンズの広範囲の光学特性を短時間に測定できるが、測定値と設計値を比較するには、あらかじめ設計値における光学特性を計算しておく必要があるため、多種多様のレンズすべてについて計算しておくことが難しいという問題点があった。
本発明の目的は、以上の点に鑑み、眼鏡レンズの設計値に基づく光学性能と製造された眼鏡レンズの光学性能とをレンズの広範囲について短時間に比較することができ、結果としてレンズの製造時間を短縮することができる眼鏡レンズ製造方法および製造システムを提供することにある。
本発明は、眼鏡レンズの発注側からの注文データに基づき眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズ製造方法において、前記注文データに基づきレンズを切削、研磨する手順と、この切削、研磨を終えた受注レンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいて前記受注レンズの度数分布を算出する手順と、前記注文データに基づく受注レンズの設計値から設計レンズ度数分布を算出する手順と、前記設計レンズ度数分布に対する実際の度数分布の誤差分布を算出して、レンズを評価する手順とを備え、前記設計レンズ度数分布を算出する手順は、前記設計値に基づいて前記レンズの光学特性を模した設計レンズ空間モデルを構築する設計レンズ空間モデル構築手順と、前記設計レンズ空間モデルの第2面の前記測定点と同一位置に、前記光路測定した出射光と正反対の光を入射させたと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出する光出射位置算出手順と、前記設計レンズ空間モデルの前記算出した光出射位置に前記光路測定のときと同じ光を照射したと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出する出射光光路算出手順と、この算出した出射光の光路に基づいて前記設計レンズ空間モデルの度数分布を算出する手順とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の眼鏡レンズ製造システムは、眼鏡レンズの発注側に設置されたコンピュータと、この発注側コンピュータから送られてくる注文データを受信可能に接続された製造側コンピュータと、前記注文データに基づく受注レンズの設計値を記憶する記憶手段と、前記注文データに基づいて製造された受注レンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいて前記受注レンズの度数分布を算出する度数分布測定装置と、前記設計値に基づいて度数分布を算出する設計レンズ度数分布算出手段と、前記設計レンズ度数分布算出手段によって算出された度数分布に対する前記度数分布測定装置によって測定された度数分布の誤差分布を算出する誤差分布算出手段とを有し、前記設計レンズ度数分布算出手段は、前記設計値に基づいて前記レンズの光学特性を模した設計レンズ空間モデルを構築する設計レンズ空間モデル構築手段と、前記設計レンズ空間モデルの第2面の前記測定点と同一位置に、前記光路測定された出射光と正反対の光を入射させたと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出する光出射位置算出手段と、前記設計レンズ空間モデルの前記算出された光出射位置に、前記度数分布測定装置による測定時と同じ光を照射したと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出する出射光光路算出手段と、この算出された出射光の光路に基づいて前記設計レンズ空間モデルの度数分布を算出する手段とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明は、同一仕様の眼鏡レンズを複数製造する眼鏡レンズ製造方法において、製造するレンズの仕様を示す製造指示データに基いてレンズを成型する手順と、この成型されたレンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいて前記レンズの度数分布を算出する手順と、前記製造指示データに基づくレンズの設計値から設計レンズ度数分布を算出する手順と、前記設計レンズ度数分布に対する実際の度数分布の誤差分布を算出して、レンズを評価する手順とを備え、前記設計レンズ度数分布を算出する手順は、前記設計値に基づいて前記レンズの光学特性を模した設計レンズ空間モデルを構築する設計レンズ空間モデル構築手順と、前記設計レンズ空間モデルの第2面の前記測定点と同一位置に、前記光路測定した出射光と正反対の光を入射させたと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出する光出射位置算出手順と、前記設計レンズ空間モデルの前記算出した光出射位置に前記光路測定のときと同じ光を照射したと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出する出射光光路算出手順と、この算出した出射光の光路に基づいて前記設計レンズ空間モデルの度数分布を算出する手順とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明は、同一仕様の眼鏡レンズを複数製造する眼鏡レンズ製造システムにおいて、製造するレンズの仕様を示す製造指示データを入力するコンピュータと、前記製造指示データに基づくレンズの設計値を記憶する記憶手段と、前記製造指示データに基づいて製造されたレンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいて前記レンズの度数分布を算出する度数分布測定装置と、前記設計値に基づいて度数分布を算出する設計レンズ度数分布算出手段と、前記設計レンズ度数分布算出手段によって算出された度数分布に対する前記度数分布測定装置によって測定された度数分布の誤差分布を算出する誤差分布算出手段とを有し、前記設計レンズ度数分布算出手段は、前記設計値に基づいて前記レンズの光学特性を模した設計レンズ空間モデルを構築する設計レンズ空間モデル構築手段と、前記設計レンズ空間モデルの第2面の前記測定点と同一位置に、前記光路測定された出射光と正反対の光を入射させたと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出する光出射位置算出手段と、前記設計レンズ空間モデルの前記算出された光出射位置に、前記度数分布測定装置による測定時と同じ光を照射したと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出する出射光光路算出手段と、この算出された出射光の光路に基づいて前記設計レンズ空間モデルの度数分布を算出する手段とを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、切削、研磨を終えた受注レンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいて受注レンズの度数分布を算出し、注文データに基づく受注レンズの設計値から設計レンズ度数分布を算出し、設計レンズ度数分布に対する実際の度数分布の誤差分布を算出して、レンズを評価することにより、レンズの広範囲について光学特性を短時間に検査することができる。その結果、本発明では、レンズ製造時間を短縮することができる。また、本発明では、切削、研磨による加工不良を早い段階で発見することができる。
また、本発明では、成型されたレンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいてレンズの度数分布を算出し、製造指示データに基づくレンズの設計値から設計レンズ度数分布を算出し、設計レンズ度数分布に対する実際の度数分布の誤差分布を算出して、レンズを評価することにより、レンズの広範囲について光学特性を短時間に検査することができる。その結果、本発明では、レンズ製造時間を短縮することができる。また、本発明では、重合成型による不良を早い段階で発見することができる。
本発明の第1参考例となる眼鏡レンズ評価装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1参考例における度数分布測定装置の概略構成を示すブロック図である。 図1の眼鏡レンズ評価装置の動作を示すシーケンス図である。 度数分布測定装置から出力される測定データを示す説明図である。 設計レンズの度数分布算出処理を示すフローチャート図である。 設計レンズ空間モデルの構築処理を示す説明図、および入出射光のシミュレーション処理を示す説明図である。 合否判定処理を示すフローチャート図である。 設計レンズの度数分布画像を示す図、被検レンズの度数分布画像を示す図、および被検レンズの誤差分布画像を示す図である。 判定領域と許容誤差の設定方法の1例を説明するための平面図である。 判定領域と許容誤差の設定方法の他の例を説明するための平面図である。 フレーム領域のみを対象とする評価方法を説明するための平面図である。 本発明の第1実施例に係る特注用眼鏡レンズ製造システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施例において受注から出荷までのレンズの製造工程の流れを示すフローチャート図である。 レンズ保持具が取り付けられたレンズの断面図である。 研磨装置の概略構成図である。 本発明の第2実施例に係る量産用眼鏡レンズ製造システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施例において量産レンズの製造工程の流れを示すフローチャート図である。 成形型の断面図である。 本発明の第2実施例における眼鏡レンズ評価装置の動作を示すシーケンス図である。 本発明の第2参考例となるモールド評価装置の概略構成を示すブロック図である。 図20のモールド評価装置の動作を示すシーケンス図である。
[第1参考例]
以下、本発明の参考例を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1参考例となる眼鏡レンズ評価装置の概略構成を示すブロック図である。本参考例の眼鏡レンズ評価装置は、被検レンズの度数分布を測定する度数分布測定装置1と、被検レンズの評価に必要なデータと評価結果とを記憶するデータサーバ2と、データサーバ2に記憶されているデータと度数分布測定装置1により測定されたデータとから設計値に対する被検レンズの評価を行う評価用コンピュータ3と、測定する被検レンズを識別するためのデータを評価用コンピュータ3に入力する入力手段4と、評価用コンピュータ3により評価された結果を出力するための出力手段5とからなる。
度数分布測定装置1の概略構成を図2に示す。度数分布測定装置1は、被検レンズ100に平行光を照射する光源装置11と、被検レンズ100を挟んで光源装置11の反対側に配置された、複数の光透過孔を有するビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12を透過した光が到達するスクリーン13と、このスクリーン13に表示された映像を取り込むCCDカメラ14と、このCCDカメラ14に取り込まれたデータから被検レンズ100を透過した光の経路を測定し被検レンズ100の光学特性を計算する計算装置15とからなる。計算装置15は、評価用コンピュータ3と兼用しても良い。
度数分布測定装置1は、被検レンズ100に光源装置11から平行光を照射したときにスクリーン13に投影される映像からレンズ透過後の光の経路を測定して、この測定結果より被検レンズ100の光学特性を算出するものである。なお、このような度数分布測定装置1として本参考例ではビジョニクス社製VM2500を使用した。
データサーバ2は、評価用コンピュータ3とネットワークで接続されたデータ記憶手段を有するコンピュータである。データサーバ2は、被検レンズ100の評価に必要なデータと評価結果とを記憶する記憶手段20を有する。この記憶手段20は、設計データ21をあらかじめ記憶する設計データ記憶手段と、受注データ22をあらかじめ記憶する受注データ記憶手段と、合否判定条件データ23をあらかじめ記憶する合否判定条件記憶手段と、測定および合否判定結果データ24を記憶する測定および合否判定結果記憶手段となる。
被検レンズ100の設計値は、設計データ21と受注データ22を基に決められている。設計データ21には、被検レンズ100の凸面と凹面の3次元形状データと、レンズ中心厚やプリズム値などのレンズ凸面と凹面の間隔に関するデータと、被検レンズ100の屈折率やアッベ数などの材質パラメータとが含まれる。3次元形状データはスプライン関数により関数化されていることが好ましい。
受注データ22としては、処方データ(S度数、C度数、乱数軸、プリズム、加入度など)、フレーム形状データ、レンズ種データなどがある。合否判定条件データ23は、被検レンズ100を複数の判定領域に区分する判定領域区分データと、この判定領域区分データに従って区分される判定領域ごとに設定された誤差許容条件データとからなる。そして、誤差許容条件データは、度数の許容誤差を判定領域ごとに定めた許容誤差データと、判定領域内の全測定点の数に対して許容誤差を満足しない測定点の数が占める割合の許容値を判定領域ごとに定めた許容割合データとからなる。
評価用コンピュータ3は、度数分布測定装置1と接続され、またネットワークを介してデータサーバ2と接続されている。評価用コンピュータ3は、度数分布測定装置1、データサーバ2、入力手段4及び出力手段5とのインタフェースとのインタフェースを有し、またCPUや記憶装置といった構成を有している。
この評価用コンピュータ3は、設計データと受注データに基づいて被検レンズ100の設計時の光学特性を模した設計レンズ空間モデルを仮想空間に構築する設計レンズ空間モデル構築手段と、仮想空間において設計レンズ空間モデルの第2面の測定点と同一位置に、光路測定された出射光と正反対の光を入射させ、設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出する光出射位置算出手段と、仮想空間において設計レンズ空間モデルの算出された光出射位置に、度数分布測定装置による測定時と同じ光を照射し、設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出する出射光光路算出手段と、この算出された出射光の光路に基づいて設計レンズ空間モデルの度数分布を算出する設計レンズ度数分布算出手段と、設計レンズ空間モデルの度数分布に対する被検レンズ100の度数分布の誤差分布を算出する誤差分布算出手段と、誤差分布算出手段で算出された誤差分布を合否判定条件と照合して被検レンズ100の合否を判定する合否判定手段となる。
入力手段4は、被検レンズ100に固有の識別データを評価用コンピュータ3に入力するものであり、例えばバーコードリーダやキーボード、他の装置から送られてきた識別データを受信する手段などがある。
出力手段5は、設計レンズの度数分布、度数分布測定装置1で測定された被検レンズ100の度数分布、設計レンズに対する被検レンズ100の誤差分布、この誤差分布を基にした合否判定結果等を表示したりデータ出力したりするものであり、例えばディスプレイ装置やプリンタ、他の装置へ結果をデータとして出力する手段などがある。
次に、以上のような眼鏡レンズ評価装置の動作を説明する。図3は、眼鏡レンズ評価装置の動作を示すシーケンス図である。まず、測定対象の被検レンズ100に添付された指示書のバーコードを入力手段(バーコードリーダ)4により読み取って評価用コンピュータ3に送る。評価用コンピュータ3は、入力手段4で読み取られたバーコードが示す識別データをネットワーク上のデータサーバ2に送って、識別データに対応する被検レンズ100の設計データ21と受注データ22を問い合わせる(図3ステップS1)。
データサーバ2は、評価用コンピュータ3から識別データを受信すると、この識別データに対応する被検レンズ100の設計データ21と受注データ22を記憶手段20から取り出して評価用コンピュータ3に送信する(ステップS2)。評価用コンピュータ3は、データサーバ2から受信した設計データ21と受注データ22のうち度数分布測定装置1での測定の際に必要な被検レンズ100の基礎情報(凹面の3次元形状データやレンズ中心厚やレンズの外径等)を度数分布測定装置1に送信する(ステップS3)。
次に、測定対象の被検レンズ100を度数分布測定装置1にセットすると(ステップS4)、度数分布測定装置1は、被検レンズ100の度数分布を測定し(ステップS5)、測定データを評価用コンピュータ3に送信する(ステップS6)。前述のように、度数分布測定装置1において被検レンズ100とスクリーン13との間には、複数の光透過孔を有するビームスプリッタ12が配置され、このビームスプリッタ12により被検レンズ100を通過した光は複数の光線に分離され、スクリーン13上に前記複数の光透過孔に対応した複数の光スポットが投影される。
図4は、度数分布測定装置1から出力される測定データを説明するための説明図である。度数分布測定装置1は、被検レンズ100がセットされていない状態におけるスクリーン13上の光スポット(以下、校正スポットと呼ぶ)の位置を示す基準座標RefX,RefYと、光源装置11の光が被検レンズ100のビームスプリッタ側の面から出射するときの位置(以下、測定点と呼ぶ)を示す座標X,Yと、被検レンズ100がセットされた状態におけるスクリーン13上の光スポット(以下、測定スポットと呼ぶ)の位置とこれに対応する校正スポット(測定スポットと同一の光透過孔を通過した校正スポット)の位置との偏差DX,DYと、被検レンズ100を通過した光の光路を基に算出した度数とを測定データとして出力する。
基準座標RefX,RefYと測定点座標X,Yと偏差DX,DYと度数は、個々のスポットごとに対応付けて出力されるので、被検レンズ100の各測定点座標X,Yにおける度数、すなわち度数分布が得られる。
度数分布測定装置1から測定データを受け取った評価用コンピュータ3は、設計レンズの度数分布算出処理を行う(ステップS7)。図5は、設計レンズの度数分布算出処理を示すフローチャート図である。度数分布算出処理において、評価用コンピュータ3は、データサーバ2から受信した被検レンズ100の設計データ21及び受注データ22、並びに度数分布測定装置1の測定装置固有パラメータとから、設計レンズ空間モデルを構築する(図5ステップS101)。
測定装置固有パラメータには、被検レンズ100とビームスプリッタ12間の距離、ビームスプリッタ12とスクリーン13間の距離などが含まれる。設計レンズ空間モデル101は、設計データ21と受注データ22に基づいて被検レンズ100の設計時の光学特性をシミュレートするもので、図6Aに示すように、仮想空間において度数分布測定装置1に設計レンズをセットした状態を評価用コンピュータ3上でシミュレートしたものである。
次に、評価用コンピュータ3は、入出射光のシミュレーション処理を行う。この入出射光のシミュレーション処理において、評価用コンピュータ3は、度数分布測定装置1で測定された、被検レンズ透過後の出射光の光路(図4のR1)を取得する(ステップS102)。
この出射光の光路R1は、測定データの基準座標RefX,RefY及び偏差DX,DYと、ビームスプリッタ12とスクリーン13間の距離から求めることができる。評価用コンピュータ3は、このような光路R1の取得を、ビームスプリッタ12で分離された出射光線ごとに行う。
続いて、評価用コンピュータ3は、取得した光路R1を図6Aの設計レンズ空間モデル101に適用して、図6Bのように光路R1を逆方向に辿ることにより、光路R1の出射光と正反対の光を設計レンズ空間モデル101のビームスプリッタ側の面に入射させたと仮定し、光源装置側の面から出射するときの光出射位置を示す座標X1,Y1を算出する(ステップS103)。評価用コンピュータ3は、このような座標X1,Y1の算出を、ステップS102で取得した出射光の光路R1ごとに行う。
次いで、評価用コンピュータ3は、算出した座標X1,Y1を入射位置座標とし、図6Cに示すように測定時と同じ光を光源装置11から設計レンズ空間モデル101の入射位置座標X1,Y1に照射したと仮定して、設計レンズ空間モデル透過後の出射光の光路R2を算出する(ステップS104)。評価用コンピュータ3は、このような光路R2の算出を、ステップS103で算出した座標X1,Y1ごとに行う。
ステップS102〜S104で入出射光のシミュレーション処理が終了し、評価用コンピュータ3は、この入出射光のシミュレーション処理で算出した光路R2群を基にZernike多項式を使用して各測定点の座標X,Yにおける度数分布を算出する(ステップS105)。
以上で、設計レンズの度数分布算出処理が終了する。次に、評価用コンピュータ3は合否判定処理を行う(図3ステップS8)。図7は合否判定処理を示すフローチャート図である。合否判定処理において、評価用コンピュータ3は、算出した設計レンズ空間モデル101の度数分布と度数分布測定装置1で測定された被検レンズ100の度数分布との差分である誤差分布を算出する(図7ステップS201)。誤差を算出するには、測定点座標X,Yが同一である設計レンズ空間モデル101の度数と被検レンズ100の度数との間で差分を求めればよい。
続いて、評価用コンピュータ3は、データサーバ2から合否判定条件データ23を取得する(ステップS202)。評価用コンピュータ3は、ステップS201で算出した誤差分布を、合否判定条件データ23中の判定領域区分データが定める複数の判定領域に区分する(ステップS203)。
次に、評価用コンピュータ3は、1つの判定領域内の全ての測定点座標X,Yの数をN、この判定領域内の測定点のうちステップS201で算出した誤差が同判定領域について定められた許容誤差データの値を超える測定点座標X,Yの数をMとしたとき、P=M×100/Nにより、判定領域内の全測定点の数に対して許容誤差を超える測定点の数が占める割合Pを算出する(ステップS204)。評価用コンピュータ3は、このような割合の算出を判定領域ごとに行う。そして、評価用コンピュータ3は、合否判定を行う(ステップS205)。すなわち、評価用コンピュータ3は、1つの判定領域で算出した割合Pが同判定領域について定められた許容割合データの値を超えるかどうかを判定領域ごとに判定し、割合Pが許容割合データの値を超える判定領域が少なくとも1つ存在する場合には不合格と判定し、割合Pが許容割合データの値を超える判定領域が存在しない場合には合格と判定する。以上で、合否判定処理が終了する。
評価用コンピュータ3は、合否判定結果と、算出した設計レンズ空間モデル101の度数分布を等高線で表した度数分布画像(図8A)と、度数分布測定装置1で測定された被検レンズ100の度数分布を等高線で表した度数分布画像(図8B)と、誤差の大きさを色分けして表した誤差分布画像(図8C)とを出力手段5に表示させる(図3ステップS9)。
最後に、評価用コンピュータ3は、度数分布測定装置1から受信した測定データと合格又は不合格を示す合否判定結果とからなる測定および合否判定結果データ24を、データサーバ2に送信する(ステップS10)。データサーバ2は、評価用コンピュータ3から受信した測定および合否判定結果データ24を記憶手段20に格納する(ステップS11)。
なお、データサーバ2にあらかじめ登録する判定領域と許容誤差の設定の仕方には、様々な方法が考えられる。図9は被検レンズ100が単焦点レンズの場合の判定領域と許容誤差の設定方法を説明するための平面図である。被検レンズ100が単焦点レンズの場合、被検レンズ100を図9に示すように判定領域A,B,C,Dの4つの領域に区分する。そして、レンズの光学中心に近い領域ほど重要度が高い、すなわち判定領域A,B,C,Dの順に重要度が高いものとし、重要度が高い判定領域ほど厳しい許容誤差を設定する。なお、この図においては光学中心と幾何学中心は一致している。
図10は被検レンズ100が多焦点レンズ(累進多焦点レンズも含む。以下同じ)の場合の判定領域と許容誤差の設定方法を説明するための平面図である。被検レンズ100が多焦点レンズの場合、被検レンズ100を図10に示すように判定領域A,B,C,D,E,F,Gの7つの領域に区分する。判定領域Aにはレンズの遠用部が含まれ、判定領域Bにはレンズの近用部が含まれている。そして、レンズの遠用部、近用部に近い領域ほど重要度を高く、例えば判定領域A,B,C,D,E,F,Gの順に重要度を高くする。重要度が高い判定領域ほど厳しい許容誤差を設定する。
また、以上の説明では、被検レンズ100の全領域について度数を評価しているが、被検レンズ100は検査後に眼鏡フレームの形状に合わせて縁摺り加工されるので、被検レンズ100のフレーム領域(図11の斜線部)内のみを評価して、フレーム領域から外れる部分については評価の対象から除外してもよい。
フレーム形状データは、データサーバ2に受注データ22として格納されている。したがって、ステップS203の処理において、受注データ22が表すフレーム領域内のみを判定領域の区分対象とし、合否判定条件データ23の判定領域区分データを用いて判定領域に区分すればよい。被検レンズ100のフレーム領域から外れる部分を評価の対象から除外することで、検査時間をさらに短縮することができる。
以上説明した第1参考例によれば、被検レンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、測定結果に基づいて被検レンズの度数分布を算出するようにしたことにより、接触式の3次元測定器を用いる場合に比べて測定時間を大幅に短縮することができる。また、設計値に基づいて設計レンズ空間モデルを仮想空間に構築し、設計レンズ空間モデルの第2面の測定点と同一位置に、光路測定した出射光と正反対の光を入射させ、設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出し、設計レンズ空間モデルの算出した光出射位置に測定手順と同じ光を照射し、設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出し、算出した出射光の光路に基づいて設計レンズ空間モデルの度数分布を算出し、設計レンズ空間モデルの度数分布に対する被検レンズの度数分布の誤差分布を算出するようにしたことにより、仮想空間に構築した設計レンズ空間モデルにおいて被検レンズの測定点と同一の点についてのみ入出射光のシミュレーション処理を行って設計レンズ空間モデルの度数分布を算出し、算出した度数分布を度数分布測定装置で測定された被検レンズの度数分布と比較するようにしたので、設計レンズの度数分布を容易に、かつ短時間に算出することができる。その結果、多種多様な被検レンズの広範囲について光学特性を短時間に検査することができる。
また、第1参考例によれば、被検レンズの光学中心に近い判定領域ほど厳しい誤差許容条件を設定することにより、単焦点レンズに対応した判定領域と許容誤差の設定を行うことができ、被検レンズの遠用部及び近用部に近い判定領域ほど厳しい誤差許容条件を設定することにより、多焦点レンズに対応した判定領域と許容誤差の設定を行うことができる。
さらに、第1参考例によれば、被検レンズのフレーム形状データによって特定されるフレーム領域のみを判定領域とし、被検レンズのフレーム領域から外れる部分を合否判定の対象から除外することにより、検査時間をさらに短縮することができる。
[第1実施例]
本実施例は、第1参考例のレンズ評価方法およびレンズ評価装置を眼鏡用プラスチックレンズの製造に適用した眼鏡レンズ製造方法および眼鏡レンズ製造システムに関するもので、発注元からの注文に応じてその仕様にレンズを加工して特注レンズを製造する例を示している。以下、第1実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
図12は本発明の第1実施例に係る特注用眼鏡レンズ製造システムの概略構成を示すブロック図である。図12では、発注側の例として眼鏡店6を、レンズ加工側の例としてレンズメーカの工場7を示しており、これらは通信媒体8で接続されている。通信媒体8としては例えば公衆通信回線や専用回線があり、またインターネットを利用するものでもよい。また、通信媒体8には途中に中継局を設けるようにしてもよい。なお、以下発注側は眼鏡店6の場合で説明するが、これに限定するものではなく、例えば眼科医、個人、あるいはレンズメーカの営業所等であってもよい。また、図12では発注側は一つしか示していないが、実際には通信媒体8に多数接続されている。
眼鏡店6には、オンライン注文用端末としてのコンピュータ60と、フレーム形状測定器61とが設置されている。注文用端末60は、キーボード等の入力装置やCRT等の画面表示装置を備えているとともに、通信手段を有し通信媒体8を介して工場7側と接続可能になっている。注文用端末60は、レンズや眼鏡を注文するために必要な情報を送受信するための端末で、専用の端末でもよいし、汎用のパソコンにレンズ注文用のソフトウェアがインストールされたものでもよい。また、工場7側のネットワークや中継局にWWW(World Wide Web)サーバを設け、このWWWサーバに登録されている注文用のドキュメントを注文用端末60のWWWブラウザーで画面表示させて注文できるようにしてもよい。
工場7には、受注レンズの光学性能を広範囲にわたって測定する度数分布測定装置1と、受注レンズの設計値に基づく光学性能を計算し、この設計値に基づく光学性能と度数分布測定装置1により測定された実際の光学性能とをレンズの広範囲について比較してレンズを評価する評価用コンピュータ3と、レンズを識別するためのデータを評価用コンピュータ3に入力する入力手段4と、評価用コンピュータ3により評価された結果を出力するための出力手段5と、受注レンズの評価に必要なデータ(受注データ22、設計データ21、合否判定条件データ23)、レンズ測定および評価結果、各レンズ製造工程におけるレンズ製造情報を記憶するコンピュータであるデータサーバ2aとが備えられている。さらに、工場7には、ブロッカー制御用コンピュータ70と、このブロッカー制御用コンピュータ70により制御・管理されるブロック装置(以下、ブロッカーとする)700と、カーブジェネレータ制御用コンピュータ71と、このカーブジェネレータ制御用コンピュータ71により制御・管理されるカーブジェネレータ710と、研磨制御用コンピュータ72と、この研磨制御用コンピュータ72により制御・管理される研磨装置720と、検査工程管理用コンピュータ73と、この検査工程管理用コンピュータ73により制御・管理されるレンズメータ730および肉厚計731と、マーカ制御用コンピュータ74と、このマーカ制御用コンピュータ74により制御・管理されるマーカ740および画像処理機741と、縁摺りヤゲン加工制御用コンピュータ75と、この縁摺りヤゲン加工制御用コンピュータ75により制御・管理されるレンズ研削装置750およびチャックインタロック751と、形状測定器制御用コンピュータ76と、この形状測定器制御用コンピュータ76により制御・管理される形状測定器760と、注文用端末60と通信を行い端末60からの注文を受注するとともにレンズ製造に必要な情報をブロッカー制御用コンピュータ70、カーブジェネレータ制御用コンピュータ71、研磨制御用コンピュータ72、検査工程管理用コンピュータ73、マーカ制御用コンピュータ74、縁摺りヤゲン加工制御用コンピュータ75および形状測定器制御用コンピュータ76に提供するコンピュータであるメインサーバ77とが備えられている。
本実施例では、ブロッカー制御用コンピュータ70、カーブジェネレータ制御用コンピュータ71、研磨制御用コンピュータ72、検査工程管理用コンピュータ73、マーカ制御用コンピュータ74、縁摺りヤゲン加工制御用コンピュータ75および形状測定器制御用コンピュータ76を総称して機器制御用コンピュータと呼ぶ。メインサーバ77、データサーバ2a、評価用コンピュータ3および機器制御用コンピュータは、ネットワークを介して互いに接続されている。
第1参考例で説明した眼鏡レンズ評価装置に相当する部分、すなわち度数分布測定装置1、データサーバ2a、評価用コンピュータ3、入力手段4および出力手段5については、第1参考例と同様なので説明を省略する。なお、前記データサーバ2aは、各機器制御用コンピュータに送られる各レンズごとの加工情報を記録した加工データ25と、各機器制御用コンピュータから送られてくる各工程で行なった各レンズごとの製造情報を記録した製造記録データ26とが記憶手段20に記録されている以外は第1参考例のデータサーバ2と同じである。機器制御用コンピュータによって制御・管理される各種機器については後述する。なお、工場7側のネットワーク構成は本実施例に限定せず、上記各種コンピュータが有する機能をネットワーク上のコンピュータやネットワーク機器に適宜統合、分散させてもよい。
次に、注文からレンズが製造され出荷されるまでの流れを説明する。図13は受注から出荷までのレンズの製造工程の流れを示すフローチャート図である。
まず、図13のステップS21の受注について説明する。眼鏡店6に設置されている注文用端末60の注文用プログラムが起動されると、注文用端末60は工場7側と接続され、オーダエントリ画面が注文用端末60の画面表示装置に表示される。工場7側のメインサーバ77には眼鏡レンズ受注システムプログラムが備えられており、このプラグラムにより注文用端末60に注文可能な眼鏡レンズ情報、眼鏡フレーム情報、その他注文に必要な情報が送られる。眼鏡店6のオペレータは、それらの情報を参考にオーダエントリ画面を見ながら注文用端末60の入力装置により注文する眼鏡レンズの情報、眼鏡フレームの情報、処方値およびレイアウト情報などを入力する。
眼鏡レンズの情報としては、レンズ種に関する情報(製品識別記号、レンズ材質、屈折率、レンズ表裏面の光学設計、レンズ外径、レンズカラー、コーティングなど)やレンズ加工指示に関する情報(レンズ厚さ、コバ厚さ、偏心、縁摺りヤゲン加工の有無、ヤゲンのたて方など)がある。眼鏡フレームの情報としては、製品識別記号、フレームサイズ、フレーム素材、色、形状、玉型種類、フレーム形状測定器により測定された眼鏡枠実測値などがある。処方値としては、S度数、C度数、プリズム、加入度などがある。また、レイアウト情報としては、瞳孔距離、近用瞳孔距離、SEGMENT小玉位置、アイポイント位置などがある。
注文用端末60に入力された情報は、通信媒体8を介して工場7側へ送られる。メインサーバ77には、前記眼鏡レンズ受注システムプログラムの他に、眼鏡レンズ加工設計プログラムが備えられている。注文用端末60から注文情報が送られてくると、眼鏡レンズ受注システムプログラムを経て眼鏡レンズ加工設計プログラムが起動し、ヤゲン形状を含めた所望のレンズ形状が演算される。メインサーバ77は、演算の結果、加工が不可能な場合、注文用端末60に注文入力値の修正をうながし、加工が可能な場合は受注が確定する。
受注が確定すると、注文用端末60から送られてきた注文情報はデータサーバ2aの記憶手段20に受注データ22として記憶される。また、受注が確定した場合は、前記眼鏡レンズ加工設計プログラムにより演算されたレンズ形状に関する情報がデータサーバ2aの記憶手段20に設計データ21として記憶される。また、眼鏡レンズ加工設計プログラムは各工程におけるレンズ加工設計値も演算し、その加工設計値に基づき加工するための加工条件(各種機器設定値、使用治具など)も決定する。そして、これらレンズ加工に関する情報(加工設計値、加工条件)は、データサーバ2aの記憶手段20に加工データ25として記憶されるとともに、各種機器制御用コンピュータに送られ各種機器の制御に用いられる。これら受注データ22、設計データ21、加工データ25に基づき定められたレンズ仕様やレンズ加工に必要な情報は加工指示書に印刷される。またこの加工指示書にはコンピュータで読み取り可能な識別情報(例えばバーコード)も付与されており、この識別情報をコンピュータで認識させることにより、レンズごとの製造仕様が特定できるようになっている。
工場7には第1面(凸面)だけが光学的に仕上げられ、第2面(凹面)は切削代、研磨代の分だけ肉厚に形成されたセミフィニッシュレンズブランク(以下、セミフィニッシュレンズとする)があらかじめ多くの種類について製造されストックされている。前記加工指示書にしたがって、ストックされているセミフィニッシュレンズの中から加工するレンズが選び出され、加工指示書とともにトレーに載せられベルトコンベアで次のブロック工程に運ばれる。なお加工指示書はその後の工程においてもレンズに添付される。
次に、図13のステップS22のブロック工程について説明する。ブロック工程とは、後の工程の切削工程、研磨工程で使用する切削装置、研磨装置にレンズを取り付けるためのレンズ保持具をレンズ第1面(凸面)に取り付ける工程である。図14にレンズ保持具が取り付けられたレンズの断面を示す。レンズ保持具117は、工具鋼等からなるヤトイ113と、受注工程で選び出されたレンズ100aとヤトイ113を接着する接着剤116とで構成されている。接着剤116としては例えば低融点合金(以下、アロイとする)が用いられる。レンズ100aの凸面105aには傷防止用の保護フィルム112を予め密着させておく。
レンズ100aにレンズ保持具117を取り付けるには、市販のブロッカー700が使用できる。ブロッカー700としては、例えばLOH社のレイアウトブロッカーがある。ブロッカー700を使用してレンズ100aの凸面105a側にヤトイ113を間隔をおいて配置し、その隙間の周囲にブロックリングを配置し、レンズ凸面105aとヤトイ113とブロッキングリングによって形成された空間に溶融したアロイを充填して冷却固化させる。そして、ブロックリングを取り外し、レンズ100aにレンズ保持具117が取り付けられる。なお、ヤトイ113とブロッキングリングにはサイズ(高さ、外径、内径など)が異なる複数の種類があるが、加工データ25にあらかじめ決められているサイズのヤトイ113とブロッキングリングを使用する。
ブロック工程が終了すると、この仕様のレンズの製造記録情報(使用装置、加工条件、操作者、加工日時など)がブロッカー制御用コンピュータ70からデータサーバ2aに送られ記憶手段20に製造記録データ26として記憶される。レンズ保持具117が取り付けられたレンズ100aは、次の切削加工工程に運ばれる。
次に、図13のステップS23の切削加工工程について説明する。切削加工工程とは、セミフィニッシュレンズの第2面(凹面)を、切削装置を使用して研磨代分を残して所定の面形状に切削する工程である。切削装置としては例えば市販の3次元NC制御を行うカーブジェネレータ710が使用できる。レンズ保持具117が取り付けられたレンズ100aは、ヤトイ113部分がカーブジェネレータ710の取り付け部に嵌め込まれることで、カーブジェネレータ710に取り付けられる。カーブジェネレータ710は、レンズ100aを回転させながら、切削用の刃をレンズ凹面105bに押し当て、刃を上下左右方向に移動させて所定の面形状に切削する。切削する面形状は、加工データ25によってあらかじめ決められている。
切削加工工程が終了すると、このレンズ100aの製造記録情報(使用装置、加工条件、操作者、加工日時など)がカーブジェネレータ制御用コンピュータ71からデータサーバ2aに送られ記憶手段20に製造記録データ26として記憶される。切削されたレンズ100aは、次の研磨工程に移される。
次に、図13のステップS24の研磨工程について説明する。研磨工程とは、切削加工されたレンズ100aの第2面を研磨して光学的に仕上げる工程である。切削加工工程では切削装置のバックラッシュ等により微小の段差が存在するが、そのような段差も研磨により取り除かれる。レンズ100aの凹面105bを研磨するには市販の研磨装置720が使用できる。研磨装置720としては、例えばLOH社製の汎用の研磨装置(TORO−X2SL)がある。研磨装置720の概略構成を図15に示す。
図15において、研磨装置720は、床面に設置された装置本体722と、この装置本体722に紙面において左右方向に移動自在でかつ水平な軸723を中心として紙面と直交する方向に回動自在に配設されたアーム724と、このアーム724を左右方向に往復移動させるとともに紙面と直交する方向に回動させる図示しない駆動装置と、前記アーム724に設けられレンズ100aの凸面105aをレンズ保持体7を介して保持するレンズ取付部726と、このレンズ取付部726の下方に位置するように前記装置本体722に配設され、図示しない駆動装置により垂直な軸線Kを中心として首振り旋回運動(自転はしない)を行う揺動装置728等を備えている。また、研磨装置720は、前記揺動装置728上に着脱自在に設けられた研磨治具729、この研磨治具729に着脱自在に取付けられた研磨パッド721、前記レンズ取付部726を昇降させる昇降装置725等を備えている。研磨治具729としては研磨したい面形状が形成されている金属皿や、弾性体からなる研磨部に流体を封入し所定の形状に膨らまして使用する研磨治具などが用いられる。研磨する第2面の面形状が非球面やアトーリック面、自由曲面形状などの複雑な形状の場合は金属皿では研磨できない場合があるため、弾性体からなる研磨治具729を用いることが好ましい。研磨治具729は研磨する面形状に応じて複数の種類が存在するので、加工データ25にあらかじめ決められている研磨治具729を使用する。
研磨工程が終了すると、このレンズ100aの製造記録情報(使用装置、加工条件、操作者、加工日時など)が研磨制御用コンピュータ72からデータサーバ2aに送られ、記憶手段20に製造記録データ26として記憶される。研磨を終えたレンズ100aは、レンズ保持具117が外され、次のレンズ評価工程に移される。
次に、図13のステップS25のレンズ評価工程について説明する。レンズ評価工程は、第1参考例の眼鏡レンズ評価装置に相当する部分(度数分布測定装置1、データサーバ2a、評価用コンピュータ3、入力手段4および出力手段5)で、第1参考例で説明した処理を行うものなので、説明を省略する。このレンズ評価工程で合格になったレンズ100aのうち、染色が必要なものは染色工程へ、染色の必要がないものは表面処理工程に移される。
次に、図13のステップS26の染色工程について説明する。染色工程はレンズ100aを染色する工程である。染色方法としては、種々の方法が実施されているが、例えば染料液を加熱し、加熱した染料液の中にプラスチックレンズを所定時間浸漬させた後、レンズを加熱して、レンズ内部に浸透した染料をさらに内部に拡散させて安定化させる方法がある。染料液としては、分散染料を水に溶解および懸濁させた染料液、分散染料を水に溶解させた染料液、分散染料を水に懸濁させた染料液がある。レンズ100aは、受注データ22で指定されている色に染色される。また、色見本がある場合にはその色に近くなるように染色される。染色を終えたレンズ100aは次の表面処理工程に移される。
次に、図13のステップS27の表面処理工程について説明する。表面処理工程は、レンズ100aの表面にハードコート、反射防止膜、水やけ防止コート、防汚膜などの表面処理を施す工程である。ハードコートは、レンズ表面の硬度を向上させるためのもので、例えばシリコン系樹脂などの有機物質をディッピング法やスピンコート法などによりレンズ表面に塗布し加熱硬化して成膜する。反射防止膜は、レンズ表面の光の反射を防止し透過率を向上させるためのもので、無機酸化物を真空蒸着法により多層蒸着させて成膜する。これらの表面処理は受注データ22に従って指定されたものが施される。表面処理が完了したレンズ100aは次の検査工程に移される。
次に、図13のステップS28の検査工程について説明する。検査工程では、レンズ100aの外観検査、所定の測定位置(例えば光学中心)における光学特性、レンズ100aの厚さなどが検査される。検査工程管理用コンピュータ73には、レンズメータ730と肉厚計731とが接続されている。検査工程管理用コンピュータ73は、レンズメータ730と肉厚計731とで得られた所定の測定位置の測定値と、受注データ22および設計データ21に基づくレンズ仕様とを比較して、レンズ100aが合格かどうかどうか判定する。合格したレンズ100aには光学中心を示すマークが施される。
検査工程が終了すると、このレンズ100aの検査結果はデータサーバ2aの記憶手段20に製造記録データ26として記憶される。受注データ22に縁摺りヤゲン加工の指示がない場合、レンズ100aは検査工程が終了した状態で発注元に出荷される。縁摺りヤゲン加工の指示がある場合、レンズ100aは次の縁摺りヤゲン工程に移される。
次に、図13のステップS29の縁摺りヤゲン加工工程について説明する。縁摺りヤゲン加工工程は、レンズ100aにレンズ保持具117を取り付け、研削装置により眼鏡を所定の形状にカットし、フレームに取り付けるようにレンズ100aの周縁を加工し、レンズ100aの周長と形状を検査する工程である。マーカ制御用コンピュータ74にはマーカ740と画像処理機741とが接続されている。このマーカ制御用コンピュータ74は、加工データ25に従い、レンズ100aの縁摺りおよびヤゲン加工する際にレンズ100aをブロック(保持)すべきブロッキング位置を決定し、画像処理機741とマーカ740とを制御して、レンズ100aにブロッキング位置マークを施す。このブロッキング位置マークに従い、ブロック用の保持具がレンズ100aに固定される。
縁摺りヤゲン加工制御用コンピュータ75にはマシニングセンタからなるNC制御のレンズ研削装置750とチャックインタロック751とが接続されている。縁摺りヤゲン加工制御用コンピュータ75は、加工データ25に従い、これら機器を制御してレンズ100aの縁摺り加工およびヤゲン加工を行なう。
形状測定器制御用コンピュータ76には、ヤゲン頂点の形状測定器760が接続されている。形状測定器制御用コンピュータ76は、この形状測定器760が測定したヤゲン加工済みのレンズ100aの周長および形状を、加工データ25と比較して加工の合否判定を行なう。この結果、合格になったレンズ100aは、再度外観、光学特性、厚さ等が検査され、合格になったレンズ100aが発注元に送られる。フレームも受注している場合は、フレームに取り付けられた状態で発注元に送られる。
なお、マーカ制御用コンピュータ74、縁摺りヤゲン加工制御用コンピュータ75および形状測定器制御用コンピュータ76からレンズ100aの製造記録情報(使用装置、加工条件、操作者、加工日時など)がデータサーバ2aに送られ記憶手段20に製造記録データ26として記憶される。
以上説明した第1実施例にかかる眼鏡レンズ製造方法および眼鏡レンズ製造システムは、セミフィニッシュレンズの切削・研磨加工が終わった後に、設計値に基づく光学性能と実際の光学性能とをレンズ表面の広範囲について比較してレンズを評価しているので、切削、研磨による加工不良が早い段階で発見でき、しかも評価の結果不合格となったものは後の工程に流されないため、後の工程を無駄に行なうことがなくなる。特に染色工程や表面処理工程のように比較的時間がかかる工程の前にレンズの加工不良がわかるためレンズ製造時間を短縮できる。
また、光学中心の度数や厚さがレンズ仕様どおりであっても切削、研磨工程後の形状が設計値と比べ誤差が大きい場合があり、そのような誤差が影響して縁摺りヤゲン加工工程時に支障が出る場合があるが、第1実施例では、縁摺りヤゲン加工工程より前にレンズ評価工程を設けているため、縁摺りヤゲン加工時に発生する不良を減らすことができる。
また、第1実施例では、各工程における製造記録データ26とレンズ評価装置による測定および合否判定結果データ24とを受注レンズごとに記憶しているため、不良原因の特定、品質向上の重要資料となる。例えばレンズ評価で不合格になったものは、ブロック工程、切削工程、研磨工程の製造記録データ26を分析することで原因を特定しやすい。
[第2実施例]
本実施例は、第1参考例のレンズ評価方法およびレンズ評価装置を眼鏡用プラスチックレンズの製造に適用した眼鏡レンズ製造方法および眼鏡レンズ製造システムに関するものであって、同一の仕様のレンズを量産する例を示している。以下、第2実施例を、図面を参照して説明する。
図16は量産用眼鏡レンズ製造システムの概略構成を示すブロック図である。この量産用眼鏡レンズ製造システムは、量産レンズの光学性能を広範囲にわたって測定する度数分布測定装置1と、量産レンズの設計値に基づく光学性能を計算し、この設計値に基づく光学性能と度数分布測定装置1により測定された実際の光学性能とをレンズの広範囲について比較してレンズを評価する評価用コンピュータ3と、レンズを識別するためのデータを評価用コンピュータ3に入力する入力手段4と、評価用コンピュータ3により評価された結果を出力するための出力手段5と、量産レンズの評価に必要なデータ(製造指示データ22b、設計データ21、合否判定条件データ23)、レンズ測定および評価結果、各レンズ製造工程におけるレンズ製造データ25bを記憶するコンピュータであるデータサーバ2bとを備えている。さらに、量産用眼鏡レンズ製造システムは、検査工程管理用コンピュータ73と、この検査工程管理用コンピュータ73により制御・管理されるレンズメータ730および肉厚計731と、成形型組み付け制御用コンピュータ78と、成形型組み付け制御用コンピュータ78により制御・管理される成形型組み付け装置780と、モノマー注入制御用コンピュータ79と、このモノマー注入制御用コンピュータ79により制御・管理されるモノマー注入装置790と、重合成型制御用コンピュータ80と、この重合成型制御用コンピュータ80により制御・管理される重合成型装置800と、レンズ製造に必要な情報を検査工程管理用コンピュータ73、成形型組み付け制御用コンピュータ78、モノマー注入制御用コンピュータ79および重合成型制御用コンピュータ80に提供するコンピュータであるメインサーバ77と、このメインサーバ77に量産製造するレンズの種類、製造方法等の製造指示データ22bを入力する製造指示データ入力手段9とを備えている。
本実施例では、検査工程管理用コンピュータ73、成形型組み付け制御用コンピュータ78、モノマー注入制御用コンピュータ79および重合成型制御用コンピュータ80を総称して機器制御用コンピュータと呼ぶ。メインサーバ77、データサーバ2b、評価用コンピュータ3および機器制御用コンピュータは、ネットワークを介して互いに接続されている。
第1参考例で説明した眼鏡レンズ評価装置に相当する部分、すなわち度数分布測定装置1、データサーバ2b、評価用コンピュータ3、入力手段4および出力手段5については、データサーバ2bの記憶手段20に記憶されている受注データ22が製造指示データ22bになっている以外は同じであるため、相違点以外の説明は省略する。なお、前記データサーバ2bには、各機器制御用コンピュータに送られる各レンズごとの製造情報を記録した製造データ25bと、各機器制御用コンピュータから送られてくる各工程で行なった各レンズごとの製造情報を記録した製造記録データ26bが記憶手段20に記録されている。各種機器制御用コンピュータによって制御・管理される各種機器については後述する。なお、工場7側のネットワーク構成は本実施例に限定せず、上記各種コンピュータが有する機能をネットワーク上のコンピュータやネットワーク機器に適宜統合、分散させてもよい。
次に、レンズ量産の流れを説明する。図17は量産レンズの製造工程の流れを示すフローチャート図である。量産されるレンズとしては、第1面および第2面が光学的に仕上げられたフィニッシュレンズと、第1面だけが光学的に仕上げられ第2面は切削代と研磨代分を肉厚に形成したセミフィニッシュレンズとがある。
初めに製造指示データ22bを製造指示データ入力手段9よりメインサーバ77に入力する(図17ステップS31)。製造指示データ22bとしては、量産するレンズ種に関する情報(製品識別記号、レンズ材質、屈折率、レンズ表裏面の光学設計、レンズ外径、コーティングなど)、レンズの度数に関する情報(S度数、C度数、プリズム、加入度など)、製造に関する情報(製造枚数、製造日時、製造ライン、製造順番など)がある。
製造指示データ22bが入力されると、メインサーバ77はこの製造指示データ22bをもとに各製造工程に必要な製造条件(製造に使用するガスケット、モールド、モノマー、その他使用治具、成形型組み付け条件、モノマー注入条件、重合成形条件など)を決定する。これら製造条件はレンズ種とレンズ度数から特定できるレンズの種類ごとにあらかじ決められている。決定された製造条件は、データサーバ2bの記憶手段20に製造データ25bとして記憶されるとともに、各機器制御用コンピュータに送られ、各機器の制御に用いられる。また、製造指示データ22bや製造データ25bに基づく製造に必要な情報は製造指示書として各工程に印刷されるとともに、表示画面上に表示される。なお、各種レンズの設計値(第1面と第2面の3次元形状データやレンズ厚さ)は、データサーバ2bの記憶手段20に設計データ21として記憶されており、レンズ種とレンズ度数からそのレンズの設計値が特定できるようになっている。3次元形状データはスプライン関数により関数化されていることが好ましい。
プラスチックレンズを成形する方法としては、注型重合方法が知られている。この方法によるレンズの成形方法は、初めに成形型を組み付け(成形型組み付け工程)、この成形型に熱硬化性樹脂からなるレンズ原料であるモノマーを注入する(モノマー注入工程)。そして、高温の炉に入れ加熱重合し(重合成型工程)、重合が完了したレンズを型から外しレンズが成形される。
以下、図17のステップS32の成形型組み付け工程について説明する。成形型組み付け工程は、ガスケットにモールド(上型および下型)を組み付け、注入重合のための成形型を作る工程である。
図18は成形型の断面図である。成形型121は、ガスケット122、上型126および下型127からなる。ガスケット122は、弾性を有する樹脂からなり主要部は円筒形の形状をしている。そして、この円筒形の筒状部の外壁面にはモノマー注入部124が形成されている。モノマー注入部124は筒状部に形成された注入孔を介して筒状部の内部に通じている。上型126と下型127とはガラスからなり、筒状部の内壁に上型126と下型127が間隔をおいて配置されている。上型126はレンズの第1面を成形するための面を有し、下型127はレンズの第2面を成形するための面を有している。ガスケット122とモールド126,127によって形成されたキャビティ129には前記注入孔が通じている。
このような成形型121の組み付けは、成形型組み付け装置780によって行われる。ガスケット122、上型126および下型127は、製造データ25bにより決められたものが使用される。また、モールド126と127の間隔等も製造データ25bに指示されている通りに設定される。
成形型組み付け工程が終了すると、このレンズの製造記録情報(使用装置、製造条件、操作者、製造日時など)が成形型組み付け制御用コンピュータ78からデータサーバ2bに送られ記憶手段20に製造記録データ26bとして記憶される。組みつけられた成形型121は、次のモノマー注入工程に移される。
次に、図17のステップS33のモノマー注入工程について説明する。モノマー注入工程は、成形型121内部にレンズの原料となる液状のモノマーを注入する工程である。成形型121はモノマー注入部124を上にして保持され、モノマー注入部124から熱硬化性のモノマーが注入される。この作業は、モノマー注入装置790によって自動的に行われる。注入するモノマーの種類や注入条件等は、製造データ25bで指定されている。
モノマー注入工程が終了すると、この仕様のレンズの製造記録情報(使用装置、製造条件、操作者、製造日時など)がモノマー注入制御用コンピュータ79からデータサーバ2bに送られ記憶手段20に製造記録データ26bとして記憶される。注入を終えた成形型121は、次の重合成型工程に移される。
次に、図17のステップS34の重合成型工程について説明する。重合成型工程は、成形型121に注入されたモノマーを重合硬化させる工程である。熱硬化性のモノマーが注入された成形型121は、重合成型装置800の電気炉内に置かれ加熱重合される。電気炉は、所定の時間、所定の温度変化をするように温度管理される。このときの温度や時間は、製造データ25bで指定されている。重合が完了すると、成形型121は電気炉から取り出され、ガスケット122およびモールド126,127は取り外されレンズができる。
重合成型工程が終了すると、この仕様のレンズの製造記録情報(使用装置、製造条件、操作者、製造日時など)が重合成型制御用コンピュータ80からデータサーバ2bに送られ記憶手段20に製造記録データ26bとして記憶される。成形されたレンズは、次のレンズ評価工程に移される。
次に、図17のステップS35のレンズ評価工程について説明する。レンズ評価工程は、第1参考例の眼鏡レンズ評価装置に相当する部分(度数分布測定装置1、データサーバ2b、評価用コンピュータ3、入力手段4および出力手段5)で行うものである。量産レンズを評価する場合の眼鏡レンズ評価装置の動作を図19に示す。第1参考例と異なるのは、第1参考例の設計データ21が量産用の設計データ21となり、受注データ22が製造指示データ22bとなっている点であり、その他は第1参考例と同じである。
レンズ評価の結果、合格と判定されたレンズは、セミフィニッシュレンズの場合は検査工程(ステップS36)に移され、この検査工程で合格になったものが在庫としてストックされる(ステップS37)。ストックされたレンズは、第1実施例で説明した特注レンズの製造に使用される。
一方、フィニッシュレンズの場合は、表面処理工程(ステップS38)の後、検査工程(ステップS39)で合格になったものが在庫としてストックされるか、あるいは眼鏡店等に出荷される(ステップS40)。フィニッシュレンズを使って特注レンズを作る場合、フィニッシュレンズの第2面は仕上げられているので、第1実施例で説明した縁摺りヤゲン加工工程から行い、発注元へ出荷する。なお、ステップS38の表面処理工程、ステップS39の検査工程については、それぞれ第1実施例のステップS27,S28と同じなので説明を省略する。
以上説明した第2実施例にかかる眼鏡レンズ製造方法および眼鏡レンズ製造システムは、レンズを重合成形した後に、設計値に基づく光学性能と実際の光学性能とをレンズ表面の広範囲について比較してレンズを評価しているため重合成型による不良が早い段階で発見できる。また、第2実施例では、所定の条件以上誤差が大きいものについては不合格となり後の工程にはいかないので、後の工程を無駄に行なうことがなくなる。特に表面処理工程のように比較的時間がかかる工程の前にレンズの不良がわかるためレンズ製造時間を短縮できる。
また、光学中心の度数や厚さがレンズ仕様どおりであっても、レンズ表裏面の形状が設計値と比べ誤差が大きい場合があるが、そのようなレンズはレンズ評価工程で取り除かれるため、レンズの広範囲にわたって設計値どおりのレンズを製造することが可能である。
さらに、第2実施例では、各工程における製造記録データ26bとレンズ評価装置による測定および合否判定結果データ24とを量産レンズごとに記憶しているため、不良原因の特定、品質向上の重要資料となる。
[第2参考例]
本参考例は、第1参考例のレンズ評価方法およびレンズ評価装置を、眼鏡用プラスチックレンズ製造に使用する成形型のモールドを評価する場合に適用した例である。モールドは、第2実施例で説明したとおりガラスからなり、上型と下型がある。上型は眼鏡レンズの第1面を形成するための成形面(凹面)を有し、もう一方の面は所定の面形状をしている。下型は眼鏡レンズの第2面を形成するための成形面(凸面)を有し、もう一方の面は所定の面形状をしている。モールドの成形面はプラスチックレンズに転写されるので、成形面はガラスレンズと同様の高い面精度を有している必要がある。モールドは、一方の面がレンズ成形面であり、その反対の面が所定の面形状を有していることから、レンズと同様に所定の光学特性を有している。したがって、第1参考例のレンズ評価方法およびレンズ評価装置により光学性能を測定し、設計値から計算される光学性能と比較することにより被検モールドの広い範囲の面形状の誤差を測定し判定することができる。
図20は、本発明の第2参考例となるモールド評価装置の概略構成を示すブロック図である。第2参考例のモールド評価装置は、被検モールドの度数分布を測定する度数分布測定装置1と、被検モールドの評価に必要なデータと評価結果とを記憶するデータサーバ2cと、データサーバ2cに記憶されているデータと度数分布測定装置1により測定されたデータとから設計値に対する被検モールドの評価を行う評価用コンピュータ3と、測定する被検モールドを識別するためのデータを評価用コンピュータ3に入力する入力手段4と、評価用コンピュータ3により評価された結果を出力するための出力手段5とからなる。
度数分布測定装置1については、第1参考例と同じなので説明を省略する。データサーバ2cは、評価用コンピュータ3とネットワークで接続されたデータ記憶手段を有するコンピュータである。データサーバ2cは、被検モールドの評価に必要なデータと評価結果とを記憶する記憶手段20を有する。この記憶手段20は、モールド用の設計データ21cをあらかじめ記憶する設計データ記憶手段と、モールドの製造指示データ22cをあらかじめ記憶する製造指示データ記憶手段と、合否判定条件データ23をあらかじめ記憶する合否判定条件記憶手段と、測定および合否判定結果データ24を記憶する測定および合否判定結果記憶手段となる。
被検モールドの設計値は、設計データ21cと製造指示データ22cを基に決められている。設計データ21cには、被検モールドの凸面と凹面の3次元形状データと、モールド中心厚やプリズム値などのモールド凸面と凹面の間隔に関するデータと、被検モールドの屈折率やアッベ数などの材質パラメータとが含まれる。3次元形状データはスプライン関数により関数化されていることが好ましい。製造指示データ22cとしては、モールド仕様に関する情報(モールド識別記号、モールド材質、屈折率、モールド成形面の光学設計、モールド外径、モールド厚さ、成形面の屈折力、成形面のベースカーブ、成形面以外の面(外表面)のベースカーブ、モールド縁部の形状など)と、製造に関する情報(製造枚数、製造日時、製造方法、製造順番など)がある。合否判定条件データ23に関しては、第1参考例と同じなので説明を省略する。また、入力手段4、出力手段5についても第1参考例と同じなので説明を省略する。
次に、以上のようなモールド評価装置の動作を説明する。図21は、モールド評価装置の動作を示すシーケンス図である。第1参考例と異なるのは、被検レンズの代わりに被検モールドを用い、設計レンズ空間モデルの代わりに設計モールド空間モデルを用い、第1参考例の設計データ21がモールド用の設計データ21となり、受注データ22が製造指示データ22cとなっている点であり、その他は第1参考例と同じである。
まず、測定対象の被検モールドに添付された製造指示書のバーコードを入力手段(バーコードリーダ)4により読み取って評価用コンピュータ3に送る。評価用コンピュータ3は、入力手段4で読み取られたバーコードが示す識別データをネットワーク上のデータサーバ2cに送って、識別データに対応する被検モールドの設計データ21cと製造指示データ22cを問い合わせる(図21ステップS1)。
データサーバ2cは、評価用コンピュータ3から識別データを受信すると、この識別データに対応する被検モールドの設計データ21cと製造指示受注データ22を記憶手段20から取り出して評価用コンピュータ3に送信する(ステップS2)。評価用コンピュータ3は、データサーバ2cから受信した設計データ21cと製造指示データ22cのうち度数分布測定装置1での測定の際に必要な被検モールドの基礎情報(成形面と外表面の3次元形状データやモールド中心厚やモールドレンズの外径等)を度数分布測定装置1に送信する(ステップS3)。
これ以降の動作は、第1参考例と同様なので説明を省略する。また判定方法についても第1参考例と同様なので説明を省略する。
以上説明した第2参考例にかかるモールド評価方法およびモールド評価装置によれば、被検モールドの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、測定結果に基づいて被検モールドの度数分布を算出するようにしたことにより、接触式の3次元測定器を用いる場合に比べて測定時間を大幅に短縮することができる。また、設計値に基づいて設計モールド空間モデルを構築し、設計モールド空間モデルの第2面の測定点と同一位置に、光路測定した出射光と正反対の光を入射させ、設計モールド空間モデルの第1面上の光出射位置を算出し、設計モールド空間モデルの算出した光出射位置に測定手順と同じ光を照射し、設計モールド空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出し、算出した出射光の光路に基づいて設計モールド空間モデルの度数分布を算出し、設計モールド空間モデルの度数分布に対する被検モールドの度数分布の誤差分布を算出するようにしたことにより、設計モールド空間モデルにおいて被検レンズの測定点と同一の点についてのみ入出射光のシミュレーション処理を行って設計モールド空間モデルの度数分布を算出し、算出した度数分布を度数分布測定装置1で測定された被検モールドズの度数分布と比較するようにしたので、設計モールドの度数分布を容易に、かつ短時間に算出することができる。その結果、多種多様な被検モールドの広範囲について光学特性を短時間に検査することができる。
本発明は、多種多様な被検レンズの広範囲について光学特性を短時間に検査して製造することに適している。
1…度数分布測定装置、2a,2b…データサーバ、3…評価用コンピュータ、4…入力手段、5…出力手段、6…眼鏡店、7…工場、8…通信媒体。

Claims (4)

  1. 眼鏡レンズの発注側からの注文データに基づき眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズ製造方法において、
    前記注文データに基づきレンズを切削、研磨する手順と、
    この切削、研磨を終えた受注レンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいて前記受注レンズの度数分布を算出する手順と、
    前記注文データに基づく受注レンズの設計値から設計レンズ度数分布を算出する手順と、
    前記設計レンズ度数分布に対する実際の度数分布の誤差分布を算出して、レンズを評価する手順とを備え
    前記設計レンズ度数分布を算出する手順は、
    前記設計値に基づいて前記レンズの光学特性を模した設計レンズ空間モデルを構築する設計レンズ空間モデル構築手順と、
    前記設計レンズ空間モデルの第2面の前記測定点と同一位置に、前記光路測定した出射光と正反対の光を入射させたと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出する光出射位置算出手順と、
    前記設計レンズ空間モデルの前記算出した光出射位置に前記光路測定のときと同じ光を照射したと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出する出射光光路算出手順と、
    この算出した出射光の光路に基づいて前記設計レンズ空間モデルの度数分布を算出する手順とを含むことを特徴とする眼鏡レンズ製造方法。
  2. 眼鏡レンズの発注側に設置されたコンピュータと、
    この発注側コンピュータから送られてくる注文データを受信可能に接続された製造側コンピュータと、
    前記注文データに基づく受注レンズの設計値を記憶する記憶手段と、
    前記注文データに基づいて製造された受注レンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいて前記受注レンズの度数分布を算出する度数分布測定装置と、
    前記設計値に基づいて度数分布を算出する設計レンズ度数分布算出手段と、
    前記設計レンズ度数分布算出手段によって算出された度数分布に対する前記度数分布測定装置によって測定された度数分布の誤差分布を算出する誤差分布算出手段とを有し、
    前記設計レンズ度数分布算出手段は、
    前記設計値に基づいて前記レンズの光学特性を模した設計レンズ空間モデルを構築する設計レンズ空間モデル構築手段と、
    前記設計レンズ空間モデルの第2面の前記測定点と同一位置に、前記光路測定された出射光と正反対の光を入射させたと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出する光出射位置算出手段と、
    前記設計レンズ空間モデルの前記算出された光出射位置に、前記度数分布測定装置による測定時と同じ光を照射したと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出する出射光光路算出手段と、
    この算出された出射光の光路に基づいて前記設計レンズ空間モデルの度数分布を算出する手段とを含むことを特徴とする眼鏡レンズ製造システム。
  3. 同一仕様の眼鏡レンズを複数製造する眼鏡レンズ製造方法において、
    製造するレンズの仕様を示す製造指示データに基いてレンズを成型する手順と、
    この成型されたレンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいて前記レンズの度数分布を算出する手順と、
    前記製造指示データに基づくレンズの設計値から設計レンズ度数分布を算出する手順と、
    前記設計レンズ度数分布に対する実際の度数分布の誤差分布を算出して、レンズを評価する手順とを備え
    前記設計レンズ度数分布を算出する手順は、
    前記設計値に基づいて前記レンズの光学特性を模した設計レンズ空間モデルを構築する設計レンズ空間モデル構築手順と、
    前記設計レンズ空間モデルの第2面の前記測定点と同一位置に、前記光路測定した出射光と正反対の光を入射させたと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出する光出射位置算出手順と、
    前記設計レンズ空間モデルの前記算出した光出射位置に前記光路測定のときと同じ光を照射したと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出する出射光光路算出手順と、
    この算出した出射光の光路に基づいて前記設計レンズ空間モデルの度数分布を算出する手順とを含むことを特徴とする眼鏡レンズ製造方法。
  4. 同一仕様の眼鏡レンズを複数製造する眼鏡レンズ製造システムにおいて、
    製造するレンズの仕様を示す製造指示データを入力するコンピュータと、
    前記製造指示データに基づくレンズの設計値を記憶する記憶手段と、
    前記製造指示データに基づいて製造されたレンズの第1面に光を照射したとき、反対側の第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を測定し、この測定結果に基づいて前記レンズの度数分布を算出する度数分布測定装置と、
    前記設計値に基づいて度数分布を算出する設計レンズ度数分布算出手段と、
    前記設計レンズ度数分布算出手段によって算出された度数分布に対する前記度数分布測定装置によって測定された度数分布の誤差分布を算出する誤差分布算出手段とを有し、
    前記設計レンズ度数分布算出手段は、
    前記設計値に基づいて前記レンズの光学特性を模した設計レンズ空間モデルを構築する設計レンズ空間モデル構築手段と、
    前記設計レンズ空間モデルの第2面の前記測定点と同一位置に、前記光路測定された出射光と正反対の光を入射させたと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第1面上の光出射位置を算出する光出射位置算出手段と、
    前記設計レンズ空間モデルの前記算出された光出射位置に、前記度数分布測定装置による測定時と同じ光を照射したと仮定した場合の、前記設計レンズ空間モデルの第2面の複数の測定点から出射する各出射光の光路を算出する出射光光路算出手段と、
    この算出された出射光の光路に基づいて前記設計レンズ空間モデルの度数分布を算出する手段とを含むことを特徴とする眼鏡レンズ製造システム。
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